JP3604195B2 - ポリイミド樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、機械特性に優れたポリイミド樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からテトラカルボン酸二無水物とジアミンの反応によって得られるポイリイミドはその高耐熱性に加え、力学的強度、耐薬品性、難燃性、電気絶縁性などを併せ持つために、電気電子機器、宇宙航空用機器、輸送機器等の分野で使用されており、今後とも耐熱性が要求される分野に広く用いられることが期待されている。
【0003】
従来優れた特性を有するポリイミドが種々開発されている。しかしながら耐熱性に優れていても、明瞭なガラス転移温度を有していないために、成形材料として用いる場合に焼結成形などの手法を用いて加工しなければならないとか、加工性は優れているが、ガラス転移温度が低く、しかもハロゲン化炭化水素に可溶で、耐熱性、耐溶剤性の面からは満足がゆかないとか、性能に一長一短があった。一方本発明者らは先に、機械的性質、熱的性質、電気的性質、耐溶剤性および耐熱性を有するポリイミドとして一般式(1)(化5)
【0004】
【化5】
Figure 0003604195
で表される繰り返し構造単位を有するポリイミドを見出した。(特開昭62−205124号公報)
前記のポリイミドは多くの良好な物性を有する耐熱性樹脂であるが、熱可塑性でないポリイミド樹脂に比べてTg等の耐熱性が低いとか、弾性率等の機械特性が若干劣る等の問題点があった。そのため、耐熱性および機械特性が更に優れたポリイミド樹脂が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のケイ素含有高分子化合物を添加することにより、耐熱性および機械特性に優れたポリイミド樹脂組成物が得られることを見いだし、本発明に到達した。
即ち本発明は、一般式(1)(化6)
【0006】
【化6】
Figure 0003604195
Figure 0003604195
で表される繰り返し構造単位を有するポリイミド、またはこの繰り返し構造単位を有し、該ポリマ−分子末端を封止したものを含むポリイミド樹脂と、
一般式(2)(化7)
【0007】
【化7】
Figure 0003604195
(式中R1は水素原子または炭素数1から30のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、あるいはフェニル基またはナフチル基の芳香族基であって、該芳香族基はハロゲン原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等の置換基を含んでいてもよい。)
および/または一般式(3)(化8)
【0008】
【化8】
Figure 0003604195
(式中R2は前記R1と同じ定義を表わし、RとRは同一でも異なってもよい。)
で表わされる含ケイ素高分子化合物および/または当該含ケイ素高分子化合物の硬化物からなるポリイミド樹脂組成物並びに該ポリイミドフィルムと補強材を含有してなるポリイミド系組成物およびそれらのポリイミドフィルムである。
さらに詳しくは、一般式(6)(化9)
【0009】
【化9】
Figure 0003604195
(式中Xは前記に同じ。)
で表される芳香族ジアミン化合物と、一般式(7)(化10)
【0010】
【化10】
Figure 0003604195
(式中Arは前記に同じ。)
で表されるテトラカルボン酸二無水物を反応させて一般式(1)(化11)
【0011】
【化11】
Figure 0003604195
(式中XおよびArは前記に同じ。)
で表される繰り返し構造単位を有するポリイミド樹脂と、一般式(2)および/または一般式(3)で表される含ケイ素高分子化合物および/または当該含ケイ素高分子化合物の硬化物からなるポリイミド樹脂組成物および該ポリイミド樹脂組成物と補強材よりなるポリイミド系組成物並びにポリイミドフィルムである。さらに本発明は、一般式(1)で表される繰り返し構造単位を有するポリイミド樹脂を製造する際に、一般式(4)(化12)
【0012】
【化12】
Figure 0003604195
(式中Zは炭素数6〜15であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基あるいは芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基である2価の基を表す。)で表される芳香族ジカルボン酸無水物および/または、一般式(5)
V−NH2 (5)
(式中Vは炭素数6〜15であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基あるいは芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基である1価の基を表す。)で表される芳香族モノアミンを共存させて得られるポリマ−の末端を封止したものを含むポリイミド樹脂にも同様の方法が適用される。すなわち、本発明におけるポリイミド樹脂組成物は、一般式(1)(化13)
【0013】
【化13】
Figure 0003604195
(式中XおよびArは前記と同じ)
で表される繰り返し構造単位を有するポリイミド、および該ポリイミドのポリマ−末端を封止したものを含むポリイミドを主成分とする樹脂組成物である。
この繰り返し構造単位を有するポリイミドを製造する際に使用する芳香族ジアミン成分としては、一般式(6)(化14)
【0014】
【化14】
Figure 0003604195
(式中Xは前記に同じ。)
で表されるジアミン化合物、具体的には
4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルスルフィド、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルエ−テル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンまたは2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンと、一般式(7)(化15)
