JP3607169B2 - 画像形成装置の定着装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、レーザープリンタ等の画像形成装置の定着装置に関し、特に、ヒータランプに供給される電力を制御して周辺機器に高周波/フリッカノイズを発生させることのない画像形成装置の定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機やレーザープリンタ等の画像形成装置には、転写材にトナー像を定着させる定着装置が備えられている。この定着装置は、ヒータランプにより加熱される定着ローラと転写材を定着ローラに加圧する加圧ローラからなる。サーミスタで定着ローラの表面温度を検出し、表面温度が適正な温度に保たれるように、ヒータランプに供給される電流を制御する。
【0003】
このような従来の定着装置にあっては、電源投入時にヒータランプに過大な突入電流が流れ、電源電圧の急激な電圧降下をもたらし、周辺機器にフリッカを生じさせる問題があった。
そこで、これを防止する定着装置が特開平10−63124号公報に開示されている。すなわち、この定着装置は、電源投入時には供給電源−ヒータランプ間の抵抗値を最大にし、その後、ヒータランプに流れる電流量の変化に対応させて、抵抗値を段階的に変化させる。したがって、電源投入時にヒータランプ(ヒータランプ)に過大な突入電流が流れるのを防止し、フリッカ発生による周辺機器への影響をなくし、ヒータランプに安定的に電流供給を行えるようにすることができる。
【0004】
また、特開平9−106215には他の定着装置が開示されている。この定着装置は、OFF−ON時に、商用電源の位相角0°〜180°間において、突入電流がある程度抑制できるまで、導通角を順次180°付近から段階的に減少させるように制御する。また、ON−OFF時には、導通角を順次0°付近から同様に段階的に増加させるような制御している。こうして、電源投入(ON)及び遮断(OFF)時にヒータランプに過大な突入電流が流れ、フリッカノイズが周辺機器に与える影響をなくすことができる。
以後、導通角を順次減少させる位相制御のことを‘ソフトスタート制御’、導通角を順次増加させる制御のことを‘ソフトストップ制御’と表現する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平10−63124号公報に開示されている定着装置は、供給電源−ヒータランプ間に設けている抵抗と、抵抗をバイパスさせるトライアックが多く、コストアップとなり、かつそれらを配設するスペースも必要となる。
【0006】
また、特開平9−106215号公報に開示されている定着装置は、OFF−ON時のソフトスタート制御時間を長くする(制御設定回数を長くする)ほどフリッカノイズは抑制されるが、反比例的に高調波ノイズが増大してしまう。一方、ソフトスタート制御を短くするほど高調波ノイズは抑制されが、反比例的にフリッカノイズが増大してしまう。フリッカ/高調波ノイズのどちらの規制にも適合するソフトスタート制御設定を見出せば良いが、ヒータランプの定格を上げていく(例えば1KW以上)と、どちらの規制にも適合となる設定が容易に見出せなくなる問題がある。すなわち、ソフトスタート制御だけでは、どちらの規制にも適合となるのは困難である。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑み、ヒータランプ等の発熱部に供給される電力を制御して周辺機器に高周波/フリッカノイズを発生させることのない画像形成装置の定着装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像形成装置の定着装置は、負性抵抗特性を有する発熱部と、被定着体に伝熱し定着させる定着部と、前記定着部の温度を検知する検知部と、前記発熱部へ電力を供給する電源と、前記発熱部への電力をON/OFFする切替部と、前記切替部のON/OFFを位相制御する制御部とを有し、
前記制御部は、第1の電力量を前記発熱部へ供給するように制御する第1の制御手段と、第1の電力量より小さい第2の電力量を前記発熱部へ供給するように制御する第2の制御手段とを有し、
前記検知部の検知温度が所定温度を超えるまでは、前記第1の制御手段により前記発熱部への電力供給を制御し、所定温度を超えた場合、第2の制御手段により前記発熱部への電力供給を制御して前記定着部の温度を一定に保持することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る画像形成装置の定着装置は、前記制御部が、前記検知部の検知結果により前記切替部を制御する際、位相角0°〜180°/180°〜360°間において導通角を最大角付近から順次段階的に減少させるように制御する第3の制御手段を更に備え、
第2の制御手段から第1の制御手段に切り換える場合、第3の制御手段による制御を行ってから第1の制御手段による制御を行うことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る画像形成装置の定着装置は、前記制御部が、第2の制御手段から第3の制御手段へ切り換える場合に、所定時間だけ発熱部へのエネルギーを完全遮断する第4の制御手段を更に有していることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る画像形成装置の定着装置は、前記発熱部が複数個の発熱手段からなり、
