JP3607924B2 - ポリマー電解質二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体ポリマー電解質層を備えるポリマー電解質二次電池用電極の製造方法、ポリマー電解質二次電池及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の発達にともない、小型で軽量、かつエネルギー密度が高く、更に繰り返し充放電が可能な二次電池の開発が要望されている。このような二次電池としては、リチウムまたはリチウム合金を活物質とする負極と、モリブデン、バナジウム、チタンあるいはニオブなどの酸化物、硫化物もしくはセレン化物を活物質とする正極とを具備したリチウム二次電池が知られている。
【0003】
しかしながら、リチウムまたはリチウム合金を活物質とする負極を備えた二次電池は、充放電サイクルを繰り返すと負極にリチウムのデンドライトが発生するため、充放電サイクル寿命が短いという問題点がある。
【0004】
このようなことから、負極に、例えばコークス、黒鉛、炭素繊維、樹脂焼成体、熱分解気相炭素のようなリチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料を用いたリチウムイオン二次電池が提案されている。前記リチウムイオン二次電池は、デンドライト析出による負極特性の劣化を改善することができるため、電池寿命と安全性を向上することができる。
【0005】
リチウムイオン二次電池の一例であるポリマー電解質二次電池としては、米国特許第5,296,318号明細書に正極、負極及び電解質層にポリマーを添加することにより柔軟性が付与されたハイブリット高分子電解質を有する再充電可能なリチウムインターカレーション電池が開示されている。この電池は、例えば金属箔や、金属製メッシュからなる正極集電体と、活物質,非水電解液及びこの電解液を保持するポリマーを含む正極層と、非水電解液及びこの電解液を保持するポリマーを有する固体ポリマー電解質層と、リチウムイオンを吸蔵放出し得る炭素質材料,非水電解液及びこの電解液を保持するポリマーを有する負極層と、例えば金属箔や、金属製メッシュからなる負極集電体とがこの順番に積層された構造を有する。
【0006】
しかしながら、前述した電池に組込まれる集電体は非常に薄いため、抵抗が高い。その上、リード線を前記集電体の例えば長手方向に沿う端部(例えば端部中央)に取付けて集電を行っている。その結果、前記リード線を通して前記集電体に電流を流した場合、前記リード線の接続部に対して前記端部と反対側の端部コーナ部では電流経路が長くなるため、電圧降下の度合いが増大する。従って、前記集電体を備えた二次電池は大電流放電特性が劣る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、大電流放電特性が改善されたポリマー電解質二次電池用電極の製造方法を提供することである。
本発明の別の目的は、安全性が向上されたポリマー電解質二次電池及びその製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のポリマー電解質二次電池は、正極集電体と、前記集電体上に部分的に積層され、かつ活物質及び非水電解液を保持する正極層とを含む正極と、
負極集電体と、前記集電体上に部分的に積層され、かつリチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料及び非水電解液を保持する負極層とを含む負極と、
非水電解液とこの電解液を保持するポリマーとしてビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレンの共重合体とを含む固体電解質層と
を具備し、
前記固体電解質層は、前記正極と前記負極の間に、前記正極の正極層未積層領域と前記負極の負極層未積層領域とが前記固体電解質層を挟んで対向するように配置されていることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る方法で製造された電極を備えたポリマー電解質二次電池をを図1〜図3を参照して説明する。
