JP3603575B2 - 溶接用給電チップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶接用給電チップに係り、特に、MIG溶接等の消耗電極式アーク溶接用トーチに使用する溶接用給電チップに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の溶接トーチの給電チップ100は、例えば図31に示す従来例(1)にあっては、一体の銅又は銅合金にワイヤ挿通孔101を設けた構造となっており、その長さは、40〜45〔mm〕であり、直径は約10〔mm〕である。又、その中央部の挿通孔の径は、挿通される溶接ワイヤの直径プラス0.2〜0.4〔mm〕となっている。
【0003】
この溶接用給電チップ100は、図示しない溶接トーチ内部のチップホルダの先端に着脱自在に取り付けられている。その取り付けられた給電チップ100のワイヤ挿通孔101に溶接ワイヤ3が挿通され、その内径面と接触して当該溶接ワイヤに対し溶接に必要な電流を給電し被溶接材との間でアークを発生させることにより溶接が行われる。
【0004】
また、図32に従来例(2)を示す。この従来例(2)は、上記従来例(1)でワイヤ挿通孔101の大きさに起因して溶接ワイヤ3の先端部が不安定状態となることに鑑み、これを回避するためのものである。この図3に示す従来例(2)は、特開昭64−18582号公報に開示されているものである。そして、この図32に示す従来例(2)にあっては、給電チップ110の側面を加工し、その加工した所にバネ圧を利用した押し子112を設置し、この押し子112で溶接ワイヤ3を押しつけることで給電効果を高める工夫を施している。ここで、符号111はワイヤ挿通孔を示す。
ここで、符号113は押し子用の板ばねを示し、符号114は板ばね113用の止めねじを示す。
【0005】
更に、図33に従来例(3)を示す。この従来例(3)は、特開平6−304761号公報に開示されたものである。この図33に示す従来例(3)は、前述した図32に示す従来例(2)のものが、生産性が悪いことや,押し子112による押圧箇所から切り屑が多発することに鑑み、これを回避するためのものである。
【0006】
そして、この図33に示す従来例(3)にあっては、給電チップ120のワイヤ挿通孔121を断面三角形状(又は四角形状)等の異形とし、その内接円の直径が溶接ワイヤの直径より、0.05〜0.2〔mm〕大きくすることで、溶接ワイヤ3の先端の位置ずれを小さくしている。
【0007】
又、給電チップ120のワイヤ挿通孔121が異形であることから、通常の丸穴の場合よりも溶接ワイヤ3の接触しない空間が広く取れるため、金属粉や切り屑等の異物の排出が良好となる。更に、ワイヤ挿通孔121の内面では、図34に示すようにV溝部分で溶接ワイヤ3が少なくとも二点接触することが可能であり、このため、給電効果もよくなるという点で優れている。記号Pは給電ポイントを示す。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した各従来例(1)乃至(2)にあっては、以下に示す不都合が生じていた。
【0009】
即ち、上記従来例(1)にあっては、給電チップ100のワイヤ挿通孔101が溶接ワイヤ直径のプラス0.2〜0.4〔mm〕と大きいため、溶接ワイヤ3が振動したり狙い位置が一定しないという不都合があり、更に、給電ポイントが得られにくく、これがため不安定なアークとなる、という不都合があった。
このため、溶接速度を速めた場合には顕著な溶接欠陥となり、これがため溶接速度を速められないという不都合が生じていた。
【0010】
一方、上記図32に示す従来例(2)にあっては、図31に示す従来例(1)の不都合は改善されるものの、加工が複雑であるため生産性が悪く、コストアップとなるという不都合があった。
【0011】
又、この図32に示す従来例(2)にあっては、押し子112が押圧されて給電チップ内のワイヤ挿通孔111と接触し、これがため給電効果を高めるが、押し子112部分で溶接ワイヤ3が係止される関係上,当該ワイヤ挿通孔111内で金属粉やくず等が発生し易い。そして、その金属粉が給電チップ110内に堆積し、ワイヤ挿通孔111を小さくするため、溶接ワイヤ3の円滑な送給を妨げたり、チップ内部と溶接ワイヤ3とが溶着するという事態も発生し、これに起因した溶接作業の停止事故が発生し易く、同時に又、溶接品質の低下をきたす、という不都合があった。
【0012】
更に、上記図33〜図34に示す従来例(3)にあっては、一体の銅及び銅合金の中心部を三角,四角等の異形に加工するため、加工コストが高くなるという不都合がある。
【0013】
更に又、通常の丸孔のワイヤ挿通孔を有する給電チップはドリル加工ができるが、この異形給電チップにおいては、放電,超音波,ワイヤカット,スエージング等の加工法となるため、設備費が高くなり、加工時間も長くなる。又、放電,超音波加工は、電極が必要であり、ワイヤカット,スエージング等も消耗品が高価であり、従ってランニングコストも高価となり、生産性も悪い、という不都合があった。
【0014】
【発明の目的】
本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、特に生産性が良好で、溶接ワイヤに対する通電動作を確実に成し得るようにし、これによってアーク溶接の性能向上を図った溶接用給電チップ装置を提供することを、その目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、少なくとも三本の柱状部材を弾性部材にて束ねると共に、この各柱状部材により囲まれた空間領域を溶接ワイヤ挿通孔とする。この柱状部材の内、少なくとも一つの柱状部材は、弾性部材に付勢されて前述した溶接ワイヤ挿通孔側に向けて常時押圧すると共に,当該溶接ワイヤ挿通孔が広がる方向に移動可能な構造とする。そして、各柱状部材を介して、前記溶接ワイヤ挿通孔に挿通される溶接ワイヤに給電する構造とする、という構成を採っている。
【0016】
このため、この請求項1記載の発明では、まず、複数の柱状部材により形成される溶接ワイヤ挿通孔に溶接ワイヤが挿通されると、少なくとも一つの柱状部材は、弾性部材の初期バネ圧に抗して押し広げられる。
【0017】
また、給電経路については、複数の柱状部材が弾性部材によって常にワイヤ挿通孔側に押圧されていることから、通常の動作中にあっては溶接ワイヤに対して接触状態が途切れることなく、確実に連続して通電状態が継続される。
【0018】
一方、溶接ワイヤは、アーク溶接の進行とともに溶融消費されため、図示しない繰り出し手段によってその所定量が順次繰り出される。同時に、この溶接ワイヤは、多くの場合、動作時の振動やアークの発生位置の変化に応じて、その先端部が偏心する。
かかる場合、本実施形態にあっては、溶接ワイヤは少なくとも三本の柱状部材によって常時挟み込まれた状態となっており、これがため、仮に溶接箇所で溶接ワイヤの先端部に偏心が生じても、これに乱されることなく正常な状態で、給電状態が維持される。
【0019】
更に、継続使用の結果、溶接ワイヤと柱状部材との接触によって切り粉等が発生しても、挿通孔の断面形状が、円形ではなく多角形に近似した形状(例えば三本の柱状部材を装備した場合は三角形状,四本の柱状部材を装備した場合は四角形状等)となり、且つ少なくとも一つの柱状部材と他の柱状部材との相互間は溶接ワイヤの挿通時には、押し広げられるため常に所定間隔で離間されており、従って、コーナ部(柱状部材相互間の空間領域)から当該切り粉等が自然落下し、このため、切り粉や切り屑によって挿通孔が塞がることがなく、かかる点においても溶接ワイヤの挿通動作を円滑に行うことができる。
【0020】
又、複数の柱状部材の内の少なくとも一本を移動可能としたので、柱状部材の稼働箇所が予め明白であることから、溶接ワイヤの交換等の保守に際しては作業性が良好となり、結果的に溶接に際しての作業能率向上を図ることができる。
ここで、柱状部材としては円柱状部材としても、又多角形状としてもよい。
【0021】
請求項2乃至請求項7記載の各発明では、導電性部材からなる筒状ホルダと、この筒状ホルダ内に配設された導電性部材からなる少なくとも三本の柱状部材とを備えている。又、各柱状部材により囲まれた空間領域を溶接ワイヤ用のワイヤ挿通孔とする。そして、各柱状部材を筒状ホルダの中心部側に押圧する導電性を備えた弾性部材を、柱状部材と筒状ホルダの内壁との間に装備する、という構成をその共通の基本構成として備えている。
【0022】
このため、この請求項2乃至請求項7記載の発明でも、前述した請求項1記載の発明と同等に機能するほか、弾性部材の作用により、少なくとも三本の各柱状部材の各々を溶接ワイヤ側に常時押圧移送することとなり、このため溶接ワイヤと各柱状部材との間が離間することがなくなり各柱状部材が適度に溶接ワイヤ挟むようになり、更に、筒状ホルダの側壁に規制されて、溶接ワイヤの偏心移動をを有効に抑制することができる。かかる点において、溶接ワイヤの挿通動作および溶接ワイヤに対する給電動作を確実に且つ安定して継続することができる。
