JP3606686B2 - 耐熱性潤滑油組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性潤滑油組成物に関するものであり、更に詳しくは、ネオペンチルポリオールと脂肪酸とのエステル及びポリフェニルエーテルとからなる耐熱性潤滑油組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、機械装置及び動力装置等の技術進歩による高性能化、高効率化に伴ない、苛酷な使用環境に耐え得る高度の品質を具備した潤滑油が要求されている。例えば、セラミックガスタービン、ターボエンジン等の自動車エンジン、コージェネレーション用エンジン、ジェットエンジン等は高温度で運転されるため、これらのエンジンに用いられる潤滑油は、高度の耐熱・耐酸化性を具有することが不可欠な品質とされている。
【0003】
更に、自動車用セラミックガスタービンにおいては、例えば、軸受部分にセラミックボール/M−50(耐熱鋼)ころに対してM−50(耐熱鋼)の保持器が使用され、また、減速機の歯車の材質としてSNCM−420(ニッケルクロムモリブデン鋼)が使用されているので、金属−金属界面、セラミック−セラミック界面のほかセラミック−金属界面が存在し、それらの界面の潤滑に従来の耐熱性潤滑油を用いる場合はいずれの界面においても摩耗損失が大きいという問題が指摘されている。
【0004】
従って、上記の如き用途に使用される潤滑油は、優れた耐熱・耐酸化性を備えると共に、耐摩耗性をも併せて具備すべきことが要求される。
【0005】
従来、耐熱性潤滑油として、例えば、脂肪酸混合物とヒンダードアルコールとのヒンダードポリオールエステルを潤滑油基油とし、添加剤としてアミン系、フェノール系又は硫黄系酸化防止剤を添加してなる潤滑油組成物が提案されている(例えば、特開平6−158079号公報参照。)。また、高温条件下での使用に供するものとして特開昭50−18860号公報にはペンタエリスリトール又はトリメチロールプロパンとモノカルボン酸とのエステルに、添加剤として腐食防止剤、酸化防止剤等を添加してなる合成潤滑油組成物が開示されている。
【0006】
また、耐熱性潤滑油として、ポリフェニルエーテル、例えば、m−フェノキシフェノキシm−ビフェニル(m,m−4P2E)、ビス(フェノキシフェノキシ)ベンゼン異性体混合物(mix−5P4E)等が市販されている(本明細書においてポリフェニルエーテル化合物名の末尾のかっこ内は化合物名の略称を示す。)。
【0007】
しかしながら、上記のヒンダードポリオールエステル、例えば、ペンタエリスリトールエステルは、脂肪酸部分のアルキル鎖長が短いほど高温条件下における耐熱・耐酸化性に優れているが、耐摩耗性が極端に劣り、耐熱・耐酸化性と耐摩耗性の両者に優れたものは見い出されていない。また、ポリフェニルエーテルも耐熱性潤滑油として優れた耐熱・耐酸化性を有するが、耐摩耗性の発現には難点があり、耐熱性潤滑油としてあらゆる分野において実用化を図るには、いずれもその改善が切望されてきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、ネオペンチルポリオールエステル及びポリフェニルエーテルが各々耐熱・耐酸化性には優れてはいるが、耐摩耗性が極端に劣るため、その改善を図り、耐熱・耐酸化性に優れると共に、耐摩耗性に優れた耐熱性潤滑油組成物を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の如き技術開発状況に鑑み、上記の課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、下記の如き特定のネオペンチルポリオールエステルとポリフェニルエーテルとの混合物がネオペンチルポリオールエステル及びポリフェニルエーテル各々単独では発揮し得ない優れた耐摩耗性を有することを見出した。本発明は、かかる知見に基いて完成したものである。
【0010】
すなわち、本発明は、
(a)炭素数5〜30のネオペンチルポリオールと脂肪酸とのエステルであって、該エステルの脂肪酸部分の炭化水素基の平均炭素数が3〜9のもの及び(b)4環〜6環の芳香環を有するポリフェニルエーテルとからなる耐熱性潤滑油組成物に関するものである。
【0011】
また、本発明によれば、好ましい実施の態様として、
▲1▼(a)ペンタエリスリトールと脂肪酸とのエステルであって、該エステル中の脂肪酸部分の炭化水素基の平均炭素数が3〜9のもの及び(b)4個〜6個の芳香環を有するポリフェニルエーテルとからなる耐熱性潤滑油組成物、
▲2▼(a)ペンタエリスリトールと脂肪酸とのエステルであって、該エステルの脂肪酸部分の炭化水素基の平均炭素数が4〜8であるもの及び(b)4個〜6個の芳香環を有するポリフェニルエーテルとからなる耐熱性潤滑油組成物、
▲3▼(a)ペンタエリスリトールと脂肪酸とのエステルであって、該エステルの脂肪酸部分が直鎖状または分岐状の飽和脂肪酸から誘導されたもの及び(b)4個〜6個の芳香環を有するポリフェニルエーテルとからなる耐熱性潤滑油組成物、
▲4▼(a)ペンタエリスリトールと脂肪酸とのエステル及び(b)m−フェノキシフェノキシm−ビフェニル(m,m−4P2E)、m−(m−フェノキシフェニル)エーテル(m,m−4P3E)、ビス(フェノキシフェノキシ)ベンゼン異性体混合物(mix−5P4E)及びビス(フェノキシフェノキシフェニル)エーテル異性体混合物(mix−6P5E)からなる群より選択される少なくとも一種のポリフェニルエーテルとからなる耐熱性潤滑油組成物、
▲5▼(a)前記ネオペンチルポリオールと脂肪酸とのエステル 80重量%〜20重量%と(b)前記ポリフェニルエーテル20重量%〜80重量%とからなる耐熱性潤滑油組成物、および、
▲6▼(a)前記ネオペンチルポリオールと脂肪酸とのエステル及び(b)前記ポリフェニルエーテルとの混合物に耐摩耗剤を含有させてなる耐熱性潤滑油組成物を提供することができる。
【0012】
本発明の特異性の一つは、耐熱・耐酸化性の優れた比較的短鎖長の炭化水素基を有するネオペンチルポリオールエステル及び4個〜6個の芳香環を有するポリフェニルエーテルは、いずれも各々単独では耐摩耗性が劣悪であるにも拘らず、これら両者を混合することにより耐摩耗性を改善できる点にあり、優れた耐摩耗性を有する耐熱性潤滑油組成物を提供できる点にある。
【0013】
また、ネオペンチルポリオールエステル又はポリフェニルエーテルの各々に耐摩耗剤を含有させても耐摩耗性を改善できないばかりか悪化させるのに対し、ネオペンチルポリオールエステルとポリフェニルエーテルの混合物に耐摩耗剤を含有させることにより耐摩耗性を著しく改善した耐熱性潤滑油組成物を提供できることも本発明の大きな特徴である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0015】
ネオペンチルポリオールエステル
本発明の耐熱性潤滑油組成物の成分の一つとして用いられるネオペンチルポリオールエステルは、ネオペンチルポリオールと脂肪酸とのエステルである。本発明において、ネオペンチルポリオールとは、分子中に第4級炭素原子を有するネオペンチル基を含有する多価アルコールであり、これには炭素数5〜30のヒンダードポリオールが包含される。ネオペンチルポリオールの具体例を例示すると、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチルプロパン−1、3ジオール、2,2−ジブチルプロパン−1、3ジオール、2−メチル−2ープロピルプロパン−1、3ジオール、2−エチル−2−ブチルプロパン−1、3ジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリトリメチロールプロパン、テトラトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、テトラペンタエリスリトール、ペンタペンタエリスリトール等が挙げられ、その一種又は二種以上が用いられる。本発明によれば、好ましいネオペンチルポリオールは、炭素数5〜10のものであり、特に好ましくは、炭素数5〜6のものである。本発明にとってペンタエリスリトールが特に好適なネオペンチルポリオールとして選択することができる。
【0016】
上記ネオペンチルポリオールエステルの構成成分として好適な脂肪酸は、その炭化水素基の炭素数が3〜9の直鎖状及び分岐状脂肪酸であり、特に、炭化水素基の炭素数4〜8の直鎖状及び分岐状飽和脂肪酸の単独酸または混合酸が潤滑油成分としてのネオペンチルポリオールエステルの物理的、化学的性状を制御し得るものとして好ましい。