図1に示すように、素電池1は、正極集電体2と、前記集電体2の長手方向に沿う端部に形成され、かつ中央部にリード線3を有する帯状金属箔からなるリード部4と、前記集電体2に積層された正極層5とを含む正極;負極集電体6と、前記集電体6の長手方向に沿う端部に形成され、かつ中央部にリード線7を持つ帯状金属箔からなるリード部8と、前記集電体6に積層された負極層9とを含む負極;を備える。前記素電池1は、前記正極の正極層5と前記負極の負極層9との間に固体ポリマー電解質層10を介在し、この積層物の負極集電体6側に絶縁層11を配置し、これらを前記絶縁層11が外側に位置するように渦巻状に捲回することにより作製される。このような素電池1は最外周に前記絶縁層11が位置している。粘着性を有する絶縁材料からなる絶縁板12は、前記素電池1の捲回方向と直交する面に配置されている。前記絶縁板12は、例えば肉厚が0.5mm〜1.5mmのアスファルトシート;ポリプロピレンや、ポリエチレンなどの合成樹脂板にアクリル酸エステル、天然ゴムにエステルガム、脂肪酸ポリアミド、ヒマシ油をブレンドした感圧接着剤をコーティングしたもの;等から形成されている。前記正極のリード線3は、前記絶縁板12を貫通して外部に突出している。前記負極のリード線7は、前記絶縁板12を貫通して外部に突出している。熱収縮チューブからなる外装チューブ13は、前記素電池1の底面及び最外周と、前記絶縁板12の周縁とを被覆している。
【0013】
次に、正極、負極、前記固体ポリマー電解質層、前記絶縁層及び前記外装チューブについて説明する。
1)正極
この正極は、正極集電体2と、前記集電体2の長手方向に沿う端部に形成され、かつ中央部にリード線3を有する帯状金属箔からなるリード部4と、前記集電体2に積層された正極層5とを含む。
【0014】
前記正極層は、活物質と、非水電解液と、この電解液を保持するポリマーを含む。
前記活物質としては、種々の酸化物(例えばLiMn2 O4 などのリチウムマンガン複合酸化物、二酸化マンガン、例えばLiNiO2 などのリチウム含有ニッケル酸化物、例えばLiCoO2 などのリチウム含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物、リチウムを含む非晶質五酸化バナジウムなど)や、カルコゲン化合物(例えば、二硫化チタン、二硫化モリブテンなど)等を挙げることができる。中でも、リチウムマンガン複合酸化物、リチウム含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケル酸化物を用いるのが好ましい。
【0015】
前記非水電解液は、非水溶媒に電解質を溶解することにより調製される。
前記非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DME)、ジエチレンカーボネート(DEC)、メチレンエチレンカーボネート(MEC)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシメタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン等を挙げることができる。前記非水溶媒は、単独で使用しても、2種以上混合して使用しても良い。
【0016】
前記電解質としては、例えば、過塩素酸リチウム(LiClO4 )、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )、ホウ四フッ化リチウム(LiBF4 )、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6 )、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CF3 SO2 )2 ]等のリチウム塩を挙げることができる。
【0017】
前記電解質の前記非水溶媒に対する溶解量は、0.2mol/l〜2mol/lとすることが望ましい。
前記非水電解液を保持するポリマーとしては、ビニリデンフロライド(VdF)−ヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体を用いることができる。前記共重合体において、VdFは共重合体の骨格部で機械的強度の向上に寄与し、HFPは前記共重合体に非晶質の状態で取り込まれ、非水電解液の保持とリチウムイオンの透過部として機能する。前記HFPの共重合割合は、前記合成条件にも依存するが、通常、最大で20重量%前後である。
【0018】
前記正極は、人造黒鉛、カーボンブラック(例えばアセチレンブラックなど)、ニッケル粉末等を導電性材料として使用することを許容する。
前記正極集電体としては、例えば、アルミニウム箔、アルミニウムメッシュ等を用いることができる。
【0019】
前記リード線及び前記リード部は、例えばアルミニウムから形成することができる。
前記正極は、例えば次の(a)及び(b)に示す方法により作製することができる。
(a)第1の方法
<第1工程>
前記活物質、前記導電材料、前記非水電解液及び前記ポリマーからなる正極層形成材料を調製する。図2に示すように、帯状の正極集電体21に前記正極層形成材料を一定の間隔で未積層領域を残して塗布し、前記帯状集電体21にその長手方向と直交する縞状の正極層22を積層する。
<第2工程>
得られた正極層積層帯状集電体を図2に示す裁断線Aに沿って裁断し、図3に示す長手方向に沿う端部に未積層領域23を有する正極層積層集電体24を作製する。