前記制御部は、ある一つの発熱手段が第2の制御手段による制御を行っている期間に、別の発熱手段が第3の制御手段へ移行する直前には、一旦第2の制御手段による制御をストップさせ、その別の発熱手段の第3の制御手段による制御が終了するまで、電力供給を行わないことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0013】
<第1実施形態>
図1は、本発明に係る画像形成装置の定着装置の第1実施形態を示すブロック図である。この定着装置1は、負性抵抗を有する発熱部であるヒータランプ2と、被定着体(用紙)に伝熱しトナー画像を定着させる定着部である定着ローラ3と、定着ローラ3又はその近傍の複数箇所の温度を検知する検知部であるサーミスタ4と、ヒータランプ2へ供給する電力を供給(ON)/遮断(OFF)する切替部であるトライアック5と、トライアック5のON/OFFを位相制御する制御部6と、商用電源7と、商用電源7のゼロクロスを検出してゼロクロス信号を生成するゼロクロス信号生成部8と、ゼロクロス信号生成部8と一体又は別体の制御部6へ電流を供給する直流電源9とを有している。
【0014】
制御部6は、次の3つの制御手段を有しており、これらを組み合わせて位相制御を行っている。
第1の制御手段6aは、第1の電力量を発熱部2へ供給するようにトライアック5を位相制御する。第2の制御手段6bは、第1の電力量より小さい第2の電力量を発熱部2へ供給するようにトライアックを位相制御する。第3の制御手段6cは、商用電源の位相角0°〜180°/180°〜360°間において導通角を最大角付近から順次段階的に減少させるようにトライアック5を位相制御する。
【0015】
定着ローラ3又はその近傍の複数箇所の温度を検知した結果から定着部分の温度を判定する方法は、例えばその検知部であるサーミスタ4の抵抗値を検知することである。すなわち、温度判定方法は、サーミスタ4に定電流を印加して、その両端の電圧を読み取ったり、直列又は並列に別の抵抗をサーミスタ4に接続した一体物に定電圧を印加して、サーミスタ4の両端のみ又はその一体物の両端の電圧を読み取ったりして、例えばその電圧をAD変換し、そのデータとメモリーに格納されたデータとを比較する等の演算をして判定するものが考えられる。
【0016】
制御部6は、トライアック4のON/OFFを次のように位相制御する。制御部6は、ゼロクロス信号生成部8からのゼロクロス信号を基に制御を行う。例えば、制御部6は、ある導通角の制御の場合、ゼロクロス信号をトリガとし、例えば、8msカウントした後、トライアック5をONさせる信号を出力する。次のゼロクロス信号が出力された後もON信号出力を継続すると次回のサイクルは全点灯してしまうので、次のゼロクロス信号出力前にトライアックON信号は非出力とする。但し、ゼロクロス信号と実際の商用電源7のゼロクロスポイントがズレている場合は、そのズレ分を考慮する必要がある。
【0017】
次に、この定着装置のヒータランプ2への通電制御動作について詳しく説明する。
図2は、制御部6によるヒータランプ2の通電制御動作を示すフローチャートである。図3は、トライアック制御信号とヒータランプへの入力電圧/入力電流の関係を示すタイミングチャートであり、図4は、サーミスタの検知結果と高調波ノイズレベルの関係を示すタイミングチャートである。
【0018】
まず、制御部6の制御処理における全体の流れを説明する。
図2に示すように、ヒータランプへの通電制御動作に入ると、「N←1」とする(S1)。制御部6がサーミスタ4の検出結果により、その温度を演算の上、第1の所定温度以上かを判定する(S2)。第1の所定温度に到達するまで、第3の制御手段6cと第1の制御手段6aを組み合わせてヒータランプ2に通電し(S3)、S2に戻る。定着ローラ3の温度を上昇させ第1の所定温度以上になると(S2)、定着ローラ3の温度を下げるため、S4へ進み、「M←1」とする(S4)。そして、第2の制御手段6bでヒータランプ2に第2の電力量により通電する(S5)。制御部6のサーミスタ4の検出結果による温度演算(S6)結果から第2の所定温度以上になると、S5に戻り、第2の所定温度未満になると、再びS1に戻り、定着ローラ3の温度を上昇させる。こうして、定着ローラ3は定着に適する温度に保持されるように制御される。
【0019】
次に、S3の処理について詳しく説明する。
一連の制御スタートの場合又は第2の所定温度以上かの判定(S6)でNO判定の場合は、S1において、「N=1」なので、「N≦5?」判定(S31)ではYESとなり、S32に進む。これで、第3の制御手段6cによる通電制御が開始される。制御部6の第3の制御手段6cは、ゼロクロス信号生成部8から常時出力されているゼロクロス信号を検知し、第1の導通角144°(ゼロクロスポイントより8ms)でヒータランプ2に通電を行う(S32)。ここではこの第1の導通角の通電期間を4サイクルと予め設定しており、設定通電期間経過の判定(S33)で、設定サイクルを経過していなければ、S2へ戻る。そして、再度温度判定し、NO判定なら「N=1」のままなので(S31)、再度第1の導通角で通電(S32)を行うことになる。こうして、4サイクル経過するまでS2〜S33を繰り返し、4サイクル経過すると、S33判定でYES(4サイクル終了)となるので、「N←N+1」として(S34)、N=2として、S2に戻す。
