JP3606081B2 - 電気防食管理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地中に埋設され陰極防食の施されている防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間内部の欠陥に対する電気防食管理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気防食としては、金属構造物に陰極(カソード)電流を通じて防食する陰極防食が一般的であり、この陰極防食には、外部電源法(外電法ともいう)と、犠牲陽極法(流電陽極法ともいう)の2方式がある。
図5は陰極防食の2方式を説明する図であり、同図の(a)は外部電極法を、(b)は犠牲陽極法を説明する図である。
【0003】
外部電極法は、図5の(a)のように、例えば商用電源を整流して直流電源3aとし、不溶性の電極(図示の対極2a)を正極として、被防食体1aを負極(カソード)として、正極から負極に通電する。この場合、通電する電流値が適当な値となるように出力電圧値を調整する。
犠牲陽極法は、図5の(b)のように、例えば亜鉛、アルミニウム、マグネシウム合金等の犠牲陽極2bの溶解に伴って発生する電流を被防食体1aに通電する。この場合、出力調整用の可変抵抗器によりなる出力調整器3bの抵抗値を調整して通電する電流値を調整する。
【0004】
図6は従来の防食電位測定法を説明する図である。図6において、1は地中に埋設された防食被覆鋼材、2は対極又は犠牲陽極、3は直流電源又は出力調整器、4は疑似部材、5は参照電極、7は常時閉で、動作時に開となるスイッチ、8は電流計、9は電圧計、13は鋼材露出部である。
従来、地中に埋設され電気防食が施されている被防食体(この例では防食被覆鋼材1)の防食管理法として、地中に埋設されている被防食体と地表面に配設されている参照電極5との間の電位差を計測する防食電位を用いていた。
【0005】
防食電位計測法としては、ON電位あるいはOFF電位による検出方法が一般的である。この方法は、防食被覆鋼材1と同一材質(この場合鋼)よりなる小片の疑似部材4を地中の防食被覆鋼材1の近傍に埋め、通常状態(非測定時)においては、この疑似部材4を、常時閉のスイッチ7と電流計8を介して防食被覆鋼材1に短絡させておき、測定時に、スイッチ7を開として短絡状態を切り、この瞬間(100ms以内)における疑似部材4と参照電極5との間の電位差を測定し、これを防食被覆鋼材1の防食電位とするものである。
なお、参照電極5の電位をできるだけ防食被覆鋼材1が埋設された近傍の電位となるようにして、正確に防食電位を計測する発明として特開平6−265511号公報に示されたものがある。
【0006】
図7は防食被覆鋼材に発生する欠陥の種類を説明する図である。同図の(a)は、鋼材14の防食被覆15の一部に破損した箇所があり、その破損した箇所の防食被覆15が完全にとれた状態の鋼材露出部13が存在する場合であり、(b)は防食被覆の重なり部における隙間、例えば、防食被覆鋼管の溶接継手部に施された熱収縮チューブの端がめくれて隙間16ができ、この隙間16から地中の水が流入し、内部が腐食するような場合である。
防食被覆鋼材の欠陥が、図7の(a)に示した鋼材露出部13の場合には、図6に示したようにこの鋼材露出部13に防食電流が流入するので、防食効果がある。従って、この鋼材露出部13がある欠陥に対しては、従来の防食電位測定法は、防食被覆鋼材の防食管理法としても、有効な方法と考えられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、被防食体が防食被覆鋼材であり、さらにこの防食被覆鋼材の欠陥として、図7の(b)に示したような防食被覆の隙間(一般に0.5〜20mm程度の隙間)があると多くの場合、地下水が流入する。地下水があると電気的導通ができるが、この隙間の大小により、隙間の電気抵抗値が大きく変わる。すなわち、隙間が小さい場合には、電気抵抗が大きいので、防食電流はこの隙間にはあまり流入しない。さらに地中には、電気鉄道を起点とする迷走電流が存在し、防食被覆の隙間からこの迷走電流が流出する。このため、隙間に流入する防食電流は少ないうえ、迷走電流が流出するので、隙間内部の鋼が腐食することが多い。