<第3工程>
図4に示すように、中央部にリード線25を有する帯状金属箔からなるリード部26を前記正極層積層集電体24の前記端部に取付け、正極を得る。
(b)第2の方法
<第1工程>
前記活物質、前記導電材料及び前記ポリマーからなる正極層形成材料を調製する。前述した図2に示すように、帯状の正極集電体21に前記正極層形成材料を一定の間隔で未積層領域を残して塗布し、前記帯状集電体21にその長手方向と直交する縞状の正極層22を積層する。
<第2工程>
得られた正極層積層帯状集電体を図2に示す裁断線Aに沿って裁断し、前述した図3に示す長手方向に沿う端部に未積層領域23を有する正極層積層集電体24を作製する。
<第3工程>
前述した図4に示すように、中央部にリード線25を有する帯状金属箔からなるリード部26を前記正極層積層集電体24の前記端部に取付ける。
<第4工程>
前記リード部を有する正極層積層集電体に前記非水電解液を含浸させることにより正極を得る。
2)負極
この負極は、負極集電体6と、前記集電体6の長手方向に沿う端部に形成され、かつ中央部にリード線7を持つ帯状金属箔からなるリード部8と、前記集電体6に積層された負極層9とを含む。
【0020】
前記負極層は、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料と、非水電解液と、この電解液を保持するポリマーを含む。
前記リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料としては、例えば、有機高分子化合物(例えば、フェノール樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロース等)を焼成することにより得られるもの、コークスや、ピッチを焼成することにより得られるもの、人造グラファイト、天然グラファイト等に代表される炭素質材料を挙げることができる。中でも、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中において、500℃〜3000℃の温度で、常圧または減圧下にて前記有機高分子化合物を焼成して得られる炭素質材料を用いるのが好ましい。
【0021】
前記非水電解液及び前記ポリマーは、前述した正極で説明したものと同様なものが用いられる。
前記負極集電体としては、例えば、銅箔、銅メッシュ等を用いることができる。
【0022】
前記リード線及び前記リード部は、例えば銅から形成することができる。
前記負極は、例えば次の(c)及び(d)に示す方法により作製することができる。
(c)第1の方法
<第1工程>
前記炭素質材料、前記非水電解液及び前記ポリマーからなる負極層形成材料を調製する。帯状の負極集電体に前記負極層形成材料を一定の間隔で未積層領域を残して塗布し、前記帯状集電体にその長手方向と直交する縞状の負極層を積層する。
<第2工程>
得られた負極層積層帯状集電体を裁断し、長手方向に沿う端部に未積層領域を有する負極層積層集電体を作製する。
<第3工程>
中央部にリード線を有する帯状金属箔からなるリード部を前記負極層積層集電体の前記端部に取付け、負極を得る。
(d)第2の方法
<第1工程>
前記炭素質材料及び前記ポリマーからなる負極層形成材料を調製する。帯状の負極集電体に前記負極層形成材料を一定の間隔で未積層領域を残して塗布し、前記帯状集電体にその長手方向と直交する縞状の負極層を積層する。
<第2工程>
得られた負極層積層帯状集電体を裁断し、長手方向に沿う端部に未積層領域を有する負極層積層集電体を作製する。
<第3工程>
中央部にリード線を有する帯状金属箔からなるリード部を前記負極層積層集電体の前記端部に取付ける。
<第4工程>
前記リード部を有する負極層積層集電体に前記非水電解液を含浸させることにより負極を得る。
3)固体ポリマー電解質層
このポリマー電解質層は、非水電解液及びこの電解液を保持するポリマーを含む。
【0023】
前記非水電解液及び前記ポリマーとしては、前述した正極で説明したものと同様なものを挙げることができる。
4)絶縁層
前記絶縁層は、例えば、絶縁性の合成樹脂からなるフィルムや、シートを前記正極集電体に熱圧着、接着等により固定する方法や、絶縁性の合成樹脂を前記正極集電体上に塗布する方法等によって形成することができる。前記絶縁性の合成樹脂からなるフィルムや、シートとしては、例えば、アイオノマー樹脂シート(例えばデュポン社製の商品であるハイミランシートなど)、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはこれらに極性基を導入した樹脂からなるシート等を挙げることができる。また、集電体上に塗布される絶縁性の合成樹脂としては、例えば、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン(VdF−HFP)の共重合体、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレン−プロピレン−ジエンの三元共重合体等を用いることができる。
