JP3605708B2 - 貯蔵米並びにその製造方法及びその装置 - Google Patents

貯蔵米並びにその製造方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、長期にわたり保存でき、水を付加して再加熱することにより風味のある米飯となる貯蔵米の製造方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の貯蔵飯の製造方法としては、例えば、▲1▼特公昭52−37055 号の貯蔵飯の製造方法や、▲2▼特公昭52−14300 号の冷蔵用米飯の製造方法などがある。
【0003】
これらの製造方法は、いずれも生米を一定時間水に浸して吸水させ、これに水を適量加えて所定時間加熱して米澱粉を充分にアルファー(α)化させて急速に冷却し、更に一旦凍結させてから0℃〜10℃で一定時間放置して貯蔵飯を得るものである。これら貯蔵飯は、一度米を普通に炊いた状態のものを冷却凍結するから、米の澱粉分子が水分子と結合して、それらを媒介にして互に連なった状態、すなわち、アルファー化状態から再び澱粉分子同士が寄り集まり束を作り、新しい澱粉分子の配列が生まれ、水分子が離れて、いわゆる離漿現象が生じている。このような澱粉分子の配列の変化を一般に老化と称し、澱粉分子がベータ(β)化したと呼んでいる。
【0004】
この場合のベータ化は、一度アルファー化した澱粉が加熱前の生米と全く同じ状態、すなわち、人間の消化酸素では消化出来ないベータ澱粉に戻ると言う意味ではなく、新しい澱粉分子の配列が生じていることを意味し、この再配列による澱粉分子は再加熱しても容易に炊きたてのようなアルファー化状態にもどり難いとされている。このため、上記の貯蔵飯は、一旦冷飯となったものを蒸気を当てたりして水分を補給しながら再加熱しても、炊きたてのごはんのような味を得ることが出来ないとの同様に、味が著しく低下する結果になる。
【0005】
上記事情から本出願人は、生米のベータ澱粉をアルファー化し冷却しても離漿現象が生じないで、澱粉分子と水分子とが結合してそれらを媒介にして互に連なっているアルファー化状態を保持するが、水分子が最低値となっているアルファー化処理米を得ることができる貯蔵米の製造方法(特開平1−304856号公報、特開平3−123456号公報)を提供している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本出願人による貯蔵米の製造方法は、長期にわたり保存でき、水を付加して再加熱することにより、炊きたてのごはんと同様な風味のある貯蔵米を容易に得ることが出来る点ですぐれている。しかし、本出願人の製造方法は、
▲1▼米を水にて洗浄するため、多量の水が必要になると共に、洗浄排水が多量に出るから、その洗浄排水処理が必要になる。
▲2▼また、洗米した米を2時間程度浸漬しなければならないから、それに見合う浸漬タンクが必要になり、その分の設置場所も必要であり、上記容量の浸漬タンクの設置工事も必要になって来る。
▲3▼生米蒸し工程で得た蒸し米を外気に触れないようにして素早く容器に移し、この容器を密封の収納庫内で減圧して真空冷却し蒸し米の温度を常温(20℃程度)にするものであるため、熱効率の面から連続蒸し機を使用する場合は、容器に蒸し米が所定量入るまで時間がかかり、この工程中にごみや細菌等が混入する虞があり、
▲4▼また冷却の終った蒸し米を容器と共に5℃程度の低温かつ無菌室に2日間ほど置いて熟成させるものであるため、広大な低温かつ無菌室が必要になり、
▲5▼また、熟成した蒸し米をほぐして計量し、袋詰めして製品化する必要があり、しかもこれらの作業中無菌状態を保持しなければならず、その管理は煩わしくかつ困難さが伴うものである。
【0007】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、水をほとんど使用することなく米を洗浄でき、浸漬タンクも必要とせず、衛生管理面が容易確実で、設置面積や設置工事も小規模であり、かつ装置構成が単純でイニシャルコスト、ランニングコスト共に低価となる貯蔵米の製造方法及びその装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本出願人は、長年、米特に粳米の工業的な(一度に大量の)炊飯方法について研究してきた。また、簡易な方法にて炊きあがりのごはんの味を出すことができる貯蔵米についても研究してきた。その結果、エアー及び蒸気にて洗浄した米に蒸気を供給したあと湯通しする加湿操作を少なくとも数回くり返し、米澱粉をアルファー化する過程で米の水分を35重量%程度にしたあと、常温まで急速に冷却し、無菌状態で24時間放置して中間処理米(米澱粉はほぼアルファー化されているが水分が不足している状態)にし、この中間処理米に、おいしいごはんであるといわれる水分55〜65重量%になるように水を加えて加熱し、上記水分を吸収させることによって、蒸しがいらず、しかも炊き上りのごはんと同じような味のごはんを得ることを知見し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、上記課題を解決するため次のようになされた。
【0009】
