JP3603495B2 - 溶接用給電チップ装置及び溶接ワイヤー送出口チップ装置 - Google Patents

溶接用給電チップ装置及び溶接ワイヤー送出口チップ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶接用給電チップ装置及び溶接ワイヤー送出口チップ装置に係り、特に自動化もしくは半自動化されたアーク溶接に使用される溶接ワイヤ案内用の溶接用給電チップ装置及び溶接ワイヤー送出口チップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスシールドアーク溶接にあっては、従来より、タングステン電極を装備した非溶極式のティグ(TIG:Tungsten Inert Gas)溶接と、溶接ワイヤを溶かしながらアーク溶接する溶極式のマグ(MAG:Metal Active Gas)溶接,同じく溶極式のミグ(MIG:Metal Inert Gas)溶接が、一般に知られている。
【0003】
この内、溶極式のミグ溶接とマグ溶接は、使用するシールドガスによって区別される溶接法であり、両者間には本質的な相違はない。このため、この種の溶極式アーク溶接は、従来よりミグ・マグ溶接法と呼ばれている。
【0004】
図43にミグ・マグ溶接法の一例を示す。この図43におけるミグ・マグ溶接法では、まず、電極として機能する溶接ワイヤ101が、モータ102によって駆動される送給ローラ103によって給電チップ(溶接用給電チップ装置)104内を通して母材105に向けて連続的に送られる。そして、溶接ワイヤ101が、給電チップ104内を通過する際に溶接機106からの電流が当該溶接ワイヤ101に通電され、溶接ワイヤ101の先端部101Aと母材105との間にアークAc が発生する。ここで、符号Ga はシールド用ガスの流れを示す。
【0005】
そして、このアークAc が熱源となって溶接ワイヤ101の先端部101Aと母材105とを溶融させ、溶けたワイヤ先端が溶滴となって母材105に移行して溶融池105Aが形成される。この溶融池105Aが冷却されて溶接金属105Bとなり、継手が完成する。
更に、給電チップ104の外側周囲を取り囲んで溶接トーチ(シールドノズル部)107が装備され、ここからシールド用のガスGa が溶接箇所に向けて噴射され、これによって、アークAc と溶融池105Aとが周囲の空気に触れないように遮蔽されるようになっている。
【0006】
一方、上記従来例にあっては、給電チップ104における溶接ワイヤ101の繰り出しに際して、同時に高密度電流を効率良く溶接ワイヤ101に印加しなければならない。この場合、先端部からあまり離れた位置に溶接ワイヤ101への通電箇所を設定すると、先端部以外で溶接ワイヤ101が発熱して溶ける恐れがある。このため、かかる発熱等を回避しつつ高密度電流を効率良く且つ確実に溶接ワイヤ101に印加するため、多くの場合、溶接箇所に近い給電チップ104部分で高密度電流を溶接ワイヤ101に印加するように工夫されている。
【0007】
ここで、上記給電チップ(溶接用給電チップ装置)104部分の従来例を更に詳述する。
【0008】
〔給電チップの従来例1〕
図44(A)(B)に示す給電チップ111は、中心軸上に溶接ワイヤ挿通孔111aを備えた円筒状に形成され、図44(A)(B)に示すように上端部に取り付け用のねじ部111Aが設けられ、下端部周囲にはテーパ111Bが付された形状となっている。この場合、長さLは40〜45〔mm〕に設定され、直径Dは約10〔mm〕に設定されている。また、中央部の溶接ワイヤ挿通孔111aの直径は、挿通される溶接ワイヤ101の直径をDとすると、D+α(α=0.2〜0.4〔mm〕)となっている。
【0009】
そして、実際の使用に際しては、図45に示すように筒状保持部材112に保持されて溶接トーチ107内に装備され、又溶接ワイヤ101が溶接ワイヤ挿通孔111aに挿通され、しかる後、図44の状態に設定されるようになっている。この図45において、符号101Pは溶接ワイヤ101が湾曲され溶接ワイヤ挿通孔111a内の内壁面に当接して形成される給電ポイントを示す。これにより、母材(図示略)との間でアークAc が発生し前述したようにアーク溶接が行われる。
【0010】
一方、この図44の従来例1にあっては、後述するように給電ポイントが一定せず、このため、給電通路が断続的となるという事態が生じていた。
【0011】
〔給電チップの従来例2〕
図46にこれを示す。この図46に示す従来例(給電チップ121)は、前述した図44に於ける上記不都合を改善するためのもので、特開昭64ー18582号公報および実開昭62ー174785号公報に開示されているように、板ばね121A及びネジ121Bを用いて、溶接ワイヤ101を溶接ワイヤ挿通孔121aの内壁に押し付けるという手法を採っている。符号121bはワイヤ押圧部材を示す。
【0012】
このため、この図46における従来例にあっては、ワイヤ押圧部材121bの押圧作用によって給電ポイント101Pを確実に形成し、これによって安定した給電を継続し得るようになっている。
【0013】
〔給電チップの従来例3〕
図47(A)(B)にこれを示す。この図47(A)(B)に示す従来例(給電チップ131)は、特開平6ー304761号公報に開示されているように外観は前述した図44の場合と同一であるが、その溶接ワイヤ挿通孔131aを断面三角形状にしたり、又はその先端部に図47(B)に示すような断面三角形状の溶接ワイヤ挿通孔132aを有する先端部材132を装備した点に特徴を備えている。その他の構成は前述した図44の場合と同一となっている。
【0014】
また、先端部材132の溶接ワイヤ挿通孔132aの断面形状としては、特開平6ー304761号公報では、更に上記図47(A)(B)における先端部材132の変形例として、図48(A)〜(D)に示す先端部材132A,132B,132C,132Dを提案している。この先端部材132A〜132Dは、それぞれ断面が多角形もしくは楕円形等の溶接ワイヤ挿通孔132Aa,132Ba,132Ca,132Daを備えている。そして、各溶接ワイヤ挿通孔132Aa,132Ba,132Ca,132Daの大きさは、内接円を想定した場合に当該内接円の直径を溶接ワイヤ101の直径寸法に対して0.05〜0.20〔mm〕だけ加算した大きさに設定されている。
【0015】
このため、この従来例3(図47〜図48)では、溶接ワイヤ101のガタ(中心線からのずれ)を小さくすると共に、断面空間を大きく設定し得るので、切り粉や切り屑等の異物に対しては断面内のコーナ部分を利用してこれらを有効に落下排出させることができ、また、溶接ワイヤ101を溶接ワイヤ挿通孔132a(又は132Aa〜132Da)内の内壁面で二箇所以上で接触させることができ(クサビ状に溝領域に入り込むため)、このため給電性が向上するという利点がある。
【0016】
〔給電チップの従来例4〕
図49〜51にこれを示す。この図49〜図51に示す従来例(給電チップ141)では、特開昭63ー90368号公報に開示されているように、外観は前述した図44の場合と同一で、その溶接ワイヤ挿通孔141aの周囲四箇所に当該溶接ワイヤ挿通孔141aに連なるシールドガス用のガス供給溝141bが設けられ、この溶接ワイヤ挿通孔141aおよびガス供給溝141b内にシールド用のガスを流通させるようにした点に特徴を備えている。
