JP3607334B2 - 交直両用アーク加工装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、交直両用のアーク溶接、切断またはアーク加熱等に使われるアーク加工用電源において、アーク起動のための回路の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図1は、アーク溶接の従来装置例である。図1において、1ないし3は1次入力線、4は溶接電源、5は電極側ケーブル、6は電極、7は被溶接物、8は被溶接物側ケーブル、TS1は起動スイッチである。溶接電源4において、11は第1の直流電源装置、15は第2の直流電源装置すなわち直流高電圧発生回路、16はダイオードであり第2の直流電源装置が発生する直流高電圧に耐えかつ溶接電流を流す容量のものが必要である。18はアーク発生検出手段であり通常アーク電流が流れているかいないかを検出する。19はスイッチ手段であり起動スイッチTS1からの起動信号を受けて、図示を省略されたガス供給回路に指令を出し、電極の周囲にシールドガスの供給を開始させ、シールドガスが電極周囲に達する頃を見計らって第1の直流電源装置11および第2の直流電源装置15を動作させる。第2の直流電源装置15が発生する直流高電圧はダイオード16に阻止されて第1の直流電源装置11にはかからず、電極6と被溶接物7間にかかり、この間の絶縁を破って火花放電を発生させる。この火花放電に第1の直流電源装置から電力が供給され火花放電は溶接アークに成長する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図1の場合、第1の直流電源装置11は直流を出力するものであるから、ダイオード16で第2の直流電源装置の直流高電圧が第1の直流電源装置11に印加しないように阻止してかつ溶接電流を流すことができる。しかし、交流アーク溶接を行う場合、第1の直流電源装置11に換えて交流電源装置に単に置き換えても、ダイオード16のために交流溶接電流を流せない問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、直流電源の出力を正および逆の極性にきりかえてアーク加工負荷に供給する主スイッチング回路と、あらかじめリアクトルに流しておいた電流を遮断することによってパルス状の高電圧を発生させてアーク起動時にアーク加工負荷に供給するための直流高電圧発生回路と、直流電源と負荷出力端子との間に直列にされた直流高電圧発生回路の出力と同極性のダイオードと、直流高電圧発生回路の出力極性と逆の極性の出力を通過させる副スイッチング回路と、アーク起動に際して直流高電圧発生回路の出力と主スイッチング回路の出力とをアーク加工負荷に供給し、アーク起動後は副スイッチング回路を導通させ、かつ所定の順序で主スイッチング回路をON−OFF制御する制御回路とを備えた構造とすることによって上記従来装置の問題点を解決したものである。
【0005】
【実施例】
以下、本発明を図示の実施例によって説明する。
図2は、本発明を交直両用のアーク溶接に適用したときの実施例を示す接続図であり、請求項1、2および10の発明の実施例に相当する。図2において、1ないし3は1次入力線、5は電極側ケーブル、6は電極、7は被溶接物、8は被溶接物側ケーブル、TS1は起動スイッチ、RV1は出力電流調整器である。溶接電源10において、DR1は1次整流器、C1は平滑コンデンサ、TR1はインバータ回路、T1はインバータトランス、L1は直流リアクトルであり、TR2aないしTR2dは主スイッチング回路を構成するトランジスタ、CT1は電流検出器、CL2は制御回路、Tm1は電極側出力端子、Tm2は被溶接物側出力端子である。
【0006】
また、図2において、DR3はダイオード、S1は副スイッチング回路を構成する電磁接触器、L2はリアクトルであり1次巻線L2pと2次巻線L2sとからなる。R1は電流制限用抵抗器、TR3は自己消孤形のスイッチング素子であり、トランジスタの他に適当な消孤回路を設けたサイリスタや真空スイッチのような機械式スイッチでもよい。ここで、リアクトルL2p、L2s、抵抗器R1およびスイッチング素子TR3は直流高電圧発生回路を構成している。また、リアクトルL2pとL2sとは図中に・印で示したようにスイッチング素子TR3が遮断したときにリアクトルL2pに流れていた電流が急変するのを妨げるように発生するサージ電圧が電極6側が負になるようにそれぞれの巻方向を定めてある。なお、通常はトランジスタTR2aないしトランジスタTR2dには逆電圧から保護するためにそれぞれ逆並列にダイオードが接続されるが、図が煩雑になることをさけるために、それらのダイオードは図示を省略している。
【0007】
図2において、1次入力線1ないし3から3相の商用周波交流が供給され、1次整流器DR1はこれを整流して直流とし、平滑コンデンサC1により平滑される。インバータ回路TR1は平滑コンデンサC1によって平滑された出力を商用周波数より高い周波数の交番電圧に変換してインバータトランスT1の1次巻線に供給する。インバータトランスT1は2次巻線に溶接に適した電圧が得られるようにその巻数比が選ばれる。2次整流回路DR2はインバータトランスT1の出力電圧を整流して再び直流とする。主スイッチング回路を構成するトランジスタTR2aないしトランジスタTR2dはブリッジ回路を構成しており、その直流端子側はリアクトルL1を介して2次整流回路DR2の出力端子に接続され、交流端子側はリアクトルL2の2次巻線L2sとダイオードDR3とを介して出力端子Tm1とTm2とに接続される。トランジスタTR2aとTR2d、トランジスタTR2bとTR2cとはそれぞれ1組となって1組内のトランジスタは同時にかつそれぞれの組が交互にいずれか一方がONで他方がOFFとなって溶接出力の極性を切り替える。いまトランジスタTR2aとTR2dとがONでトランジスタTR2bとTR2cとがOFFとすると、溶接電流は、2次整流回路DR2の正出力端子、リアクトルL1、トランジスタTR2a、被溶接物側出力端子Tm2、被溶接物側ケーブル8、被溶接物7、電極6、電極側ケーブル5、電極側出力端子Tm1、ダイオードDR3、リアクトルL2の2次巻線L2s(または電磁接触器S1)、トランジスタTR2d、出力電流検出器CT1、2次整流回路DR2の負出力端子の経路を流れ、被溶接物7と電極6の間に正極性のアークを発生させる。出力電流検出器CT1はアーク電流を検出して、検出信号を制御回路CL2に送る。制御回路CL2は出力調整器RV1からの出力電流指令信号と出力電流検出器CT1の検出信号とを比較し、その差が減ずるような指令信号をインバータ回路TR1に送る。この結果、出力電流は出力調整器RV1の設定値に保たれる。
【0008】
つぎに、トランジスタTR2a、TR2dがOFFにトランジスタTR2b、TR2cがONになると、溶接電流は2次整流回路DR2の正出力端子、リアクトルL1、トランジスタTR2c、リアクトルL2s(または電磁接触器S1)、電極側出力端子Tm1、電極側ケーブル5、電極6、被溶接物7、被溶接物側ケーブル8、被溶接物側出力端子Tm2、トランジスタTR2b、出力電流検出器CT1、2次整流回路DR2の負出力端子の経路を流れ、電極6と被溶接物7の間に逆極性のアークを発生させる。これらの状態を交互に繰り返すことよって電極6と被溶接物7間に交流アークが得られる。
【0009】
つぎにアーク起動時の動作について説明する。図2において、起動スイッチTS1が押されると制御回路CL2は、図示を省略したガス供給回路に指令を出し、電極の周囲にシールドガスの供給を開始させる。シールドガスが電極周囲に達する頃を見計らって制御回路CL2は、インバータ回路TR1に動作の開始を、トランジスタTR2a、TR2dおよびスイッチング素子TR3にONを、電磁接触器S1にOFFを指令する。これによりリアクトルL2pには2次整流回路DR2から電流が流れ始めて抵抗器R1によって制限される値まで次第に増加してゆく。リアクトルL2pに流れる電流が適当な値になった頃にスイッチング素子TR3を遮断するとリアクトルL2pはそれまで流れていた電流iが急減するためにこれを阻止する方向に図示の極性にe=L・di/dtの電圧を発生する(ただし、LはリアクトルL2pのインダクタンス)。この電圧eはスイッチング素子TR3の遮断速度が速いほどまたその直前に流れていた電流値が大きいほど高くなるので、これらを適宜選定することによって必要なパルス状電圧を得ることができる。また、この電圧はリアクトルL2の2次巻線L2sに巻数比に応じて誘起される。リアクトルL2の1次巻線L2pと2次巻線L2sとの極性を図示のように定めておくとリアクトルL2の2次巻線L2sには図示のようにトランジスタTR2cとTR2dとの接続点側がプラスとなる極性の電圧となる。この電圧は導通しているトランジスタTR2d、2次整流回路DR2、リアクトルL1、導通しているトランジスタTR2aを通して(または、トランジスタTR2aないしTR2dにそれぞれ逆並列のダイオードが接続されているときはトランジスタTR2cの逆並列ダイオード、トランジスタTR2aを通して)被溶接物7に正、電極6に負の極性で印加される。このとき、リアクトルL2の巻数比を適当に選定しておき、また電極6と被溶接物7との距離が近いと両者間の絶縁が破壊されて火花放電が発生する。この火花放電によって2次整流回路DR2からの出力によってトランジスタTR2a、TR2dを通して溶接アークが発生する。一方、もしこのとき電極6と被溶接物7との距離が遠くて火花放電が発生しないときは、リアクトルL2sに発生した電圧は被溶接物側ケーブル8と電極側ケーブル5との間の浮遊容量に充電されることになるが、この充電電圧の極性は被溶接物側がプラスであるのでダイオードDR3に阻止されて他のスイッチング素子やトランジスタなどを破壊することはない。この場合は、スイッチング素子TR3を再びONとして所定時間導通させた後にOFFすることを繰り返せばケーブル間の浮遊容量に充電される電圧が次第に上昇し、ついには火花放電が発生することになる。
【0010】
このケーブル間の浮遊容量に充電された電荷は、火花放電が発生すれば消耗されるが、火花放電が発生しなかったときには充電されたままとなり、電極6と被溶接物7との間に高電圧が印加されたままとなってしまう。抵抗器R2は、この充電電荷を放電させるためのものであり、出力端子Tm1とTm2との間に接続されている。通常、ケーブル間の浮遊容量は数10pFないし数100pF程度であるので抵抗器R2の抵抗値は数10ないし数100MΩに選定すればよい。
【0011】
溶接アークが発生すると、出力電流検出器CT1は電流検出信号を制御回路CL2に送り、この検出信号によって制御回路CL2は、直流アーク溶接を行う場合はトランジスタTR2aとTR2dとをONとし、トランジスタTR2bとTR2cとをOFFとし、電磁接触器S1をOFFのままとして溶接を行い、交流アーク溶接を行う場合は電磁接触器S1をONとした後、トランジスタTR2a、TR2dとトランジスタTR2b、TR2cとをそれぞれ1組として交互にON、OFFさせる。なお、副スイッチング回路として用いる電磁接触器S1はダイオードDR3とは逆向きの電流を流すサイリスタなどの半導体スイッチング素子を用いてもよい。
【0012】
なお、TIGアーク溶接においては、上記のように被溶接物7側がプラス電位となる正極性からアーク起動を行うとアークの確立が不安定になることがある。このような場合には、ダイオードDR3の極性を図と逆にして、起動時にはトランジスタTR2bとTR2cとをONとし、トランジスタTR2aとTR2dとをOFFとして、かつ、リアクトルL2の2次巻線L2sの極性も逆として、電極6がプラスとなる逆極性から起動し、アークが確立したことを検出してから所望の極性になるようにトランジスタTR2b、TR2cまたはTR2a、TR2dをONあるいはOFFし、これにあわせて電磁接触器S1を開閉すればよい。
【0013】
図3は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例であり、請求項1、3および10の発明の実施例に相当する。同図において、10は溶接電源であり、図2に示した実施例と異なり、高電圧を発生させるためのリアクトルL2pを2次整流回路DR2の出力回路に直列接続してある。