【0023】
ここで、柱状部材を円柱状部材とすると共に、弾性部材を導電性部材からなる環状スプリングとしてもよい。この場合、環状スプリングとしては、各円柱状部材相互間に位置する部分に、前述した筒状ホルダの内壁に向かうと共にその先端部が当該内壁に常時当接する構造の突設部を設けると、当該環状スプリングが筒状ホルダ内に安定して装備されることとなり、溶接ワイヤの偏心移動を更に有効に抑制することができ、又溶接ワイヤに対する筒状ホルダ側からの給電をより安定した状態で行うことができる。
【0024】
環状スプリングの素材としては断面円形状の線材で形成してもよい。このようにすると環状スプリングを比較的安価に得ることができる。又、この環状スプリングの素材としては所定幅のばね材から成る板状部材を用いてもよい。このようにすると各円柱状部材が筒状ホルダの半径方向に移動した場合にはその動作の安定を確保することができる。
【0025】
更に、各円柱状部材の前述した環状スプリングが当接する箇所に、当該環状スプリングに係合する環状凹溝を設けてもよい。かかる場合は、各円柱状部材が環状スプリングに確実に係止されるため、当該円柱状部材の移動動作および環状スプリングの装備位置も安定し、振動等による環状スプリングと円柱状部材との相対的な位置ずれも少なくなり、かかる点において溶接ワイヤに対する筒状ホルダ側からの給電動作が更に一層安定したものとなり、耐久性増大を図り得るという利点がある。
【0026】
又、環状スプリングが当接する箇所の前述した筒状ホルダの内壁面にも、当該環状スプリングに係合する環状凹溝を設けてもよい。この場合は、各円柱状部材の前述した環状スプリングが当接する箇所に環状凹溝を設けた場合と同等の機能を得ることができる。
【0027】
請求項8乃至請求項10記載の各発明では、前述した請求項1又は2記載の溶接用給電チップにおいて、前述した各柱状部材の横断面の形状を多角形状にする、という構成をその共通の基本構成として備えている。
【0028】
この場合、各柱状部材は、その横断面を三角形状に形成すると共に、当該各三角柱部材の一の角部を筒状ホルダの内壁に予め形成しておいたV溝に係合した状態で装備するとよい。
又、前述した各柱状部材として四個の柱状部材を装備すると共に、この各柱状部材の横断面形状を長方形からなる四角形状に形成してもよい。
【0029】
このようにしても、前述した請求項1又は2記載の発明と同等に機能するほか、溶接ワイヤに対する当接面が平坦面をなしていることから、溶接ワイヤに対する安定した給電を継続することができる点で都合がよい。又各柱状部材が円柱状部材に限定されないということから汎用性を高めることができるという利点がある。
【0030】
請求項11乃至請求項14記載の各発明では、前述した請求項2,8,9又は10記載の溶接用給電チップにおいて、弾性部材を、各柱状部材の複数箇所に個別に対応して配設された複数の線状ばね部材又は板状ばね部材により構成すると共に、各線状ばね部材の少なくとも一端部を、筒状ホルダの内壁に固着装備する、という構成をその共通の基本構成として備えている。
【0031】
このようにすると、前述した請求項2,8,9又は10記載の発明と同等に機能するほか、溶接ワイヤに対する各柱状部材の押圧力(当接力)を調整することができるという利点がある。また、板状ばね部材の場合は、面接触となることから、比較的安定した押圧力を得ることができる。
【0032】
ここで、線状ばね部材又は板状ばね部材から成る複数の弾性部材は、ばね部材係止機構を介してその各一端部を前述した筒状ホルダの内壁に固着装備するようにしてもよい。
【0033】
この場合、ばね部材係止機構を、筒状ホルダの内壁面に中心軸線に沿って一様に形成され且つ深部が一方向に曲折された断面L字状のばね係止用凹溝と、このばね係止用凹溝に係合する弾性部材の一端部を当該ばね係止用凹溝内で挟持する所定長さのばね用挟持部材とによって、構成してもよい。この場合、線状ばね部材又は板状ばね部材から成る複数の弾性部材の一端部もばね係止用凹溝に合わせて曲折されたものが装備される。
このようにすると、弾性部材の着脱が容易となり、組み立て作業および保守作業を迅速にかつ容易に成し得るという利点がある。
【0034】
請求項15乃至請求項17記載の各発明では、前述した請求項2記載の溶接用給電チップにおいて、前述した弾性部材を、導電性部材からなる三本の線状ばね部材によって構成する。更に、この三本の各線状ばね部材を前述した筒状ホルダの所定の同一断面内に三角形状に配置すると共に、この筒状ホルダの内壁面に、前述した三本の各線状ばね部材をその中央部を前述した柱状部材に向けて凸状に湾曲させた状態で個別に保持するばね部材保持機構を設ける、という構成をその共通の基本構成として備えている。そして、この場合、通常は、三本の各線状ばね部材の両端部は、当該線状ばね部材の中央部のばね作用に応じて当該両端部の延長方向に往復移動可能に装備されている。
【0035】
このため、この請求項15乃至請求項17記載の各発明では、前述した請求項2記載の溶接用給電チップと同等に機能するほか、それぞれ隣り合う二本の柱状部材を同時に筒状ホルダの中心軸線側に押圧することから、全体的にバランスのとれた状態で各柱状部材を溶接ワイヤに当接させることができるという利点がある。
【0036】
ここで、ばね部材保持機構については、これを、筒状ホルダの内壁面に中心軸線に沿って一様に形成されたばね係止用凹溝と、このばね係止用凹溝内に収納装備され前述した線状ばね部材又は板状ばね部材の端部を挟持する所定長さのばね用挟持部材とにより構成してもよい。
このようにすると、各線状ばね部材の取り付け及び保守が容易となるという利点がある。
【0037】
請求項18記載の発明では、前述した請求項2記載の溶接用給電チップにおいて、弾性部材を、前述した柱状部材に対応して導電性部材からなり且つ左右に突出した突出端部を有する複数のT字状ばね板部材により構成すると共に、このT字状ばね板部材を筒状ホルダの内壁と柱状部材との間に配置する。
そして、この各T字状ばね板部材の左右突出端部を筒状ホルダに固定装備すると共に、この各T字状ばね板部材の中央部を対応する前述した各柱状部材に向けて膨出した構造とする、という手法を採っている。
【0038】
このため、この請求項18記載の発明では、前述した請求項2記載の発明と同等に機能するほか、組立作業及び保守作業が容易となるという利点がある。
【0039】
請求項19記載の発明では、チップ保持体先端側に配設された導電性部材からなる少なくとも三本の柱状部材を備えている。この三本の柱状部材により囲まれて成る空間領域を溶接ワイヤのワイヤ挿通孔とする。
【0040】
そして、各柱状部材は前述したチップ保持体の先端部に形成した弾性部材保持用突出部に装備された導電性を有する弾性部材によってワイヤ挿通孔側に向けて押圧するようにしてなること、という構成を採っている。
【0041】
このため、この請求項19記載の発明では、前述した請求項1又は2記載の各発明と同等に機能するほか、良好な給電状態を維持しつつ溶接ワイヤに対する適度の当接押圧力を安定した状態で各柱状部材に印加することができるという利点がある。
又、筒状ホルダの材質は任意でよく、例えばセラミック質の材料等をもちいてもよい。
【0042】
請求項20乃至21記載の発明では、前述した請求項19記載の溶接用給電チップにおいて、弾性部材は、筒状ばね部材より成り、この弾性部材は、前記弾性部材保持用突出部に固定される断面三角形状の筒状ばね固定部と、この固定部の一端部周囲の柱状部材の本数に対応する箇所から前記柱状部材に対応してその中心軸線に沿って延設され且つ内側に曲折された板状ばね片部と、この各板状ばね片部の先端部に前記柱状部材に対応して形成され柱状部材を押圧する押圧部とにより構成する。
【0043】
又、前述した弾性部材を、コイル状ばね部材より形成してもよい。この場合、このコイル状ばね部材は、前述した弾性部材保持用突出部に固定されるコイル状のコイルばね固定部と、コイルばね固定部の一端部から同軸線上に延設され前記柱状部材を一体的に約一条巻きに巻回する巻回保持部とにより構成され、この巻回保持部によって、各柱状部材はワイヤ挿通孔側に向けて押圧されるようになっている。
【0044】
このため、この請求項20乃至21記載の各発明では、前述した請求項19記載の発明とほぼ同等に機能するほか、弾性部材をコイル状バネ部材により構成した場合は、更に構造が単純化され、全体的に軽量化され、且つ原価低減を図り得るという利点があり、組み立ても容易となる。
【0045】
請求項22記載の発明では、前述した請求項20乃至21記載の各溶接用給電チップにおいて、各棒状部材に環状凹溝を形成すると共に弾性部材の押圧部又は巻回部を係止させる、という構成を採っている。
このため、この請求項22記載の発明では、前述した請求項20乃至21記載の各記載の発明と同等に機能するほか、溶接ワイヤの繰り出し時に、柱状部材が溶接ワイヤの移動方向へ移動するのを阻止し得るという利点がある。