本発明の製造方法により得られる貯蔵米は、セイロ状容器内の米に蒸気を供給し蒸す過程で0〜100℃の水を供給する加湿操作を少なくとも2回以上くり返し、米澱粉をアルファー化する過程で米の水分を20重量%〜最大40重量%にしたあと、急速に常温(20℃程度)まで冷却し、無菌状態で少なくとも24時間放置してなるものであり、また、前記加湿操作の水は、カルシウム類、ビタミン類、色素類、香料類、酢類等の物質を含有するものであ
【0010】
本発明の貯蔵米の製造方法は、洗浄前の米を計量してセイロ状容器に入れ、該セイロ状容器の一方からエアー及び蒸気を吹き付けると共に他方から上記エアー及び蒸気を吸引することで米を洗浄し、前記セイロ状容器内の米に蒸気を供給し蒸す過程で0〜100 ℃の水を供給する加湿操作を少なくとも2回以上くり返し、米澱粉をアルファー化する過程で米の水分を20重量%〜最大40重量%にしたあと袋に入れ、袋を開放した状態で真空冷却して急速に常温にしたあと大気圧とし、前記袋を密封し常温にて少なくとも24時間放置してアルファー化した米澱粉を熟成させたものであり、
また、前記加湿操作の水は、カルシウム類、ビタミン類、色素類、香料類、酢類等の物質を含有するものであっても良い。
【0011】
本発明の貯蔵米の製造装置は、洗浄前の米を計量してセイロ状容器内に投入する米計量部と、前記セイロ状容器の一方からエアー及び蒸気を吹き付けると共に他方からエアー及び蒸気を吸引する米洗浄部と、前記セイロ状容器内の米に蒸気を供給する過程で0〜100 ℃の水を供給する加湿操作を少なくとも2回以上くり返し米澱粉をアルファー化する過程で米の水分を20重量%〜最大40重量%にする米加湿蒸し部と、前記セイロ状容器内の加湿蒸し米を袋にて受け入れ開封のまま真空冷却して急速に常温にしたあと大気圧とし袋を密封する真空冷却包装部と、を具備してなるものであり、
また、前記米加湿蒸し部は、その全体をカバーにて覆ったのが良く、
前記セイロ状容器はその容量が変更可能であるのが良い。
【0012】
また、貯蔵米の製造装置は、回転可能に立設し設定時間に合わせて所定角度回転移動しかつ停止する支柱と、計量した米を収納するセイロ状容器と、該セイロ状容器の上下端をはさみ密封すると共に開封しかつ前記支柱に所定角度ずらし水平方向に複数設けて1段にすると共に上下方向に複数段設けた移動アームと、上の移動アームとそれに隣接する下段の移動アームとの間に設けかつ上段の開封時の移動アームから下段の開封時の移動アームにセイロ状容器を渡す受渡装置と、最下段の移動アームと最上段の移動アームとの間に設けたセイロ状容器の引上装置とからなり、前記移動アームは開閉可能な上腕部及び下腕部からなり、前記上腕部は湯供給管及び真空管を有し前記下腕部はエアー供給管及び蒸気供給管を有し、前記移動アームにより密封した米収納ずみの前記セイロ状容器を同じ段で水平方向に順次回転移動すると共に、前記セイロ状容器の受渡装置により下段に順次移動し、これらセイロ状容器の移動過程において、セイロ状容器にエアー及び蒸気を供給すると共にこれらを吸引する洗米工程とセイロ状容器に湯を供給する浸漬工程とセイロ状容器に蒸気及び湯を所定インターバルで供給する加湿蒸し工程とセイロ状容器内を吸引する真空冷却工程とセイロ状容器に湯及び蒸気を供給する洗浄殺菌工程とを経てなっていても良く、また、前記洗米工程と前記浸漬工程とを最上の第1段の移動アームにし、前記加湿蒸し工程を第2段、第3段の移動アームにし、前記真空冷却工程を第4段にし、前記洗浄殺菌工程を第5段にするのが良く、前記セイロ状容器は、少なくともその内面が抗菌性ゼオライトを含有した耐熱性樹脂で覆われていると良い。
【0013】
【作用】
上記構成の貯蔵米が、これに水分55〜65重量%になるように水を加えて加熱すると、蒸らしが必要なく、しかも通常の炊き上りのごはんと同じような味になる機構自体については不明である。米のベータ状態の米澱粉に蒸気を供給すると、ミセル(束)状になっている米澱粉の分子の間が広がったり切れたりして、水分を吸収しつつアルファー化し、これに水を供給すると水分の吸収を促進してアルファー化の速度が速くなるが、この加湿操作で水分を最大40重量%で止め、その後急速に常温まで冷却してから加湿蒸し米を24時間放置すると、アルファー化が直ちに止まり米の表面のみが粘り気を失い薄い固化皮膜を作り、表面から水分が失われず、水分が平均的に分散して米澱粉と水分との存在の仕方が均一化する。すなわち、通常の冷飯のようなミセルの再配列現象(ベータ状態の澱粉配列に似ているが、人間が消化できるからアルファー化状態である。)が起こらず、内部の澱粉層では炊き上り状態のミセル配列の途上状態になっていると推定される。従って、上記の貯蔵米は長期の常温による保存ができ、この貯蔵米に水分が55〜65重量%になるように水を加え加熱してやると、表面の粘り気のない固化皮膜を膨潤させて未完の炊き上がり状態のミセル配列に水分が入り、おいしいごはんとされる水分55〜65重量%程度になり、上記ミセル配列が完成することで炊き上がるものと推定される。更に、上記の貯蔵米は、すでにアルファー化がほぼ完全に行なわれた状態のミセル配列となり、水分量のみが不足している状態と考えられるから、水を加えて加熱しその水分が最大40重量%から55〜65重量%になった時点で所謂蒸らしも実質的に終了しているものと推定される。
【0014】
また、加湿操作の水が各種物質を含有していると、水と共に米の内部に入り、これら各種物質を含有する貯蔵米となり、これら各種物質の特性を付加した状態の貯蔵米となっている。
【0015】