【0014】
アークの起動に際して、スイッチング素子TR3を導通状態から遮断することによって図2の実施例と同様にリアクトルL2sにパルス状の高電圧が発生し、この高電圧は被溶接物側出力端子Tm2、被溶接物側ケーブル8を経て被溶接物7に、また負側出力はダイオードDR3を経て電極側出力端子Tm1、電極側ケーブル5を経て電極6にそれぞれ供給される。この高電圧によって電極6と被溶接物7間に火花放電が発生した後は図2に示した実施例の動作と同様である。なお、図2および図3の各実施例において、リアクトルL2sとダイオードDR3との順序は図示と逆でもよい。また、図3の実施例において、リアクトルL1は省略してもよい。
【0015】
図4は本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1、4および10の発明の実施例に相当する。同図においては、リアクトルL2sとダイオードDR3との直列回路を主スイッチング回路の直流入力側に直列に挿入し、また副スイッチング回路の電磁接触器S1はS1aとS1bとの2個とし主スイッチング回路を構成するトランジスタブリッジ回路のうちアーク起動時に導通しないトランジスタにそれぞれ直列に接続されている。その他は図2の実施例と同機能の部分には同符号を付して詳細な説明は省略する。
【0016】
図4において、アーク起動時はトランジスタTR2aとTR2dとをON、トランジスタTR2bとTR2cとをOFF、電磁接触器S1aとS1bとをOFFとするとともにスイッチング素子TR3を所定時間導通させた後に遮断する。スイッチング素子TR3の遮断によってリアクトルL2pはパルス状の高電圧を発生し、これによってリアクトルL2sにも高電圧が誘起されて、そのプラス側はダイオードDR3、トランジスタTR2a、被溶接物側出力端子Tm2、被溶接物側ケーブル8を経て被溶接物側7に、また負側は2次整流回路DR2、トランジスタTR2dを経て電極側出力端子Tm1、電極側ケーブル5を経て電極6に加わり、被溶接物7と電極6との間に火花放電を発生させ、この火花放電に2次整流回路DR2、リアクトルL2s、トランジスタTR2a、TR2dを経て電流が流れ火花放電は溶接アークに成長する。
【0017】
ダイオードDR3はトランジスタTR3を遮断したときに電極6と被溶接物7との間に火花放電が発生しなかったときにケーブル5と8との間の浮遊容量に充電された高電圧が2次整流回路DR2および主スイッチング回路のトランジスタTR2aとTR2dとに高電圧が印加されないように阻止し、電磁接触器S1a、S1bはトランジスタTR2b、TR2cに高電圧が印加されないように阻止するとともに、交流溶接時にはONとなってトランジスタTR2bとTR2cに電流を流す。なお、同図においてもリアクトルL2sとダイオードDR3の接続の順序は図示の通りでなくてもよい。
【0018】
図5は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1、5および10の発明の実施例に相当する。図5は図4の実施例のリアクトルL2pを2次整流回路DR2の出力端子に直列に挿入したもので、その他は図4の実施例と同機能のものに同符号を付してあり、動作も図4に示した実施例と同様である。また、図5においても、リアクトルL2sとダイオードDR3との順序および電磁接触器S1a、S1bとトランジスタTR2b、TR2cとの順序は図示の通りでなくてもよい。
【0019】
なお、図4および図5において、トランジスタTR2bとTR2cとをリアクトルL2sが発生する高電圧に耐えるトランジスタを用いるときは電磁接触器S1を省略してもよい。
【0020】
図6は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1、2、10および12の発明の実施例に相当する。同図の実施例は図2に示した実施例にリアクトルL3(1/2)とリアクトルL3(2/2)とを主スイッチング回路を構成するトランジスタブリッジ回路の交流出力側の各極性の出力回路に直列に挿入した点のみが異なり、その他は図2の実施例と同様である。
【0021】
ここで、リアクトルL3(1/2)とリアクトルL3(2/2)とは、1個の鉄心に巻かれた2個の巻線の各巻線を使用するものであり、かつそれぞれの巻線の極性を図中に・印で示すように各巻線に流れる電流によって共有する鉄心に同じ方向の磁束が発生するようにその巻き方向を決定しておく。
【0022】
リアクトルL3(1/2)とL3(2/2)とを上記のようにしておくと、交流出力時には、極性の反転に際してトランジスタTR2aとTR2dとがONからOFFになるときにその直前にリアクトルL3(1/2)に流れていた電流がそのままリアクトルL3(2/2)に移って流れようとする。このためにトランジスタTR2a、TR2dのOFFと同時に高いサージ電圧が発生し、アークの再生を助ける。
【0023】
図7は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1、3、10および12の発明の実施例に相当する。同図の実施例は、図6に示した実施例のリアクトルL2pを2次整流回路DR2の出力端子の一方に直列に接続したものであり、その他は図6に示した実施例と同様であり、動作も図6の実施例と同様である。
【0024】
図8は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1、6および10の発明の実施例に相当する。同図においては、副スイッチング回路は電磁接触器S1である。電磁接触器S1は主スイッチング回路を構成するトランジスタブリッジ回路のうちアーク起動時に導通しないトランジスタにまたダイオードDR3は主スイッチング回路を構成するトランジスタブリッジ回路のうちアーク起動時に導通するトランジスタにそれぞれ直列になるように図示の位置に接続されている。その他は図2の実施例と同機能の部分には同符号を付して詳細な説明は省略する。
【0025】
図8において、アーク起動時はトランジスタTR2aとTR2dとをON、トランジスタTR2bとTR2cとをOFF、電磁接触器S1をOFFとするとともにスイッチング素子TR3を所定時間導通させた後に遮断する。スイッチング素子TR3の遮断によってリアクトルL2pはパルス状の高電圧を発生し、これによってリアクトルL2sにも高電圧が誘起されて、そのプラス側はトランジスタTR2d、ダイオードDR3、2次整流回路DR2、リアクトルL1、トランジスタTR2a(またはトランジスタTR2bに逆並列にダイオードが接続されているときはそのダイオードを通して)、被溶接物側出力端子Tm2、被溶接物側ケーブル8を経て被溶接物側7に、また負側は電極側出力端子Tm1、電極側ケーブル5を経て電極6に加わり、被溶接物7と電極6との間に火花放電を発生させ、この火花放電に2次整流回路DR2、リアクトルL1、トランジスタTR2a、リアクトルL2s、トランジスタTR2dを経て電流が流れて火花放電は溶接アークに成長する。ダイオードDR3はトランジスタTR3を遮断したときに電極6と被溶接物7との間に火花放電が発生しなかったときにケーブル5と8との間の浮遊容量に充電された高電圧が2次整流回路DR2および主スイッチング回路のトランジスタTR2bに高電圧が印加されないように阻止し、電磁接触器S1はトランジスタTR2cに高電圧が印加されないように阻止する。なお、図示していないが、電磁接触器S1と同時にON、OFFする別の電磁接触器をL2sに並列に接続すると交流溶接時にはONとなってトランジスタTR2bとTR2cに電流を流しやすくするともににトランジスタTR2aないしTR2dのON、OFF時に発生するサージ電圧を低減できる。
【0026】
図9は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1、7および10の発明の実施例に相当する。図9は図8の実施例のリアクトルL2pを2次整流回路DR2の出力端子に直列に挿入したもので、その他は図8の実施例と同機能のものに同符号を付してあり、動作も図8に示した実施例と同様である。
【0027】
図10は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1、8および10の発明の実施例に相当する。同図においては、副スイッチング回路は電磁接触器S1である。ダイオードDR3は主スイッチング回路を構成するトランジスタブリッジ回路のうちアーク起動時に導通するトランジスタに、また電磁接触器S1はアーク起動時に導通しないトランジスタにそれぞれ直列に接続されている。その他は図2の実施例と同機能の部分には同符号を付して詳細な説明は省略する。
【0028】
図10において、アーク起動時はトランジスタTR2aとTR2dとをON、トランジスタTR2bとTR2cとをOFF、電磁接触器S1をOFFとするとともにスイッチング素子TR3を所定時間導通させた後に遮断する。スイッチング素子TR3の遮断によってリアクトルTR2pはパルス状の高電圧を発生し、これによってリアクトルL2sにも高電圧が誘起されて、そのプラス側はダイオードDR3、2次整流回路DR2、リアクトルL1、トランジスタTR2a(またはトランジスタTR2bに逆並列ダイオードが接続されているときはそのダイオードを通して)、被溶接物側出力端子Tm2、被溶接物側ケーブル8を経て被溶接物側7に、また負側はトランジスタTR2d、電極側出力端子Tm1、電極側ケーブル5を経て電極6に加わり、被溶接物7と電極6との間に火花放電を発生させ、この火花放電に2次整流回路DR2、リアクトルL1、トランジスタTR2a、トランジスタTR2d、リアクトルL2s、ダイオードDR3を経て電流が流れ火花放電は溶接アークに成長する。ダイオードDR3はトランジスタTR3を遮断したときに電極6と被溶接物7との間に火花放電が発生しなかったときにケーブル5と8との間の浮遊容量に充電された高電圧が2次整流回路DR2および主スイッチング回路のトランジスタTR2bに高電圧が印加されないように阻止し、電磁接触器S1はトランジスタTR2cに高電圧が印加されないように阻止する。
【0029】
図11は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1、9および10の発明の実施例に相当する。図11は図10の実施例のリアクトルL2pを2次整流回路DR2の出力端子に直列に挿入したもので、その他は図10の実施例と同機能のものに同符号を付してあり、動作も図10に示した実施例と同様である。
【0030】
図12は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1、6、10および12の発明の実施例に相当する。同図においては、図8の実施例に2個のリアクトルL3(1/2)とL3(2/2)とを主スイッチング回路を構成するブリッジ回路のうち交流出力側の正極性出力回路および逆極性出力回路に直列にそれぞれ接続したもので、その他は図8に示した実施例と同様である。同図において、リアクトルL3(1/2)とL3(2/2)とは図6の実施例において用いたリアクトルリアクトルL3(1/2)とL3(2/2)と同様に鉄心を共有し、各リアクトルに流れる電流によって共有する鉄心に同方向の磁束を発生する極性に各リアクトルの巻線の巻き方向が定められている。
【0031】
同図の実施例においても、アーク起動時にトランジスタTR2aとTR2dとを導通させ、トランジスタTR3を所定時間だけ導通させた後に遮断することによって電極と被溶接物との間に火花放電が発生し、溶接アークに移行する。溶接アーク起動後は、副スイッチング回路S1をONとすることによつて溶接を行う。このときリアクトルL3(1/2)とL3(2/2)との作用によつて図6に示した実施例と同様に極性の切り替え時に急峻に電流が切り替えられ、かつこの極性切り替えの瞬間にアークが一旦消滅したときに高いサージ電圧が発生するのでアークの再点孤が確実となる。
【0032】
