JP3606061B2 - エンジン冷却水通路成形方法 - Google Patents
エンジン冷却水通路成形方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3606061B2 JP3606061B2 JP27665498A JP27665498A JP3606061B2 JP 3606061 B2 JP3606061 B2 JP 3606061B2 JP 27665498 A JP27665498 A JP 27665498A JP 27665498 A JP27665498 A JP 27665498A JP 3606061 B2 JP3606061 B2 JP 3606061B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cooling water
- cylinder
- outer peripheral
- peripheral surface
- water jacket
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水冷エンジンにおける冷却水通路構造、特に、冷却水によるエンジンの冷却性能を高めるエンジン冷却水通路を成形するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷却水によるエンジンの冷却性能を高めるため、実開昭64−32446号公報に示されているように、水冷エンジンのシリンダ外周面からウォータジャケット内へ複数のフィンが張り出して、ウォータジャケット内における冷却水の流れを区分し、シリンダと冷却水との接触面積を増大させる技術が従来から知られているが、この場合には、シリンダ外周面に対向するウォータジャケット壁面にまで上記各フィンが延びているので、ウォータジャケット内の冷却水が比較的高温のシリンダヘッド側へ向かって流れることは各フィンにより完全に制約され、従って、冷却水によるシリンダ外周面やシリンダヘッドの冷却が常に良好であるとは限らなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、冷却水によるエンジンの冷却性能が向上する冷却水通路を簡単に成形させようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明にかかるエンジン冷却水通路成形方法は、シリンダブロックに形成されて冷却水を上記シリンダブロックの一端側から他端側に向かって導く冷却水ジャケットと、シリンダ外周面から上記冷却水ジャケット内へ突出するフィンとをそなえ、上記シリンダ外周面に対向する上記冷却水ジャケットの壁面と上記フィンの先端との間、または、上記フィン自体に、上記フィンの両面側に連通する冷却水通路が形成されたエンジン冷却水通路構造において、環状プレートのフランジ外周側端縁が砂型に埋め込まれると共に、上記環状プレートのフランジ内周側端縁が上記砂型から上記シリンダ外周面と直交する内側方向へ環状に突出した中子を使用して、上記冷却水ジャケットを成形している。
【0005】
すなわち、シリンダ外周面から冷却水ジャケット内へフィンが突出していて、シリンダブロックの一端側から他端側に向かって導かれる冷却水とシリンダ外周面との接触面積が増大させられているため、シリンダ外周面から冷却水への伝熱作用が高められて、冷却水によるエンジンの冷却特性が改善されている一方、シリンダ外周面に対向する冷却水ジャケットの壁面とフィンの先端との間、または、フィン自体に、フィンの両面側に連通する冷却水通路が形成されているので、この冷却水通路によって冷却水ジャケット内の冷却水が比較的高温のシリンダヘッド側へ向かって自由に流れることが可能となり、従って、シリンダ外周面やシリンダヘッドを冷却水によって常に良好に冷却させることができるようになると共に、フランジ外周側端縁が砂型に埋め込まれた環状プレートの内周側端縁が上記砂型からシリンダ外周面と直交する内側方向へ環状に突出した中子を使用して、シリンダブロックの冷却水ジャケットを成形しているため、冷却水ジャケット内にフィンを簡単に形成できることとなる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す本発明の各実施形態例について、同等部分にはそれぞれ同一符号を付けて説明する。
図1及び図2において、車両に搭載された水冷式直列4シリンダエンジン1はシリンダブロック2及びシリンダヘッド3をそなえ、シリンダブロック2には、シリンダヘッド3に隣接してその長手方向に延びる冷却水ジャケット4、4が一体成形されており、この場合、冷却水ジャケット4、4は比較的浅く、例えば、図示しないピストンの下死点時におけるピストンリングの位置より上方に冷却水ジャケット4、4の下端が配置されるように形成されている。
【0007】
また、冷却水ジャケット4、4の長手方向に適宜間隔をおいてシリンダブロック2に形成された多数の連通路5により、シリンダヘッド3に一体成形されてその長手方向に延びる図示しない冷却水ジャケットと冷却水ジャケット4、4とがそれぞれ連通されていると共に、シリンダブロック2の前面に冷却水ポンプ6が配設されている。
【0008】
さらに、シリンダ外周面7から冷却水ジャケット4、4内へフィン8が突出し、シリンダ外周面7に対向する冷却水ジャケット4、4の壁面9とフィン8の先端との間には、フィン8の上下両面側に連通する冷却水通路10が形成されている。
【0009】
ここで、上記フィン8の製作法について説明する。
