JP3606082B2 - 防食被覆剥離内部の腐食特性測定方法及び装置並びに防食監視用電極 - Google Patents

防食被覆剥離内部の腐食特性測定方法及び装置並びに防食監視用電極 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地中に埋設され陰極防食の施されている防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間における腐食特性を測定する方法及び装置並びに防食監視用電極に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気防食としては、金属構造物に陰極(カソード)電流を通じて防食する陰極防食が一般的であり、この陰極防食には、外部電源法(外電法ともいう)と、犠牲陽極法(流電陽極法ともいう)の2方式がある。
図4は陰極防食の2方式を説明する図であり、同図の(a)は外部電極法を、(b)は犠牲陽極法を説明する図である。
【0003】
外部電極法は、図4の(a)のように、例えば商用電源を整流して直流電源3aとし、不溶性の電極(図示の対極2a)を正極として、被防食体1aを負極(カソード)として、正極から負極に通電する。この場合、通電する電流値が適当な値となるように出力電圧値を調整する。
犠牲陽極法は、図4の(b)のように、例えば亜鉛、アルミニウム、マグネシウム合金等の犠牲陽極2bの溶解に伴って発生する電流を被防食体1aに通電する。この場合、出力調整用の可変抵抗器によりなる出力調整器3bの抵抗値を調整して通電する電流値を調整する。
【0004】
図5は従来の防食電位測定法を説明する図である。図5において、1は地中に埋設された防食被覆鋼材、2は対極又は犠牲陽極、3は直流電源又は出力調整器、4は疑似部材、5は参照電極、7は常時閉で、動作時に開となるスイッチ、8は電流計、9は電圧計、13は鋼材露出部である。
従来、地中に埋設され電気防食が施されている被防食体(この例では防食被覆鋼材1)の防食管理法として、地中に埋設されている被防食体と地表面に配設されている参照電極5との間の電位差を計測する防食電位を用いていた。
【0005】
防食電位計測法としては、ON電位あるいはOFF電位による検出方法が一般的である。この方法は、防食被覆鋼材1と同一材質(この場合鋼)よりなる小片の疑似部材4を地中の防食被覆鋼材1の近傍に埋め、通常状態(非測定時)においては、この疑似部材4を、常時閉のスイッチ7と電流計8を介して防食被覆鋼材1に短絡させておき、測定時に、スイッチ7を開として短絡状態を切り、この瞬間(100ms以内)における疑似部材4と参照電極5との間の電位差を測定し、これを防食被覆鋼材1の防食電位とするものである。
なお、参照電極5の電位をできるだけ防食被覆鋼材1が埋設された近傍の電位となるようにして、正確に防食電位を計測する発明として特開平6−265511号公報に示されたものがある。
【0006】
図6は防食被覆鋼材の欠陥の種類を説明する図である。同図の(a)は、鋼材14の防食被覆15の一部に破損した箇所があり、その破損した箇所の防食被覆15が完全にとれた状態の鋼材露出部13が存在する場合であり、(b)は防食被覆の重なり部における隙間、例えば、防食被覆鋼管の溶接継手部に施された熱収縮チューブの端がめくれて隙間17ができ、この隙間17から地中の水が流入し、内部が腐食するような場合である。
防食被覆鋼材の欠陥が、図6の(a)に示した鋼材露出部13の場合には、図5に示したようにこの鋼材露出部13に防食電流が流入するので、防食効果がある。従って、この鋼材露出部13がある欠陥に対しては、従来の防食電位測定法は、防食被覆鋼材の防食管理法としても、有効な方法と考えられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、被防食体が防食被覆鋼材であり、さらにこの防食被覆鋼材の欠陥として、図6の(b)に示したような防食被覆の隙間(一般に0.5〜20mm程度の隙間)があると多くの場合、地下水が流入する。地下水があると電気的導通ができるが、この隙間の大小により、隙間の電気抵抗値が大きく変わる。すなわち、隙間が小さい場合には、電気抵抗が大きいので、防食電流はこの隙間にはあまり流入しない。さらに地中には、電気鉄道を起点とする多くの迷走電流が存在し、防食被覆の隙間からこの迷走電流が流出する。このため、隙間に流入する防食電流は少ない上、迷走電流が流出するので、隙間内部の鋼が腐食することが多い。
しかし、これまで、防食電位は、防食被覆鋼材に鋼材露出部13がある場合にしか計測できず、防食被覆重なり部に隙間がある場合には計測できなかった。さらにこの隙間内部の鋼の腐食状態を外部より計測する方法はなかった。
従って、この場合の防食電位計測のほかに、防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間流入水の液質変化や、隙間内部の鋼の腐食速度を外部から計測できる計測方法が要望されていた。
【0008】