また、洗浄前の米を計量しセイロ状容器に入れ、その一方から米にエアー及び蒸気を吹き付けると共に他方から吸引すると、米の表面に付着している米ぬか等が吹き飛んで直接除去されたり、米に当った蒸気がミストとなり米ぬか等を取り込み、そのミストがエアーと共に吹き飛んで除去され、水をほとんど使用しないで米を洗浄し、蒸気を供給しかつその間に加湿操作を2回以上くり返して米澱粉をアルファー化する過程で水分を20〜40重量%で止めて袋に入れ、袋を開放した状態で真空にすると、加湿蒸し米の表面に付着している水滴が主に加湿蒸し米から熱を奪って激しく蒸発して急速に常温となり、袋を密封して少なくとも常温で24時間放置すると、おいしいごはんといわれる水分の半分以下ではあるがアルファー化が進行し、食べる時に残りの水分を上記処理をしたあとの米に供給してやれば、おいしいごはんとなる中間処理的な貯蔵米を製造できる。
【0016】
また、加湿蒸し工程の水に各種物質を含有させると、米にこれら各種物質を付加させ得る。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて詳述する。
図1、2は本発明の貯蔵米を製造する方法につき具体化した製造装置のフロシート図である。1は貯蔵米の製造装置を示し、この貯蔵米の製造装置1は、洗浄前の米を計量してセイロ状容器2内に投入する米計量部3と、セイロ状容器2の一方からエアー及び蒸気を吹き付けると共に他方からエアー及び蒸気を吸引する米洗浄部4と、セイロ状容器2内の米に蒸気を供給し蒸す過程で0〜100 ℃の水を供給する加湿操作を少なくとも2回以上くり返し米澱粉をアルファー化する過程で米の水分を20重量%〜最大40重量%にする米加湿蒸し部5と、セイロ状容器2内の加湿蒸し米を袋6にて受け入れ開封のまま真空冷却して急速に常温にしたあと大気圧とし袋を密封する真空冷却包装部7と、この真空冷却包装部7から取り出した袋詰めしてある加湿蒸し米を少なくとも24時間以上放置してアルファー化した米澱粉を熟成させる熟成ヤード8と、米粒同士が付着して1つの塊となっているアルファー化処理した米をもみほぐして単粒化するほぐし機9と、を具備してなる。
【0018】
前記米計量部3は、洗浄前の米の貯留タンク20の下部に計量機21が取り付けられており、最終的に製品となる重量に合せて計量された米がセイロ状容器2に投入される。例えば、袋詰された製品の貯蔵米が1Kgで、その時の水分が35重量%である場合、米は元々15重量%程度の水分を含有しているから、1Kg×(100 −35)%/(100 −15)%≒0.765kg の米をセイロ状容器2に投入することになる。なお、この計量機21は、所定時間内、例えば6〜10秒間でセイロ状容器2内に投入できるものであれば、その形式を問わない。
【0019】
前記米洗浄部4は、コンベアー30上に一定間隔で多数載せられたセイロ状容器2の一方、すなわち、底部にエアー吹出ノズル31及び蒸気吹出ノズル32を密着させ、他方、すなわち、上部にエアー吸引ノズル33を密着させて、セイロ状容器2内の米を洗浄する洗浄ゾーン34を3ケ所有してなる。3ケ所の洗浄ゾーン34における各エアー吹出ノズル31はブロアー35に接続し、各蒸気吹出ノズル32はボイラー36に接続し、更に、各エアー吸引ノズル33は真空ポンプ37に接続している。このエアー吸引ノズル33と真空ポンプ37との間には米ぬか除去タンク38が設置され、その下部にはロータリーバルブ39が取り付けられ、更にこのロータリーバルブ39の下方には、除去された米ぬか40を受けるための容器41が置いてある。
【0020】
上記コンベアー30は間欠的に作動し、すなわち、前記計量機21が米を計量してセイロ状容器2に投入している6〜10秒間ごとに作動してセイロ状容器2を各洗浄ゾーン34に移動させ、この各洗浄ゾーン34において、一定時間、上記の6〜10秒間停止している間にセイロ状容器2の底部からエアー及び蒸気を吹き付けると同時にセイロ状容器2の上部から吸引することで、米の洗浄ができるようになっている。そして、コンベアー30を間欠的に移動させ、3ケ所の洗浄ゾーン34を通過する過程でセイロ状容器2内の米は充分に洗浄され、コンベアー30から垂直コンベアー42に受け渡されて、セイロ状容器2と共に米加湿蒸し部5に送られる。
【0021】
この米加湿蒸し部5は、5つの加湿蒸し工程50(図1中右側から左側に順次50a、50b、50c、50d、50eとする。)間にセイロ状容器2を間欠的に(6〜10秒間ごとに)移動させる上部セイロ移動バー51及び下部セイロ移動バー52と、各加湿蒸し工程50の間にあって下部セイロ移動バー52のレベルにあるセイロ状容器2を上部セイロ移動バー51のレベルまで上昇させる荷上げ機(図示せず)とを有している。各加湿蒸し工程50は、セイロ状容器2を5段に積み重ね、これの下部に蒸気供給ノズル53を設置し、更にこの横方向近傍にシャワーノズル54を設置してなり、各蒸気供給ノズル53は、0.1 〜10Kg/cmの範囲で蒸気を供給することのできるボイラー36に接続し、各シャワーノズル54は、0〜100 ℃の範囲の水を供給できるボイラー36に接続している。
【0022】