しかし、これまで、この隙間内部の鋼の腐食状態を外部より計測する方法はなかった。言い換えると、従来の防食管理技術は、図7の(a)の鋼材露出部13のような表面の防食被覆15が完全にオープンとなっている欠陥だけにしか適用できなかった。従って、図7の(b)に例示するような、防食重なり部の防食被覆15が一部剥離し、しかもその剥離した箇所の防食被覆15間の隙間16を通じて鋼材面17が外部に連通しているような欠陥に対しては、その箇所で電気防食が有効に作用しているか、また当該箇所から電流の流出が生じ、腐食発生の可能性があるのかが判定できなかった。
さらにまた、このような防食被覆重なり部の隙間内部には土壌の水が長期間にわたって停滞し、その欠陥の腐食を促進することになることも大きな問題点であった。
【0008】
本発明は、前記のような問題点を解決するためになされたものであり、防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間内部の欠陥に対しても適用することができる電気防食管理方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電気防食管理方法は、地中に埋設され陰極防食の施されている防食被覆鋼材の防食電流を制御することにより電気防食管理を行う方法において、
前記防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間の大きさをシミュレートし、電気抵抗値が前記隙間の電気抵抗値と同一になるように穴の径と長さを調整した穴を有する有底筒状部材であって、各有底筒状部材の穴径を異ならしめ、各穴の内部にそれぞれ電極及び参照電極を配設した複数の防食監視用電極を前記防食被覆鋼材の近傍に埋設し、
各々の前記防食監視用電極の電極をそれぞれ電流計測回路に接続し、
各々の前記電流計測回路の電流計により防食被覆鋼材への流入電流量および流出電流量を測定し、
前記防食監視用電極のうち基準とする防食監視用電極について、その電流の流出が認められた場合には、防食電流出力を調節し、流出電流量を零にし、流入電流密度を多くとも100μA/cm2にすることを特徴とするものである。
【0010】
まず第1に、本発明においては、防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間の大きさをシミュレートし、電気抵抗値が前記隙間の電気抵抗値と同一になるように穴の径と長さを調整した穴を有する有底筒状部材であって、各穴の径を異ならしめ、各穴の内部にそれぞれ、防食被覆鋼材と同一材質からなる電極と、参照電極を配設した複数の防食監視用電極を用いることに特徴がある。有底筒状部材の穴は、あらかじめ防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間の大きさをシミュレートすることによって、この穴に流入する防食電流の抵抗を調整しておく。従って、この穴は防食電流の抵抗調整部となっている。すなわち、この穴径を防食被覆重なり部の隙間の大きさについて収集したデータの分布に基づき、ランク毎に分類し、例えば大、中、小のランクの少なくとも3種類の穴径に設定する。この場合、最も小さい穴径の防食監視用電極が安全サイドのものとみなされるので、これを基準の防食監視用電極として設定する。
そして、この基準の防食監視用電極に流れる電流の向きと電流値を測定すれば、当該隙間内部の欠陥に流れる防食電流が流入しているか、流出しているかがわかり、流出している場合にはその流出電流値が零となるように防食電流出力を調節することにより、当該隙間内部の欠陥に対する電気防食を適切に行うことができる。
【0011】
第2に、本発明は、各防食監視用電極内に電解液等を入れておくことによって、防食被覆鋼材の設置場所の土壌の条件を再現し、当該隙間内部の腐食変化に対応した、より適切な電気防食管理ができることにある。そのため、各防食監視用電極は上向きとなるように設置され、前記有底筒状部材の穴又はこの穴に連通する電極室内に、防食被覆鋼材の設置場所近傍の地下水あるいは土壌の比抵抗に合わせた電解液又は電解液のゲル化もしくはゾル化したものを入れておく。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態に係る電気防食管理方法の説明図である。