【0015】
【化15】
Figure 0003604195
(式中Arは前記に同じ。)
で表されるテトラカルボン酸二無水物、具体的には
ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエ−テルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物または2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェニル)フェノキシ]プロパン二無水物とを溶媒中で反応を行いポリイミド前駆体とした後、熱的または化学的にイミド化することにより目的とするポリイミド樹脂が得られる。
【0016】
本発明のポリイミドの製造方法において用いられる芳香族ジアミン化合物は前記の一般式(6)で表されるジアミン化合物であるが性能を損なわない範囲で他のジアミンを用いることもできる。用いることのできるジアミン化合物としては、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、o−アミノベンジルアミン,3−クロロ−1,2−フェニレンジアミン、4−クロロ−1、2−フェニレンジアミン、2,3−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、3,4−ジアミノトルエン、3,5−ジアミノトルエン、2−メトキシ−1,4−フェニレンジアミン、4−メトキシ−1,2−フェニレンジアミン、4−メトキシ−1,3−フェニレンジアミン、ベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン,1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、
【0017】
1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン,2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン,2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(2−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(2−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルフィド、4,4’−ビス(2−アミノフェノキシ)ジフェニルスルフィド、3,3’−ビス(2−アミノフェノキシ)ジフェニルスルフィド、3,3’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルスルフィド、3,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルフィド、4,4’−ビス(2−アミノフェノキシ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゾフェノン、3,3’−ビス(2−アミノフェノキシ)ベンゾフェノン、3,3’−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾフェノン、3,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(2−アミノフェノキシ)ジフェニルエ−テル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルエ−テル、3,3’−ビス(2−アミノフェノキシ)ジフェニルエ−テル、3,3’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルエ−テル、3,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルエ−テル、4,4’−ビス(2−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、
【0018】
3,3’−ビス(2−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、3,3’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、3,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス〔4−(2−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(2−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(2−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−(2−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3’−ジメチルビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ー3,3’,5,5’−テトラクロロビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3’,5,5’−テトラブロモビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−3−メトキシフェニル]スルフェド、[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル][4−(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジメトキシフェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジメトキシフェニル]スルフィド、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、
