JP3603924B2 - 殺菌剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚保護作用に優れ、しかも抗菌力の持続性に優れた殺菌剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
皮膚表面の微生物の殺菌、静菌をねらいとする殺菌剤は、化粧品、医薬部外品、医薬品の分野で、薬用石鹸、制汗剤、にきび防止剤、フケ防止剤、手指消毒剤等数多く使用されている。
【0003】
すなわち、食中毒や日和見感染防止のため、手およびそれ以外の体に付着した土壌やペットや糞便等に付随する環境由来の微生物の殺菌消毒剤として、また、汗による不快臭や、にきび、フケなどの原因である皮膚常在菌の異常生育抑制のため、さらにアトピー性皮膚炎の増悪因子のひとつと言われている黄色ブドウ球菌の殺菌剤として、また、病院等においては院内感染防止のため看護婦、医師の手指消毒剤として多く用いられている。
【0004】
しかし、皮膚外用や手指消毒に用いられる抗菌剤は、皮膚刺激性のため、敏感な肌の人やにきび、アトピー性皮膚炎により炎症を有している人、また看護婦等、手指消毒を頻繁に行わねばならない人においては、皮膚刺激による炎症や手荒れが生じるという欠点を有する。
【0005】
そこで、手荒れ防止を目的としていろいろな試みがなされており、例えばエタノールを主成分とする消毒剤に保湿剤(特開平4−134036号公報)や保湿剤とシリコーン化合物(特開平7−165571号公報)を添加して手荒れを防止し、使用感を向上させようとする試みなどが知られている。
【0006】
しかし、従来の技術では、敏感な肌の人、にきび、アトピー性皮膚炎等を有する人、また、病院の看護婦、医師等手指消毒を頻繁に行わなければならない人にとっては、皮膚刺激性の緩和や手荒れの防止のためには不十分であり、より皮膚に対して刺激が少なく、かつ殺菌消毒効果を有する殺菌剤の開発が望まれている。
【0007】
本発明は上記要望に応えたもので、皮膚保護作用に優れ、かつ効果の持続性の高い殺菌剤組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するため、皮膚刺激性が少なくかつ抗菌力の持続性を有する殺菌剤を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、粘土鉱物と下記の特定の殺菌剤の複合体を作ることにより、従来にない優れた殺菌剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
即ち、すでに、粘土鉱物はその膨潤性、ゲル化特性、チキソトロピー性、皮膚親和性等の性質により製剤の安定化剤、乳化剤、使用感向上剤等に多方面で使用されている。
【0010】
また、抗菌剤と粘土鉱物を配合する技術としては、感光素含有組成物(特開昭61−225110号公報)、レゾルシン配合剤(特開昭61−236709号公報)、アニオン界面活性剤と殺菌剤と粘土鉱物を含む皮膚洗浄剤(特開昭63−139998号公報)、抗フケ剤と粘土鉱物を含む微粒子吸油性物質を含有する毛髪化粧料(特開昭63−316716号公報)、合成ベントナイトとシリコーン油と抗菌剤を配合する皮膚外用剤(特開平3−148208号公報)等が知られているが、殺菌剤と粘土鉱物を各々単独に配合した場合、殺菌剤による皮膚刺激は殆ど低下できない。また、水洗いにより殺菌剤は容易に皮膚表面から流出し、殺菌力の持続性は期待できない。
【0011】
一方、粘土鉱物に薬物を吸着させて薬物の安定性を向上させる技術や徐放性をもたせる技術は、安息香酸−モンモリロナイト複合体、アスピリン−モンモリロナイト複合体(第21回熱測定討論会講演要旨集、1985年)や、塩酸パパベリン−モンモリロナイト複合体(FORN F,e Coll.,Il Farmaco−Ed.Pr.−vol40−fasc.4)により知られている。また、難溶性薬物を水膨潤性粘土鉱物に包接することにより、薬物の経粘膜及び経皮吸収性を高める技術(特開平1−93541号公報;登録2537062)も知られている。
【0012】