図13は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1、7、10および12の発明の実施例に相当する。同図においては、図9の実施例に2個のリアクトルL3(1/2)とL3(2/2)とを主スイッチング回路を構成するブリッジ回路の交流出力回路のうち正極性出力回路および逆極性出力回路にそれぞれ直列に接続したもので、その他は図9に示した実施例と同様である。また、図13は図12の実施例のリアクトルL2pを2次整流回路DR2の出力端子に直列に挿入したもので、その他は図12の実施例と同機能のものに同符号を付してあり、動作も図12に示した実施例と同様である。
【0033】
図14は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1、10および11の発明の実施例に相当する。同図の実施例は、図5に示した実施例のリアクトルL2p、L2sを1個のリアクトルL2としたもので、回路構成上は図5の実施例のL2sを省略したものに相当する。それ故、その動作もリアクトルL2が発生する高電圧がそのまま電極6と被溶接物7との間に供給される点のみが図5の実施例と異なるのみであり、その他は図5の実施例と同様である。
【0034】
図15は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1、10、11および12の発明の実施例に相当する。同図の実施例は、図14の実施例のうちアーク起動時にリアクトルL2に強制的に電流を流すためのスイッチング素子TR3と抵抗器R1の直列回路をダイオードDR3と主スイッチング回路との接続点と2次整流回路DR2の負出力端子との間に接続替えしたものであり、さらに主スイッチング回路の交流端子側には、トランジスタTR2cとTR2dとにそれぞれ直列にリアクトルL3(1/2)L3(2/2)が接続してある。ここで、リアクトルL3(1/2)とリアクトルL3(2/2)とは、1個の鉄心に巻かれた2個の巻線の各巻線を使用するものであり、かつそれぞれの巻線の極性を各巻線に流れる電流によって共有する鉄心に同じ方向の磁束が発生するようにその巻き方向を決定しておく。
【0035】
リアクトルL3(1/2)とL3(2/2)とを上記のようにしておくと、交流出力時には、極性の反転に際してトランジスタTR2aとTR2dとがONからOFFになるときにリアクトルL3(1/2)に流れていた電流がそのままリアクトルL3(2/2)に移って流れようとする。このためにトランジスタTR2a、TR2dのOFFと同時に高いサージ電圧が発生し、アークの再生を助ける。図15において、リアクトルL3(1/2)、L3(2/2)以外の動作は図14の実施例と同じである。
【0036】
図16は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1、10および11の発明の実施例に相当する。同図の実施例は図14の実施例のうちアーク起動時にリアクトルL2に強制的に電流を流すためのスイッチング素子TR3と抵抗器R1の直列回路を主スイッチング回路の交流出力端子間に接続替えしたものであり、その動作は図14の実施例と同じである。
【0037】
なお、図2ないし図16において、トランジスタTR2aとTR2dとの組とトランジスタTR2bとTR2cとの組とを導通期間が極く短時間の重なりをもって交互にON−OFFするようにして各極性の電流を流すトランジスタを実質的に間隙なく制御するとよい。このようにするときは、トランジスタTR2a、TR2dとトランジスタTR2b、TR2cとの重なり時間の間は電極6と被溶接物7との間は短絡されるのでアークは消滅するが、電流は直列リアクトルを通じてトランジスタTR2aないしTR2dによって短絡されて流れ続け、その値は直列リアクトルによって抑制される。この状態でさきに導通していたトランジスタTR2aとTR2dとがOFFするとその直前にリアクトルに流れていた電流を維持するように高いサージ電圧がトランジスタTR2bとTR2cの純方向に発生する。このサージ電圧はそのときすでにトランジスタTR2bとTR2cが導通しているので電極6と被溶接物7との間に先とは逆の極性で印加されることになり、極性反転時のアークの再生がより確実となる。トランジスタTR2bとTR2cとが導通していてトランジスタTR2aとTR2dとが遮断状態にあるときから極性が反転するときも同様に動作する。
【0038】
図17は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1および13の発明の実施例に相当する。同図において、L4(1/2)、L4(2/2)はリアクトルであり、両リアクトルは共通の鉄心に巻かれたコイルからなり、各コイルは図中に・印で示すように直列に接続されたスイッチング素子TR2aおよびTR2bの導通によってそれぞれに流れる電流によって共有する鉄心に同方向の磁束を発生する極性に定められている。また、DR2は2次整流回路であるがその出力は図示のように正・負・零の3出力端子を有する。さらにリアクトルL2は1次巻線L2pと2次巻線L2s(1/2)とL2s(2/2)とからなり、2次巻線L2s(1/2)とL2s(2/2)とは、共通の鉄心に巻かれたコイルからなり、各コイルは図中に・印で示すようにそれぞれに流れる電流によって共有する鉄心に同方向の磁束を発生する極性に定められている。図17において、その他は図2ないし図16に示した各実施例と同機能のものに同符号を付して詳細な説明を省略する。
【0039】
図17において、トランジスタTR2aとトランジスタTR2bはいずれか一方がONで他方がOFFとなって溶接出力の極性を切り替える。いまトランジスタTR2aがONでトランジスタTR2bがOFFとすると、溶接電流は2次整流回路DR2の正出力端子、リアクトルL4(1/2)、トランジスタTR2a、ダイオードDR3、リアクトルL2s(1/2)、被溶接物側出力端子Tm2、被溶接物側ケーブル8、被溶接物7、電極6、電極側ケーブル5、電極側出力端子Tm1、リアクトルL2s(1/2)、電流検出器CT1、2次整流回路DR2の零出力端子の経路を流れ、被溶接物7と電極6の間に正極性のアークを発生させる。つぎに、トランジスタTR2aがOFFにトランジスタTR2bがONになると、トランジスタTR2aを通してリアクトルL4(1/2)に流れる電流とトランジスタTR2bを通してリアクトルL4(2/2)に流れる電流は鉄心を同じ方向に磁化するので、リアクトルL4(1/2)に流れていた電流は直流リアクトルL4(2/2)に直ちに移って流れることになる。その結果、溶接電流は2次整流回路DR2の零出力端子、出力電流検出器CT1、電極側出力端子Tm1、電極側ケーブル5、電極6、被溶接物7、被溶接物側ケーブル8、被溶接物側出力端子Tm2、リアクトルL2s(2/2)、電磁接触器S1、トランジスタTR2b、直流リアクトルL4(2/2)、2次整流回路DR2の負出力端子の経路を流れ、電極6と被溶接物7の間に逆極性のアークを発生させる。トランジスタTR2aがONでトランジスタTR2bがOFFの状態と、トランジスタTR2aがOFFでトランジスタTR2bがONの状態とを交互に繰り返すことよって電極6と被溶接物7間に交流アークが得られる。
【0040】
アーク起動時にはスイッチング素子TR3を所定時間だけ導通させた後に遮断する。このときリアクトルL2pにはスイッチング素子TR3の導通時に流れていた電流が急減するのを妨げるように図示の極性にパルス状の高電圧が発生する。この高電圧はリアクトルL2s(1/2)とLSs(2/2)とに巻数比に応じて誘起され、電極6と被溶接物7とに両リアクトルの誘起電圧が加算されて印加され、両者間の絶縁を破壊して火花放電が発生する。火花放電が発生すると、2次整流回路DR2から直流リアクトルL4(1/2)、トランジスタTR2a、ダイオードDR3を経て同極性の電流が流れ、火花放電は溶接アークに成長する。このときリアクトルL2sは2分割されてL2s(1/2)とL2s(2/2)となって電極側6および被溶接物側7にそれぞれ挿入されるので電極6の対地電位の上昇が1/2となりノイズ発生が少なくなる。
【0041】
溶接アークが発生すると制御回路CL3は、これを出力電流検出器CT1によって検出し、直流アーク溶接を行う場合はトランジスタTR2aをON、トランジスタTR2bをOFF、電磁接触器S1をOFFのままとし、交流アーク溶接を行う場合は電磁接触器S1をONとした後、トランジスタTR2aとトランジスタTR2bを所定の順序と間隔で交互にON、OFFさせる。
【0042】
図17の実施例においても、交流出力時には、リアクトルL4(1/2)とリアクトルL4(1/2)との巻線を前述のように各コイルに流れる電流によって共有する鉄心に同じ方向の磁束が発生するようにその巻き方向を決定しておくと、極性の反転に際してトランジスタTR2aがONからOFFになるときにリアクトルL4(1/2)に流れていた電流がそのままリアクトルL4(2/2)に移って流れようとする。このためにトランジスタTR2aのOFFと同時に高いサージ電圧が発生し、アークの再生を助ける。
【0043】
図18は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1および13の発明の実施例に相当する。同図の実施例は、図17の実施例のリアクトルL2の1次巻線L2pを2次整流回路DR2の正出力端子とトランジスタTR2aとの間に直列に接続し、かつ、スイッチング素子TR3と抵抗器R1の直列回路をリアクトルL2pとトランジスタTR2aとの接続点と2次整流回路DR2の零出力端子との間に接続し、かつリアクトルL2の2次巻線L2sは1個として2次整流回路DR2の零出力端子と電極側出力端子Tm1との間に直列接続したものである。その他は図17の実施例と同様であり、その動作も図17の実施例と同様である。
【0044】
図19は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1、13および14の発明の実施例に相当する。同図の実施例は、図17および図18の実施例のリアクトルL2を削除し、スイッチング素子TR3と抵抗器R1との直列回路を溶接負荷に対する出力端子Tm1とTm2との間に接続したものである。同図の実施例においては、アーク起動に際して、スイッチング素子TR3とトランジスタTR2aとを導通させると、2次整流回路DR2からリアクトルL4(1/2)、ダイオードDR3、トランジスタTR2a、抵抗器R1、スイッチング素子TR3、2次整流回路DR2の零出力端子の経路で電流が流れ、リアクトルL4(1/2)に電磁エネルギーが蓄えられる。動作する。所定時間の後にトランジスタTR2aは導通のままで、スイッチング素子TR3を遮断するとリアクトルL4(1/2)に蓄えられていた電磁エネルギーによってパルス状の高電圧がリアクトルL4(1/2)に図示の極性に発生する。この高電圧によって電極6と被溶接物7との間に火花放電が発生し、これによって溶接アークが誘発される。溶接アークが発生した後は、図17および図18に示した実施例と同様にして直流アーク溶接または交流アーク溶接がおこなわれる。
【0045】
図19の実施例においてスイッチング素子TR3と抵抗器R1の直列回路は、図示の位置に限らず、アーク起動時にリアクトルL4(1/2)に電流を流す位置であればよく、例えば、図19のリアクトルL4(1/2)とダイオードDR3との接続点(またはダイオードDR3とトランジスタTR2aとの接続点)と2次整流回路DR2の零出力端子との間でもよく、リアクトルL4(1/2)とダイオードDR3との接続点(またはダイオードDR3とトランジスタTR2aとの接続点)とリアクトルL4(2/2)と電磁接触器S1との接続点との間に接続してもよい。
【0046】
なお、図17ないし図19に示した実施例において、トランジスタTR2aとTR2bとを導通期間が極く短時間の重なりをもって交互にON−OFFするようにして両トランジスタを実質的に間隙なく制御するとよい。このようにするときは、トランジスタTR2aとトランジスタTR2bとの重なり時間の間は、アークは消滅するが電流は直列リアクトルを通じてトランジスタTR2aとトランジスタTR2bとによって短絡されて流れ続け、その値は直列リアクトルによって抑制される。この状態でトランジスタTR2aがOFFするとその直前にリアクトルに流れていた電流を維持するように高いサージ電圧がトランジスタTR2bの順方向に発生する。このサージ電圧は電極6と比溶接物7との間に先とは逆の極性で印加され、かつトランジスタTR2bがすでにON状態にあるので、トランジスタTR2aがOFFとなる瞬間に発生することになりアークの再生がより確実となる。トランジスタTR2bとTR2cとが導通状態にありトランジスタTR2aとTR2dとが遮断状態にあって極性が反転するときも同様に動作する。