各加湿蒸し工程50は、洗浄後の米が6〜10秒間のインターバルでセイロ状容器2と共に送られるから、下部の蒸気供給ノズル53から蒸気が供給されてセイロ状容器2内の洗浄後の米が6〜10秒間のインターバルで蒸されることになり、この6〜10秒間が経過すると、各加湿蒸し工程50の最下段の5段目にある各セイロ状容器2が、下部セイロ移動バー52に保持されている状態で、6〜10秒間のインターバルごとに同時に図1中横方向左側に移動するから、各加湿蒸し工程50の4段目までの各セイロ状容器2は、下降し最上段があくことになるから、すでに上部セイロ移動バー51により保持されている各セイロ状容器2が、上部セイロ移動バー51により図1中横方向左側に移動し、各加湿蒸し工程50の最上段に積み重ねられる。一方、下部セイロ移動バー52により移動した各セイロ状容器2には上方にあるシャワーノズル54から0〜100 ℃の水が米に供給され加湿されて、更に、前記荷上げ機に受け渡されて一段目の位置まで上昇して上部セイロ移動バー51に受け渡される。この動作は6〜10秒間のインターバルより短時間でなされ、次の上部セイロ移動バー51の移動に備える。このような動作を6〜10秒間のインターバルで行ない、米を収容したセイロ状容器2は、第1加湿蒸し工程50aの最上段から最下段へ、更に第2加湿蒸し工程50bの最上段から最下段へと、第3及び第4加湿蒸し工程50c及び50dも同様に移動させて行き、加湿蒸しを行なう。第5加湿蒸し工程50eではシャワーノズル54による加湿は行わず、反転機55に受け渡される。
【0023】
なお、この米加湿蒸し部5による加湿蒸し時間は、6〜10秒間のインターバルであると、5段×(6〜10秒)×5工程=150 〜250 秒となり、これに各加湿蒸し工程50間の移動時間が8回分あるから、8回×(6〜10秒)=48〜80秒をプラスしたもの(150 〜250 秒)+(48〜80秒)= 194〜330 秒となる。
【0024】
また、この米加湿蒸し部5は、その全体をカバー56にて覆うのが良く、カバー56により各加湿蒸し工程50途中で漏れた蒸気を逃さないから、熱効率を上げることができるメリットがある。
【0025】
また、図1では、各加湿蒸し工程50近傍のシャワーノズル54は、すべてボイラー36に接続しているが、各シャワーノズル54を別々に分けて0〜100 ℃の範囲で、シャワーノズル54ごとにカルシウム類、ビタミン類、色素類、香料類、酢類などの物質を水に含有させ、米に供給し加湿させても良い。このようにすることにより、バリエーションに富んだ各種物質の特性を付加した状態の貯蔵米を作ることが可能になるものである。
【0026】
そして、セイロ状容器2を前記反転機55により反転させて加湿蒸し上がった米は、袋6に入れられる。この際、袋6に加湿蒸し米を入れると同時に脱酸素剤供給機57により脱酸素剤58を入れると、長期に保存し易くなる。この脱酸素剤58は酸化鉄などが使用される。
【0027】
前記真空冷却包装機(真空冷却包装部)7は、ハッチ60をすくなくとも4コ有している。これらハッチ60には、自動的に開閉して密封するフタが設けられており、そのフタを開いて加湿蒸し米を収容した袋6を開封したままの状態でハッチ60内に入れる工程61があり、次に、ハッチ60のフタを閉じてハッチ60を密封し、袋6を開封したまま真空発生機62に接続して600mHg以上の真空状態を10〜30秒間保持し、加湿蒸し米を20℃程度にする工程63があり、更に、無菌エアー発生機64に接続してハッチ60内を大気圧にすると共にハッチ60内に設けたシール機(図示せず)により袋6をシールする工程65があり、そして、ハッチ60のフタを開き袋6を脱袋して搬送コンベアー66上に落とす工程67がある。ハッチ60は少なくとも4コあるから、これら各工程61、63、65、67を順次移動して循環するようになっている。
【0028】
なお、上記真空冷却包装機7の冷却負荷を軽減、すなわち、真空発生機62の容量を小型にするため、セイロ状容器2を反転させ落下する加湿蒸し米に、バルブ68を開いて前述の無菌エアー発生機64から無菌エアーを吹き付けても良い。このようにすることにより、セイロ状容器62から排出直後の加湿蒸し米は98℃ぐらいであるが、直ちに80℃〜70℃に低下させることができ、しかもセイロ状容器2に加湿蒸し米を残さず袋6内に入れることもできる。
【0029】
前記熟成ヤード8は、20℃程になった加湿蒸し米の入った袋6を24Hr〜48Hr程度保管して熟成させるためのものである。この熟成ヤード8は常温で良いから、夏場など気温が著しく上昇しない倉庫などであっても良い。この熟成ヤード8において、袋6に入った加湿蒸し米は、炊き上がった状態と考えられる澱粉分子が水分子と結合しそれらを媒介にして互に連なった状態、すなわち、アルファー化状態が安定化して離漿現象が生じない状態となる。この際、袋6内のアルファー化した米は、米粒同士が付着して塊になってる。
【0030】
そこで、袋6に入っている熟成が終了したアルファー化処理米は、前記ほぐし機9に通される。このほぐし機9は、上部コンベアー70及び下部コンベアー71からなり、これら双方のコンベアー70及び71のローラ70a及び71aが千鳥状に配置されている。従って、このほぐし機9の上部及び下部コンベアー70及び71の間に袋6を通して、塊になっているアルファー化処理米をほぐし単粒化すると、通常の米のような状態の製品72となる。この製品72は製品カード73に積まれる。
【0031】
次に上記構成になる貯蔵米の製造装置1に基づいて貯蔵米の製造方法を説明する。この製造方法を理解し易くするために、水分15重量%の生米を最終的に35重量%の貯蔵米として1kgを6秒間ごとに製造する場合について説明する。