図1において、1は地中に埋設された防食被覆鋼材、2は対極又は犠牲陽極、3は直流電源又は出力調整器であり、2、3は図5で説明した外部電極法又は犠牲陽極法のいずれの電気防食でもよいことを示している。
【0013】
6A、6B、6Cはそれぞれ第1、第2、第3の防食監視用電極で、その個数は限定されないが、好ましくは3個以上あればよい。7A、7B、7Cはそれぞれ第1、第2、第3の防食電流計測回路20A、20B、20Cに設けられ、常時閉で、動作時に開となるスイッチ、8A、8B、8Cはそれぞれ第1、第2、第3の防食電流計測回路20A、20B、20Cに設けられた電流計、9A、9B、9Cはそれぞれ第1、第2、第3の防食電位計測回路21A、21B、21Cに設けられた電圧計、16は図7の(b)に示した防食被覆重なり部の隙間である。
【0014】
符号6で代表される各防食監視用電極は、基本的には、図2に示すように有底筒状部材10に穴11を設け、その穴11の底部又は近傍に電極61と参照電極62を配設したものである。有底筒状部材10は、一般的な絶縁材料であるプラスチック材料(例えばアクリル樹脂)からなっている。また、電極61は防食被覆鋼材1と同一材質の鋼からなっている。参照電極62は、例えば鉛、亜鉛、白金、モリブデン、タングステン等で製作される。63、64はそれぞれ電極61及び参照電極62に接続された接続ケーブルである。
【0015】
穴11は、防食被覆鋼材1の防食被覆重なり部の隙間16の電気抵抗値と同一の電気抵抗値となるように、その隙間16の大きさをシミュレートした穴径D及び穴の長さLに調整してある。
これは、古い防食被覆埋設管を掘り出した際に、防食被覆重なり部の隙間を実測し、この実測値を多数収集したデータに基づき、隙間の分布範囲を求め(通常は0.5〜20mm程度となる)、この分布範囲を複数のランクに分類し、各ランク毎に穴径の代表値(例えばランク内の中央値、又はランク内で最も頻度の高い値を代表値として)を決める。ここでは、穴の長さLはすべて同一とし、穴の直径Dのみを10mm、20mm、30mmとした3種類の防食監視用電極6A(穴径30mm)、6B(穴径20mm)、6C(穴径10mm)を使用している。
【0016】
図1の例では、防食被覆重なり部の隙間を大、中、小の3つのランクに分類し、各ランク毎に穴径を決めたものである。従って、土壌から各防食監視用電極内に流入または流出する電流密度も大、中、小の3ランクになると共に、この3つの防食監視用電極6A、6B、6Cによって、通常の隙間範囲をほぼカバーした防食電流及び防食電位の測定ができる。
なお、この実施の形態では、穴径が最も小さい、すなわち電気抵抗が大きく電流密度が最も小さい防食監視用電極6C(穴径10mm)が、最も条件が悪い場合であるので、安全面を考慮し、この防食監視用電極6Cを防食管理の基準の防食監視用電極として、他の2つの防食監視用電極6A、6Bは参考データを得るための参考用電極とした。
【0017】
防食監視用電極6は、好ましくは図3に示すように構成されている。図4は図3の断面図である。図1にはこの構成例の防食監視用電極6を示してある。
図3、図4に示す防食監視用電極6の有底筒状部材10は、図2のものと同様に、穴径D及び穴の長さLを調整された第1の穴11と、この穴11に連通する拡径された第2の穴12を有する。電極61及び参照電極62は、第2の穴12を塞ぐ底板13に取り付けられ、両電極61、62間は、例えばエポキシ樹脂で絶縁されている。
【0018】
この第1の穴11は前述したように防食電流の抵抗調整部を構成し、第2の穴12は電極室となっており、この電極室12には防食被覆鋼材の設置場所近傍の地下水あるいは土壌の比抵抗に合わせて、ほぼ中性の電解液(例えば、NaClもしくはNa2SO4水溶液、NaCl+Na2SO4水溶液)又はこの電解液をゲル化もしくはゾル化したものが入れてある。
これは、普通の土壌の条件を半永久的に再現する目的で、各防食監視用電極6A、6B、6Cに前記のような電解液又はその電解液をゲル化もしくはゾル化したものを充填しておくものであり、これにより防食被覆重なり部の隙間内部の水質変化等に基づく腐食状態の変化を良好に検知することが可能となる。