【0047】
また、図17ないし図19に示した実施例において、リアクトルL4(1/2)、ダイオードDR3およびトランジスタTR2aの接続順序およびリアクトルL4(2/2)、電磁接触器(副スイッチング素子)S1およびトランジスタTR2bの接続順序はいずれも図示の通りでなくてもよい。
【0048】
さらに、上記いずれの実施例においても、主スイッチング回路を構成するトランジスタTR2aないしTR2dに高耐圧の素子を使用するときは電磁接触器(副スイッチング素子)S1はなくてもよい。同様に2次整流回路DR2に逆耐圧の高いものを使用するときは、ダイオードDR3は省略できる。
【0049】
また、上記各実施例は、本発明をアーク溶接に適用するときについて説明したが、本発明はアーク溶接以外にアーク切断、アーク加熱、アーク溶融などのアーク加工に適用できる。
【0050】
上記の説明では、スイッチング素子TR2、抵抗器R2、リアクトルL2Pの回路は溶接出力回路に接続したが、別に用意する電源に接続してもよい。
【0051】
【発明の効果】
従来よく行われていた高周波高電圧を用いる方法のように、アークが発生するまでの間中高周波高電圧を出し放しにすると、電極と被溶接物間の電位が高周波高電圧によって強制的に変動する。この結果、大地に高周波電流が流れ出し、近くの電子機器にノイズ障害を引き起こす。これに対し本発明の場合、スイッチング素子TR2を続けてON・OFFしても高電圧出力は直流であるためつぎのような効果がある。スイッチング素子TR2のON・OFFの周期が電極と被溶接物間の静電容量と電気抵抗による時定数より長いときは、その静電容量の充電・放電を繰り返すが、放電は電極と被溶接物間の電気抵抗へ行うので、強制的な電極・被溶接物間の電位変動による大地への高周波電流の流れ出しは充電の時だけである。したがって、本発明においては従来の高周波高電圧を用いる方式のものよりノイズは少ない。また、ON・OFFの周期が電極と被溶接物間の静電容量と電気抵抗による時定数より短いときは、その静電容量が充電されると電極・被溶接物間の電位変動がなくなるので、ノイズは極端に少なくなる。
【0052】
また、図1の従来の場合は、第1の直流電源装置が故障しても直流高電圧発生装置である第2の直流電源装置は働いていて無駄な直流項電圧が出力されたままになることがある。また、第1の直流電源装置が正常でも第2の直流電源装置の出力電流を制限する回路が故障すると大きな電流が流れて第2の直流電源が破壊されることがある。これに対して本発明においては、予めリアクトルに電流を流しておき、この電流を遮断することによって高電圧を得るので、上記のような無駄な出力が続くことや装置が破壊されるようなことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のアーク加工装置の例を示接続図。
【図2】本発明の請求項1、2および10の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図3】本発明の請求項1、3および10の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図4】本発明の請求項1、4および10の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図5】本発明の請求項1、5および10の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図6】本発明の請求項1、2、10および12の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図7】本発明の請求項1、3、10および12の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図8】本発明の請求項1、6および10の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図9】本発明の請求項1、7および10の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図10】本発明の請求項1、8および10の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図11】本発明の請求項1、9および10の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図12】本発明の請求項1、6、10および12の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図13】本発明の請求項1、7、10および12の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図14】本発明の請求項1、10および11の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図15】本発明の請求項1、10、11および12の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図16】本発明の請求項1、10および11の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図17】本発明の請求項1および13の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図18】本発明の請求項1および13の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図19】本発明の請求項1、13および14の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【符号の説明】
1ないし3 1次入力線
4 溶接電源
5 電極側ケーブル
6 電極
7 被溶接物
8 被溶接物側ケーブル
10 溶接電源
11 第1の直流電源装置
15 第2の直流電源装置
16 ダイオード
18 アーク発生検出手段
19 スイッチ手段
DR1 1次整流器
DR2 2次整流回路
DR3 ダイオード
TR1 インバータ回路
T1 インバータトランス
L1 リアクトル
L1(1/2)、L1(2/2) リアクトル
L2 リアクトル
L2p、L2s リアクトル
L2s(1/2)、L2s(2/2) リアクトル
L4(1/2)、L4(2/2) リアクトル
TR2aないしTR2d トランジスタ
TR3 スイッチング素子
S1 副スイッチング回路(電磁接触器)
S1a、S1b 副スイッチング回路(電磁接触器)
R1、R2 抵抗器
TS1 起動スイッチ
RV1 出力電流調整器
CT1 出力電流検出器
CL2 制御回路
Tm1 電極側出力端子
Tm2 被溶接物側出力端子
【産業上の利用分野】
本発明は、交直両用のアーク溶接、切断またはアーク加熱等に使われるアーク加工用電源において、アーク起動のための回路の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図1は、アーク溶接の従来装置例である。図1において、1ないし3は1次入力線、4は溶接電源、5は電極側ケーブル、6は電極、7は被溶接物、8は被溶接物側ケーブル、TS1は起動スイッチである。溶接電源4において、11は第1の直流電源装置、15は第2の直流電源装置すなわち直流高電圧発生回路、16はダイオードであり第2の直流電源装置が発生する直流高電圧に耐えかつ溶接電流を流す容量のものが必要である。18はアーク発生検出手段であり通常アーク電流が流れているかいないかを検出する。19はスイッチ手段であり起動スイッチTS1からの起動信号を受けて、図示を省略されたガス供給回路に指令を出し、電極の周囲にシールドガスの供給を開始させ、シールドガスが電極周囲に達する頃を見計らって第1の直流電源装置11および第2の直流電源装置15を動作させる。第2の直流電源装置15が発生する直流高電圧はダイオード16に阻止されて第1の直流電源装置11にはかからず、電極6と被溶接物7間にかかり、この間の絶縁を破って火花放電を発生させる。この火花放電に第1の直流電源装置から電力が供給され火花放電は溶接アークに成長する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図1の場合、第1の直流電源装置11は直流を出力するものであるから、ダイオード16で第2の直流電源装置の直流高電圧が第1の直流電源装置11に印加しないように阻止してかつ溶接電流を流すことができる。しかし、交流アーク溶接を行う場合、第1の直流電源装置11に換えて交流電源装置に単に置き換えても、ダイオード16のために交流溶接電流を流せない問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、直流電源の出力を正および逆の極性にきりかえてアーク加工負荷に供給する主スイッチング回路と、あらかじめリアクトルに流しておいた電流を遮断することによってパルス状の高電圧を発生させてアーク起動時にアーク加工負荷に供給するための直流高電圧発生回路と、直流電源と負荷出力端子との間に直列にされた直流高電圧発生回路の出力と同極性のダイオードと、直流高電圧発生回路の出力極性と逆の極性の出力を通過させる副スイッチング回路と、アーク起動に際して直流高電圧発生回路の出力と主スイッチング回路の出力とをアーク加工負荷に供給し、アーク起動後は副スイッチング回路を導通させ、かつ所定の順序で主スイッチング回路をON−OFF制御する制御回路とを備えた構造とすることによって上記従来装置の問題点を解決したものである。
【0005】
【実施例】
以下、本発明を図示の実施例によって説明する。
図2は、本発明を交直両用のアーク溶接に適用したときの実施例を示す接続図であり、請求項1、2および10の発明の実施例に相当する。図2において、1ないし3は1次入力線、5は電極側ケーブル、6は電極、7は被溶接物、8は被溶接物側ケーブル、TS1は起動スイッチ、RV1は出力電流調整器である。溶接電源10において、DR1は1次整流器、C1は平滑コンデンサ、TR1はインバータ回路、T1はインバータトランス、L1は直流リアクトルであり、TR2aないしTR2dは主スイッチング回路を構成するトランジスタ、CT1は電流検出器、CL2は制御回路、Tm1は電極側出力端子、Tm2は被溶接物側出力端子である。
【0006】
また、図2において、DR3はダイオード、S1は副スイッチング回路を構成する電磁接触器、L2はリアクトルであり1次巻線L2pと2次巻線L2sとからなる。R1は電流制限用抵抗器、TR3は自己消孤形のスイッチング素子であり、トランジスタの他に適当な消孤回路を設けたサイリスタや真空スイッチのような機械式スイッチでもよい。ここで、リアクトルL2p、L2s、抵抗器R1およびスイッチング素子TR3は直流高電圧発生回路を構成している。また、リアクトルL2pとL2sとは図中に・印で示したようにスイッチング素子TR3が遮断したときにリアクトルL2pに流れていた電流が急変するのを妨げるように発生するサージ電圧が電極6側が負になるようにそれぞれの巻方向を定めてある。なお、通常はトランジスタTR2aないしトランジスタTR2dには逆電圧から保護するためにそれぞれ逆並列にダイオードが接続されるが、図が煩雑になることをさけるために、それらのダイオードは図示を省略している。
【0007】
