JP3453014B2 - アーク加工用電源装置 - Google Patents

アーク加工用電源装置

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JP3453014B2
JP3453014B2 JP21243295A JP21243295A JP3453014B2 JP 3453014 B2 JP3453014 B2 JP 3453014B2 JP 21243295 A JP21243295 A JP 21243295A JP 21243295 A JP21243295 A JP 21243295A JP 3453014 B2 JP3453014 B2 JP 3453014B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電極と被加工物と
を接触させずにアークスタートさせるアーク加工用電源
装置において、アークスタート時の電磁輻射ノイズをな
くすとともに、装置の発生損失を大幅に低減し、さら
に、アークスタート性能を改善した装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】図1は、従来の直流高電圧スタート方式
によるアーク加工用電源装置の例である。同図におい
て、1〜3は三相交流電源に接続される一次入力端子で
あり、4は電源装置、41は第1の直流電源装置であ
り、電極側出力端子Tm1、被加工物側出力端子Tm2を経
て電極側ケーブル5および被加工物側ケーブル8を介し
て電極6と被加工物7とに加工用主電力を供給する。4
2はスタート用の直流高電圧を発生させる第2の直流電
源装置であり、44は整流素子であり、第2の直流電源
装置42から供給される高電圧が第1の直流電源装置4
1に逆方向に印加されないようにするための逆阻止ダイ
オードである。43は主アーク電流を検出する電流検出
器、45はスイッチ接点であり電流検出器43の出力信
号によって第2の直流電源装置42の入力回路を遮断し
て停止させるものである。9はアーク起動用スイッチ
で、この操作により第1の直流電源装置41および第2
の直流電源装置42を起動するものである。また、10
は出力設定器であり定常時の加工用出力電流を設定す
る。
【0003】図1の装置において、アーク起動用スイッ
チ9を操作すると、第1の直流電源装置41が起動する
とともにスイッチ接点45が閉じられて、第2の直流電
源装置42が起動し、第1の直流電源装置41からは出
力設定器10によって定められた定常アークを形成する
ための直流低電圧大電流の出力が、また第2の直流電源
装置42からはアーク起動のための直流高電圧微小電流
の出力が電極6と被加工物7の間に給電される。この第
2の直流電源42の出力により電極6と被加工物7との
間のエアギャップは絶縁が破壊されて火花放電を発生
し、これに誘発されて第1の直流電源41の出力によっ
て加工用の大電流の主アークが発生する。この加工用の
主アークの発生を電流検出器43によって検出し、この
信号によってスイッチ手段45が開路して第2の直流電
源装置42は出力を停止する。
【0004】図2は第1の直流電源装置41と第2の直
流電源装置42の特性を図示したものである。すなわち
第1の直流電源装置41はアーク加工用の溶接電流を供
給する低電圧大電流の特性を有し、第2の直流電源装置
42は電極6と被加工物7とのエアギャップ間での絶縁
破壊をおこすのに必要な高電圧を発生する高電圧微小電
流特性を有し、これらの2種類の特性を持つ電源装置を
組み合わせて、非接触でアークスタートをさせようとす
るものである。
【0005】上記の従来装置においては、第2の直流電
源装置42の出力電圧が直流であるため、高周波交流の
高電圧を用いる場合と異なり、アーク起動時に電磁輻射
ノイズを出さないという特長がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来装置におい
ては、逆阻止ダイオード44には定常状態におけるアー
ク加工中に、加工用の大きな電流が流れ続けるためこの
