JP3605820B2 - ダストモニタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気体に含まれるダスト量の変化を検出するダストモニタに関し、ダストモニタを構成するフローブに流速測定手段を付加したダストモニタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば火力発電所の煙道(煙突)や、セメント工場の集塵装置,粉体の移送装置等におけるダスト(粒子)の量を測定する手段として従来は光学式のものが用いられている。しかし光学式では透明窓を介して光の授受を行っているので窓の透明性を保つためのメンテナンス周期が短い等で問題があった。
【0003】
近年これに変わるものとして気体(空気)の流路に導電性を有するプローブを差し込んで、気体に含まれる粒子(ダスト)がプローブに衝突して生じる静電気を検出する方式が開発され、図6に示すようなプローブ1,変換器2からなるダストモニタ10が市販されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような、プローブ式では測定条件として一定の流速が必要であり、また、流速の変化に応じた出力補正が必要である。そのため、図6に示すように流路11に取付けたダストモニタ10の近傍(上流若しくは下流)に流速計2を設け、この流速計12の出力によりダストモニタ10の出力補正を行っていた。
ていた。
【0005】
しかしながら流速計を別に設けるのは流速計の購入や設置工数でコスト高となり、また、設置場所も考慮しなければならない等の問題があった。
また、プローブを例えば煙道等に設置する場合には高温、酸化雰囲気となるため導電性と共に耐酸化性も必要とされ、プローブの材質として高価な超合金、ハステロイ、インコネル等の特殊金属を用いる必要があった。
【0006】
更に垂直の煙道に対して水平にプローブを取付ける場合には、気体の温度が高い(数百度)と熱と自重による永久変形が生じダストモニタの取外しができなくなったり出力に誤差が発生するという問題があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので流速計の別設置によるコスト高を押えるとともに、高温気体中にプローブを水平に取付けたときの測定誤差を低減したダストモニタを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために本発明では、請求項1においては、流路を流れる気体中にプローブを挿入し、気体に含まれるダストが前記プローブの表面に衝突することによって生ずる摩擦電気を検出して気体中のダストの濃度変化を感知するダストモニタにおいて、前記プローブにカルマン渦によって生ずるプローブの撓みを検出する歪検出素子を設け、前記歪検出素子からの信号に基づいて前記気体の流速を測定することを特徴とする。
【0008】
請求項2においては、請求項1記載のダストモニタにおいて、歪検出素子は検出プローブの根元に設けたことを特徴とする
請求項3においては、流路を流れる気体中にプローブを挿入し、気体に含まれるダストが前記プローブの表面に衝突することによって生ずる摩擦電気を検出して気体中のダストの濃度変化を感知するダストモニタにおいて、前記プローブにカルマン渦によって生ずるプローブのまわりの圧力変化を検出する感圧素子又は圧力センサを設け、前記感圧素子又は圧力センサからの信号に基づいて前記気体の流速を測定することを特徴とする。
【0009】
請求項4においては、請求項に記載のダストモニタにおいて、前記圧力変化の検出は差圧の検出により行うことを特徴とする。
請求項5においては、請求項1又は3に記載のダストモニタにおいて、前記プローブとしてセラミックを用いたことを特徴とする。
【0010】
請求項6においては、請求項5に記載のダストモニタにおいて、前記プローブとして導電性セラミックを用いたことを特徴とする。
請求項7においては、請求項5に記載のダストモニタにおいて、前記プローブとして絶縁性セラミックを用い表面を導電性金属で被覆したことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いて本発明を詳しく説明する。
図1は本発明の請求項1〜3に係る実施の形態の1例を示すもので、ダストモニタのプローブ1が図示しない流路に挿入され、図の手前から後方に向かってダストを含む気体が流れているものとする。その場合、ダストモニタは仕様に従って気体に含まれるダストの量を測定している。同時にプローブの後方には気体の流速に応じたカルマン渦が生じており、プローブ1はカルマン渦によって生じる矢印Aで示す方向に交互に力を受けている。
【0013】
このプローブ1の根元付近には例えばストレンゲージや圧電セラミック等のひずみ検出素子3が取付けられており、カルマン渦により交互に生ずる力を電気信号に変換し周波数として出力する。
【0014】
周波数Fと流速Vには以下のような関係が成立することが知られている。
F=St・V/d St:ストローハル数(比例定数)
d:電極の直径
