JP3604316B2 - 発色画像測定セット、発色画像測定用シート容器の固定治具及び発色画像測定方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料検体、例えば、便中のヒトヘモグロビンをイムノクロマトグラフィ( Immuno Chromatography:以下ICG法ということがある)の免疫反応によって測定するにあたり、イムノクロマトグラフィにおけるニトロセルロース支持体(以下ICGシートということがある)上に形成される発色像を画像処理することによって行なう際に有効に用いられる発色画像測定セット、発色画像測定用シート容器の固定治具及び発色画像測定方法に関する。
【0002】
【関連技術】
イムノクロマトグラフィは、抗原抗体反応の高い特異性と検出感度を利用して抗原または抗体を測定する方法として知られるイムノアッセイ(Immunoassay :免疫測定法)をクロマトグラフィに応用したものであり、ラテラルフローアッセイとも呼ばれる。このICG法は、検出すべき検体と特異的に反応する物質(ラベル物質)を固相化したICGシートを用いる検体の測定方法である。
【0003】
例えば、便中ヒトヘモグロビン(以下Hbということがある)の測定をICG法で行なう場合について、図22〜図24を参照して説明する。ニトロセルロース支持体12の一端部分の標識部位16にラテックス粒子標識抗ヒトヘモグロビン抗体(以下抗Hbということがある)を固相化し、また他端部分の測定バンド20に抗Hb22を固相化してICGシート14を作成する。
【0004】
このICGシート14の一端部の試料検体滴下部25に試料検体24を加えると該試料検体24は該ICGシート14に沿って他端方向に移行し、測定バンド20において試料検体24中のHb26と抗Hb22とラテックス粒子標識抗Hb18との複合体28が形成される。この複合体28が形成されると、該測定バンド20に形成された複合体28が発色するため該測定バンド20には発色像が形成されることとなる。この測定バンド20における発色の有無でヒトヘモグロビンの有無の判定を行なう。
【0005】
つまり、ICGシート14の測定バンド20での発色がない場合には、陰性と判断し、発色した場合は、陽性と判断される。Hb26の量が多い程発色濃度が濃くなる。ラテックス粒子標識抗Hb18に用いられるラテックス粒子が着色されているためにその着色された色が測定複合体28の形成により集合して発色することとなる。
【0006】
ラテックス粒子は所望の色に着色することができるが、通常は判定が容易なように、赤や青等の原色が用いられる。図示の例では赤色に着色したラテックス粒子を用いた場合について説明した。また、上記ラテックス粒子に代えて金コロイド粒子が用いられることもある。
【0007】
図23及び図24において、30は上記測定バンド20の外側に設けられたコントロールバンドである。該コントロールバンド30には抗ウサギIgG32が固相化されている。この場合、ニトロセルロース支持体12の標識部位16には、前記したラテックス粒子標識抗Hb18とともにラテックス粒子標識ウサギIgG34が固相化される。
【0008】
このように構成したICGシート14の一端部に試料検体24を加えると、該ラテックス粒子標識ウサギIgG34が該ICGシート14に沿って他端方向に移行し、コントロールバンド30において抗ウサギIgG32とラテックス粒子標識ウサギIgG34とのコントロール複合体36が形成され、前記した測定複合体28とは異なる発色(図示の例では青色)を行なう。
【0009】
このコントロール複合体36の発色により、試料検体24が間違いなくICGシート14上に添加されたかを確認することができる。したがって、陰性、陽性の判定パターンは次の3種類となる。▲1▼陰性:赤色無、青色有。▲2▼陽性:赤色有、青色有。▲3▼判定不能:赤色無、青色無。従来はこの判定を目視によって行なっていたがヒトヘモグロビン量の正確な値を測定することは不可能であった。
【0010】
このような、イムノクロマトグラフィ(ラテラルフローアッセイ)は、特開平10−160736号公報などに開示されている。
【0011】
一方、ニトロセルロースのような薄い膜、濾紙及びメンブレン等で分画された蛋白等の濃淡を測定する比色測定法として、デンシトメトリーが知られている。このデンシトメトリーは、ヒト血清全体の蛋白分画のパターンを測定する研究的要素の高い方法であるが、近年この原理を応用して臨床試薬の測定に用いられている。
【0012】
そこで、本発明者は、上記したイムノクロマトグラフィ法における目視判定の不正確を解消すべく、この判定に対してデンシトメーターが適用できないかについて検討した。
【0013】
しかし、本発明者の検討によれば、デンシトメーターは、次のような欠点を有しているので、上記した判定に用いるには不適当であった。▲1▼デンシトメーターは汎用機であるため、ベースラインの設定や各種計測条件の設定をユーザーが設定しなければならない。▲2▼測定感度が良好でない。計測バンドをそのまま輪切りにした計測方法のため、ICG法に付随する計測誤差(試薬・検体の拡散速度の不均一、シートのバラツキ等による)を同時に計測データとしてしまう。▲3▼測定可能な濃度範囲が狭く限定されてしまう。▲4▼測定値を算出するまでに時間がかかるので多数検体処理が難かしい。測定時間は、1検体あたり3〜5分が必要である。▲5▼CCDカメラ、ビデオカメラを使用するので小型軽量化するのが難かしくコストが高くなってしまう。
【0014】
既に本発明者は、上記したICG法の判定方法については、免疫反応における測定システムの構築を可能とし、しかも画像入力装置、表計算ソフト、コンピュータ等の市販品の若干の改造で、上記測定システムは利用できるため、コスト低減を図ることができ、抗原−抗体反応や酵素−基質反応における反応の極大値及び収束についてのデータ解析が容易となり、従来から画像解析により行なっていた凝集像の自動判定についても応用可能で、この分野においても廉価なシステム構成を可能としたICG法による検体の画像処理測定方法を提案している。(特開平10−274653号公報参照)。
【0015】
しかしながら、イムノクロマトグラフィによる免疫反応において、その測定対象には、便中ヒトヘモグロビン以外にも尿、血液(血清、血漿)または体液(脳液、髄液、腹水等)等があるが、これらの検体には検体自体にそれぞれ特有の色調がある場合がある。例えば、緑便と呼ばれる緑色がかった便検体や、血漿検体の場合は溶血の影響や、喀痰検体の場合は残留食物色素の影響などによる色調である。このような検体の色調は、イムノクロマトグラフィによる免疫反応を展開させた上での発色像のバックグラウンド(背景色)となり、発色像の色調に影響を与える。
【0016】
例えば、試料検体が緑便(緑色がかった便)であり、赤色に着色したラテックス粒子をラベル物質として、免疫反応により発色せしめた場合、バックグラウンドとなる該試料検体の緑色(RGB=0:255:0)は、ラベル物質の赤色(RGB=255:0:0)と補色に近い関係となるために、発色像は赤色ではなく黒色(RGB=0:0:0)に近くなってしまったり、バックグラウンドの緑色が多い場合には、発色部位全体が緑色を帯びてしまい赤色の発色像が判別できないことがある。
【0017】
また、イムノクロマトグラフィ免疫反応に用いられるラベル物質は、近年多様化しており、ラテックス、金、銀、鉄、セレニュウム、硫黄、テルニウム、炭素、染料嚢、酵素、酵素−染料複合などがある。これらラベル物質はそれぞれに色調が異なっている。特にラテックスなどは着色自在であり、また金コロイドなどはその粒子径によっても色調が異なる。そのため、どの色成分を捉えて測定するかによって測定値は大きく異なる。
【0018】
上記従来技術の画像処理測定方法では、画像入力装置から可視領域の光を取り込み、すべて色情報を取り込んでいる。これは光の三原色R、G、Bの数値で表される色情報である。この色情報には、上述したバックグラウンド(背景色)や、ラベル物質自体の色調が混色されているが、上記従来技術では、色情報に対するこれらの影響は考慮されていない。
【0019】
そのため、上記従来技術では、次のような問題が生じている。▲1▼バックグラウンド(背景色)の影響で発色像の色調が変色または消失し、測定すべき色成分を正確に測定することができない。▲2▼多様化したラベル物質や着色自在なラベル物質による発色像の濃度を測定する場合には、どの色成分を捉えて測定するかで測定値が大きく異なる。したがって、▲3▼バックグラウンドを有し且つ色調の異なるラベル物質による発色像を正確に処理測定することは困難である。
【0020】
本発明者は、免疫反応による発色画像の処理測定方法について、さらなる改良を行なうべく、鋭意研究を重ね、免疫反応、特にイムノクロマトグラフィにおける発色画像の処理測定方法において、バックグラウンド(背景色)を有する発色像であっても該バックグラウンドの影響を除去して測定可能で、また、ラベル物質の多様化に伴うラベル物質自体の色調の違いによっても測定すべき色成分を捉えて測定可能で、さらに、バックグラウンドを有し且つ色調の異なるラベル物質による発色像であっても正確に処理測定可能とし、さらにまた、従来から画像解析により行なっていた凝集像の自動判定についても応用可能で、しかも、従来装置に対して新たな設備を追加することなく導入可能であり、廉価なシステム構成を可能とした免疫反応における発色画像の処理測定方法についても既に提案している(特願平11−149692号)。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者による上記各提案は、発色画像の処理測定についての原理的な究明を主眼とした研究の成果を提示したものであるが、現場的な測定作業の効率化及びコストダウンを図るための測定用セット、測定用治具や具体的な測定手順等についての研究はいまだ充分にはなされていなかった。