【0020】
次に、S2へ戻り、第1の所定温度に達していなければ、S31ではまだ「N=2」でYES判定なので、S32へ移行し、第2の導通角126°(ゼロクロスポイントより7ms)でヒータランプ2に通電を行う。第2の導通角の所定サイクルは8サイクルと予め設定されている。S2でNOと判定される限り、所定サイクル(8サイクル)終了までS3(S31〜S33)の処理を行う。これより、順次導通角を減少させ、最終的に(第5の導通角による通電期間経過後)S31にて「N>5」となっているので、第1の所定温度到達まで、S2でNOと判定される限り、第1の制御手段6aにおいて、全位相で通電(全点灯)する(S35)。
【0021】
なお、第Nの導通角の通電サイクルカウントは、S2でYESと判定された時点でリセットされ、次回の第1の制御手段6aによる制御開始時には、「N=1」かつ1カウントから行う。
また、今回の説明では1カウント毎に温度判定を行っているが、演算の簡素化から所定時間(カウント)毎に温度判定を行ったり、同一の導通角にて通電している間は温度判定を行わなかったり、また、所定温度に達すると割り込みが入って次の処理に移行するという制御にしても問題はない。
【0022】
また、本実施形態においては、各導通角におけるゼロクロスポイントからサイリスタ5のONまでの時間とサイクルカウント数を以下に示すように、予め設定しておく。
第1の導通角:ゼロクロスポイントより8ms:4カウント
第2の導通角:ゼロクロスポイントより7ms:8カウント
第3の導通角:ゼロクロスポイントより6ms:16カウント
第4の導通角:ゼロクロスポイントより5ms:24カウント
第5の導通角:ゼロクロスポイントより4ms:6カウント
なお、ヒータランプ2の定格は1.3KWとする。この場合のヒータランプの入力電圧/電流とトライアック5への制御信号は、図3に示すようになる。ここで、図3に示すD値は、フリッカノイズのレベルを示す。
【0023】
本実施形態においては、上記のように設定したが、これに限る訳ではなく、ヒータランプ2の定格や入力電圧等により、導通角やカウント数,N数等を他の値に設定しても問題はない。
【0024】
次に、S5のステップについて説明する。
まず「M?」の判定(S51)により「M=1」ならば、ゼロクロス信号生成手段8から常時出力されているゼロクロス信号を検知し、所定の導通角162°(ゼロクロスポイントより9msでトライアック5をONするように設定されている)でヒータランプ2に通電を1サイクル行い(S52)、「M←M+1」とする(S53)。
「M=2〜5」ならば、そのまま「M←M+1」とする(S53)。
「M=6」ならば、「M←1」とする(S54)。
【0025】
制御部6は、サーミスタ4の検出結果により温度演算を行って第2の所定温度以上か否かの判断を行い(S6)、第2の所定温度以上であれば、S5を繰り返し、第2の所定温度未満になれば、S1に戻る。つまり第2の所定温度未満になるまで、この所定の導通角の通電を6サイクル中1サイクルのみ行って、あとの5サイクルは通電を行わないようにする。
なお、上記説明では1カウント毎に温度判定を行っているが、演算の簡素化から所定時間(カウント)毎に温度判定を行ったり、また所定温度に達すると割り込みが入って次の処理に移行するという制御にしても問題はない。
【0026】
また、第2の制御手段6bにおいて、導通角162°による通電を常時行ったり、導通角を162°より大きくすると、ヒータランプ2の内部抵抗の低下をより抑制することができる。
ここで、高調波ノイズレベルは、図4に示すように、A,B,C値であり、A値は、第2の制御手段6bによる制御中に生ずるノイズレベルであり、Cは、第3の制御手段6cによる制御中に生ずるノイズレベルである。したがって、第2の制御手段6bによる制御時の高調波ノイズは大きくなるということは、A値が大きくなることである。本実施形態では、導通角162°かつ6サイクル中1サイクル通電をすることで、高周波ノイズを抑えている。
ただし、ヒータランプ2の定格や入力電圧等で図4に示すように、
A値+B値(ソフトスタート制御時に発生)=C値
のC値がノイズの規制値内であるなら導通角やカウント数等は変化しても問題はない。
【0027】
また、第1の所定温度と第2の所定温度は同一であっても、第1の所定温度が高く設定されていても問題はない。ただし、定着ローラ3への伝熱時間遅延、またノイズ等による温度検知誤差等を考慮して決定した方が良い。
【0028】
第2の制御手段6bによる制御において、定着部である定着ローラ3の温度が下降中であっても、第2の制御手段6bで第1の制御手段6aより小さい微少な電力量にて発熱手段(ヒータランプ2)を発熱させることで、電力完全遮断時よりもヒータランプ2自身は温度が高く内部抵抗も高く保たれる。このため、第2の制御手段6bから第1の制御手段6aの移行直後に発生するインパルス性の供給電力の増加(突入電流)は、電力完全遮断から第1の制御手段6aへの移行直後のものよりも抑制される。
【0029】
