JP3606247B2 - 地図表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は地図表示装置に関し、特に案内すべき分岐点について拡大表示する、いわゆる交差点拡大機能を持つ地図表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の走行に伴ってGPS等により位置を検出して、その位置をディスプレイ上に道路地図と共に表示することにより、円滑に目的地に到達させるナビゲーションシステムが知られている。
【0003】
さらに、現在地から目的地までの適切な経路を演算して求めて、案内として利用するナビゲーションシステムも知られ、更に円滑なドライブに寄与している。この場合の経路案内として従来の地図表示装置では、通常、車両の現在地周辺を表示している地図上に現在地から目的地までの誘導経路を追加する形で表示している。その表示方法は、誘導経路の色を通常の道路色と変えることで視認し易くしている。また、その誘導経路上で曲がるべき分岐点(ここでは、例えば、交差点)においては交差点拡大図を表示して、ドライバが次に曲がる交差点をより正確に把握できるようにしている。この交差点拡大図は、交差点及びその周辺地図が画面に拡大表示されるものであり、例えば500分の1の縮尺というような一定縮尺にて地図データが描画され、表示器に拡大表示されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、主に欧米でよく見かけられる道路システムの一つにトラフィックサークル(Traffic Circle:環状交差路、rotaryやroundaboutとも言われる。)がある。このトラフィックサークルは、例えば図8(a),(c)に示すように、閉じた環状経路に対して複数の進入路と複数の退出路が接続されて構成されているもので、その大きさ(例えば環状経路の最大直径)はまちまちである。
【0005】
例えば図8(a)に示すトラフィックサークルは環状経路部分が相対的に小さなものである。これを従来の一定縮尺にて拡大表示すると、描画するリンク幅の関係などによって、図8(b)に示すように線が潰れてトラフィックサークルの詳細が判別できなくなる場合がある。
【0006】
一方、図8(c)に示すトラフィックサークルは環状経路部分が相対的に大きなものである。これを従来の一定縮尺にて拡大表示すると、この場合は図8(b)に示すように線が潰れてトラフィックサークルの詳細が判別できなくなることはないが、図8(d)に示すようにトラフィックサークルの一部しか表示されない場合がある。これは、トラフィックサークルの環状経路と退出路との接続部分を交差点として捉えているので、その周辺しか表示しないためである。しかし、トラフィックサークルを走行する場合には、環状経路に進入した後、いくつ先の退出路で曲がればよいかと認識して走行する必要がある。つまり、退出路単独ではなく、トラフィックサークル全体の中での相対位置関係などを把握しておかないとどの退出路を出ればよいかが判別できなくなる可能性がある。
【0007】
また、立体交差構造における地道から高架道へのループ状連結路についても同様の問題が生じる。例えば「地道」である一般道路から「「高架道」である高速道路(若しくは、欧米諸国に見られるFreeway)へ進む場合に通行するいわゆるランプウェイのようなものである。
【0008】
例えば図11(a)に示すループ状連結路は、ループ形状部分が相対的に大きなものである。これを従来の一定縮尺にて拡大表示すると、図11(b)に示すようにループ形状の一部しか表示されない場合がある。これは、立体交差の部分は実際に車両が通行できるわけではないため、通常の地道同士の交差点のようには捉えておらず、ループ状連結路への侵入部分での斜め分岐としてしか表示しないためである。しかし、高架道へ連結する経路へ進みたい運転者にとっては、図11(b)のように表示された斜め分岐が果たしてループ状連結路であるのかどうかを判断できない可能性があり、結局、どの分岐を曲がればよいのか判らなくなってくる。
【0009】
なお、ここで言う「ループ状連結路」とは、「地道」である一般道路と「高架道」である高速道路やFreewayとを連結する連結路の内、連結路への侵入角度との差が所定角度以上となるループ形状を備えたものを指す。そして、「ループ状連結路」の条件となる所定角度としては、例えば180deg程度が考えられる。これは、180deg程度以上角度が変わっていると、図11(b)のように表示された斜め分岐が果たしてループ状連結路であるのかどうかを判断できない可能性が高くなるからである。したがって、180deg未満であっても、上述した問題が生じるような形状であれば、それもループ状連結路とみなせる。
【0010】
さらに、このような問題は上述したトラフィックサークルやループ状連結路だけでなく、複雑な交差点であれば同様に考慮しなくてはならない。例えば、幅員の小さな道路と幅員の大きな道路とが「斜めT交差」や「斜めくいちがい交差」し、さらにそのような交差を含む幅員の大きな道路同士が「斜め十字交差」して、複数の道路が半径100m程度の領域内において複雑に交差するような状況である。この場合には、複数の交差があることと斜めに交差していることなどから、誘導経路の色を通常の道路色と変え、該当する交差点部分を拡大表示したとしても、実際にその交差点付近を走行する場合に、的確な走行路を把握することが難しくなる。つまり、誘導経路が、上述した半径100m程度の領域内において複雑に交差しているどの道路を指しているのかを判別できなくなる可能性がある。
【0011】
そこで、本発明は、特に地図上に表示されるループ状連結路を実際の経路誘導に適した縮尺に自動的に変更可能な地図表示装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