5)外装チューブ
この外装チューブは、熱収縮チューブからなる。
【0024】
前記熱収縮チューブとしては、例えば、一軸あるいは二軸延伸した肉厚が40〜80μmのポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル等の熱収縮性を有する樹脂フィルムを内部層とし、この樹脂フィルム単独では酸素透過度20cc/m2 ・24hr・atm,透湿度10g/m2 ・24hr以上と比較的通気性を持っている。このため、ポリマー電解質二次電池に収容される前述した非水溶媒の電池外部への逃出を阻止するため、前記樹脂フィルムの片面に銅、ニッケル、アルミニウムなどの金属を蒸着させる。前述した金属のうち柔軟性が高く、かつピンホールの発生が少ないアルミニウムが好ましい。蒸着アルミニウム層は400オングストローム〜1000オングストロームの厚みがあれば非水溶媒の電池外部への逃出を阻止できる。印刷層は、前記蒸着金属層の上に黄色透明アンダーニスをコーティングして黄金色にするか、あるいは着色顔料を含むインクで記号や、文字を形成する。更に、前記印刷層上に接着剤(例えば、ブレンドポリエチレン、ピロビレンアタッティックポリマーなど)を塗布し、これと、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の肉厚が20〜40μmの樹脂フィルムからなる外部層とを張り合わせるか、あるいは前記樹脂フィルムからなる外部層に前記接着剤を予め塗布乾燥させた後、これを前記印刷層上にヒートシールすることによりラミネートフィルムが得られる。あるいは、前記印刷層上にポリビニルアルコールや、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物、またはポリ塩化ビニリデンをコーティングすることによりラミネートフィルムを得る。このようなラミネートフィルムの端部を重ね、高周波ウェルダーによりシーム融着することにより得られる外装チューブを用いることができる。
【0025】
本発明のポリマー電解質二次電池用電極の製造方法は、非水電解液を保持するポリマーを含む電極層形成材料を帯状の集電体に部分的に塗布し、未積層領域を有する電極層積層帯状集電体を作製する工程と、前記電極層積層帯状集電体を裁断し、長手方向に沿う端部に未積層領域を有する電極層積層集電体を作製する工程と、前記電極層積層集電体の前記端部に帯状の金属箔からなるリード部を取り付ける工程とを備える。このような方法により製造された電極は、集電体の長手方向に沿う端部の断面積を前記リード部の分増加させることができるため、前記集電体の前記端部の抵抗を均等に低くすることができる。前記集電体のリード部にリード線を接続し、集電すると、電流は前記集電体の長手方向に沿って形成されたリード部に向って流れる、つまり全て集電体の幅方向の経路を流れるため、前記リード線までの電流経路が従来のリード線を集電体に直接接続した場合に比べて短くなる。従って、前記電極は集電の際の電圧降下を抑制することができるため、前記電極を組み込むことによって大電流放電特性が大幅に改善されたポリマー電解質二次電池を提供できる。
【0026】
また、前記電極層形成材料を帯状集電体に一定の間隔で未積層領域を残して塗布し、長手方向に直交する縞状の電極層を有する電極層積層帯状集電体を作製する工程と、この電極層が積層された帯状集電体を裁断し、長手方向に沿う端部に未積層領域を有する電極層積層集電体を作製する工程と、前記電極層積層集電体の前記端部に前記リード部を取り付ける工程とを具備する方法により電極を製造することによって、簡単な方法で前述したような集電の際の電圧降下が抑制された電極を実現することができる。
【0027】
以下、本発明に係る別のポリマー電解質二次電池を図5〜図7を参照して説明する。
図5に示すように、素電池31は、正極集電体32と、前記集電体32の巻終端を除く領域に積層された正極層35とを含む正極;負極集電体36と、前記集電体36の巻終端を除く領域に保持された負極層39とを含む負極;を備える。前記素電池31は、前記正極の正極層35と前記負極の負極層39との間に固体ポリマー電解質層40を介在し、この積層物の負極集電体36側に絶縁層41を配置し、これらを前記絶縁層41が外側に位置するように渦巻状に捲回することにより作製される。このような素電池31は最外周に前記絶縁層41が位置している。前記素電池31において、前記正極集電体32のうちの一番外側の周に位置するものには正極層35が積層されていない。また、前記負極集電体36のうちの一番外側の周に位置するものには負極層39が積層されていない。粘着性を有する絶縁材料からなる絶縁板42は、前記素電池1の捲回方向と直交する面に配置されている。前記絶縁板42は、前述したのと同様なものが用いられる。正極リード線43は、前記絶縁板42を貫通して一端が外部に突出し、かつ他端が前記正極集電体32に接続されている。負極リード線44は、前記絶縁板42を貫通して一端が外部に突出し、他端が前記負極集電体36に接続されている。熱収縮チューブからなる外装チューブ45は、前記素電池31の底面及び最外周と、前記絶縁板42の周縁とを被覆している。