【0032】
まず、第1の6秒間で(1) の位置にあるセイロ状容器2に貯留タンク20の下部にある計量機21により0.765Kg の米を計量して投入する。セイロ状容器2は第1の6秒間が経過すると、コンベアー30により(2) の位置に移動し第2の6秒間待機し、一方この6秒間に(1) の位置に来ているセイロ状容器2に、0.765Kg の米が投入される。第2の6秒間が経過すると、最初のセイロ状容器2が(3) の位置の洗浄ゾーン34に移動して、ここで第1回目の洗浄がなされる。第4の6秒間後にセイロ状容器2は(5) の位置の洗浄ゾーン34に移動し第2回目の洗浄がなされ、更に第6の6秒間後に第3回目の洗浄がなされて洗浄が終り、第10の6秒間後にセイロ状容器2は、(10)の位置にあり垂直コンベアー42によって米加湿蒸し部5の(11)の位置に移動する。第11の6秒間後にセイロ状容器2は、荷上げ機により(12)の位置に移動し、第12の6秒間後に上部にあるセイロ状容器2は上部セイロ移動バー51により受け取られて、第1加湿蒸し工程50aの(13)の位置に移動し、下部の蒸気供給ノズル53から蒸気を供給された蒸し工程に入る。セイロ状容器2は、第13〜第17の6秒間後、(13)から(17)の位置まで(6秒×5段=30秒)蒸気を供給され、第17の6秒間後下部セイロ移動バー52により(18)の位置に移動し、ここでシャワーノズル54により0〜100 ℃の水が供給され加湿し、第18の6秒間後荷上げ機により(19)の位置に移動し、第19の6秒間後、再び上部セイロ移動バー51により第2加湿蒸し工程50bの(20)の位置に移動して、以下第1加湿蒸し工程50aの場合と同じ経過をたどり、第45の6秒間後にセイロ状容器2内の米の加湿蒸しは完了し、下部セイロ移動バー52により最初のセイロ状容器2は、(46)の位置に移動して反転機55に受け渡される。
【0033】
この反転機55により(47)の位置のセイロ状容器2から袋6内に加湿蒸し米を投入し、セイロ状容器2はコンベアー30上の(48)の位置に送られる。更に加湿蒸し米の入った袋6に脱酸素剤供給機57から脱酸素剤58を供給すると共に開封状態で真空冷却包装機7の工程の位置にあるハッチ60内にフタを開きセットし、更に空の袋6を反転機55の下にセットする。尚、セイロ状容器2から加湿蒸し米を排出し、袋6に入る際加湿蒸し米に無菌エアー発生機64により無菌エアーを吹き付けると、加湿蒸し米の温度が80〜70℃に直ちに低下するから、次の真空冷却部包装機7の負担を大きく低下させ、特に夏場において有利となる。
【0034】
次に、工程61にあるハッチ60は、フタを閉じ工程63に進み真空発生機62により減圧してゆき急速に温度を下げて、600mmHg 以上の真空状態を10〜30秒間保持すると、加湿蒸し米の温度は約20℃程度にまで低下する。
【0035】
次に、ハッチ60は工程65に進み、無菌エアー発生機64によりハッチ60内に無菌エアーを送り大気圧にしてから、ハッチ60内のシール機により袋6を密封する。ハッチ60は工程67に進み、フタが開いて加湿蒸し米の入った袋6は、搬送コンベアー66上に落とされ熟成ヤード8に搬送される。
【0036】
この熟成ヤード8にて常温で24Hr〜48Hr置かれ、その間に袋6内の加湿蒸し米は熟成しアルファー化状態が安定化すると共に米粒同士が付着し一つの塊となっている。従って、ほぐし機9の上コンベアー70及び下コンベアー71の間にアルファー化処理米入りの袋6を通すことで、塊をほぐし米粒を単粒化して、さらさら状態にして、新米のような感じにして見映えを良くし、製品ヤード73内に水分35重量%であるから、0.765Kg ×(100 −15)%/(100 −35)≒1Kgの貯蔵米の入った製品72として保管する。
【0037】
図3〜7は、本発明の他の実施例を示すもので、この貯蔵米の製造装置1aは、回転可能に立設し設定時間に合わせて所定角度回転移動しかつ停止する支柱80と、計量した米を収納するセイロ状容器81と、該各セイロ状容器81の上下端部81a、81bをはさみ密封すると共に開封しかつ支柱80に所定角度ずらし水平方向に複数設けて1段にすると共に上下方向に複数段設けた移動アーム82と、上の移動アーム82とそれに隣接する下の移動アーム82との間に設けかつ上段の開封時の移動アーム82から下段の開封時の移動アーム82にセイロ状容器81を渡す受渡装置83と、最下段の移動アーム82と最上段の移動アーム82との間に設けたセイロ状容器81の引上装置84とからなり、移動アーム82は開閉可能な上腕部85及び下腕部88からなり、上腕部85は湯供給管86及び真空管87を有し下腕部88はエアー供給管89及び蒸気供給管90を有し、移動アーム82により密封した米収納ずみのセイロ状容器81を同じ段で水平方向に順次回転移動すると共に、セイロ状容器81の受渡装置83により下段に順次移動し、これらセイロ状容器81の移動過程において、セイロ状容器81にエアー及び蒸気を供給すると共にこれらを吸引する洗米工程100aとセイロ状容器81に湯を供給する浸漬工程100bとセイロ状容器81に蒸気及び湯を所定インターバルで供給する加湿蒸し工程100cとセイロ状容器81内を吸引する真空冷却工程100dとセイロ状容器81に湯及び蒸気を供給する洗浄殺菌工程100eとを経て、なるものである。
【0038】