本発明者らは、このような事情に鑑み、殺菌剤の効果と皮膚保護作用を両立させた殺菌剤につき検討し、下記殺菌剤、即ち、ピロクトンオラミン、シクロピロクスオラミン、トリクロサン、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、ジンクピリチオン、イソプロピルメチルフェノール、感光素類、ウンデシレン酸、レゾルシン、アゾール系抗真菌剤から選ばれる殺菌剤の1種以上を使用すると共に、これに平均粒子径0.01〜50μmの水膨潤性粘土鉱物を複合させた複合体であって、上記水膨潤性粘土鉱物に水を加えて得た懸濁液と、上記殺菌剤を水又は有機溶媒に溶解した殺菌剤溶液とを混合・撹拌後生じたゲルを回収するか、又はこのゲルを濃縮、真空乾燥もしくは凍結乾燥して得られた複合体を用いることにより、上記殺菌剤の皮膚からの経皮吸収性を抑え、かつ粘土鉱物と皮膚との親和性により殺菌剤の皮膚上での残留性を向上させ、殺菌剤の刺激を低減化し、しかも殺菌力の持続性を高めることができることを知見したものである。
【0013】
本発明につき更に詳しく説明する。本発明の殺菌剤組成物は、ピロクトンオラミン、シクロピロクスオラミン、トリクロサン、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、ジンクピリチオン、イソプロピルメチルフェノール、感光素類、ウンデシレン酸、レゾルシン、アゾール系抗真菌剤から選ばれる殺菌剤の1種以上と平均粒子径0.01〜50μmの水膨潤性粘土鉱物との複合体を含むものである。
【0014】
ここで、上記殺菌剤において、感光素類としては感光素101号、201号、301号、401号などが挙げられる。アゾール系抗真菌剤にはケトコナゾール、ビフォナゾール、硝酸ミコナゾール、クロトリマゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、イソコナゾール、エコナゾール、スルコナゾール、クロコナゾールなどが含まれる。また、上記殺菌剤の中では、刺激緩和効果の面より、特にピロクトンオラミン、シクロピロクスオラミン、トリクロサン、グルコン酸クロルヘキシジン、ヒノキチオール、ケトコナゾール、ビフォナゾール、硝酸ミコナゾールが好ましい。抗菌剤は、これらの化合物の一種又は二種以上が必要に応じて任意に選択される。
【0015】
本発明で用いられる水膨潤性粘土鉱物には、例えばモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイトなどのスメクタイト及び膨潤性の雲母などがある。これらの粘土鉱物は層間に水分子を伴った交換性のイオンを有しており、有機複合体を形成する、膨潤能を有するなどのほかの粘土鉱物とは異なった性質を示す。このようなスメクタイトのうち、天然より産出されるものとしては、例えば、モンモンリロナイトを含有するものとして、豊順鉱業(株)からベンゲル、ベンゲルHV、ベンゲルA、ベンゲルFW、ベンゲル31、ベンゲルW−100などが、クニミネ工業(株)からクニピアG及びクニピアFなどが、アメリカンコロイド社からウエスタンボンドなどが、ドレッサーミネラルズ社からイエローストーンなどがあり、サポナイトを含有するものとしては、バンダービルド社からビーガムT、ビーガムHV、ビーガムF及びビーガムKなどが、また、ヘクトライトを含有するものとしては、アメリカンコロイド社からヘクタブライトAW、ヘクタブライト200及びベントンEWなどが、ナショナルリード社からマカロイドなどが市販されている。また、合成スメクタイトも各種販売されており、水澤化学工業(株)からイオナイトHなどが、コープケミカル(株)からSWN、SANなどが、ラポルテインダストリー社からラポナイトなどが市販されている。
【0016】
また、本発明のスメクタイトとしては、酸性白土のアルカリ処理物も用いることができる。酸性白土は、通常1%水溶液分散液のpHが5〜6以下、膨潤度が10ml/2g以下、SiO2とAl2O3の含有量がモル比でSiO2/Al2O3=6〜10のものである。この様なものとしては、新潟県中条、小戸、上赤谷、糸魚川産の酸性白土、山形県水澤産、川崎、松根、上赤谷、三川、青梅、上砂見産の酸性白土などの他、これらの酸性白土と類似の性質を示す英国産のFuller’s earth、米国産のFloride earth、ドイツ産のWarkel erdeなどが挙げられる。酸性白土中に存在する交換性の陽イオンとしてはナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、鉄イオンなどがある。これらの酸性白土はアルカリ処理することにより、上記の粘土鉱物と同様に扱うことができる。
【0017】