【0017】
更に、この図49〜図51に示す従来例では、コイルばね141Aおよび押圧ピン141Bによって溶接ワイヤ101を溶接ワイヤ挿通孔141a内の側壁に押しやって当該溶接ワイヤ101を偏心させ、これによって、給電チップ141と溶接ワイヤ101との当接状態を確実に設定しようとするものである。
このため、この図49〜図51における従来例にあっては、溶接トーチ(シールドノズル部)が全体的に小型化可能となり、また、シールド効果を高めることができるという特徴を備えている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した各従来例1〜4にあっては、以下に示す不都合が生じていた。
【0019】
即ち、図44〜図45に示す従来例1にあっては、給電チップ111の溶接ワイヤ挿通孔111aが、溶接ワイヤ101の直径より0.2〜0.4〔mm〕程度大きく設定されていることから、連続溶接によってワイヤ先端にズレ(中心位置から偏心)を生じ,同時に送給時の振動によって溶接箇所からはずれ易く、このため、ビードが蛇行するという不都合があった。
【0020】
更に、例えば真っ直ぐの溶接ワイヤ101を使用すると、溶接ワイヤ挿通孔111aが大きいため給電ポイントが得にくくなり、通電が安定せず、このため不安定なアークを生じ、溶接欠陥(品質不良)を起こし易い。
【0021】
また、図46に示す従来例2にあっては、図44における不都合が改善されアーク溶接を安定した状態で行う事が可能であるが、一方では、加工費が高騰し、更に、溶接ワイヤ101に付された押し出し力に抗して板ばね121Aにより押圧するため、経時的に、ワイヤ押圧部材121bによる噛み込みが発生し、溶接ワイヤ101を円滑に押し出すことができないという不都合が生じていた。
【0022】
更に又、ワイヤ押圧部材121bによる噛み込みによって切り粉や切り屑等の異物が発生してそれが又噛み込みとなり、それらが溶接ワイヤ挿通孔121a内に連続的に蓄積して溶接ワイヤ101の押し出し動作がかかる点においても阻害され、同時に摩擦の増加等も重なって溶接ワイヤ101が溶接ワイヤ挿通孔121aの内壁に溶着し易い。このため、溶接ワイヤ101の送出の円滑化が阻害され、時には溶接ワイヤ101の送給が不足して溶接箇所の品質低下をきたすという不都合が生じていた。
【0023】
図47〜図48に示す従来例3にあっては、給電チップ131を形成する銅もしくは銅合金から成る棒状部材131の中心軸部分又は先端部材132に、断面三角形状もしくは四角形状等の溶接ワイヤ挿通孔131a,132a,132Aa〜132Daを形成する構成であることから、当該給電チップ131の生産コストが著しく増大するという不都合が常に存在していた。
【0024】
即ち、図44に示すように通常の丸穴の溶接ワイヤ挿通孔111aを備えた給電チップにあっては、ドリル加工ができるが、図47〜図48に示す断面形状の溶接ワイヤ挿通孔131a,132a,132Aa〜132Daにあっては、放電加工,超音波加工,ワイヤカット,スエージング等の加工となるため、多くの設備投資を必要とし、加工時間も長くなり、更に放電加工および超音波加工では電極等が必要となり、ワイヤカット,スエージング等の加工では消耗品が高価であり、従ってランニングコストも多大となり、生産性が悪く、単価も例えば丸穴の場合の10倍程度となるという不都合が生じていた。
【0025】
更に又、図49〜図51に示す従来例4にあっては、前述した従来例2(図46)の場合と同様に、溶接ワイヤ101を溶接ワイヤ挿通孔141a内の凸側壁に押しやって強制的に偏心させるようにしたことから、従来例2の場合と同様に切り粉や切り屑等が発生して噛み込みから詰まりを生じ易く加工コストが高騰し,且つ生産性が悪い等の不都合が常に存在していた。
【0026】
【発明の目的】
本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、とくに生産性が良好で、溶接ワイヤに対する通電動作を確実に成し得ると共に挿通動作の円滑化を図り、これによってアーク溶接の性能向上を図った溶接用給電チップ装置を提供することを、その目的とする。
更に、本発明では、ティグ溶接における溶接ワイヤ送出口として有効に機能すると共に、操業時のワイヤの振れによるビード蛇行が少なく且つ溶接ワイヤの円滑な送出を可能とした溶接ワイヤー送出口チップ装置を提供することを、その目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、溶接ワイヤの挿通孔を少なくとも三本の柱状部材によって構成すると共に、この各柱状部材を一体的に保持する柱状部材保持手段を設ける。そして、この柱状部材保持手段により隣り合って保持された柱状部材の内の少なくとも一方は導電性部材で形成する、という構成を採っている。
【0028】
このため、当該請求項1記載の発明では、まず、三本の円柱状部材1に囲まれて形成される挿通孔2に溶接ワイヤ101を挿通し、その端部を挿通孔2の先端部からアーク溶接に適した所定長さに突出させ、しかるのち所定の溶接動作に移行する。
【0029】
この場合、溶接ワイヤ101は、アーク溶接の進行とともに溶融消費されるため、その所定量が順次繰り出される。同時に溶接ワイヤ101は先端部がアークの発生位置の変化に応じて偏心するが、この場合、溶接ワイヤ101は挿通孔2の有する三箇所の何れかの楔状の空間領域に挟み込まれる。このため、溶接ワイヤ101は確実に少なくとも二本の円柱状部材1に当接し通電状態が維持され、その送り出しも円滑に行われる。
【0030】
更に、継続使用の結果、溶接ワイヤ101と円柱状部材1との接触によって切り粉等が発生しても、挿通孔2の断面形状が三角形状であり三箇所のコーナ部から当該切り粉等が自然落下し、このため、切り粉や切り屑によって挿通孔2が塞がることがなく、かかる点においても溶接ワイヤ101の挿通動作を更に円滑に成し得るという利点を備えている。
【0031】
請求項2記載の発明では、前述した各柱状部材を、相互に隣合わせに当接して配置する、という構成を採っている。
このため、この請求項2記載の発明では、前述した請求項1記載の発明と同等に機能するほか、柱状部材を容易に保持することができる。
【0032】
請求項3記載の発明では、前述した各柱状部材を、円柱状部材とする、という構成を採っている。
このため、この請求項3記載の発明では、前述した請求項1記載の発明と同等の機能を有するほか、装置全体を安価に得ることができるという利点がある。
【0033】
請求項4記載の発明では、前述した各円柱状部材を、同一直径の円柱棒とする、という構成を採っている。
このため、この請求項4記載の発明では、前述した請求項1記載の発明と同等の機能を備え且つほぼ同等の作用効果を得ることができる。
【0034】
請求項5記載の発明では、前述した各円柱状部材を、異なった大きさの直径から成る円柱状部材とする、という構成を採っている。
このため、この請求項5記載の発明では、前述した請求項4記載の発明と同等の機能を有するほか、各円柱状部材の直径を比較的小さくすることができるほか、給電チップ全体の外径寸法の設定を需要に応じて自由に決定することが可能となる。
【0035】
請求項6記載の発明では、前述した各柱状部材を、少なくとも三本の多角柱の組み合わせにより構成する、という手法を採っている。
このため、この請求項6記載の発明でも、前述した請求項1記載の発明とほぼ同等の機能を備えている。
【0036】
請求項7記載の発明では、前述した各柱状部材を、三本の三角柱部材とする、という構成を採っている。
このため、この請求項7記載の発明では、溶接ワイヤ側の空間を面で取り囲むことが可能となり、これによって形成される挿通孔の内接円の直径を比較的大きく設定することができる。
【0037】
請求項8記載の発明では、前述した各柱状部材を、四本の四角柱部材とする、という構成を採っている。
このため、この請求項8記載の発明では、装置全体を細型に設定することが可能となり、可搬性を良好なものとすることができる。
【0038】
請求項9記載の発明では、前述した請求項1,2,3,4,5,6,7又は8記載の各発明において、各柱状部材に囲まれて形成される溶接ワイヤ用の挿通孔を、当該挿通孔に内接する円筒を想定した場合の当該内接円筒の外径をD,溶接ワイヤの直径をDとして、「D<D<D+0.2〔mm〕」の関係を維持し得る大きさを有する、という構成を採っている。
【0039】
このため、この請求項9記載の発明では、前述した請求項1,2,3,4,5,6,7又は8記載の各発明とそれぞれ同等に機能するほか、溶接作業時に発生する溶接ワイヤの振れおよび当該溶接ワイヤへの給電回路の接触不良等の不都合を少なくすることができる。また、真っ直ぐに形成された溶接ワイヤが送り込まれても、上述した「D<D<D+0.2〔mm〕」の関係によって最小ギャップが小さく設定され、このため溶接ワイヤと給電チップとの間の給電不良の発生を極めて少なくすることが可能となる。
【0040】
請求項10記載の発明では、前述した各柱状部材を、銅若しくは銅合金により形成する、という構成を採っている。
このため、この請求項10記載の発明では、電気抵抗が小さく従って発熱を有効に抑制することができ、同時に溶接ワイヤと有効に導通することができる。
【0041】
請求項11記載の発明では、前述した溶接ワイヤの挿通孔を構成する複数の柱状部材の内の一又は二以上の柱状部材をセラミック等の耐磨耗良好な素材によって形成すると共に、当該セラミック等の素材同志が相互に隣合うことなく組み込む、という構成を採っている。
このため、この請求項11記載の発明では、前述した請求項1記載の発明と同等の機能を有するほか、特に耐久性向上を期待することができる。
【0042】
請求項12記載の発明では、溶接ワイヤの挿通孔を少なくとも三本の柱状部材によって構成すると共に、この各柱状部材を一体的に保持する柱状部材保持手段を設ける。又、この柱状部材保持手段により隣り合って保持された柱状部材の内の少なくとも一方は導電性部材で形成する。そして、柱状部材保持手段を、底部に溶接ワイヤの挿通穴を有する底面部を備えた筒状ケース体と、この筒状ケース体の前記溶接ワイヤ挿入側に装備された環状蓋体とにより構成する、という手法を採っている。
【0043】
このため、この請求項12記載の記載の発明では、前述した前述した請求項1記載の発明と同等の機能を有し、更に装置本体に対する各柱状部材全体の固定装備が容易となる。
【0044】
請求項13記載の発明では、前述した請求項12記載の発明において、柱状部材保持手段の一部又は全部を、銅若しくは銅合金によって形成する、という構成を採っている。
このため、この請求項13記載の記載の発明では、前述した前述した請求項12記載の発明と同等の機能を有し、更に各柱状部材に対する電源の導通が容易となる。
【0045】
請求項14記載の発明では、前述した請求項12記載の発明において、筒状ケース体の底面部を、セラミック等の耐磨耗良好な素材によって形成する、という構成を採っている。
このため、この請求項14記載の記載の発明では、前述した請求項12記載の発明と同等に機能するほか、溶接作業時におけるスパッタの付着を防止し筒状ケース体の耐久性増大を図り得る。
【0046】
請求項15記載の発明では、前述した請求項12記載の発明において、筒状ケース体をセラミック等の耐磨耗良好な素材によって形成すると共に、環状蓋体を導電性部材により形成する、という構成を採っている。
このため、この請求項15記載の記載の発明でも、前述した請求項14記載の発明と同等の機能を備えている。
【0047】
請求項16記載の発明では、請求項12,13又は15記載の発明において、前述した各柱状部材を円柱状部材とすると共に、該各柱状部材の前述した溶接ワイヤ挿入側の環状蓋体に当接する領域の端部周囲に、円錐体状又は角錐体状に切除されて成るテーパ部を設ける、という構成を採っている。
【0048】
このため、この請求項16記載の記載の発明では、前述した請求項12,13又は15記載の発明の場合と同等に機能するほか、とくにテーパ部の作用によって溶接ワイヤが円滑に挿通され、これによって切り粉等の発生が少なくなる。また、環状蓋体に対する当接力が強化され,従って当該環状蓋体部分からの給電を確実に行うことができる。
【0049】
請求項17記載の発明では、前述した請求項16記載の発明において、前述した各柱状部材のテーパ部相互間に、前記柱状部材の直径と同一の直径又は当該柱状部材の直径より小さい直径から成る球部材を装備し、筒状ケース体にこれら柱状部材及び球部材を内接装備する、という構成を採っている。
このため、この請求項17記載の発明では、前述した請求項16記載の発明と同等に機能するほか、とくに球部材の押圧作用によって環状蓋体からの導通を更により確実に行うことができる。
【0050】
請求項18記載の発明では、溶接ワイヤの挿通孔を少なくとも三本の柱状部材によって構成すると共に、この各柱状部材を一体的に保持する柱状部材保持手段を設ける。この柱状部材保持手段により隣り合って保持された柱状部材の内の少なくとも一方は導電性部材で形成する。そして、柱状部材保持手段を、その中心部に溶接ワイヤ挿通穴を備え且つ各柱状部材を同時に一体的に保持するチャッキング機構により構成する、という手法を採っている。
【0051】
このため、この請求項18記載の発明では、前述した請求項12記載の発明と同等の機能を有するほか、チャッキング機構によって各柱状部材を着脱自在に挟持し一体化し得ることから、柱状部材保守点検時の柱状部材の着脱が容易となり、このため柱状部材と柱状部材収納体との導通不良を完全に排除することができる。
【0052】
請求項19記載の発明では、溶接ワイヤの挿通孔を少なくとも三本の柱状部材によって構成すると共に、この各柱状部材を一体的に保持する柱状部材保持手段を設ける。又、この柱状部材保持手段により隣り合って保持された柱状部材の内の少なくとも一方は導電性部材で形成する。そして、柱状部材保持手段を、筒状ケース体と、この筒状ケース体の両端部に設けられ前述した柱状部材の端面に当接装備された一方と他方の環状蓋体とにより構成する。
更に、各柱状部材の少なくとも一方の端部にナイフエッジ部を設けると共に、このナイフエッジ部を係合する係止用切除部を、前記一方の環状蓋体の外周端に等間隔に設ける、という構成を採っている。
【0053】
このため、この請求項19記載の発明では、前述した請求項12記載の発明と同等に機能するほか、各柱状部材を筒状ケース体に確実に当接させることができ、かかる点において、筒状ケース体と各柱状部材との導通不良を完全に排除することができる。
【0054】
請求項20記載の発明では、溶接ワイヤの挿通孔を少なくとも三本の柱状部材によって構成すると共に、この各柱状部材を一体的に保持する柱状部材保持手段を設ける。又、この柱状部材保持手段により隣り合って保持された柱状部材の内の少なくとも一方は導電性部材で形成する。そして、柱状部材保持手段を、筒状ケース体と、この筒状ケース体の両端部に設けられ前述した柱状部材の端面に当接装備された一方と他方の環状蓋体とにより構成する。更に、各柱状部材の両端部周囲を切除して円錐体状又は角錐体状のテーパ部を設け、この各柱状部材を相互に当接することなく同一円周上に所定間隔を隔てて配置すると共に、この各柱状部材の両端部に対応して前記一方と他方の環状蓋体に端部係合部を設ける、という構成を採っている。
【0055】
このため、この請求項20記載の発明では、前述した請求項12記載の発明と同等に機能するほか、各柱状部材の相互間に所定の隙間を設定し得るので結果的に溶接ワイヤの挿通孔を大きくすることができる。換言すると、同一の溶接ワイヤを使用した場合には筒状ケース体を細くすることができ、これにより可搬性向上を図ることができる。
【0056】
請求項21記載の発明では、溶接ワイヤの挿通孔を少なくとも三本の柱状部材によって構成すると共に、この各柱状部材を一体的に保持する柱状部材保持手段を設ける。又、柱状部材保持手段を、円筒状の筒状ケース体と、この筒状ケース体の両端部に設けられ前記柱状部材の端面に当接装備された一方と他方の環状蓋体とにより構成する。更に、各柱状部材の両端部の一部を切除して角錐体状のテーパ部を設け、この各柱状部材を相互に当接することなく筒状ケース体に内接させて同一円周上に所定間隔を隔てて配置する。そして、この各柱状部材の両端部のテーパ部相互間で且つ前記筒状ケース体の内壁面との間に、柱状部材の直径と同一の直径又は当該柱状部材の直径より小さい直径から成る球部材を装備する、という構成を採っている。
【0057】
このため、この請求項21記載の発明では、前述した請求項19記載の発明と同等に機能するほか、全体的に細く形成することができ、可搬性が改善され生産性の向上を図ることができる。
【0058】
請求項22記載の発明では、溶接ワイヤー送出口チップ装置を、溶接ワイヤの挿通孔を少なくとも三本の柱状部材によって構成すると共に、この各柱状部材を一体的に保持する柱状部材保持手段を設けることにより構成する、という手法を採っている。
【0059】
このため、この請求項22記載の発明では、溶接ワイヤーに振れ動作が抑制されることから、例えばティグ溶接において操業時の振れによるビード蛇行が少なくなり、溶接ワイヤの詰まりがなくなり、円滑な操業が可能となり、また安価に得ることができる。
【0060】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0061】
〔第1の実施形態〕
図1に第1の実施形態を示す。この図1において、符号1は溶接用給電チップ装置の主要部を成す柱状部材としての三本の円柱状部材を示す。この三本の円柱状部材1は、銅又は銅合金等,従来より給電チップ材として用いられている素材によって形成され、相互に隣合わせに当接して配置されている。符号2はこの三本の円柱状部材1によって囲まれた溶接ワイヤ101用の挿通孔を示す。
【0062】
この挿通孔2は、該挿通孔2に内接する円筒を想定した場合の当該内接円筒の外径をD(図示せず),溶接ワイヤ101の直径をD(寸法誤差のある場合の最大径)とすると、「D<D<D+0.2〔mm〕」の関係を維持した大きさに設定されている。
【0063】
このため、溶接ワイヤ101の周囲のギャップ(特に最小ギャップ)が従来例におけるギャップ(0.2〜0.4〔mm〕)に比較して更に小さく設定されることとなり、溶接ワイヤと給電チップとの間の給電不良の発生を極めて少なくすることが可能となる。また、真っ直ぐに形成された溶接ワイヤが送り込まれても、上述した「D<D<D+0.2〔mm〕」の関係によって最小ギャップが小さく設定され、この場合も、溶接ワイヤと給電チップとの間の給電不良の発生を極めて少なくすることが可能となった。
このように、溶接ワイヤ101の周囲のギャップを小さくすることができるのは、溶接ワイヤ101と円柱状部材1の相互間に比較的大きな複数の楔状断面の空間領域が形成されるため、溶接ワイヤ101に附着して給電チップ内に侵入する切り粉等の排出通路が形成されるので、従来例における一様なギャップを大きくする必要がないためである。
【0064】
この三本の円柱状部材1によって形成される溶接ワイヤ101用の挿通孔2は、三角形状になっており周囲三箇所に楔状の空間領域を備えている。このため、溶接ワイヤ101はこの楔状の空間領域に入り易い状態,即ち三本の円柱状部材1の何れか2本に当接し易い状態となっている。
【0065】
更に、この三本の各円柱状部材1は、柱状部材保持手段4によって一体的に係合されている。この柱状部材保持手段4は、例えば、中央部に比較的大きい貫通穴を備えた底面部7を有する有底円筒状の筒状ケース体6とその蓋部材とにより構成されている(図1中の二点鎖線)が、ワイヤ等の束ね部材によって一体的に束ねるようにしたものであっても、また、ベルト状部材によって上下端部を束ねるようにしたものであってもよい。その他の構成は前述した図43に示す従来例と同一となっている。
【0066】
次に、上記第1実施形態の作用を説明する。
三本の円柱状部材1に囲まれて形成される挿通孔2に溶接ワイヤ101を挿通し、その端部を挿通孔2の先端部からアーク溶接に適した所定長さに突出させ、しかるのち所定の溶接動作に移行する。
【0067】
この場合、溶接ワイヤ101は、アーク溶接の進行とともに溶融消費されるため、その所定量が順次繰り出される。同時に溶接ワイヤ101は多くの場合、溶接ワイヤ101が直線状に形成されていないと動作時の振動やアークの発生位置の変化に応じてその先端部が偏心するが、この偏心動作によって溶接ワイヤ101はその何れかの箇所が挿通孔2の有する三箇所の楔状空間領域の何れかに挟み込まれる。このため、溶接ワイヤ101は少なくとも二本の円柱状部材1に確実に当接することとなり、溶接ワイヤ101の偏心があっても通電状態が維持される。また、溶接ワイヤ101は、三角形状の挿通孔2に内接すると想定される円よりもその直径が小さく設定されていることから、その送り出しも円滑に行われる。
【0068】
更に、継続使用の結果、溶接ワイヤ101と円柱状部材1との接触によって切り粉等が発生しても、挿通孔2の断面形状が三角形状であり三箇所のコーナ部から当該切り粉等が自然落下し、このため、切り粉や切り屑によって挿通孔2が塞がることがなく、かかる点においても溶接ワイヤ101の挿通動作を更に円滑に成し得るという利点を備えている。
また、溶接ワイヤ101と円柱状部材1とのあいだのギャップを小さくしても、当接時には両者は点接触もしくは線接触であり、接触時の摩擦抵抗は極めて小さく、同時にその空間断面内のコーナー部が例えば大きな切り粉に対してもその排出用空間を構成していることから、溶接ワイヤ101の繰り出しに支障を来すことはない。
【0069】
ここで、図1に示す第1の実施形態にあっては、柱状部材として円柱状部材1を使用した場合を例示したが、同一形状の筒状部材を使用してもよい。このようにすると、上述した性能を損なうことなく装置全体の軽量化を図り得るという利点がある。また、上記図1の実施形態にあっては、円柱状部材1を相互に当接した場合を例示したが、相互間を適当に間隙をおいて配設してもよい。更に、円柱状部材1の材質については、導電性良好で溶接ワイヤ101に対する耐磨耗性のよい素材であれば銅又は銅合金以外のものであってもよい。更に、円柱状部材1を三本使用した場合について説明したが四本以上であってもよい。
【0070】
〔第2の実施形態〕
図2に第2の実施形態を示す。この図2において、符号1Aは溶接用給電チップ装置の主要部を成す柱状部材としての円柱状部材を示す。この円柱状部材1Aは本実施形態にあっては四本装備されている。符号2Aは四本の円柱状部材1Aによって囲まれた溶接ワイヤ101用の挿通孔を示す。
この挿通孔2Aは、図2からも明らかのように、その四隅に楔状の空間領域を備えた四角形状に形成されている。その他の構成は前述した図1に示す第1の実施形態と同一となっている。
【0071】
このようにしても、前述した図1に示す第1の実施形態と同等の作用効果を有するほか、同一の溶接ワイヤ101に対して柱状部材保持手段4Aの外径寸法を大幅に小さくすることができるという利点を備えている。
【0072】
〔第3の実施形態〕
図3に第3の実施形態を示す。この図3において、符号1Bは溶接用給電チップ装置の主要部を成す柱状部材としての円柱状部材を示す。この円柱状部材1Bは本実施形態にあっては五本装備されている。また、符号2Bは五本の円柱状部材1Bによって囲まれた溶接ワイヤ101用の挿通孔を示す。
この挿通孔2Bは、図3からも明らかのように、その五隅に空間領域を備えた五角形状に形成されている。その他の構成は前述した図1に示す第1の実施形態と同一となっている。
【0073】
このようにしても、前述した図1に示す第1の実施形態と同等の作用効果を有するほか、柱状部材保持手段4Bの外径寸法を更に小さくすることができるという利点を備えている。
【0074】
〔第4の実施形態〕
図4に第4の実施形態を示す。この図4において、符号1Cは溶接用給電チップ装置の主要部を成す柱状部材としての円柱状部材を示す。この円柱状部材1Cは本実施形態にあっては六本装備されている。また、符号2Cは六本の円柱状部材1Cによって囲まれた溶接ワイヤ101用の挿通孔を示す。
この挿通孔2Cは、図4からも明らかのように、その六隅に空間領域を備えた六角形状に形成されている。その他の構成は前述した図1に示す第1の実施形態と同一となっている。
【0075】
このようにしても、前述した図1に示す第1の実施形態と同等の作用効果を有するほか、柱状部材保持手段4Cの外径寸法を更により一層小さくすることができるという利点を備えている。
【0076】
〔第5の実施形態〕
図5に第5の実施形態を示す。この図5に示す第5の実施形態は、柱状部材として六本の円柱状部材を装備している。即ち、同一円周上に配設された同一太さの三本の円柱状部材11と、この三本の円柱状部材11が位置する円周の外側に設けられた円周上にあって当該三本の円柱状部材11相互間に配置された三本の小径円柱状部材12とを備えている。符号13は、上記三本の円柱状部材11および三本の小径円柱状部材12によって形成される溶接ワイヤ101用の挿通孔を示す。
【0077】
ここで、挿通孔13の一部を成す三本の円柱状部材11相互間の離間距離aは、溶接ワイヤ101の直径より小さく設定されている。これによって、溶接ワイヤ101が二本の円柱状部材11に有効に当接すると共に当該二本の円柱状部材11相互間に挟み込まれるのを予め有効に防止している。
【0078】
符号14は柱状部材保持手段の主要部を成す有底円筒状の筒状ケース体を示す。図5では、これら三本の円柱状部材11および三本の小径円柱状部材12が筒状ケース14内に内接して収納されている場合を示す。その他の構成は前述した図1の第1の実施形態と同一となっている。
【0079】
このようにしても、前述した図1に示す第1の実施形態と同等の作用効果を有するほか、同一直径の三本の円柱状部材11のみの場合よりも挿通孔13の空間断面積を大きく設定することができ、又、大径の溶接ワイヤ用として利用することができ、更に上記各実施形態の場合と同様に、溶接ワイヤ101の挿通動作の円滑化を図ると共に切り粉や切り屑等を円滑に落下排除することができ、前述したように円柱状部材11間に挟み込まれるのを予め防止しているので、溶接ワイヤ101が偏心したまま挟持されて挿通動作が阻害されるという不都合が、予め有効に防止されている。
【0080】
〔第6の実施形態〕
図6に第6の実施形態を示す。この図6に示す第6の実施形態は、柱状部材として、断面が長方形状に形成された四本の四角形柱状部材21を装備している。この四本の四角形柱状部材21は溶接ワイヤ101を取り囲むようにして装備されている。符号22は四本の四角形柱状部材21によって形成された溶接ワイヤ101用の挿通孔を示す。
【0081】
これら四本の四角形柱状部材21は、柱状部材保持手段の主要部をなす有底円筒状の筒状ケース体23内に収納されている。この場合、各四角柱状部材21との間の隙間には断面半円弧状のスペーサ部材を介挿してもよい。また、四角形柱状部材21の断面形状は、本実施形態にあっては、縦:横の割合を「2:1」に設定したが、他の割合に設定してもよい。
【0082】
ここで、筒状ケース体23は断面四角形状にしてもよい。その他の構成は前述した図1の第1の実施形態と同一となっている。
【0083】
このようにしても、前述した図1の第1の実施形態と同等の作用効果を有するほか、全体的に細形とすることができ、可搬性を有効に改善し得るという利点がある。
【0084】
〔第7の実施形態〕
図7(A)に第7の実施形態を示す。この図7(A)において、符号26は、柱状部材として、断面が不等辺三角形状に形成された三角形柱状部材を示す。この三角形柱状部材26は溶接ワイヤ101を内側の各一辺で取り囲むようにして三本装備されている。符号27は三本の三角形柱状部材26によって形成された溶接ワイヤ101用の挿通孔を示す。また、これら三本の三角形柱状部材26は、柱状部材保持手段の主要部をなす有底円筒状の筒状ケース体28内に収納されている。この場合、筒状ケース体28の内壁と各三角柱状部材26との間の隙間には断面半円弧状のスペーサ部材を介挿してもよい。
【0085】
ここで、筒状ケース体28は、例えば図7(B)に示すように断面正三角形状の筒状ケース体28Bとしてもよい。この図7(B)において、筒状ケース体28B内には、そのコーナ部に断面正三角形状の三本の三角形柱状部材26Bが装備されている。
その他の構成は前述した図1の第1の実施形態と同一となっている。
【0086】
このようにしても、前述した図1の第1の実施形態と同等の作用効果を有するほか、全体的に細く形成することができ、部品点数が少なくなることから生産性が改善され、同時に原価低減を図ることができる。
【0087】
〔第8の実施形態〕