本発明は、かかる要望に応えるためになされたものであり、地中に埋設され陰極防食の施されている防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間における腐食特性を正確に測定する方法及び装置並びに防食監視用電極を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る防食被覆剥離内部の腐食特性測定方法は、地中に埋設され陰極防食の施されている防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間における腐食特性を測定する方法において、
前記防食被覆重なり部の隙間をシミュレートし、電気抵抗値が前記隙間の電気抵抗値と同一になるような穴径にした穴を有する有底筒状部材であって、該有底筒状部材の前記穴の内部に第1電極及び第2電極を配設した防食監視用電極を前記地中の防食被覆鋼材の近傍に埋設し、
非測定時には前記第1電極及び第2電極を防食被覆鋼材に短絡させておき、測定時には前記短絡状態を開放状態にするとともに、前記第1電極と第2電極との間に高周波電圧を印加して前記両電極間のインピーダンスを測定し、該インピーダンスの測定値より地中埋設環境の電気抵抗を求めるものである。
【0010】
本発明の請求項2に係る防食被覆剥離内部の腐食特性測定方法は、地中に埋設され陰極防食の施されている防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間における腐食特性を測定する方法において、
前記防食被覆重なり部の隙間をシミュレートし、電気抵抗値が前記隙間の電気抵抗値と同一になるような穴径にした穴を有する有底筒状部材であって、該有底筒状部材の前記穴の内部に第1電極及び第2電極を配設した防食監視用電極を前記防食被覆鋼材の近傍に埋設し、
非測定時には前記第1電極及び第2電極を防食被覆鋼材に短絡させておき、測定時には前記短絡状態を開放状態して、
まず、前記第1電極と第2電極との間に高周波電圧を印加して前記両電極間のインピーダンスを測定し、該インピーダンスの測定値より地中埋設環境の電気抵抗を求め、
次に、前記第1電極と第2電極との間に低周波電圧を印加して前記両電極間のインピーダンスを測定し、該インピーダンスの測定値より地中埋設環境の電気抵抗と鋼の腐食抵抗との和を求め、該和から前記電気抵抗を減算して求めた鋼の腐食抵抗より鋼の腐食速度を算出するものである。
【0011】
本発明の請求項3に係る防食被覆剥離内部の腐食特性測定方法は、地中に埋設され陰極防食の施されている防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間における腐食特性を測定する方法において、
前記防食被覆重なり部の隙間をシミュレートし、電気抵抗値が前記隙間の電気抵抗値と同一になるような穴径にした穴を有する有底筒状部材であって、該有底筒状部材の前記穴の内部に第1電極、第2電極及び参照電極を配設した防食監視用電極を前記防食被覆鋼材の近傍に埋設し、
非測定時には前記第1電極及び第2電極を防食被覆鋼材に短絡させておき、測定時には前記短絡状態を開放状態にして、
まず、前記開放状態になった瞬間における前記第1電極又は第2電極のいずれか一方の電極の前記参照電極に対する電圧値を測定してこれを前記防食被覆鋼材の防食電位として求め、
次に、前記第1電極と第2電極との間に高周波電圧を印加して前記両電極間のインピーダンスを測定し、該インピーダンスの測定値より地中埋設環境の電気抵抗を求め、
次に、前記第1電極と第2電極との間に低周波電圧を印加して前記両電極間のインピーダンスを測定し、該インピーダンスの測定値より地中埋設環境の電気抵抗と鋼の腐食抵抗との和を求め、該和から前記電気抵抗を減算して求めた鋼の腐食抵抗より鋼の腐食速度を算出するものである。
【0012】
本発明の請求項4に係る防食被覆剥離内部の腐食特性測定装置は、地中に埋設され陰極防食の施されている防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間における腐食特性を測定する装置において、
前記地中の防食被覆鋼材の近傍に設けられる、前記防食被覆重なり部の隙間をシミュレートし、電気抵抗値が前記隙間の電気抵抗値と同一になるような穴径にした穴を有する有底筒状部材であって、該有底筒状部材の前記穴の内部に第1電極及び第2電極を配設した防食監視用電極と、
非測定時には前記第1電極及び第2電極を防食被覆鋼材に短絡させておき、測定時には前記短絡状態を開放状態にするとともに、前記第1電極及び第2電極をそれぞれ交流インピーダンス測定手段の両入力端に接続する回路開閉手段と、
前記回路開閉手段により接続された前記第1電極と第2電極との間に高周波電圧を印加して前記両電極間のインピーダンスを測定し、該インピーダンスの測定値より地中埋設環境の電気抵抗を求める交流インピーダンス測定手段とを備えたものである。
【0013】
本発明の請求項5に係る防食被覆剥離内部の腐食特性測定装置は、地中に埋設され陰極防食の施されている防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間における腐食特性を測定する装置において、