【0019】
1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノベンゾイル)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノベンゾイル)ビフェニル、3,3’−ビス(4−アミノベンゾイル)ビフェニル、3,3’−ビス(3−アミノベンゾイル)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノベンゾイル)ジフェニルエ−テル、4,4’−ビス(3−アミノベンゾイル)ジフェニルエ−テル、3,3’−ビス(4−アミノベンゾイル)ジフェニルエ−テル、3,3’−ビス(3−アミノベンゾイル)ジフェニルエ−テル、ビス[4−(4−アミノベンゾイル)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノベンゾイル)フェニル]ケトン、ビス[3−(4−アミノベンゾイル)フェニル]ケトン、ビス[3−(3−アミノベンゾイル)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノベンゾイル)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノベンゾイル)フェニル]スルフィド、ビス[3−(4−アミノベンゾイル)フェニル]スルフィド、ビス[3−(3−アミノベンゾイル)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノベンゾイル)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノベンゾイル)フェニル]スルホン、ビス[3−(4−アミノベンゾイル)フェニル]スルホン、ビス[3−(3−アミノベンゾイル)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノベンゾイル)フェニル]メタン、ビス[4−(3−アミノベンゾイル)フェニル]メタン、ビス[3−(4−アミノベンゾイル)フェニル]メタン、ビス[3−(3−アミノベンゾイル)フェニル]メタン、2,2−ビス〔4−(4−アミノベンゾイル)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノベンゾイル)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(4−アミノベンゾイル)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(3−アミノベンゾイル)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノベンゾイル)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノベンゾイル)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−(4−アミノベンゾイル)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−(3−アミノベンゾイル)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、
【0020】
4,4’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、4、4’−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、3,3’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、3,3’−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、4、4’−ビス〔4−(4−アミノクミル)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、4、4’−ビス〔4−(3−アミノクミル)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、3,3’−ビス〔4−(4−アミノクミル)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、3,3’−ビス〔4−(3−アミノクミル)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、4、4’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエ−テル、4、4’−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエ−テル、3,3’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエ−テル、3,3’−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエ−テル、4、4’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ〕ビフェニル、4、4’−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ〕ビフェニル、3,3’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ〕ビフェニル、3,3’−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ〕ビフェニル、4、4’−ビス〔4−(4−アミノクミル)フェノキシ〕ビフェニル、4、4’−ビス〔4−(3−アミノクミル)フェノキシ〕ビフェニル、3,3’−ビス〔4−(4−アミノクミル)フェノキシ〕ビフェニル、3,3’−ビス〔4−(3−アミノクミル)フェノキシ〕ビフェニル、4、4’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ビフェニル、4、4’−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ビフェニル、3,3’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ビフェニル、3,3’−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ビフェニル等が挙げられる。