そして、各防食監視用電極6A、6B、6Cは、地中の防食被覆鋼材1の近傍位置に、先端の開口部11aが鉛直方向の上側となる姿勢で設置される。
【0019】
また、各防食監視用電極6A、6B、6Cに地中の砂等が上部の開口部11aより入らないように、埋設時には、絶縁材よりなる網や海綿(水分は自由に通過できるように)でカバーや栓をすることが望ましい。
【0020】
次に、図1を参照し、防食電流の測定及び管理について説明する。
第1、第2、第3の防食監視用電極内の各電極61は、それぞれ対応するスイッチ7A、7B、7C及び電流計8A、8B、8Cを介して防食被覆鋼材1に短絡されている。そして防食被覆鋼材1の被覆重なり部の隙間16をシミュレートした第1、第2、第3の防食監視用電極内の各電極61には、対極又は犠牲陽極2から防食電流が流入したり、又は迷走電流等が流出したりする。また各電流計8A、8B、8Cは、双方向の電流値を計測できるので、各防食監視用電極内の電極61に電流が流入する場合の電流値と流出する場合の電流値を測定することができる。
【0021】
いま、第3の防食監視用電極6Cを基準の防食監視用電極としたので、第3の電流計8Cにより、この防食監視用電極6C内の電極61に流れる電流の向きと電流値を計測し、流出電流が認められる場合、直流電源又は出力調整器3により防食電流を調整し、流出電流を零にする。流出電流が存在すると隙間16内部の欠陥の腐食を進行させるため、この流出電流を零にすることによって、電気防食の効果を上げることができる。さらに直流電源又は出力調整器3により、防食電流を調整し、流入電流密度を多くとも100μA/cm2にする。100μA/cm2以上の流入電流密度で防食電流を流入しても防食効果は飽和しているので、過剰に流入させる必要はない。
前記の流出電流の零調整が終わった後に、第1、第2の電流計8A、8Bにより防食監視用電極6A、6B内の各電極61に流れる電流の向きと電流値を計測し、この値を参照データとして保存する。
【0022】
次に、防食電位の測定について説明する。
第1、第2、第3のスイッチ7A、7B、7Cは、それぞれ個別に操作されるスイッチであり、各スイッチは常時閉で、動作時に開となる。また第1、第2、第3のスイッチ7A、7B、7Cは、第1、第2、第3の防食監視用電極6A、6B、6Cを用いて、防食監視用電極毎に防食電位を測定する際に順次操作されるものである。
同様に、第1、第2、第3の電圧計9A、9B、9Cは、第1、第2、第3の防食監視用電極6A、6B、6Cを用いて、防食電位を測定する際に用いられる。
【0023】
図1において、通常状態(非測定時)においては、第1、第2、第3の防食監視用電極6A、6B、6C内の各電極61は、それぞれ対応するスイッチ7A、7B、7Cの常時閉回路及び電流計8A、8B、8Cを介して防食被覆鋼材1に短絡されている。また耐食性の高い材料で製作された参照電極62は、防食被覆鋼材1の近傍に設置されている。
この状態から計測時に、まず基準電極である第3の防食監視用電極6Cの防食電位を計測する。このため第3のスイッチ7Cの回路を開として短絡状態を切り、この開放状態になった瞬間(100ms以内)における第3の防食監視用電極6C内の電極61と参照電極62との間の電位差を第3の電圧計9Cにより測定し、これを防食被覆重なり部にランク「小」の隙間がある場合をシミュレートした防食被覆鋼材1の防食電位として求める。この防食電位測定の終了後に、第3のスイッチ7Cを再び閉回路にしておく。
【0024】
次に、参照用電極である、第1、第2の防食監視用電極6A、6Bの防食電位を順番に測定する。すなわち第1のスイッチ7Aの回路を開として短絡状態を切った瞬間に、第1の電圧計9Aにより測定した電圧値を求め、これを防食被覆重なり部にランク「大」の隙間がある場合をシミュレートした防食被覆鋼材1の防食電位とする。同様に、第2のスイッチ7Bと、第2の電圧計9Bによりランク「中」の隙間をシミュレートした防食電位を求める。なお、各防食電位測定後に、対応するスイッチ7A、7Bはそれぞれ閉回路にしておく。
【0025】