前記地中の防食被覆鋼材の近傍に設けられる、前記防食被覆重なり部の隙間をシミュレートし、電気抵抗値が前記隙間の電気抵抗値と同一になるような穴径にした穴を有する有底筒状部材であって、該有底筒状部材の前記穴の内部に第1電極及び第2電極を配設した防食監視用電極と、
非測定時には前記第1電極及び第2電極を防食被覆鋼材に短絡させておき、測定時には前記短絡状態を開放状態にするとともに、前記第1電極及び第2電極をそれぞれ交流インピーダンス測定手段の両入力端に接続する回路開閉手段と、
前記回路開閉手段により接続された前記第1電極と第2電極との間に、まず、高周波電圧を印加して前記両電極間のインピーダンスを測定し、該インピーダンスの測定値より地中埋設環境の電気抵抗を求め、次に、前記第1電極と第2電極との間に低周波電圧を印加して前記両電極間のインピーダンスを測定し、該インピーダンスの測定値より地中埋設環境の電気抵抗と鋼の腐食抵抗との和を求め、該和から前記電気抵抗を減算して求めた鋼の腐食抵抗より鋼の腐食速度を算出する交流インピーダンス測定手段とを備えたものである。
【0014】
本発明の請求項6に係る防食被覆剥離内部の腐食特性測定装置は、地中に埋設され陰極防食の施されている防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間における腐食特性を測定する装置において、
前記地中の防食被覆鋼材の近傍に設けられる、前記防食被覆重なり部の隙間をシミュレートし、電気抵抗値が前記隙間の電気抵抗値と同一になるような穴径にした穴を有する有底筒状部材であって、該有底筒状部材の前記穴の内部に第1電極、第2電極及び参照電極を配設した防食監視用電極と、
非測定時には前記第1電極及び第2電極を防食被覆鋼材に短絡させておき、測定時には前記短絡状態を開放状態にする第1の回路開閉手段と、
前記第1の回路開閉手段による前記開放状態になった瞬間における前記第1電極又は第2電極のいずれか一方の電極の前記参照電極に対する電圧値を測定してこれを前記防食被覆鋼材の防食電位として求める防食電位測定手段と、
前記防食電位測定手段の測定終了後に、前記第1電極及び第2電極をそれぞれ交流インピーダンス測定手段の両入力端に接続する第2の回路開閉手段と、
前記第2の回路開閉手段により接続された前記第1電極と第2電極との間に、まず、高周波電圧を印加して前記両電極間のインピーダンスを測定し、該インピーダンスの測定値より地中埋設環境の電気抵抗を求め、次に、前記第1電極と第2電極との間に低周波電圧を印加して前記両電極間のインピーダンスを測定し、該インピーダンスの測定値より地中埋設環境の電気抵抗と鋼の腐食抵抗との和を求め、該和から前記電気抵抗を減算して求めた鋼の腐食抵抗より鋼の腐食速度を算出する交流インピーダンス測定手段とを備えたものである。
【0015】
本発明の請求項7に係る防食監視用電極は、地中に埋設され陰極防食の施されている防食被覆鋼材の防食監視用電極であって、
防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間をシミュレートし、電気抵抗値が前記隙間の電気抵抗値と同一になるような穴径にした穴を有する筒状部材で、内部に電極室が設けられ、該筒状部材の一端は地中の土壌と通電可能となるように、またその他端は前記電極室と直結され、前記電極室は、所定容量の電解液の充填可能な空間を有する中空部材で、該中空部材の内部に第1電極及び第2電極が配設されて構成されるものである。
【0016】
本発明の請求項8に係る防食監視用電極は、地中に埋設され陰極防食の施されている防食被覆鋼材の防食監視用電極であって、
防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間をシミュレートし、電気抵抗値が前記隙間の電気抵抗値と同一になるような穴径にした穴を有する筒状部材で、内部に電極室が設けられ、該筒状部材の一端は地中の土壌と通電可能となるように、またその他端は前記電極室と直結され、前記電極室は、所定容量の電解液の充填可能な空間を有する中空部材で、該中空部材の内部に第1電極、第2電極及び参照電極が配設されて構成されるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態に係る防食被覆剥離内部の腐食特性測定装置を示す図であり、図2は図1の防食監視用電極の構成を示す図である。
図1において、1は地中に埋設された防食被覆鋼材、2は対極又は犠牲陽極、3は直流電源又は出力調整器であり、2、3は図4で説明した外部電極法又は犠牲陽極法のいずれの電気防食でもよいことを示している。
【0018】
7Aは常時閉で、動作時に開となる2回路用のスイッチ、7Bは常時開で、動作時には閉となる2回路用のスイッチであり、スイッチ7Aと7Bは連動するが、動作時には、スイッチ7Aが先に開となり、次にスイッチ7Bが閉となる(一般にブレイク・ビフォー・メイクという)2回路用の連動スイッチである。
8は電流計、9は電圧計、17は図6の(b)に示した防食被覆重なり部の隙間であり、20は交流インピーダンス測定器である。
6は防食監視用電極、11は防食監視用電極6の上部の開口部、61、62、63はそれぞれ防食監視用電極6内に配設された第1電極、第2電極、参照電極である。
【0019】
図2は図1の防食監視用電極6の構成例を示している。
図2において、防食監視用電極は、上部に開口部11を有し、底部は密閉された円筒形状で、この円筒形状の上部に隙間形状抵抗調節部10を、その下部に電極室12を設けて構成される。
この防食監視用電極6は、地中の防食被覆鋼材1の近傍位置に、図示上部の開口部11が鉛直方向の上側となる姿勢で設置される。
【0020】
隙間形状抵抗調節部10は、例えばアクリル等よりなる筒状部材で、その内径は、防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間17の電気抵抗値と同一の電気抵抗値となるように、隙間をシミュレートした内径に製作される。
これは古い防食被覆埋設管を掘り出した際に、防食被覆重なり部の隙間を実測し(0.5〜20mm程度ある)、この実測値を多数収集したデータに基づき、最も頻度の高い値、最大値、最小値等をあらかじめ求めておく。
そして、隙間形状抵抗調整部10を製作する際に、使用条件や客先仕様等に応じてどの値を採用するかを決定し、この採用した値の隙間をシミュレートした内径に製作するようにしている。
【0021】
この隙間形状抵抗調節部10は、図2の開口部11が鉛直方向の上側となる姿勢に設置されるので、土壌と通電可能となるが、地中の石等がこの開口部11より入らないように、埋設時には、絶縁材よりなる網によるカバーや、海綿(水分は自由に通過できるように)による栓をすることが望ましい。
そしてこの隙間形状抵抗調節部10の他端(図2の下部)は、電極室12と直結される。
【0022】
電極室12は、例えば塩化ビニール等よりなる円筒形状の中空部材で、所定容量の防食被覆鋼材の設置場所近傍の地下水あるいは土壌の比抵抗と同等の電解液または電解液をゲル化もしくはゾル化したもの(以下電解液と称す)の充填可能な空間を有する。
この電極室12の内部(図2では底部)には、互いに電気的に絶縁された第1電極61、第2電極62及び参照電極63が配設され、前記各電極61、62、63にそれぞれ外部接続ケーブルが配線されている。
【0023】
防食監視用電極6は、地中に埋設される際には、隙間形状抵抗調整部10の内径の内部及び電極室12の空間部にすべて電解液を注入してから、開口部11を上向きの姿勢として、設置する。
電解液の注入によって、電極室12内に配設された第1電極61、第2電極62及び参照電極63の各電極は、隙間形状抵抗調整部10を介して地中の土壌と通電状態となる。また各電極は他の電極と相互に通電状態になる。
【0024】
第1電極61及び第2電極62は、防食被覆鋼材1と同一材質の鋼で製作される。なお、この2つの電極の形状は、図2では2つの独立した円盤形状として示されているが、この形状は円形状に限定されるものではない。例えば単一の円形状電極を2つに分割してその間に絶縁材を設け、2つに分割した各電極をそれぞれ第1電極、第2電極として使用してもよい。
そして設置時に電解液の注入される電極室12内に設けられ、防食被覆鋼材1と同一材質の鋼で製作される第1電極61と第2電極62は、設置後に腐食が生じ、時間経過とともに腐食状態が進行する。この第1電極61と第2電極62の腐食状態は、実際に地中に埋設され電気防食の施されている防食被覆鋼材1の防食被覆重なり部の隙間17から水が流入し、内部の鋼に生ずる腐食状態と同一状態となるように(腐食状態をシミュレートするために)生成させるものである。
【0025】
参照電極63は、耐食性の強い材料、例えば鉛、亜鉛、白金、モリブデン、タングステン等で製作される。またこの形状は、図2では、第1電極61及び第2電極62を囲むリング状として示されているが、この形状はリング状に限定されるものではない。なお、この参照電極63は、図5と同様に、防食電位を計測する際の参照電極として用いられるものであるので、水の注入される電極室12に設置されても長期間腐食しない材料で製作される。
この電極室12内に設けられ、電解液が注入されると腐食が生じる第1電極61又は第2電極62と、電解液が注入されても腐食が生じない参照電極63とを用いて、防食電位を測定することにより、防食被覆鋼材1の防食被覆重なり部隙間内に水が入り、内部の鋼に腐食が生じた場合にも、この腐食状態をシミュレートした防食電位の測定が可能となった。さらに参照電極63を第1電極61及び第2電極62と共に電極室12内に配設することにより、この防食監視用電極6の埋設時に、参照電極63は防食被覆鋼材1の近傍に設置されるから、防食電位計測時に、防食被覆鋼材1への防食電流と土壌抵抗によるIR損を含まない真の電位計測を行うことができる。
また第1電極61、第2電極62及び参照電極63と外部接続ケーブルとの結合部には、エポキシ樹脂等を充填して絶縁性を確保するようにしている。
【0026】
図1においては、従来の防食電位計測のほかに、地中埋設環境の電気抵抗や防食被覆剥離部内部の腐食速度も計測可能であるが、計測の時間的順序に従い、防食電位計測から説明する。
図1において、通常状態(非測定時)においては、第1電極61と第2電極62は、それぞれスイッチ7Aの常時閉回路及び電流計8を介して防食被覆鋼材1に短絡されている。また耐食性の強い材料で製作された参照電極63は、防食被覆鋼材1の近傍に設置されている。
この状態から計測時に、スイッチ7Aの回路を開として短絡状態を切り、この開放状態になった瞬間(100ms以内)における第1電極61又は第2電極62のいずれか一方の電極(図1では第1電極61)と参照電極63との間の電位差を測定し、これを防食被覆重なり部の隙間17のある防食被覆鋼材1の防食電位として求める。
【0027】
そしてスイッチ7Aが回路を開として防食電位の測定が終了すると、直ちにスイッチ7Bが回路を閉として、第1電極61と第2電極62を交流インピーダンス測定器20の2つの入力端に接続する。
図3は交流インピーダンス測定器を用いた腐食系の腐食特性の測定法を説明する図であり、図の(a)は腐食測定系を、(b)は腐食系の等価回路を示している。
多くの腐食系では、その等価回路を図3の(b)のように単純化できることが知られている。すなわち界面容量(又は電気二重層容量)Cdlと腐食抵抗Rcor との並列回路と、環境の電気抵抗Rsolとの直列結合回路が等価回路となる。
【0028】
そしてこの腐食抵抗Rcorが腐食速度Icorと反比例し、次式(1)が成立することが知られている。
Icor=K/Rcor ……(1)
ここでKは、材料と環境に依存する常数であり、それぞれの腐食系につき実験等で求めたKが判っているれば、腐食抵抗Rcor を求め、式(1)より腐食速度Icorを計算できる。
【0029】
一方、図3の(b)等価回路のインピーダンスZc、その実数成分Re[Zc] 及び虚数成分Im[Zc]は、それぞれ次式(2)、(3)、(4)であらわすことができる。
Zc=Rsol+{Rcor/(1+jω・Cdl・Rcor)} …(2)
Re[Zc]=Rsol+{Rcor/(1+ω・Cdl・Rcor)} …(3)
Im[Zc]=(ω・Cdl・Rcor)/(1+ω・Cdl・Rcor)}…(4)
なお、ここで、ω=2πf、fは測定周波数である。
【0030】
そして、図3の(a)のように、腐食系20に設けられた2つの測定電極19a、19b間に交流電源18より高周波電圧Vhと低周波電圧Vlを順番に加える。
【0031】
いま、高周波電圧として、例えば周波数10kHzの交流電圧を用いると、ωはほぼ無限大とみなせるので、Zc=Rsolとなり、環境の電気抵抗Rsol が求められる。
また低周波電圧として、例えば周波数10mHzの交流電圧を用いると、ωがほぼ零とみなせるので、Zc =Rsol+Rcor(すなわちIm[Zc]≒0)となる。
しかし、すべての系でω→0で、Zc=Rsol+Rcorとなるとは限らないので、この場合にはデジタルフーリエ積分法(DFI法)を用いて式(2)の演算を行う。
そして低周波電圧で求めた環境の電気抵抗Rsolと腐食抵抗Rcorの和から前記高周波電圧で求めたRsolを減ずれば、腐食抵抗Rcorが求められる。
【0032】
図1の交流インピーダンス測定器20は、スイッチ7Bの閉回路により2つの入力端が第1電極61と第2電極62に接続されると(この時点でスイッチ7Aは開回路になり開放状態になっている)、図3で説明したように、まず、第1電極61と第2電極62との間に高周波電圧(例えば10kHz)を印加して前記両電極間のインピーダンスを測定し、前記インピーダンスの測定値より地中埋設環境の電気抵抗Rsol を求め、次に、前記第1電極61と第2電極62との間に低周波電圧(例えば10mHz)を印加して前記両電極間のインピーダンスを測定し、前記インピーダンスの測定値より地中埋設環境の電気抵抗Rsol と鋼の腐食抵抗Rcorとの和を求め、この和から前記電気抵抗Rsolを減算して鋼の腐食抵抗Rcor を求める。そしてあらかじめ実験等で求めておいたKを用いて式(1)より鋼の腐食速度Icor を算出する。
【0033】
なお、これらの計測は、前記説明のように実際に地中に埋設された防食被覆鋼材1の防食被覆剥離内部の腐食特性をシミュレートした防食監視用電極6を用いて行われるものではあるが、実際の腐食特性に近い値が得られることから、防食被覆鋼材の防食管理法として有効な方式であると考える。
すなわち一定期間毎に、上記の計測を行い、前回の計測値と今回の計測値とを比較することにより腐食状態の経時変化を知ることができる。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、地中に埋設され陰極防食の施されている防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間における腐食特性を測定する方法及び装置において、前記防食被覆重なり部の隙間をシミュレートし、電気抵抗値が前記隙間の電気抵抗値と同一になるような穴径にした穴を有する有底筒状部材であって、該有底筒状部材の前記穴の内部に第1電極及び第2電極を配設した防食監視用電極を前記防食被覆鋼材の近傍に埋設し、非測定時には前記第1電極及び第2電極を防食被覆鋼材に短絡させておき、測定時には前記短絡状態を開放状態にするとともに、前記第1電極と第2電極との間に高周波電圧を印加して前記両電極間のインピーダンスを測定し、該インピーダンスの測定値より地中埋設環境の電気抵抗を求めるようにしたので、想定された防食被覆重なり部の隙間の地中埋設環境における電気抵抗を地上から測定することができる。
【0035】
また本発明によれば、地中に埋設され陰極防食の施されている防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間における腐食特性を測定する方法及び装置において、前記防食被覆重なり部の隙間をシミュレートし、電気抵抗値が前記隙間の電気抵抗値と同一になるような穴径にした穴を有する有底筒状部材であって、該有底筒状部材の前記穴の内部に第1電極及び第2電極を配設した防食監視用電極を前記防食被覆鋼材の近傍に埋設し、非測定時には前記第1電極及び第2電極を防食被覆鋼材に短絡させておき、測定時には前記短絡状態を開放状態して、まず、前記第1電極と第2電極との間に高周波電圧を印加して前記両電極間のインピーダンスを測定し、該インピーダンスの測定値より地中埋設環境の電気抵抗を求め、次に、前記第1電極と第2電極との間に低周波電圧を印加して前記両電極間のインピーダンスを測定し、該インピーダンスの測定値より地中埋設環境の電気抵抗と鋼の腐食抵抗との和を求め、該和から前記電気抵抗を減算して求めた鋼の腐食抵抗より鋼の腐食速度を算出するようにしたので、想定された防食被覆重なり部の隙間の地中埋設環境における電気抵抗と、隙間内部の鋼の腐食速度を地上から測定することができる。
【0036】
また本発明によれば、地中に埋設され陰極防食の施されている防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間における腐食特性を測定する方法及び装置において、前記防食被覆重なり部の隙間をシミュレートし、電気抵抗値が前記隙間の電気抵抗値と同一になるような穴径にした穴を有する有底筒状部材であって、該有底筒状部材の前記穴の内部に第1電極、第2電極及び参照電極を配設した防食監視用電極を前記防食被覆鋼材の近傍に埋設し、非測定時には前記第1電極及び第2電極を防食被覆鋼材に短絡させておき、測定時には前記短絡状態を開放状態にして、まず、前記開放状態になった瞬間における前記第1電極又は第2電極のいずれか一方の電極の前記参照電極に対する電圧値を測定してこれを前記防食被覆鋼材の防食電位として求め、次に、前記第1電極と第2電極との間に高周波電圧を印加して前記両電極間のインピーダンスを測定し、該インピーダンスの測定値より地中埋設環境の電気抵抗を求め、次に、前記第1電極と第2電極との間に低周波電圧を印加して前記両電極間のインピーダンスを測定し、該インピーダンスの測定値より地中埋設環境の電気抵抗と鋼の腐食抵抗との和を求め、該和から前記電気抵抗を減算して求めた鋼の腐食抵抗より鋼の腐食速度を算出するようにしたので、従来は測定できないような防食被覆鋼材の防食被覆重なり部に隙間が生じた場合の防食電位を測定できると共に、想定された防食被覆重なり部の隙間の地中埋設環境における電気抵抗及び隙間内部の鋼の腐食速度を地上から測定することができ、有効な防食管理が可能となる。
【0037】
また本発明よれば、地中に埋設され陰極防食の施されている防食被覆鋼材の防食監視用電極として、防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間をシミュレートし、電気抵抗値が前記隙間の電気抵抗値と同一になるような穴径にした穴を有する筒状部材で、内部に電極室が設けられ、該筒状部材の一端は地中の土壌と通電可能となるように、またその他端は前記電極室と直結され、前記電極室は、所定容量の電解液の充填可能な空間を有する中空部材で、該中空部材の内部に第1電極及び第2電極が配設されて構成されるようにしたので、この防食監視用電極を地中の防食被覆鋼材の近傍に設置し、第1電極及び第2電極間に交流インピーダンス測定手段を接続し、想定された防食被覆重なり部の隙間の地中埋設環境における電気抵抗及び隙間内部の鋼の腐食速度を地上から測定することが可能となる。
【0038】
また本発明によれば、地中に埋設され陰極防食の施されている防食被覆鋼材の防食監視用電極として、防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間をシミュレートし、電気抵抗値が前記隙間の電気抵抗値と同一になるような穴径にした穴を有する筒状部材で、内部に電極室が設けられ、該筒状部材の一端は地中の土壌と通電可能となるように、またその他端は前記電極室と直結され、前記電極室は、所定容量の電解液の充填可能な空間を有する中空部材で、該中空部材の内部に第1電極、第2電極及び参照電極が配設されて構成されるようにしたので、この防食監視用電極を地中の防食被覆鋼材の近傍に設置し、第1電極又は第2電極のいずれか一方の電極と参照電極とを用いて防食被覆鋼材の防食被覆重なり部に隙間が生じた場合の防食電位を測定することができると共に、第1電極及び第2電極間に交流インピーダンス測定手段を接続し、想定された防食被覆重なり部の隙間の地中埋設環境における電気抵抗及び隙間内部の鋼の腐食速度を地上から測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る防食被覆剥離内部の腐食特性測定装置を示す図である。