本発明の地図表示装置は、予め記憶されている地図データを参照して設定された、出発地から目的地までを結ぶ誘導経路データを記憶している。そして、走行中、地図データおよび誘導経路データの中から車両の現在地周辺の地図と車両の現在地周辺の誘導経路とを抽出し、その現在地周辺地図、現在地周辺誘導経路および車両現在位置マークを含む地図画像を画面に表示して、出発地から目的地まで所定の経路誘導を行う。さらに、経路上に存在する案内すべき分岐点に近接した場合に、少なくともその分岐点周辺の現在地周辺地図および現在地周辺誘導経路を含む地図画像を拡大して画面表示する。
【0013】
このような前提において、さらに本発明の地図表示装置は、案内すべき分岐点が所定の複雑交差地域に属する場合には、その複雑交差地域全体が画面表示領域内に収まり、かつ所定の大きさ以上で表示されるように調整する。この「所定の大きさ以上」とは、例えば複雑交差地域の最大直線距離が画面表示領域の最小表示幅の2分の1以上というような意味である。もちろん、2分の1より大きくても小さくてもよいが、ある程度以上の大きさがないと拡大表示する意味がなくなるので、2分の1程度以上であることが好ましい。
【0014】
この調整対象の複雑交差地域としては、請求項1の如くループ状連結路が考えられる。ループ状連結路は、上述したように地道から高架道へ進む場合に、それらを連結するループ状の連結路であるが、そのループ形状の大きさはまちまちである。例えば図11(a)に示すループ状連結路はループ形状部分が相対的に大きなものであり、これを従来の一定縮尺にて拡大表示すると、図11(b)に示すようにループ形状の一部しか表示されない場合がある。このように、ループ状連結路への侵入部分での斜め分岐としてしか表示されない場合には、高架道へ連結する経路へ進みたい運転者にとっては、表示された斜め分岐が果たしてループ状連結路であるのかどうかを判断できない可能性があり、結局、どの分岐を曲がればよいのか判らなくなってくる。
【0015】
これに対して本発明の請求項1の地図表示装置によれば、案内分岐点がループ状連結路に属する場合には、「案内分岐点の周辺を表示する」という観点ではなく、「案内分岐点が含まれているループ状連結路全体を適切な大きさで表示する」という観点での地図表示が実現できる。そのため、その地図を見た利用者は、表示されたループ状連結路が自分の進みたい高架道に連結するものであることを確認でき、表示された斜め分岐で曲がればよいと自信をもって判断できることとなる。
【0016】
このように、地図上に表示される交差点拡大図を実際の経路誘導に適した縮尺に自動的に変更することができるのである。
【0017】
なおループ状連結路全体を適切な大きさで表示するという観点からすると、請求項1に示すように、複雑交差地域がループ状連結路の場合、そのループ状連結路の中心を画面表示中心とすることが好ましい。
【0018】
また、複雑交差地域を適切な大きさで画面表示させる場合には、例えばその複雑交差地域の最大幅が表示領域幅の2分の1程度とすることが考えられる。
【0019】
その複雑交差地域がループ状連結路の場合には、請求項2に示すように、ループ状連結路の最大直線距離と画面表示領域の大きさとに基づいて、ループ状連結路が画面表示領域内に収まり、かつ所定の大きさ以上で表示されるように地図画像を拡大して画面表示することとなる。
【0020】
なお、ループ状連結路の場合の最大直線距離は、文字通りであり、全体の形状で見て最も離間している2点間の距離である。
【0021】
ところで、図8(a)に示すトラフィックサークルは環状経路部分が相対的に小さなものである。これを従来の一定縮尺にて拡大表示すると、描画するリンク幅の関係などによって、図8(b)に示すように線が潰れてトラフィックサークルの詳細が判別できなくなる場合があることは上述した。ループ状連結路においても同様の状況は想定し得る。
【0022】
このような状況に対応するには、請求項3に示すように、複雑交差地域がループ状連結路であり、通常の線幅にて地図画像を拡大して画面表示するとループ状連結路の内側が潰れる場合には、表示する際の線幅を小さくすればよい。但し、小さくされた線幅で画面表示すると視認不可能となる場合には、請求項4に示すように、予め設定された視認可能な最小線幅にて画面表示した方が好ましい。
【0023】
また、複雑交差地域の表示位置に関しては、例えば請求項5に示すように、複雑交差地域への進入経路が表示領域の下端付近に位置するよう画面表示することが考えられる。このようにすれば、表示領域の下端付近の進入経路から表示領域の中央付近に向けて誘導経路が表示されることとなり、車両の走行方向を基準とした場合の利用者の感覚に合致する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0025】
[第1実施例]
図1は実施例としての車載用地図表示装置2の全体構成を示すブロック図である。本車載用地図表示装置2は、位置検出器4、地図データ入力器6、操作スイッチ群8、これらに接続された制御部10、制御部10に接続された外部メモリ12、表示器14及びリモコンセンサ15を備えている。なお、制御部10は通常のコンピュータとして構成されており、内部には、CPU、ROM、RAM、I/Oおよびこれらの構成を接続するバスラインなどが備えられている。
【0026】
前記位置検出器4は、いずれも周知の地磁気センサ16、ジャイロスコープ18、距離センサ20、及び衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS(Global Positioning System)のためのGPS受信機22を有している。これらのセンサ等16,18,20,22は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより、各々補間しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては上述した内の一部で構成してもよく、更に、ステアリングの回転センサ、各転動輪の車輪センサ等を用いてもよい。