図8に第8の実施形態を示す。この図8において、符号31は前述した図1の場合と同様に形成された円柱状部材を示す。この円柱状部材31は4本装備されている。また、符号32は、ノーズ部32Aを備えた断面T字状のT型状柱状部材(スペーサ部材)を示す。このT型状柱状部材32は四本装備され、その各ノーズ部32Aが溶接ワイヤ101に向けて突出した状態で配置されている。そして、この各ノーズ部32Aの両側に前述した円柱状部材31が配設された状態となっている。このため、この各ノーズ部32Aと円柱状部材31とによって、溶接ワイヤ101用の挿通孔33が形成されている。
【0088】
また、これら四本の各円柱状部材31およびT型柱部材32は、柱状部材保持手段の主要部をなす有底円筒状の筒状ケース体34内に収納されている。ここで、筒状ケース34な内壁面とと各T型柱部材32との間の隙間に断面半円弧状のスペーサ部材を介挿するように構成してもよい。
ここで、筒状ケース体34は断面四角形状としてもよい。その他の構成は前述した図1の第1の実施形態と同一となっている。
【0089】
このようにしても前述した図1に示す第1の実施形態と同等の作用効果を有するほか、各ノーズ部32Aの長さと厚さとによって異なった大きさの挿通孔33を設定することができるという利点がある。
【0090】
〔第9の実施形態〕
図9に第9の実施形態を示す。この図9において、符号36は前述した図1の場合と同様に形成された円柱状部材を示す。この円柱状部材36は三本装備され、相互に所定間隔を隔てて同一円周上に配設されている。符号37は、断面が台形状に形成された台形状柱状部材を示す。この台形状柱状部材37は、前述した三本の円柱状部材36の相互間に楔状に配設されている。そして、三本の円柱状部材36と三本の台形型柱部材37とによって、溶接ワイヤ101用の挿通孔38が形成されている。符号39は各円柱状部材36を一体的に保持する柱状部材保持手段の主要部を成す筒状ケース体を示す。
【0091】
また、これら各円柱状部材36と台形型柱部材37は、柱状部材保持手段の主要部をなす有底円筒状の筒状ケース体39内に収納されている。その他の構成は前述した図1の第1実施形態と同一となっている。
【0092】
このようにしても前述した図1に示す第1の実施形態と同等の作用効果を有するほか、台形型柱部材37の断面形状及び大きさによって異なった大きさの挿通孔38を設定することができるという利点がある。
【0093】
〔第10の実施形態〕
図10に第10の実施形態を示す。この図10において、符号41は前述した図1の場合と同様に形成され導電性部材からなる一方の円柱状部材を示す。また、符号42はセラミック等の耐磨耗性良好な部材から成る他方の円柱状部材を示す。この一方と他方の各円柱状部材41,42は、それぞれ同一形状に形成され、同一円周上に一つ置きに配設され相互に当接して装備されている。
【0094】
符号43は、これら各円柱状部材41,42によって取り囲まれて形成される溶接ワイヤ101用の挿通孔を示す。そして、これら各円柱状部材41,42は、柱状部材保持手段の主要部をなす有底円筒状の筒状ケース体44内に収納されている。その他の構成は前述した図1の第1の実施形態と同一となっている。
【0095】
このようにしても、前述した図1に示す第1の実施形態と同等の作用効果を有するほか、銅又は銅合金からなる円柱状部材41の消耗および切り粉(磨耗粉)の発生を有効に抑制することができるという利点がある。
【0096】
〔第11の実施形態〕
図11乃至図12にこれを示す。この図11乃至図12において、符号51は円柱状部材を示す。この円柱状部材51は相互に当接した状態で同一円周上に四本配設されている。符号51aは、この四本の円柱状部材51によって囲まれて形成された溶接ワイヤ101用の挿通孔を示す。この四本の円柱状部材51は、柱状部材保持手段の主要部を成す有底円筒状の筒状ケース体52内に収納されている。
【0097】
この筒状ケース体52は、底面部52Aを備えた有底円筒状に形成されている。この筒状ケース体52の底面部52Aには、中央部に比較的大きいワイヤ挿通孔52Aaが形成されている。更に、この筒状ケース体52の前述した溶接ワイヤ挿入側には、中央部のワイヤ挿通穴53Aを備えた環状蓋体53が装備されている。この環状蓋体53は、内部に収納される四本の円柱状部材51を幾分押圧した状態でスナップピン54等によって装着されている。
【0098】
上記筒状ケース体52および環状蓋体53は、本実施形態にあっては銅若しくは銅合金によって形成されているが、例えば、環状蓋体53を銅若しくは銅合金によって形成し、筒状ケース体52はセラミック等の絶縁体で形成してもよい。
【0099】
又、上記各円柱状部材51は、前述した溶接ワイヤ挿入側の環状蓋体53に当接する領域の端部周囲が、円錐体状に切除されたテーパ部51Aを備えている。これによって、溶接ワイヤ101の装備に際し当該溶接ワイヤ101を初めに給電チップ内に挿入しセットする操作が容易になる。また、環状蓋体53と各円柱状部材51との接触状態を確実なものとし、環状蓋体53に付された押圧力によって両者は有効に導通し得るようになり、外部から環状蓋体53を介して各円柱状部材51に所定の電流を通電するための通電回路が確実に形成されるようになっている。その他の構成は前述した図2における第2の実施形態と同一となっている。
【0100】
このようにしても前述した図2に示す第2の実施形態と同等の作用効果を有するほか、筒状ケース体52および環状蓋体53とによって各円柱状部材51に電流回路を容易に形成することができ、更に各円柱状部材51の前述した環状蓋体53に当接する側の部分を尖った形状としたので環状蓋体53との接触状態を確実なものとし、各円柱状部材51に対して所定の電流を通電するための通電回路を確実に形成することができ、溶接電流の遮断等の不都合を有効に回避し良好なアーク溶接を行うことができる、という利点を備えた溶接用給電チップ装置を得ることができる。
【0101】
〔第12の実施形態〕
図13乃至図15にこれを示す。この図13乃至図15に示す第12の実施形態は、柱状部材保持手段の要部をなす筒状ケース体56および図13の下端部に装備される他方の環状蓋体(環状底板)57Bは、セラミック等の耐熱性の優れた絶縁体で形成されている。また、図13の上端部に装備される一方の環状蓋体57Aは、銅又は銅合金等の導電性良好な素材によって形成されている。この環状蓋体57A,57Bは、一方と他方の環状蓋体57A,57Bをスナップピン54A,54B等によって着脱自在に装着されている。
【0102】
筒状ケース体56内には、前述した図11に示す円柱状部材51と全く同一に形成された四本の円柱状部材51が収納装備され、この四本の円柱状部材51に囲まれて溶接ワイヤ101用の挿通孔51aが設けられている。
【0103】
この環状蓋体57A,57Bの中央部には、上述した溶接ワイヤ101用の挿通孔51aよりも幾分大きい断面積を有する溶接ワイヤ挿通用の貫通穴57Aa,57Baが設けられている。
そして、溶接電流は、まず一方の環状蓋体57Aに通電され、続いて当該環状蓋体57Aから四本の円柱状部材51を介して溶接ワイヤ101に給電されるようになっている。その他の構成は、前述した第11実施形態(図11)と同一となっている。