前記支柱80は、不図示の駆動装置により設定時間、例えば6〜10秒ごとに、所定角度、例えば図6のように移動アーム82が18個ある場合、360/18=20度回転移動して停止するようになっている。
【0039】
前記移動アーム82は、本実施例では18ケで1段を構成し、第1段〜第5段92〜96まであるが、これら数量は限定せず必要に応じて1段あたりの数量及び段数が設定される。この移動アーム82は、上述のとおり、この上腕部85と下腕部88とでセイロ状容器81をはさみ密封するもので、上腕部85は湯供給管86及び真空管87を有し、下腕部88はエアー供給管89及び蒸気供給管90を有する。これら各管86、87、89、90は支柱80を通り、湯供給管86及び蒸気供給管90はボイラー36に接続し、真空管87は米ぬか除去タンク38を経由して真空ポンプ37に接続し、更に、エアー供給管89はブロワー35に接続している。セイロ状容器81は、両端開口の円筒体に、米が出ない程度の多孔板91にて仕切られている。そして、この移動アーム82は、多孔板91にて仕切られたセイロ状容器81に入った米に上記各管86、87、89、90から湯、蒸気、エアーを供給したり、セイロ状容器81内を真空に保持したりして、洗米工程100a、浸漬工程100b、加湿蒸し工程100c、真空冷却工程100d及び洗浄殺菌工程100eを経て貯蔵米にする。
【0040】
セイロ状容器81はその内面が抗菌性ゼオライトを含有した耐熱性樹脂、例えばテフロンで覆われている。この抗菌性ゼオライトは、主に銀イオンを含有しており、殺菌性が強く、 200℃程度の温度でも充分耐えられるから、蒸気殺菌などを行なう必要がなくなる。
【0041】
なお、図3中97は包装機である。
以上のように構成した貯蔵米の製造装置1aは、各移動アーム82に載せられた各セイロ状容器81が支柱80、受渡装置83及び引上装置84により順次移動する過程で貯蔵米となるが、ここでは、一のセイロ状容器81内に収納した米が貯蔵米となる場合について説明する。
【0042】
まず、第1段92にある上腕部85の開いた移動アーム82の下腕部88に載せたセイロ状容器81に、計量機21により 0.765kgの米を供給し、この移動アーム82は、6秒ごとに1回、すなわち20度(元位置から20度)移動し上腕部85にてセイロ状容器81をはさみ密封して、再び20度移動し(同40度)第1段92の洗米工程 100aに入る。ここでエアー供給管89、蒸気供給管90及び真空管87の各バルブを開き、エアーと共に蒸気を供給し同時に吸引して洗米する。この洗米工程 100aは、上記移動アーム82を20度づつ5回移動して(同 140度)、各バルブを閉じることで洗米を終了し、浸漬工程 100bに移る(同 160度)。
【0043】
浸漬工程 100bでは湯供給管86のバルブのみを開き湯を供給して浸漬し、移動アーム82を20度づつ6回移動して(同 280度)バルブを閉じることで浸漬を終了する。その後、20度移動して(同 300度)上腕部85を開き、その状態で更に20度移動して(同 320度)、下腕部88上のセイロ状容器81を受渡装置83により第1段92の移動アーム82から第2段93の移動アーム82の下腕部88に移す。第2段93の移動アーム82は、20度(元位置から20度)移動し上腕部85にてセイロ状容器81をはさみ密封して、再び20度移動し(同40度)加湿蒸し工程 100cに入る。
【0044】
この加湿蒸し工程 100cでは蒸気供給管90のバルブを開き蒸気を供給して米を蒸し、上記移動アーム82を20度づつ11回移動したあと(同 260度)バルブを閉じ、湯供給管86のバルブを開き湯を供給し、第1回目の加湿操作に入り、移動アーム82を20度づつ2回移動して(同 300度)バルブを閉じることで加湿操作を終了し、更に20度移動して(同 320度)上腕部85を開きその状態で更に20度移動して(同 340度)、下腕部88上のセイロ状容器81を受渡装置83により第2段93の移動アーム82から第3段94の移動アーム82の下腕部88に移す。第3段の移動アーム82は、20度(元位置から20度)移動し上腕部85にてセイロ状容器81をはさみ密封されて、再び20度移動し(同40度)加湿蒸し工程 100cに入る。
【0045】
2度目の加湿蒸し工程100でも、蒸気供給管90のバルブを開き蒸気を供給して、上記移動アーム82を20度づつ11回移動して(同260度)いる間蒸したあとバルブを閉じ、湯供給管86のバルブを開き湯を再び供給し加湿操作に入り、移動アーム82を20度づつ2回移動して(同300度)バルブを閉じることで第2回目の加湿操作をすべて終了し、更に20度移動して(同320度)上腕部85を開きその状態で20度移動して(同340度)、下腕部88上のセイロ状容器81を受渡装置83により第3段94の移動アーム82から第4段95の移動アーム82の下腕部88に移す。第4段目の移動アーム82は、20度(元位置から20度)移動し上腕部85にてセイロ状容器81をはさみ密封して、再び20度移動し(同40度)真空冷却工程100dに入る。
【0046】
この真空冷却工程 100dでは、無菌エアー発生機64のバルブを開きエアー供給管89から無菌エアーを供給して予備冷却したあとバルブを閉じ、移動アーム82を20度移動して(同60度)別設の真空ポンプ62のバルブを開き真空管87から吸引して真空冷却に入り、移動アームを20度づつ12回移動して(同 300度)バルブが閉じることで真空冷却を終了し、更に20度移動して(同 320度)上腕部85を開き、その状態で20度移動して(同 340度)、前記包装機97にセイロ状容器81を引き渡し、この包装機97にてセイロ状容器81内の加湿蒸し米を袋6に入れ、更に脱酸素剤58を投入し密封し搬送コンベアー66上に落す。以後の工程は図1、2に示す実施例と同じであるので図面に符号を付してその説明を省略する。