以上のように複数の防食監視用電極を設置する場合には、そのうちの1つを基準の防食監視用電極として、この基準の防食監視用電極を用いて防食電流の管理を行えると共に、その他の参照用の防食監視用電極を用いて通常の隙間範囲をカバーした参照データが得られるから、これらの管理データ及び参照データを分析することにより今後の防食管理を適切に行うことができる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間の大きさをシミュレートし、電気抵抗値が前記隙間の電気抵抗値と同一になるように穴の径と長さを調整した穴を有する有底筒状部材であって、各有底筒状部材の穴径を異ならしめ、各穴の内部にそれぞれ電極及び参照電極を配設した複数の防食監視用電極を前記防食被覆鋼材の近傍に埋設し、各防食監視用電極の電極をそれぞれ電流計測回路に接続し、各電流計測回路の電流計により防食被覆鋼材への流入電流量および流出電流量を測定し、基準の防食監視用電極について、その電流の流出が認められた場合には、防食電流出力を調節し、流出電流量を零にし、流入電流密度を多くとも100μA/cm2にするようにしたので、防食被覆重なり部の隙間内部の欠陥に対しても適切な電気防食管理を行うことができる。
【0027】
また、各防食監視用電極は上向きとなるように設置され、有底筒状部材の穴内部に防食被覆鋼材の設置場所近傍の地下水あるいは土壌の比抵抗に合わせた電解液又は電解液のゲル化もしくはゾル化したものを入れておくことによって、普通の土壌の条件を防食監視用電極によって半永久的に再現できるため、土壌の水質変化等に基づく当該隙間内部の腐食状態の変化を良好に検知することができ、より適切な電気防食管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気防食管理方法の説明図である。
【図2】防食監視用電極の一構成例を示す図である。
【図3】防食監視用電極の他の構成例を示す図である。
【図4】図3の断面図である。
【図5】陰極防食の2方式を説明する図である。
【図6】従来の防食電位測定法の説明図である。
【図7】防食被覆鋼材に発生する欠陥の種類を示す説明図である。
【符号の説明】
1 防食被覆鋼材
2 対極又は犠牲陽極
3 直流電源又は出力調整器
4 疑似部材
5 参照電極
6A 第1の防食監視用電極
6B 第2の防食監視用電極
6C 第3の防食監視用電極
7 スイッチ
8 電流計
9 電圧計
10 有底筒状部材
11 穴(防食電流抵抗調整部)
12 電極室
16 防食被覆重なり部の隙間
20A 第1の防食電流計測回路
20B 第2の防食電流計測回路
20C 第3の防食電流計測回路
61 電極
62 参照電極
Claims (3)
- 地中に埋設され陰極防食の施されている防食被覆鋼材の防食電流を制御することにより電気防食管理を行う方法において、
前記防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間の大きさをシミュレートし、電気抵抗値が前記隙間の電気抵抗値と同一になるように穴の径と長さを調整した穴を有する有底筒状部材であって、各有底筒状部材の穴径を異ならしめ、各穴の内部にそれぞれ電極及び参照電極を配設した複数の防食監視用電極を前記防食被覆鋼材の近傍に埋設し、
各々の前記防食監視用電極の電極をそれぞれ電流計測回路に接続し、
各々の前記電流計測回路の電流計により防食被覆鋼材への流入電流量および流出電流量を測定し、
前記防食監視用電極のうち基準とする防食監視用電極について、その電流の流出が認められた場合には、防食電流出力を調節し、流出電流量を零にし、流入電流密度を多くとも100μA/cm2にすることを特徴とする電気防食管理方法。 - 前記防食監視用電極を上向きとなるように設置し、前記穴に連通する電極室に防食被覆鋼材の設置場所近傍の地下水あるいは土壌の比抵抗に合わせた電解液または電解液をゲル化もしくはゾル化したものを入れてなることを特徴とする請求項1記載の電気防食管理方法。
- 少なくとも3個の穴径の異なる防食監視用電極を用い、穴径の最も小さい防食監視用電極を基準の防食監視用電極とすることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電気防食管理方法。
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