【0104】
このようにしても、前述した第11実施形態(図11)と同一の作用効果を有するほか、溶接領域で生じるスパッタ状態での金属粒子の付着が防止され筒状ケース56および他方の環状蓋体(環状底板)57Bの耐熱性が強化され、これによって装置全体の耐久性強化を図り得るという利点がある。
【0105】
〔第13の実施形態〕
図16乃至図18にこれを示す。この図16乃至図18に示す第13の実施形態は、前述した図11(第11の実施形態)の場合と同一に形成され,一端部にテーパ部51Aを備えた四本の円柱状部材51を有し、更に、この四本の円柱状部材51を収納する柱状部材保持手段について上記各実施形態とは異なった手法を採用した点に特徴を備えている。
【0106】
即ち、この図16乃至図18において、柱状部材保持手段は、所謂ドリルチャッキング装置におけるドリル保持部の機構を応用したもので、溶接ワイヤ送り出し側が筒状に形成された筒状部61Aと該筒状部61Aの溶接ワイヤ挿入側を形成する柱状部61Bとを有する柱状部材収納体61と、この柱状部材収納体61の前述した筒状部61Aの外周に螺合する締め付けナット部材62とを備えて構成されている。ここで、柱状部材収納体61は、銅又は銅合金より成る導電性部材で形成されている。
【0107】
この柱状部材収納体61には、図16〜図17における上端部周囲に取り付け用ねじ部61Cが設けられている。また、柱状部材収納体61の柱状部61Bには、そのその中心軸上に筒状部61Aに通ずる溶接ワイヤ挿入孔61Dが設けられている。ここで、符号61aは、四本の柱状部材51の中心軸部分に形成される溶接ワイヤ用のワイヤ挿通孔を示す。
【0108】
また、筒状部61Aの内部には、前述した四本の円柱状部材51の上端部分が収納されるようになっており、その深さは円柱状部材51の長さの1/2程度に設定されている。そして、柱状部材収納体61の前述した筒状部61Aの外周側には、その開口部から中心軸に沿って周囲4箇所に割り溝(スリット加工溝)61bが等間隔に形成されている。
【0109】
更に、締め付けナット部材62の図16〜図17における下端部には、締めつけ用の鍔部62Aが設けられ、前述した割り溝61bは筒状部のねじ部中央まで形成されている。このため、柱状部材収納体61の開口部から前述した四本の円柱状部材51が突出した状態で、締め付けナット部材62を柱状部材収納体61に確実に装着し得るようになっている。
即ち、四本の円柱状部材51は、ボール盤等の工作機械における所謂ドリルチャッキング装置における工具のチャックと同様の手法にて着脱自在に且つ堅牢に保持される。
【0110】
また、四本の各円柱状部材51の上端部に形成されたテーパ部は、前述した図11の実施形態の場合と同様に、溶接ワイヤ101の挿通を容易にするためのものである。その他の構成は前述した図11に開示した第11の実施形態と同ーとなっている。
【0111】
このようにしても前述した図11に開示した第11実施形態と同等の作用効果を有するほか、締め付けナット部材62の作用によって円柱状部材51の着脱および当該円柱状部材51への通電を確実に成し得るという利点がある。
【0112】
また、この第11実施形態において、溶接ワイヤ101を1.2〔mm〕のもの(JIS,A5356WY規格)を使用し、円柱状部材51としては直径3〔mm〕のものを使用し、ワイヤ挿通孔61aの直径を溶接ワイヤ101の直径より0.04〔mm〕大きい程度に設定した場合について、実際に連続作動を試みた。その結果、溶接ワイヤ101の「振れ」や溶接作業中の「位置ずれ」は認められなかった。また、給電も途切れることなく良好に行われ、連続溶接時におけるワイヤの座屈も認められなかった。更に、溶接後、ワイヤ挿通孔61aの内部に切り粉や切り屑等の異物が溜まることがなく、安定した状態で溶接作業を実行することができた。
【0113】
〔第14の実施形態〕
図19乃至図21にこれを示す。この図19乃至図21に示す第14の実施形態においては、前述した図11における第11実施形態のものと同ーに形成された四本の円柱状部材51(図21参照)と、この四本の円柱状部材51を収納した円筒状の筒状ケース体66とを備えている。図19はこの筒状ケース体66の正面図を示す。各円柱状部材51は、筒状ケース体66の内壁に接すると共に隣り合う円柱状部材同志も接触した状態に設定されている。
また、筒状ケース体66はクロム銅により形成されている。図20(B)において、符号66Aは底面部を示す。この底面部66Aの中央部には溶接ワイヤ101を挿通させるためのワイヤ挿通穴66Aaが形成されている。
【0114】
更に、この筒状ケース体66の前述した溶接ワイヤ挿入側には、図21(A)に示すように、中央部にワイヤ挿通穴67aを備えた環状蓋体67が装備されている。この環状蓋体67は、図21(A)に示すように内部に収納される四本の円柱状部材51を幾分押圧した状態で収納したもので、所定厚さの固定子として機能し、側面の一部に中央部のワイヤ挿通孔67aに通ずるスリット溝67bを備え(図20(A)参照)スプリングバックを利用して筒状ケース体66に装着されるようになっている。
【0115】
符号66eは筒状ケース体66の上端部外周に形成された係止用の環状溝を示す。また、環状蓋体67のワイヤ挿通穴67aの上端縁はその角部が切除され、これによって溶接ワイヤ101の挿通動作が連続して円滑に成し得るようになっている。その他の構成は前述した図11における第11実施形態のものと同一となっている。
【0116】
このようにしても前述した図11における第11実施形態のものと同等の作用効果を得ることができるほか、環状蓋体67を圧入装備するようにしたので、小型化および量産化が可能となるという利点がある。
ここで、本実施形態では、筒状ケース体66の外径を10〔mm〕,内径を
7.25〔mm〕とし、円柱状部材51の直径を3〔mm〕とした。また、底面部66Aの中央部のワイヤ挿通穴66Aaは、4〔mm〕に設定した。この結果、全体的に細く形成したにもかかわらず、長時間の作動実験では前述した第13実施形態の場合と同様の結果を得ることができた。
【0117】
図22(A)(B)に、前述した図19〜21(第14実施形態)の変形例を示す。この図22に示す変形例は、円柱状部材のテーパ部に導電性部材で形成した球部材を配設した点に特徴を備えている。
即ち、前述した図19〜21に示す実施形態では、円柱状部材51を幾分押圧した状態で筒状ケース体66に収納すると共に、この円柱状部材51を環状蓋体67で固定するようになっている。これに対して、図22(A)(B)に示す変形例は、直径が円柱状部材51の直径と同一か幾分小さい大きさの球部材52を円柱状部材51のテーパ部51Aに配設し且つこの球部材52を環状蓋体67にて押圧した状態で筒状ケース体66内に装着したものである。その他の構成は、前述した図19〜21の実施例と同一となっている。
このようにしても、前述した図19〜21(第14実施形態)の場合と同一の作用効果を有するほか、円柱状部材51および筒状ケース体66に寸法のバラツキがあっても球部材52によって全体を有効に押圧することができ、筒状ケース体66と円柱状部材51との電気的導通を確保することができ、これによって溶接ワイヤ挿通口51a及び円柱状部材51に対する通電を確実に確保することができる。
