JP3607584B2 - 内燃機関用排気タービン式過給機及び過給システム - Google Patents

内燃機関用排気タービン式過給機及び過給システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関用排気タービン式過給機及び過給システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の内燃機関用排気タービンでは、タービンシャフトをラジアル軸受により回転支持するとともに、ラジアル軸受をオイルにより潤滑している。潤滑オイルが、タービンインペラ側から排気管中に漏洩すると白煙を生じる等の問題がある。そこで、従来の内燃機関用排気タービンでは、例えば、特開昭48−72511号公報に記載されているように、タービンシャフトに段付き部を設け、この段付き部に形成された溝を用いて、ラジアル軸受側に飛散させることにより、タービンインペラ側へのオイル漏洩を防止するものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭48−72511号公報に記載されている方式では、飛散させた潤滑オイルが、タービンシャフトの外表面と軸受ハウジングの隙間に侵入する場合がある。タービンシャフトと軸受ハウジングの間には、シールリングが設けられているが、シールリングのタービンインペラ側の圧力Ptは排気脈動があるのに対して、オイルドレン側の圧力Phはほぼ大気圧であるので、シールリングの差圧ΔP(Pt−Ph)は正圧と負圧を繰り返す脈動となり、差圧ΔPの負圧のため、タービンインペラ側へオイルが漏洩するという問題があった。
【0004】
本発明者らが確認したところによると、タービンの回転数が低いほど、タービンシャフトの外表面と軸受ハウジングの隙間にオイルが侵入しやすいことが判明した。最近の自動車は、燃費向上のため、アイドル回転数を低下させる傾向にあり、必然的にタービン回転数も低下するため、オイルが漏洩しやすくなってきている。
【0005】
本発明の目的は、オイル漏洩を低減することができる内燃機関用排気タービン式過給機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、内燃機関の排気ガスにより回転駆動されるタービンインペラに固定されたタービンシャフトと、このタービンシャフトをラジアル方向に支持するとともに軸受ハウジングに取り付けられたラジアル軸受とを有し、上記タービンシャフトは、上記タービンインペラと上記ラジアル軸受部の間に形成され、タービンインペラ側がラジアル軸受部側より外径が大きくなるように形成された段付き部を有し、上記軸受ハウジングは、上記ラジアル軸受部を潤滑したオイルを排油するためのオイルドレンを有する内燃機関用排気タービン式過給機において、上記ラジアル軸受の側壁面から上記段付き部までの距離Lを、タービン回転数Ntがエンジンのアイドル運転時のタービン回転数Ntiより大きい領域で、上記ラジアル軸受の端部から移動したオイルが上記段付き部に非接触となる距離としたものである。
かかる構成により、オイルの飛散を低減して、オイル漏洩を低減し得るものとなる。
【0007】
(2)上記(1)において、好ましくは、上記オイルドレインは、上記ラジアル軸受の支持部から上記タービンインペラ側に開放し、上記タービンシャフトの段付き部を包括するように形成され、上記ラジアル軸受部からの開放部面から上記タービンシャフトの段付き部までの距離Lが、上記ラジアル軸受の挿入孔内径Dと上記タービンシャフトの外径dの片側隙間((D−d)/2))よりも大きく(L>((D−d)/2)))したものである。かかる構成により、オイルの飛散を低減して、オイル漏洩を低減し得るものとなる。
【0008】
(3)上記(1)において、上記ラジアル軸受部の開放部面と上記ラジアル軸受の間に、上記タービンシャフト外側に挿入されたリング状のプレートを備えるようにしたものである。かかる構成により、さらに、オイルの飛散を低減して、オイル漏洩を低減し得るものとなる。
【0009】
(4)また、上記目的を達成するために、本発明は、内燃機関の排気ガスにより回転駆動されるタービンインペラに固定されたタービンシャフトと、このタービンシャフトをラジアル方向に支持するとともに軸受ハウジングに取り付けられたラジアル軸受とを有する内燃機関用排気タービン式過給機を用いた過給システムにおいて、請求項1記載の内燃機関用排気タービン式過給機を用い、且つ、アイドル運転状態がある設定時間以上続いた後にアイドル回転数を増加させる制御手段を備えるようにしたものである。かかる構成により、オイルの飛散を低減して、オイル漏洩を低減し得るものとなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図3を用いて、本発明の第1の実施形態による内燃機関用排気タービン式過給機の構成について説明する。
最初に、図1及び図2を用いて、本実施形態による内燃機関用排気タービン式過給機の構成について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による内燃機関用排気タービン式過給機の構成を示す部分断面図であり、図2は、図1の要部拡大断面図である。なお、図1及び図2において、同一符号は、同一部分を示している。
【0011】
図1に示すように、タービンシャフト10の一端には、タービンインペラ12が設けられている。また、図示は省略しているが、タービンシャフト10の他端には、コンプレッサインペラが設けられている。タービンシャフト10は、ラジアル軸受20によって、軸受ハウジング30に対して回転可能に支持されている。タービンインペラ12は、タービンハウジング40の中に収納されている。タービンハウジング40は、軸受ハウジング30に固定されている。
【0012】
軸受ハウジング30の内部には、オイル供給通路32が形成されている。ラジアル軸受20には、外部からオイル供給通路32を介して、潤滑オイルが供給される。軸受ハウジング30の内周側であって、ラジアル軸受20のタービンインペラ12の側には、オイルドレイン室34が形成されている。ラジアル軸受20を潤滑したオイルは、オイルドレイン室34によって外部に回収される。回収されたオイルは、再び、オイル供給通路32から供給され、ラジアル軸受20の潤滑に使用される。
【0013】
タービンシャフト10のタービンインペラ12側には、段付き部14が設けられている。さらに、段付き部14とタービンインペラ12の間には、溝部16が設けられている。
【0014】
ここで、図2を用いて、ラジアル軸受部20の周辺の詳細構造について説明する。
ラジアル軸受20は、リング状である。ラジアル軸受20の軸方向の中央位置には、円周方向に複数の貫通穴20Aが設けられている。オイル供給通路32から供給されたオイルは、貫通穴20Aを通して、ラジアル軸受20に供給され、ラジアル軸受20を潤滑する。ラジアル軸受20の両端部には、C形形状のスナップリング22,24が挿入されている。スナップリング22,24の外周部は、軸受ハウジング30の内周側に形成された溝に係合しており、ラジアル軸受20の径方向移動を阻止して、ラジアル軸受20を軸受ハウジング30に保持している。
【0015】
タービンシャフト10のタービンインペラ12側であって、軸受ハウジング30の端部30Aと対向する部分には、溝10Aが形成されている。この溝10Aには、シールリング26が挿入されており、オイルドレイン室34の側からタービンインペラ12の側にオイルが漏れるのをシールしている。
【0016】
タービンシャフト10のタービンインペラ12側であって、オイルドレイン室34に位置する部分には、段付き部14が設けられている。さらに、段付き部14とタービンインペラ12の間には、溝部16が設けられている。
【0017】
ラジアル軸受20を潤滑したオイルは、タービンシャフト10に沿って、タービンインペラ12の方向に移動する。タービンシャフト10が回転すると、段付き部14まで移動したオイルは、半径方向に飛散して、オイルドレイン室34の内壁面に付着した後、オイルドレイン室34の下方から回収される。オイルドレイン室34の内壁面に付着した後、溝部16に落下したオイルは、溝部16の形状を利用し、さらに遠心力により半径方向外側に飛散して、オイルドレイン室34の内壁面に付着した後、オイルドレイン室34の下方から回収される。しかしながら、オイルドレイン室34のタービンインペラ12の側の内壁面34Aにオイルが付着すると、タービンシャフト10と軸受ハウジング30の間の隙間に侵入する事になる。シールリング26のタービンインペラ12の側の圧力Ptと、オイルドレン室34の側の圧力Phの差圧ΔP(Pt−Ph)は正圧と負圧を繰り返す脈動となり、差圧ΔPの負圧のため、タービンインペラ側へオイルが漏洩するとことになる。
【0018】
本発明者らは、ラジアル軸受20の開放部側の軸受ハウジング30の端部30Bから、タービンシャフト10の段付き部14までの距離Lについて着目して、オイルの飛散状況について検討を行った。その結果については、図3を用いて説明する。
【0019】
ここで、図3を用いて、本実施形態による内燃機関用排気タービン式過給機におけるオイルの飛散状況について説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態による内燃機関用排気タービン式過給機におけるオイルの飛散状況の説明図である。