【0027】
地図データ入力器6は、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、地図データ及び後述する施設データを含む各種データを入力するための装置である。記憶媒体としては、そのデータ量からCD−ROMを用いるのが一般的であるが、例えばDVDやメモリカード等の他の媒体を用いても良い。
【0028】
地図データは、交差点等の複数のノード間をリンクにより接続して地図を構成したものであって、それぞれのリンクに対し、リンクを特定する固有番号(リンクID)、リンクの長さを示すリンク長、リンクの始端と終端とのX・Y座標、リンクの道路幅、および道路種別(有料道路等の道路情報を示すもの)のデータからなるリンク情報を記憶している。このリンク情報等を用いた地図データの構成は、従来のものと同様である。但し、本実施例の場合には、表示器14に縮尺の異なる地図を表示するために、例えば8種類の縮尺で所定の地域を表す複数の地図が格納されている。そして、これらの内の最小縮尺(例えば4000分の1)のものが交差点拡大に使用される。但し、本実施例では、この4000分の1の最小縮尺の地図を使用して500分の1相当の拡大図にする。そして、この500分の1相当の拡大地図をさらに任意倍率に拡大・縮小した描画をし、表示できるようにされている。
【0029】
位置検出器4、地図データ入力器6、操作スイッチ群8、制御部10、表示器14、リモコンセンサ15等により、いわゆるナビゲーション装置が構成される。表示器14の画面には、位置検出器4から入力された後述する車両現在地マークと、地図データ入力器6より入力された地図データと、更に地図上に表示する誘導経路、名称、目印等の付加データとを重ねて表示することができる。
【0030】
また、本車載用地図表示装置2は、リモートコントロール端末(以下、リモコンと称する。)15aを介してリモコンセンサ15から、あるいは操作スイッチ群8により目的地の位置および、必要に応じて高速道路等の特定の経路の指定(すなわち通過点の指定)を入力すると、現在地からその目的地までの最適な経路を自動的に選択して誘導経路を形成し表示する、いわゆる経路案内機能も備えている。このような自動的に最適な経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。操作スイッチ群8は、例えば、表示器14と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられ、各種入力に使用される。なお、この誘導経路の設定・表示については本発明の主要な特徴部分ではないので、詳しい説明は省略する。
【0031】
前記制御部10にて実行される処理を図2のフローチャートに示す。ここでは主に誘導経路設定処理、現在地周辺地図表示処理および交差点拡大図表示処理を示す。車載用地図表示装置2の電源スイッチがオンされると、所定の初期設定の後、図2の処理が開始する。
【0032】
まず、現在地算出処理(S100)が行われる。ここでは、位置検出器4からの信号により車両の現在位置を算出する。次に案内中か否かが判定される(S110)。すなわち、ドライバーの設定操作により目的地までの経路案内(ここでは交差点案内)を表示するモード(以下、案内表示モードと称する。)となっているか否かが判定される。案内表示モードでなければ(S110:NO)、現在地周辺地図の表示処理(S120)が、地図データ入力器6にセットされているCD−ROMから該当地域の地図データを読み取ることにより行われる。
【0033】
次に目的地設定操作がなされているか否かが判定される(S130)。目的地設定操作がなされていなければ(S130:NO)、ステップS100の現在地算出処理に戻る。したがって、案内中でなく(S110:NO)、かつ目的地設定操作がなされていなければ(S130:NO)、車両の移動に応じた現在地周辺の地図の表示(S120)を繰り返す。
【0034】
次に、ドライバーが目的地設定操作を行った場合(S130:YES)、ドライバーが操作入力する目的地周辺の地図を表示し、ドライバーの入力に応じて正確な目的地の位置データの取得と必要に応じて特定の道路の指定とが行われる(S140)。次に、経路計算開始操作を待ち(S150)、ドライバーにより経路計算開始操作が行われれば(S150:YES)、設定操作された目的地と現在地との間の経路計算が、地図データにおけるリンク情報等を用いて、例えばダイクストラ法により、現在地から通過点を介して目的地に至るまでの経路コストが最小となる様な経路が算出される(S160)。この算出された経路に対応して、交差点の位置を表すノードIDとその交差点の位置を結ぶ道路を表すリンクIDとが地図データ入力器6にセットされたCD−ROM内の地図データから抽出され、制御回路10内の作業用メモリに格納される。
【0035】
次に、ドライバーにより案内開始操作があったか否かが判定され(S170)、所定時間内に案内開始操作がなければ(S170:NO)、そのままステップS100の処理に戻って、前述したステップS100,S110,S120,S130の処理を繰り返す。
【0036】
所定時間内に案内開始操作があれば(S170:YES)、ステップS110に戻って案内中か否かが判定されるが、案内開始操作がなされたので、ステップS110では「YES」と判定され、案内対象交差点手前Am以内か否かが判定される(S180)。この案内対象交差点とは、前記ステップS160にてノードIDとして抽出された交差点(以下、経路対象交差点と称する。)の内で、そこで経路が曲がっている交差点を意味する。Amは例えば200mや400mといった程度の距離である。ここで案内対象交差点がAm以内でなければ(S180:NO)、ステップS120の処理に移行して、通常通り現在地周辺の地図を表示する処理を継続する。