【0047】
一方、セイロ状容器81は、第5段96の上腕部85の開いた移動アーム82の下腕部88に載せられ、20度(元位置から20度)移動し上腕部85にてセイロ状容器81をはさみ密封される。移動アーム82は、再び20度移動し(同40度)洗浄殺菌工程 100eに入り、湯供給管86のバルブを開き湯を供給して洗浄する。この洗浄殺菌工程 100eでは、上記移動アーム82を20度づつ8回移動して(同 200度)バルブを閉じ、蒸気供給管90のバルブを開き蒸気を供給して殺菌し始め、移動アーム82を20度づつ5回移動して(同 300度)バルブを閉じることで殺菌を終了し、更に20度移動して(同 340度)下腕部88上のセイロ状容器を引上装置84により、第1段92の 340度位置にある移動アーム82の下腕部88に載せる。そして、このセイロ状容器81は、再び計量機21により 0.765kgの米を供給され以後同じ工程を通ることで、加湿蒸し米が製造される。
【0048】
次に、本発明の効果を証明するため、本発明方法により製造した貯蔵米と従来方法によって製造した貯蔵米とを比較する目的で、同一銘柄米にてアルファー化度の測定と、パネラー3名による賞味テストとを行なう。
【0049】
実施例1
新潟産コシヒカリ0.765 Kgを図1、2のセイロ状容器2に入れて、下部から100mmAg のエアーと0.25Kg/cmの蒸気とを6秒間供給すると共に上部から6秒間吸引して洗米する。次に6秒間休んで再び6秒間上記と同様に洗米し、再び6秒間休み再び6秒間洗米する。このようにセイロ状容器2内で0.765 Kgの米を洗米したものを5個用意して積み重ね、それらの最下部から1.0Kg/cm の蒸気を6秒間供給したら最下段のセイロ状容器2を最上段に移動し、再び最下部から1.0Kg/cm の蒸気を6秒間供給する蒸し操作を5回行ない、最初の最下段のセイロ状容器2が再び最下段に位置したら取り出して、そのセイロ状容器2の米に60℃の湯を万遍なくシャワーして加湿し第1回の加湿蒸し工程を終了する。そのあとこの加湿蒸し工程を4回くり返しすべての加湿蒸し工程を終了する(但し最後の加湿蒸し工程での加湿は行なわない)。この直後に1つのセイロ状容器2の加湿蒸し米の全量を袋に入れ、袋を開封状態で真空室に入れ減圧して行き、690mmHg 以上の真空状態を20秒間保持し、そのあと真空室に無菌エアーを入れ大気圧にして真空室から取り出し、直ちにシールして室温(13〜18℃)にて2日間放置したあと、袋上からもんで米粒を単粒化する。次に、袋を開封してアルミナベに全量の加湿蒸し米約1.0 Kgと水1.4 lとを入れて中火で13分間加温して、炊き上がった米をかきまぜて、20g づつ18の小皿に取る。
【0050】
実施例2
新潟産コシヒカリ0.765 Kgを図7のセイロ状容器81に入れて、下部から100mmAg のエアーと0.25kg/cmの蒸気とを6秒間供給すると共に上部から6秒間吸引して洗米する。次に6秒間休んで再び6秒間上記と同様に洗米し、再び6秒間休み再び6秒間洗米する。次にセイロ状容器81に60℃の湯を供給し、6×6回=36秒間浸漬し、そのあと1.0 kg/cmの蒸気を6秒×11回=66秒間供給し、6秒×2回=12秒間60℃の湯を供給し、再び1.0 kg/cmの蒸気を66秒間供給し、6秒×2回=12秒間60℃の湯を供給し、水切して加湿蒸し工程を終了する。以下の操作は実施例1と同様にする。
【0051】
比較例1
新潟産コシヒカリ0.765 Kgを16℃の水にて60分間浸漬してから水切りし、1.0 Kg/cmの蒸気で10分間蒸し、直後にその全量を容器に入れて、その容器を真空室に入れ減圧して行き、690mmHg 以上の真空状態を20秒間保持し、そのあと真空室から取り出して、容器にビニールをかぶせ、5℃にした冷蔵庫の中に2日間放置する。冷蔵庫から容器を取り出し、ヘラで米粒を単粒化する。次にアルミナベに全量の米約1.0 Kgと水1.4 lとを入れて中火で13分間加温して、炊き上がった米をかきまぜて、20g づつ18の小皿に取る。
【0052】
次に、実施例1、2で得た小皿を3ケ取り、3人のパネラーに食べてもらって味を記憶してもらい、比較例1で得た小皿を3ケ取り、同様にパネラーに味を記憶してもらう。そして、実施例1、2の残り15ケの小皿と比較例1の残り15ケの小皿とをまぜ合せ、3人のパネラーに10ケの小皿が実施例1、2のものか、比較例1のものか、判定してもらう。次にその結果を表に示す。
【0053】
【表1】
Figure 0003605708
【0054】
この表1からは、実施例1と比較例1との味の差はなく、その相関関係を見い出すのは困難であり、アルファー化度は、いずれも98%台である。
【0055】
以上詳述したように、本発明方法による貯蔵米によれば、従来の製造方法によって作られた貯蔵米と味に差がないことが判明し、更にその水分値、アルファー化度その他の物性値についても相関性のある差が認められない。
【0056】