【0046】
請求項23記載の発明では、請求項19,20,21又は22記載の溶接用給電チップにおいて、前述した柱状部材を円柱状部材で構成すると共に、チップ保持体の先端部に複数のガイド用突出部を前述した円柱状部材に対応して複数個設ける。
そして、この各ガイド用突出部相互間には、各円柱状部材の移動を許容する複数のガイド路を形成すると共に、この各ガイド路の幅寸法を各円柱状部材の直径より大きく設定する、という構成を採っている。
【0047】
このため、この請求項23記載の各発明では、前述した請求項19,20,21又は22記載の発明と同等に機能するほか、ガイド路の作用によって各円柱状部材の移動方向が特定されることとなり、このため、弾性部材が異なっても溶接ワイヤに対する各円柱状部材の押圧動作が安定し、このため、溶接ワイヤに対する適度の当接押圧力を安定した状態で各円柱状部材に印加することができ、良好な給電状態を維持することができるという利点がある。
【0048】
このようにすると、各ガイド路は連通し、これがため、四本の各円柱状突出部の移動方向が全体的にバランスがとれた状態となり、より安定した状態で溶接ワイヤに対する給電を継続することができる。
【0049】
請求項24記載の発明では、前述した請求項19,20,21,22又は23記載の溶接用給電チップにおいて、各柱状部材および弾性部材は、底面に溶接ワイヤ用貫通孔を形成した有底筒状ホルダーに囲われてなること、という構成を採っている。
【0050】
このため、この請求項24記載の発明では、前述した請求項19,20,21,22又は23記載の各発明と同等に機能するほか、各柱状部材および弾性部材をより有効に束ねることができ、かかる点において溶接動作の安定を確保することができるという利点がある。
また、柱状部材又は弾性部材が溶接ワイヤと柱状部材との摩擦力によってワイヤ供給方向に移動することが防げる。
【0051】
請求項25記載の発明では、前述した請求項1から24のいづれかに記載の溶接用給電において、弾性部材を、リン青銅又はベリリウム銅より成るバネ材を素材として形成する、という構成を採っている。
このため、この請求項25記載の発明では、前述した請求項1乃至24記載のの各発明と同等に機能するほか、当該弾性部材は充分な弾性力を備え且つ導電性も高いので、連結部の連結状態を長期にわたって堅牢に且つ確実に維持することができ、かかる点において高い給電効率を長期にわたって維持することがが可能となり、安定した溶接動作を維持することができる。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0053】
〔第1の実施形態〕
図1乃図4に第1の実施形態を示す。この図1乃至図4に示す第1の実施形態は、導電性部材からなる筒状ホルダ1と、この筒状ホルダ1内で同一円周上に120°隔てて等間隔に配設された導電性部材からなる柱状部材としての三本の円柱状部材2とを備えている。
【0054】
ここで、この各柱状部材2により囲まれた空間領域を、溶接ワイヤ3を挿通させるためのワイヤ挿通孔Kとする(以下、他の実施形態でも同じ)。又、本実施形態にあっては三本の円柱状部材2を装備した場合を例示したが、円柱状部材2の本数については、三本以上であれば四本でも五本でもよい。
更に、前述した筒状ホルダ1は、図2に示すようにトーチ先端部のチップ保持体7に着脱自在に螺合装備されている。
【0055】
又、図1において、符号5は導電性部材からなる弾性部材としての環状スプリングを示す。この環状スプリング5は、前述した各柱状部材2を筒状ホルダ1の中心部側に押圧する機能を備え、本実施形態にあっては前述した各円柱状部材2を取り巻いて上下二か所に装備され、当該各円柱状部材2と筒状ホルダ1の内壁1Aとの間に装備されている。
【0056】
この環状スプリング5は、本実施形態では断面円形状の線材をもって形成され、前述した各円柱状部材2に当接する部分が、当該各円柱状部材2に沿って半円弧状に形成されて半円弧状当接部5Aを構成している。
また、この環状スプリング5は、各円柱状部材2相互間に位置する部分が前述した筒状ホルダ1の内壁1Aに向けて突設され逆U字状に曲折して形成された突設部5Bを備えている。そして、この逆U字状の突設部5Bの先端部は、前述した筒状ホルダ1の内壁1Aに所定のばね圧をもって常時当接した状態に組み込まれている。
【0057】
更に、各円柱状部材2の前述した環状スプリング5が当接する部分には、その外周囲に、図2乃至図3に示すように環状凹溝2aが形成されている。この場合、本実施形態では環状スプリング5を二個使用しているため、各円柱状部材2には対応する二箇所に環状凹溝2aが形成されている。
【0058】
図2,図3(A)に、この環状凹溝2aの形状を示す。この図2,図3(A)には、断面深部を四角形状に形成された環状凹溝2aを示す。一方、この環状凹溝については、図3(B)に示すように、断面深部を半円形状に形成した環状凹溝2bとしてもよい。
【0059】
いずれの場合も、各円柱状部材2の溶接ワイヤ3の導入側の端部には、大きい面取り部2Mが付されており、これによって溶接ワイヤ3が円滑に挿通されるようになっている。また、図2において、符号1aは筒状ホルダ1の底部1Tの中央に形成された溶接ワイヤ3用の貫通孔を示す。
【0060】
図4は、溶接ワイヤ3が挿通された状態を示す。この場合は、各円柱状部材2が、環状スプリング5の図1における初期バネ圧に抗して押し広げられる。この場合、図4では、複数の円柱状部材2を取り巻く外周囲に位置する環状スプリング5の突設部5Bの先端部が筒状ホルダ1の内壁1Aに当接した状態となっており、これによって環状スプリング5は常にバネ性を維持した状態をなしている。ここで、環状スプリング5は、その内の少なくとも1つは導電性を備えたバネ部材によって形成されているものとする。
【0061】
また、各円柱状部材2については、環状スプリング5によって許容される範囲の移動が、前述した筒状ホルダ1内にてもそのまま許容されている。
ここで、上記図1に示す第1の実施形態にあっては、環状スプリング5として線材を用いた場合を例示したが、同一のバネ作用を発揮し得るものであれば、環状スプリング5として所定幅の板材をもって形成してもよい。又、導電性を有する環状スプリング5の材質は、ばね性及び導電性に優れたリン青銅,ベリリウム銅等が好ましい。
【0062】
そして、溶接ワイヤ3は、実際の使用に際しては、環状スプリング5の作用によって三本の円柱状部材2から常に所定の当接圧を受けつつ押し出される。このため、溶接ワイヤ3と三本の円柱状部材2との間が離れることはなく、給電不良の発生を極めて少なくすることが可能となる。
【0063】
又、図4において、ワイヤ挿通孔Kを構成する三本の円柱状部材2相互間の最大の離間距離wは、溶接ワイヤ3の直径dより小さく設定されている(図4参照)。これによって、溶接ワイヤ3が円柱状部材2に有効に当接すると共に、当該各円柱状部材2相互間から外に離脱するのが、予め有効に防止されている。
【0064】
ここで、組み立てに際しては、三本の円柱状部材2を環状スプリング5に嵌め込んで前述した環状凹溝2aに係合させた後、筒状ホルダ1内に挿入する。
又、この環状凹溝2aについては、各円柱状部材2毎に二箇所に設けた場合を例示したが、一箇所であってもよい。また、上記実施形態にあっては、全ての円柱状部材2に環状凹溝2aを形成したが、1本の円柱状部材2のみに形成してもよい。
【0065】
更に、前述した環状凹溝2aについては、これを付さなくても、三本の円柱状部材2はその摩擦力によって環状スプリング5に確実に束ねられることは、実験的にも確認することができた。
又、環状スプリング5に対応して前述した筒状ホルダ1の内壁部分に図5に示すように環状凹溝1bを形成し、この環状凹溝1bに前述した逆U字状の突設部5Bの先端部を係合させるように構成してもよい。この場合は、前述した三本の円柱状部材2の環状凹溝2a(又は2b)を付す必要性はない。
尚、円柱状部材2の周囲の環状凹溝2a,2b及び筒状ホルダ1の内壁面の環状凹溝1bを付さない場合には、実際上の問題として、前述した環状スプリング5のばね力が弱いと、当該環状スプリング5が位置ずれをおこすことが予想される。又、上記環状凹溝2a,2b,1bの各凹溝を形成した場合を除き、溶接ワイヤを繰り出していく際の摩擦抵抗による円柱状部材の抜け出しを防ぐために、筒状ホルダ1には底部1Tが必要となる。
【0066】
次に、上記第1の実施形態の作用を図1乃至図4に基づいて説明する。
三本の円柱状部材2に囲まれて形成されるワイヤ挿通孔K(図1参照)に溶接ワイヤ3を挿通し、その端部をワイヤ挿通孔Kの先端部からアーク溶接に適した所定長さに突出させ、しかるのち、所定の溶接動作に移行する。
【0067】
図4にこれを示す。この図4は溶接ワイヤ3が挿通された状態を示す。この場合、各円柱状部材2は、環状スプリング5の図1における初期バネ圧に抗して押し広げられる。
【0068】
通電経路については、筒状ホルダ1の内壁1Aに環状スプリング5のU字状突設部5Bが常時所定の圧力をもって当接し、又環状スプリング5は半円弧状当接部5A部分で前述した三本の円柱状部材2に常時当接している。又、円柱状部材2は、環状スプリング5により常時所定の圧力をもって溶接ワイヤ3に接している。このため、通常の動作中にあっては、本実施形態では溶接ワイヤ3には途切れることなく確実に連続して通電される。
【0069】
一方、溶接ワイヤ3は、アーク溶接の進行とともに溶融消費される。このため、溶接ワイヤ3は図示しない繰り出し手段によってその所定量が順次繰り出される。この繰り出し方向を図2中の矢印Pで示す。
同時に、この溶接ワイヤ3は、多くの場合、溶接ワイヤ3が直線状に形成されていないと、動作時の振動やアークの発生位置の変化に応じて、通常はその先端部が偏心する。
【0070】
かかる場合、本実施形態にあっては、三本の円柱状部材2によって常時挟み込まれた状態となっており、溶接ワイヤ3は三本の円柱状部材2を介して常に筒状ホルダ1の中心部に配設されため、仮に溶接箇所で溶接ワイヤ3の先端部に偏心が生じても、これに乱されることなく正常な状態で、通電状態が維持される。
【0071】
更に、継続使用の結果、溶接ワイヤ3と円柱状部材2との接触によって切り粉等が発生しても、ワイヤ挿通孔Kの断面形状が三角形状であり且つ三本の円柱状部材2相互間は溶接ワイヤ3の挿通時には、常に所定の間隔wで離間されており、従って、三箇所のコーナ部(円柱状部材2相互間の空間領域)から当該切り粉等が自然落下し、このため、切り粉や切り屑によってワイヤ挿通孔Kが塞がることがなく、かかる点においても溶接ワイヤ3の挿通動作を円滑に成し得るという利点を備えている。
【0072】
上記図1に示す第1の実施形態にあっては、柱状部材として円柱状部材2を使用した場合を例示したが、同一形状の円筒状部材を使用してもよい。このようにすると、上述した性能を損なうことなく装置全体の軽量化を図り得るという利点がある。
円柱状部材2の材質については、導電性良好で溶接ワイヤ3に対する耐磨耗性のよい素材であれば銅又は銅合金以外のものであってもよい。又、円柱状部材2を三本使用した場合について説明したが、前述したように四本以上であってもよい。
【0073】
〔第2の実施形態〕
図6に第2の実施形態を示す。ここで、前述した図1に示す第1の実施形態と同一の構成部材については同一の符号を用いるものとする(以下の各実施形態においても同じ)。
この図6において、円柱状部材2は本実施形態にあっては三本装備され、その内の2本が、前述した図4に示す溶接ワイヤ3が挿通された場合の移動位置に固定されている。また、環状スプリング5については、形状は異なるが前述した図1の場合と同様の導電性を備えたものが使用されている。
【0074】
更に、この図6において、矢印Aは、溶接ワイヤ3が挿通された場合に生ずる一本の円柱状部材2の移動方向を示す。
その他の構成は前述した図1の場合と同一となっている。
【0075】
このようにしても前述した図1の第1実施形態の場合と同様の作用効果を有するほか、溶接ワイヤ3の直径が予め特定されているものについては、ワイヤ出口の中心部に該溶接ワイヤ3を確実に案内することができるという利点がある。
【0076】
尚、この第2の実施形態では、筒状ホルダ1に対して二本の円柱状部材2を固定すると共に一本の円柱状部材2をスライド移動自在に組み込んだ場合を例示したが、これとは別に、一本の円柱状部材2を固定すると共に二本の円柱状部材2をスライド移動自在に組み込むようにしてもよい。
【0077】
ここで、上記円柱状部材2については、これを筒状ホルダ1内に等間隔に収納装備した場合について例示したが、図7に示すように、隣接する円柱状部材2の相互間の間隔wが溶接ワイヤ3の直径dよりも小さく設定されている場合には、一個又は二個の円柱状部材2の位置がずれた状態に装備されたものであってもよい。
【0078】
このようにしても、上記図6の場合と同等に機能する溶接用給電チップを得ることができる。又上記図6に示す第2の実施形態でも、環状スプリング5として線材を用いた場合を例示したが、前述した第1の実施形態の場合と同様に、この環状スプリング5については所定幅の板材をもって形成してもよい。この場合、この実施形態にあっては、筒状ホルダ1としては底部1Tのあるものが使用されている。
【0079】
〔第3の実施形態〕
図8乃至図9に、第3の実施形態を示す。この8乃至図9において、符号12は柱状部材としての三角柱部材を示す。
この各三角柱部材12は、本実施形態にあっては形状及び大きさが同一のものが使用されているが、異なった大きさのものであってもよい。
【0080】
これを更に詳述すると、各三角柱部材12は、本実施形態にあってはその断面形状において三つの各内角の内の一つが90度よりも大きく(約100度に)設定されたものが使用されている。又、三つの斜辺面の内の面積の大きい方から順に第1斜辺面12A,第2斜辺面12B,第3斜辺面12Cとすると、その第1斜辺面12Aが筒状ホルダ11の内壁面11Aに面して配置され、他の二辺が筒状ホルダ11の中心部側に向けて突出されている。
【0081】
そして、各三角柱部材12の内の各第2斜辺面12Bによって囲まれた空間が、溶接ワイヤ3を挿通するワイヤ挿通孔Kを形成するようになっている。ここで、前述した各三角柱部材12の両端部は、その角部が大きく面取りされ(図示せず)、これによって溶接ワイヤ3の導入および挿通が円滑になされるようになっている。
【0082】
又、筒状ホルダ11の内壁面11Aには、前述した第1斜辺面12Aと第2斜辺面12Bとの間の角部12abが当接するように前述した各三角柱部材12が収納装備されている。
【0083】
この各三角柱部材12の角部12abが当接する箇所の内壁面11Aには、当該角部12abに係合する断面V字状のV溝(V字状凹部)11c形成されている。このV溝(V字状凹部)11cは、各三角柱部材12の角部12abに対応して筒状ホルダ11の内壁面11Aに等間隔に三箇所に形成されている。
そして、このV溝(V字状凹部)11cが、各三角柱部材12の回動支点として機能するようになっている。
【0084】
又、上記各三角柱部材12は、各三角柱部材の少なくとも上下二箇所に個別に配設された弓型状の複数の導電性を有する線状ばね部材15によって、筒状ホルダ11の中心部側に常時押圧された状態となっている。この場合、各線状ばね部材15の一端部は、後述するように逆L状に曲折され、前述した筒状ホルダ11の内壁11Aにばね部材係止機構16を介して固定装備されている。この線状ばね部材15の固定状態を図8(B)に示す。本実施形態では、着脱自在に筒状ホルダ11の内壁11Aに固定装備されている。
【0085】
ここで、ばね部材係止機構16について説明する。
このばね部材係止機構16は、図8(B)に示すように、前述した筒状ホルダ1の内壁面11Aに中心軸線に沿って一様に形成され且つ深部が一方向に曲折された断面L字状の(ばね部材係止用の)ばね係止用凹溝16Aと、このばね係止用凹溝16Aに係合する三個のばね用挟持部材16Bとにより構成されている。そして、ばね係止用凹溝16Aは、その一方(深部)が筒状ホルダ11の底面領域までに達して形成され、また他方が筒状ホルダ11の開口面に達して形成されている。
【0086】
更に、前述した各線状ばね部材15の一端部は、この断面L字状の係止用凹溝16Aに合わせて逆L状に曲折されている。また、三個のばね用挟持部材16Bの長さは、それぞれ、線状ばね部材15の配置箇所に合わせて所定の長さに設定されている。例えば、係止用凹溝26Aの中央部に配設されるばね用挟持部材16Bの長さは、ばね係止用凹溝16Aの各端部に配設されるばね用挟持部材16Bの長さの約2倍に形成してもよい。このようにすると、前述した各三角柱部材12を、安定した状態でワイヤ挿通孔K側に押圧することができる。
【0087】
又、その組み立てに際しては、筒状ホルダ11の開口部側から、ばね係止用凹溝16A内に、前述したばね用挟持部材16Bと線状ばね部材15とを各線状ばね部材15の装備位置に合わせて順次組み込み、最後に、ばね用挟持部材16Bを筒状ホルダ11の開口部側にカシメ付けする。これにより、線状ばね部材15の組み込みが完了する。
【0088】
図9に、前述した溶接ワイヤ3をワイヤ挿通孔Kに挿通した時の状態を示す。そして、溶接ワイヤ3が挿通されると、各三角柱部材12は、V字状凹部11c内の角部12abを支点として回動し、図8に示すように溶接ワイヤ3は筒状ホルダ11の中央部に配設され安定する。
その他の構成は前述した図1の場合と同一となっている。
【0089】
このようにしても、前述した図1の場合と同様に機能する溶接用給電チップを得ることができる。
【0090】
ここで、上記図8乃至図9に示す第3の実施形態にあっては、弾性部材として線状ばね部材15を装備した場合を例示したが、この線状ばね部材15に代えて所定幅の導電性を有する板ばねを使用するようにしてもよい。