また、第3の制御手段6cによる制御(ソフトスタート制御)を第2の制御手段6bから第1の制御手段6aへ移行する間に行うことで、ソフトスタート制御を行わない場合と比べ、さらに突入電流は抑制される。その突入電流抑制によって、同一電源から供給させている他の機器への供給電力(電圧)がインパルス的に低下することによる弊害(フリッカノイズ)も抑制することができ、フリッカ規制の対策が容易に行える。
【0030】
さて、フリッカ対策だけを見れば、ソフトスタート制御時間を長くする(制御設定回数を長くする)ほどフリッカノイズは抑制されるので第2の制御手段6bによる通電は必要ないが、反比例的に高調波ノイズが増大してしまうという問題がある。逆にソフトスタート制御を短くするほど高調波ノイズは抑制されるが、反比例的にフリッカノイズが増大してしまう。フリッカ/高調波ノイズのどちらの規制にも適合するソフトスタート制御設定回数を見出せば良いが、ヒータランプ2の定格を上げていく(例えば1KW以上)と第3/第1の制御手段6c,6bによる通電だけでは、どちらの規制にも適合となる設定回数が容易に見出せなくなる。
【0031】
そもそも、ソフトスタート制御とは(特開平9−106215参照)、ヒータランプ2に通電する電流が完全遮断から全点灯供給へ移行する時(ヒータランプ2の内部抵抗が小さいため)に突入電流が発生し、この突入電流によって発生するフリッカノイズを抑制するために設けた制御である。導通角が180°付近からの通電では、ヒータランプ2に印加される電圧波頭値が小さいので、突入電流も小さくてすみ、ヒータランプ2の内部抵抗が大きくなった段階で、導通角を小さく(印加電圧波頭値を大きく)して、最終的には全点灯させている。
【0032】
つまり、ヒータランプ2の内部抵抗がある程度大きくなるまで次のステップ(導通角変更)は不可能だし、内部抵抗が小さいほど導通角変更の段階も細分化する必要性が増す。したがって、ヒータランプ2の定格が大きいほど、ソフトスタート制御の制御時間(設定回数)は長くなる。一方、ソフトスタート制御中には、導通角を変化させながらヒータランプ2に通電していることから、高調波ノイズは頻繁に発生している。できる限りこの制御時間を短くしないと高調波ノイズの規制値を超えてしまうことになる。そのため、ソフトスタート制御時間を短くしながらヒータランプ2の突入電流も抑えないといけない。
【0033】
具体的な例をあげて次に説明する。
ヒータランプ2の定格が1KWで、第2の制御手段6bによる制御を行わず、電力完全速断してソフトスタート制御(第3の制御手段6c)後、全点灯(第1の制御手段)のみを行うとする。このソフトスタート制御設定を▲1▼として、以下のようにしたとする。
第1の導通角:ゼロクロスポイントより8ms:4カウント
第2の導通角:ゼロクロスポイントより7ms:10カウント
第3の導通角:ゼロクロスポイントより6ms:20カウント
第4の導通角:ゼロクロスポイントより5ms:30カウント
第5の導通角:ゼロクロスポイントより4ms:6カウント
【0034】
この場合、高調波ノイズは規制値内に抑えられるが、フリッカノイズは規制値を超えてしまうので、ソフトスタート設定回数を増やす必要がある。これを図3及び図4を用いて説明する。
ソフトスタート制御設定▲1▼の高調波ノイズは、A値≒0(第2の制御手段による制御をしていないので)、B値≒C値となる。そこで、C規制値を上限として設定すると、C値はそれより小さくしなければならない。そのため、C値<C規制値として制御すると、フリッカノイズD値の中には、D規制値(D値の上限値)を超えるものが出てきてしまう。
【0035】
よって、次にソフトスタート制御設定を▲2▼として、以下のようにしたとする。
第1の導通角:ゼロクロスポイントより8ms:6カウント
第2の導通角:ゼロクロスポイントより7ms:14カウント
第3の導通角:ゼロクロスポイントより6ms:25カウント
第4の導通角:ゼロクロスポイントより5ms:35カウント
第5の導通角:ゼロクロスポイントより4ms:10カウント
【0036】
この場合、フリッカノイズはD規制値内に抑えられるようになるが、高調波ノイズはC規制値を超えてしまう。すなわち、図3において、D値<D規制値でフリッカ規制を適合させると、図4においてA値≒0、B値≒C値となり、C値がC規制値を超えるものが出てきて高調波ノイズの規制ができない。
【0037】
そこで、また、ソフトスタート制御設定を▲3▼として、以下のように設定する。
第1の導通角:ゼロクロスポイントより8ms:4カウント
第2の導通角:ゼロクロスポイントより7ms:12カウント
第3の導通角:ゼロクロスポイントより6ms:24カウント
第4の導通角:ゼロクロスポイントより5ms:34カウント
第5の導通角:ゼロクロスポイントより4ms:8カウント
【0038】
この場合、フリッカ/高調波ノイズ共に規制値を超えてしまう。すなわち、図4における、A値≒0、B値≒C値となり、C値にC規制値を超えるものが出てきてしまい、高調波ノイズの規制はできない。また、図3において、D値にD規制値を超えるものが出てきてしまう。したがって、導通角設定の細分化(ここでは1ms刻みで設定しているが、例えば0.5ms刻みで設定)が必要である。
【0039】
たとえ導通角設定の細分化を行っても、フリッカ/高調波ノイズ共に規制値内に抑えられる設定が見出せる保証はないし、ヒータランプ2の定格が1KWを超える場合なら、その設定は存在しない恐れもある。例えばヒータランプ2と商用電源7との間に微少なL値のリアクトルを挿入する対策をしないといけなくなる恐れがある。