【0028】
次に、正極、負極、前記固体ポリマー電解質層、前記絶縁層及び前記外装チューブについて説明する。
1)正極
この正極は、正極集電体32と、前記集電体32の巻終端を除く領域に積層された正極層35とを含む。
【0029】
前記正極層は、活物質と、非水電解液と、この電解液を保持するポリマーを含む。
前記活物質、前記非水電解液及びこの電解液を保持するポリマーとしては、前述したのと同様なものが用いられる。
【0030】
前記正極は、前述したような導電性材料を含むことを許容する。
前記正極集電体としては、前述したのと同様なものが用いられる。
前記正極は、例えば次の(e)及び(f)に示す方法により作製することができる。
(e)第1の方法
<第1工程>
前記活物質、前記導電材料、前記非水電解液及び前記ポリマーからなる正極層形成材料を調製する。図6に示すように、帯状の正極集電体51に一定の間隔で未積層領域を残して正極層形成材料を塗布し、前記帯状集電体51にその長手方向に直交する縞状の正極層52を積層する。
<第2工程>
得られた正極層積層帯状集電体51を図6に示す裁断線Bに沿って裁断し、図7に示すように、巻終端に未積層領域53を有する正極層積層集電体を作製し、この集電体の裏面に例えばアルミニウムからなるリード線54を接続し、正極を得る。
(f)第2の方法
<第1工程>
前記活物質、前記導電材料及び前記ポリマーからなる正極層形成材料を調製する。前述した図6に示すように、帯状の正極集電体51に一定の間隔で未積層領域を残して正極層形成材料を塗布し、前記帯状集電体51にその長手方向に直交する縞状の正極層52を積層する。
<第2工程>
得られた正極層積層帯状集電体51を図6に示す裁断線Bに沿って裁断し、前述した図7に示すように、巻終端に未積層領域53を有する正極層積層集電体を作製し、この集電体の裏面に例えばアルミニウムからなるリード線54を接続する。
<第3工程>
前記リード線を有する正極層積層集電体に前記非水電解液を含浸させることにより正極を得る。
2)負極
この負極は、負極集電体36と、前記集電体36の巻終端を除く領域に保持された負極層39とを含む。
【0031】
前記負極層は、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料と、非水電解液と、この電解液を保持するポリマーを含む。
前記リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料、前記非水電解液及び前記ポリマーは、前述したのと同様なものが用いられる。
【0032】
前記負極集電体としては、前述したのと同様なものが用いられる。
前記負極は、例えば次の(g)及び(h)に示す方法により作製することができる。
(g)第1の方法
<第1工程>
前記炭素質材料、前記非水電解液及び前記ポリマーからなる負極層形成材料を調製する。帯状の負極集電体に一定の間隔で未積層領域を残して負極層形成材料を塗布し、前記帯状集電体にその長手方向に直交する縞状の負極層を積層する。<第2工程>
得られた負極層積層帯状集電体を裁断し、巻終端に未積層領域を有する負極層積層集電体を作製し、この集電体の裏面に例えば銅からなるリード線を接続し、負極を得る。
(h)第2の方法
<第1工程>
前記炭素質材料及び前記ポリマーからなる負極層形成材料を調製する。帯状の負極集電体に一定の間隔で未積層領域を残して負極層形成材料を塗布し、前記帯状集電体にその長手方向に直交する縞状の負極層を積層する。
<第2工程>
得られた負極層積層帯状集電体を裁断し、巻終端に未積層領域を有する負極層積層集電体を作製し、この集電体の裏面に例えば銅からなるリード線を接続する。
<第3工程>
前記リード線を有する負極層積層集電体に前記非水電解液を含浸させることにより負極を得る。
3)固体ポリマー電解質層
このポリマー電解質層は、非水電解液及びこの電解液を保持するポリマーを含む。
【0033】
前記非水電解液及び前記ポリマーとしては、前述したのと同様なものが用いられる。
4)絶縁層
前記絶縁層としては、前述したのと同様なものが用いられる。
5)外装チューブ
この外装チューブは、熱収縮チューブからなる。
【0034】
前記熱収縮チューブとしては、前述したのと同様なものが用いられる。
本発明のポリマー電解質二次電池は、正極集電体と、前記集電体上に部分的に積層され、かつ活物質及び非水電解液を保持する正極層とを含む正極;負極集電体と、前記集電体上に部分的に積層され、かつリチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料及び非水電解液を保持する負極層とを含む負極;前記正極の正極層と前記負極の負極層との間に介在され、非水電解液及びこの電解液を保持するポリマーを含む固体電解質層;を備える。前記二次電池において、前記正極の正極層未積層領域と前記負極の負極層未積層領域は、前記固体ポリマー電解質層を挟んで対向している。このような二次電池は、安全性を向上することができる。
【0035】
すなわち、ポリマー電解質二次電池に例えば釘のような金属が刺さると、内部短絡を生じ、前記金属に異常電流が流れ、この金属及びこれの周囲が過度に加熱される場合がある。このようにして二次電池が過度に加熱されると、正極層中の活物質や、負極層中の炭素質材料が熱分解され、ガスが発生し、破裂や火花の発生を招く恐れがある。本発明に係る二次電池において、例えば釘のような金属が刺さって内部短絡が生じると、異常電流は最も抵抗の低い正極層,負極層未形成領域、つまり正極集電体と負極集電体との間に固体ポリマー電解質層が介在された箇所に集中する。この領域には正極層及び負極層が存在しないため、過熱によるガス発生を回避することができる。また、前記未形成領域に異常電流が集中するため、前記金属が過度に過熱されるのを回避することができる。従って、前記二次電池は、誤って例えば釘のような金属が刺さった場合に生じる内部短絡による破裂や火花の発生を防止することができ、安全性を向上することができる。
【0036】
また、集電体に部分的に正極層が積層された構造を有する正極を作製する工程と、集電体に部分的に負極層が積層された構造を有する負極を作製する工程と、前記正極の正極層と前記負極の負極層との間に固体ポリマー電解質層を前記正極の正極層未積層領域と前記負極の負極層未積層領域がこのポリマー電解質層を挟んで対向するように介在させる工程を具備する製造方法によって、前述したような高い安全性を有するポリマー電解質二次電池を実現することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明のポリマー電解質二次電池用電極の製造方法によれば、前記二次電池の大電流放電特性を改善することができる。また、本発明のポリマー電解質二次電池及びその製造方法によれば、前記二次電池の安全性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る方法により製造された電極を備えたポリマー電解質二次電池を示す断面図。
【図2】本発明に係るポリマー電解質二次電池用電極の製造方法を示す平面図。
【図3】本発明に係るポリマー電解質二次電池用電極の製造方法を示す斜視図。
【図4】本発明のポリマー電解質二次電池用電極の製造方法により得られた正極を示す斜視図。
【図5】本発明に係るポリマー電解質二次電池を示す断面図。
【図6】本発明に係るポリマー電解質二次電池の製造方法を示す平面図。
【図7】本発明に係るポリマー電解質二次電池の製造方法により得られた正極を示す斜視図。
【符号の説明】
21…帯状正極集電体、22…正極層。
Claims (3)
- 正極集電体と、前記集電体上に部分的に積層され、かつ活物質及び非水電解液を保持する正極層とを含む正極と、
負極集電体と、前記集電体上に部分的に積層され、かつリチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料及び非水電解液を保持する負極層とを含む負極と、
非水電解液とこの電解液を保持するポリマーとしてビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレンの共重合体とを含む固体電解質層と
を具備し、
前記固体電解質層は、前記正極と前記負極の間に、前記正極の正極層未積層領域と前記負極の負極層未積層領域とが前記固体電解質層を挟んで対向するように配置されていることを特徴とするポリマー電解質二次電池。 - 前記正極と前記固体電解質層と前記負極は渦巻き状に捲回されており、前記正極の巻終端に前記正極層未積層領域が位置し、前記負極の巻終端に前記負極層未積層領域が位置することを特徴とする請求項1記載のポリマー電解質二次電池。
- 前記正極集電体はアルミニウム製で、かつ前記負極集電体は銅製であることを特徴とする請求項1または2記載のポリマー電解質二次電池。
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