部分における電力損失が過大になるという問題がある。
【0007】即ち、アークスタート用に必要な直流高電
圧は一般に数kV以上必要であるが、現在市販されてい
る一方向性整流素子は、100(A)程度の電流容量の
もので1素子当たりの耐電圧は1200(V)〜150
0(V)程度である。したがって、いま仮にアークスタ
ートのために第2の直流電源42の出力として4(k
V)の直流高電圧が必要であるとすると、逆阻止ダイオ
ード44としてはこの直流高電圧に耐えるために余裕度
を考慮して直列に4個から5個接続して用いなければな
らない。例えば、定格出力電流300(A)のアーク加
工用電源装置を例にとると、この逆阻止ダイオードの順
方向電圧降下を1(V)とすると、1素子当たり 300(A)×1(V)=300(w) の電力損失が発生し、全体では、5個直列に使用した場
合 300(w)×5=1500(w) もの電力損失が発生することになる。また、定格出力電
流300(A)のアーク加工用電源装置の定格出力は定
格出力電圧を20(V)とすると、 300(A)×20(V)=6000(w) であることから、この整流素子の電力損失は装置の定格
出力に対して実に25(%)にもなる。さらに、この1
500(w)もの電力損失は熱エネルギーとして無駄に
消費されるばかりでなく、装置内部の温度上昇を加速す
るため大きな能力の冷却機構を使用することが必要とな
り、このために装置全体が大形で高価なものになるばか
りでなく構成部品が高温にさらされる可能性が多くなる
ために信頼性を低下させる原因ともなり得るものであっ
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
電極と被加工物とを接触させずにアークスタートさせる
アーク加工用電源装置において、アーク加工用電流を出
力端子間に供給する低電圧大電流出力特性の直流主電源
と、前記電極と被加工物との間の絶縁を破壊して火花放
電を行うための高電圧微小電流を前記出力端子間に供給
する直流高電圧発生回路と、前記直流主電源と前記出力
端子との間に直列接続されて前記直流高電圧発生回路の
出力が前記直流主電源に逆方向に印加されることを防止
するための逆阻止ダイオードと、アーク起動後にこの逆
阻止ダイオードの両端を短絡する機械式スイッチ接点と
アーク起動指令により前記直流高電圧発生回路と前記直
流主電源とを起動し、アーク起動を検出したときに前記
直流高電圧発生回路の出力を遮断するとともに前記直流
高電圧発生回路の出力遮断の後に前記機械式スイッチ接
点の閉路を指令する制御回路とを具備したアーク加工用
電源装置である。
【0009】本発明の第2の発明は電極と被加工物とを
接触させずにアークスタートさせるアーク加工用電源装
置において、アーク加工用電流を出力端子間に供給する
低電圧大電流出力特性の直流主電源と、前記電極と被加
工物との間の絶縁を破壊して火花放電を行うための高電
圧微小電流を前記出力端子間に供給する直流高電圧発生
回路と、アーク放電維持に必要な小電流を前記出力端子
間に供給する直流補助電源と、前記直流主電源と前記出
力端子との間に直列接続したアーク起動後に閉じる機械
式スイッチ接点と、前記直流補助電源と前記出力端子と
の間に直列接続されて前記直流高電圧発生回路の出力が
前記直流補助電源に逆方向に印加されるのを防止するた
めの逆阻止ダイオードと、アーク起動指令により前記直
流高電圧発生回路と前記直流補助電源と前記直流主電源
とを起動し、前記直流補助電源の出力電流を検出したと
きに前記直流高電圧発生回路の出力を遮断するとともに
前記直流高電圧発生回路の出力遮断の後に前記機械式ス
イッチ接点の閉路を指令する制御回路とを具備したアー
ク加工用電源装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】図3は本発明をインバータ制御形
直流アーク溶接電源装置に適用したときの好ましい一実
施形態を示す接続図である。同図において20は電源装
置であり、21は三相交流電源を整流して直流とする1
次整流回路、22は1次整流回路21の出力を平滑する