【0022】
本発明は、上記した点に鑑みなされたもので、▲1▼画像入力装置、例えばイメージスキャナーによる発色画像の読み込みを正確かつ鮮明に行うことができ、▲2▼検体の取り外し、取り付けが容易で多数検体の測定が円滑に行え、▲3▼少量検体においても、1検体から単独の測定が可能、▲4▼画像入力装置、例えばイメージスキャナー機械間の誤差を吸収することでソフトの共通化を図り、ソフトバージョンアップが容易となるようにした発色画像測定セット、発色画像測定用シート容器の固定治具及び発色画像測定方法を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の発色画像測定セットは、(A)試料検体滴下部と滴下された試料検体が陽性の場合に発色する測定バンドと試料検体が滴下されると発色するコントロールバンドを備えた発色画像測定用シート、及び表面側に嵌合突部を形成するとともに該嵌合突部に窓部を開口しかつ該発色画像測定用シートを内部に収納する容器本体を有し、該収納された発色画像測定用シートの試料検体滴下部と測定バンドとコントロールバンドとが該窓部を介して外部から目視可能に配置されてなる発色画像測定用シート容器、及び(B)複数個の上記発色画像測定用シート容器を着脱自在に同時に嵌着することのできる発色画像測定用シート容器の固定治具からなり、該発色画像測定用シートを収容配置した発色画像測定用シート容器(A)の表面側を上記固定治具(B)を介して画像入力装置の入力面に配設し、該発色画像を画像入力することによって複数個の発色画像の測定を同時に行うことができるようにしたことを特徴とする。
【0024】
本発明の発色画像測定用シート容器の固定治具は、上記した発色画像測定セットに用いられる発色画像測定用シート容器の固定治具であって、複数個の前記発色画像測定用シート容器を前記嵌合突部を介して着脱自在に嵌着する保持嵌着孔を複数個開穿したことを特徴とする。
【0025】
前記発色画像測定用シート容器の嵌合突部を長尺状に形成しかつ長手方向両端部の形状を非対称とし、該嵌合突部の形状に対応して前記保持嵌着孔を長孔状としかつ長手方向両端部の形状を非対称、即ち互いに異形としておけば、発色画像測定用シート容器を上下さかさまにセットするという事故は未然に防止される。
【0026】
複数個の前記発色画像測定用シート容器を1枚の保持シートに着脱可能に右から左へ番号順に並列状態で取付け、該保持シートに並列配置された状態の複数個の該発色画像測定用シート容器の表面側を前記固定治具の保持嵌着孔に該固定治具の裏面側から嵌着させるに際し、該発色画像測定用シート容器の配置番号順が該保持嵌着孔の位置から判別できるように該固定治具の裏面の保持嵌着孔の列の近傍に右から左へ順に番号を表記しておけば、保持嵌着孔の番号と試料検体の順番とを容易に一致させることができる。
【0027】
前記固定治具の少なくとも表面側を暗色としておけば、画像入力装置による読み込みの際、発色画像を鮮明に読み込むことができる。
【0028】
前記固定治具の厚さを0.5〜2mmとしておけば、画像入力装置、特にイメージスキャナーによる発色画像の読み込みに際し、鮮明な画像を結ばせることが可能である。
【0029】
本発明の発色画像測定方法の第1の態様は、(1)測定すべき試料検体を試料滴下部に滴下した発色画像測定用シート容器をその嵌合突部を介して上記した固定治具の保持嵌着孔に嵌着し該発色画像測定用シート容器を嵌着した上記固定治具を画像入力装置の入力面に配設する工程と、(2)該固定治具に嵌着された発色画像測定用シート容器の発色画像を画像入力装置に読み込む工程と、(3)読み込み画像とパソコンのディスプレイ上に予め設定された所定の基準線を比較する工程と、(4)読み込み画像が所定の基準線内に位置するか否かを判断する工程と、(5)該発色画像が該基準線内に位置しない場合には、上記固定治具の上記入力面上の配設位置を微調整する工程と、(6)該固定治具の位置の微調整後の固定治具に嵌着された発色画像測定用シート容器の発色画像に対して該発色画像が該基準線内に位置するまで上記(3)(4)(5)の工程を繰り返す工程と、(7)該発色画像が該基準線内に位置すると、該固定治具の位置の調整を完了し、該発色画像の測定を開始する工程とよりなることを特徴とする。
【0030】
本発明の発色画像測定方法の第2の態様は、(1)測定すべき試料検体を試料滴下部に滴下した発色画像測定用シート容器をその嵌合突部を介して上記した固定治具の保持嵌着孔に嵌着し該発色画像測定用シート容器を嵌着した上記固定治具を画像入力装置の入力面に配設する工程と、(2)該固定治具に嵌着された発色画像測定用シート容器の発色画像を画像入力装置に読み込む工程と、(3)読み込み画像とパソコンのディスプレイ上に予め設定された所定の基準線を比較する工程と、(4)読み込み画像が所定の基準線内に位置するか否かを判断する工程と、(5)該発色画像が該基準線内に位置しない場合には、該発色画像の読み込み範囲位置を変更する工程と、(6)読み込み範囲位置の変更後、固定治具に嵌着された発色画像測定用シート容器の発色画像に対して該発色画像が該基準線内に位置するまで上記(3)(4)(5)の工程を繰り返す工程と、(7)該発色画像が該基準線内に位置すると、該読み込み範囲の位置調整を完了し、該発色画像の測定を開始する工程とよりなることを特徴とする。
【0031】
上記画像入力装置としては、イメージスキャナーが好適に用いられる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明するが、本発明の技術思想から逸脱しない限り図示例以外にも種々の変形が可能なことはいうまでもない。
【0033】
図1は本発明の発色画像測定用シート容器の上面図、図2は図1の上面側から見た分解斜視図、図3は図1の下面側から見た分解斜視図、図4は発色画像測定用シートの断面図、図5は発色画像測定用シート容器の固定治具の上面図、図6は図5の下面図、図7は発色画像測定用シート容器を固定治具の保持嵌着孔に嵌着させる前の状態を上面側から見た斜視図、図8は図7の状態を下面側から見た斜視図、図9は図7の状態から発色画像測定用シート容器を固定治具の保持嵌着孔に嵌着させた状態の上面図、図10は図9の状態の下面図、図11は図10の斜視図、図12は本発明方法の第1の態様の手順を示すフローチャート、図13は本発明方法の第2の態様の手順を示すフローチャート、図14は本発明方法を実施するための装置における各部材の配列を示すブロック図、図15はイメージスキャナーの入力面上方に固定治具を位置させた状態を示す斜視説明図、図16は固定治具の保持嵌着孔と発色画像の位置関係を示す図面で、(a)は上面説明図、(b)は断面図、図17はイメージスキャナーの入力面の断面的説明図、図18は発色済の発色画像測定用シートを収納したシート容器を保持シート上に並列状態に配設した状態を示す上面図、図19はコンピュータのディスプレイ上に読み込まれた発色画像の調整前の画像を示す図面、図20は図19の調整後の画像を示す図面、図21は発色画像の測定結果を表示するコンピュータの画面を示す図面である。
【0034】
図1は本発明に係る発色画像測定セット48を構成する発色画像測定用シート容器(以下シート容器ということがある)50を示す。該シート容器50は、発色画像測定用シート(以下測定用シートということがある)14、及び該測定用シート14を内部に収納する容器本体52を有している。該容器本体52の表面側には嵌合突部54が形成され、該嵌合突部54には窓部56,58が開口されている。該窓部56,58は、図示例で2個設けた場合を示したが、窓部56,58を一緒にして一個の窓部であっても特別問題はない。該容器本体52の内部には、該嵌合突部54に対応して測定用シート14を収納する空間60が形成されており、測定用シート14を空間60に収納すると、該測定用シート14が脱落しないように着脱可能なカバープレート62によって裏面側から該空間60は閉鎖される。
【0035】
測定用シート14は、図22〜図24に示したICGシートと同様の構成、即ち試料検体が滴下される試料検体滴下部25、滴下された試料検体が陽性の場合に発色する測定バンド20及び試料検体が滴下されると発色するコントロールバンド30を有している。
【0036】
この測定用シート14の具体的構成について図4とともに説明する。該測定用シート14は、中央部にシート本体14a、上面側はカバーシート14b及び下面側はバッキングシート14cからなるラミネート構造となっている。該シート本体14aにおいて、その基端部に試料滴下部25、その中央部には図23及び図24に示したように標識部位16、測定バンド20及びコントロールバンド30がそれぞれ形成されている。該シート本体14の先端部には吸収パッド部40が形成されている。該吸収パッド部40は試料検体滴下部25に試料検体が滴下されると、スムーズに先端方向に移動するように試料検体を吸収する作用を行う。
【0037】
図5〜図11において、64は発色画像測定用シート容器50を固定する固定治具である。66は該固定治具64に穿設された複数個(図示例では5個が2列で10個)の保持嵌着孔で、前記容器本体52の表面側に突設された嵌合突部54を嵌着することによってシート容器50が保持されるようになっている。
【0038】
該保持嵌着孔66は、前記嵌合突部54の形状に対応して形成されることが必要であり、図示例のように嵌合突部54を長尺状に形成しかつ長手方向両端部の形状を非対称、即ち互いに異形(上部が半円形、下部は角形)とした場合には、該保持嵌着孔66も長孔状としかつ長手方向両端部の形状を非対称、即ち互いに異形(上部が半円形、下部は角形)とされることが必要である。これによって、シート容器50を保持嵌着孔66に保持させる際に上下さかさまにセットするという事故は未然に防止される。
【0039】
該固定治具64の裏面64bの保持嵌着孔66の列の近傍に右から左へ順に番号を表記しておけば、複数個(図示例では5個×2列で10個)のシート容器50を1枚の保持シート68に着脱可能(例えば、保持シート68の一面を粘着面とすることによって)に右から左へ番号順に並列状態で取付け(図7、図8、図10、図11及び図18)、該保持シート68に並列配置された状態の複数個のシート容器50の表面側を該固定治具64の保持嵌着孔66に該固定治具64の裏面側から嵌着させるに際し、該シート容器50の配置番号順が該保持嵌着孔66の位置から判別できる便利さがある。
【0040】
該固定治具64の色については特別の限定はないが、少なくともその表面64aを黒色等の暗色としておけば、画像入力装置による読み込みの際、発色画像を鮮明に読み込むことができる利点がある。
【0041】
また、該固定治具64の厚さd[図16(b)]を0.5〜2mmとしておけば、後述するように画像入力装置70、特にイメージスキャナーによる発色画像の読み込みに際し、鮮明な画像を結ばせることが可能である。
【0042】
上記したシート容器50及び固定治具64からなる発色画像測定セット48を用いて発色画像の測定を行う場合について以下に説明する。
【0043】
本発明方法を実施するための装置は、図12に示すごとく、画像入力装置70、例えばイメージスキャナーやCCDカメラ/ビデオカメラと、パソコンから構成されるデータ解析部72と、プリンター74やディスプレイ76から構成される出力装置を有している。
【0044】
本発明の発色画像の測定方法の第1の態様においては、図13に示すごとく、まず、シート容器50の入力面への配置が行われる(ステップ100)。即ち、測定すべき試料検体を試料滴下部25に滴下したシート容器50(図18)をその嵌合突部54を介して固定治具64の保持嵌着孔66に嵌着し、該シート容器50を嵌着した固定治具66を画像入力装置、例えばイメージスキャナー70の入力面70aに配置する。
【0045】
次いで、測定シート14の測定バンド20及びコントロールバンド30の発色画像20a,30aの読み込みが行われる(ステップ101)。即ち、固定治具64に嵌着されたシート容器50の発色画像を画像入力装置(イメージスキャナー)70に読み込む。
【0046】
さらに、この読み込み画像、即ち測定バンド20及びコントロールバンド30における発色画像20a,30aとパソコン72のディスプレイ76上に予め設定された所定の基準線78a,78b,80a,80b,82a,82b,84a,84bを比較し(ステップ102)、読み込み画像、即ち測定バンド20及びコントロールバンド30における発色画像20a,30aが所定の基準線78a,78b,80a,80b,82a,82b,84a,84b内に位置するか否かを判断する(ステップ103)。最初の読み込みにおいては、図19に示すごとく、測定バンド20及びコントロールバンド30における発色画像20a,30aは基準線78a,78b,80a,80b,82a,82b,84a,84bの外に位置したり、交差したりしていることが多い。
【0047】
発色画像20a,30aが基準線78a,78b,80a,80b,82a,82b,84a,84b内に位置していないと、発色画像の正確な測定はできないので、発色画像20a,30aが基準線78a,78b,80a,80b,82a,82b,84a,84b内に位置するように固定治具64の入力面70a上の位置を微調整する(ステップ104)。固定治具64の微調整後のシート容器の発色画像に対して再度読み込み(ステップ101)、読み込み画像と基準線の比較(ステップ102)及び読み込み画像が基準線内に位置するか否かをを判断する(ステップ103)という3つのステップを、発色画像が基準線内に位置するようになるまで繰り返す。
【0048】
図20に示すごとく、発色画像20a,30aが基準線78a,78b,80a,80b,82a,82b,84a,84b内に位置すると、固定治具64の位置の調整を完了し(ステップ105)、発色画像の測定を開始する(ステップ106)。
【0049】
上記発色画像の測定は、例えば特開平10−274653号公報に記載されるような方法、即ち、(1)試料検体をICGシート上に滴下しICGシート上に発色像を形成させる工程と、(2)該発色像を画像データとして取り込む工程と、(3)取り込んだ画像データの解析範囲を指定する工程と、(4)該解析範囲の生データのピクセル値の全平均値を算出し、各ピクセル値の各列及び各行の効果を算出する工程と、(5)各ピクセル値の誤差を算出する工程と、(6)各ピクセル値から各ピクセル値の誤差の分離を行なう工程と、(7)上記した各ピクセル値から各ピクセル値の誤差を除いたデータからベースラインを差し引いて零補正を行い、任意の位置で輪切りをしても同一形状のグラフとなるようにデータの整理加工を行なう工程と、(8)上記したように工程(7)で整理加工されたデータにつき、任意の箇所で輪切りにして輪切りデータグラフを得、この輪切りデータグラフからその面積及び/又はピークのピクセル値を求める工程と、(9)既知濃度の検体から作成した面積及び/又はピークのピクセル値と検体濃度との関係を示す検量線を用い、試料検体の面積及び/又はピークのピクセル値に基づいて試料検体の濃度を求める工程とからなることを特徴とするイムノクロマトグラフィによる検体の画像処理測定方法における(3)〜(9)の工程や、(1)試料検体をICGシート上に滴下しICGシート上に発色像を形成させる工程と、(2)該発色像を画像データとして取り込む工程と、(3)取り込んだ画像データの解析範囲を指定する工程と、(4)該解析範囲の生データのピクセル値の全平均値を算出し、各ピクセル値の各列及び各行の効果を算出する工程と、(5)各ピクセル値の誤差を算出する工程と、(6)各ピクセル値から各ピクセル値の誤差の分離を行なう工程と、(7)上記した各ピクセル値から各ピクセル値の誤差を除いたデータからベースラインを差し引いて零補正を行い、任意の位置で輪切りをしても同一形状のグラフとなるようにデータの整理加工を行なう工程と、(8)上記したように工程(7)で整理加工されたデータから、任意の一列のデータを取り出してその中の絶対値における最大値を求めこれをピークのピクセル値とし及び/又は負又は正のデータのすべてを加算してこれを面積のピクセル値とする工程と、(9)既知濃度の検体から作成した面積及び/又はピークのピクセル値と検体濃度との関係を示す検量線を用い、試料検体の面積及び/又はピークのピクセル値に基づいて試料検体の濃度を求める工程とからなることを特徴とするイムノクロマトグラフィによる検体の画像処理測定方法における(3)〜(9)の工程を用いればよい。
【0050】
また、特願平11−149692号において提案した(1)試料検体を免疫反応におけるラベル物質を有する発色デバイス上に滴下し、該発色デバイス上に発色像を形成させる工程と、(2)該発色像を画像データとしてフルカラーで取り込む工程と、(3)取り込んだ画像データの解析範囲を指定する工程と、(4)該解析範囲の生データの三原色のピクセル値の列平均値を算出し、各ピクセル値の列平均の移動平均値を求める工程と、(5)上記工程(4)で得られた移動平均値から発色の最小ピクセル値を算出する工程と、(6)前記最小ピクセル値に対して、前記発色像のバックグラウンドの補正を行う工程と、(7)上記補正工程(6)後のピクセル値と、既知濃度の検体との関係を示す検量線から未知濃度の試料検体の濃度を求める工程とからなることを特徴とする免疫反応による発色画像の処理測定方法における(3)〜(7)の工程、(1)試料検体を免疫反応におけるラベル物質を有する発色デバイス上に滴下し、該発色デバイス上に発色像を形成させる工程と、(2)該発色像を画像データとしてフルカラーで取り込む工程と、(3)取り込んだ画像データの解析範囲を指定する工程と、(4)該解析範囲の生データの三原色のピクセル値の列平均値を算出し、各ピクセル値の列平均の移動平均値を求める工程と、(5)上記工程(4)で得られた移動平均値から発色の最小ピクセル値を算出する工程と、(6′)前記ラベル物質の色の特徴を捉えて三原色の利用する割合を決定し、前記最小ピクセル値に対して補正を行う工程と、(7′)上記補正工程(6′)後のピクセル値と、既知濃度の検体との関係を示す検量線から未知濃度の試料検体の濃度を求める工程とからなることを特徴とする免疫反応による発色画像の処理測定方法における(3)〜(7′)の工程及び(1)試料検体を免疫反応におけるラベル物質を有する発色デバイス上に滴下し、該発色デバイス上に発色像を形成させる工程と、(2)該発色像を画像データとしてフルカラーで取り込む工程と、(3)取り込んだ画像データの解析範囲を指定する工程と、(4)該解析範囲の生データの三原色のピクセル値の列平均値を算出し、各ピクセル値の列平均の移動平均値を求める工程と、(5)上記工程(4)で得られた移動平均値から発色の最小ピクセル値を算出する工程と、(6′)前記ラベル物質の色の特徴を捉えて三原色の利用する割合を決定し、前記最小ピクセル値に対して補正を行う工程と、(6)前記最小ピクセル値に対して、前記発色像のバックグラウンドの補正を行う工程と、(7″)上記補正工程(6′)および(6)後のピクセル値と、既知濃度の検体との関係を示す検量線から未知濃度の試料検体の濃度を求める工程とからなることを特徴とする免疫反応による発色画像の処理測定方法における(3)〜(7″)の工程を用いることもできる。
【0051】
上記した図示例の発色画像の測定は、固定治具64に10個のシート容器50を保持嵌着させて行なえるので、1回の測定で10個の試料検体の検査を同時に行うことができる。この場合の測定結果は、例えば、図21に示すようにソフトメイン画像としてディスプレイ上に表示させることができ、これによって患者の病状を迅速に判断することができる。
【0052】
また、試料検体が100個とか1000個等の多数個の場合であっても入力面70a上の固定治具64を正確な位置に一旦決定してしまえば、図16(a)に示すように、各測定シート14における発色画像20a,30aの左右方向の位置及び上下方向の位置は決定されて不動となるので、測定を終了したシート容器50を外して新しく測定するシート容器50を取り付けるだけで、発色画像の正確な測定を連続的に行うことができ、多数の試料検体を迅速に処理することができる。
【0053】
上記固定治具64の画像入力装置、例えばイメージスキャナー70の入力面70a上での位置の微調整を円滑に行うためには入力面70a上で固定治具64が移動できる余地があるように入力面70aのサイズよりも上下左右のそれぞれにおいて約1mm程度の小さいサイズに固定治具64を形成しておけばよい。
【0054】
また、図17に示したように、イメージスキャナー70の入力面、即ちガラス面70aにおける許容焦点距離、即ち光源70bから発した光が被読み込み対象に反射してCCD70cにおいて鮮明な画像を読み込むためのガラス面上の距離は、2mm以下であるので、前述したように固定治具64の厚さdは0.5〜2mmとするのが好適である。
【0055】
図13に示した発色画像の測定方法においては、発色画像20a,30aが基準線78a,78b,80a,80b,82a,82b,84a,84b間に位置しない場合には、入力面70a上の固定治具64の位置を微調整して基準線78a,78b,80a,80b,82a,82b,84a,84b間に位置させる手法を採用したが、図14に示す手法を採用することもできる。
【0056】
図14のフローチャートにおいて図13のフローチャートとの相違点は、発色画像20a,30aが基準線78a,78b,80a,80b,82a,82b,84a,84b間に位置しない場合に、固定治具64の入力面70a上の位置を調整することなく、そのままとしておいて、パソコン72による画像入力位置を調整することによって、入力画像20a,30aを基準線78a,78b,80a,80b,82a,82b,84a,84b内に位置させるようにしたものである。
【0057】
図13の手法の場合には、画像入力装置、例えばイメージスキャナー70の構造上の微妙な違いを固定治具64を動かすことによってイメージスキャナー70側で調整するので、異なるイメージスキャナーを用いる場合でも同一のイメージスキャナーとして取り扱える利点があり、一方図14の手法の場合には、固定治具64を動かすことなくパソコン72側で調整するので、固定治具64を動かす手間はなくなるが、パソコンソフトのバージョン変更に際して調整値を踏襲する必要がある。
【0058】
【発明の効果】
以上述べたごとく、本発明によれば、▲1▼画像入力装置、例えばイメージスキャナーによる発色画像の読み込みを正確かつ鮮明に行うことができ、▲2▼検体の取り外し、取り付けが容易で多数検体の測定が円滑に行え、▲3▼少量検体においても、1検体から単独の測定が可能であり、特に本発明の固定治具を用いることによって、▲4▼画像入力装置、例えばイメージスキャナー機械間の誤差を吸収することでソフトの共通化を図り、ソフトバージョンアップが容易となるという効果を達成することができる。
【0059】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発色画像測定用シート容器の上面図である。
【図2】図1の上面側から見た分解斜視図である。
【図3】図1の下面側から見た分解斜視図である。
【図4】発色画像測定用シートの断面図である。
【図5】発色画像測定用シート容器の固定治具の上面図である。
【図6】図5の下面図である。
【図7】発色画像測定用シート容器を固定治具の保持嵌着孔に嵌着させる前の状態を上面側から見た斜視図である。
【図8】図7の状態を下面側から見た斜視図である。
【図9】図7の状態から発色画像測定用シート容器を固定治具の保持嵌着孔に嵌着させた状態の上面図である。
【図10】図9の状態の下面図である。
【図11】図10の斜視図である。
【図12】本発明方法の第1の態様の手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明方法の第2の態様の手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明方法を実施するための装置における各部材の配列を示すブロック図である。
【図15】イメージスキャナーの入力面上方に固定治具を位置させた状態を示す斜視説明図である。
【図16】固定治具の保持嵌着孔と発色画像の位置関係を示す図面で、(a)は上面説明図、(b)は断面図である。
【図17】イメージスキャナーの入力面の断面的説明図である。
【図18】発色済の発色画像測定用シートを収納したシート容器を保持シート上に並列状態に配設した状態を示す上面図である。
【図19】コンピュータのディスプレイ上に読み込まれた発色画像の調整前の画像を示す図面である。
【図20】図19の調整後の画像を示す図面である。
【図21】便潜血測定結果を表示するコンピュータの画面を示す図面である。
【図22】ICGシート基本構成図である。
【図23】ICG法の原理を示す説明図である。
【図24】ICGシート示す上面説明図である。
【符号の説明】
12:ニトロセルロース支持体、14b:カバーシート、14a:シート本体、14c:バッキングシート、14:測定用シート、16:標識部位、20:測定バンド、20a,30a:発色画像、24:試料検体、25:試料検体滴下部、28:測定複合体、30:コントロールバンド、36:コントロール複合体、40:吸収パッド部、48:発色画像測定セット、50:発色画像測定用シート容器、52:容器本体、54:嵌合突部、60:空間、62:カバープレート、64:固定治具、64a:表面、64b:裏面、66:保持嵌着孔、68:保持シート、70:画像入力装置(イメージスキャナー)、70a:入力面、72:データ解析部(パソコン)、74:プリンター、76:ディスプレイ、56,58:窓部、78a,78b,80a,80b,82a,82b,84a,84b:基準線。
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料検体、例えば、便中のヒトヘモグロビンをイムノクロマトグラフィ( Immuno Chromatography:以下ICG法ということがある)の免疫反応によって測定するにあたり、イムノクロマトグラフィにおけるニトロセルロース支持体(以下ICGシートということがある)上に形成される発色像を画像処理することによって行なう際に有効に用いられる発色画像測定セット、発色画像測定用シート容器の固定治具及び発色画像測定方法に関する。
【0002】
【関連技術】
イムノクロマトグラフィは、抗原抗体反応の高い特異性と検出感度を利用して抗原または抗体を測定する方法として知られるイムノアッセイ(Immunoassay :免疫測定法)をクロマトグラフィに応用したものであり、ラテラルフローアッセイとも呼ばれる。このICG法は、検出すべき検体と特異的に反応する物質(ラベル物質)を固相化したICGシートを用いる検体の測定方法である。
【0003】
例えば、便中ヒトヘモグロビン(以下Hbということがある)の測定をICG法で行なう場合について、図22〜図24を参照して説明する。ニトロセルロース支持体12の一端部分の標識部位16にラテックス粒子標識抗ヒトヘモグロビン抗体(以下抗Hbということがある)を固相化し、また他端部分の測定バンド20に抗Hb22を固相化してICGシート14を作成する。
【0004】
このICGシート14の一端部の試料検体滴下部25に試料検体24を加えると該試料検体24は該ICGシート14に沿って他端方向に移行し、測定バンド20において試料検体24中のHb26と抗Hb22とラテックス粒子標識抗Hb18との複合体28が形成される。この複合体28が形成されると、該測定バンド20に形成された複合体28が発色するため該測定バンド20には発色像が形成されることとなる。この測定バンド20における発色の有無でヒトヘモグロビンの有無の判定を行なう。
【0005】
つまり、ICGシート14の測定バンド20での発色がない場合には、陰性と判断し、発色した場合は、陽性と判断される。Hb26の量が多い程発色濃度が濃くなる。ラテックス粒子標識抗Hb18に用いられるラテックス粒子が着色されているためにその着色された色が測定複合体28の形成により集合して発色することとなる。
【0006】
ラテックス粒子は所望の色に着色することができるが、通常は判定が容易なように、赤や青等の原色が用いられる。図示の例では赤色に着色したラテックス粒子を用いた場合について説明した。また、上記ラテックス粒子に代えて金コロイド粒子が用いられることもある。
【0007】
図23及び図24において、30は上記測定バンド20の外側に設けられたコントロールバンドである。該コントロールバンド30には抗ウサギIgG32が固相化されている。この場合、ニトロセルロース支持体12の標識部位16には、前記したラテックス粒子標識抗Hb18とともにラテックス粒子標識ウサギIgG34が固相化される。
【0008】
このように構成したICGシート14の一端部に試料検体24を加えると、該ラテックス粒子標識ウサギIgG34が該ICGシート14に沿って他端方向に移行し、コントロールバンド30において抗ウサギIgG32とラテックス粒子標識ウサギIgG34とのコントロール複合体36が形成され、前記した測定複合体28とは異なる発色(図示の例では青色)を行なう。
【0009】
このコントロール複合体36の発色により、試料検体24が間違いなくICGシート14上に添加されたかを確認することができる。したがって、陰性、陽性の判定パターンは次の3種類となる。▲1▼陰性:赤色無、青色有。▲2▼陽性:赤色有、青色有。▲3▼判定不能:赤色無、青色無。従来はこの判定を目視によって行なっていたがヒトヘモグロビン量の正確な値を測定することは不可能であった。
【0010】
このような、イムノクロマトグラフィ(ラテラルフローアッセイ)は、特開平10−160736号公報などに開示されている。
【0011】
一方、ニトロセルロースのような薄い膜、濾紙及びメンブレン等で分画された蛋白等の濃淡を測定する比色測定法として、デンシトメトリーが知られている。このデンシトメトリーは、ヒト血清全体の蛋白分画のパターンを測定する研究的要素の高い方法であるが、近年この原理を応用して臨床試薬の測定に用いられている。
【0012】
そこで、本発明者は、上記したイムノクロマトグラフィ法における目視判定の不正確を解消すべく、この判定に対してデンシトメーターが適用できないかについて検討した。
【0013】
しかし、本発明者の検討によれば、デンシトメーターは、次のような欠点を有しているので、上記した判定に用いるには不適当であった。▲1▼デンシトメーターは汎用機であるため、ベースラインの設定や各種計測条件の設定をユーザーが設定しなければならない。▲2▼測定感度が良好でない。計測バンドをそのまま輪切りにした計測方法のため、ICG法に付随する計測誤差(試薬・検体の拡散速度の不均一、シートのバラツキ等による)を同時に計測データとしてしまう。▲3▼測定可能な濃度範囲が狭く限定されてしまう。▲4▼測定値を算出するまでに時間がかかるので多数検体処理が難かしい。測定時間は、1検体あたり3〜5分が必要である。▲5▼CCDカメラ、ビデオカメラを使用するので小型軽量化するのが難かしくコストが高くなってしまう。
【0014】
既に本発明者は、上記したICG法の判定方法については、免疫反応における測定システムの構築を可能とし、しかも画像入力装置、表計算ソフト、コンピュータ等の市販品の若干の改造で、上記測定システムは利用できるため、コスト低減を図ることができ、抗原−抗体反応や酵素−基質反応における反応の極大値及び収束についてのデータ解析が容易となり、従来から画像解析により行なっていた凝集像の自動判定についても応用可能で、この分野においても廉価なシステム構成を可能としたICG法による検体の画像処理測定方法を提案している。(特開平10−274653号公報参照)。
【0015】
しかしながら、イムノクロマトグラフィによる免疫反応において、その測定対象には、便中ヒトヘモグロビン以外にも尿、血液(血清、血漿)または体液(脳液、髄液、腹水等)等があるが、これらの検体には検体自体にそれぞれ特有の色調がある場合がある。例えば、緑便と呼ばれる緑色がかった便検体や、血漿検体の場合は溶血の影響や、喀痰検体の場合は残留食物色素の影響などによる色調である。このような検体の色調は、イムノクロマトグラフィによる免疫反応を展開させた上での発色像のバックグラウンド(背景色)となり、発色像の色調に影響を与える。
【0016】
例えば、試料検体が緑便(緑色がかった便)であり、赤色に着色したラテックス粒子をラベル物質として、免疫反応により発色せしめた場合、バックグラウンドとなる該試料検体の緑色(RGB=0:255:0)は、ラベル物質の赤色(RGB=255:0:0)と補色に近い関係となるために、発色像は赤色ではなく黒色(RGB=0:0:0)に近くなってしまったり、バックグラウンドの緑色が多い場合には、発色部位全体が緑色を帯びてしまい赤色の発色像が判別できないことがある。
【0017】
また、イムノクロマトグラフィ免疫反応に用いられるラベル物質は、近年多様化しており、ラテックス、金、銀、鉄、セレニュウム、硫黄、テルニウム、炭素、染料嚢、酵素、酵素−染料複合などがある。これらラベル物質はそれぞれに色調が異なっている。特にラテックスなどは着色自在であり、また金コロイドなどはその粒子径によっても色調が異なる。そのため、どの色成分を捉えて測定するかによって測定値は大きく異なる。
【0018】
上記従来技術の画像処理測定方法では、画像入力装置から可視領域の光を取り込み、すべて色情報を取り込んでいる。これは光の三原色R、G、Bの数値で表される色情報である。この色情報には、上述したバックグラウンド(背景色)や、ラベル物質自体の色調が混色されているが、上記従来技術では、色情報に対するこれらの影響は考慮されていない。
【0019】
そのため、上記従来技術では、次のような問題が生じている。▲1▼バックグラウンド(背景色)の影響で発色像の色調が変色または消失し、測定すべき色成分を正確に測定することができない。▲2▼多様化したラベル物質や着色自在なラベル物質による発色像の濃度を測定する場合には、どの色成分を捉えて測定するかで測定値が大きく異なる。したがって、▲3▼バックグラウンドを有し且つ色調の異なるラベル物質による発色像を正確に処理測定することは困難である。
【0020】
本発明者は、免疫反応による発色画像の処理測定方法について、さらなる改良を行なうべく、鋭意研究を重ね、免疫反応、特にイムノクロマトグラフィにおける発色画像の処理測定方法において、バックグラウンド(背景色)を有する発色像であっても該バックグラウンドの影響を除去して測定可能で、また、ラベル物質の多様化に伴うラベル物質自体の色調の違いによっても測定すべき色成分を捉えて測定可能で、さらに、バックグラウンドを有し且つ色調の異なるラベル物質による発色像であっても正確に処理測定可能とし、さらにまた、従来から画像解析により行なっていた凝集像の自動判定についても応用可能で、しかも、従来装置に対して新たな設備を追加することなく導入可能であり、廉価なシステム構成を可能とした免疫反応における発色画像の処理測定方法についても既に提案している(特願平11−149692号)。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者による上記各提案は、発色画像の処理測定についての原理的な究明を主眼とした研究の成果を提示したものであるが、現場的な測定作業の効率化及びコストダウンを図るための測定用セット、測定用治具や具体的な測定手順等についての研究はいまだ充分にはなされていなかった。
【0022】
本発明は、上記した点に鑑みなされたもので、▲1▼画像入力装置、例えばイメージスキャナーによる発色画像の読み込みを正確かつ鮮明に行うことができ、▲2▼検体の取り外し、取り付けが容易で多数検体の測定が円滑に行え、▲3▼少量検体においても、1検体から単独の測定が可能、▲4▼画像入力装置、例えばイメージスキャナー機械間の誤差を吸収することでソフトの共通化を図り、ソフトバージョンアップが容易となるようにした発色画像測定セット、発色画像測定用シート容器の固定治具及び発色画像測定方法を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の発色画像測定セットは、(A)試料検体滴下部と滴下された試料検体が陽性の場合に発色する測定バンドと試料検体が滴下されると発色するコントロールバンドを備えた発色画像測定用シート、及び表面側に嵌合突部を形成するとともに該嵌合突部に窓部を開口しかつ該発色画像測定用シートを内部に収納する容器本体を有し、該収納された発色画像測定用シートの試料検体滴下部と測定バンドとコントロールバンドとが該窓部を介して外部から目視可能に配置されてなる発色画像測定用シート容器、及び(B)複数個の上記発色画像測定用シート容器を着脱自在に同時に嵌着することのできる発色画像測定用シート容器の固定治具からなり、該発色画像測定用シートを収容配置した発色画像測定用シート容器(A)の表面側を上記固定治具(B)を介して画像入力装置の入力面に配設し、該発色画像を画像入力することによって複数個の発色画像の測定を同時に行うことができるようにしたことを特徴とする。
【0024】
本発明の発色画像測定用シート容器の固定治具は、上記した発色画像測定セットに用いられる発色画像測定用シート容器の固定治具であって、複数個の前記発色画像測定用シート容器を前記嵌合突部を介して着脱自在に嵌着する保持嵌着孔を複数個開穿したことを特徴とする。
【0025】
前記発色画像測定用シート容器の嵌合突部を長尺状に形成しかつ長手方向両端部の形状を非対称とし、該嵌合突部の形状に対応して前記保持嵌着孔を長孔状としかつ長手方向両端部の形状を非対称、即ち互いに異形としておけば、発色画像測定用シート容器を上下さかさまにセットするという事故は未然に防止される。
【0026】
複数個の前記発色画像測定用シート容器を1枚の保持シートに着脱可能に右から左へ番号順に並列状態で取付け、該保持シートに並列配置された状態の複数個の該発色画像測定用シート容器の表面側を前記固定治具の保持嵌着孔に該固定治具の裏面側から嵌着させるに際し、該発色画像測定用シート容器の配置番号順が該保持嵌着孔の位置から判別できるように該固定治具の裏面の保持嵌着孔の列の近傍に右から左へ順に番号を表記しておけば、保持嵌着孔の番号と試料検体の順番とを容易に一致させることができる。
【0027】
前記固定治具の少なくとも表面側を暗色としておけば、画像入力装置による読み込みの際、発色画像を鮮明に読み込むことができる。
【0028】
前記固定治具の厚さを0.5〜2mmとしておけば、画像入力装置、特にイメージスキャナーによる発色画像の読み込みに際し、鮮明な画像を結ばせることが可能である。
【0029】
本発明の発色画像測定方法の第1の態様は、(1)測定すべき試料検体を試料滴下部に滴下した発色画像測定用シート容器をその嵌合突部を介して上記した固定治具の保持嵌着孔に嵌着し該発色画像測定用シート容器を嵌着した上記固定治具を画像入力装置の入力面に配設する工程と、(2)該固定治具に嵌着された発色画像測定用シート容器の発色画像を画像入力装置に読み込む工程と、(3)読み込み画像とパソコンのディスプレイ上に予め設定された所定の基準線を比較する工程と、(4)読み込み画像が所定の基準線内に位置するか否かを判断する工程と、(5)該発色画像が該基準線内に位置しない場合には、上記固定治具の上記入力面上の配設位置を微調整する工程と、(6)該固定治具の位置の微調整後の固定治具に嵌着された発色画像測定用シート容器の発色画像に対して該発色画像が該基準線内に位置するまで上記(3)(4)(5)の工程を繰り返す工程と、(7)該発色画像が該基準線内に位置すると、該固定治具の位置の調整を完了し、該発色画像の測定を開始する工程とよりなることを特徴とする。
【0030】
本発明の発色画像測定方法の第2の態様は、(1)測定すべき試料検体を試料滴下部に滴下した発色画像測定用シート容器をその嵌合突部を介して上記した固定治具の保持嵌着孔に嵌着し該発色画像測定用シート容器を嵌着した上記固定治具を画像入力装置の入力面に配設する工程と、(2)該固定治具に嵌着された発色画像測定用シート容器の発色画像を画像入力装置に読み込む工程と、(3)読み込み画像とパソコンのディスプレイ上に予め設定された所定の基準線を比較する工程と、(4)読み込み画像が所定の基準線内に位置するか否かを判断する工程と、(5)該発色画像が該基準線内に位置しない場合には、該発色画像の読み込み範囲位置を変更する工程と、(6)読み込み範囲位置の変更後、固定治具に嵌着された発色画像測定用シート容器の発色画像に対して該発色画像が該基準線内に位置するまで上記(3)(4)(5)の工程を繰り返す工程と、(7)該発色画像が該基準線内に位置すると、該読み込み範囲の位置調整を完了し、該発色画像の測定を開始する工程とよりなることを特徴とする。
【0031】
上記画像入力装置としては、イメージスキャナーが好適に用いられる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明するが、本発明の技術思想から逸脱しない限り図示例以外にも種々の変形が可能なことはいうまでもない。
【0033】
図1は本発明の発色画像測定用シート容器の上面図、図2は図1の上面側から見た分解斜視図、図3は図1の下面側から見た分解斜視図、図4は発色画像測定用シートの断面図、図5は発色画像測定用シート容器の固定治具の上面図、図6は図5の下面図、図7は発色画像測定用シート容器を固定治具の保持嵌着孔に嵌着させる前の状態を上面側から見た斜視図、図8は図7の状態を下面側から見た斜視図、図9は図7の状態から発色画像測定用シート容器を固定治具の保持嵌着孔に嵌着させた状態の上面図、図10は図9の状態の下面図、図11は図10の斜視図、図12は本発明方法の第1の態様の手順を示すフローチャート、図13は本発明方法の第2の態様の手順を示すフローチャート、図14は本発明方法を実施するための装置における各部材の配列を示すブロック図、図15はイメージスキャナーの入力面上方に固定治具を位置させた状態を示す斜視説明図、図16は固定治具の保持嵌着孔と発色画像の位置関係を示す図面で、(a)は上面説明図、(b)は断面図、図17はイメージスキャナーの入力面の断面的説明図、図18は発色済の発色画像測定用シートを収納したシート容器を保持シート上に並列状態に配設した状態を示す上面図、図19はコンピュータのディスプレイ上に読み込まれた発色画像の調整前の画像を示す図面、図20は図19の調整後の画像を示す図面、図21は発色画像の測定結果を表示するコンピュータの画面を示す図面である。
【0034】
図1は本発明に係る発色画像測定セット48を構成する発色画像測定用シート容器(以下シート容器ということがある)50を示す。該シート容器50は、発色画像測定用シート(以下測定用シートということがある)14、及び該測定用シート14を内部に収納する容器本体52を有している。該容器本体52の表面側には嵌合突部54が形成され、該嵌合突部54には窓部56,58が開口されている。該窓部56,58は、図示例で2個設けた場合を示したが、窓部56,58を一緒にして一個の窓部であっても特別問題はない。該容器本体52の内部には、該嵌合突部54に対応して測定用シート14を収納する空間60が形成されており、測定用シート14を空間60に収納すると、該測定用シート14が脱落しないように着脱可能なカバープレート62によって裏面側から該空間60は閉鎖される。
【0035】
測定用シート14は、図22〜図24に示したICGシートと同様の構成、即ち試料検体が滴下される試料検体滴下部25、滴下された試料検体が陽性の場合に発色する測定バンド20及び試料検体が滴下されると発色するコントロールバンド30を有している。
【0036】
この測定用シート14の具体的構成について図4とともに説明する。該測定用シート14は、中央部にシート本体14a、上面側はカバーシート14b及び下面側はバッキングシート14cからなるラミネート構造となっている。該シート本体14aにおいて、その基端部に試料滴下部25、その中央部には図23及び図24に示したように標識部位16、測定バンド20及びコントロールバンド30がそれぞれ形成されている。該シート本体14の先端部には吸収パッド部40が形成されている。該吸収パッド部40は試料検体滴下部25に試料検体が滴下されると、スムーズに先端方向に移動するように試料検体を吸収する作用を行う。
【0037】
図5〜図11において、64は発色画像測定用シート容器50を固定する固定治具である。66は該固定治具64に穿設された複数個(図示例では5個が2列で10個)の保持嵌着孔で、前記容器本体52の表面側に突設された嵌合突部54を嵌着することによってシート容器50が保持されるようになっている。
【0038】
該保持嵌着孔66は、前記嵌合突部54の形状に対応して形成されることが必要であり、図示例のように嵌合突部54を長尺状に形成しかつ長手方向両端部の形状を非対称、即ち互いに異形(上部が半円形、下部は角形)とした場合には、該保持嵌着孔66も長孔状としかつ長手方向両端部の形状を非対称、即ち互いに異形(上部が半円形、下部は角形)とされることが必要である。これによって、シート容器50を保持嵌着孔66に保持させる際に上下さかさまにセットするという事故は未然に防止される。
【0039】
該固定治具64の裏面64bの保持嵌着孔66の列の近傍に右から左へ順に番号を表記しておけば、複数個(図示例では5個×2列で10個)のシート容器50を1枚の保持シート68に着脱可能(例えば、保持シート68の一面を粘着面とすることによって)に右から左へ番号順に並列状態で取付け(図7、図8、図10、図11及び図18)、該保持シート68に並列配置された状態の複数個のシート容器50の表面側を該固定治具64の保持嵌着孔66に該固定治具64の裏面側から嵌着させるに際し、該シート容器50の配置番号順が該保持嵌着孔66の位置から判別できる便利さがある。
【0040】
該固定治具64の色については特別の限定はないが、少なくともその表面64aを黒色等の暗色としておけば、画像入力装置による読み込みの際、発色画像を鮮明に読み込むことができる利点がある。
【0041】
また、該固定治具64の厚さd[図16(b)]を0.5〜2mmとしておけば、後述するように画像入力装置70、特にイメージスキャナーによる発色画像の読み込みに際し、鮮明な画像を結ばせることが可能である。
【0042】
上記したシート容器50及び固定治具64からなる発色画像測定セット48を用いて発色画像の測定を行う場合について以下に説明する。
【0043】
本発明方法を実施するための装置は、図12に示すごとく、画像入力装置70、例えばイメージスキャナーやCCDカメラ/ビデオカメラと、パソコンから構成されるデータ解析部72と、プリンター74やディスプレイ76から構成される出力装置を有している。
【0044】
本発明の発色画像の測定方法の第1の態様においては、図13に示すごとく、まず、シート容器50の入力面への配置が行われる(ステップ100)。即ち、測定すべき試料検体を試料滴下部25に滴下したシート容器50(図18)をその嵌合突部54を介して固定治具64の保持嵌着孔66に嵌着し、該シート容器50を嵌着した固定治具66を画像入力装置、例えばイメージスキャナー70の入力面70aに配置する。
【0045】
次いで、測定シート14の測定バンド20及びコントロールバンド30の発色画像20a,30aの読み込みが行われる(ステップ101)。即ち、固定治具64に嵌着されたシート容器50の発色画像を画像入力装置(イメージスキャナー)70に読み込む。
【0046】
さらに、この読み込み画像、即ち測定バンド20及びコントロールバンド30における発色画像20a,30aとパソコン72のディスプレイ76上に予め設定された所定の基準線78a,78b,80a,80b,82a,82b,84a,84bを比較し(ステップ102)、読み込み画像、即ち測定バンド20及びコントロールバンド30における発色画像20a,30aが所定の基準線78a,78b,80a,80b,82a,82b,84a,84b内に位置するか否かを判断する(ステップ103)。最初の読み込みにおいては、図19に示すごとく、測定バンド20及びコントロールバンド30における発色画像20a,30aは基準線78a,78b,80a,80b,82a,82b,84a,84bの外に位置したり、交差したりしていることが多い。
【0047】
発色画像20a,30aが基準線78a,78b,80a,80b,82a,82b,84a,84b内に位置していないと、発色画像の正確な測定はできないので、発色画像20a,30aが基準線78a,78b,80a,80b,82a,82b,84a,84b内に位置するように固定治具64の入力面70a上の位置を微調整する(ステップ104)。固定治具64の微調整後のシート容器の発色画像に対して再度読み込み(ステップ101)、読み込み画像と基準線の比較(ステップ102)及び読み込み画像が基準線内に位置するか否かをを判断する(ステップ103)という3つのステップを、発色画像が基準線内に位置するようになるまで繰り返す。
【0048】
図20に示すごとく、発色画像20a,30aが基準線78a,78b,80a,80b,82a,82b,84a,84b内に位置すると、固定治具64の位置の調整を完了し(ステップ105)、発色画像の測定を開始する(ステップ106)。
【0049】
上記発色画像の測定は、例えば特開平10−274653号公報に記載されるような方法、即ち、(1)試料検体をICGシート上に滴下しICGシート上に発色像を形成させる工程と、(2)該発色像を画像データとして取り込む工程と、(3)取り込んだ画像データの解析範囲を指定する工程と、(4)該解析範囲の生データのピクセル値の全平均値を算出し、各ピクセル値の各列及び各行の効果を算出する工程と、(5)各ピクセル値の誤差を算出する工程と、(6)各ピクセル値から各ピクセル値の誤差の分離を行なう工程と、(7)上記した各ピクセル値から各ピクセル値の誤差を除いたデータからベースラインを差し引いて零補正を行い、任意の位置で輪切りをしても同一形状のグラフとなるようにデータの整理加工を行なう工程と、(8)上記したように工程(7)で整理加工されたデータにつき、任意の箇所で輪切りにして輪切りデータグラフを得、この輪切りデータグラフからその面積及び/又はピークのピクセル値を求める工程と、(9)既知濃度の検体から作成した面積及び/又はピークのピクセル値と検体濃度との関係を示す検量線を用い、試料検体の面積及び/又はピークのピクセル値に基づいて試料検体の濃度を求める工程とからなることを特徴とするイムノクロマトグラフィによる検体の画像処理測定方法における(3)〜(9)の工程や、(1)試料検体をICGシート上に滴下しICGシート上に発色像を形成させる工程と、(2)該発色像を画像データとして取り込む工程と、(3)取り込んだ画像データの解析範囲を指定する工程と、(4)該解析範囲の生データのピクセル値の全平均値を算出し、各ピクセル値の各列及び各行の効果を算出する工程と、(5)各ピクセル値の誤差を算出する工程と、(6)各ピクセル値から各ピクセル値の誤差の分離を行なう工程と、(7)上記した各ピクセル値から各ピクセル値の誤差を除いたデータからベースラインを差し引いて零補正を行い、任意の位置で輪切りをしても同一形状のグラフとなるようにデータの整理加工を行なう工程と、(8)上記したように工程(7)で整理加工されたデータから、任意の一列のデータを取り出してその中の絶対値における最大値を求めこれをピークのピクセル値とし及び/又は負又は正のデータのすべてを加算してこれを面積のピクセル値とする工程と、(9)既知濃度の検体から作成した面積及び/又はピークのピクセル値と検体濃度との関係を示す検量線を用い、試料検体の面積及び/又はピークのピクセル値に基づいて試料検体の濃度を求める工程とからなることを特徴とするイムノクロマトグラフィによる検体の画像処理測定方法における(3)〜(9)の工程を用いればよい。
【0050】
また、特願平11−149692号において提案した(1)試料検体を免疫反応におけるラベル物質を有する発色デバイス上に滴下し、該発色デバイス上に発色像を形成させる工程と、(2)該発色像を画像データとしてフルカラーで取り込む工程と、(3)取り込んだ画像データの解析範囲を指定する工程と、(4)該解析範囲の生データの三原色のピクセル値の列平均値を算出し、各ピクセル値の列平均の移動平均値を求める工程と、(5)上記工程(4)で得られた移動平均値から発色の最小ピクセル値を算出する工程と、(6)前記最小ピクセル値に対して、前記発色像のバックグラウンドの補正を行う工程と、(7)上記補正工程(6)後のピクセル値と、既知濃度の検体との関係を示す検量線から未知濃度の試料検体の濃度を求める工程とからなることを特徴とする免疫反応による発色画像の処理測定方法における(3)〜(7)の工程、(1)試料検体を免疫反応におけるラベル物質を有する発色デバイス上に滴下し、該発色デバイス上に発色像を形成させる工程と、(2)該発色像を画像データとしてフルカラーで取り込む工程と、(3)取り込んだ画像データの解析範囲を指定する工程と、(4)該解析範囲の生データの三原色のピクセル値の列平均値を算出し、各ピクセル値の列平均の移動平均値を求める工程と、(5)上記工程(4)で得られた移動平均値から発色の最小ピクセル値を算出する工程と、(6′)前記ラベル物質の色の特徴を捉えて三原色の利用する割合を決定し、前記最小ピクセル値に対して補正を行う工程と、(7′)上記補正工程(6′)後のピクセル値と、既知濃度の検体との関係を示す検量線から未知濃度の試料検体の濃度を求める工程とからなることを特徴とする免疫反応による発色画像の処理測定方法における(3)〜(7′)の工程及び(1)試料検体を免疫反応におけるラベル物質を有する発色デバイス上に滴下し、該発色デバイス上に発色像を形成させる工程と、(2)該発色像を画像データとしてフルカラーで取り込む工程と、(3)取り込んだ画像データの解析範囲を指定する工程と、(4)該解析範囲の生データの三原色のピクセル値の列平均値を算出し、各ピクセル値の列平均の移動平均値を求める工程と、(5)上記工程(4)で得られた移動平均値から発色の最小ピクセル値を算出する工程と、(6′)前記ラベル物質の色の特徴を捉えて三原色の利用する割合を決定し、前記最小ピクセル値に対して補正を行う工程と、(6)前記最小ピクセル値に対して、前記発色像のバックグラウンドの補正を行う工程と、(7″)上記補正工程(6′)および(6)後のピクセル値と、既知濃度の検体との関係を示す検量線から未知濃度の試料検体の濃度を求める工程とからなることを特徴とする免疫反応による発色画像の処理測定方法における(3)〜(7″)の工程を用いることもできる。
【0051】
上記した図示例の発色画像の測定は、固定治具64に10個のシート容器50を保持嵌着させて行なえるので、1回の測定で10個の試料検体の検査を同時に行うことができる。この場合の測定結果は、例えば、図21に示すようにソフトメイン画像としてディスプレイ上に表示させることができ、これによって患者の病状を迅速に判断することができる。
【0052】
また、試料検体が100個とか1000個等の多数個の場合であっても入力面70a上の固定治具64を正確な位置に一旦決定してしまえば、図16(a)に示すように、各測定シート14における発色画像20a,30aの左右方向の位置及び上下方向の位置は決定されて不動となるので、測定を終了したシート容器50を外して新しく測定するシート容器50を取り付けるだけで、発色画像の正確な測定を連続的に行うことができ、多数の試料検体を迅速に処理することができる。
【0053】
上記固定治具64の画像入力装置、例えばイメージスキャナー70の入力面70a上での位置の微調整を円滑に行うためには入力面70a上で固定治具64が移動できる余地があるように入力面70aのサイズよりも上下左右のそれぞれにおいて約1mm程度の小さいサイズに固定治具64を形成しておけばよい。
【0054】
また、図17に示したように、イメージスキャナー70の入力面、即ちガラス面70aにおける許容焦点距離、即ち光源70bから発した光が被読み込み対象に反射してCCD70cにおいて鮮明な画像を読み込むためのガラス面上の距離は、2mm以下であるので、前述したように固定治具64の厚さdは0.5〜2mmとするのが好適である。
【0055】
図13に示した発色画像の測定方法においては、発色画像20a,30aが基準線78a,78b,80a,80b,82a,82b,84a,84b間に位置しない場合には、入力面70a上の固定治具64の位置を微調整して基準線78a,78b,80a,80b,82a,82b,84a,84b間に位置させる手法を採用したが、図14に示す手法を採用することもできる。
【0056】
図14のフローチャートにおいて図13のフローチャートとの相違点は、発色画像20a,30aが基準線78a,78b,80a,80b,82a,82b,84a,84b間に位置しない場合に、固定治具64の入力面70a上の位置を調整することなく、そのままとしておいて、パソコン72による画像入力位置を調整することによって、入力画像20a,30aを基準線78a,78b,80a,80b,82a,82b,84a,84b内に位置させるようにしたものである。
【0057】
図13の手法の場合には、画像入力装置、例えばイメージスキャナー70の構造上の微妙な違いを固定治具64を動かすことによってイメージスキャナー70側で調整するので、異なるイメージスキャナーを用いる場合でも同一のイメージスキャナーとして取り扱える利点があり、一方図14の手法の場合には、固定治具64を動かすことなくパソコン72側で調整するので、固定治具64を動かす手間はなくなるが、パソコンソフトのバージョン変更に際して調整値を踏襲する必要がある。
【0058】
【発明の効果】
以上述べたごとく、本発明によれば、▲1▼画像入力装置、例えばイメージスキャナーによる発色画像の読み込みを正確かつ鮮明に行うことができ、▲2▼検体の取り外し、取り付けが容易で多数検体の測定が円滑に行え、▲3▼少量検体においても、1検体から単独の測定が可能であり、特に本発明の固定治具を用いることによって、▲4▼画像入力装置、例えばイメージスキャナー機械間の誤差を吸収することでソフトの共通化を図り、ソフトバージョンアップが容易となるという効果を達成することができる。
【0059】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発色画像測定用シート容器の上面図である。
【図2】図1の上面側から見た分解斜視図である。
【図3】図1の下面側から見た分解斜視図である。
【図4】発色画像測定用シートの断面図である。
【図5】発色画像測定用シート容器の固定治具の上面図である。
【図6】図5の下面図である。
【図7】発色画像測定用シート容器を固定治具の保持嵌着孔に嵌着させる前の状態を上面側から見た斜視図である。
【図8】図7の状態を下面側から見た斜視図である。
【図9】図7の状態から発色画像測定用シート容器を固定治具の保持嵌着孔に嵌着させた状態の上面図である。
【図10】図9の状態の下面図である。
【図11】図10の斜視図である。
【図12】本発明方法の第1の態様の手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明方法の第2の態様の手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明方法を実施するための装置における各部材の配列を示すブロック図である。
【図15】イメージスキャナーの入力面上方に固定治具を位置させた状態を示す斜視説明図である。
【図16】固定治具の保持嵌着孔と発色画像の位置関係を示す図面で、(a)は上面説明図、(b)は断面図である。
【図17】イメージスキャナーの入力面の断面的説明図である。
【図18】発色済の発色画像測定用シートを収納したシート容器を保持シート上に並列状態に配設した状態を示す上面図である。
【図19】コンピュータのディスプレイ上に読み込まれた発色画像の調整前の画像を示す図面である。
【図20】図19の調整後の画像を示す図面である。
【図21】便潜血測定結果を表示するコンピュータの画面を示す図面である。
【図22】ICGシート基本構成図である。
【図23】ICG法の原理を示す説明図である。
【図24】ICGシート示す上面説明図である。
【符号の説明】
12:ニトロセルロース支持体、14b:カバーシート、14a:シート本体、14c:バッキングシート、14:測定用シート、16:標識部位、20:測定バンド、20a,30a:発色画像、24:試料検体、25:試料検体滴下部、28:測定複合体、30:コントロールバンド、36:コントロール複合体、40:吸収パッド部、48:発色画像測定セット、50:発色画像測定用シート容器、52:容器本体、54:嵌合突部、60:空間、62:カバープレート、64:固定治具、64a:表面、64b:裏面、66:保持嵌着孔、68:保持シート、70:画像入力装置(イメージスキャナー)、70a:入力面、72:データ解析部(パソコン)、74:プリンター、76:ディスプレイ、56,58:窓部、78a,78b,80a,80b,82a,82b,84a,84b:基準線。
Claims (10)
- 下記した構成の発色画像測定用シート容器(A)及び発色画像測定用シート容器の固定治具(B)からなり、下記発色画像測定用シートを収容配置した発色画像測定用シート容器(A)の表面側を上記固定治具(B)を介して画像入力装置の入力面に配設し、該発色画像を画像入力することによって複数個の発色画像の測定を同時に行うことができるようにしたことを特徴とする発色画像測定セット。
(A)試料検体滴下部と滴下された試料検体が陽性の場合に発色する測定バンドと試料検体が滴下されると発色するコントロールバンドを備えた発色画像測定用シート、及び表面側に嵌合突部を形成するとともに該嵌合突部に窓部を開口しかつ該発色画像測定用シートを内部に収納する容器本体を有し、該収納された発色画像測定用シートの試料検体滴下部と測定バンドとコントロールバンドとが該窓部を介して外部から目視可能に配置されてなる発色画像測定用シート容器。
(B)複数個の上記発色画像測定用シート容器を着脱自在に同時に嵌着することのできる発色画像測定用シート容器の固定治具。 - 前記画像入力装置がイメージスキャナーであることを特徴とする請求項1記載の発色画像測定セット。
- 請求項1又は2記載の発色画像測定セットに用いられる発色画像測定用シート容器の固定治具であって、複数個の前記発色画像測定用シート容器を前記嵌合突部を介して着脱自在に嵌着する保持嵌着孔を複数個開穿したことを特徴とする発色画像測定用シート容器の固定治具。
- 前記発色画像測定用シート容器の嵌合突部を長尺状に形成しかつ長手方向両端部の形状を非対称とし、該嵌合突部の形状に対応して前記保持嵌着孔を長孔状としかつ長手方向両端部の形状を非対称としたことを特徴とする請求項3記載の発色画像測定用シートの固定治具。
- 複数個の前記発色画像測定用シート容器を1枚の保持シートに着脱可能に右から左へ番号順に並列状態で取付け、該保持シートに並列配置された状態の複数個の該発色画像測定用シート容器の表面側を前記固定治具の保持嵌着孔に該固定治具の裏面側から嵌着させるに際し、該発色画像測定用シート容器の配置番号順が該保持嵌着孔の位置から判別できるように該固定治具の裏面の保持嵌着孔の列の近傍に右から左へ順に番号を表記したことを特徴とする請求項3又は4記載の発色画像測定用シート容器の固定治具。
- 前記固定治具の少なくとも表面側を暗色としたことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項記載の発色画像測定用シート容器の固定治具。
- 前記固定治具の厚さを0.5〜2mmとしたことを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項記載の発色画像測定用シート容器の固定治具。
- (1)測定すべき試料検体を試料滴下部に滴下した発色画像測定用シート容器をその嵌合突部を介して請求項3〜7記載の固定治具の保持嵌着孔に嵌着し該発色画像測定用シート容器を嵌着した上記固定治具を画像入力装置の入力面に配設する工程と、(2)該固定治具に嵌着された発色画像測定用シート容器の発色画像を画像入力装置に読み込む工程と、(3)読み込み画像とパソコンのディスプレイ上に予め設定された所定の基準線を比較する工程と、(4)読み込み画像が所定の基準線内に位置するか否かを判断する工程と、(5)該発色画像が該基準線内に位置しない場合には、上記固定治具の上記入力面上の配設位置を微調整する工程と、(6)該固定治具の位置の微調整後の固定治具に嵌着された発色画像測定用シート容器の発色画像に対して該発色画像が該基準線内に位置するまで上記(3)(4)(5)の工程を繰り返す工程と、(7)該発色画像が該基準線内に位置すると、該固定治具の位置の調整を完了し、該発色画像の測定を開始する工程とよりなることを特徴とする発色画像測定方法。
- (1)測定すべき試料検体を試料滴下部に滴下した発色画像測定用シート容器をその嵌合突部を介して請求項3〜7記載の固定治具の保持嵌着孔に嵌着し該発色画像測定用シート容器を嵌着した上記固定治具を画像入力装置の入力面に配設する工程と、(2)該固定治具に嵌着された発色画像測定用シート容器の発色画像を画像入力装置に読み込む工程と、(3)読み込み画像とパソコンのディスプレイ上に予め設定された所定の基準線を比較する工程と、(4)読み込み画像が所定の基準線内に位置するか否かを判断する工程と、(5)該発色画像が該基準線内に位置しない場合には、該発色画像の読み込み範囲位置を変更する工程と、(6)読み込み範囲位置の変更後、固定治具に嵌着された発色画像測定用シート容器の発色画像に対して該発色画像が該基準線内に位置するまで上記(3)(4)(5)の工程を繰り返す工程と、(7)該発色画像が該基準線内に位置すると、該読み込み範囲の位置調整を完了し、該発色画像の測定を開始する工程とよりなることを特徴とする発色画像測定方法。
- 前記画像入力装置がイメージスキャナーであることを特徴とする請求項8又は9記載の発色画像測定方法。
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