図2において、1次入力線1ないし3から3相の商用周波交流が供給され、1次整流器DR1はこれを整流して直流とし、平滑コンデンサC1により平滑される。インバータ回路TR1は平滑コンデンサC1によって平滑された出力を商用周波数より高い周波数の交番電圧に変換してインバータトランスT1の1次巻線に供給する。インバータトランスT1は2次巻線に溶接に適した電圧が得られるようにその巻数比が選ばれる。2次整流回路DR2はインバータトランスT1の出力電圧を整流して再び直流とする。主スイッチング回路を構成するトランジスタTR2aないしトランジスタTR2dはブリッジ回路を構成しており、その直流端子側はリアクトルL1を介して2次整流回路DR2の出力端子に接続され、交流端子側はリアクトルL2の2次巻線L2sとダイオードDR3とを介して出力端子Tm1とTm2とに接続される。トランジスタTR2aとTR2d、トランジスタTR2bとTR2cとはそれぞれ1組となって1組内のトランジスタは同時にかつそれぞれの組が交互にいずれか一方がONで他方がOFFとなって溶接出力の極性を切り替える。いまトランジスタTR2aとTR2dとがONでトランジスタTR2bとTR2cとがOFFとすると、溶接電流は、2次整流回路DR2の正出力端子、リアクトルL1、トランジスタTR2a、被溶接物側出力端子Tm2、被溶接物側ケーブル8、被溶接物7、電極6、電極側ケーブル5、電極側出力端子Tm1、ダイオードDR3、リアクトルL2の2次巻線L2s(または電磁接触器S1)、トランジスタTR2d、出力電流検出器CT1、2次整流回路DR2の負出力端子の経路を流れ、被溶接物7と電極6の間に正極性のアークを発生させる。出力電流検出器CT1はアーク電流を検出して、検出信号を制御回路CL2に送る。制御回路CL2は出力調整器RV1からの出力電流指令信号と出力電流検出器CT1の検出信号とを比較し、その差が減ずるような指令信号をインバータ回路TR1に送る。この結果、出力電流は出力調整器RV1の設定値に保たれる。
【0008】
つぎに、トランジスタTR2a、TR2dがOFFにトランジスタTR2b、TR2cがONになると、溶接電流は2次整流回路DR2の正出力端子、リアクトルL1、トランジスタTR2c、リアクトルL2s(または電磁接触器S1)、電極側出力端子Tm1、電極側ケーブル5、電極6、被溶接物7、被溶接物側ケーブル8、被溶接物側出力端子Tm2、トランジスタTR2b、出力電流検出器CT1、2次整流回路DR2の負出力端子の経路を流れ、電極6と被溶接物7の間に逆極性のアークを発生させる。これらの状態を交互に繰り返すことよって電極6と被溶接物7間に交流アークが得られる。
【0009】
つぎにアーク起動時の動作について説明する。図2において、起動スイッチTS1が押されると制御回路CL2は、図示を省略したガス供給回路に指令を出し、電極の周囲にシールドガスの供給を開始させる。シールドガスが電極周囲に達する頃を見計らって制御回路CL2は、インバータ回路TR1に動作の開始を、トランジスタTR2a、TR2dおよびスイッチング素子TR3にONを、電磁接触器S1にOFFを指令する。これによりリアクトルL2pには2次整流回路DR2から電流が流れ始めて抵抗器R1によって制限される値まで次第に増加してゆく。リアクトルL2pに流れる電流が適当な値になった頃にスイッチング素子TR3を遮断するとリアクトルL2pはそれまで流れていた電流iが急減するためにこれを阻止する方向に図示の極性にe=L・di/dtの電圧を発生する(ただし、LはリアクトルL2pのインダクタンス)。この電圧eはスイッチング素子TR3の遮断速度が速いほどまたその直前に流れていた電流値が大きいほど高くなるので、これらを適宜選定することによって必要なパルス状電圧を得ることができる。また、この電圧はリアクトルL2の2次巻線L2sに巻数比に応じて誘起される。リアクトルL2の1次巻線L2pと2次巻線L2sとの極性を図示のように定めておくとリアクトルL2の2次巻線L2sには図示のようにトランジスタTR2cとTR2dとの接続点側がプラスとなる極性の電圧となる。この電圧は導通しているトランジスタTR2d、2次整流回路DR2、リアクトルL1、導通しているトランジスタTR2aを通して(または、トランジスタTR2aないしTR2dにそれぞれ逆並列のダイオードが接続されているときはトランジスタTR2cの逆並列ダイオード、トランジスタTR2aを通して)被溶接物7に正、電極6に負の極性で印加される。このとき、リアクトルL2の巻数比を適当に選定しておき、また電極6と被溶接物7との距離が近いと両者間の絶縁が破壊されて火花放電が発生する。この火花放電によって2次整流回路DR2からの出力によってトランジスタTR2a、TR2dを通して溶接アークが発生する。一方、もしこのとき電極6と被溶接物7との距離が遠くて火花放電が発生しないときは、リアクトルL2sに発生した電圧は被溶接物側ケーブル8と電極側ケーブル5との間の浮遊容量に充電されることになるが、この充電電圧の極性は被溶接物側がプラスであるのでダイオードDR3に阻止されて他のスイッチング素子やトランジスタなどを破壊することはない。この場合は、スイッチング素子TR3を再びONとして所定時間導通させた後にOFFすることを繰り返せばケーブル間の浮遊容量に充電される電圧が次第に上昇し、ついには火花放電が発生することになる。
【0010】
このケーブル間の浮遊容量に充電された電荷は、火花放電が発生すれば消耗されるが、火花放電が発生しなかったときには充電されたままとなり、電極6と被溶接物7との間に高電圧が印加されたままとなってしまう。抵抗器R2は、この充電電荷を放電させるためのものであり、出力端子Tm1とTm2との間に接続されている。通常、ケーブル間の浮遊容量は数10pFないし数100pF程度であるので抵抗器R2の抵抗値は数10ないし数100MΩに選定すればよい。
【0011】
溶接アークが発生すると、出力電流検出器CT1は電流検出信号を制御回路CL2に送り、この検出信号によって制御回路CL2は、直流アーク溶接を行う場合はトランジスタTR2aとTR2dとをONとし、トランジスタTR2bとTR2cとをOFFとし、電磁接触器S1をOFFのままとして溶接を行い、交流アーク溶接を行う場合は電磁接触器S1をONとした後、トランジスタTR2a、TR2dとトランジスタTR2b、TR2cとをそれぞれ1組として交互にON、OFFさせる。なお、副スイッチング回路として用いる電磁接触器S1はダイオードDR3とは逆向きの電流を流すサイリスタなどの半導体スイッチング素子を用いてもよい。
【0012】
なお、TIGアーク溶接においては、上記のように被溶接物7側がプラス電位となる正極性からアーク起動を行うとアークの確立が不安定になることがある。このような場合には、ダイオードDR3の極性を図と逆にして、起動時にはトランジスタTR2bとTR2cとをONとし、トランジスタTR2aとTR2dとをOFFとして、かつ、リアクトルL2の2次巻線L2sの極性も逆として、電極6がプラスとなる逆極性から起動し、アークが確立したことを検出してから所望の極性になるようにトランジスタTR2b、TR2cまたはTR2a、TR2dをONあるいはOFFし、これにあわせて電磁接触器S1を開閉すればよい。
【0013】
図3は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例であり、請求項1、3および10の発明の実施例に相当する。同図において、10は溶接電源であり、図2に示した実施例と異なり、高電圧を発生させるためのリアクトルL2pを2次整流回路DR2の出力回路に直列接続してある。
【0014】
アークの起動に際して、スイッチング素子TR3を導通状態から遮断することによって図2の実施例と同様にリアクトルL2sにパルス状の高電圧が発生し、この高電圧は被溶接物側出力端子Tm2、被溶接物側ケーブル8を経て被溶接物7に、また負側出力はダイオードDR3を経て電極側出力端子Tm1、電極側ケーブル5を経て電極6にそれぞれ供給される。この高電圧によって電極6と被溶接物7間に火花放電が発生した後は図2に示した実施例の動作と同様である。なお、図2および図3の各実施例において、リアクトルL2sとダイオードDR3との順序は図示と逆でもよい。また、図3の実施例において、リアクトルL1は省略してもよい。
【0015】
図4は本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1、4および10の発明の実施例に相当する。同図においては、リアクトルL2sとダイオードDR3との直列回路を主スイッチング回路の直流入力側に直列に挿入し、また副スイッチング回路の電磁接触器S1はS1aとS1bとの2個とし主スイッチング回路を構成するトランジスタブリッジ回路のうちアーク起動時に導通しないトランジスタにそれぞれ直列に接続されている。その他は図2の実施例と同機能の部分には同符号を付して詳細な説明は省略する。
【0016】
図4において、アーク起動時はトランジスタTR2aとTR2dとをON、トランジスタTR2bとTR2cとをOFF、電磁接触器S1aとS1bとをOFFとするとともにスイッチング素子TR3を所定時間導通させた後に遮断する。スイッチング素子TR3の遮断によってリアクトルL2pはパルス状の高電圧を発生し、これによってリアクトルL2sにも高電圧が誘起されて、そのプラス側はダイオードDR3、トランジスタTR2a、被溶接物側出力端子Tm2、被溶接物側ケーブル8を経て被溶接物側7に、また負側は2次整流回路DR2、トランジスタTR2dを経て電極側出力端子Tm1、電極側ケーブル5を経て電極6に加わり、被溶接物7と電極6との間に火花放電を発生させ、この火花放電に2次整流回路DR2、リアクトルL2s、トランジスタTR2a、TR2dを経て電流が流れ火花放電は溶接アークに成長する。
【0017】
ダイオードDR3はトランジスタTR3を遮断したときに電極6と被溶接物7との間に火花放電が発生しなかったときにケーブル5と8との間の浮遊容量に充電された高電圧が2次整流回路DR2および主スイッチング回路のトランジスタTR2aとTR2dとに高電圧が印加されないように阻止し、電磁接触器S1a、S1bはトランジスタTR2b、TR2cに高電圧が印加されないように阻止するとともに、交流溶接時にはONとなってトランジスタTR2bとTR2cに電流を流す。なお、同図においてもリアクトルL2sとダイオードDR3の接続の順序は図示の通りでなくてもよい。
【0018】
図5は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1、5および10の発明の実施例に相当する。図5は図4の実施例のリアクトルL2pを2次整流回路DR2の出力端子に直列に挿入したもので、その他は図4の実施例と同機能のものに同符号を付してあり、動作も図4に示した実施例と同様である。また、図5においても、リアクトルL2sとダイオードDR3との順序および電磁接触器S1a、S1bとトランジスタTR2b、TR2cとの順序は図示の通りでなくてもよい。
【0019】
なお、図4および図5において、トランジスタTR2bとTR2cとをリアクトルL2sが発生する高電圧に耐えるトランジスタを用いるときは電磁接触器S1を省略してもよい。
【0020】
図6は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1、2、10および12の発明の実施例に相当する。同図の実施例は図2に示した実施例にリアクトルL3(1/2)とリアクトルL3(2/2)とを主スイッチング回路を構成するトランジスタブリッジ回路の交流出力側の各極性の出力回路に直列に挿入した点のみが異なり、その他は図2の実施例と同様である。
【0021】
ここで、リアクトルL3(1/2)とリアクトルL3(2/2)とは、1個の鉄心に巻かれた2個の巻線の各巻線を使用するものであり、かつそれぞれの巻線の極性を図中に・印で示すように各巻線に流れる電流によって共有する鉄心に同じ方向の磁束が発生するようにその巻き方向を決定しておく。
【0022】
リアクトルL3(1/2)とL3(2/2)とを上記のようにしておくと、交流出力時には、極性の反転に際してトランジスタTR2aとTR2dとがONからOFFになるときにその直前にリアクトルL3(1/2)に流れていた電流がそのままリアクトルL3(2/2)に移って流れようとする。このためにトランジスタTR2a、TR2dのOFFと同時に高いサージ電圧が発生し、アークの再生を助ける。
【0023】
図7は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1、3、10および12の発明の実施例に相当する。同図の実施例は、図6に示した実施例のリアクトルL2pを2次整流回路DR2の出力端子の一方に直列に接続したものであり、その他は図6に示した実施例と同様であり、動作も図6の実施例と同様である。
【0024】
図8は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1、6および10の発明の実施例に相当する。同図においては、副スイッチング回路は電磁接触器S1である。電磁接触器S1は主スイッチング回路を構成するトランジスタブリッジ回路のうちアーク起動時に導通しないトランジスタにまたダイオードDR3は主スイッチング回路を構成するトランジスタブリッジ回路のうちアーク起動時に導通するトランジスタにそれぞれ直列になるように図示の位置に接続されている。その他は図2の実施例と同機能の部分には同符号を付して詳細な説明は省略する。
【0025】
図8において、アーク起動時はトランジスタTR2aとTR2dとをON、トランジスタTR2bとTR2cとをOFF、電磁接触器S1をOFFとするとともにスイッチング素子TR3を所定時間導通させた後に遮断する。スイッチング素子TR3の遮断によってリアクトルL2pはパルス状の高電圧を発生し、これによってリアクトルL2sにも高電圧が誘起されて、そのプラス側はトランジスタTR2d、ダイオードDR3、2次整流回路DR2、リアクトルL1、トランジスタTR2a(またはトランジスタTR2bに逆並列にダイオードが接続されているときはそのダイオードを通して)、被溶接物側出力端子Tm2、被溶接物側ケーブル8を経て被溶接物側7に、また負側は電極側出力端子Tm1、電極側ケーブル5を経て電極6に加わり、被溶接物7と電極6との間に火花放電を発生させ、この火花放電に2次整流回路DR2、リアクトルL1、トランジスタTR2a、リアクトルL2s、トランジスタTR2dを経て電流が流れて火花放電は溶接アークに成長する。ダイオードDR3はトランジスタTR3を遮断したときに電極6と被溶接物7との間に火花放電が発生しなかったときにケーブル5と8との間の浮遊容量に充電された高電圧が2次整流回路DR2および主スイッチング回路のトランジスタTR2bに高電圧が印加されないように阻止し、電磁接触器S1はトランジスタTR2cに高電圧が印加されないように阻止する。なお、図示していないが、電磁接触器S1と同時にON、OFFする別の電磁接触器をL2sに並列に接続すると交流溶接時にはONとなってトランジスタTR2bとTR2cに電流を流しやすくするともににトランジスタTR2aないしTR2dのON、OFF時に発生するサージ電圧を低減できる。
【0026】
図9は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1、7および10の発明の実施例に相当する。図9は図8の実施例のリアクトルL2pを2次整流回路DR2の出力端子に直列に挿入したもので、その他は図8の実施例と同機能のものに同符号を付してあり、動作も図8に示した実施例と同様である。
【0027】
図10は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1、8および10の発明の実施例に相当する。同図においては、副スイッチング回路は電磁接触器S1である。ダイオードDR3は主スイッチング回路を構成するトランジスタブリッジ回路のうちアーク起動時に導通するトランジスタに、また電磁接触器S1はアーク起動時に導通しないトランジスタにそれぞれ直列に接続されている。その他は図2の実施例と同機能の部分には同符号を付して詳細な説明は省略する。
【0028】
図10において、アーク起動時はトランジスタTR2aとTR2dとをON、トランジスタTR2bとTR2cとをOFF、電磁接触器S1をOFFとするとともにスイッチング素子TR3を所定時間導通させた後に遮断する。スイッチング素子TR3の遮断によってリアクトルTR2pはパルス状の高電圧を発生し、これによってリアクトルL2sにも高電圧が誘起されて、そのプラス側はダイオードDR3、2次整流回路DR2、リアクトルL1、トランジスタTR2a(またはトランジスタTR2bに逆並列ダイオードが接続されているときはそのダイオードを通して)、被溶接物側出力端子Tm2、被溶接物側ケーブル8を経て被溶接物側7に、また負側はトランジスタTR2d、電極側出力端子Tm1、電極側ケーブル5を経て電極6に加わり、被溶接物7と電極6との間に火花放電を発生させ、この火花放電に2次整流回路DR2、リアクトルL1、トランジスタTR2a、トランジスタTR2d、リアクトルL2s、ダイオードDR3を経て電流が流れ火花放電は溶接アークに成長する。ダイオードDR3はトランジスタTR3を遮断したときに電極6と被溶接物7との間に火花放電が発生しなかったときにケーブル5と8との間の浮遊容量に充電された高電圧が2次整流回路DR2および主スイッチング回路のトランジスタTR2bに高電圧が印加されないように阻止し、電磁接触器S1はトランジスタTR2cに高電圧が印加されないように阻止する。
【0029】
図11は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1、9および10の発明の実施例に相当する。図11は図10の実施例のリアクトルL2pを2次整流回路DR2の出力端子に直列に挿入したもので、その他は図10の実施例と同機能のものに同符号を付してあり、動作も図10に示した実施例と同様である。
【0030】
図12は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1、6、10および12の発明の実施例に相当する。同図においては、図8の実施例に2個のリアクトルL3(1/2)とL3(2/2)とを主スイッチング回路を構成するブリッジ回路のうち交流出力側の正極性出力回路および逆極性出力回路に直列にそれぞれ接続したもので、その他は図8に示した実施例と同様である。同図において、リアクトルL3(1/2)とL3(2/2)とは図6の実施例において用いたリアクトルリアクトルL3(1/2)とL3(2/2)と同様に鉄心を共有し、各リアクトルに流れる電流によって共有する鉄心に同方向の磁束を発生する極性に各リアクトルの巻線の巻き方向が定められている。
【0031】
同図の実施例においても、アーク起動時にトランジスタTR2aとTR2dとを導通させ、トランジスタTR3を所定時間だけ導通させた後に遮断することによって電極と被溶接物との間に火花放電が発生し、溶接アークに移行する。溶接アーク起動後は、副スイッチング回路S1をONとすることによつて溶接を行う。このときリアクトルL3(1/2)とL3(2/2)との作用によつて図6に示した実施例と同様に極性の切り替え時に急峻に電流が切り替えられ、かつこの極性切り替えの瞬間にアークが一旦消滅したときに高いサージ電圧が発生するのでアークの再点孤が確実となる。
【0032】
図13は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1、7、10および12の発明の実施例に相当する。同図においては、図9の実施例に2個のリアクトルL3(1/2)とL3(2/2)とを主スイッチング回路を構成するブリッジ回路の交流出力回路のうち正極性出力回路および逆極性出力回路にそれぞれ直列に接続したもので、その他は図9に示した実施例と同様である。また、図13は図12の実施例のリアクトルL2pを2次整流回路DR2の出力端子に直列に挿入したもので、その他は図12の実施例と同機能のものに同符号を付してあり、動作も図12に示した実施例と同様である。
【0033】
図14は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1、10および11の発明の実施例に相当する。同図の実施例は、図5に示した実施例のリアクトルL2p、L2sを1個のリアクトルL2としたもので、回路構成上は図5の実施例のL2sを省略したものに相当する。それ故、その動作もリアクトルL2が発生する高電圧がそのまま電極6と被溶接物7との間に供給される点のみが図5の実施例と異なるのみであり、その他は図5の実施例と同様である。
【0034】
図15は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1、10、11および12の発明の実施例に相当する。同図の実施例は、図14の実施例のうちアーク起動時にリアクトルL2に強制的に電流を流すためのスイッチング素子TR3と抵抗器R1の直列回路をダイオードDR3と主スイッチング回路との接続点と2次整流回路DR2の負出力端子との間に接続替えしたものであり、さらに主スイッチング回路の交流端子側には、トランジスタTR2cとTR2dとにそれぞれ直列にリアクトルL3(1/2)L3(2/2)が接続してある。ここで、リアクトルL3(1/2)とリアクトルL3(2/2)とは、1個の鉄心に巻かれた2個の巻線の各巻線を使用するものであり、かつそれぞれの巻線の極性を各巻線に流れる電流によって共有する鉄心に同じ方向の磁束が発生するようにその巻き方向を決定しておく。
【0035】
リアクトルL3(1/2)とL3(2/2)とを上記のようにしておくと、交流出力時には、極性の反転に際してトランジスタTR2aとTR2dとがONからOFFになるときにリアクトルL3(1/2)に流れていた電流がそのままリアクトルL3(2/2)に移って流れようとする。このためにトランジスタTR2a、TR2dのOFFと同時に高いサージ電圧が発生し、アークの再生を助ける。図15において、リアクトルL3(1/2)、L3(2/2)以外の動作は図14の実施例と同じである。
【0036】
図16は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1、10および11の発明の実施例に相当する。同図の実施例は図14の実施例のうちアーク起動時にリアクトルL2に強制的に電流を流すためのスイッチング素子TR3と抵抗器R1の直列回路を主スイッチング回路の交流出力端子間に接続替えしたものであり、その動作は図14の実施例と同じである。
【0037】
なお、図2ないし図16において、トランジスタTR2aとTR2dとの組とトランジスタTR2bとTR2cとの組とを導通期間が極く短時間の重なりをもって交互にON−OFFするようにして各極性の電流を流すトランジスタを実質的に間隙なく制御するとよい。このようにするときは、トランジスタTR2a、TR2dとトランジスタTR2b、TR2cとの重なり時間の間は電極6と被溶接物7との間は短絡されるのでアークは消滅するが、電流は直列リアクトルを通じてトランジスタTR2aないしTR2dによって短絡されて流れ続け、その値は直列リアクトルによって抑制される。この状態でさきに導通していたトランジスタTR2aとTR2dとがOFFするとその直前にリアクトルに流れていた電流を維持するように高いサージ電圧がトランジスタTR2bとTR2cの純方向に発生する。このサージ電圧はそのときすでにトランジスタTR2bとTR2cが導通しているので電極6と被溶接物7との間に先とは逆の極性で印加されることになり、極性反転時のアークの再生がより確実となる。トランジスタTR2bとTR2cとが導通していてトランジスタTR2aとTR2dとが遮断状態にあるときから極性が反転するときも同様に動作する。
【0038】
図17は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1および13の発明の実施例に相当する。同図において、L4(1/2)、L4(2/2)はリアクトルであり、両リアクトルは共通の鉄心に巻かれたコイルからなり、各コイルは図中に・印で示すように直列に接続されたスイッチング素子TR2aおよびTR2bの導通によってそれぞれに流れる電流によって共有する鉄心に同方向の磁束を発生する極性に定められている。また、DR2は2次整流回路であるがその出力は図示のように正・負・零の3出力端子を有する。さらにリアクトルL2は1次巻線L2pと2次巻線L2s(1/2)とL2s(2/2)とからなり、2次巻線L2s(1/2)とL2s(2/2)とは、共通の鉄心に巻かれたコイルからなり、各コイルは図中に・印で示すようにそれぞれに流れる電流によって共有する鉄心に同方向の磁束を発生する極性に定められている。図17において、その他は図2ないし図16に示した各実施例と同機能のものに同符号を付して詳細な説明を省略する。