膨潤性の雲母としては、コープケミカル(株)製の膨潤性合成雲母MEシリーズ、トピー工業(株)製のナトリウム四ケイ素雲母(商品名:DP−DM及びDMクリーン)などが挙げられる。
【0018】
本発明で用いられる粘土鉱物の塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩、亜鉛塩、アルミニウム塩、ジルコニウム塩、さらにモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩、リジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸塩が挙げられる。
【0019】
なお、粘土鉱物の粒子径は、平均粒子径が0.01〜50μm、特に10μm以下の微細な結晶又はコロイド的性質を有する粒子が望ましい。粒子径が50μmを超えると、殺菌剤の刺激低減化効果および抗菌力の持続性が劣る。
【0020】
次に、殺菌剤−粘土鉱物複合体の製造方法を示す。以下の製造例(1)、(2)、(3)により本発明の殺菌剤複合体を製造することができる。
【0021】
〔製造例(1)〕
水膨潤性粘土鉱物に水を加え、充分撹拌した懸濁液と、殺菌剤の一種又は二種以上を水で溶解した殺菌剤溶液を混合し、室温で1〜12時間撹拌後、一晩静置し、沈殿したゲルをろ過又は遠心分離により回収する。つぎに濃厚水懸濁液とするか、真空乾燥又は凍結乾燥により乾燥後、粉末として殺菌剤−粘土鉱物複合体を得る。
【0022】
具体例を示すと、例えば、グルコン酸クロルヘキシジン(住友製薬(株)製、ヒビテン・グルコネート液)25gを水道水25Kgに溶解させる。別に25Kgの水道水にモンモリロナイト(クニミネ工業(株)製、クニピアG)を25g均一に分散させた液をグルコン酸クロルヘキシジン水溶液に添加し、よく撹拌し、一晩静置する。グルコン酸クロルヘキシジン/モンモリロナイト複合体からなるゲルが下層に沈殿するので、上澄みをデカンテーションで除去した後、遠心分離を行い、この下層のゲルを回収する。ついで、凍結乾燥し、グルコン酸クロルヘキシジン/モンモリロナイト複合体の微粉末を得た。
【0023】
〔製造例(2)〕
水膨潤性粘土鉱物に水を加え、充分撹拌した懸濁液と、殺菌剤の一種又は二種以上をメタノール、エタノール又はアセトンなどの殺菌剤が充分溶解する有機溶媒に溶解した殺菌剤溶液を混合し、室温で1〜12時間撹拌後、一晩静置し、沈殿したゲルをろ過又は遠心分離により回収する。つぎに、濃厚水懸濁液とするか、真空乾燥又は凍結乾燥により乾燥後、粉末として殺菌剤−粘土鉱物複合体を得る。
【0024】
具体例を示すと、例えば、ピロクトンオラミン(ヘキスト(株)製、オクトピロックス)25gをメタノール25Kgに溶解させる。別に25Kgの水道水にヘクトライト(アメリカンコロイド社製、ベントンEW)を25g均一に分散させた液をピロクトンオラミン溶液に添加し、よく撹拌し、一晩静置する。ピロクトンオラミン/モンモリロナイト複合体からなるゲルが下層に沈殿するので、上澄みをデカンテーションで除去した後、遠心分離を行い、この下層のゲルを回収する。ついで、凍結乾燥し、ピロクトンオラミン/モンモリロナイト複合体の微粉末を得た。
【0025】
〔製造例(3)〕
水膨潤性粘土鉱物に水を加え、充分撹拌した懸濁液と、殺菌剤の一種又は二種以上を水、メタノール、エタノール又はアセトンなどの殺菌剤が充分溶解する溶媒に溶解した殺菌剤溶液を混合し、室温で1〜12時間撹拌する。これをエバポレーターで濃縮し、濃厚水懸濁液とするか、さらに真空乾燥又は凍結乾燥により粉末として殺菌剤−粘土鉱物複合体を得る。
【0026】
具体例を示すと、例えばトリクロサン(日本チバガイギー(株)製)25gをメタノール25Kgに溶解させる。別に25Kgの水道水にモンモリロナイト(クニミネ工業(株)製、クニピアG)を25g均一に分散させた液をトリクロサン溶液に添加し、よく撹拌する。エバポレーターで濃縮後、凍結乾燥し、トリクロサン/モンモリロナイト複合体の微粉末を得た。
【0027】
なお、上記製造例(1)、(2)、(3)において懸濁液中の粘土鉱物の濃度は10%以下が望ましく、これ以上では撹拌および複合体の形成が不充分である。また、水膨潤性粘土鉱物と殺菌剤の混合割合は、水膨潤性粘土鉱物100部に対して殺菌剤は5〜250部が望ましく、5部未満では殺菌剤が不足し、250部を超えると複合体を形成しない殺菌剤が過剰となり、期待する効果が十分得られない。