【0021】
本発明のポリイミドの製造方法において用いられる芳香族テトラカルボン酸二無水物は前記の一般式(7)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物であるが、性能を損なわない範囲で他のテトラカルボン酸二無水物を用いることもできる。用いることのできるテトラカルボン酸二無水物としては、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,3−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0022】
本発明のポリイミドの製造方法においては、ポリマー分子末端を封止する目的で、ジカルボン酸無水物あるいはモノアミンを利用することもある。これらの化合物としては具体的には、無水フタル酸、2,3−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、3,4−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、2,3−ビフェニルジカルボン酸無水物、3,4−ビフェニルジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、1,2−ナフタレンジカルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,2−アントラセンジカルボン酸無水物、2,3−アントラセンジカルボン酸無水物,1,9−アントラセンジカルボン酸無水物が挙げられる。これらのジカルボン酸無水物はアミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換されていても差し支えない。これらは単独または2種以上混合して用いることができる。これらの芳香族ジカルボン酸無水物の中で、好ましくは無水フタル酸が使用される。またモノアミンとしては、次のようなものが挙げられる。
【0023】
例えば、アニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2,3−キシリジン、2,6−キシリジン、3,4−キシリジン、3,5−キシリジン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、o−ブロモアニリン、m−ブロモアニリン、p−ブロモアニリン、o−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、m−ニトロアニリン、o−アミノフェノール、p−アミノフェノール、m−アミノフェノール,o−アニシジン、m−アニシジン、p−アニシジン,o−フェネチジン、m−フェネチジン、p−フェネチジン、o−アミノベンズアルデヒド、p−アミノベンズアルデヒド、m−アミノベンズアルデヒド、o−アミノベンズニトリル、p−アミノベンズニトリル、m−アミノベンズニトリル,2−アミノビフェニル,3−アミノビフェニル、4−アミノビフェニル、2−アミノフェニルフェニルエーテル、3−アミノフェニルフェニルエーテル,4−アミノフェニルフェニルエーテル、2−アミノベンゾフェノン、3−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、2−アミノフェニルフェニルスルフィド、3−アミノフェニルフェニルスルフィド、4−アミノフェニルフェニルスルフィド、2−アミノフェニルフェニルスルホン、3−アミノフェニルフェニルスルホン、4−アミノフェニルフェニルスルホン、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン,1−アミノ−2−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール、2−アミノ−1−ナフトール,4−アミノ−1−ナフロール、5−アミノ−2−ナフトール、7−アミノ−2−ナフトール、8−アミノ−1−ナフトール、8−アミノ−2−ナフトール、1−アミノアントラセン、2−アミノアントラセン、9−アミノアントラセン等が挙げられる。
【0024】
通常、これらの芳香族モノアミンの中で、好ましくはアニリンの誘導体が使用される。これらは単独でまたは2種以上混合して用いることができる。これらモノアミン及び/またはジカルボン酸無水物は、単独または2種以上混合して用いても何等問題はない。これら化合物の使用量としては、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物の使用モル数の差の1〜数倍のモノアミン(過剰成分がテトラカルボン酸二無水物)、あるいはジカルボン酸無水物(過剰成分がジアミン)であれば良いが、少なくとも一方の成分の0.01モル倍程度利用するのが一般的である。具体的には、上記のテトラカルボン酸二無水物の総量1モルに対して、0.001〜0.2モルのジカルボン酸無水物および/またはモノアミンを使用する。好ましくは0.005〜0.05モルである。
【0025】
本発明におけるポリイミド前駆体すなわちポリアミド酸の重合は、通常有機溶媒中で実施する。この反応に用いる有機溶剤としては、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を溶解できるものであればどのようなものでも利用でき、具体的には、アミド系の溶剤、エーテル系の溶剤、フェノール系の溶剤が例示でき、より具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、1,2−ジメトキシエタン−ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]エーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピリジン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、クレゾール酸、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、アニソール等が挙げられ、これらは単独または2種以上混合して使用する事もできる。特にアミド系の溶剤が溶液の安定性、作業性としての利用の点から好ましい。