【0039】
図17において、トランジスタTR2aとトランジスタTR2bはいずれか一方がONで他方がOFFとなって溶接出力の極性を切り替える。いまトランジスタTR2aがONでトランジスタTR2bがOFFとすると、溶接電流は2次整流回路DR2の正出力端子、リアクトルL4(1/2)、トランジスタTR2a、ダイオードDR3、リアクトルL2s(1/2)、被溶接物側出力端子Tm2、被溶接物側ケーブル8、被溶接物7、電極6、電極側ケーブル5、電極側出力端子Tm1、リアクトルL2s(1/2)、電流検出器CT1、2次整流回路DR2の零出力端子の経路を流れ、被溶接物7と電極6の間に正極性のアークを発生させる。つぎに、トランジスタTR2aがOFFにトランジスタTR2bがONになると、トランジスタTR2aを通してリアクトルL4(1/2)に流れる電流とトランジスタTR2bを通してリアクトルL4(2/2)に流れる電流は鉄心を同じ方向に磁化するので、リアクトルL4(1/2)に流れていた電流は直流リアクトルL4(2/2)に直ちに移って流れることになる。その結果、溶接電流は2次整流回路DR2の零出力端子、出力電流検出器CT1、電極側出力端子Tm1、電極側ケーブル5、電極6、被溶接物7、被溶接物側ケーブル8、被溶接物側出力端子Tm2、リアクトルL2s(2/2)、電磁接触器S1、トランジスタTR2b、直流リアクトルL4(2/2)、2次整流回路DR2の負出力端子の経路を流れ、電極6と被溶接物7の間に逆極性のアークを発生させる。トランジスタTR2aがONでトランジスタTR2bがOFFの状態と、トランジスタTR2aがOFFでトランジスタTR2bがONの状態とを交互に繰り返すことよって電極6と被溶接物7間に交流アークが得られる。
【0040】
アーク起動時にはスイッチング素子TR3を所定時間だけ導通させた後に遮断する。このときリアクトルL2pにはスイッチング素子TR3の導通時に流れていた電流が急減するのを妨げるように図示の極性にパルス状の高電圧が発生する。この高電圧はリアクトルL2s(1/2)とLSs(2/2)とに巻数比に応じて誘起され、電極6と被溶接物7とに両リアクトルの誘起電圧が加算されて印加され、両者間の絶縁を破壊して火花放電が発生する。火花放電が発生すると、2次整流回路DR2から直流リアクトルL4(1/2)、トランジスタTR2a、ダイオードDR3を経て同極性の電流が流れ、火花放電は溶接アークに成長する。このときリアクトルL2sは2分割されてL2s(1/2)とL2s(2/2)となって電極側6および被溶接物側7にそれぞれ挿入されるので電極6の対地電位の上昇が1/2となりノイズ発生が少なくなる。
【0041】
溶接アークが発生すると制御回路CL3は、これを出力電流検出器CT1によって検出し、直流アーク溶接を行う場合はトランジスタTR2aをON、トランジスタTR2bをOFF、電磁接触器S1をOFFのままとし、交流アーク溶接を行う場合は電磁接触器S1をONとした後、トランジスタTR2aとトランジスタTR2bを所定の順序と間隔で交互にON、OFFさせる。
【0042】
図17の実施例においても、交流出力時には、リアクトルL4(1/2)とリアクトルL4(1/2)との巻線を前述のように各コイルに流れる電流によって共有する鉄心に同じ方向の磁束が発生するようにその巻き方向を決定しておくと、極性の反転に際してトランジスタTR2aがONからOFFになるときにリアクトルL4(1/2)に流れていた電流がそのままリアクトルL4(2/2)に移って流れようとする。このためにトランジスタTR2aのOFFと同時に高いサージ電圧が発生し、アークの再生を助ける。
【0043】
図18は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1および13の発明の実施例に相当する。同図の実施例は、図17の実施例のリアクトルL2の1次巻線L2pを2次整流回路DR2の正出力端子とトランジスタTR2aとの間に直列に接続し、かつ、スイッチング素子TR3と抵抗器R1の直列回路をリアクトルL2pとトランジスタTR2aとの接続点と2次整流回路DR2の零出力端子との間に接続し、かつリアクトルL2の2次巻線L2sは1個として2次整流回路DR2の零出力端子と電極側出力端子Tm1との間に直列接続したものである。その他は図17の実施例と同様であり、その動作も図17の実施例と同様である。
【0044】
図19は、本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施例を示す接続図であり、請求項1、13および14の発明の実施例に相当する。同図の実施例は、図17および図18の実施例のリアクトルL2を削除し、スイッチング素子TR3と抵抗器R1との直列回路を溶接負荷に対する出力端子Tm1とTm2との間に接続したものである。同図の実施例においては、アーク起動に際して、スイッチング素子TR3とトランジスタTR2aとを導通させると、2次整流回路DR2からリアクトルL4(1/2)、ダイオードDR3、トランジスタTR2a、抵抗器R1、スイッチング素子TR3、2次整流回路DR2の零出力端子の経路で電流が流れ、リアクトルL4(1/2)に電磁エネルギーが蓄えられる。動作する。所定時間の後にトランジスタTR2aは導通のままで、スイッチング素子TR3を遮断するとリアクトルL4(1/2)に蓄えられていた電磁エネルギーによってパルス状の高電圧がリアクトルL4(1/2)に図示の極性に発生する。この高電圧によって電極6と被溶接物7との間に火花放電が発生し、これによって溶接アークが誘発される。溶接アークが発生した後は、図17および図18に示した実施例と同様にして直流アーク溶接または交流アーク溶接がおこなわれる。
【0045】
図19の実施例においてスイッチング素子TR3と抵抗器R1の直列回路は、図示の位置に限らず、アーク起動時にリアクトルL4(1/2)に電流を流す位置であればよく、例えば、図19のリアクトルL4(1/2)とダイオードDR3との接続点(またはダイオードDR3とトランジスタTR2aとの接続点)と2次整流回路DR2の零出力端子との間でもよく、リアクトルL4(1/2)とダイオードDR3との接続点(またはダイオードDR3とトランジスタTR2aとの接続点)とリアクトルL4(2/2)と電磁接触器S1との接続点との間に接続してもよい。
【0046】
なお、図17ないし図19に示した実施例において、トランジスタTR2aとTR2bとを導通期間が極く短時間の重なりをもって交互にON−OFFするようにして両トランジスタを実質的に間隙なく制御するとよい。このようにするときは、トランジスタTR2aとトランジスタTR2bとの重なり時間の間は、アークは消滅するが電流は直列リアクトルを通じてトランジスタTR2aとトランジスタTR2bとによって短絡されて流れ続け、その値は直列リアクトルによって抑制される。この状態でトランジスタTR2aがOFFするとその直前にリアクトルに流れていた電流を維持するように高いサージ電圧がトランジスタTR2bの順方向に発生する。このサージ電圧は電極6と比溶接物7との間に先とは逆の極性で印加され、かつトランジスタTR2bがすでにON状態にあるので、トランジスタTR2aがOFFとなる瞬間に発生することになりアークの再生がより確実となる。トランジスタTR2bとTR2cとが導通状態にありトランジスタTR2aとTR2dとが遮断状態にあって極性が反転するときも同様に動作する。
【0047】
また、図17ないし図19に示した実施例において、リアクトルL4(1/2)、ダイオードDR3およびトランジスタTR2aの接続順序およびリアクトルL4(2/2)、電磁接触器(副スイッチング素子)S1およびトランジスタTR2bの接続順序はいずれも図示の通りでなくてもよい。
【0048】
さらに、上記いずれの実施例においても、主スイッチング回路を構成するトランジスタTR2aないしTR2dに高耐圧の素子を使用するときは電磁接触器(副スイッチング素子)S1はなくてもよい。同様に2次整流回路DR2に逆耐圧の高いものを使用するときは、ダイオードDR3は省略できる。
【0049】
また、上記各実施例は、本発明をアーク溶接に適用するときについて説明したが、本発明はアーク溶接以外にアーク切断、アーク加熱、アーク溶融などのアーク加工に適用できる。
【0050】
上記の説明では、スイッチング素子TR2、抵抗器R2、リアクトルL2Pの回路は溶接出力回路に接続したが、別に用意する電源に接続してもよい。
【0051】
【発明の効果】
従来よく行われていた高周波高電圧を用いる方法のように、アークが発生するまでの間中高周波高電圧を出し放しにすると、電極と被溶接物間の電位が高周波高電圧によって強制的に変動する。この結果、大地に高周波電流が流れ出し、近くの電子機器にノイズ障害を引き起こす。これに対し本発明の場合、スイッチング素子TR2を続けてON・OFFしても高電圧出力は直流であるためつぎのような効果がある。スイッチング素子TR2のON・OFFの周期が電極と被溶接物間の静電容量と電気抵抗による時定数より長いときは、その静電容量の充電・放電を繰り返すが、放電は電極と被溶接物間の電気抵抗へ行うので、強制的な電極・被溶接物間の電位変動による大地への高周波電流の流れ出しは充電の時だけである。したがって、本発明においては従来の高周波高電圧を用いる方式のものよりノイズは少ない。また、ON・OFFの周期が電極と被溶接物間の静電容量と電気抵抗による時定数より短いときは、その静電容量が充電されると電極・被溶接物間の電位変動がなくなるので、ノイズは極端に少なくなる。
【0052】
また、図1の従来の場合は、第1の直流電源装置が故障しても直流高電圧発生装置である第2の直流電源装置は働いていて無駄な直流項電圧が出力されたままになることがある。また、第1の直流電源装置が正常でも第2の直流電源装置の出力電流を制限する回路が故障すると大きな電流が流れて第2の直流電源が破壊されることがある。これに対して本発明においては、予めリアクトルに電流を流しておき、この電流を遮断することによって高電圧を得るので、上記のような無駄な出力が続くことや装置が破壊されるようなことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のアーク加工装置の例を示接続図。
【図2】本発明の請求項1、2および10の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図3】本発明の請求項1、3および10の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図4】本発明の請求項1、4および10の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図5】本発明の請求項1、5および10の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図6】本発明の請求項1、2、10および12の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図7】本発明の請求項1、3、10および12の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図8】本発明の請求項1、6および10の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図9】本発明の請求項1、7および10の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図10】本発明の請求項1、8および10の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図11】本発明の請求項1、9および10の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図12】本発明の請求項1、6、10および12の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図13】本発明の請求項1、7、10および12の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図14】本発明の請求項1、10および11の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図15】本発明の請求項1、10、11および12の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図16】本発明の請求項1、10および11の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図17】本発明の請求項1および13の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図18】本発明の請求項1および13の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【図19】本発明の請求項1、13および14の発明を交直両用アーク溶接機に実施したときの例を示す接続図。