又、この図8乃至図9に示す第3の実施形態においては、柱状部材として三角柱部材12を使用した場合を例示したが、円柱状部材であってもよい。
更に、この実施形態にあっては、三角柱部材12が溶接ワイヤとの摩擦力によって移動しないように筒状ホルダ11としてはワイヤ貫通孔が形成された底部のある筒状ホルダが用いられている。
【0091】
〔第4の実施形態〕
図10乃至図11に第4の実施形態を示す。この図10乃至図11において、符号22は溶接用給電チップの要部を成す柱状部材としての四角柱部材を示す。この四角柱部材22は、断面長方形状を成し、前述した有底の筒状ホルダ21内に全体で四本装備されている。この四本の各四角柱部材22は、組み込んだ後の外形枠が正四角形を成すように筒状ホルダ21内に組み込まれ、これによって各四角柱部材22の中央部に形成される空間領域が前述した溶接ワイヤ3用のワイヤ挿通孔Kとして機能するようになっている。
【0092】
また、この各四角柱部材22は、前述した第3の実施形態(図8乃至図9)の場合と同様に、導電性を有する線状ばね部材15によって筒状ホルダ21の中心部側に常時押圧されている。この線状ばね部材15は四個の四角柱部材22に対応してそれぞれ配設され、ばね部材係止機構16を介して筒状ホルダ21に装備されている。
【0093】
図11は、溶接ワイヤ3をワイヤ挿通孔Kに挿通した時の状態を示す。溶接ワイヤ3が挿通されると、各四角柱部材22は、溶接ワイヤ3に内側から押圧されて二点鎖線の位置から実線に示すごとく回動して溶接ワイヤ3の挿通を許容し、これによって図示の如く溶接ワイヤ3は筒状ホルダ21の中央部に配設され安定する。
この場合、本第4の実施形態にあっては、前述した第3の実施形態(図8乃至図9)の場合と異なり、V字状凹部11c(図8参照)を備えていない。その他の構成は前述した図1の場合と同一となっている。
【0094】
このようにしても、前述した図8乃至図9に示す第3の実施形態の場合と同様に機能する溶接用給電チップを得ることができる。
【0095】
ここで、上記図10乃至図11に示す第4の実施形態にあっては、弾性部材として線状ばね部材15を装備した場合を例示したが、この線状ばね部材15に代えて所定幅の板ばねを使用するようにしてもよい。
また、この図10乃至図11に示す第4の実施形態においては、柱状部材として四角柱部材22を使用した場合を例示したが、円柱状部材であってもよい。
【0096】
〔第5の実施形態〕
図12乃至図13に第5の実施形態を示す。この図12乃至図13において、符号32は柱状部材としての三角柱部材を示す。この三角柱部材32は、本実施形態にあっては、断面が正三角形状に形成され、その各角部が切除されており、この幅の狭い切除面を加えると、図12に示すように全体的には六角柱をなしている。又、この各三角柱部材32は、本実施形態にあっては、それぞれ同一の形状及び大きさのものが使用されている。
【0097】
そして、この三本の各三角柱部材32は、組み込んだ後の外形枠がほぼ正三角形を成すように有底の筒状ホルダ31内に組み込まれ、これによって各三角柱部材32の中央部に形成される空間領域が前述した溶接ワイヤ3用のワイヤ挿通孔Kとして機能するようになっている。ここで、前述した各三角柱部材32の両端部は、その角部が大きく面取りされ(図示せず)、これによって溶接ワイヤ3の導入および挿通が円滑になされるようになっている。
【0098】
符号35は、弾性部材としての導電性を有する線状ばね部材を示す。この線状ばね部材35は、本実施形態にあっては三本装備され、前述した筒状ホルダ31内の二箇所にあってその同一断面内に三角形状に配置されている。そして、この三本の各線状ばね部材35は、具体的には、その中央部を三角柱部材32に向けて凸状に湾曲させた状態で、その両端部がばね部材保持機構36を介して前述した筒状ホルダ31の内壁面31Aに装備されている。
【0099】
これを更に詳述すると、上記各三角柱部材32は、少なくとも上下二箇所に個別に配設された弓型状の複数の線状ばね部材35によって筒状ホルダ31の中心部側に常時押圧された状態となっている。
この場合、各線状ばね部材35の両端部は、後述するようにばね部材係止機構36を介して筒状ホルダ31の内壁31Aに固定装備されている。この線状ばね部材15の固定状態を図13に示す。本実施形態では、着脱自在に筒状ホルダ31の内壁31Aに固定装備されている。
【0100】
次に、ばね部材保持機構36を図13に基づいて説明する。
このばね部材保持機構36は、三本の線状ばね部材35に対応して筒状ホルダ31の内壁31Aの同一円周部分六箇所に設けられている。
【0101】
即ち、このばね部材保持機構36は、前述した第3の実施形態の場合(図8参照)と同様に、筒状ホルダ31の内壁面31Aに中心軸線に沿って一様に形成されたばね部材係止用の係止用凹溝36Aと、この係止用凹溝36A内に収納装備され前述した線状ばね部材35の各端部を挟持する三個の所定長さのばね用挟持部材36Bとを備えている。
【0102】
ここで、係止用凹溝36Aは、前述した第3の実施形態の場合(図8参照)とは異なり曲折部は有せず直線状の溝面によって形成されると同時に、各ばね用挟持部材36Bの飛び出しを抑制するため、その筒状ホルダ31の内径側が狭く形成されている。又、前述したばね用挟持部材36Bも、この係止用凹溝36Aに合わせて形成されている。そして、この係止用凹溝36Aは、その一方(深部側)が筒状ホルダ31の底面領域までに達して形成され、また他方が筒状ホルダ31の開口面に達して形成されている。
【0103】
更に、前述した線状ばね部材35の各端部を保持する前述したばね部材保持機構36は、その係止用凹溝36Aが、当該線状ばね部材35がその長手方向に沿って移動し易いように、比較的深く形成されている。また、三個のばね用挟持部材36Bの長さは、それぞれ、線状ばね部材35の配置箇所に合わせて所定の長さに設定されている。例えば、係止用凹溝36Aの中央部に配設されるばね用挟持部材36Bの長さは、係止用凹溝36Aの各端部に配設されるばね用挟持部材36Bの長さの約2倍に形成してもよい。このようにすると、前述した各三角柱部材32を、安定した状態でワイヤ挿通孔K側に押圧することができる。
【0104】
そして、組み立てに際しては、筒状ホルダ31の開口部側から、係止用凹溝36A内に、前述したばね用挟持部材36Bと線状ばね部材35とを各線状ばね部材35の装備位置に合わせて順次組み込み、最後にばね用挟持部材36Bを筒状ホルダ31の開口部側にカシメ付けする。これにより、線状ばね部材35の組み込みが完了する。
【0105】
図12の実線は、溶接ワイヤ3をワイヤ挿通孔Kに挿通した時の状態を示し、同図の二点鎖線は溶接ワイヤ3を挿通する前の状態を示す。そして、溶接ワイヤ3が挿通されると、各三角柱部材32は、各線状ばね部材35に抗して外側に押し出され、これによって図12に示すように溶接ワイヤ3は筒状ホルダ31の中央部に配設され安定する。その他の構成は前述した第4実施形態の場合(図10参照)と同一となっている。
【0106】
このようにしても、前述した図1の場合と同様に機能する溶接用給電チップを得ることができる。
【0107】
ここで、上記図12乃至図13に示す第5の実施形態にあっては、弾性部材として線状ばね部材35を装備した場合を例示したが、この線状ばね部材35に代えて所定幅の板ばねを使用するようにしてもよい。
また、この図12乃至図13に示す第5の実施形態においては、柱状部材として断面が正三角形状の三角柱部材32を使用した場合を例示したが、円柱状部材であってもよい。
【0108】
〔第6の実施形態〕
図14乃至図18に第6の実施形態を示す。この図14乃至図18において、符号42は、柱状部材としての円柱状部材を示す。この円柱状部材42は、三本装備され、前述した第1の実施形態の場合と同様に、同一の形状および大きさのものが使用されている。
【0109】
また、符号45は、弾性部材としての導電性を備えたT字状ばね板部材を示す。このT字状ばね板部材45は、有底の筒状ホルダ41内の三本の円柱状部材42の周囲に等間隔に三個装備され、二本の円柱状部材42を対象としてこれを常時筒状ホルダ41の中心部へ押圧する機能を備えている。
【0110】
これを更に詳述すると、T字状ばね板部材45は、全体的には板状バネ部材によって短冊状に形成されたバネ板本体部45Aと、このバネ板本体部45Aの一端部で左右に突出された係止用突出部45Bとを備えた構造となっている。ここで、このバネ板本体部45A部分は、その幅方向および長手方向のいずれも、前述した円柱状部材42に向けて円弧状に湾曲(膨出)され、これによって各円柱状部材42に対して適度の押圧力を常時付勢し得るようになっている。
【0111】
また、前述した筒状ホルダ41は、その底面部中央に溶接ワイヤ3を挿通する貫通孔41aが形成され、また、その開口端部には、前述した三個のT字状ばね板部材45を固定するためのばね用切り込み41Bが、三個のT字状ばね板部材45に対応して六個設けられている。そして、このばね用切り込み41Bに前述したT字状ばね板部材45の左右の係止用突出部45Bが挿入固定されることによって、前述したバネ板本体部45Aから所定の押圧力が前述した円柱状部材42に常時印加されるようになっている。
【0112】
図15に円柱状部材42とT字状ばね板部材45との位置関係を示す。これにより、三個の各T字状ばね板部材45がそれぞれ二本の円柱状部材42に対応して装備されていることが分かる。また、三本の円柱状部材42に対するT字状ばね板部材45押圧状態を図16に示す。更に、溶接ワイヤ3が挿通された状態を図18に示す。
その他の構成は、前述した第1実施形態(図1乃至図4)の場合とほぼ同一となっている。
【0113】
このようにしても前述した第1実施形態(図1乃至図4)とほぼ同等の作用効果を有するほか、保守および組み立てが容易となるという利点がある。
【0114】
〔第7の実施形態〕
次に、第7の実施形態を図19乃至図22に基づいて説明する。
この図19乃至図22に示す第7の実施形態は、前述した図1に開示した環状スプリング5に代えて、チップ保持体57に保持された導電性を有する断面略三角形状の筒状ばね部材55を装備した点に特徴を備えている。
【0115】
尚、この図19乃至図22に示す第7の実施形態においては、符号51は貫通孔51aを有する有底の筒状ホルダを示す。この筒状ホルダ51は、前述した第1の実施形態(図1)における筒状ホルダ1とほぼ同一に形成され、その開口部側がチップ保持体57に螺合装備されるようになっている。
この筒状ホルダ51内には、円柱状部材52と弾性部材(後述する筒状ばね部材)が収納装備される。この有底の筒状ホルダ51は、溶接ワイヤ3の繰り出しに際して生じる摩擦力によって円柱状部材52及び筒状ばね部材55が外れることを防ぐと共に、溶接時におけるスパッタリングの円柱状部材52への付着を防ぐ点で有効に機能する。
【0116】
即ち、本実施形態にあっては、導電性部材からなる少なくとも三本の柱状部材としての円柱状部材52を中心部側に押圧する筒状板ばね部材55が、チップ保持体57の弾性部材保持用突出部57Aに装備される。図19は図示の便宜上、筒状ホルダ51を取り外した状態を示す。
ここで、弾性部材保持用突出部57Aは、チップ保持体57の先端側中央部に設けられている。そして、この保持用突出部57Aに、筒状板ばね部材55の後述する筒状ばね固定部55Aが、所定のばね作用をもって嵌合されるようになっている。図20にこの嵌合状態を示す。
【0117】
筒状板ばね部材55は、所定厚さのバネ部材からなる断面三角形状の筒状ばね固定部55Aと、この筒状ばね固定部55Aの一端部周囲の三箇所から前述した円柱状部材52に対応してその中心軸線に沿って同方向に延設され且つ内側に曲折された板状ばね片部55Bと、この各板状ばね片部55Bの先端部に前述した円柱状部材52に合わせて設定された柱状部材を押圧する半円筒状の押圧部55Cとにより構成されている。
【0118】
ここで、この断面三角形状の筒状板ばね部材55は、筒状ばね固定部55Aを除いて、他の角部全体が中央部から他端部に向けて所定幅で三箇所一様に切除され、これによって前述した各板状ばね片部55Bが三つの辺の各領域に各々形成された状態となっている。又、この各板状ばね片部55Bは、内側に幾分曲折されてバネ圧を付加され、更にその先端部には、ネック部を介して前述した円柱状部材52に合わせて半円筒状に加工形成された半円筒状の押圧部55Cが前述したように設けられている。これらを図21(A)(B)に示す。
【0119】
そして、本実施形態では図19〜図20に示す状態で、三本の円柱状部材52および筒状板ばね部材55が筒状ホルダ51内に収納装備されるようになっている。この場合、筒状板ばね部材55は、その一端部の角部が前述した筒状ホルダ51の内壁に常時当接するようになって、筒状板ばね部材55の半円筒状押圧部が中心より振れることを防止している。
図22(A)は溶接ワイヤ3が挿通される前の状態を示し、図22(B)は溶接ワイヤ3が挿通された状態を示す。
その他の構成は前述した第1の実施形態(図1乃至図4)とほぼ同一となっている。
【0120】
このようにしても、前述した実施形態(図1乃至図4)の場合と同等に機能するほか、三本の円柱状部材2は、特に筒状板ばね部材55の半円筒状の押圧部55Cでそれぞれ確実に筒状板ばね部材55に当接することとなり、同時に筒状板ばね部材55は筒状ばね固定部55Aがチップ保持体57の保持用突出部57Aに常時当接していることから、ワイヤ挿通孔Kに挿通される溶接ワイヤ3に対しては、間断なく給電を継続することができる。
【0121】
〔第8の実施形態〕
次に、第8の実施形態を図23乃至図24に基づいて説明する。
この図23乃至図24に示す第8の実施形態は、前述した第7の実施形態(図19乃至図22)において、筒状板ばね部材45に代えて、コイル状ばね部材60を装備した点に特徴を備えている。ここで、前述した図19〜図20に示す各構成部材と同一の構成部材については、同一の符号を用いるものとする。
【0122】
即ち、この第8の実施形態(図23乃至図24)において、導電性を有する弾性部材として装備したコイル状ばね部材60は、前述したチップ保持体57の中央部に突設された弾性部材保持用突出部57Aに固定装備して成るコイルばね固定部60Aと、このコイルばね固定部60Aの一端部から同軸上に延設され柱状部材としての三本の導電性を有する円柱状部材52を一体的に約一条巻きに巻回する巻付保持部60Bとによって構成されている。
その他の構成は前述した第7の実施形態(図19乃至図22)の場合と同一となっている。
【0123】
このようにしても前述した第7の実施形態(図19乃至図22)の場合とほぼ同一の作用効果を得るほか、特に構造が単純化され弾性部材自体を安価に得ることができ、且つ軽量化されることから可搬性が良好となるという利点がある。
ここで、上記実施形態にあっては、三本の円柱状部材52を装備した場合を例示したが、四本又は5本の円柱状部材52を装備したものであってもよい。
【0124】
〔第9の実施形態〕
次に、第9の実施形態を図25乃至図27に基づいて説明する。
この図25乃至図27に示す第9の実施形態は、柱状部材として四本の導電性を有する円柱状部材62を装備すると共に、溶接ワイヤ3を挿通した場合に(押し広げられて)放射方向に移動する四本の円柱状部材62の移動を案内するガイド路68Aを設けた点に特徴を備えている。
【0125】
即ち、この第9の実施形態(図25乃至図27)において、符号68は前述した四本の円柱状部材62に対応して装備された四本のガイド用突出部を示す。
この四本のガイド用突出部68は、前述したチップ保持体57における筒状ホルダ51側の端部中央の同一円周上に、等間隔に突設されている。ここで、この各ガイド用突出部68の相互間の対向面は平行面となっている。又、四本のガイド用突出部68は、チップ保持体57における弾性部材保持用突出部57Aをも兼ねている。
【0126】
符号68Aは、これら四本のガイド用突出部68によって形成された四個のガイド路を示す。この四個のガイド路68Aは、図26に示すように十字状に形成されている。そして、実際上は、この十字状に配設された四個のガイド路68A部分に、前述した四本の各円柱状部材62が個別に配置されている。ここで、この各ガイド路68Aの幅寸法Sは、前述した各円柱状部材62の直径dよりも若干大きい(同一又はそれ以上)の大きさに設定されている。
【0127】
また、この各四本のガイド用突出部68の外周面は、曲率半径が同一の柱状円周面を形成し同一の円周面上に配置されている。そして、このガイド用突出部68の外周囲に、導電性を有するコイル状ばね部材65が装備されるようになっている。
このコイル状ばね部材65は、前述した図23(第8の実施形態)におけるコイル状ばね部材60とほぼ同等に形成されている。ここで、図27は溶接ワイヤが挿通された状態を示す。
【0128】
更に、このコイル状ばね部材65の先端部には、四本の円柱状部材62を所定箇所で束ねるための係止用リング部65Cがリング状に形成されている。そして、これに対応して、前述した四本の各円柱状部材62の先端部には、コイル状ばね部材65の係止用リング部65Cに係合する環状溝62aが形成されている。ここで、符号65Aはコイルばね固定部を示し、符号65Bは巻付保持部を示す。これにより、コイル状ばね部材65は、コイルばね固定部65Aを突出部68の周囲に係合させた状態で、前述した巻付保持部65Bと係止用リング部65Cとによって円柱状部材62を保持し得るようになっている。
その他の構成は前述した第8の実施形態(図23〜図24)の場合と同一となっている。
【0129】
このようにしても前述した第8の実施形態(図23乃至図24)の場合とほぼ同一の作用効果を得るほか、特に四個のガイド路68Aによって四本の各円柱状部材62の移動方向が制限されて溶接ワイヤ3が挿通されても各円柱状部材62は常に等間隔を維持することができ、かかる点においてバランスのとれた安定した状態で溶接ワイヤ3の挿通を維持することが可能となっている。
ここで、上記実施形態にあっては、4本の円柱状部材62を装備した場合を例示したが、3本又は5本の円柱状部材62を装備(ガイド路68Aもこれに合わせて設定する)したものであってもよい。
【0130】
〔第10の実施形態〕
次に、第10の実施形態を図28乃至図30に基づいて説明する。
この図28乃至図30に示す第10の実施形態は、前述した第9の実施形態(図25乃至図27)の場合と同様に四本の円柱状部材72を有している。更に、前述した第9の実施形態(図25乃至図27)におけるコイル状ばね部材(弾性部材)65に代えて、弾性部材として前述した第7の実施形態の場合と同様の導電性を有する筒状板ばね部材75を装備した点に特徴を備えている。
【0131】
この第10の実施形態における筒状板ばね部材75は、所定厚さのバネ部材からなる断面円形状の筒状ばね固定部75Aと、この筒状ばね本体部75の一端部周囲の四箇所から前述した円柱状部材72に対応してその中心軸線に沿って同方向に延設され且つ内側に曲折された板状ばね片部75Bと、この各板状ばね片部75Bの先端部に前述した円柱状部材72の環状凹溝72aに合わせて設定されこれに係止される爪状部を形成した押圧部75Cとを備えた構成となっている。又、筒状ばね固定部75Aの側壁部部分には、当該筒状ばね固定部75Aの中心軸線に沿った所定幅のすり割り部75Aaが設けられている。
【0132】
更に、符号78は、前述した四本の円柱状部材72に対応して装備された四本のガイド用突出部を示す。
この四本のガイド用突出部78は、前述したチップ保持体57における先端部中央の同一円周上に、等間隔に突設されている。ここで、この各ガイド用突出部78の相互間の対向面は平行面となっている。
【0133】
符号78Aは、これら四本のガイド用突出部78によって形成された四個のガイド路を示す。この四個のガイド路78Aは、図29に示すように全体的にはほぼ十字状に連通した形態となっている。そして、実際上は、この十字状に配設された四個のガイド路78A部分に、前述した四本の各円柱状部材72が個別に配置されている。ここで、この各ガイド路78Aの幅寸法Sは、前述した各円柱状部材72の直径dよりも若干大きい(同一又はそれ以上の)大きさに設定されている。
【0134】
また、この各四本のガイド用突出部78は、その取付面(チップ保持体57における筒状ホルダ51側の端面)側の端部には、外側に向かって曲折されたガイド補強部78Cが設けられている。このガイド補強部78Cは、四本の各ガイド用突出部78の固定状態を補強する。
【0135】
前述した四本のガイド用突出部78は、弾性部材保持用突出部も兼ねており、その各外周面の曲率半径は同一の柱状円周面を構成し,且つ同一の円周面上に配置されている。そして、このガイド用突出部78の外周囲に、前述した筒状板ばね部材75が装備されるようになっている。
その他の構成は、前述した第9の実施形態(図25乃至図27)の場合とほぼ同一となっている。
【0136】
このようにしても、前述した第9の実施形態(図25乃至図27)とほぼ同様の作用効果を得ることができるほか、弾性部材として筒状板ばね部材75を装備したので、耐久性増大を図り得るという利点がある。
【0137】
以上詳細説明したように本発明の各実施形態では、第1の実施態様から第6の実施形態は、柱状部材と柱状部材を束ねる弾性部材とを筒状ホルダー内に配設すると共に筒状ホルダーと弾性部材を介し柱状部材に通電し、この柱状部材から溶接ワイヤに通電するものである。又、弾性部材については、第1,第2の各実施形態では環状のスプリングを用い、第3,第4の各実施形態では各柱状部材毎に設けた線状または板状のばね部材を用いた。更に、第5,第6の実施形態では弾性部材による弾性力の作用形態の異なる例を示した。
【0138】
第7乃至第10の各実施形態では、筒状ホルダを介さずにチップ保持体に取り付けた弾性部材を介して柱状部材に通電し、この柱状部材から溶接ワイヤに通電するものである。
又、第7乃至第10の各実施形態では、筒状板ばね部材を利用し、第8,第9の各実施形態ではコイル状ばね部材を利用した。
更に、上記各実施形態で用いられる筒状ホルダは、第1乃至第6の各実施形態では導電性のある材料である必要性があるが、第7乃至第10の各実施形態では導電性は必要ない。
【0139】
また、上記各実施形態において、筒状ホルダは底部のあるものを用いたが、溶接ワイヤと柱状部材間の摩擦力によって弾性部材や柱状部材の溶接ワイヤ送給方向への移動が防止されていれば、筒状ホルダの底部は不要となる。また、第7乃至第10の各実施形態では、筒状ホルダ自体を省略することが可能である。
だだし、筒状ホルダ並びにその底部は、溶接時発生するスパッタリングによる柱状部材への付着物の付着防止には有効に効力を発揮する。また、弾性部材の材質は、ばね性及び導電性に優れたりん青銅、ベリリウム銅等が好ましい。
【0140】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成され機能するので、これによると、溶接用ワイヤの挿通孔を少なくとも三本の円柱状部材又は多角形部材の組み合わせによって形成すると共に,これら各円柱状部材又は多角形部材をばね部材によってワイヤ挿通孔側に常時押圧するようにしたので、溶接用ワイヤが円柱状部材又は多角形部材から離間することがなくなり、かかる点において溶接ワイヤの振れに起因したビード蛇行を確実に抑制することができ、従って、溶接ワイヤによる溶接箇所の狙い位置の位置ずれを小さくすることができるばかりでなく、同時に、長時間安定した導通(給電)状態を得ることができる。
更に、本発明を実施することにより、高速度の溶接において極く短い瞬間的な給電の途切れが生じても、給電の途切れの確率が極めて小さくなるため溶接不良が生じず、従って従来不可能であった高速での溶接が可能となる、という従来にない優れた溶接用給電チップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す横断面図である。
【図2】図1のA−A線に沿った(縮小した状態の)縦断面図である。
【図3】図1に装備された円柱状部材の例を示す図で、図3(A)は正面図、図3(B)は図3(A)の変形例である。
【図4】図1における第1の実施形態の稼働状態を示す説明図である。
【図5】図1における筒状ホルダの変形例を示す説明図である。
【図6】本発明の第2の実施形態を示す概略断面図である。
【図7】図6の変形例を示す説明図である。
【図8】本発明の第3の実施形態を示す図で、図8(A)はその横断面図、図8(B)は図8(A)内における矢印A部分の構成を示す説明図である。
【図9】図8の稼働状態を示す説明図である。
【図10】本発明の第4の実施形態を示す横断面図である。
【図11】図10の稼働状態を示す説明図である。
【図12】本発明の第5の実施形態を示す横断面図である。
【図13】図12内における矢印A−A部分の構成を示す説明図である。
【図14】本発明の第6の実施形態を示す一部省略した平面図である。
【図15】図14のE−E線に沿った縦断面図である。
【図16】図14内に開示したT字状ばね板部材と円柱状部材との位置関係を示す一部切り欠いた斜視図である。
【図17】図15のF−F線に沿った横断面図である。
【図18】図17における第6の実施形態の稼働状態を示す説明図である。
【図19】本発明の第7の実施形態を示す一部省略した斜視図である。
【図20】図19におけるK−K線に沿った断面図である。
【図21】図19内に開示した筒状板ばね部材を示す図で、図21(A)は底面図、図21(B)は正面図である。
【図22】図19における筒状板ばね部材と円柱状部材との係合関係を示す図で、図22(A)は溶接ワイヤが無い場合の状態を示す説明図、図22(B)は溶接ワイヤが挿通された場合の状態を示す説明図である。
【図23】本発明の第8の実施形態を示す一部省略した斜視図である。
【図24】図23に開示した第8の実施形態を示す縦断面図である。
【図25】本発明の第9の実施形態を示す一部省略した分解斜視図である。
【図26】図25に開示した第9の実施形態における円柱状部材とガイド路との位置関係を示す説明図である。
【図27】図25に開示した第9の実施形態において溶接ワイヤが挿通された場合の状態(円柱状部材とガイド路との位置関係)を示す説明図である。
【図28】本発明の第10の実施形態を示す一部省略した分解斜視図である。
【図29】図28に開示した第10の実施形態における円柱状部材とガイド路との位置関係を示す説明図である。
【図30】図28に開示した第10の実施形態において溶接ワイヤが挿通された場合の状態(円柱状部材とガイド路との位置関係)を示す説明図である。
【図31】従来例(1)を示す図で、図31(A)はその縦断面図、図31(B)はその底面図である。
【図32】従来例(2)を示す縦断面図である。
【図33】従来例(3)を示す図で、図33(A)はその縦断面図、図33(B)はその底面図である。