【0026】
また本発明におけるポリイミドの製造においては有機塩基触媒を共存させることも可能である。有機塩基触媒としては、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、キノリン、イソキノリン、トリエチルアミン等の第3級アミン類が用いられるが、特に好ましくはピリジンおよびγ−ピコリンである。これら触媒の使用量としては、テトラカルボン酸二無水物の総量1モルに対し、0.001〜0.50モルである。特に好ましくは0.01〜0.1モルである。
本発明のポリイミドの製造における重合濃度(ポリマ−濃度)は特に限定されるものではないが、製造時の経済性からみても高濃度で行うことが望ましく、10〜60wt%、さらに望ましくは15〜50wt%である。
【0027】
また、溶媒中でジアミン成分、テトラカルボン酸二無水物成分およびジカルボン酸無水物および/またはモノアミンを反応させ、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を得る方法としては、
(a)テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分を反応させた後、ジカルボン酸無水物またはモノアミンを添加して反応を続ける方法。
(b)テトラカルボン酸二無水物成分とモノアミンを反応させた後、ジアミン成分を添加して反応を続ける方法。
(c)ジアミン成分とジカルボン酸無水物を反応させた後、テトラカルボン酸二無水物成分を添加して反応を続ける方法。
(d)テトラカルボン酸二無水物成分、ジアミン成分、ジカルボン酸無水物またはモノアミンを同時に添加し反応させる方法等が挙げられ、いずれの添加・反応方法をとっても差し支えない。
【0028】
ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を製造する際の反応温度は、−20〜60℃、好ましくは0〜40℃である。
反応時間は使用するジアミン、テトラカルボン酸二無水物、溶剤の種類、及び反応温度等により異なるが、目安としては、1〜48時間であり、通常数時間から十数時間である。
このようにして得られたポリアミド酸溶液は、引き続き熱的な方法によるイミド化即ち、100〜400℃に加熱するか、有機塩基触媒および無水酢酸等の脱水剤を用いてイミド化することにより目的のポリイミドが得られる。
【0029】
熱的にイミド化する場合、加熱する時間は使用するジアミン、テトラカルボン酸二無水物、溶剤の種類、及び反応温度等により異なるが、目安としては、留出する水が、ほぼ理論量に達する(通常は全てが回収されるわけではないので、70〜90%の回収率である。)まで反応することであり、通常数時間から10時間程度である。この場合、イミド化反応によって生じる水はトルエン等の共沸剤を反応系に加えて、共沸により水を除去する方法が一般的で有効である。
また、無水酢酸等の脱水剤を用いてイミド化反応を行う際は、生成する水を系外に除去する必要が無い。反応時間としては、前述の熱的にイミド化する場合と同様である。以上の方法によりポリイミドが得られる。
本発明で使用する、一般式(2)(化16)
【0030】
【化16】
Figure 0003604195
(式中R1は前記と同じ)
および/または、一般式(3)(化17)
【0031】
【化17】
Figure 0003604195
(式中R2は前記R1と同じ)
で表される含ケイ素高分子化合物の製造方法としては、
下記の式(a)、(b)、(c)(化18)
【0032】
【化18】
Figure 0003604195
等の方法が知られているが、本発明に使用する含ケイ素高分子化合物はこれらの製造方法に特に限定されるものではない。また、本発明に使用する含ケイ素高分子化合物の分子量も特に限定されるものではないが、一般的には1000〜100万、好ましくは2000〜50万である。
【0033】
これらの含ケイ素高分子化合物は三重結合を有するため、ポリイミドまたはその前駆体であるポリアミド酸と混合した後、イミド化、混練、押出あるいは射出成形時等の加熱により架橋し、ポリイミド樹脂組成物の機械特性を向上させる。含ケイ素高分子化合物の使用量としては、一般式(1)で表される繰り返し構造単位を有するポリイミド樹脂100重量部に対して5〜50重量部、特に好ましくは10〜40重量部である。使用量が5重量部未満の場合、機械特性の向上が小さく、その使用量が50重量部を超えると、溶融流動性が極端に悪くなる。
【0034】
本発明の組成物を混合調製する方法としては、通常公知の方法により製造できるが、例えば次に示す方法等は好ましい方法である。
1)ポリイミド粉と含ケイ素高分子化合物粉を乳鉢、ヘンシェルミキサ−、ドラムブレンダ−、タンブラ−ブレンダ−、ボ−ルミルリボンブレンダ−等を用いて予備混練し粉状とする。
2)ポリイミド粉をあらかじめ有機溶媒に溶解あるいは懸濁させ、この溶液あるいは懸濁液に含ケイ素高分子化合物粉を添加し、均一に溶解あるいは分散させた後、溶媒を除去して粉状とする。
3)ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の有機溶媒溶液に含ケイ素高分子化合物粉を添加し、均一に溶解あるいは分散させた後、熱的または化学的にイミド化した後溶剤を除去して粉状とする。
【0035】
このようにして得られた粉状ポリイミド樹脂組成物は、そのまま各種成形用途、すなわち射出成形、圧縮成形、トランスファ−成形、押出成形などに用いられるが、溶融ブレンドしてから用いるのはさらに好ましい方法である。ことに前記組成物を混合調整するにあたり、粉どうし、ペレットどうし、あるいは粉とペレットを混合溶融するのも簡易で有効な方法である。