また、カルシム類、ビタミン類、色素類、香料類、酢類等の物質強化貯蔵米が容易に得られ、米の利用範囲が拡大する。また、本発明の貯蔵米の製造方法によれば、洗米に多量の水を使用する必要がなく、排水処理も必要なくなる。更に生産工程中の衛生管理が容易確実となり、作業自体も単純かつ少なくなり生産性が向上する。加えて、広大な低温かつ無菌室が必要なくなり、その設置場所の確保、その設備及びその運転管理も必要なくなる。
【0057】
また、0〜100 ℃の水にカルシウム類、ビタミン類、色素類、香料類、酢類等の物質を混合することで、これらの物質を強化した貯蔵米を容易に得ることができる。
【0058】
そして、本発明の貯蔵米の製造装置によれば、効率良く貯蔵米を製造でき、上記物質の強化貯蔵米も容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の貯蔵米を製造する方法につき具体化した製造装置のフロシート図。
【図2】本発明の貯蔵米を製造する方法につき具体化した製造装置のフロシート図。
【図3】本発明の貯蔵米を製造する方法につき具体化した製造装置のフロシート図。
【図4】セイロ状容器の斜視図。
【図5】移動アームの上腕部及び下腕部の平面図。
【図6】本発明の移動アームの配置を示す平面図。
【図7】セイロ状容器を移動アームにてはさみ密封している状態を示す側面図。
【符号の説明】
1、1a 貯蔵米の製造装置 2、81 セイロ状容器
3 米計量部 4 米洗浄部
5 米加湿蒸し部 6 袋
7 真空冷却包装部 50 加湿蒸し工程
80 支柱 81a セイロ状容器の上端部
81b セイロ状容器の下端部 82 移動アーム
83 受渡装置 84 引上装置
85 上腕部 86 湯供給管
87 真空管 88 下腕部
89 エアー供給管 90 蒸気供給量
92 第1段 93 第2段
94 第3段 95 第4段
96 第5段 100 a 洗米工程
100 b 浸漬工程 100 c 加湿蒸し工程
100 d 真空冷却工程 100 e 洗浄殺菌工程

Claims (8)

  1. 洗浄前の米を計量してセイロ状容器に入れ、該セイロ状容器の一方からエアー及び蒸気を吹き付けると共に他方から上記エアー及び蒸気を吸引することで米を洗浄し、前記セイロ状容器内の米に蒸気を供給し蒸す過程で0〜100℃の水を供給する加湿操作を少なくとも2回以上くり返し、米澱粉をアルファー化する過程で米の水分を20重量%〜最大40重量%にしたあと袋に入れ、袋を開放した状態で真空冷却して急速に常温にしたあと大気圧とし、前記袋を密封し常温にて少なくとも24時間放置してアルファー化した米澱粉を熟成させたことを特徴とする貯蔵米の製造方法。
  2. 前記加湿操作の水は、カルシウム類、ビタミン類、色素類、香料類、酢類等の物質を含有する請求項記載の貯蔵米の製造方法。
  3. 洗浄前の米を計量してセイロ状容器内に投入する米計量部と、前記セイロ状容器の一方からエアー及び蒸気を吹き付けると共に他方からエアー及び蒸気を吸引する米洗浄部と、前記セイロ状容器内の米に蒸気を供給し蒸す過程で0〜100℃の水を供給する加湿操作を少なくとも2回以上くり返し米澱粉をアルファー化する過程で米の水分を20重量%〜最大40重量%にする米加湿蒸し部と、前記セイロ状容器内の加湿蒸し米を袋にて受け入れ開封のまま真空冷却して急速に常温にしたあと大気圧とし袋を密封する真空冷却包装部と、を具備してなることを特徴とする貯蔵米の製造装置。
  4. 前記米加湿蒸し部は、その全体をカバーにて覆った請求項記載の貯蔵米の製造装置。
  5. 前記セイロ状容器はその容量が変更可能である請求項3又は4記載の貯蔵米の製造装置。
  6. 回転可能に立設し設定時間に合わせて所定角度回転移動しかつ停止する支柱と、計量した米を収納するセイロ状容器と、該セイロ状容器の上下端をはさみ密封すると共に開封しかつ前記支柱に所定角度ずらし水平方向に複数設けて1段にすると共に上下方向に複数段設けた移動アームと、上の移動アームとそれに隣接する下の移動アームとの間に設けかつ上段の開封時の移動アームから下段の開封時の移動アームにセイロ状容器を渡す受渡装置と、最下段の移動アームと最上段の移動アームとの間に設けたセイロ状容器の引上装置とからなり、
    前記移動アームは開閉可能な上腕部及び下腕部からなり、前記上腕部は湯供給管及び真空管を有し前記下腕部はエアー供給管及び蒸気供給管を有し、前記移動アームにより密封した米収納ずみの前記セイロ状容器を同じ段で水平方向に順次回転移動すると共に、前記セイロ状容器の受渡装置により下段に順次移動し、これらセイロ状容器の移動過程において、セイロ状容器にエアー及び蒸気を供給すると共にこれらを吸引する洗米工程とセイロ状容器に湯を供給する浸漬工程とセイロ状容器に蒸気及び湯を所定インターバルで供給する加湿蒸し工程とセイロ状容器内を吸引する真空冷却工程とセイロ状容器に湯及び蒸気を供給する洗浄殺菌工程とを経てなることを特徴とする貯蔵米の製造装置。
  7. 前記洗米工程と前記浸漬工程とを最上の第1段の移動アームにし、前記加湿蒸し工程を第2段、第3段の移動アームにし、前記真空冷却工程を第4段にし、前記洗浄殺菌工程を第5段にした請求項記載の貯蔵米の製造装置。
  8. 前記セイロ状容器は、少なくともその内面が抗菌性ゼオライトを含有した耐熱性樹脂で覆われている請求項3、4、5、6又は7記載の貯蔵米の製造装置。
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