【図34】図33に示す従来例(3)に溶接ワイヤを挿通した場合の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1,11,21,31,41,51 筒状ホルダ
1A.11A,21A,31A,41A,51a 内壁
2,42,52,62,72 柱状部材としての円柱状部材
2a,2b 環状凹溝
3 溶接ワイヤ
5 弾性部材としての環状スプリング
5A 半円弧状当接部
5B 突設部
11C V溝
12 柱状部材としての三角柱部材
15,35 弾性部材としての線状ばね部材
16 ばね部材係止機構
16A,36A ばね係止用凹溝
16B,36B ばね用挟持部材
22 柱状部材としての四角柱部材
36 ばね部材保持機構
45 T字状ばね部材
45B 突出端部
55,75 筒状板ばね部材
55A,75A 筒状ばね固定部
55B,75B 板状ばね片部
55C 半円筒状ばね部
57 チップ保持体
60,65 コイル状ばね部材
60A,65A コイルばね固定部
60B,65B 巻付保持部
65C 係止用リング部
68,78 ガイド用突出部
68A,78A ガイド路
75Aa すり割り部
75C 押圧部

Claims (25)

  1. 少なくとも三本の柱状部材を弾性部材にて束ねると共に、この各柱状部材により囲まれた空間領域を溶接ワイヤ挿通孔とし、
    この柱状部材の内、少なくとも一つの柱状部材は、前記弾性部材に付勢されて前記溶接ワイヤ挿通孔側に向けて常時押圧されと共に,当該溶接ワイヤ挿通孔が広がる方向に移動可能な構造とし、
    前記柱状部材を介して、前記溶接ワイヤ挿通孔に挿通される溶接ワイヤに給電する構造としたことを特徴とする溶接用給電チップ。
  2. 導電性部材からなる筒状ホルダと、この筒状ホルダ内に配設された導電性部材からなる少なくとも三本の柱状部材とを備え、この各柱状部材により囲まれた空間領域を溶接ワイヤ用のワイヤ挿通孔とし、
    前記各柱状部材を前記筒状ホルダの中心部側に押圧する導電性を備えた弾性部材を、前記柱状部材と筒状ホルダの内壁との間に装備したことを特徴とする溶接用給電チップ。
  3. 前記複数の柱状部材を円柱状部材で形成すると共に、前記弾性部材を、前記複数の円柱状部材全体を取り巻いて装備された環状スプリングによって構成し、
    この環状スプリングの前記各円柱状部材相互間に位置する部分に、前記筒状ホルダの内壁に向かうと共にその先端部が当該内壁に常時当接する突設部を設けたことを特徴とする請求項2記載の溶接用給電チップ。
  4. 前記環状スプリングを、断面円形状の線材をもって形成したことを特徴とする請求項3記載の溶接用給電チップ。
  5. 前記環状スプリングを、所定幅の板材をもって形成したことを特徴とする請求項3記載の溶接用給電チップ。
  6. 前記各円柱状部材の前記環状スプリングが当接する箇所に、当該環状スプリングに係合する環状凹溝を設けたことを特徴とする請求項3,4又は5記載の溶接用給電チップ。
  7. 前記環状スプリングが当接する箇所の前記筒状ホルダの内壁面に、当該環状スプリングに係合する環状凹溝を設けたことを特徴とする請求項3,4,5又は6記載の溶接用給電チップ。
  8. 前記各柱状部材は、その横断面が多角形状に形成されていることを特徴とした請求項1又は2記載の溶接用給電チップ。
  9. 前記各柱状部材を三個装備すると共に、この各柱状部材を,その横断面形状が三角形状の三角柱部材とし、
    この各三角柱部材を、その一の角部が前記筒状ホルダの内壁に予め形成されたV溝に係合した状態で装備したことを特徴とする請求項8記載の溶接用給電チップ。
  10. 前記各柱状部材を四個装備すると共に、この各柱状部材を,その横断面形状が長方形からなる四角形状の四角柱部材としたことを特徴とする請求項8記載の溶接用給電チップ。
  11. 前記弾性部材を、前記各柱状部材の複数箇所に個別に対応して配設された複数の線状ばね部材により構成すると共に、各線状ばね部材の少なくとも一端部を、前記筒状ホルダの内壁に固着装備したことを特徴とする請求項2,8,9又は10記載の溶接用給電チップ。
  12. 前記弾性部材を、前記各柱状部材の複数箇所に個別に対応して配設された所定幅の複数の板状ばね部材により構成すると共に、各板状ばね部材の一端部を、前記筒状ホルダの内壁面に固着装備したことを特徴とする請求項2,8,9又は10記載の溶接用給電チップ。
  13. 前記複数の弾性部材の各一端部を、ばね部材係止機構を介して前記筒状ホルダの内壁に固着装備したことを特徴とする請求項2,8,9又は10記載の溶接用給電チップ。
  14. 前記ばね部材係止機構を、前記筒状ホルダの内壁面に中心軸線に平行に形成され且つ深部が一方向に曲折された断面L字状のばね係止用凹溝と、このばね係止用凹溝に係合する前記弾性部材の一端部を当該ばね係止用凹溝内で挟持する所定長さのばね用挟持部材とを備えた構成としたことを特徴とする請求項13記載の溶接用給電チップ。
  15. 前記弾性部材を、三本の線状ばね部材によって構成し、
    この三本の各線状ばね部材を前記筒状ホルダの所定の同一断面内に三角形状に配置すると共に、前記筒状ホルダの内壁面に、前記三本の各線状ばね部材をその中央部を前記柱状部材に向けて凸状に湾曲させた状態で個別に両端を保持するばね部材保持機構を設けたことを特徴とする請求項2記載の溶接用給電チップ。
  16. 前記弾性部材を、所定幅の三枚の板状ばね部材によって構成し、
    この三枚の各板状ばね部材を前記筒状ホルダの所定の円形断面内に三角形状に配置すると共に、前記筒状ホルダの内壁面に、前記三枚の各板状ばね部材をその中央部の板面を前記柱状部材に向け凸状に湾曲させた状態で個別に保持するばね部材保持機構を設けたことを特徴とする請求項2記載の溶接用給電チップ。
  17. 前記ばね部材保持機構を、前記筒状ホルダの内壁面に中心軸線に沿って一様に形成されたばね係止用凹溝と、このばね係止用凹溝内に収納装備され前記弾性部材の端部を挟持する所定長さのばね用挟持部材とを備えた構成としたことを特徴とする請求項15又は16記載の溶接用給電チップ。
  18. 前記柱状部材を円柱状部材とすると共に、前記弾性部材を前記円柱状部材に対応して左右に突出した複数の突出端部を有するT字状ばね板部材により構成し、
    このT字状ばね板部材を前記筒状ホルダの内壁と前記円柱状部材との間に配置すると共に、この各T字状ばね板部材の左右突出端部を前記筒状ホルダに固定装備し、
    この各T字状ばね板部材の中央部領域を対応する前記各円柱状部材に向けて膨出したことを特徴とする請求項2記載の溶接用給電チップ。
  19. チップ保持体先端側に配設された導電性部材からなる少なくとも三本の柱状部材を備え、
    この三本の柱状部材により囲まれて成る空間領域を溶接ワイヤのワイヤ挿通孔とし、
    前記各柱状部材は前記チップ保持体の先端部に形成した弾性部材保持用突出部に装備された導電性を有する弾性部材によってワイヤ挿通孔側に向けて押圧するようにしてなること特徴とした溶接用給電チップ。
  20. 前記弾性部材は筒状ばね部材より成り、この弾性部材は、前記弾性部材保持用突出部に固定される断面三角形状の筒状ばね固定部と、この固定部の一端部周囲の柱状部材の本数に対応する箇所から前記柱状部材に対応してその中心軸線に沿って延設され且つ内側に曲折された板状ばね片部と、この各板状ばね片部の先端部に前記柱状部材に対応して形成され柱状部材を押圧する押圧部とにより構成したことを特徴とする請求項19記載の溶接用給電チップ。
  21. 前記弾性部材はコイル状ばね部材より成り、このコイル状ばね部材は、前記弾性部材保持用突出部に固定されるコイル状のコイルばね固定部と、コイルばね固定部の一端部から同軸線上に延設され前記柱状部材を一体的に約一条巻きに巻回する巻回保持部とにより構成され、この巻回保持部によって前記各柱状部材はワイヤ挿通孔側に向けて押圧されるようにしてなること特徴とした請求項19記載の溶接用給電チップ。
  22. 前記各柱状部材には環状凹溝が形成され、この環状凹溝に前記弾性部材の押圧部又は巻回保持部を係止させてなる請求項19,20又は21記載の溶接用給電チップ。
  23. 前記柱状部材を円柱状部材で構成すると共に、前記チップ保持体の先端部に複数のガイド用突出部を前記円柱状部材に対応して複数個設け、
    この各ガイド用突出部相互間に、前記各円柱状部材の移動を許容する複数のガイド路を形成すると共に、この各ガイド路の幅寸法を前記各円柱状部材の直径より大きく設定したことを特徴とする請求項19,20,21又は22記載の溶接用給電チップ。
  24. 前記各柱状部材および弾性部材は、底面に溶接ワイヤ用貫通孔を形成した有底筒状ホルダーに囲われてなることを特徴とした請求項19,20,21,22又は23記載の溶接用給電チップ。
  25. 前記弾性部材は、リン青銅又はベリリウム銅より成るバネ材を素材として形成されていることを特徴とした請求項1から24のいずれかに記載の溶接用給電チップ。
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