この周波数信号は公知の処理方法により処理されてダストモニタ出力の補正信号として用いられる。なお、ひずみ検出素子3は撓みの一番大きな根元付近に対向して設けるものとする。
【0015】
図2は本発明の請求項4〜6に係る実施の形態の1例を示すもので、ここでは図1に示すプローブの中ほどに例えば公知の感圧素子やダイアフラム式圧力センサ4,4aを設けている。なお、この例においても気体は手前から後方に向かって流れており、プローブの後方にカルマン渦が生じている。プローブ1はカルマン渦によって矢印Aで示す方向に交互に力を受けており、ここでは、周囲に発生する圧力を2つのセンサ4,4aにより差動的に検出している。
【0016】
この2つのセンサ4,4aにより得られる圧力に対応した信号は周波数信号に変換され上述と同様公知の処理方法により処理されてダストモニタ出力の補正信号として用いられる。
【0017】
図3は本発明の請求項に係る実施の形態の1例を示すもので、この例においてはプローブを例えば炭化珪素(SiC)等のような導電性セラミック1aで形成している。
【0018】
図4及び図5は本発明の請求項に係る実施の形態の1例を示すもので、図4に示すものは、プローブを絶縁性セラミック1bで形成し、その表面に蒸着などの方法により導電性金属1cを付着させたもの、図5に示すものはプローブを絶縁性セラミック1bで形成し、その上に導電性金属パイプ1dを被せたものである。
【0019】
図3〜図5に示すようにプローブ自身を導電性セラミックで作製したり、プローブの本体は絶縁性セラミックスで形成し、その上を金属で被覆することにより高温に強いプローブとなる。その結果、垂直な流路に水平に取付けたプローブが高温に晒されても自重による変形の生じにくいプローブを実現することができる。
【0020】
本発明の以上の説明は、説明および例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎない。したがって本発明はその本質から逸脱せずに多くの変更、変形をなし得ることは当業者に明らかである。特許請求の範囲の欄の記載により定義される本発明の範囲は、その範囲内の変更、変形を包含するものとする。
【0021】
以上説明したように本発明によれば、流路を流れる気体中にプローブを挿入し、気体に含まれるダストがプローブの表面に衝突することによって生ずる摩擦電気を検出して気体中のダストの濃度変化を感知するダストモニタにおいて、プローブにカルマン渦によって生ずるプローブの撓みを検出する歪検出素子を設けたり、プローブのまわりの圧力変化を検出する感圧素子又は圧力センサを設けたので、歪検出素子や感圧素子又は圧力センサからの信号に基づいて前記気体の流速を測定するので、流速計の購入や設置工数のコスト削減を図るできことができ、また、プローブの材質を導電性セラミックとしたり、プローブを絶縁性セラミックとしその上を導電性金属で被覆するようにしたので、例えば煙道等に水平に設置する場合に生じるプローブの変形を防止して測定誤差の少ないダストモニタを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダストモニタの実施の形態の一例を示す構成図である。
【図2】本発明に係る他の実施例を示す説明図である。
【図3】本発明に係る他の実施例を示す説明図である。
【図4】本発明に係る他の実施例を示す説明図である。
【図5】本発明に係る他の実施例を示す説明図である。
【図6】従来例を示す構成説明図である。
【符号の説明】
1 プローブ
2 変換器
3 感圧素子
4 圧力センサ
10 ダストモニタ
11 流路
12 流速計

Claims (7)

  1. 流路を流れる気体中にプローブを挿入し、気体に含まれるダストが前記プローブの表面に衝突することによって生ずる摩擦電気を検出して気体中のダストの濃度変化を感知するダストモニタにおいて、前記プローブにカルマン渦によって生ずるプローブの撓みを検出する歪検出素子を設け、前記歪検出素子からの信号に基づいて前記気体の流速を測定することを特徴とするダストモニタ。
  2. 歪検出素子は検出プローブの根元に設けたことを特徴とする請求項1記載のダストモニタ。
  3. 流路を流れる気体中にプローブを挿入し、気体に含まれるダストが前記プローブの表面に衝突することによって生ずる摩擦電気を検出して気体中のダストの濃度変化を感知するダストモニタにおいて、前記プローブにカルマン渦によって生ずるプローブのまわりの圧力変化を検出する感圧素子又は圧力センサを設け、前記感圧素子又は圧力センサからの信号に基づいて前記気体の流速を測定することを特徴とするダストモニタ。
  4. 前記圧力変化の検出は差圧の検出により行うことを特徴とする請求項3に記載のダストモニタ。
  5. 前記プローブとしてセラミックを用いたことを特徴とする請求項1又は3に記載のダストモニタ。
  6. 前記プローブとして導電性セラミックを用いたことを特徴とする請求項5に記載のダストモニタ。
  7. 前記プローブとして絶縁性セラミックを用い表面を導電性金属で被覆したことを特徴とする請求項5に記載のダストモニタ。
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