【0020】
図3において、横軸は、ラジアル軸受20の開放部側の軸受ハウジング30の端部30Bから、タービンシャフト10の段付き部14までの距離L(mm)を示しており、縦軸は、タービン回転数Nt(rpm)を示している。
【0021】
従来の過給機では、距離Lは1.0mmであった。従って、タービン回転数Ntが4200rpm以下の領域ではオイルが飛散することが判明した。それに対して、距離Lを大きくするに従って、オイルが飛散しないタービン回転数Ntが低下することが判明した。また、タービン回転数が高いほど、オイルが飛散しないことが判明した。
【0022】
上述のオイルの飛散状況に基づいて、オイルの挙動について検討したところ、ラジアル軸受20の開放部側の軸受ハウジング30の端部30Bから漏れ出たオイルは、タービンシャフト10に沿って、段付き部14の方に移動する。タービン回転数Ntが高い場合には、ラジアル軸受20を潤滑したオイルはタービンシャフト10の回転による遠心力と重力により、ラジアル軸受支持部の壁面を伝わり、オイルドレン室34に排出される。タービン回転数Ntを低下させていくと、オイルに対するタービンシャフト1の回転による遠心力の影響が小さくなり、オイルがタービンシャフト10の段付き部12側へ迫り出してくる。更にタービン回転数Ntを低下させると、オイルがタービンシャフト10の段付き部2に到達し、オイルがタービンシャフト10の回転による遠心力により半径方向外側に、オイルドレン室34内に飛散開始する。距離Lが長いほど、オイルの移動距離が長くなるため、オイルが段付き部12に到達しにくくなるため、タービン回転数Ntを低下させても飛散しにくくなることが判明した。
【0023】
オイルの漏れ出る量は、ラジアル軸受20の挿入孔内径Dと、タービンシャフト10の外径dの間の片側隙間((D−d)/2)に比例することになる。そこで、ラジアル軸受20の開放部側の軸受ハウジング30の端部30Bから、タービンシャフト10の段付き部14までの距離Lを、ラジアル軸受20の挿入孔内径Dと、タービンシャフト10の外径dの間の片側隙間((D−d)/2)以上とすることにより、オイルの飛散量を低減することができる。例えば、図3に示した例では、ラジアル軸受20の挿入孔内径Dが10mmあり、タービンシャフト10の外径dが6mmであったので、片側隙間((D−d)/2)は2mmとなる。距離Lを2.0mmとすることにより、オイルが飛散するタービン回転数Ntを3000rpmまで低下することができる。
【0024】
ここで、エンジンのアイドル回転時のタービン回転数Ntiは、2500rpmであったので、この回転数Nti以上でオイルを飛散させないようにするためには、距離Lを2.6mm以上(片側隙間((D−d)/2)の1.3倍以上)とすればよいものである。
【0025】
また、距離Lを2.8mm(片側隙間((D−d)/2)の1.4倍以上)とすれば、オイルが飛散するタービン回転数Ntiは2000rpmまで低減できるため、オイル飛散は発生しないことになる。
【0026】
オイル飛散を低減できることにより、オイルドレイン室34のタービンインペラ12の側の内壁面34Aに対するオイル付着を低減できるので、タービンシャフト10と軸受ハウジング30の間の隙間へのオイル侵入を低減でき、タービンインペラ側へオイル漏洩を低減することができる。
【0027】
また、オイル飛散が生じないような距離Lとすることにより、タービンシャフト10と軸受ハウジング30の間の隙間へのオイル侵入を防止でき、タービンインペラ側へオイル漏洩を防止することができる。ここで、オイル飛散が生じないような距離Lとは、エンジンのアイドル回転時のタービン回転数Nti以上において、ラジアル軸受20の開放部側の軸受ハウジング30の端部30Bから漏れ出たオイルが、タービンシャフト10上を移動して、段付き部14に非接触な距離である。
【0028】
以上説明したように、本実施形態によれば、オイルドレイン室内におけるオイルの飛散を低減して、したがって、タービンインペラ側へのオイル漏洩を低減することができる。
【0029】
次に、図4〜図6を用いて、本発明の第2の実施形態による内燃機関用排気タービン式過給機の構成について説明する。
最初に、図4及び図5を用いて、本実施形態による内燃機関用排気タービン式過給機の構成について説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態による内燃機関用排気タービン式過給機の構成を示す部分断面図であり、図5は、図4の要部拡大断面図である。なお、図1及び図2と同一符号は、同一部分を示している。
【0030】
本発明の一実施形態による内燃機関用排気タービン式過給機の基本的な構成は、図1に示したものと同様である。図1と相違する部分は、ラジアル軸受部20の周辺の構造であり、ラジアル軸受20の両側には、スナップリング22A,24が挿入されるとともに、さらに、スナップリング22Aとラジアル軸受部20の間には、リング28が挿入されている。
【0031】
ここで、図5を用いて、ラジアル軸受部20の周辺の詳細構造について説明する。
ラジアル軸受20は、リング状である。ラジアル軸受20の軸方向の中央位置には、円周方向に複数の貫通穴20Aが設けられている。オイル供給通路32から供給されたオイルは、貫通穴20Aを通して、ラジアル軸受20に供給され、ラジアル軸受20を潤滑する。ラジアル軸受20の一方の端部(図中右側の端部)には、C形形状のスナップリング24が挿入されている。また、ラジアル軸受20の他方の端部(図中左側の端部)には、プレート28を介して、C形形状のスナップリング22Aが挿入されている。プレート28は、リング状である。スナップリング22A,24の外周部は、軸受ハウジング30の内周側に形成された溝に係合しており、ラジアル軸受20の径方向移動を阻止して、ラジアル軸受20を軸受ハウジング30に保持している。
【0032】
ここで、ラジアル軸受部20の外径をR1とすると、プレート28の外径R2は、R2>R1としている。また、スナップリング22Aの外径をR3とすると、R3>R2としている。スナップリング22Aは、上述したようにC字形形状をしているため、外周部に切り欠きを有している。したがって、図2に示したような構成の場合、ラジアル軸受部20の外周と軸受ハウジング30の内周側の隙間からタービンインペラ12の方向に移動した潤滑オイルは、図2に示したスナップリング22Aの切り欠き部からタービンインペラ12の方向に漏れ出ることになる。それに対して、本実施形態では、(プレート28の外径R2)>(ラジアル軸受部20の外径R1)としており、プレート28はリング状であるため、ラジアル軸受部20の外周と軸受ハウジング30の内周側の隙間からタービンインペラ12の方向に移動した潤滑オイルは、プレート28によって阻止され、タービンインペラ12の方向に漏出し難い構成となっている。
【0033】
ここで、図6を用いて、本実施形態による内燃機関用排気タービン式過給機におけるオイルの飛散状況について説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態による内燃機関用排気タービン式過給機におけるオイルの飛散状況の説明図である。
【0034】
図3において、横軸は、ラジアル軸受20の開放部側の軸受ハウジング30の端部30Bから、タービンシャフト10の段付き部14までの距離L1(mm)を示しており、縦軸は、タービン回転数Nt(rpm)を示している。
【0035】
また、破線は、図3において示した油が飛散する領域の示している。それに対して、実線で示し、ハッチングを施した領域が、本実施形態によるプレート28を用いた場合の油が飛散する領域を示している。即ち、図示の状態から明らかなように、油が飛散する領域は、プレート28を用いることによって狭くすることができている。
【0036】
ここで、エンジンのアイドル回転時のタービン回転数Ntiは、2500rpmであったので、この回転数Nti以上でオイルを飛散させないようにするためには、距離L1を2.25mm以上(片側隙間((D−d)/2)の1.125倍以上)とすればよいものである。
【0037】
また、距離L1を2.5mm(片側隙間((D−d)/2)の1.25倍以上)とすれば、オイルが飛散するタービン回転数Ntiは2300rpmまで低減できるため、オイル飛散は発生しないことになる。L1=2.5mmの場合、プレートが無い場合のオイル飛散開始時のタービン回転数Nto=2800rpmであり、プレートを入れることでNtoは2300rpmに低下し、アイドル運転時のタービン回転数Nti=2500rpm以下になり、オイル飛散を防止できる。
【0038】
オイル飛散を低減できることにより、オイルドレイン室34のタービンインペラ12の側の内壁面34Aに対するオイル付着を低減できるので、タービンシャフト10と軸受ハウジング30の間の隙間へのオイル侵入を低減でき、タービンインペラ側へオイル漏洩を低減することができる。
【0039】