【0028】
本発明における殺菌剤組成物は、その実施にあたっては上記の複合体成分の他に、通常化粧品、医薬部外品、医薬品などで一般に使用されている界面活性剤、油分、アルコール類、保湿剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、PH調整剤、香料、色素、紫外線吸収・散乱剤、ビタミン類、アミノ酸類、水等とも共存可能であるが、本発明の殺菌剤組成物は、皮膚用、頭皮用として有効であり、皮膚・頭皮用化粧料の殺菌剤成分として好適である。
【0029】
【発明の効果】
本発明の殺菌剤組成物は、殺菌剤の刺激性が低下したものであり、かつ殺菌剤の皮膚残留性、持続性が大幅に改善したものである。
【0030】
【実施例】
次に、本発明の実施例と比較例を示し、本発明の効果について具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0031】
なお、下記の例において、香料としては下記処方のものを使用した。
【0032】
〔試験例1〕
次の方法により、殺菌剤−粘土鉱物複合体の刺激性の検討を行った。
ハートレー系モルモット(雌,体重300〜400g)の腹側部の体毛を電気バリカンで刈り、さらに電気カミソリで剃毛する。除毛時間後に、2cm×2cmの正方形に表1に示した検体(殺菌剤組成物)を30μg、1日1回、4時間連続して塗布した(n=5)。判定は、最終検体塗布の24時間後に各塗布部の紅斑を以下に示した基準に従って判定した。
[判定基準] スコアー
紅斑なし 0
紅斑わずかにあり 1
紅斑明瞭 2
紅斑中程度 3
紅斑極めて強度 4
なお、ピロクトンオラミン−ベンクレーSL複合体は製造例(2)、トリクロサン−ビーガムT複合体は製造例(3)により調製した。
【0033】
検討結果を表1に示した。結果は、それぞれ、ピロクトンオラミン、トリクロサン単独の紅斑スコアーの平均値を100とした場合の相対値で示した。
【0034】
表1の結果より、殺菌剤単独に比べ、殺菌剤、粘土鉱物共存系では殺菌剤の刺激が若干低下し、さらに殺菌剤−粘土鉱物複合体ではより大きく皮膚刺激が低下することがわかった。
【0035】
【表1】
【0036】
〔試験例2〕
次の方法により皮膚モデルにおける殺菌剤の持続性を検討した。
すなわち、表2に示す成分を混合してジェル剤を調製した。配合量は重量%で示す。
【0037】
このようにして調製したジェル剤を、湿らせた豚皮(2cm×2cmの正方形)に0.1g塗布後、10分間静置し、その後水洗し、にきびの原因の一つと考えられている嫌気性菌であるPropionibacterium acnesを約106個接種した。10時間後、0.7%ポリソルベート−80、0.1%大豆レシチンを含む生理食塩水中で撹拌し、系列希釈後、変法GAM寒天培地(ニッスイ社製)に塗布し、37℃、48時間嫌気培養後、菌数を測定した。なお、ピロクトンオラミン−ベンクレーSL複合体は製造例(2)により調製した。
【0038】
表2の結果より、本発明品は比較例に比べて生残菌数が大きく減少し、殺菌力が強いことがわかる。これは、粘土鉱物と蛋白との親和性により水洗後もピロクトンオラミン−ベンクレー複合体は豚皮上に残留し、殺菌力の持続性が発揮されたものと推察される。
【0039】
【表2】
接種菌数:3.3×106
【0040】
〔試験例3〕
表3に示す成分を混合して薬用石鹸を調製した。配合量は重量%で示す。なお、トリクロサン−クニピアG複合体は製造例(3)により調製した。
【0041】
このようにして調製した薬用石鹸を用い、下記のようにして刺激低下および殺菌力の効果を評価した。すなわち、冬場手荒れを起こしやすい女性15人を3群に分け、手荒れの生じる1月、各人1日最低3回それぞれの薬用石鹸を用いて手洗いを行い2週間後手荒れ感、手の痒み、ガサガサ感について自己評価した。評価は次の基準に基づき、各群5名の平均値をとることで行った。
[評価基準]
手荒れ感、手の痒み、ガサガサ感が
3:あり
2:ややあり
1:わずかにあり
0:ほとんどなし
【0042】
また、試験開始前に、血液寒天培地(日水製薬)を用いてフィンガーストリーク法により手指の菌数を測定し、試験終了後は微温水で手洗いし、同様に試験終了2時間後、フィンガーストリーク法により手指の菌数を測定した。殺菌力の効果判定は以下の基準で行い、各レベルの人数を示した。
[効果判定基準]