ための平滑回路であり、コンデンサやリアクトルからな
る通常の平滑回路が用いられる。23は平滑回路22の
直流出力を高周波の交流に変換するインバータ回路であ
り、半導体スイッチング素子を用いた公知の回路が利用
できる。24は変圧器であり、インバータ回路23から
の高周波出力をアーク溶接に適した電圧に変換する。2
5は2次整流回路であり、変圧器24の出力を再度直流
にする。26は直流高電圧電源であり出力端子Tm1とT
m2との間に放電開始のための高電圧を供給するものであ
り、その極性は2次整流回路25の出力と同極性にされ
ている。27は逆阻止ダイオードであり、直流高電圧電
源 26の出力が2次整流回路25に印加されて破壊
されるのを防止するものである。28は逆阻止ダイオー
ド27の両端に並列に接続されてこれを短絡するための
機械式スイッチ接点であり、電磁接触器や真空スイッチ
等の電圧降下のほとんど発生しないものが適する。29
は制御回路であり、アーク起動スイッチ9と出力設定器
10から指令を受けてインバータ回路23の起動停止と
出力制御とを行うとともに直流高電圧発生回路26およ
び機械式スイッチ接点28を制御する。同図のその他の
部分は図1の従来装置と同機能のものに同符号を付して
詳細な説明は省略する。
【0011】図3の装置において、アーク起動スイッチ
9が押されて起動指令が発せられると、制御回路29は
出力設定器10の設定値に従ってインバータ回路23を
駆動し、数10(kHz )の高周波交流を変圧器24に
出力し、変圧器24はこれをアーク溶接に適した電圧に
変換し、変圧器24の出力は2次整流回路25にて直流
に変換されて出力端子Tm1とTm2を経て電極6と被加工
物7とに供給される。これと同時に制御回路29は直流
高電圧電源26にも起動指令を出力し、これによって、
直流高電圧発生回路26は数Kv程度の高電圧を出力端
子Tm1とTm2との間に供給する。直流高電圧発生回路の
出力が出力端子Tm1とTm2との間に供給されたとき、こ
の高電圧がケーブル5と8とを介して電極6と被加工物
7との間に印加されるが、このとき電極6が被加工物7
に接近していると両者間の絶縁がこの直流高電圧によっ
て破壊されて火花放電が発生し、これによって2次整流
回路25からの出力によって溶接用アークが誘発され
る。この溶接用アークの発生を電流検出器30によって
検出し、この検出信号を受けて制御回路29は直流高電
圧発生回路26の出力を停止させる。制御回路29は直
流高電圧発生回路を停止させた後に機械的スイッチ接点
28を閉路し、逆阻止ダイオード27を短絡する。
【0012】図3の装置は上記のように動作するので、
直流高電圧発生回路26は電極6と被加工物7との間の
絶縁を破壊するための高電圧であればよく、その電流容
量は火花放電を発生させるだけでよいので極く小容量の
ものでよい。また火花放電が発生したときには、その出
力電圧は低くてもよいので直流高電圧発生回路26の内
部抵抗は高いものとするか、または出力回路に電流制限
用の抵抗器を直列に接続して、出力電圧電流特性を急峻
な垂下特性としておく。また、逆阻止ダイオード27に
はアークスタート時に直流高電圧発生回路の高い出力電
圧を阻止するとともに、火花放電の発生から溶接用アー
クが誘発されて制御回路がこれを検出して機械式スイッ
チ接点28を閉じるまでの極く短時間のみ溶接電流が流
れるだけであるので、逆阻止ダイオード27にて消費さ
れる電力もわずかとなる。
【0013】例えば、溶接電流を300(A)、逆阻止
ダイオード27として順方向電圧降下1(V)のものを
5個直列とし、火花発生から機械式スイッチ接点28の
動作までの時間を10(ms)とすると、発生する電力
損失は 300(A)×1(V)×5=1500(w) である
が その時間積である電力量はスタート1回当り 1500×10×10-3(ws)=15(ws) となって、ほとんど損失電力量としては無視できる程度
のものである。また、アーク発生中は電流はほとんどが
機械式スイッチ接点28を通るので、この接点28の接
触抵抗を1(mΩ)とすると、接点における電力損失は 1×10-3(Ω)×3002 (A)=90(w) となり、図1の従来装置における電力損失が前述のよう
に1500(w)であったことと比較すると実に16分
の1に低減することができる。
【0014】図4は、本発明の第2の発明をインバータ
制御形直流溶接電源装置に適用したときの好ましい一実
施形態を示す接続図である。同図において、変圧器24
は直流主電源用主巻線24aと直流補助電源用補助巻線
24bの2個の出力巻線を有する。31は変圧器24の
補助2次巻線24bの出力を整流する補助整流回路、3
3は直流補助電源の電流を制限する電流制限用抵抗器で
あり、34は直流高電圧の逆阻止ダイオードであり、3
2は補助整流回路31の出力電流を検出する電流検出
器、30は直流主電源の電流検出器である。
【0015】ここで変圧器24の補助巻線24b、補助
整流回路31および電流制限抵抗器33は直流補助電源
を構成し、その出力電圧は2次整流回路25の出力電圧
よりも高く、かつ出力電流は10(A)以下の小電流の
ものが適する。その他は図1と同機能のものに同符号を
付して説明を省略する。
【0016】図4の装置においてアーク起動用スイッチ
9を操作すると、制御回路29からインバータ回路23
に起動信号が出力されて、変圧器24の主巻線24aと
補助巻線24bにそれぞれ高周波交流電圧が発生し、2
次整流回路25と補助整流回路31とにそれぞれ出力が
発生する。また直流高電圧発生回路26にも起動信号が
供給されて、出力端子Tm1、Tm2間すなわち電極6と被
加工物7間に直流高電圧が供給される。このとき逆阻止
ダイオード34および機械式スイッチ接点28によりこ
の直流高電圧は2次整流回路25および補助整流回路3
1には印加されない。次に、電極6と被加工物7とを接
近させると、この間のエアギャップの絶縁が直流高電圧
によって破壊されて火花放電が発生する。この火花放電
に誘発されて直流補助電源からの電流が供給される。こ
のときに供給される電流値は抵抗器33によってアーク
放電持続に必要な最小電流値に制限される。一般にこの
電流は4(A)程度である。この小電流によりアーク放
電に移行すると、電流検出器32により検出され、この
検出信号によって制御回路29は直流高電圧発生回路2
6を停止させた後に、機械式スイッチ接点28を閉路と
し、溶接電流を2次整流回路25から供給する。
【0017】図4の装置において、いま仮に、定格出力
電流300(A)の溶接電源装置を例にとると、電流制
限用抵抗器33の損失は、その抵抗値を20(Ω)とし
た場合は、4(A)×4(A)×20(Ω)=320
(w)の損失となり、逆阻止ダイオード34の電力損失
は、電圧降下を1(V)とし、5個直列に接続した場合
は、 4(A)×1(V)×5=20(w) の損失となる。また機械式スイッチ接点28の損失は、
接触抵抗値を1m(Ω)とすると、 300(A)×300(A)×0.001=90(w) の損失になる。したがって、損失合計は、 320+20+90=430(w) の損失になり、従来技術の1500(w)に比べて3分
に1以下になることがわかる。
【0018】図5は図4の装置における2次整流回路2
5と補助整流回路31および直流高電圧発生回路26の
各出力電圧・電流特性の例を図示したものである。2次
整流回路25の出力は溶接に適した電流電圧を供給する
ため低電圧大電流特性をもち、無負荷電圧は50(V)
程度である。直流高電圧発生回路26の出力は電極6と
被加工物7との間のエアギャップの絶縁を破壊して火花
放電を行うための直流高電圧微小電流特性を持ち、その
無負荷電圧は4(kV)程度が望ましい。補助整流回路
31の出力は火花放電から小アーク放電を行うための中
電圧小電流特性をもち、その無負荷電圧を2次整流回路
25の無負荷電圧より高くしておくことにより、火花放
電から小アーク放電への移行をスムーズに行いアークス
タート性能をより良好にすることができる。
【0019】図6は本発明の別の実施形態を示す接続図
である。同図において35は補助整流回路31の出力回
路に直列に接続されたスイッチ接点であり、アークスタ
ートして機械式スイッチ接点28が閉路となり定常アー
ク放電へ移行した後に開路し、直流補助電源の出力電流
を絶ち、電流制限用抵抗器33と逆阻止ダイオード34
に電流を流さないようにして、両者の電力損失を無く
し、装置の効率をさらに改善したものである。同図のそ
の他の部分は図4に示した装置と同機能のものに同符号
を付して詳細な説明は省略する。図6の装置において
は、直流補助電源の電流はアークスタート時の極く短時
間の間しか流れないので、これらの損失は無視でき、機
械式スイッチ接点28の接触抵抗によって発生する電力
損失90(w)だけとなり、図3に示した装置と同様に
発生する電力損失は図1の従来装置に比べて16分の1
になる。
【0020】図7は本発明のさらに別の実施形態を示す
接続図である。同図においては図3に示した装置とは直
流高電圧発生回路26の印加箇所が異なるのみであり、
その他は全く図3に示した装置と同様であるので同機能
のものに同符号を付して詳細な説明は省略する。同図の
装置において発生する電力損失は、図4の装置と同様に
430(w)である。
【0021】図8は本発明のさらにまた別の実施形態を
示す接続図である。同図においては図7に示した装置に
対して図6に示した装置のようにスイッチ接点35を設
けたものであり、その他は図7の装置と同様であるので
同機能のものに同符号を付して詳細な説明は省略する。
ここでスイッチ接点35は、アークスタートして機械式
スイッチ接点28が閉路となり定常アークへ移行した後
に、開路とし、直流補助電源の出力電流を絶ち、電流制
限用抵抗器33と逆阻止ダイオード34に対する電流を
遮断して、電力損失を無くし、装置の効率を上げるもの
である。それ故、同図の装置において発生する損失を前
述の例と同様に仮定して算出すると、図6の装置と同様
に90(w)となる。
【0022】前記いずれの装置においても、電源装置の
主回路はインバータ制御式を用いて説明したが、本発明
の実施に当たっては電源装置の主回路の方式はインバー
タ制御式に限られるものではない。すなわちトランスの
2次側でのサイリスタ制御、直流のチョッパ制御等であ
ってもよい。さらにその出力形態は先に説明した直流以
外に周期的に脈動する成分を含むものやパルス波形を含
むものでも良いのはもちろんである。
【0023】また、2次整流回路と機械的スイッチ接点
側との間に溶接出力電流の極性を切替えるスイッチ手段
を設けて交流を出力するものであってもよい。
【0024】さらに、上記に示した各実施形態において
は、本発明をアーク溶接に適用する場合についてのみ説
明したが、本発明はアーク放電を利用して加工を行うも
のであれば何にでも適用出来るものであり、例えば溶接
以外にアーク切断、アーク溶射、アーク加熱、アーク溶
融などに適用出来る。
【0025】また、パイロットアークを用いないプラズ
マアーク溶接やプラズマアーク切断にも適用出来る。
【0026】
【発明の効果】本発明の装置は、直流高電圧を用いてア
ークスタートを行う方式のアーク加工装置において、ア
ーク加工用の大電流を機械式接点に流して直流高電圧阻
止用のダイオードに流さないようにしたものであるの
で、直流高電圧によるアークスタート方式の電磁輻射ノ
イズの低減とともに、装置全体の電力損失を大幅に低減
することができ、電力効率の大幅な改善ができるのみで
なく、これによって装置を小形、軽量、安価にすること
ができるものである。
【0027】また、本発明の第2の発明においては、直
流補助電源を設けて、直流高電圧による火花放電から直
流補助電源による小電流アークを経て主アークへ移行さ
せるようにしたので、この直流補助電源の無負荷電圧を
直流主電源の無負荷電圧より高くしておくことにより、
火花放電から主アーク放電への移行をスムーズに行うこ
とができるので、アークスタート性をさらに改善するが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のアーク加工用電源装置の例を示す接続図
である。
【図2】図1の従来装置の出力特性を示す線図である。