また、オイル飛散が生じないような距離L1とすることにより、タービンシャフト10と軸受ハウジング30の間の隙間へのオイル侵入を防止でき、タービンインペラ側へオイル漏洩を防止することができる。ここで、オイル飛散が生じないような距離Lとは、エンジンのアイドル回転時のタービン回転数Nti以上において、ラジアル軸受20の開放部側の軸受ハウジング30の端部30Bから漏れ出たオイルが、タービンシャフト10上を移動して、段付き部14に非接触な距離である。
【0040】
以上説明したように、本実施形態によれば、オイルドレイン室内におけるオイルの飛散を低減して、したがって、タービンインペラ側へのオイル漏洩を低減することができる。また、プレートを用いることにより、オイル漏洩をさらに低減できる。
【0041】
次に、図7及び図8を用いて、本発明の第3の実施形態による内燃機関用排気タービン式過給機を備えたエンジンシステムの構成及び動作について説明する。最初に、図7を用いて、本実施形態による内燃機関用排気タービン式過給機を備えたエンジンシステムの全体構成について説明する。
図7は、本発明の一実施形態による内燃機関用排気タービン式過給機を備えた過給システムの全体構成図である。
【0042】
エンジン本体101に吸入される空気流は、エアークリーナ102から取り入れられ、吸気管103に設けられた過給機120のタービンインペラ12によって過給され、スロットル弁104を通り、コレクタ105に入る。コレクタ105に吸入された空気は、エンジン本体101の各シリンダ106内に接続される各吸気管107に分配され、シリンダ106の燃焼室108内に導かれる。燃焼室108からの燃焼排気ガスは、排気管109を介して、過給機120のコンプレッサインペラ121を回転させた後、外気に放出される。吸気管107と排気管109との燃焼室108への接続部には、吸気弁110と排気弁111とがカム機構で開閉動作するように配置されている。また、スロットル弁104には、スロットルセンサが配置され、更に下流の吸気管107には圧力センサ113が配置されている。一方、ガソリンなどの燃料は、インジェクタ116から吸気管107の中に噴射される。シリンダ106には、水温センサ131が装着されている。
【0043】
各センサの出力信号は、エンジンコントロールユニット(ECU)100に入力され、エンジン101の運転状態を示すパラメータであるエンジン水温,クランク角速度,回転速度,吸気管内圧力,アクセルペダル踏込み量や、スロットル弁104の開度が計測または演算される。エンジンコントロールユニット100は、演算されたエンジンの運転状態を示すパラメータやアクセルペダル踏込み量やスロットル弁開度に基づき、点火時期や燃料噴射時期・量等の制御量を演算し、点火プラグ132,インジェクタ117,スロットル弁104等の各種アクチュエータを動作させて、エンジン運転制御,スロットル弁制御を行っている。
【0044】
ここで、過給機120の構成は、図1若しくは図4に示した構成となっている。さらに、吸気管103とコレクタ105を接続して、スロットル弁104をバイパスする流路には、アイドルアップバルブ140が設けられている。アイドルアップバルブ140は、エンジンコントロールユニット100によって開閉制御される。アイドルアップバルブ140が開くことにより、吸入空気量が増加して、エンジン回転数を上げることができる。
【0045】
次に、図8を用いて、本実施形態による内燃機関用排気タービン式過給機を備えたエンジンシステムにおける制御方法について説明する。
図8は、本発明の第3の実施形態による内燃機関用排気タービン式過給機を備えた過給システムにおける制御方法の説明図である。
【0046】
図8(A)において、縦軸はエンジン回転数を示し、図8(B)において、縦軸はタービン回転数を示している。また、図8(A),(B)において、横軸は時間を示している。
【0047】
図8において、時刻t1〜t3がアイドル運転の領域である。エンジンコントロールユニット100は、アイドル運転にあるか否かを判断し、アイドル運転の状態が時間T1継続すると、アイドルアップバルブ140を開いて、エンジン回転数を増加して、タービン回転数を増加するように制御する。即ち、本実施形態においては、アイドル運転状態がある設定時間T1の間継続した後に、アイドル回転数を増加させるようにしている。
【0048】
例えば、過給機が図4に示した構成,即ち、プレート28を備えたものであり、L1=2.0mmの場合、図6に示したように、オイル飛散開始時のタービン回転数Ntoは、2800rpmである。ここで、本実施形態のタービン式過給機が設置されるエンジンのアイドル回転数が800rpmの場合のタービン回転数Ntが2500rpmであるとすると、アイドル運転が時間T1以上継続すると、例えば、アイドル回転数を950rpmに増加させることで、タービン回転数Ntは4000rpmに増加するのでオイル飛散を防止できる。