著効 :100個以上の菌が10個以下に減少
有効 :100個以上の菌が著明に減少
やや有効:500個以上の菌が100個以上に減少
無効 :菌数が変わらないか増加
【0043】
表3の結果より、本発明品は比較例に比べ、手荒れ感、刺激感を抑え、殺菌力の持続性も優れていることがわかった。
【0044】
【表3】
【0045】
〔試験例4〕 薬用ハンドソープ
表4に示す成分を常法により混合した。なお、トリクロサン−ベンクレーSL複合体は製造例(3)により調製した。
【0046】
【表4】
【0047】
〔試験例5〕 ボディシャンプー
表5に示す成分を常法により混合した。なお、シクロピロクスオラミン−ビーガムT複合体は製造例(2)により調製した。
【0048】
【表5】
【0049】
〔試験例6〕 フケとりシャンプー
表6に示す成分を常法により混合した。なお、ピロクトンオラミン−クニピアF複合体は製造例(2)により調製した。
【0050】
【表6】
【0051】
〔試験例7〕 パウダースプレータイプ制汗剤
表7に示す成分を常法により混合した。なお、トリクロサン−ベンクレーSL複合体は製造例(3)により調製した。
【0052】
【表7】
【0053】
〔試験例8〕 ロールオンタイプ制汗剤
表8に示す成分を常法により混合した。なお、グルコン酸クロルヘキシジン−クニピアG複合体は製造例(1)により調製した。
【0054】
【表8】
【0055】
〔試験例9〕 デオドラント剤
表9に示す成分を常法により混合した。なお、イソプロピルメチルフェノール−イオナイトH複合体は製造例(3)により調製した。
【0056】
【表9】
【0057】
〔試験例10〕 クリームタイプ水虫薬
表10に示す成分を常法により混合した。なお、硝酸ミコナゾール−ラポナイト複合体は製造例(2)により調製した。
【0058】
【表10】
【0059】
〔試験例11〕 液状タイプ水虫薬
表11に示す成分を常法により混合した。なお、ビフォナゾール−ビーガムT複合体は製造例(2)により調製した。
【0060】
【表11】
【0061】
〔試験例12〕 にきび治療剤
表12に示す成分を常法により混合した。なお、レゾルシン−ラポナイト複合体は製造例(1)により調製した。
【0062】
【表12】
【0063】
〔試験例13〕 手指消毒剤
表13に示す成分を常法により混合した。なお、グルコン酸クロルヘキシジン−クニピアG複合体は製造例(1)により調製した。
【0064】
【表13】
【0065】
〔試験例14〕 アトピー性皮膚炎用ローション
表14に示す成分を常法により混合した。なお、ピロクトンオラミン−ベンクレーSL複合体は製造例(2)により調製した。
【0066】
【表14】
【0067】
〔試験例15〕 育毛剤
表15に示す成分を常法により混合した。なお、シクロピロクスオラミン−ラポナイト複合体は製造例(2)により調製した。
【0068】
【表15】
【0069】
〔試験例16〕 美白剤
表16に示す成分を常法により混合した。なお、ケトコナゾール−ビーガムT複合体は製造例(2)により調製した。
【0070】
【表16】
【0071】
〔試験例17〕 ハンドクリーム
表17に示す成分を常法により混合した。なお、ケトコナゾール−ビーガムT複合体は製造例(3)により調製した。
【0072】
【表17】
【0073】
試験例4〜17のいずれにおいても、本発明品は比較例に比べて、皮膚刺激の低減化及び抗菌力の持続性が認められた。
Claims (2)
- ピロクトンオラミン、シクロピロクスオラミン、トリクロサン、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、ジンクピリチオン、イソプロピルメチルフェノール、感光素類、ウンデシレン酸、レゾルシン、アゾール系抗真菌剤から選ばれる殺菌剤の1種以上と平均粒子径0.01〜50μmの水膨潤性粘土鉱物との複合体であって、上記水膨潤性粘土鉱物に水を加えて得た懸濁液と、上記殺菌剤を水又は有機溶媒に溶解した殺菌剤溶液とを混合・撹拌後生じたゲルを回収するか、又はこのゲルを濃縮、真空乾燥もしくは凍結乾燥して得られた複合体を含む皮膚保護効果に優れる殺菌剤組成物。
- 懸濁液中の水膨潤性粘土鉱物の濃度が10重量%以下であることを特徴とする請求項1記載の殺菌剤組成物。
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