【0036】
溶融ブレンドには通常のゴムまたはプラスチック類を溶融ブレンドするのに用いられる装置、例えば熱ロ−ル、バンバリ−ミキサ−、ブラベンダ−、押出機等を利用することができる。溶融温度は配合系が溶融可能な温度以上で、かつ配合系が熱分解し始める温度以下に設定されるが、その温度は通常280〜420℃、好ましくは280〜400℃である。本発明の樹脂組成物の成形方法としては、均一溶融ブレンド体を形成し、かつ生産性の高い成形方法である押出成形、または射出成形か好適であるが、その他のトランスファ−成形、圧縮成形、焼結成形等を適用しても何等差し支えない。
【0037】
また、本発明においてフィルム状のポリイミド樹脂組成物を製造する方法においては、ポリイミド樹脂組成物のペレットを用いて押出機によりポリイミドフィルムを製造する方法が一般的である。しかし、本発明で用いる含ケイ素高分子化合物は三重結合を有し加熱時に架橋する為、ポリイミド樹脂組成物とした際、溶融流動性が低下する傾向にある。その為、前記のポリイミドの前駆体であるポリアミド酸に、含ケイ素高分子化合物を添加混合し、ガラス板あるいは金属板等の平滑な板上に塗布した後キュア−する方法によりポリイミドフィルムを製造することも有効な方法である。
【0038】
なお、本発明のポリイミド樹脂組成物に対して固体潤滑剤、例えば二硫化モリブデン、グラファイト、窒化ホウ素、一酸化鉛、鉛粉等を一種以上添加することができる。
また、補強材として、例えばガラス繊維、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維、チタン酸カリウム繊維、ガラスビ−ズを一種以上添加することができる。
これらの補強材の添加量は、上記のポリイミド樹脂組成物の総量100重量部に対して5〜100重量部、好ましくは10〜90重量部である。
なお、本発明のポリイミド樹脂組成物に対して、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、難燃性剤、難燃助剤、帯電防止剤、潤滑剤、着色剤などの通常の添加剤を一種以上添加することができる。
【0039】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例により詳細に説明する。なお実施例中のポリイミドの物性は以下の方法により測定した。
ガラス転移温度(Tg):島津製作所社製、熱分析装置、島津DT40シリ−ズ、DSC−41Mにより測定。
溶融粘度:島津製作所社製、島津高化式フローテスター、CFT−500Aにより荷重100kg、直径0.1cm、長さ1cmのオリフィスを用いて測定。
対数粘度:ポリアミド酸の場合N−メチル−2−ピロリドン、ポリイミドの場合p−クロロフェノ−ル/フェノ−ル=9/1(重量比)の溶媒を使用し、0.5g/100mlの濃度で溶解した後、35℃において測定。
成形物機械物性:ASTM D−638に基づく
フィルム機械物性:ASTM D−822に基づく
【0040】
合成例1
撹拌器、水分離器、還流冷却器および窒素導入管を備えた容器に4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル3.68kg(10.0モル)、ピロメリット酸二無水物2.07kg(9.50モル)、無水フタル酸148g(1.00mol)、m−クレゾ−ル23kg、γ−ピコリン140gを装入し、窒素雰囲気下において攪拌しながら150℃まで加熱昇温した。その後150℃で4時間反応した。この間約360mlの水の留出が確認された。
反応終了後、室温まで冷却し、約120lのメタノ−ルに排出した後、ポリイミド粉を濾別した。このポリイミド粉を更にメタノ−ルで洗浄した後、窒素気流下50℃で10時間、250℃で4時間乾燥して黄色のポリイミド粉5.43kg(収率98.0%)を得た。
得られたポリイミド粉のガラス転移温度は249℃、対数粘度は0.50dl /gであった。このポリイミドの400℃における溶融粘度は7800ポイズであった。
【0041】
合成例2
特開平5−345825に記載されている方法に従い、ポリ(フェニルシリレンエチニレン−1,3−フェニレンエチニレン)を合成した。
2000 のガラス製反応器に、Mg(OH)2 を500℃にて3時間排気焼成したMgOを165.0g、フェニルシランを64.2g、m−ジエチニルベンゼンを75.0gおよび溶媒としてベンゼン1200mlを仕込んだ。次に、アルゴン雰囲気中にて室温で8時間、50℃で8時間、さらに80℃で2時間、合成18時間反応させた。反応終了後ガラスフィルタ−で反応液を濾過しMgOを分離除去した。濾過した反応液中の溶媒を減圧留去し、99gのポリマ−得た。得られた黄色ポリマ−の重量平均分子量は4800、数平均分子量は2510(GPCによるポリスチレン換算分子量)であった。
【0042】
実施例1〜3
合成例2で得られた含ケイ素ポリマ−を、合成例1で得られたポリイミド粉に、表1に示すように各種の組成でドライブレンドしたのち、押出機(口径40mm、圧縮比=3.0/1.0のスクリュ−付)で溶融混練しながら押出し、均一な配合ペレットを得た。
次に、上記で得たペレットを通常の射出成形機にかけて、成形温度360〜400℃、金型温度160℃で成形し、成形物の機械物性を測定した。結果を表1に纏めて示す。表中、引張強度、引張弾性率、引張伸度はASTM D−638に拠る。
【0043】
比較例1、2
合成例2で得られた含ケイ素ポリマ−を、合成例1で得られたポリイミド粉に本発明の範囲外の組成で混合した。その、組成比と得られた成形物の機械物性を同表1に纏めて示す。
本願の範囲内で含ケイ素ポリマ−を含むポリイミド樹脂組成物は、引張強度および引張弾性率等が高く、優れた機械物性を有しているのに対して、本願よりも含ケイ素ポリマ−の量が少ないポリイミド樹脂組成物は機械物性が劣る。また、本願よりも含ケイ素ポリマ−の量が多いポリイミド樹脂組成物は溶融粘度が高くなりすぎて押出機によるペレット化ができなかった。
【0044】
【表1】
Figure 0003604195
実施例4