【図2】図1の防食監視用電極の構成を示す図である。
【図3】交流インピーダンス測定器を用いた腐食系の腐食特性の測定法を説明する図である。
【図4】陰極防食の2方式を説明する図である。
【図5】従来の防食電位測定方法を説明する図である。
【図6】防食被覆鋼材の欠陥の種類を説明する図である。
【符号の説明】
1 防食被覆鋼材
2 対極又は犠牲陽極
3 直流電源又は出力調整器
4 疑似部材
5 参照電極
6 防食監視用電極
7A、7B スイッチ
8 電流計
9 電圧計
10 隙間形状抵抗調節部
11 開口部
12 電極室
13 鋼材露出部
14 鋼材
15 防食被覆
17 防食被覆重なり部の隙間
18 交流電源
19a、19b 測定電極
20 腐食系
61 第1電極
62 第2電極
63 参照電極

Claims (8)

  1. 地中に埋設され陰極防食の施されている防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間における腐食特性を測定する方法において、
    前記防食被覆重なり部の隙間をシミュレートし、電気抵抗値が前記隙間の電気抵抗値と同一になるような穴径にした穴を有する有底筒状部材であって、該有底筒状部材の前記穴の内部に第1電極及び第2電極を配設した防食監視用電極を前記防食被覆鋼材の近傍に埋設し、
    非測定時には前記第1電極及び第2電極を防食被覆鋼材に短絡させておき、測定時には前記短絡状態を開放状態にするとともに、前記第1電極と第2電極との間に高周波電圧を印加して前記両電極間のインピーダンスを測定し、該インピーダンスの測定値より地中埋設環境の電気抵抗を求めることを特徴とする防食被覆剥離内部の腐食特性測定方法。
  2. 地中に埋設され陰極防食の施されている防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間における腐食特性を測定する方法において、
    前記防食被覆重なり部の隙間をシミュレートし、電気抵抗値が前記隙間の電気抵抗値と同一になるような穴径にした穴を有する有底筒状部材であって、該有底筒状部材の前記穴の内部に第1電極及び第2電極を配設した防食監視用電極を前記防食被覆鋼材の近傍に埋設し、
    非測定時には前記第1電極及び第2電極を防食被覆鋼材に短絡させておき、測定時には前記短絡状態を開放状態して、
    まず、前記第1電極と第2電極との間に高周波電圧を印加して前記両電極間のインピーダンスを測定し、該インピーダンスの測定値より地中埋設環境の電気抵抗を求め、
    次に、前記第1電極と第2電極との間に低周波電圧を印加して前記両電極間のインピーダンスを測定し、該インピーダンスの測定値より地中埋設環境の電気抵抗と鋼の腐食抵抗との和を求め、該和から前記電気抵抗を減算して求めた鋼の腐食抵抗より鋼の腐食速度を算出することを特徴とする防食被覆剥離内部の腐食特性測定方法。
  3. 地中に埋設され陰極防食の施されている防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間における腐食特性を測定する方法において、
    前記防食被覆重なり部の隙間をシミュレートし、電気抵抗値が前記隙間の電気抵抗値と同一になるような穴径にした穴を有する有底筒状部材であって、該有底筒状部材の前記穴の内部に第1電極、第2電極及び参照電極を配設した防食監視用電極を前記防食被覆鋼材の近傍に埋設し、
    非測定時には前記第1電極及び第2電極を防食被覆鋼材に短絡させておき、測定時には前記短絡状態を開放状態にして、
    まず、前記開放状態になった瞬間における前記第1電極又は第2電極のいずれか一方の電極の前記参照電極に対する電圧値を測定してこれを前記防食被覆鋼材の防食電位として求め、
    次に、前記第1電極と第2電極との間に高周波電圧を印加して前記両電極間のインピーダンスを測定し、該インピーダンスの測定値より地中埋設環境の電気抵抗を求め、
    次に、前記第1電極と第2電極との間に低周波電圧を印加して前記両電極間のインピーダンスを測定し、該インピーダンスの測定値より地中埋設環境の電気抵抗と鋼の腐食抵抗との和を求め、該和から前記電気抵抗を減算して求めた鋼の腐食抵抗より鋼の腐食速度を算出することを特徴とする防食被覆剥離内部の腐食特性測定方法。
  4. 地中に埋設され陰極防食の施されている防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間における腐食特性を測定する装置において、
    前記地中の防食被覆鋼材の近傍に設けられる、前記防食被覆重なり部の隙間をシミュレートし、電気抵抗値が前記隙間の電気抵抗値と同一になるような穴径にした穴を有する有底筒状部材であって、該有底筒状部材の前記穴の内部に第1電極及び第2電極を配設した防食監視用電極と、