【0017】
脂肪酸として、具体的には、例えば、n−ブタン酸、イソブタン酸(2−メチルプロパン酸)、n−ペンタン酸、イソペンタン酸(例えば、2−メチルブタン酸、3−メチルブタン酸、2,2−ジメチルプロパン酸等)、n−ヘキサン酸、イソヘキサン酸(例えば、2−エチルブタン酸、2,2−ジメチルブタン酸、2,3−ジメチルブタン酸等)、n−ヘプタン酸、イソヘプタン酸(例えば、2−エチルペンタン酸、3−エチルペンタン酸、2,2−ジメチルペンタン酸、2−エチル−2−メチルブタン酸、4−エチルペンタン酸)、n−オクタン酸、イソオクタン酸(例えば、2−エチルヘキサン酸、3−エチルヘキサン酸、2,2−ジメチルヘキサン酸、2−メチル−2−エチルペンタン酸等)n−ノナン酸、イソノナン酸、n−デカン酸、イソデカン酸等及びこれらの各種異性体が挙げられ、その一種又は二種以上が用いられる。更に、脂肪酸としては、上記のものに限定されるものではなく、炭素数が3未満、例えば、n−プロパン酸等または炭素数10以上の脂肪酸、例えば、n−ウンデカン酸等であっても、ネオペンチルポリオールエステルの脂肪酸部分の炭化水素基の炭素数が平均3〜9になるように混合して用いることができる。
【0018】
上記のネオペンチルポリオールエステルの製造方法は特に限定されるものではなく、従来から採用されている方法を用いて製造することができる。例えば、(a)ネオペンチルポリオールと脂肪酸を無触媒又は酸性触媒の存在下において脱水縮合することにより直接エステル化する方法、(b)先ず、脂肪酸塩化物を調製し、これとネオペンチルポリオールとを反応させる方法及び(c)低級アルコールと脂肪酸とのエステルとネオペンチルポリオールとのエステル交換反応等により所望のネオペンチルポリオールエステルを得ることができる。
【0019】
本発明の実施に用いられるネオペンチルポリオールエステルは、ネオペンチルポリオールのヒドロキシル基を完全にエステル化して得られたものが好ましいが、水酸基価が0.2mgKOH/g程度のものでも使用することができる。
【0020】
本発明の耐熱性潤滑油組成物の成分としての炭素数5〜30のネオペンチルポリオールと脂肪酸とのエステルは、該エステルの脂肪酸部分の炭化水素基の鎖長が平均炭素数3〜9であり、好ましくは、4〜8である。ネオペンチルポリオールと脂肪酸とのエステルにおいては、ネオペンチルポリオールの種類により、2個以上のエステル結合が存在するが、本発明の潤滑油組成物に用いられるネオペンチルポリオールと脂肪酸とのエステルは、1個のエステル結合が有する脂肪酸部分の炭化水素基の平均炭素数で特定したものである。炭化水素基の平均炭素数が3未満のときは液状のものが得られず、一方、平均炭素数が9を超えると、耐熱・耐酸化性に劣るため、耐熱性潤滑油組成物としての実用的価値を欠くことになる。
【0021】
本発明の耐熱性潤滑油組成物に用いられるネオペンチルポリオールエステルの具体例を例示すると次の如くである(以下、ネオペンチルグリコールをNPG、トリメチロールプロパンをTMP、ペンタエリスリトールをPEと略記する。)。
【0022】
即ち、NPG・ジ(n−ブタノエート)、NPG・ジ(2−メチルプロパノエート)、NPG・ジ(n−ペンタノエート)、NPG・ジ(2−メチルブタノエート)、NPG・ジ(n−ヘキサノエート)、NPG・ジ(2−エチルブタノエート)、NPG・ジ(3−エチルブタノエート)、NPG・ジ(n−ヘプタノエート)、NPG・ジ(2−エチルペンタノエート)、NPG・ジ(n−オクタノエート)、NPG・ジ(2−エチルヘキサノエート)、NPG・ジ[混合(n−ヘプタノエート、n−オクタノエート)]、NPG・ジ[混合(n−ヘプタノエート、n−ノナネート)]、NPG・ジ[混合(n−ヘキサノエート、n−ペンタノエート)]、NPG・ジ[混合(n−ヘキサノエート、n−ブタノエート]、NPG・ジ[混合(n−ブタノエート、n−ヘプタノエート)]、TMP・トリ(n−ブタノエート)、TMP・トリ(2−メチルプロパノエート)、TMP・トリ(n−ペンタノエート)、TMP・トリ(n−ヘキサノエート)、TMP・トリ(n−ヘプタノエート)、TMP・トリ(2−エチルペンタノエート)、TMP・トリ(n−オクタノエート)、TMP・トリ(2−エチルヘキサノエート)、TMP・トリ[混合(n−ブタノエート、n−ヘキサノエート)]、PE・テトラ(n−ブタノエート)、PE・テトラ(2−メチルプロパノエート)、PE・テトラ(n−ペンタノエート)、PE・テトラ(2−メチルブタノエート)、PE・テトラ(2−メチルブタノエート)、PE・テトラ(2,2−ジメチルプロパノエート)、PE・テトラ(n−ヘキサノエート)、PE・テトラ(2−エチルブタノエート)、PE・テトラ(2,2−ジメチルブタノエート)、PE・テトラ(n−ヘプタノエート)、PE・テトラ(2−エチルペンタノエート)、PE・テトラ[混合(n−ペンタノエート、n−イソペンタノエート、n−ヘキサノエート、n−ブタノエート)]、PE・テトラ[混合(n−ペンタノエート、n−イソペンタノエート、n−ヘプタノエート、n−ノナネート)]、PE・テトラ(n−オクタノエート)、PE・テトラ(2−エチルヘキサノエート)、PE・テトラ(n−ノナネート)、PE・テトラ(イソノナネート)、PE・テトラ(n−デカノエート)、PE・テトラ(イソデカノエート)、その他PEと、炭化水素基の炭素数が平均3〜9となるようなn−プロパン酸、n−ウンデカン酸、n−トリデカン酸等を含めた広範囲の直鎖状及び分岐状脂肪酸を含有する混合物とのエステル等を例示することができる。本発明によれば、ネオペンチルポリオールエステルとして、PE・テトラ(n−ペンタノエート)、PE・テトラ(n−ヘキサノエート)、PE・テトラ(n−オクタノエート)等が特に好ましい。
【0023】
ポリフェニルエーテル
次に、本発明の耐熱性潤滑油組成物の構成成分としてのポリフェニルエーテルについて説明する。
【0024】
本発明において潤滑油組成物の成分として用いられるポリフェニルエーテルは、芳香環を酸素原子で結合した構造のものであり、分子内に芳香環を4個〜6個有するものが好ましい。
【0025】
具体的には、ビス(m−フェノキシフェノキシ)エーテル(m,m−4P3E)、m−フェノキシフェニルp−フェノキシフェニルエーテル(m,p−4P3E)、m−フェノキシフェニルo−フェノキシフェニルエーテル(m,o−4P3E)、ビス(p−フェノキシフェノキシ)エーテル(p,p−4P3E)、p−フェノキシフェニルo−フェノキシフェニルエーテル(p,o−4P3E)、ビス(o−フェノキシフェノキシ)エーテル(o,o−4P3E)、ビス(フェノキシフェニル)エーテル異性体混合物(mix−4P3E)、m−フェノキシフェノキシm−ビフェニル(m,m−4P2E)、m−ビス(m−フェノキシフェノキシ)ベンゼン(m,m,m−5P4E)、1−(m−フェノキシフェノキシ)−3−(p−フェノキシフェノキシ)ベンゼン(m,m,p−5P4E)、p−ビス(m−フェノキシフェノキシ)ベンゼン(m,p,m−5P4E)、1−(m−フェノキシフェノキシ)−4−(p−フェノキシフェノキシ)ベンゼン(m,p,p−5P4E)、m−ビス(p−フェノキシフェノキシ)ベンゼン(p,m,p−5P4E)、p−ビス(p−フェノキシフェノキシ)ベンゼン(p,p,p−5P4E)、o−ビス(m−フェノキシフェノキシ)ベンゼン(m,o,m−5P4E)、m−ビス(o−フェノキシフェノキシ)ベンゼン(o,m,o−5P4E)、p−ビス(o−フェノキシフェノキシ)ベンゼン(o,p,o−5P4E)、o−ビス(o−フェノキシフェノキシ)ベンゼン(o,o,o−5P4E)、ビス(フェノキシフェノキシ)ベンゼン異性体混合物(mix−5P4E)、及びビス(フェノキシフェノキシフェニル)エーテル異性体混合物(mix−6P5E)が挙げられ、これらのうち常態で液状のものの一種又は二種以上が用いられる。
【0026】
本発明の耐熱性滑油組成物の成分として特に好ましいポリフェニルエーテルは、流動性の観点から芳香環のメタ位にエーテル結合を有するものであり、例えば、m−フェノキシフェノキシm−ビフェニル(m,m−4P2E)、m−(m−フェノキシフェニル)エーテル(m,m−4P3E)、ビス(フェノキシフェノキシ)ベンゼン異性体混合物(mix−5P4E)及びビス(フェノキシフェノキシフェニル)エーテル異性体混合物(mix−6P5E)等が挙げられる。
【0027】
本発明の耐熱性潤滑油組成物の成分として用いるポリフェニルエーテルの製造方法は、特に限定されるものではなく、従来採用されている製造方法、例えば、銅系触媒を用いる芳香族ハロゲン化物とフェノール類のアルカリ金属塩とのウルマン反応等により製造することができる。
【0028】
耐熱性潤滑油組成物
本発明の耐熱性潤滑油組成物は、(a)前記ネオペンチルポリオールエステルと(b)ポリフェニルエーテルとを混合してなるものであり、その混合割合は、重量基準で(a)80重量%〜20重量%:(b)20重量%〜80重量%であり、好ましい割合は、(a)75重量%〜40重量%:(b)25重量%〜60重量%である。ネオペンチルポリオールエステルとポリフェニルエーテルとを上記の割合で混合することにより、実施例で示す如く四球試験により評価される耐摩耗性を改善することができる。ネオペンチルポリオールエステルの混合割合が20重量%未満では耐摩耗性が劣り、一方、80重量%を超えると同様に耐摩耗性が低下する。
【0029】
本発明の耐熱性潤滑油組成物として、両者を混合することにより通常、100℃における動粘度が2cSt〜30cSt、特に3cSt〜10cStのものが得られるが、用途に応じて要求粘度に適合するものを任意に調製することができる。
【0030】
前記ネオペンチルポリオールエステルとしては、例えば、市販品の日本油脂株式会社製ユニスターCA164、ユニスターH408R及び旭電化工業株式会社LX923等を利用することができ、また、ポリフェニルエーテルとしては、例えば、市販のm−フェノキシフェノキシm−ビフェニル(m,m−4P2E)(株式会社松村石油研究所製S3103)、ビス(フェノキシフェノキシ)ベンゼン異性体混合物(mix−5P4E)(株式会社松村石油研究所製S3105)を用いることができる。
【0031】
本発明の耐熱性潤滑油組成物には添加剤として、耐摩耗剤を添加することが好ましい。更に、必要に応じ、例えば、酸化防止剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、腐蝕防止剤、金属不活性剤等を適宜添加することができる。
【0032】
耐摩耗剤としては、例えば、トリアルキルホスフェート、トリアリールホスフェート等の如きリン酸エステルを用いることができる。トリアリールホスフェートが好適であり、具体的に例示すると、ベンジルジフェニルホスフェート、トリフェニルホスート、トリクレジルホスフェート、エチルジフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート等を挙げることができ、その一種または二種以上を混合して用いることができる。特に、トリクレジルホスフェートが好ましい。また、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、イオウ化合物等を用いることができる。これらは、通常、0.01重量%〜7重量%、好ましくは、1重量%〜5重量%の割合で使用される。耐摩耗剤をネオペンチルポリオールエステルとポリフェニルエーテルとの混合油に対して添加することにより耐摩耗性の著しい改善効果が得られる。
【0033】
酸化防止剤としては、例えば、アルキル化ジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキル化−α−ナフチルアミン等のアミン系酸化防止剤、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、4,4´−メチル−ビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤、更にジアルキルジチオリン酸亜鉛、硫化パラフィンの如き硫黄系酸化防止剤等を挙げることができ、これらは、通常、0.05重量%〜5重量%、好ましくは0.1重量%〜3重量%の割合で使用される。
【0034】
粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメタクリレート系、ポリイソブチレン系、エチレン−プロピレン共重合体系、スチレン−ブタジェン水添共重合体系等のものを挙げることができ、これらは、通常、1重量%〜35重量%の割合で使用される。
【0035】
腐食防止剤としては、例えば、アルケニルコハク酸又はその部分エステル等が挙げられ、適宜添加することができる。
【0036】
金属不活性剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、チアジアゾール等があり、これらは、通常、0.01重量%〜3重量%の割合で使用される。
【0037】
以上の如くして得られた耐熱性潤滑油組成物は、高温で使用されるセラミックガスタービン油、ジェットエンジン油、ターボチャージャエンジン油、超耐熱断熱エンジン油、ガスタービン油等として使用可能である。
【0038】
【実施例】
次に実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例等により何ら制限されるものではない。
【0039】
評価方法
本発明の効果の評価方法として四球試験を採用した。四球試験においてはシェル四球試験機を用いて摩耗試験を行ない摩耗痕径の測定結果を耐摩耗性の判定基準とした。
【0040】
四球試験
シェル四球試験機による摩耗試験において、次の試験条件を採用し、試験球として下記の三種の材質のものを各実施例で示すように回転球と固定球として用いた。30分間運転後の3箇の固定球の平均摩耗痕直径(mm)を求めた。
【0041】
実施例1
ペンタエリスリトールとn−ペンタン酸とのエステル(PE・テトラ(n−ペンタノエート))とm−(m−フェノキシフェノキシ)m−ビフェニル(m,m−4P2E)とを混合し、PE・テトラ(n−ペンタノエート)40重量%、m,m−4P2E 60重量%の潤滑油基油とし、これにトリクレジルホスフェートを組成物全重量基準で4重量%添加し、40℃及び100℃における動粘度が各々40.5cSt及び5.2cStの耐熱性潤滑油組成物を得た。
この耐熱性潤滑油組成物の四球試験の結果を以下に示す。
【0042】
実施例2
耐摩耗剤として、トリクレジルホスフェートの配合量を2重量%に減少させたこと以外すべて実施例2と同一の成分及び混合条件により耐熱性潤滑油組成物を得た。
得られた耐熱性潤滑油組成物の四球試験の結果を次に示す。
【0043】
実施例3
ペンタエリスリトールとn−ペンタン酸とのエステル(PE・テトラ(n−ペンタノエート))とビス(フェノキシフェノキシ)ベンゼン異性体混合物(mix−5P4E)とを混合し、PE・テトラ(n−ペンタノエート)70重量%、mix−5P4E 30重量%とした潤滑油基油にトリクレジルホスフェートを組成物全重量基準で4重量%添加し、40℃及び100℃における動粘度が各々29.4cSt及び5.0cStの耐熱性潤滑油組成物を得た。
次に、得られた潤滑油組成物を四球試験に供したところ、下記の結果を得た。
【0044】
実施例4
ペンタエリスリトールとn−ヘキサン酸とのエステル(PE・テトラ(n−ヘキサノエート)と(m−フェノキシフェノキシ)m−ビフェニル(m,m−4P2E)とを混合し、PE・テトラ(n−ヘキサノエート)67重量%、m,m−4P2E 33重量%とした潤滑油基油にトリクレジルホスフェートを組成物全重量基準で4重量%添加し、40℃及び100℃における動粘度が各々29.0cSt及び4.8cStの耐熱性潤滑油組成物を得た。
次に、得られた耐熱性潤滑油組成物を腐蝕酸化安定性試験及び四球試験に供したところ下記の結果を得た。
【0045】
比較例1
ペンタエリスリトールとn−ペンタン酸とのエステル(PE・テトラ(n−ペンタノエート))のみを用いて潤滑油基油とした。40℃及び100℃の動粘度は各々15.9cSt及び3.7cStであった。次に、この基油を四球試験に供したところ下記の結果を得た。
【0046】
比較例2−6
表1に従い各基油及び添加剤を用い同表に示す割合で混合して得られた潤滑油組成物を、各々、四球試験に供したところ、表1に示す結果を得た。
【0047】
比較例7
ペンタエリスリトールとn−オクタン酸とのエステル(PE・テトラ(n−オクタノエート))のみを用いて潤滑油基油とし、上記の四球試験に供したところ次の結果を得た。
【0048】
比較例8
ペンタエリスリトールとn−ペンタン酸とのエステル(PE・テトラ(n−ペンタノエート))とm−フェノキシフェノキシ−m−ビフェニル(m,m−4P2E)とを混合し、PE・テトラ(n−ペンタノエート)40重量%、m,m−4P2E 60重量%とし、40℃及び100℃における動粘度が各々38.0cSt及び5.1cStの耐熱性潤滑油組成物を得た。
次に、得られた耐熱性潤滑油組成物を上記の試験条件下での四球試験に供したところ以下に示す結果を得た。
【0049】
比較例9
ペンタエリスリトールとn−オクタン酸とのエステル(PE・テトラ(n−オクタノエート)と(m−フェノキシフェノキシ)m−ビフェニル(m,m−4P2E)とを混合し、PE・テトラ(n−オクタノエート)60重量%とm,m−4P2E 40重量%とからなり、40℃及び100℃における動粘度が各々36.2cSt及び5.7cSt、粘度指数94の耐熱性潤滑油組成物を調製した。
得られた耐熱性潤滑油組成物を上記の試験条件の四球試験に供したところ、次の結果を得た。
【0050】
【表1】
【0051】
[脚注]
1)PEエステル(C5 酸):ペンタエリスリトールとn−ペンタン酸との エステル(PE・テトラ(n−ペンタノエート))(日本油脂株式会社 製エステル油ユニスターCA164)
2)PEエステル(C6 酸):ペンタエリスリトールとn−ヘキサン酸との エステル(PE・テトラ(n−ヘキサノエート))(旭電化工業株式会 社製エステル油LX923)
3)PEエステル(C8 酸):ペンタエリスリトールとn−オクタン酸との エステル(PE・テトラ(n−オクタノエート))(日本油脂株式会社 製エステル油ユニスターH408R)
4)ポリフェニルエーテル(m,m−4P2E):m−フェノキシフェノキ シm−ビフェニル(株式会社松村石油研究所製S3103)
5)ポリフェニルエーテル(mix−5P4E):ビス(フェノキシフェノ キシ)ベンゼン異性体混合物(株式会社松村石油研究所製S3105)
6)四球試験 試験球材質
SUJ−2:高炭素クロム軸受鋼
M−50:耐熱鋼
Si3 N4 :窒化珪素質セラミックス
【0052】
上記の実施例及び比較例で用いた各成分、配合量及び各々の耐摩耗性に関する評価結果を表1にまとめた。ネオペンチルポリオールエステル及びポリフェニルエーテル単独の場合は、四球試験による耐摩耗性がいずれも低く、特にポリフェニルエーテルの四球試験結果が著しく悪いが、両者の混合による改善効果が極めて顕著であり、実用的価値の極めて高い潤滑油組成物を提供できることが判明した。即ち、実施例1とPEエステル単独の比較例1、比較例2およびポリフェニルエーテル単独の比較例3、比較例4とを比較すると、いずれの種類の試験球を用いた場合においても実施例1の本発明によるPEエステルとポリフェニルエーテルとの混合油の摩耗痕径の測定結果が著しく改善され、相乗的な効果が発現されていることが理解される。また、比較例1と2および比較例3と4で示すように、耐摩耗剤(トリクレジルホスフェート)を各々PEエステルまたはポリフェニルエーテルに配合した場合、材質によっては、耐摩耗性が大巾に低下しているが、PEエステルとポリフェニルエーテルの混合物に耐摩耗剤を配合すると実施例1と比較例8で示すように耐摩耗性が改善され、極めて特異な結果が得られた。
【0053】
【発明の効果】
本発明は、ネオペンチルポリオールエステルとポリフェニルエーテルとからなる耐熱性潤滑油組成物に関するものであり、両者を混合することにより、各々単独では達し得ない高度の耐摩耗性を有する潤滑油組成物を提供することができる。特に単独ではネオペンチルポリオールエステル及びポリフェニルエーテルのいずれもが劣悪な結果を示すが、この両者の混合により予期せざる相乗効果が得られるという本発明の特異性が明白である。
【0054】
【発明の効果】
本発明は、ネオペンチルポリオールエステルとポリフェニルエーテルとからなる耐熱性潤滑油組成物に関するものであり、両者を混合することにより、各々単独では達し得ない高度の耐摩耗性を有する潤滑油組成物を提供することができる。特に単独ではネオペンチルポリオールエステル及びポリフェニルエーテルのいずれもが劣悪な結果を示すが、この両者の混合により予期せざる相乗効果が得られるという本発明の特異性が明白である。
Claims (2)
- (a)炭素数5〜30のネオペンチルポリオールと脂肪酸とのエステルであって、該エステルの脂肪酸部分の炭化水素基の平均炭素数が3〜9のもの80重量%〜20重量%および(b)4個〜6個の芳香環を有するポリフェニルエーテル20重量%〜80重量%とからなる基油に、(c)リン酸エステルからなる耐摩耗剤を、潤滑油組成物全重量基準で、0.01重量%〜7重量%配合させてなることを特徴とする耐熱性潤滑油組成物。
- 前記潤滑油組成物がセラミックガスタービン油である請求項1に記載の耐熱性潤滑油組成物。
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