【図3】本発明をアーク溶接に適用したときの施形態を
示す接続図である。
【図4】本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施
形態を示す接続図である。
【図5】図4の装置の出力電流・電圧特性を示す線図で
ある。
【図6】本発明をアーク溶接に適用したときの別の実施
形態を示す接続図である。
【図7】本発明をアーク溶接に適用したときのさらに別
の実施形態を示す接続図である。
【図8】本発明をアーク溶接に適用したときのさらに別
の実施形態を示す接続図である。
【符号の説明】
1、2、3 一次入力端子 4 電源装置 5 電極側ケーブル 6 電極 7 被加工物 8 被加工物側ケーブル 9 アーク起動用スイッチ 10 出力設定器 20 電源装置 21 1次整流回路 22 平滑用回路 23 インバータ回路 24 変圧器 24a 主出力用2次巻線 24b 補助巻線 25 2次整流回路 26 直流高電圧電源 27 逆阻止ダイオード 28 機械式スイッチ接点 29 制御回路 30 電流検出器 31 補助整流回路 32 電流検出器 33 抵抗器 34 逆阻止ダイオード 35 スイッチ接点 41 第1の直流電源装置 42 第2の直流電源装置 43 電流検出器 44 逆阻止ダイオード 45 スイッチ接点 46 制御回路 Tm1 電極側出力端子 Tm2 被加工物側出力端子

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極と被加工物とを接触させずにアークス
    タートさせるアーク加工用電源装置において、アーク加
    工用電流を出力端子間に供給する低電圧大電流出力特性
    の直流主電源と、前記電極と被加工物との間の絶縁を破
    壊して火花放電を行うための高電圧微小電流を前記出力
    端子間に供給する直流高電圧発生回路と、前記直流主電
    源と前記出力端子との間に直列接続されて前記直流高電
    圧発生回路の出力が前記直流主電源に逆方向に印加され
    ることを防止するための逆阻止ダイオードと、アーク起
    動後に前記ダイオードの両端を短絡する機械式スイッチ
    接点と、アーク起動指令により前記直流高電圧発生回路
    と前記直流主電源とを起動しアーク起動を検出したとき
    に前記直流高電圧発生回路の出力を遮断するとともに前
    記直流高電圧発生回路の出力遮断の後に前記機械式スイ
    ッチ接点の閉路を指令する制御回路とを具備したアーク
    加工用電源装置
  2. 【請求項2】電極と被加工物とを接触させずにアークス
    タートさせるアーク加工用電源装置において、アーク加
    工用電流を出力端子間に供給する低電圧大電流出力特性
    の直流主電源と、前記電極と被加工物との間の絶縁を破
    壊して火花放電を行うための高電圧微小電流を前記出力
    端子間に供給する直流高電圧発生回路と、アーク放電維
    持に必要な小電流を前記出力端子間に供給する直流補助
    電源と、前記直流主電源と前記出力端子との間に直列接
    続したアーク起動後に閉じる機械式スイッチ接点と、前
    記直流補助電源と前記出力端子との間に直列接続されて
    前記直流高電圧発生回路の出力が前記直流補助電源に逆
    方向に印加されるのを防止するための逆阻止ダイオード
    と、アーク起動指令により前記直流高電圧発生回路と前
    記直流補助電源と前記直流主電源とを起動し前記直流補
    助電源の出力電流を検出したときに前記直流高電圧発生
    回路の出力を遮断するとともに前記直流高電圧発生回路
    の出力遮断の後に前記機械式スイッチ接点の閉路を指令
    する制御回路とを具備したアーク加工用電源装置。
  3. 【請求項3】前記直流補助電源の出力は前記直流主電源
    の出力電流の発生を検出したときに遮断するスイッチ接
    点を設けた請求項2に記載のアーク加工用電源装置。
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