【0049】
以上の説明では、プレート28を備えた過給機としたが、図1に示したようにプレートがない場合でも、アイドル回転数を950rpmに増加させ、タービン回転数を4000rpmまで増加させることによって、図3に示したように、オイル飛散を防止することができる。以上のようにして、過給機の構造変更無しにエンジンアイドル運転時のタービン回転数Ntiをオイル飛散開始時のタービン回転数Ntoより増加して、オイル飛散を防止することができる。
【0050】
以上のようにして、本実施形態では、エンジン制御により、オイル飛散を低減することができる。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、内燃機関用排気タービン式過給機におけるオイル漏洩を低減することができる。
【0052】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による内燃機関用排気タービン式過給機の構成を示す部分断面図である。
【図2】図1の要部拡大断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態による内燃機関用排気タービン式過給機におけるオイルの飛散状況の説明図である。
【図4】本発明の第2の実施形態による内燃機関用排気タービン式過給機の構成を示す部分断面図である。
【図5】図4の要部拡大断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態による内燃機関用排気タービン式過給機におけるオイルの飛散状況の説明図である。
【図7】本発明の一実施形態による内燃機関用排気タービン式過給機を備えた過給システムの全体構成図である。
【図8】本発明の第3の実施形態による内燃機関用排気タービン式過給機を備えた過給システムにおける制御方法の説明図である。
【符号の説明】
10…タービンシャフト
14…段付き部
12…タービンインペラ
16…溝
20…ラジアル軸受
22,24…スナップリング
26…シールリング
29…リング
30…軸受ハウジング
34…オイルドレン

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気ガスにより回転駆動されるタービンインペラに固定されたタービンシャフトと、このタービンシャフトをラジアル方向に支持するとともに軸受ハウジングに取り付けられたラジアル軸受とを有し、
    上記タービンシャフトは、上記タービンインペラと上記ラジアル軸受部の間に形成され、タービンインペラ側がラジアル軸受部側より外径が大きくなるように形成された段付き部を有し、
    上記軸受ハウジングは、上記ラジアル軸受部を潤滑したオイルを排油するためのオイルドレンを有する内燃機関用排気タービン式過給機において、
    上記ラジアル軸受の側壁面から上記段付き部までの距離Lを、タービン回転数Ntがエンジンのアイドル運転時のタービン回転数Ntiより大きい領域で、上記ラジアル軸受の端部から移動したオイルが上記段付き部に非接触となる距離としたことを特徴とする内燃機関用排気タービン式過給機。
  2. 請求項1記載の内燃機関用排気タービン式過給機において、
    上記オイルドレインは、上記ラジアル軸受の支持部から上記タービンインペラ側に開放し、上記タービンシャフトの段付き部を包括するように形成され、
    上記ラジアル軸受部からの開放部面から上記タービンシャフトの段付き部までの距離Lが、上記ラジアル軸受の挿入孔内径Dと上記タービンシャフトの外径dの片側隙間((D−d)/2))よりも大きく(L>((D−d)/2)))したことを特徴とする内燃機関用排気タービン式過給機。
  3. 請求項1記載の内燃機関用排気タービン式過給機において、
    上記ラジアル軸受部の開放部面と上記ラジアル軸受の間に、上記タービンシャフト外側に挿入されたリング状のプレートを備えることを特徴とする内燃機関用排気タービン式過給機。
  4. 内燃機関の排気ガスにより回転駆動されるタービンインペラに固定されたタービンシャフトと、このタービンシャフトをラジアル方向に支持するとともに軸受ハウジングに取り付けられたラジアル軸受とを有する内燃機関用排気タービン式過給機を用いた過給システムにおいて、
    請求項1記載の内燃機関用排気タービン式過給機を用い、且つ、
    アイドル運転状態がある設定時間以上続いた後にアイドル回転数を増加させる制御手段を備えたことを特徴とする過給機システム。
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