図3及び図4はシリンダブロック2における冷却水ジャケット4、4を造型するための中子20を示し、中子20は、4個の環状部21が眼鏡状に1列に連なった鋼板製プレート22の環状フランジのうち、外周側端縁23が砂型24に埋め込まれ、内周側端縁25が砂型24から環状に突出した形状をしており、中子20を使用してシリンダブロック2を鋳造し、シリンダブロック2から砂型24が除去されると、プレート22のフランジ内周側端縁25がシリンダブロック2のシリンダ外周面7内に鋳込まれる一方、砂型24に埋め込まれていたプレート22のフランジ外周側端縁23がシリンダ外周面7から冷却水ジャケット4、4内へ突出するフィン8を形成することとなり、冷却水ジャケット4、4内にフィン8をきわめて簡単に成形させることができる。
【0010】
エンジン1においては、図2に矢印で示されているように、エンジン稼動時に冷却水ポンプ6から吐出された冷却水は、シリンダブロック2の冷却水ジャケット4、4内をその長手方向に沿ってシリンダブロック2の後面側へ流れると同時に、各連通路5を通ってシリンダヘッド3の冷却水ジャケット内へ流入し、さらに、この冷却水ジャケット内をその長手方向に沿ってシリンダヘッド3の後面側へ流れ、冷却水ポンプ6の吸入口へ戻されて冷却水ジャケット4、4等を循環する。
【0011】
このとき、シリンダ外周面7から冷却水ジャケット4、4内へフィン8が突出していて、冷却水ジャケット4、4内を流れる冷却水とシリンダ外周面7との接触面積が増大させられているため、シリンダ外周面7から冷却水への伝熱作用が高められて、冷却水によりシリンダブロック2を効果的に冷却することができる。
【0012】
他方、シリンダ外周面7に対向する冷却水ジャケット4、4の壁面9とフィン8の先端との間に冷却水通路10が形成されていて、フィン8の上下両面側が冷却水通路10により連通しているので、冷却水ジャケット4、4内の冷却水が冷却水通路10を通り、比較的高温のシリンダヘッド3側へ向かって自由に流れることが可能となり、従って、この冷却水の流れによってもシリンダ外周面7やシリンダヘッド3を常に良好に冷却させることができるようになる。
【0013】
また、冷却水ジャケット4、4が比較的浅く形成されて、冷却水ジャケット4、4を循環する冷却水量が比較的少ないため、この面からもエンジン1の冷態始動時における暖機の促進を助長できると同時に、エンジン1の軽量化を図ることができる一方、冷却水の温度上昇が早められて、冷却水温で制御される点火時期や燃料噴射量の応答遅れをも解消することができる。
【0014】
図5及び図6に示された実施形態例においては、上記実施形態例の場合と同様に、シリンダブロック2の冷却水ジャケット4、4内へフィン8が突出しているが、冷却水ポンプ6の吐出口に面する冷却水ジャケット4、4の入口30では、仮想線の2点鎖線で示すようにフィン8が切除されており、このため、冷却水ポンプ6の吐出口から入口30を通って冷却水ジャケット4、4へ流入する冷却水の流れは、フィン8により阻害されることがないので、上記実施形態例と同等の作用効果を奏することができると共に、冷却水によりシリンダブロック2及びシリンダヘッド3を一層効果的に冷却させることができる利点がある。
【0015】
なお、上記各実施形態例では、シリンダ外周面から冷却水ジャケット内へフィンが突出して、シリンダ外周面に対向する冷却水ジャケットの壁面とフィンの先端との間に冷却水通路が形成されているが、前記従来技術におけるフィン自体に、そのフィンの両面側に連通する孔部を形成させて、この孔部により冷却水ジャケット内の冷却水がシリンダヘッド側へ自由に流通できるように構成しても、上記各実施形態例と同等の作用効果を奏することができるのはいうまでもない。
【0016】
【発明の効果】
本発明にかかるエンジン冷却水通路成形方法によれば、シリンダ外周面から冷却水ジャケット内へ突出したフィンにより、冷却水ジャケット内の冷却水とシリンダ外周面との接触面積が増大させられて冷却水によるエンジンの冷却特性が改善されていると共に、冷却水ジャケット内に形成された冷却水通路により冷却水ジャケット内の冷却水が比較的高温のシリンダヘッド側へ向かって自由に流れることが可能となるので、シリンダ外周面やシリンダヘッドを冷却水によって常に良好に冷却させることができるエンジン冷却水通路構造において、フランジ外周側端縁が砂型に埋め込まれた環状プレートの内周側端縁が上記砂型からシリンダ外周面と直交する内側方向へ環状に突出した中子を使用して、シリンダブロックの冷却水ジャケットを成形するため、冷却水ジャケット内にフィンをきわめて簡単に成形させることができる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例における縦断面図。
【図2】上記実施形態例における冷却水ジャケットの斜視図
【図3】上記実施形態例に対する中子の上面図。
【図4】図3のIV−IV縦断面拡大図。
【図5】本発明の他の実施形態例における要部横断面図。
【図6】図5のVI−VI矢視縦断面図。
【符号の説明】
1 エンジン
2 シリンダブロック
3 シリンダヘッド
4 冷却水ジャケット
6 冷却水ポンプ
7 シリンダ外周面
8 フィン
10 冷却水通路
30 冷却水ジャケット入口
Claims (1)