【符号の説明】
1ないし3 1次入力線
4 溶接電源
5 電極側ケーブル
6 電極
7 被溶接物
8 被溶接物側ケーブル
10 溶接電源
11 第1の直流電源装置
15 第2の直流電源装置
16 ダイオード
18 アーク発生検出手段
19 スイッチ手段
DR1 1次整流器
DR2 2次整流回路
DR3 ダイオード
TR1 インバータ回路
T1 インバータトランス
L1 リアクトル
L1(1/2)、L1(2/2) リアクトル
L2 リアクトル
L2p、L2s リアクトル
L2s(1/2)、L2s(2/2) リアクトル
L4(1/2)、L4(2/2) リアクトル
TR2aないしTR2d トランジスタ
TR3 スイッチング素子
S1 副スイッチング回路(電磁接触器)
S1a、S1b 副スイッチング回路(電磁接触器)
R1、R2 抵抗器
TS1 起動スイッチ
RV1 出力電流調整器
CT1 出力電流検出器
CL2 制御回路
Tm1 電極側出力端子
Tm2 被溶接物側出力端子
Claims (17)
- 電極と被加工物とを接触させずにアークスタートさせる交直両用アーク加工装置において、直流電源と、前記直流電源の出力を正および逆の極性にきりかえて電極と被加工物とからなるアーク加工負荷に供給する主スイッチング回路と、あらかじめリアクトルに流しておいた電流を遮断することによってパルス状の高電圧を発生させてアーク起動時に前記直流電源からの出力に重畳して前記アーク加工負荷に供給するための直流高電圧発生回路と、前記直流電源と負荷出力端子との間に直列に設けられて前記直流高電圧発生回路の出力と同極性に接続方向が定められたダイオードと、前記直流高電圧発生回路の出力極性とは逆の極性の出力を通過させる副スイッチング回路と、アーク起動に際して前記直流高電圧発生回路を起動するとともに前記主スイッチング回路を前記直流高電圧発生回路の出力と同極性の出力を前記アーク加工負荷に供給するように駆動し、アーク起動後は前記副スイッチング回路を導通させ、かつ所定の順序で前記主スイッチング回路をON−OFF制御する制御回路とを備えた交直両用アーク加工装置。
- 前記直流高電圧発生回路は前記直流電源の出力端子に接続されたリアクトルの1次巻線とスイッチング素子との直列回路と前記主スイッチング回路の一方の出力と前記負荷出力端子との間に直列に接続された前記リアクトルの2次巻線とからなり、前記ダイオードは前記リアクトルの巻線と直列接続され、前記副スイッチング回路は前記リアクトルの2次巻線と前記ダイオードとの直列回路と並列接続されている請求項1に記載の交直両用アーク加工装置。
- 前記直流高電圧発生回路は前記直流電源の一方の出力端子と前記主スイッチング回路とのあいだに接続されたリアクトルの1次巻線と前記リアクトルの1次巻線と前記主スイッチング回路との接続点と前記直流電源の他方の出力端子との間に接続されたスイッチング素子と前記主スイッチング回路と出力端子との間に直列に接続された前記リアクトルの2次巻線とからなり、前記ダイオードは前記リアクトルの2次巻線と直列に接続され、前記副スイッチング回路は前記リアクトルの2次巻線と前記ダイオードとの直列回路と並列接続された請求項1に記載の交直両用アーク加工装置。
- 前記直流高電圧発生回路は前記直流電源の出力端子に接続されたリアクトルの1次巻線とスイッチング素子との直列回路と前記直流電源の出力端子と前記主スイッチング回路との間に直列に接続された前記リアクトルの2次巻線とからなり、前記ダイオードは前記リアクトルの2次巻線と直列に接続され、前記副スイッチング回路は前記主スイッチング回路のうち前記直流高電圧発生回路の発生電圧とは逆の極性の出力を通過させる回路に直列に接続された請求項1に記載の交直両用アーク加工装置。
- 前記直流高電圧発生回路は前記直流電源の一方の出力端子と前記主スイッチング回路とのあいだに接続されたリアクトルの1次巻線と2次巻線とからなる直列回路と前記リアクトルの1次巻線と2次巻線との接続点と前記直流電源の他方の出力端子との間に接続されたスイッチング素子とからなり、前記ダイオードは前記リアクトルの2次巻線に直列接続され、前記副スイッチング回路は前記主スイッチング回路のうち前記直流高電圧発生回路の発生電圧とは逆の極性の出力を通過させる回路に直列に接続されている請求項1に記載の交直両用アーク加工装置。
- 前記直流高電圧発生回路は前記直流電源の出力端子に接続されたリアクトルの1次巻線とスイッチング素子との直列回路と前記主スイッチング回路の一方の出力と前記負荷出力端子との間に直列に接続された前記リアクトルの2次巻線とからなり、前記ダイオードは前記主スイッチング回路のうち前記直流高電圧発生回路の出力と同極性の電流を流す回路内に直列に接続されており、前記副スイッチング回路は前記主スイッチング回路のうち前記ダイオードが接続されている極性とは逆の極性の電流を流す回路内に直列に接続されている請求項1に記載の交直両用アーク加工装置。
- 前記直流高電圧発生回路は前記直流電源の一方の出力端子と前記主スイッチング回路との間に接続されたリアクトルの1次巻線と、前記リアクトルの1次巻線と前記主スイッチング回路との接続点と前記直流電源の他方の出力端子との間に接続されたスイッチング素子と前記主スイッチング回路と出力端子との間に直列に接続された前記リアクトルの2次巻線とからなり、前記ダイオードは前記主スイッチング回路のうち前記直流高電圧発生回路の出力と同極性の電流を流す回路内に直列に接続されており、前記副スイッチング回路は前記主スイッチング回路のうちの前記ダイオードが接続されている極性とは逆の極性の電流を流す回路内に直列に接続されている請求項1に記載の交直両用アーク加工装置。
- 前記直流高電圧発生回路は前記直流電源の出力端子に接続されたリアクトルの1次巻線とスイッチング素子との直列回路と前記主スイッチング回路のうちアークスタート時に流す電流と同方向の電流を流す回路内に直列にかつ前記ダイオードと直列にして接続された前記リアクトルの2次巻線とからなり、前記副スイッチング回路は前記主スイッチング回路のうちの前記ダイオードと前記リアクトルの2次巻線との直列回路が接続されている極性とは逆の極性の回路内に直列に接続されている請求項1に記載の交直両用アーク加工装置。
- 前記直流高電圧発生回路は前記直流電源の一方の出力端子と前記主スイッチング回路とのあいだに接続されたリアクトルの1次巻線と前記主スイッチング回路のうちアークスタート時に流す電流と同方向の電流を流す回路内に直列に接続されかつ前記ダイオードと直列接続した前記リアクトルの2次巻線と前記リアクトルの1次巻線と前記主スイッチング回路との接続点と前記直流電源の他方の出力端子との間に接続されたスイッチング素子とからなり、前記副スイッチング回路は前記主スイッチング回路のうちの前記ダイオードと前記リアクトルの2次巻線との直列回路が接続されている極性とは逆の極性の回路内に直列に接続されている請求項1に記載の交直両用アーク加工装置。
- 前記直流電源は正および負の出力端子を有する直流電源であり、前記主スイッチング回路はブリッジ回路を構成する4個のスイッチング素子からなり、前記ブリッジ回路の直流端子に前記直流電源から電力を供給し、前記ブリッジ回路の交流端子からアーク加工用出力を取り出す請求項1に記載の交直両用アーク加工装置。
- 前記直流電源の出力端子の一方には1個のリアクトルが接続されており、前記主スイッチング回路はブリッジ回路を構成する4個のスイッチング素子からなり、前記ブリッジ回路の直流端子側の一方と前記リアクトルとの間に前記ダイオードを直列に接続し、前記ブリッジ回路の直流端子の他端を前記直流電源の他方の出力端子に接続し、前記ブリッジ回路の交流端子からアーク加工用出力を取り出すとともに、前記直流高電圧発生回路は前記リアクトルを介して前記直流電源の出力を所定時間短絡する回路であり、前記副スイッチング回路は前記ブリッジ回路のうちの前記直流高電圧発生回路の出力極性とは逆の極性の回路を遮断する位置に接続されている請求項1に記載の交直両用アーク加工装置。
- 前記主スイッチング回路の正および負の各極性の電流を流す回路にはそれぞれ補助リアクトルが直列に接続されており、前記各補助リアクトルは共通の鉄心に巻かれた2個のリアクトル巻線のうちの各一方を使用し、前記各巻線は共有する鉄心をそれぞれの巻線に流れる電流によって同方向に磁化する極性に巻方向が定められている請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の交直両用アーク加工装置。
- 前記直流電源は正・零・負の3出力を有する直流電源であり、前記主スイッチング回路は前記直流電源の正および負の各出力端子に接続され他端を共通接続されたリアクトルとスイッチング素子との2組の直列回路からなり、前記各リアクトルは共通の鉄心に巻かれた2個のリアクトル巻線のうちの各一方を使用し、かつ前記各リアクトル巻線は共有する鉄心をそれぞれに直列接続されたスイッチング素子の導通時に流れる電流によって同方向に磁化する極性に巻方向が定められているリアクトルであり、前記直列回路の一方に前記ダイオードを直列に接続し、前記直列回路の他方に直列に前記副スイッチング回路を接続して両直列回路の共通接続点をアーク加工負荷に対する一方の出力端子とし、前記直流電源の零出力端子を他方の負荷出力端子とした請求項1に記載の交直両用アーク加工装置。
- 前記直流高電圧発生回路は前記リアクトルの少なくとも一方を介して前記直流電源の出力をアーク起動時に所定時間短絡した後に開放することによってパルス状の高電圧を発生する回路である請求項13に記載の交直両用アーク加工装置。
- 前記直流高電圧発生回路は前記アーク加工負荷に電極側を正とする逆極性の高電圧を供給する極性とし、前記制御回路はアーク起動時は前記直流高電圧発生回路を起動するとともに前記主スイッチング回路を逆極性出力となるように制御し、アーク起動後は前記直流高電圧発生回路の動作を停止させるとともに前記副スイッチング回路を導通させ、かつ前記主スイッチング回路を直流出力時は被溶接物側を正とする正極性とし交流出力時は所定の順序でON−OFF制御する回路である請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の交直両用アーク加工装置。
- 前記主スイッチング回路は、出力極性の切替時にスイッチング回路を構成する正逆各極性の出力を負担するスイッチング素子の導通期間を実質的に間隙なく切替える回路である請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の交直両用アーク加工装置。
- 前記直流高電圧発生回路のスイッチング素子は、アーク起動時に火花放電が発生するまでのあいだ所定の間隔で導通と遮断とを繰り返す請求項1ないし請求項16に記載の交直両用アーク加工装置。
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