【0040】
それはヒータランプ2の定格が大きくなるほど同一温度での内部抵抗が小さくなることによって、ソフトスタート制御時の突入電流が大きくなり、フリッカノイズが大きくなってしまうことが原因である。それを解決するためには、ソフトスター卜制御開始前にヒータランプ2の内部抵抗を少しでも上昇させておく。つまり、電力完全遮断の代わりに、第2の制御手段6bにて電力供給を制御しておくことが必要となるのである。そうすることにより、ソフトスタート制御時間を短くしても、フリッカノイズを抑えながら、高調波ノイズも抑えることができる。
【0041】
また第2の制御手段6bにて制御することで、ヒータランプ2は冷めにくく、また定着ローラ3も冷めにくくなるので、電力完全遮断の場合と第2の制御手段6bによる制御の場合に比較し、一定時間内の制御移行回数は減少する。また、ソフトスタート(第3の制御手段)制御時に多く発生する高調波/フリッカノイズも緩和(発生頻度減少)することができる。
【0042】
最後に、第2の制御手段6bによる制御にて通電している状態で、定着ローラ3の温度(サーミスタ4の検出結果による温度)が低下していても、ヒータランプ2の内部抵抗は殆どまたは全く低下しない乃至はなおも上昇している場合がある。具体的には、ヒータランプ2自体の温度は、殆どまたは全く低下しない乃至はなおも上昇していても、ヒータランプ2の熱量が定着ローラ3の温度を維持できないほど、放熱している熱量の方が大きい場合がある。この場合には、ソフトスタート制御(第3の制御手段6c)を行わず、第1/第2の制御手段6a,6bによる制御のみの通電でも、高調波/フリッカノイズは規制値内に抑えられる場合がある。
【0043】
<第2実施形態>
図5は、本発明に係る画像形成装置の定着装置の第2実施形態を示すブロック図である。この定着装置10は、図1の定着装置とほぼ同じ構成であるが、異なるのは、制御部6に第2の制御手段6bから第3の制御手段6cへ切り換える場合に、所定時間だけ発熱部への電力供給を完全遮断する第4の制御手段6dを備えた点である。
【0044】
次に、この定着装置10のヒータランプ2への通電動作について説明する。
図6は、ヒータランプ2の通電制御動作を示すフローチャートである。図7は、トライアック制御信号とヒータランプへの入力電圧/入力電流の関係を示すタイミングチャートであり、図8は、サーミスタの検知結果と高調波ノイズレベルの関係を示すタイミングチャートである。
【0045】
図6では、図2とほぼ同様の処理を行うので、同じ部分には同じ符号を付す。導通角、ゼロクロスポイントからトライアック5をONさせるまでの時間、サイクルカウント数において異なる部分があるが、詳しくは後述する。
図6において、S1からS6までの処理は第1実施形態と同じである。異なる点は、S7であり、温度演算(S6)の結果から第2の所定温度以下になると、所定時間として設定している1.5s経過した(S7)後、再びS1に戻る。
【0046】
ここで、S3において、第2実施形態における第3の制御手段6cの制御処理(S32)は、図7に示す条件で行う。すなわち、各導通角におけるゼロクロスポイントからのずれ時間とカウント数を以下に示すように、予め設定しておく。
第1の導通角:ゼロクロスポイントより8ms:4カウント
第2の導通角:ゼロクロスポイントより7ms:8カウント
第3の導通角:ゼロクロスポイントより6ms:16カウント
第4の導通角:ゼロクロスポイントより5ms:24カウント
第5の導通角:ゼロクロスポイントより4ms:6カウント
なお、ヒータランプ2の定格は1.3KWとする。この場合のヒータランプの入力電圧/電流とトラフィック5への制御信号は、図7に示すようになる。
【0047】
本実施形態においては、上記のように設定したが、これに限る訳ではなく、ヒータランプ2の定格や入力電圧等により、導通角やカウント数、N数等を他の値に設定しても問題はない。
【0048】
また、第2実施形態のS5における第2の制御手段6bにおいては、導通角153°による通電を行う(S52)。本実施形態では、導通角153°かつ6サイクル中1サイクル通電をして第1実施形態と同様に高周波ノイズを抑制している。ただし、ヒータランプ2の定格や入力電圧等で図8に示すように、
A値+B値(ソフトスタート制御時に発生)−E値(第4の制御手段6dによる制御により高調波ノイズが1.5s間に低減したレベル値)=C値
が規制値内であるなら導通角やカウント数,加えて第4の制御手段6dの時間(所定時間経過分の時間)等は変化しても問題はない。
【0049】
また、第1実施形態と同様に、第1の所定温度と第2の所定温度は同一であっても、第1の所定温度が高く設定されていても問題はない。ただし、定着ローラ8への伝熱時間遅延、またノイズ等による温度検知誤差等を考慮して決定した方が良い。
【0050】
第2の制御手段6bによる制御における効果は、第1実施形態で述べたとおりであるが、さらに第4の制御手段6dによる制御(所定時間だけヒータランプ2への微少な通電を止める)を第2の制御手段6bから第3の制御手段6c(ソフトスタート制御)へ移行する間に行うことで、第4の制御手段6dによる制御を行わない(ヒータランプ2への微少な通電を止めない)場合と比べより高調波レベルは抑制される。
【0051】
従来の電力完全遮断の代わりに、定着ローラ3の温度を上昇させない程度の微少電力を導通角を大きくすることにより増やし、これにより高調波ノイズレベルも大きくなるが、第3の制御手段6cによる制御を開始する前に、第2の制御手段6bによる制御を第4の制御手段6dによりストップさせることで、高調波ノイズは抑制される。その上、ヒータランプ2の内部抵抗低下もより抑制されて、第2の制御手段6bによる制御の導通角を大きくする前よりソフトスタート制御時間を短く設定しても、フリッカノイズを規制値内に抑えることが可能である。ソフトスタート制御時間を短く設定することで、高調波ノイズもより規制値内に抑えることができる。
【0052】
具体的にソフトスタート制御設定と突入電流や高周波ノイズとの関係を説明するが、ソフトスタート制御設定▲1▼〜▲3▼と突入電流や高周波ノイズとの関係は、第1実施形態で説明した通りであるので、詳しい説明は、省略する。
ヒータランプ2の定格が1.3KWで、微少電力による通電(第2の制御手段によって導通角162°の通電を6サイクル中1サイクルのみ行って、あとの5サイクルは通電を行わない(実施例の説明では153°通電を6サイクル中1サイクル))制御を行う。その上、ソフトスタート制御(第3の制御手段)後全点灯(第1の制御手段)を行って、ソフトスタート制御設定▲4▼として以下のようにしたとする。
第1の導通角:ゼロクロスポイントより8ms:4カウント
第2の導通角:ゼロクロスポイントより7ms:10カウント
第3の導通角:ゼロクロスポイントより6ms:20カウント
第4の導通角:ゼロクロスポイントより5ms:30カウント
第5の導通角:ゼロクロスポイントより4ms:6カウント
【0053】
この場合、高調波/フリッカノイズ共に規制値を超えてしまう。すなわち図8において、A値>0、図4のB値+A値=C値であり、C値が規制値を越えてしまう。また、図7において、図3のD値もD規制値を超えるものがあって、フリッカ規制も不十分である。いくら導通角設定の細分化(ここでは1ms刻みで設定しているが、例えば0.2ms刻みで設定)を行っても、フリッカ/高調波ノイズ共に規制値内に抑えられる設定が見出せない可能性は大で、例えばヒータランプ2と商用電源との間に微少なL値のリアクトルを挿入する対策をしないといけなくなったりする。
【0054】
それは、ヒータランプ2の定格が大きくなるほど、同一温度での内部抵抗が小さくなることによって、ソフトスタート制御時の突入電流が大きくなりフリッカノイズが大きくなってしまうことが原因である。それを解決するためには、例えば、ソフトスタート制御開始前に、ヒータランプ2の内部抵抗を少しでもより上昇させておく。つまり第2の制御手段での供給電力の導通角を162°から153°に上げることが必要となるのである。
【0055】
そうすることにより、ソフトスタート制御時間を短くしてもフリッカノイズを抑えながら、高調波ノイズも抑えることができる。当然、第4の制御手段6d(第2の制御手段6bを所定時間行わない)による制御を行うことで実現可能となる。
【0056】
また第2の制御手段6bにて制御することで、ヒータランプ2は冷めにくく、また定着ローラ3も冷めにくくなるので、電力完全遮断の場合と第2の制御手段6bによる制御の場合に比較し、一定時間内の制御方法移行回数は減少する。また、ソフトスタート(第3の制御手段)制御時に多く発生する高調波/フリッカノイズも緩和(発生頻度減少)することができる。
【0057】
<第3実施形態>
図9は、本発明に係る画像形成装置の定着装置の第3実施形態を示すブロック図である。この定着装置20は、図5とほぼ同様の構成を有するが、負性抵抗を有する発熱部であるヒータランプ2a,2bと、被定着体(用紙)に伝熱しトナー画像を定着させる定着部である定着ローラ3a,3bと、定着ローラ3a,3b又はその近傍の複数箇所の温度を検知する検知部であるサーミスタ4a,4bと、ヒータランプ2へ供給する電力を供給(ON)/遮断(OFF)する切替部であるトライアック5a,5bとが2つずつある点が異なる。
【0058】
本発明に係る定着装置、例えば、第1のヒータランプ2aがソフトスタート制御開始時に、既に第2のヒータランプ2bは第1の制御手段6aによる制御中(全点灯中)であれば、その時は第1のヒータランプ2aに対して第4の制御手段6dによる制御を行う必要はなくなる。これを、第3実施形態として以下に詳しく説明する。
【0059】
まず、この定着装置20のヒータランプ2への通電制御動作について説明する。
図10は、制御部6によるヒータランプ2の通電制御動作を示すフローチャートである。図11は、サーミスタの検知結果と高調波ノイズレベルの関係を示すタイミングチャートである。
【0060】
ここで、Pはヒータランプの番号を意味し、P=1は第1のヒータランプ、P=2は第2のヒータランプを意味する。したがって、図10のフローチャートにおけるLPは第Pのヒータランプに関する数値を意味する。
第1のヒータランプ2aの通電動作の場合、まず「L1←0」(S0)、「N←1」とする(S1)。制御部6がサーミスタ4aの検出結果により、その温度を演算の上、第1の所定温度以上かを判定する(S2)。第1の所定温度未満であれば、第1実施形態と同様に、N≦5まではS31〜S34の処理(第3の制御手段6cによる制御処理)を繰り返し行う。N>5となった時点で(S31)、S341において、「L1←0」とした上で、第1の制御手段6aでヒータランプ2に通電する(S35)。第1の所定温度以上になる(S2)と、第2の制御手段6bによる制御処理へ移行し、「M←1」として(S4)、S5の処理を行う。
【0061】
S5の処理後、第2の所定温度以上かを判定し(S6)、P≠1、すなわちP=2として、L2=0かを判定する(S8)。これは、第1ではない第2のヒータランプが第4/第3の制御手段6d,6cによる制御中でないことを確認している。L2=0の場合は、S5に戻り、第2の制御手段6bでヒータランプ2に通電する。L2=0でない場合は、別の(第2の)ヒータランプ2bが第4/第3の制御手段6d,6cにて制御中であり、L2=0になるまで待機する。制御部6のサーミスタ4の検出結果による温度演算(S6)結果から、第2の所定温度以下になると、「L1←1」(S81)とした上で、第4の制御手段6dにより所定時間として設定している1.5sを経過させ(S7)、S1に戻る。
【0062】
次に、S30及びS5の処理については、前記第2実施形態とほぼ同じなので、異なる点を主に説明する。
S2でNOと判定される限り所定サイクル終了までS31〜S33を繰り返す処理は、第1実施形態と同じなので、説明は省略する。
S31〜S33の処理(第3の制御手段6cによる制御)により順次導通角を減少させ、最終的に(第5の導通角による通電期間(6サイクル)経過後)S31にて、「N>5」となっているので、「L1←0」(S341)とした上で、S2でNOと判定される限り、全位相で通電(全点灯)する(第1の制御手段6a:S35)。
【0063】
また、S5においては、第2の制御手段6bにおいて、導通角153°による通電を常時行ったり導通角を153°より大きくすると、ヒータランプ2内部抵抗の低下をより抑制することができる。しかし、第2の制御手段6bによる制御時の高調波ノイズは大きくなるので(図11のA値が大きくなる)、今回の説明では導通角153°かつ6サイクル中1サイクル通電をしている。
ただし、ヒータランプ2の定格や入力電圧等で図11にしめすように、
A値+B値(ソフトスタート制御時に発生)−E値(第4の制御手段による制御により高調波ノイズが1.5s間に低減したレベル値)+F値(別のヒータランプが第2の制御手段6bによる制御をストップさせる時の残留レベル値)=C値
が規制値内であるなら導通角やカウント数、加えて第4の制御手段の時間(所定時間経過分の時間)等は変化しても問題はない。
【0064】
また、第1の所定温度と第2の所定温度は同一であっても、第1の所定温度が高く設定されていても問題はない。ただし、定着ローラ3への伝熱時間遅延、またノイズ等による温度検知誤差等を考慮して決定した方が良い。
【0065】
加えて、S8はS53/S54とS6との問にあっても問題はなく、S8でL2=1からL2=0になるまでの待機直後S6でNO判定になるならS7の待機時間をS8での待機時間を差し引いた時間に短縮しても問題は無い。この方がヒータランプの温度低下を抑制できる。
また、今回の実施例ではヒータランプが2つの場合を説明したが、3つ以上の場合でも同様の制御を行えば良い。
【0066】
第1のヒータランプ2aの通電制御の場合、第2のヒータランプ2bの第2の制御手段6bによる高調波ノイズのオフセットの影響で、単独の場合と比べソフトスタート設定回数を短くしないと高調波規制内にならなくなる。第1のコピーランプ2aのソフトスタート前に第4の制御手段6dで制御するだけでなく、第2のコピーランプ2bも第2の制御手段6bによる制御をストップさせる。このことで、第2のコピーランプ2b側の高調波ノイズは、第1のコピーランプ2aのノイズレベルが最大になる時には、ほとんど0となる。第1のコピーランプ2aの第2/第3の制御手段6b,6cによる制御は単独の場合とほぼ同じでもフリッカ/高調波ノイズは規制値内に抑えることが可能である。
【0067】
また、第2のヒータランプ2aについて、上記以外のタイミングでは第2の制御手段6bによる制御を続けることで内部抵抗の低下が抑えられ、第2のコピーランプ2bも第2/第3の制御手段6b,6cによる制御は単独の場合とほぼ同じでもフリッカ/高調波ノイズは規制値内に抑えることが可能である。当然、第2のヒータランプ2bの第4/第3制御手段6d,6cによる制御は第1のヒータランプ2aは第2の制御手段6bによる通電はストップさせる必要がある。
【0068】
なお、ヒータランプの定格が複数個で同一ではない場合には、定格が大きいもののみ第2の制御手段を行えば良い場合もあり、その場合は定格が大きいもののみに請求項3の制御が当てはまることになる。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、従来までは定着手段の温度調節(温調)において、エネルギー完全遮断時からエネルギー供給へ移行する時に、エネルギー源一発熱手野間の抵抗値を最大から小さく変化させたり、エネルギー供給を段階的に増やしたりしていたが、エネルギー完全遮断を止めて、その代わりに微少にエネルギーを供給することで、負性抵抗により起こる発熱手段への通常のエネルギー供給直後に発生するエネルギーの突入を抑える。
また、従来のように供給電源−ヒータランプ間に設けている抵抗,抵抗をバイパスさせるトライアックによるコストを抑えることができ、かつそれらを配設するスペースの必要がなくなり、省スペースが謀れるようになる。
【0070】
また、本発明によれば、第2の制御手段による制御(発熱手段をできる限り冷めないようにする制御)時に発生する高調波ノイズが、第3の制御手段による制御時にオフセットされてしまうので(第3の制御手段の制御時間を長くするほどフリッカノイズに有利となるのだが)、あまり制御時間を長くできなかったのだが、第2の制御手段の時間を所定時間ストップさせることでオフセット分が減少し、発熱部をできる限り冷めないようにしながら、フリッカ規制値内で第3の制御手段の制御時間を長くすることが可能となり、高調波/フリッカノイズを共に抑制可能となる。
【0071】
また、本発明によれば、所定時間だけヒータランプ2への微少な通電を止める第4の制御手段6dによる制御を第2の制御手段6bから第3の制御手段6c(ソフトスタート制御)へ移行する間に行うことで、第4の制御手段6dによる制御を行わない(ヒータランプ2への微少な通電を止めない)場合と比べより高調波レベルは抑制される。
【0072】
また、本発明によれば、発熱手段を複数設け、制御部は、ある一つの発熱手段が第2の制御手段による制御を行っている期間に、別の発熱手段が第3の制御手段へ移行する直前には、一旦第2の制御手段による制御をストップさせ、その別の発熱手段の第3の制御手段による制御が終了するまで、電力供給を行わない。このことで、別の発熱手段側の高調波ノイズは、一方の発熱手段のノイズレベルが最大になる時には、ほとんど0となる。発熱手段の第2/第3の制御手段による制御は、単独の場合とほぼ同じでも、フリッカ/高調波ノイズは規制値内に抑えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の定着装置の第1実施形態を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態において、制御部によるヒータランプの通電制御動作を示すフローチャートである。
【図3】第1実施形態において、トライアック制御信号とヒータランプへの入力電圧/入力電流の関係を示すタイミングチャートである。
【図4】第1実施形態において、サーミスタの検知結果と高調波ノイズレベルの関係を示すタイミングチャートである。
【図5】本発明に係る画像形成装置の定着装置の第2実施形態を示すブロック図である。
【図6】第2実施形態において、トライアック制御信号とヒータランプへの入力電圧/入力電流の関係を示すタイミングチャートである。
【図7】第2実施形態において、トライアック制御信号とヒータランプへの入力電圧/入力電流の関係を示すタイミングチャートである。
【図8】第2実施形態において、サーミスタの検知結果と高調波ノイズレベルの関係を示すタイミングチャートである。
【図9】本発明に係る画像形成装置の定着装置の第3実施形態を示すブロック図である。
【図10】第3実施形態において、制御部によるヒータランプの通電制御動作を示すフローチャートである。
【図11】第3実施形態において、サーミスタの検知結果と高調波ノイズレベルの関係を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 定着装置
2 ヒータランプ
3 定着ローラ
4 サーミスタ
5 トライアック
6 制御部
6a 第1の制御手段
6b 第2の制御手段
6c 第3の制御手段
6d 第4の制御手段
7 商用電源
8 ゼロクロス信号生成部
9 直流電源手段7
Claims (2)
- 負性抵抗特性を有する発熱部と、
被定着体に伝熱し定着させる定着部と、
前記定着部の温度を検知する検知部と、
前記発熱部へ電力を供給する電源と、
前記発熱部への電力をON/OFFする切替部と、
前記切替部のON/OFFを位相制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、
第1の電力量を前記発熱部へ供給するように制御する第1の制御手段と、
第1の電力量より小さい第2の電力量を前記発熱部へ供給するように制御する第2の制御手段と、
前記検知部の検知結果により前記切替部を制御する際、位相角0°〜180°/180°〜360°間において導通角を最大角付近から順次段階的に減少させるように制御する第3の制御手段と、
第2の制御手段から第3の制御手段へ切り換える場合に、所定時間だけ発熱部へのエネルギーを完全遮断する第4の制御手段と、
を有し、
前記検知部の検知温度が所定温度を超えるまでは、前記第1の制御手段により前記発熱部への電力供給を制御し、所定温度を超えた場合、第2の制御手段により前記発熱部への電力供給を制御して前記定着部の温度を一定に保持し、第2の制御手段から第1の制御手段に切り換える場合に、所定時間だけ発熱部へのエネルギーを完全遮断し、第4の制御手段、第3の制御手段による制御をこの順に行ってから第1の制御手段による制御を行うことを特徴とする画像形成装置の定着装置。 - 前記発熱部は複数個の発熱手段からなり、
前記制御部は、ある一つの発熱手段が第2の制御手段による制御を行っている期間に、別の発熱手段が第3の制御手段へ移行する直前には、一旦第2の制御手段による制御をストップさせ、その別の発熱手段の第3の制御手段による制御が終了するまで、電力供給を行わないことを特徴とする請求項1の定着装置。
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