【0037】
案内対象交差点手前Am以内となれば、交差点拡大図表示処理(S200)が実行される。このS200での交差点拡大図表示処理の詳細を図3のフローチャートを参照して説明する。本処理では、次の案内交差点のタイプを取得し(S210)、その案内交差点がトラフィックサークルか否かを判定する(S220)。地図データに、ノードIDに対応してトラフィックサークルであることを示すIDが設定されているので、それを参照すればトラフィックサークル中の交差点であるかどうかを判定できる。なお、本実施例の場合には、トラフィックサークル中の交差点であっても、そのノードへ進入する場合には該当せず、そのノードから退出する場合にのみ案内交差点がトラフィックサークルであると判断するようにしている。
【0038】
案内交差点がトラフィックサークルでない場合には(S220:NO)、S290へ移行して、縮尺率を1倍とし、対象となっている案内交差点自身を表示中心とする。交差点拡大の場合には、上述したように、8種類の縮尺で所定の地域を表す複数の地図の内の最小縮尺(例えば4000分の1)のものを使用して500分の1相当の拡大図にする。そして、この500分の1相当の拡大地図をさらに任意倍率に拡大・縮小した描画をして表示できるようにされているのであるが、この500分の1の拡大地図を何倍にして用いるかを決めるのがこの縮尺率である。
【0039】
したがって、S290の処理後に移行するS280では、このS290にて定められた縮尺率(1倍)、案内交差点を表示中心とした地図を描画する。一方、案内交差点がトラフィックサークルである場合には(S220:YES)、S230へ移行し、案内交差点が含まれているトラフィックサークルの属性を持つノード情報を取得する。
【0040】
このS230でのノード情報取得処理の詳細を、図4に示すフローチャートを参照して説明する。なお、この処理内容をより明確にするため、図7に示すようなトラフィックサークルを前提として説明を進めることとする。したがって、まず、このトラフィックサークルに関して設定されているデータについて説明する。このトラフィックサークルは、環状経路がリンクL1〜L8で構成されると共に、各リンクL1〜L8の終端ノードとなるノードN1〜N8に対してトラフィックサークル内外への入退出路となるリンクL9〜L18が設定されている。なお、リンクL1〜L8で構成される環状経路は、その通行方向が決まっており、リンクの順番で言えば、例えばL1を起点とするとL1→L2→L3→L4→L5→L6→L7→L8という一方通行である。
【0041】
ここで、トラフィックサークル内外への入退出路となるリンクL9〜L18がどのノードに接続されているかを詳しく説明する。まず、ノードN1にはトラフィックサークルの外側からの進入リンクL9が接続されている。
【0042】
また、ノードN2にはトラフィックサークルの外側への退出リンクL10及びトラフィックサークルの内側からの進入リンクL18が接続されており、ノードN3にはトラフィックサークルの外側からの進入リンクL11及びトラフィックサークルの内側への退出リンクL17が接続されている。
【0043】
ノードN4にはトラフィックサークルの外側への退出リンクL12が接続されており、ノードN5にはトラフィックサークルの外側からの進入リンクL13が接続されている。ノードN6にはトラフィックサークルの外側への退出リンクL14及びトラフィックサークルの内側からの進入リンクL17が接続されており、ノードN7にはトラフィックサークルの外側からの進入リンクL15及びトラフィックサークルの内側への退出リンクL18が接続されている。
【0044】
そして、ノードN8にはトラフィックサークルの外側への退出リンクL16が接続されている。以上は、前提となるトラフィックサークルに設定されているデータ説明であったので、続いて図4のフローチャートについて説明する。この処理は、案内交差点を基準としてトラフィックサークルを構成するノード情報を取得するための処理である。
【0045】
図4のフローチャートの最初のステップS2310では、終点ノードと検索ノードiの初期値を設定する。ここでは、ノードN6からリンクL14を介して退出していく経路を想定して説明する。この場合の終点ノードはノードN6であり、検索ノードiは設定経路上で終点ノードの一つ手前のノードである。これら終点ノード(N6)と検索ノードiの初期値(N5)は制御部10内の記憶領域に格納される。
【0046】
そして、続くS2320では、検索ノードiが終点ノードと一致しないかどうかを判定する。検索ノードiが初期値(N5)の場合には両ノードは一致しないので(S2320:YES)、S2330へ移行する。S2330では検索ノードiに接続するリンクを取得する。なお、検索ノードi=N5の場合には、図7に示すように接続するリンクはL5,L6,L13の3つである。しかし、S2310において、設定経路上での終点ノードN6とリンクL6を介して接続されているノードN5を検索ノードiの初期値としている。上述したように、本処理ルーチンは、案内交差点を基準としてトラフィックサークルを構成するノード情報を取得するための処理であるので、リンクL6はここでは候補から除外してよい。したがって、S2330にて取得するリンクは、検索ノードi=N5の場合にはL5,L13の2つである。
【0047】
そして、続くS2340では、S2330にて取得したリンクの内にサークル属性を持つものが存在するか否かを判定する。なお、地図データに、リンクIDに対応してトラフィックサークルであることを示すIDが設定されているので、それを参照すれば判定できる。
【0048】
サークル属性を持つリンクが存在しなければ(S2340:NO)、そのまま本処理を終了するが、サークル属性を持つリンクが存在すれば(S2340:YES)、S2350へ移行する。検索ノードi=N5の場合にはサークル属性を持つリンクL5が存在するのでS2350へ移行する。
【0049】
S2350では、サークル属性を持つリンクの終端ノードを取得する。リンクL5の場合には終端ノードがN4となる。この終端ノードN4は制御部10内の記憶領域に格納される。そして、S2320へ戻り、今度は検索ノードi=N4としてS2320〜S2350の処理を実行する。その結果、S2350では、終端ノードとしてN3,N2,N1,N8,N7が順次取得される。そして、ノードN7に接続するサークル属性を持つリンクはL7であり、そのリンクL7の終端ノードN6は終点ノードと一致するので、S2320にて否定判断となり、これで本処理ルーチンを終了して図3のS240へ移行する。
【0050】
図3のS240では、S230にて取得したサークル属性のノード情報を用いてトラフィックサークルを構成する座標の、X軸の最大値Xmaxと最小値Xmin及びY軸の最大値Ymaxと最小値Yminを取得する。具体的には、図7に示すトラフィックサークルの場合には、トラフィックサークルを構成する8つのノードN1〜N8の地図データ中での座標(Xn,Yn)(n=1〜8)を比較し、X軸、Y軸それぞれの最大値、最小値を取得する。
【0051】
続くS250では、S240にて取得したX軸の最大値Xmaxと最小値Xmin及びY軸の最大値Ymaxと最小値Yminを用いて、その中心座標(Xc,Yc)を次の式で演算する。
【0052】
Xc=(Xmax+Xmin)/2
Yc=(Ymax+Ymin)/2
そして、この中心座標(Xc,Yc)を、トラフィックサークルを表示する場合の表示中心として設定する。
【0053】
続くS260では、表示器14の表示領域に対して適切な大きさでトラフィックサークルが表示されるような縮尺率を取得する処理を行なう。この縮尺率取得処理については図5のフローチャートを参照して詳しく説明する。図5の最初のステップ2610では、S240にて取得したトラフィックサークルの最大・最小のX,Y座標(Xmax,Xmin,Ymax,Ymin)を用いて最大直径Cを求める。具体的には、図7においてX軸方向の直径をC1、Y軸方向の直径をC2とすると、C1=Xmax−Xminであり、C2=Ymax−Yminであるため、C1,C2の内の大きな方を最大直径Cとする。なお、図7に示す場合にはX軸方向の直径C1の方が大きいので、C=C1となる。
【0054】
続くS2620では、表示器14の表示領域の水平方向表示幅が示す地図上での長さD1、垂直方向表示幅が示す地図上での長さD2について、D1>D2であるか否かを判定する。なお、上述したように、交差点拡大の場合には500分の1の拡大地図が使用されるため、この500分の1の拡大地図を用いた場合の表示領域の水平方向表示幅が示す地図上での長さがD1となり、垂直方向表示幅が示す地図上での長さがD2となる。
【0055】
そして、D1>D2である場合には(S2620:YES)、S2630へ移行して、縮尺率計算用表示幅D=(1/2)D2とする。これは、D1>D2であるということは横長の表示領域を持つため、短い方の垂直方向表示幅D2を基準とすると共に、その垂直方向表示幅D2に対してトラフィックサークルの最大直径Cが2分の1程度となるようにするため、(1/2)倍してある。
【0056】
一方、D1>D2でない場合、つまりD1≦D2の場合には(S2620:NO)、S2640へ移行して、縮尺率計算用表示幅D=(1/2)D1とする。これは、D1≦D2であるということは縦長あるいは縦横同じの表示領域を持つため、短い方の水平方向表示幅D1を基準としているのである。
【0057】
S2630あるいはS2640にて縮尺率計算用表示幅Dが得られた後は、S2650へ移行して、縮尺率Rを次の式で求める。
【0058】
R=C/(D・A)
なお、Aは精度アップ用の係数であり、精度アップをしない場合には係数A=1とし、精度アップする場合には係数Aを1より大きい値にする。
【0059】
例えば、D2=1000m、C=100mとし、さらにA=1としてこの縮尺率Rを計算してみる。縮尺率計算用表示幅Dは(1/2)D2で500mであるので、R=100m/500m=1/5となる。したがって、通常の交差点として扱うと、トラフィックサークル(C=100m)が表示領域の垂直方向表示幅(1000m)の10分の1程度の大きさにしかならないものが、このように地図の縮尺を1/5倍して表示させれば、トラフィックサークルを垂直方向表示幅の2分の1程度の大きさで表示することができる。例えば500分の1の縮尺の地図の縮尺を1/5倍、つまり100分の1という縮尺にしてさらに詳細に表示する。また、逆に、例えば、D2=1000m、C=2000mとし、さらにA=1としてこの縮尺率Rを計算してみる。縮尺率計算用表示幅D=500mであるので、R=2000m/500m=4となる。したがって、通常の交差点として扱うと、トラフィックサークル(C=100m)が表示領域の垂直方向表示幅(1000m)の2倍となり、全体が表示できなくなるが、このように地図の縮尺を4倍して表示させれば、トラフィックサークルを垂直方向表示幅の2分の1程度の大きさにすることができる。例えば500分の1の縮尺の地図の縮尺を4倍、つまり2000分の1という縮尺にし、広域の地図として表示する。
【0060】
続くS2660では、この縮尺率Rが不適当であるかどうかを判断し、不適当であれば(S2660:YES)、縮尺率R=1として本処理ルーチンを終了して図3のS270へ移行する。一方、S2650で求めた縮尺率Rが適当であれば、そのまま本処理ルーチンを終了してS270へ移行する。
【0061】
図3のS270では、描画線の幅を決定する。この描画線幅決定処理については図6のフローチャートを参照して詳しく説明する。図6の最初のステップ2710では、S240にて取得したトラフィックサークルの最大・最小のX,Y座標(Xmax,Xmin,Ymax,Ymin)を用いて相対量△X,△Yを求める。この場合の相対量は、△X=Xmax−Xminであり、△Y=Ymax−Yminである。
【0062】
そして、続くS2720ではデフォルトの線幅が相対量△X,△Yより大きいか否かを判定する。デフォルトの線幅が相対量△X,△Yより大きい場合(S2720:YES)、このままの線幅ではトラフィックサークルの内部が潰れてしまうので、S2730以降の処理にて線幅を小さくする。具体的には、S2730で相対量△X,△Yの内の小さい方を△Lに代入し、続くS2740にて線幅を△L−αとする。これにより、トラフィックサークルの内部にはαの間隔が確保されるため潰れてしまうことを防止できる。
【0063】
但し、あまり線幅が小さくなると表示した場合に視認できなくなる可能性がある。したがって、S2750では、S2740にて設定した線幅(△L−α)が最低保障値よりも小さいか否かを判定する。この最低保障値とは、表示した場合に線が視認できる線幅の最低値である。線幅(△L−α)が最低保障値よりも小さければ(S2750:YES)、線幅を最低保障値に変更して(S2760)、本処理ルーチンを終了して図3のS280へ移行する。
【0064】
なお、上述したS2720にて否定判断、つまりデフォルトの線幅が相対量△X,△Y以下の場合(S2720:NO)、あるいはS2750にて否定判断、つまり線幅(△L−α)が最低保障値以上であれば(S2750:NO)、そのまま本処理ルーチンを終了してS280へ移行する。
【0065】
したがって、S270の処理後に移行するS280では、S250にて設定したトラフィックサークルの中心座標(Xc,Yc)を表示中心とし、S260にて取得した縮尺率R、そして必要であればS270にて変更した描画線幅にて地図を描画する。
【0066】
このように、本実施例の地図表示装置2によれば、トラフィックサークルでない案内交差点については、対象となっている案内交差点自身を表示中心し、交差点拡大のための例えば500分の1の拡大地図をそのまま用いて拡大表示する。一方、案内交差点がトラフィックサークルに属する場合には、トラフィックサークルの中心を画面表示中心とし、そのトラフィックサークル全体が画面表示領域内に収まりかつ所定の大きさ以上で表示されるように調整する。トラフィックサークルの大きさはまちまちであり、例えば図8(c)に示すように環状経路部分が相対的に大きな場合に、交差点拡大のための500分の1の拡大地図をそのまま用いて拡大表示すると、この場合は図8(d)に示すようにトラフィックサークルの一部しか表示されない場合がある。これは、トラフィックサークルの環状経路と退出路との接続部分を交差点として捉えているので、その周辺しか表示しないためである。しかし、トラフィックサークルを走行する場合には、環状経路に進入した後、いくつ先の退出路で曲がればよいかと認識して走行する必要がある。つまり、退出路単独ではなく、トラフィックサークル全体の中での相対位置関係などを把握しておかないとどの退出路を出ればよいかが判別できなくなる可能性がある。
【0067】
これに対して本地図表示装置2によれば、「案内交差点の周辺を表示する」という観点ではなく、「案内交差点が含まれているトラフィックサークル全体を適切な大きさで表示する」という観点での拡大表示を行なう。そのため、その拡大地図を見た利用者は、トラフィックサークル全体の中での退出路の相対位置関係などを把握し、環状経路に進入した後のいくつ先の退出路で曲がればよいかを認識して走行することができるようになる。このように、地図上に表示される交差点拡大図を実際の経路誘導に適した縮尺に自動的に変更することができる。
【0068】
また、図8(a)に示すトラフィックサークルは環状経路部分が相対的に小さなものであるが、これを交差点拡大のための500分の1の拡大地図をそのまま用いて拡大表示すると、図8(b)に示すように線が潰れてトラフィックサークルの詳細が判別できなくなる場合があることは上述した。この問題に対しても、本地図表示装置2は、通常の線幅にて地図画像を拡大して画面表示するとトラフィックサークルの内側が潰れる場合には、表示する際の線幅を小さくするようにしている(図6のS2740)。但し、小さくされた線幅で画面表示すると視認不可能となる場合には、予め設定された視認可能な最低保障値での線幅にて画面表示するようにしている(図6のS2750,S2760)。
【0069】
[第2実施例]
上述した第1実施例では、複雑交差地域としてトラフィックサークルを考えた場合を説明したが、この第2実施例では、複雑交差地域としてループ状連結路を考えた場合を説明する。なお、車載用地図表示装置2としての全体構成、及び制御部10にて実行される主に誘導経路設定処理、現在地周辺地図表示処理については、図1及び図2において示した第1実施例の場合と同じであるため、ここでは説明は繰り返さない。
【0070】
したがって、制御部10が実行する処理の中で、第1実施例とは異なる交差点拡大図表示処理について、図9を参照して説明する。図9に示す交差点拡大図表示処理では、まずリンク種別を取得し(S3010)、そのリンク種別が連結路であるか否かを判定する(S3020)。連結路は、上述したように地道から高架道へ進む場合に、それらを連結する道路であり、いわゆるランプウェイなどと称されるものである。なお、ここでは、その連結路がループ状であるか否かは問題としない。つまり、地図データには、地道と高架道を連結する道路について全て連結路であることを示すIDが設定されているので、それを参照して判断する。
【0071】
対象となるリンクが連結路である場合には(S3020:YES)、その連結路を構成するリンク形状点を全て取得する(S3030)。そして、退出リンクの始点座標Siを取得し(S3040)、さらに次の形状点座標Si+1を取得して(S3050)、始点座標Siから次の形状点座標Si+1への方位ベクトルを取得する(S3060)。
【0072】
ループ状連結路の始点である場合には(S3070:YES)、S3060で取得した方位ベクトルを初期方位として設定し(S3080)、S3120へ移行する。S3120では、S3030にて取得した全てのリンク形状点について最後まで処理したかどうかを判断し、まだ最後でなければ(S3120:NO)、S3050へ戻る。
【0073】
一方、始点でなければ(S3070:NO)、S3080にて設定した初期方位とS3060で取得した方位ベクトル、すなわち現方位との差が180deg以上であるかどうかを判断する。方位差が180deg以上である場合には(S3090:YES)、フラグ(flg)をセットしてから(S3100)、S3110へ移行する。また、方位差が180deg未満であれば(S3090:NO)、そのままS3110へ移行する。
【0074】
S3110では、形状点座標間の最大距離を登録する。この処理は、それまでに得た全ての形状点間の組み合わせの内で、距離が最大となるものを探索して登録しておくものである。S3110の処理後はS3120へ移行する。このようにして、リンク単位の連結路についてS3030〜S3120の処理を繰り返し行った後(S3120:YES)、次のリンクへ移行し(S3130)、S3010へ戻る。
【0075】
なお、実質的には1つの連結路であっても、地図データ中においては複数のリンクで構成される設定となっている場合もあるので、S3130にて次のリンクへ移行し、再度S3010にて取得したリンク種別がもう一度連結路となることもある(S3020:YES)。その場合には、S3030以下の処理を繰り返し行う。
【0076】
そして、S3010にて取得したリンク種別が連結路でない場合には(S3020:NO)、S3140へ移行して、フラグ(flg)がセットされているかどうかを判断する。上述したように、初期方位との方位差が180deg以上であるとフラグ(flg)がセットされるので、フラグ(flg)がセットされている場合には、ループ状連結路であるということができる。一方、フラグ(flg)がセットされていない場合には、連結路でないか、あるいは連結路であっても「ループ状ではない」ということができる。つまり、連結路であるとして(S3020:YES)、S3030〜S3120の処理を実行した場合であっても、連結路全体として初期方位との方位差が180deg未満である場合には、「ループ状連結路」とは判断しないのである。
【0077】
したがって、フラグ(flg)がセットされている場合には(S3140:YES)、ループ状連結路の中心座標を表示中心とする(S3150)。この中心座標については、上述した第1実施例のトラフィックサークルの場合と同様の手法を採用できる。つまり、ループ状連結路を構成するX座標の最大値Xmaxと最小値Xmin及びY座標の最大値Ymaxと最小値Yminを取得し、その中心座標(Xc,Yc)を例えば、次の式で演算する。
【0078】
Xc=(Xmax+Xmin)/2,Yc=(Ymax+Ymin)/2
続くS3160では、S3110で登録した最大距離に基づき縮尺率を決定する。この縮尺率決定に係る処理は、上述した第1実施例のトラフィックサークルの場合に最大直径Cを用いて縮尺率を決定していたのと同様である。つまり、最大直径Cに代えて最大距離を用いたのである。これは、トラフィックサークルの場合には環状であるので直径という概念が適用できるが、ループ状連結路の場合には環状とはならないので、最大距離という概念を適用したのである。
【0079】
そして、S3160で決定した縮尺率及びS3150で得た表示中心にしたがって、地図を描画する(S3170)。その描画された地図の概略を図10に示す。ループ状連結路全体が表示画面内に収まっている。一方、フラグ(flg)がセットされていない場合には(S3040:NO)、案内交差点を表示中心とし(S3180)、さらに縮尺率を1倍とする(S3190)。したがって、S3190の処理後に移行するS3170では、案内交差点を表示中心として縮尺率1倍の地図を描画する。
【0080】
このように、第2実施例の場合には、案内交差点がループ状連結路に属する場合には、ループ状連結路の中心を画面表示中心とし、そのループ状連結路全体が画面表示領域内に収まりかつ所定の大きさ以上で表示されるように調整する。ループ状連結路のループ形状の大きさはまちまちであり、例えば図11(a)に示すループ状連結路はループ形状部分が相対的に大きなものであり、これを従来の一定縮尺にて拡大表示すると、図11(b)に示すようにループ形状の一部しか表示されない場合がある。このように、ループ状連結路への侵入部分での斜め分岐としてしか表示されない場合には、高架道へ連結する経路へ進みたい運転者にとっては、表示された斜め分岐が果たしてループ状連結路であるのかどうかを判断できない可能性があり、結局、どの分岐を曲がればよいのか判らなくなってくる。
【0081】
これに対して第2実施例の場合には、案内交差点がループ状連結路に属する場合には、「案内交差点の周辺を表示する」という観点ではなく、「案内交差点が含まれているループ状連結路全体を適切な大きさで表示する」という観点での拡大表示が実現できる。そのため、図10に例示したような拡大地図を見た利用者は、表示されたループ状連結路が自分の進みたい高架道に連結するものであることを確認でき、表示された斜め分岐で曲がればよいと自信をもって判断できることとなる。
【0082】
なお、図9のS3160の処理後に、第1実施例のトラフィックサークルの場合に行っていたように、図3のS270の描画線の幅を決定する処理を加えてもよい。
【0083】
[その他]