- シリンダブロックに形成されて冷却水を上記シリンダブロックの一端側から他端側に向かって導く冷却水ジャケットと、シリンダ外周面から上記冷却水ジャケット内へ突出するフィンとをそなえ、上記シリンダ外周面に対向する上記冷却水ジャケットの壁面と上記フィンの先端との間、または、上記フィン自体に、上記フィンの両面側に連通する冷却水通路が形成されたエンジン冷却水通路構造において、環状プレートのフランジ外周側端縁が砂型に埋め込まれると共に、上記環状プレートのフランジ内周側端縁が上記砂型から上記シリンダ外周面と直交する内側方向へ環状に突出した中子を使用して、上記冷却水ジャケットを成形するエンジン冷却水通路成形方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27665498A JP3606061B2 (ja) | 1998-09-11 | 1998-09-11 | エンジン冷却水通路成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27665498A JP3606061B2 (ja) | 1998-09-11 | 1998-09-11 | エンジン冷却水通路成形方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000087742A JP2000087742A (ja) | 2000-03-28 |
JP3606061B2 true JP3606061B2 (ja) | 2005-01-05 |
Family
ID=17572475
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27665498A Expired - Fee Related JP3606061B2 (ja) | 1998-09-11 | 1998-09-11 | エンジン冷却水通路成形方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3606061B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102966456B (zh) * | 2012-11-23 | 2016-06-01 | 江阴市曾氏动力机械科技有限公司 | 双冷柴油机 |
-
1998
- 1998-09-11 JP JP27665498A patent/JP3606061B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000087742A (ja) | 2000-03-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3977708B2 (ja) | ガスタービンブレード用の冷却回路 | |
US4083333A (en) | Cylinder head construction for an internal combustion engine | |
US20160186641A1 (en) | Cooling structure of internal combustion engine | |
JP4395002B2 (ja) | シリンダブロックの冷却構造 | |
US5868106A (en) | Cylinderhead of a multicylinder internal combustion engine | |
EP0693619B1 (en) | Cylinder head of engine | |
JPS61268849A (ja) | 内燃機関のシリンダヘツドの冷却水通路構造 | |
CN212079470U (zh) | 一种发动机缸体水套及发动机冷却系统 | |
JP3417832B2 (ja) | 内燃機関の冷却構造 | |
JP3606061B2 (ja) | エンジン冷却水通路成形方法 | |
JP7112158B2 (ja) | エンジン | |
JP4250723B2 (ja) | シリンダヘッドの冷却水通路構造及び製造方法 | |
JPS5833249Y2 (ja) | 内燃機関の冷却構造 | |
JP3885260B2 (ja) | エンジンの冷却装置 | |
JPH08296494A (ja) | シリンダブロックの冷却装置 | |
JP2914124B2 (ja) | 内燃機関のウォータジャケット構造 | |
JPH0234447Y2 (ja) | ||
CN216111027U (zh) | 发动机缸体、砂芯、发动机和车辆 | |
JP3535324B2 (ja) | シリンダヘッド構造 | |
JP2004218593A (ja) | シリンダヘッド構造 | |
CN218439551U (zh) | 缸盖 | |
JPH073000Y2 (ja) | 内燃機関のシリンダブロック | |
JPH1172041A (ja) | シリンダヘッドの構造及びその製造方法 | |
JP7182364B2 (ja) | エンジン | |
JPS6221975B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040218 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040302 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040402 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040706 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040723 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20040820 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040914 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040927 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |