JP3604275B2 - 薄板の保持移載装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、大きなガラス板などを研磨のために下定盤に載置した際に、ガラス板が下定盤に設けた保持溝内に位置決めされているかどうかを検出するための位置検出装置を有する薄板の保持移載装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ガラス板は肉薄に加工して、例えば液晶パネル基板やカラーフィルタ、あるいはPDP(プラズマディスプレイパネル)など、多様な分野で用いられている。
【0003】
上記のような用途に用いられるガラス板は、所定の大きさに加工(例えば矩形)された後は、予め塵芥除去のために水洗浄された下定盤に、作業者によって載置される。この下定盤には、ガラス板を下定盤上の所定位置に保持するための、ガラス板の厚みより浅い保持溝が形成されており、作業者は、この保持溝内にガラス板がしっくり嵌まるよう載置する。その後、保持溝から上方に突出した部分の表面を、下定盤と上定盤の運動(回転、移動)により研磨加工する。
【0004】
なお、研磨加工されたガラス板は、最終的に水洗浄された後、再び作業者によって持ち上げられて、人的あるいは機械的(搬送機)に、次の作業を行う所定の場所まで運ばれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、ガラス板は、所定の大きさに形成された後は、作業者によって下定盤の保持溝内に収められるが、下定盤は予め塵芥除去のために水洗浄されており、その際の水が保持溝内に残留していることがある。そうすると、この残留している水によってガラス板が浮いて位置ずれし、ガラス板の隅部が保持溝からはみ出した状態で保持溝に保持されてしまうことがある。
【0006】
特に薄肉のガラス板は、保持溝内にしっくり嵌まっているかどうかを判断しにくく、ガラス板の隅部が保持溝からはみ出した状態で研磨加工が行われると、ガラス板が破損してしまうことがあった。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題を解決し得る薄板の位置検出装置を有する薄板の保持移載装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る薄板の保持移載装置は、薄板を把持するとともに移動して載置台上に設けられた保持溝内に載置するための薄板の保持移載装置であって、薄板の把持位置と載置台上で薄板が載置される設置位置との間で移動自在に設けられた移動体と、この移動体に昇降自在に設けられて、薄板の側方を把持する把持爪および薄板が上記載置台上に載置された際にその浮き上がりを検出する位置検出装置とを備え、前記位置検出装置が、載置台の載置面に平行な方向に配置した支軸部材を途中に備えるとともにこの支軸部材回りに回動自在な検出アームが設けられ、前記支軸部材から検出アームの一方の端部までの距離に対し、支軸部材から検出アームの他方の端部までの距離が長く設定され、検出アームの一方が、前記保持溝に薄板を載置した際に薄板の上面に当接する当接部とされ、検出アームの他方が、当接部の薄板への当接時の基準高さから浮き上がりによって移動する移動部とされ、移動部の回動を検出して薄板の位置ずれの有無を検出するための検出器が設けられて成るものである。
【0009】
また、請求項2に係る薄板の保持移載装置は、請求項1に記載の保持移載装置における把持爪により薄板を保持溝に載置した際に、検出アームの当接部が把持爪に伴って薄板に当接するように構成したものである。
【0010】
また、請求項3に係る薄板の保持移載装置は、請求項1または2に記載の保持移載装置における検出アームの当接部が、各把持爪の近傍にまたは薄板の対角線上に位置するように配置されたものである。
【0011】
さらに、請求項4に係る薄板の保持移載装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の保持移載装置における検出アームの回動方向を検出するための検出器を具備するとともに、当該検出アームの回動方向から薄板のずれ方向を検出するようにしたものである。
【0012】
上記構成において、薄板を保持溝に載置した際に、これが基準高さから浮き上がっていた場合、検出アームの当接部が薄板の隅部の表面に当接し、検出アームの回動中心である支軸部材から検出アームの一方の端部(当接部)までの距離に対し、支軸部材から検出アームの他方の端部(移動部)までの距離が長く設定されていることにより、移動部の端部が浮き上がり量に比して拡大されて移動して、検出器が薄板の基準高さからの浮き上がりの有無を正確に検出する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図7に基づいて説明する。本発明の実施の形態に係るガラス板(薄板)1の位置検出装置2を有するガラス板1の保持移載装置(後述する)は、ガラス板1の保持搬送設備3に設けられるものである。
【0014】
この保持搬送設備3は、図1の平面図に示すように、矩形に形成されたガラス板1を把持位置Aまで搬送するためのコンベヤ4と、このコンベヤ4によって把持位置Aまで搬送されたガラス板1を保持して研磨台装置5の下定盤6に移載するための保持移載装置7とを備え、前記位置検出装置2は、図6および図7に示すように、前記保持移載装置7に設けられている。
【0015】
なお、前記コンベヤ4は、駆動部9を有して、例えばリミットスイッチなどの検出器(図示せず)の駆動により、ガラス板1を自動的に把持位置Aまで搬送して停止するよう構成されている。
次に、前記研磨台装置5の説明をすると、これは、図1〜図5に示すように、下定盤6(載置台の一例)上の載置面に載置パッド11が敷設され、この載置パッド11に平面視円形の保持枠(テンプレートともいう)12が敷設され、この保持枠12の中央部分が切欠かれることによって、ガラス板1を載置して保持するための保持溝13が形成されている。また、前記載置パッド11には、後述の把持爪14が入って、対向する把持爪14同士の接近離間を許容する案内溝11aが形成され、保持枠12には、前記保持溝13に連続して、把持爪14が入る把持用小溝15が複数箇所(図では4箇所)に形成されている。
【0016】
また、この研磨台装置5には、保持溝13に保持された、ガラス板1の上面を研磨するための研磨具16を備えた研磨装置17が、下定盤6に立設された立設部18にガイド19を介して昇降自在に設けられている。
【0017】
次に、保持移載装置7の説明をする。これは、図1〜図3に示すように、前記下定盤6に取付け枠20を介して水平方向に一対のガイド21が取付けられ、これらガイド21に、鉛直方向に立ち上がった移動体22が被案内部材23を介して水平方向に移動自在に設けられ、移動体22をガイド21に沿って移動させるための水平移動装置24が設けられ、移動体22の上部に、鉛直方向に配置した一対のガイド25が設けられ、これらガイド25に、被案内部材26が昇降自在に取付けられ、これら被案内部材26に枠体29を介して保持板27が取付けられ、この保持板27(被案内部材26)をガイド25に沿って昇降させるための昇降装置28が設けられている。
【0018】
前記水平移動装置24は、ガイド21同士を連結する連結部材30に固定された水平移動用モータ31と、この水平移動用モータ31の出力軸に連結されたボールねじ32と、移動体22に取付けられてボールねじ32に螺合するナット部材33とから構成されている。
【0019】
前記昇降装置28は、移動体22の上部の取付け板35に取付けられた鉛直移動用モータ36と、この鉛直移動用モータ36の駆動に伴って回転するボールねじ37と、このボールねじ37と被案内部材26とを連結する図示しないナット部材とから構成されている。
【0020】
また、保持移載装置7には、ガラス板1が把持位置Aから下定盤6の所定位置、すなわち、保持枠12の保持溝13の位置である設置位置Bまで移動されたかどうかを検出する図示しない位置検出器が設けられている。
【0021】
次に、前記把持爪14の説明をすると、これは、コンベヤ4によって把持位置Aまで搬送されたガラス板1の四隅を把持するためのもので、これは、昇降装置(リニアスライダ)40を介して前記保持板27に取付けられ、昇降装置40は、図示しない接近離間機構を介して保持板27に取付けられ、各把持爪14は、保持板27に取付けられる取付け部41と、この取付け部41から折曲された把持部42とから形成されている。
【0022】
上記構成において、コンベヤ4によって把持位置Aまでガラス板1が搬送されると、コンベヤ4の上方で待機していた保持板27および各把持爪14が、昇降装置28の駆動によりガラス板1に向けて所定の高さまで下降し、続いて昇降装置40の駆動により各把持爪14がさらに下降してその把持部42がガラス板1の側方でガラス板1よりも下位に位置し、接近離間機構の駆動により、対向する両側の把持爪14同士が近付いてガラス板1の隅部近傍の側部を把持する。
【0023】
そして、把持爪14でガラス板1の隅部近傍の側部を把持した状態で再び昇降装置40を駆動させることにより、今度は、ガラス板1をコンベヤ4から浮上させ、水平移動装置24の駆動により、移動体22とともに保持板27および把持爪14が水平方向に移動し、これに伴って、把持爪14に把持されたガラス板1が、位置検出器が検出する設置位置Bまで水平方向に移動する。
【0024】
そして、ガラス板1が設置位置Bまで移動したら、昇降装置28を駆動して取付け体43とともにガラス板1を下降させ、続いて昇降装置40を駆動してガラス板1をさらに下降させると、各把持爪14の把持部42が把持用小溝15に上方から入る。このようにすることにより、ガラス板1が保持溝13に載置された状態となる。
【0025】
その後、接近離間機構を駆動して対向する把持爪14同士を離間させ、昇降装置28,40を駆動して各把持爪14を上昇させる。このとき、把持爪14同士は、離間しているので、各把持爪14が、ガラス板1の側方に回避して上昇する。そして、水平移動装置24の駆動により、移動体22とともに保持板27および把持爪14をもとの待機場所に戻す。
【0026】
一方で、保持溝13に載置されたガラス板1については、ガイド19に沿って研磨具16を下降させ、研磨装置17を駆動させて研磨具16を回転させることにより、表面が研磨される。
【0027】
研磨作業が終了したら、再び移動体22とともに保持板27および把持爪14を設置位置Bまで水平方向に移動し、把持爪14を下降させてこれを把持用小溝15に上方から挿入し、接近離間機構を駆動して対向する把持爪14同士を接近させてガラス板1の隅部近傍の側部を把持し、例えば一側の2個の把持爪14の各昇降装置40を駆動し、続いて他側の2個の把持爪14の各昇降装置40を駆動するよう、昇降装置40を駆動するタイミングをずらしてガラス板1を保持溝13から持ち上げ、作業者によりあるいは、機械的に、次の作業を行う所定の場所まで運ぶ。
【0028】
次に、図5〜図7に基づいて、前記位置検出装置2の説明をする。この位置検出装置2は、前記取付け体43に固定された軸受け部材50と、この軸受け部材50に挿通支持されるとともに研磨台装置5の下定盤6の表面に平行な方向に配置した支軸部材51が設けられ、この支軸部材51を途中に備えて、この支軸部材51回りに回動自在な検出アーム52とを有している。
【0029】
この検出アーム52は、把持爪14の近傍に配置されるとともに、一枚の板部材から加工され、前記支軸部材51から検出アーム52の一方の端部までの距離L1に対し、支軸部材51から検出アーム52の他方の端部(上端部)までの距離L2が長く設定され、検出アーム52の一方は、前記保持溝13にガラス板1を載置した際にガラス板1の上面に当接する円弧状の当接子53aを有した当接部材53とされ、検出アーム52の他方が、当接部材53のガラス板1への当接時の基準高さ、すなわち載置パッド11の上面高さから浮き上がりによって移動する移動部54とされている。
【0030】
そして、前記当接部材53は、当接子53aがガラス板1の上面に当接するよう、支軸部材51から保持溝13内の上方に向けて延長されている。
また、前記当接部材53の反対側に延長して付勢部63が形成され、前記軸受け部材50と付勢部63との間に、検出アーム52を当接部材53がガラス板1の隅部の表面に当接する方向に付勢する引張りばね64がピン65を介して取付けられている。
【0031】
前記移動部54は、支軸部材51から上方に延長され、その端部中央には、検出光55を透過させるための切欠き状の凹部56が形成され、移動部54の移動を検出してガラス板1の位置ずれによる浮き上がりの有無を検出するための光検出器57が、軸受け部材50の上部に下側開放の取付けフレーム58を介して取付けられ、この光検出器57は、取付けフレーム58の一方の垂下部59に取付けられた発光部61と、取付けフレーム58の他方の垂下部60に取付けられた受光部62とから構成され、前記移動部54の上端部は、両垂下部59,60の間の隙間58aを移動可能に構成されている。
【0032】
次に、上記構成に基づいて、ガラス板1が、研磨加工を施すために研磨台装置5の保持溝13に位置決めされたかどうかを検出する際の検出方法を説明する。
ガラス板1に対して研磨加工を施すためにガラス板1を保持溝13に載置する場合には、下定盤6は予め水洗浄されているため、上記のようにしてガラス板1を把持爪14で把持してガラス板1を保持溝13に載置した際、洗浄水が保持溝13に残留していることがある。
【0033】
すなわち、ガラス板1を保持溝13に載置した際、保持溝13にしっくり収まっていれば、把持爪14の下降に伴って検出アーム52の当接部材53がガラス板1の隅部に上方から当接し、ガラス板1の厚み分だけ検出アーム52が回動(図7において反時計方向)して鉛直になり、光検出器57と凹部56とが一直線上に位置合わせされる。
【0034】
従って、発光部61から発信されている検出光55は、凹部56を通過して受光部62で受光され、これによってガラス板1が保持溝13にしっくり収まっている正常な状態であると判断され、この状態で研磨加工を施しても、ガラス板1が損傷することはない。
【0035】
なお、保持溝13にガラス板1が設置されていない状態では、当接部材53の当接子53aは、引張りばね64の弾性力により図7における時計方向に回動して鉛直に対して傾き、載置パッド11の上面に当接しており、移動部54の凹部56の他側(図7において左側)板面によって検出光55が遮蔽され、受光部62が受光しない状態となる。
【0036】
ところで、図5の仮想線で示すように、洗浄水によってガラス板1が浮き上がり、例えば左右方向に位置ずれしてガラス板1の隅部が保持溝13から一方にはみ出した状態になっていた場合、ガラス板1の隅部近傍の側部上面に当接部材53が上方から当接すると、ガラス板1が浮き上がった分だけ一側の当接部材53が上方に押圧され、引張りばね64の弾性に抗して各検出アーム52が支軸部材51回りに回動する。
【0037】
そして、支軸部材51から検出アーム52の一方の端部までの距離L1に対し、支軸部材51から検出アーム52の他方の端部までの距離L2が長く設定されているので、ガラス板1の浮き上がり量が拡大され、移動部54に形成した凹部56が移動して移動部54の凹部56の一側(図7において右側)板面によって検出光55が遮蔽され、受光部62が受光しない状態となる。
【0038】
これによって、ガラス板1が保持溝13からはみ出して浮き上がった状態になっていることが検出できる。そして、この検出結果によって、作業者は、ガラス板1が保持溝13にしっくり嵌まるように、ガラス板1をずらすように設置し直して、受光部62が検出光55を検出している状態として、研磨加工を行うようにする。なお、研磨加工が終了した後の動作は上述した通りであるので省略する。
【0039】
また、ガラス板1を保持溝13に設置した際に、図4の一点鎖線に示すように、前後方向に位置ずれしていた場合も、両側の当接部材53の各一方が上方に押圧された状態となるため、上記と同様にしてガラス板1の浮き上がりを検出することができる。
【0040】
上記のように、本発明の実施の形態によれば、ガラス板1を保持溝13に載置した際に、洗浄水によってガラス板1が浮き上がって位置ずれし、ガラス板1の隅部が保持溝13からはみ出した状態になっていた場合、これを検出する位置検出装置2を設け、この位置検出装置2に、支軸部材51から一方の端部までの距離L1に対し、支軸部材51から他方の端部までの距離L2を長く設定した検出アーム52を備えたので、ガラス板1の端部の基準高さから浮き上がり量を拡大して確実に知ることができ、従って、薄肉のガラス板1であってもガラス板1の隅部が保持溝13から浮き上がっていることを正確に検出することができ、この検出結果に応じてガラス板1の位置ずれを修正することにより、研磨加工を行った場合に、ガラス板1が破損してしまうといった不都合を回避することができる。
【0041】
なお、上記実施の形態では、当接部材53は、把持爪14の近傍に配置して、ガラス板1の隅部近傍の側部の上面に当接するよう構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、当接部材53の当接子53aを小さく形成して接触部分の面積を小さく設定するとともに、図4に示す保持溝13内の隅部である点P1,P2の位置である対角線上に当接部材53(当接子53a)が位置するよう構成してもよい。
【0042】
この場合、例えば、点P1側の位置にある当接子53aがガラス板1の上面に接触し、点P2側の位置にある当接子53aが載置パッド11(下定盤6上の載置面)の上面に当接していたら、点P1側の検出アーム52の移動部54、点P2側の検出アーム52の移動部54は、互いに反対方向に回動し、何れの光検出器57における受光部62も検出光55を検出せず、従って、ガラス板1のずれを確実に検出することができる。
【0043】
なお、ガラス板1がどちらの方向にずれているかを検出するために、検出アーム52の回動方向を検出するための検出器を別に設けることも考えられ、この場合、ガラス板1の左右方向のずれおよび前後方向のずれ、あるいは左右方向かつ前後方向のずれの何れも検出することができ、適応性が向上する。
【0044】
例えば、ガラス板1が左側あるいは後方にずれていた場合、点P1の位置の当接部材53は浮き上がって回動するが、点P2の位置の当接部材53は、ガラス板1が保持溝13内に嵌まっているため鉛直な状態であり、それぞれの検出アーム52の移動部54の位置の検出を組み合わせて、ガラス板1のずれ方向を正確に検出することができる。
【0045】
なお、上記実施の形態では、移動部54の端部中央に検出光55を透過させるための凹部56を形成し、移動部54の移動を検出してガラス板1の位置ずれによる浮き上がりの有無を検出するための光検出器57の発光部61および受光部62を取付け片58に取付けた構成としたが、これに限定されるものではなく、凹部56を取付け片58側に形成するとともに発光部61あるいは受光部62の一方を取付け片58側に取付け、発光部61あるいは受光部62の他方を移動部54の端部に取付けるよう構成することもでき、この場合も、移動部54の移動により、検出光55が遮蔽されて、ガラス板1の隅部が保持溝13からずれて浮き上がった状態にあることを正確に検出することができる。
【0046】
また、上記実施の形態では、検出光55が通過する凹部56を移動部54に形成し、発光部61と受光部62を別の垂下部59,60に取付けるよう構成し、ガラス板1の位置ずれを検出するようにしたが、これに限定されるものではなく、移動部54に凹部56を形成する代わりに、この凹部56に相当する部分を反射率の高い光反射部とし、それ以外の部分を、黒色の艶消し加工をするなどして非反射部とし、発光部61と受光部62を一方の垂下部59,60にかつ近傍に取付け、発光部61からの検出光55が受光部62に反射するかどうかで移動部54の位置を検出し、ガラス板1が位置ずれしているかどうかを検出するよう構成してもよい。
【0047】
なお、上記実施の形態では、ガラス板1の隅部が保持溝13からはみ出した状態かどうかを検出する装置および方法としての例を示したが、これに限定されるものではなく、ガラス板1以外に、例えば肉薄で大型の合成樹脂製板材、あるいは金属製板材などにも同様な構成および方法でもって適用できる。
【0048】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな通り、本発明は、薄板を把持するとともに移動して載置台上に設けられた保持溝内に載置するための薄板の保持移載装置であって、薄板の把持位置と載置台上で薄板が載置される設置位置との間で移動自在に設けられた移動体と、この移動体に昇降自在に設けられて、薄板の側方を把持する把持爪および薄板が上記載置台上に載置された際にその浮き上がりを検出する位置検出装置とを備え、前記位置検出装置が、載置台の載置面に平行な方向に配置した支軸部材を途中に備えるとともにこの支軸部材回りに回動自在な検出アームが設けられ、前記支軸部材から検出アームの一方の端部までの距離に対し、支軸部材から検出アームの他方の端部までの距離が長く設定され、検出アームの一方が、前記保持溝に薄板を載置した際に薄板の上面に当接する当接部とされ、検出アームの他方が、当接部の薄板への当接時の基準高さから浮き上がりによって移動する移動部とされ、移動部の回動を検出して薄板の位置ずれの有無を検出するための検出器が設けられたので、当接部が薄板に当接した際に、薄板の浮き上がり量が移動部によって拡大され、従って、検出器によって正確に薄板の保持溝からの浮き上がり(位置ずれ)の検出をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るガラス板の保持搬送設備の全体構成を示す平面図である。
【図2】同じく正面図である。
【図3】同じく側面図である。
【図4】同じく保持枠の保持溝にガラス板を載置した状態の平面図である。
【図5】同じくガラス板が保持溝にずれて載置された状態の拡大断面図である。
【図6】同じく位置検出装置の全体構成を示す一部破断側面図である。
【図7】同じく正面図である。
【符号の説明】
1 ガラス板
2 位置検出装置
3 保持搬送設備
5 研磨台装置
6 下定盤
7 保持移載装置
11 載置パッド
12 保持枠
13 保持溝
14 把持爪
17 研磨装置
51 支軸部材
52 検出アーム
53 当接部材
54 移動部
55 検出光
61 発光部
62 受光部
A 把持位置
Claims (4)
- 薄板を把持するとともに移動して載置台上に設けられた保持溝内に載置するための薄板の保持移載装置であって、
薄板の把持位置と載置台上で薄板が載置される設置位置との間で移動自在に設けられた移動体と、この移動体に昇降自在に設けられて、薄板の側方を把持する把持爪および薄板が上記載置台上に載置された際にその浮き上がりを検出する位置検出装置とを備え、
前記位置検出装置が、載置台の載置面に平行な方向に配置した支軸部材を途中に備えるとともにこの支軸部材回りに回動自在な検出アームが設けられ、前記支軸部材から検出アームの一方の端部までの距離に対し、支軸部材から検出アームの他方の端部までの距離が長く設定され、検出アームの一方が、前記保持溝に薄板を載置した際に薄板の上面に当接する当接部とされ、検出アームの他方が、当接部の薄板への当接時の基準高さから浮き上がりによって移動する移動部とされ、移動部の回動を検出して薄板の位置ずれの有無を検出するための検出器が設けられて成ることを特徴とする薄板の保持移載装置。 - 把持爪により薄板を保持溝に載置した際に、検出アームの当接部が把持爪に伴って薄板に当接するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の薄板の保持移載装置。
- 検出アームの当接部が、各把持爪の近傍にまたは薄板の対角線上に位置するように配置されたことを特徴とする請求項1または2に記載の薄板の保持移載装置。
- 検出アームの回動方向を検出するための検出器を具備するとともに、当該検出アームの回動方向から薄板のずれ方向を検出するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の薄板の保持移載装置。
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