例えば、上記実施例では、複雑交差地域の一例としてトラフィックサークルやループ状連結路を考えたが、それ以外に、複雑な交差点も挙げられる。例えば、幅員の小さな道路と幅員の大きな道路とが「斜めT交差」や「斜めくいちがい交差」し、さらにそのような交差を含む幅員の大きな道路同士が「斜め十字交差」して、複数の道路が半径100m程度の領域内において複雑に交差する、というような状況である。この場合には、複数の交差があることと斜めに交差していることなどから、実際にその交差点付近を走行する場合に、的確な走行路を把握することが難しくなる。つまり、誘導経路が、上述した半径100m程度の領域内において複雑に交差しているどの道路を指しているのかを判別できなくなる可能性がある。したがって、この場合にも、それら複雑な交差点として捉えられる所定の地域を単位として、「その複雑交差地域全体を適切な大きさで表示する」という観点での拡大表示が実現できる。そのため、その拡大地図を見た利用者は、それら複雑に交差している道路状況から、設定された誘導経路における退出路などを容易に把握することができる。この場合も、複雑交差地域の中心を画面表示中心とすることが好ましい。
【0084】
また、上記実施例においては、図5に示す縮尺率取得処理のステップS2650にて縮尺率RはR=C/(D・A)という式にて算出し、それに用いる最大直径CはX軸方向の直径C1、Y軸方向の直径C2の内の大きな方であり(S2610)、縮尺率計算用表示幅Dは(1/2)D2、(1/2)D1の内の小さな方である(S2630,S2640)。これは、例えば長方形の表示領域の場合であれば、トラフィックサークルの最大直径が短い方の表示幅の2分の1程度にすることを目的としている。もちろん表示幅Dに対してトラフィックサークルの最大直径Cが3分の1程度になるようにしたければ、S2630,S2640にてD2やD1に乗算する係数を(1/3)にすればよいし、5分の3程度にしたければ(3/5)とすればよい。
【0085】
さらに、複雑交差地域として、上記第1実施例ではトラフィックサークル、第2実施例ではループ状連結路をそれぞれ単独で取り上げたが、もちろん、それらを両方対象として処理してもよい。つまり、交差点拡大図表示処理において、トラフィックサークルであれば図3の該当する処理を実行し、連結路であれば図9の該当する処理を実行するようにし、最終的に、それぞれで定義された縮尺率及び表示中心に基づいて表示すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の車載用地図表示装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】実施例の制御部にて実行される処理を示すフローチャートである。
【図3】第1実施例の交差点拡大図表示処理を示すフローチャートである。
【図4】第1実施例のノード情報取得処理を示すフローチャートである。
【図5】第1実施例の縮尺率取得処理を示すフローチャートである。
【図6】第1実施例の描画線幅決定処理を示すフローチャートである。
【図7】トラフィックサークルに関して設定されている経路データ及びトラフィックサークルの大きさと表示領域の大きさなどの説明図である。
【図8】従来の交差点拡大処理によるトラフィックサークルの表示例を示す説明図である。
【図9】第2実施例の交差点拡大図表示処理を示すフローチャートである。
【図10】第2実施例の交差点拡大図表示処理にて表示されたループ状連結路の概略を示す説明図である。
【図11】従来の交差点拡大処理によるループ状連結路の表示例を示す説明図である。
【符号の説明】
2…車載用地図表示装置
4…位置検出器
6…地図データ入力器
8…操作スイッチ群
10…制御部
12…外部メモリ
14…表示器
15…リモコンセンサ
15a…リモコン
16…地磁気センサ
18…ジャイロスコープ
20…距離センサ
22…GPS受信機
Claims (5)
- 予め記憶されている地図データを参照して設定された、出発地から目的地までを結ぶ誘導経路データを記憶しておき、
走行中、前記地図データおよび誘導経路データの中から車両の現在地周辺の地図と車両の現在地周辺の誘導経路とを抽出し、該現在地周辺地図、該現在地周辺誘導経路および車両現在位置マークを含む地図画像を画面に表示して、出発地から目的地まで所定の経路誘導を行い、
さらに、経路上に存在する案内すべき分岐点に近接した場合に、少なくともその分岐点周辺の前記現在地周辺地図および前記現在地周辺誘導経路を含む地図画像を拡大して画面表示するようにした地図表示装置において、
前記案内すべき分岐点が所定の複雑交差地域に属する場合には、当該複雑交差地域全体が前記画面表示領域内に収まり、かつ所定の大きさ以上で表示されるように縮尺率を調整して前記地図画像を画面表示する機能を有し、
前記複雑交差地域がループ状連結路の場合には、当該ループ状連結路の中心を画面表示中心とすることを特徴とする地図表示装置。 - 前記ループ状連結路の最大直線距離と画面表示領域の大きさとに基づいて、当該ループ状連結路が画面表示領域内に収まりかつ所定の大きさ以上で表示されるように縮尺率を調整して前記地図画像を画面表示することを特徴とする請求項1に記載の地図表示装置。
- 通常の線幅にて前記地図画像を拡大して画面表示すると当該ループ状連結路の内側が潰れる場合には、前記表示する際の線幅を小さくすることを特徴とする請求項1又は2かに記載の地図表示装置。
- 前記小さくされた線幅で画面表示すると視認不可能となる場合には、予め設定された視認可能な最小線幅にて画面表示することを特徴とする請求項3に記載の地図表示装置。
- 前記ループ状連結路への進入経路が表示領域の下端付近に位置するよう画面表示することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の地図表示装置。
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