撹拌器および窒素導入管を備えた容器に4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル7.368g(0.020モル)、N−メチル−2−ピロリドン46.2gを装入し、窒素雰囲気下において攪拌しながらピロメリット酸二無水物4.188g(0.0192モル)を溶液温度の上昇に注意しながら、分割して加え室温で約20時間撹拌して均一なポリアミド酸ワニスを得た。得られたポリアミド酸ワニスの対数粘度は0.59dl/gであった。
このポリアミド酸ワニスに合成例2で得られた含ケイ素ポリマ−1.204gを添加して、室温でさらに4時間攪拌した。
得られたポリアミド酸ワニスをガラス板上にコ−トした後、窒素気流下250℃で4時間加熱して、厚さ30μmの、10wt%含ケイ素ポリマ−を含むポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの機械物性を表3に示す。
【0045】
実施例5
実施例4において無水フタル酸0.236g(0.0016モル)を加えた以外は実施例4と同様の方法で厚さ32μmの、10wt%含ケイ素ポリマ−を含むポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの機械物性を表3に示す。
【0046】
実施例6〜14
各種ジアミン、酸無水物、封止剤を用いて、実施例4と同様の方法で反応を行いポリアミド酸ワニスを得た。得られたポリアミド酸ワニスに合成例2で得られた含ケイ素ポリマ−を添加し、攪拌後ガラス板にコ−トしたのち、窒素気流下、250℃で4時間加熱して、10wt%含ケイ素ポリマ−を含むポリイミドフィルムを得た。ジアミン、酸無水物、封止剤の種類およびケイ素ポリマ−の使用量を表2に、得られたポリイミドフィルムの機械物性を表3に示す。
【0047】
比較例3
撹拌器および窒素導入管を備えた容器に4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル7.368g(0.020モル)、N−メチル−2−ピロリドン260gを装入し、窒素雰囲気下において攪拌しながらピロメリット酸二無水物4.188g(0.0192モル)を溶液温度の上昇に注意しながら、分割して加え室温で20時間撹拌して均一なポリアミド酸ワニスを得た。得られたポリアミド酸ワニスの対数粘度は0.58dl/gであった。
得られたポリアミド酸ワニスをガラス板上にコ−トした後、窒素気流下250℃で4時間加熱して、厚さ34μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの機械物性を表3に示す。
【0048】
比較例4〜6
合成例2で得られた含ケイ素ポリマ−を添加せずに、比較例1と同様の方法で各種のポリイミドフィルムを得た。反応条件を表2に、得られたポリイミドフィルムの機械物性を表3に示す。
表3の結果から判るように含ケイ素ポリマ−を添加して得られた、本願の含ケイ素ポリマ−を含有するポリイミドフィルムは、含ケイ素ポリマ−を含有しないフィルムに比べて引張強度、引張弾性率等の機械物性が非常に優れている。
【0049】
【表2】
Figure 0003604195
【0050】
【表3】
Figure 0003604195
Figure 0003604195
【0051】
【表4】
Figure 0003604195
【0052】
【表5】
Figure 0003604195
【0053】
【発明の効果】
本発明における、含ケイ素ポリマ−を含むポリイミド樹脂組成物は、機械物性に優れた樹脂組成物を提供する。

Claims (4)

  1. 一般式(1)(化1)
    Figure 0003604195
    で表されるポリイミド樹脂100重量部に対して、5〜50重量部の一般式(2)(化2)
    Figure 0003604195
    (式中R1は水素原子または炭素数1から30のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、あるいはフェニル基またはナフチル基の芳香族基であって、該芳香族基はハロゲン原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等の置換基を含んでいてもよい。)
    および/または一般式(3)(化3)
    Figure 0003604195
    (式中R2は前記R1と同じ定義の基を表し、RとRは同一でも異なってもよい。)
    で表わされる含ケイ素高分子化合物および/または当該含ケイ素高分子化合物の硬化物からなるポリイミド樹脂組成物。
  2. 上記一般式(1)で表される繰り返し構造単位を有するポリイミドを製造する際に、一般式(4)(化4)
    Figure 0003604195
    (式中Zは炭素数6〜15であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基あるいは芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基である2価の基を表す。)で表される芳香族ジカルボン酸無水物および/または、一般式(5)
    V−NH2 (5)
    (式中Vは炭素数6〜15であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基あるいは芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基である1価の基を表す。)で表される芳香族モノアミンを共存させて得られるポリマ−の末端を封止したものを含むことを特徴とする請求項1記載のポリイミド樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載のポリイミド樹脂組成物の総量100重量部に対して5〜100重量物の補強材を含むポリイミド系組成物。
  4. 上記の請求項1〜3に記載のポリイミド系樹脂組成物またはポリイミド系組成物よりなるポリイミドフィルム。
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