    非測定時には前記第1電極及び第2電極を防食被覆鋼材に短絡させておき、測定時には前記短絡状態を開放状態にするとともに、前記第1電極及び第2電極をそれぞれ交流インピーダンス測定手段の両入力端に接続する回路開閉手段と、
    前記回路開閉手段により接続された前記第1電極と第2電極との間に高周波電圧を印加して前記両電極間のインピーダンスを測定し、該インピーダンスの測定値より地中埋設環境の電気抵抗を求める交流インピーダンス測定手段とを備えたことを特徴とする防食被覆剥離内部の腐食特性測定装置。
  5. 地中に埋設され陰極防食の施されている防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間における腐食特性を測定する装置において、
    前記地中の防食被覆鋼材の近傍に設けられる、前記防食被覆重なり部の隙間をシミュレートし、電気抵抗値が前記隙間の電気抵抗値と同一になるような穴径にした穴を有する有底筒状部材であって、該有底筒状部材の前記穴の内部に第1電極及び第2電極を配設した防食監視用電極と、
    非測定時には前記第1電極及び第2電極を防食被覆鋼材に短絡させておき、測定時には前記短絡状態を開放状態にするとともに、前記第1電極及び第2電極をそれぞれ交流インピーダンス測定手段の両入力端に接続する回路開閉手段と、
    前記回路開閉手段により接続された前記第1電極と第2電極との間に、まず、高周波電圧を印加して前記両電極間のインピーダンスを測定し、該インピーダンスの測定値より地中埋設環境の電気抵抗を求め、次に、前記第1電極と第2電極との間に低周波電圧を印加して前記両電極間のインピーダンスを測定し、該インピーダンスの測定値より地中埋設環境の電気抵抗と鋼の腐食抵抗との和を求め、該和から前記電気抵抗を減算して求めた鋼の腐食抵抗より鋼の腐食速度を算出する交流インピーダンス測定手段とを備えたことを特徴とする防食被覆剥離内部の腐食特性測定装置。
  6. 地中に埋設され陰極防食の施されている防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間における腐食特性を測定する装置において、
    前記地中の防食被覆鋼材の近傍に設けられる、前記防食被覆重なり部の隙間をシミュレートし、電気抵抗値が前記隙間の電気抵抗値と同一になるような穴径にした穴を有する有底筒状部材であって、該有底筒状部材の前記穴の内部に第1電極、第2電極及び参照電極を配設した防食監視用電極と、
    非測定時には前記第1電極及び第2電極を防食被覆鋼材に短絡させておき、測定時には前記短絡状態を開放状態にする第1の回路開閉手段と、
    前記第1の回路開閉手段による前記開放状態になった瞬間における前記第1電極又は第2電極のいずれか一方の電極の前記参照電極に対する電圧値を測定してこれを前記防食被覆鋼材の防食電位として求める防食電位測定手段と、
    前記防食電位測定手段の測定終了後に、前記第1電極及び第2電極をそれぞれ交流インピーダンス測定手段の両入力端に接続する第2の回路開閉手段と、
    前記第2の回路開閉手段により接続された前記第1電極と第2電極との間に、まず、高周波電圧を印加して前記両電極間のインピーダンスを測定し、該インピーダンスの測定値より地中埋設環境の電気抵抗を求め、次に、前記第1電極と第2電極との間に低周波電圧を印加して前記両電極間のインピーダンスを測定し、該インピーダンスの測定値より地中埋設環境の電気抵抗と鋼の腐食抵抗との和を求め、該和から前記電気抵抗を減算して求めた鋼の腐食抵抗より鋼の腐食速度を算出する交流インピーダンス測定手段とを備えたことを特徴とする防食被覆剥離内部の腐食特性測定装置。
  7. 地中に埋設され陰極防食の施されている防食被覆鋼材の防食監視用電極であって、
    防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間をシミュレートし、電気抵抗値が前記隙間の電気抵抗値と同一になるような穴径にした穴を有する筒状部材で、内部に電極室が設けられ、該筒状部材の一端は地中の土壌と通電可能となるように、またその他端は前記電極室と直結され、前記電極室は、所定容量の電解液の充填可能な空間を有する中空部材で、該中空部材の内部に第1電極及び第2電極が配設されて構成されることを特徴とする防食監視用電極。
  8. 地中に埋設され陰極防食の施されている防食被覆鋼材の防食監視用電極であって、
    防食被覆鋼材の防食被覆重なり部の隙間をシミュレートし、電気抵抗値が前記隙間の電気抵抗値と同一になるような穴径にした穴を有する筒状部材で、内部に電極室が設けられ、該筒状部材の一端は地中の土壌と通電可能となるように、またその他端は前記電極室と直結され、前記電極室は、所定容量の電解液の充填可能な空間を有する中空部材で、該中空部材の内部に第1電極、第2電極及び参照電極が配設されて構成されることを特徴とする防食監視用電極。
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