【0118】
〔第15の実施形態〕
図23乃至図24にこれを示す。この図23乃至図24において、符号71は円柱状部材を示す。この円柱状部材71は相互に所定間隔を隔てて同一円周上に四本配設されている。この場合、同一円周上で隣り合う円柱状部材71相互間の間隔Sは、溶接ワイヤ101の直径より小さく設定されている。
【0119】
この円柱状部材71は、その両端部周囲が円錐体状に切除されてテーパ部71Aが形成され(両端部が細く形成され)ている。符号71aは、この四本の円柱状部材71によって囲まれて形成された溶接ワイヤ101用の挿通孔を示す。この四本の円柱状部材71は、底面部72Aを備え有底円筒状の筒状ケース体72に収納されている。
【0120】
この筒状ケース体72の底面部72Aには、中央部に比較的大きいワイヤ挿通穴72Aaが形成されている。更に、この筒状ケース体72の前述した溶接ワイヤ挿入側には、中央部のワイヤ挿通孔73Aを備えた環状蓋体73が内部に収納される四本の円柱状部材71を幾分押圧した状態でスナップピン76によって装着されている。
【0121】
上記筒状ケース体72および環状蓋体73は、本実施形態にあっては銅若しくは銅合金によって形成されている。また、筒状ケース体72の底面部72Aには、四本の円柱状部材71をそれぞれ所定位置に保持する端部係合孔72Abが同一円周上に等間隔に設けられている。
【0122】
更に、四本の円柱状部材71の溶接ワイヤ挿入側と環状蓋体73との間には、当該四本の円柱状部材71に当接し保持する導電部材から成る第2の環状蓋体74と、この第2の環状蓋体74に初期押圧力を印加するりん青銅から成るコイルばね75とが介挿されている。符号74aは第2の環状蓋体74の同一円周上に等間隔に設けられた円柱状部材71用の端部係合穴を示す。この各端部係合穴74aは、前述した円柱状部材71の挿入側(図23の下面側)が当該円柱状部材71の円錐体状の傾斜面(テーパ部71A)に合わせて幾分切除されている。
【0123】
これによって、各円柱状部材71は、その両端部が筒状ケース体72の底面部72Aおよび環状蓋体73に確実に連結され且つ所定位置に保持されてその接触状態を確実なものとし、外部から筒状ケース体72の底面部72Aを介して各円柱状部材71に所定の電流を通電するための通電回路が確実に形成されるようになっている。その他の構成は前述した図11における第11実施形態と同一となっている。
【0124】
このようにしても前述した図11に示す第11の実施形態と同等の作用効果を有するほか、四本の円柱状部材71によって囲まれて形成される溶接ワイヤ101用の挿通孔71aの空間断面積を大きく設定し得るので、相対的にこの各円柱状部材71の直径を小さくすることができ、従って装置全体の軽量化を図り得るという利点がある。
【0125】
〔第16の実施形態〕
図25乃至図30にこれを示す。この図25乃至図30に示す第16の実施形態は、三本の円柱状部材81を装備すると共に、この三本の円柱状部材81を円筒状で導電性部材から成る筒状ケース体82の内壁に押し付けて当該筒状ケース体82と電気的に導通し一体化した点に特徴を備えている。
【0126】
これを更に詳述すると、円柱状部材81は相互に所定間隔を隔てて同一円周上に三本配設されている。この各円柱状部材81の両端部には、図27(A)(B)(C)に示すように、先端部の両側面がネジ回し状に切除されたテーパ部81A,81Bが形成されている(二面切除)。そして、この円柱状部材81の両端部(面状テーパ部)の相互間には、銅又は銅合金から成る球部材83がそれぞれ個別に装備されている。この球部材83は、その直径が前述した円柱状部材81の直径と同一か若しくはそれより小さいものが使用されている。また、同一円周上で隣り合う円柱状部材81相互間の間隔は、溶接ワイヤ101の直径より小さく設定されている。
ここで、円柱状部材81の他の例を、図28(A)(B)(C)に示す。この図28(A)(B)(C)に示す円柱状部材86は、両端部側面の周囲が角錐体状に四面切除され、その各端部の端面が長方形状に形成されている。符号86A,86Bは、それぞれ大きいほうの切除面であるテーパ面を示す。また、符号86C,86Dは、それぞれ小さいほうの切除面であるテーパ面を示す。
【0127】
また、符号81aは、この三本の円柱状部材81によって囲まれて形成された溶接ワイヤ101用の挿通孔を示す。前述した筒状ケース体82は両端部にそれぞれ環状蓋体82Aおよび環状底板82Bを備えている。この環状蓋体82Aおよび環状底板82Bには、中心部にワイヤ挿通孔82Aa,82Baがそれぞれ形成され、このワイヤ挿通孔82Aa,82Baに通ずる切り溝82Ab,82Bbがその外周囲の一部に設けられている。
【0128】
そして、この三本の円柱状部材81と両端部に装備された各三個の球部材83は、環状蓋体82Aおよび環状底板82Bによって筒状ケース体82内に保持される。この場合、三本の円柱状部材81は、球部材83を介して筒状ケース体82の内壁面に押圧した状態で当該筒状ケース体82内に装備され、各三個の球部材83によってその位置が固定保持されるようになっている。その他の構成は前述した図11(第11実施形態)の場合と同一となっている。
【0129】
このようにすると、前述した図11(第11実施形態)の場合と同等の作用効果を有するほか、円柱状部材81を当接することなく装備しても球部材83の押圧作用によって各円柱状部材81が筒状ケース体82の内壁に押し付けられることとなり、これによって当該筒状ケース体82を介して円柱状部材81に所定のアーク用の溶接電流を確実に通電し得ることとなる。
ここで、上記図26に開示した第16の実施形態において、筒状ケース体82と他方の環状蓋体82Bとを、図31に示すように同一部材によって一体的に形成してもよい。
【0130】
〔第17の実施形態〕
図32乃至図36にこれを示す。この図32乃至図36に示す第17の実施形態は、前述した第16の実施形態と同様に、三本の円柱状部材91を装備すると共に、特に第17の実施形態とは異なり前述した図29における球部材83を装備することなく、前述した三本の円柱状部材91を導電性部材から成る円筒状の筒状ケース92の内壁に押し付け得るように構成し、これによって、当該筒状ケース92と電気的に導通し一体化した点に特徴を備えている。
【0131】
これを更に詳述すると、円柱状部材91は相互に所定間隔を隔てて同一円周上に三本配設されている。この場合、同一円周上で隣り合う円柱状部材91相互間の間隔は、溶接ワイヤ101の直径より小さく設定されている。
【0132】
この円柱状部材91は、その両端部が斜めに切断されてナイフエッジ部91A,91Bが形成されている。この場合、尖った方の先端部は、前述した筒状ケース92の内壁に沿った位置に配置されている。符号91aは、この三本の円柱状部材91によって囲まれて形成された溶接ワイヤ101用の挿通孔を示す。
【0133】
また、前述した筒状ケース92は、その両端部に一方と他方の環状蓋体92A,92Bを備えている。この各環状蓋体92A,92Bには、中心部にワイヤ挿通穴92Aa,92Baをそれぞれ有している。そして、一方の環状蓋体92Aには、ワイヤ挿通穴92Aaに通ずる切り溝92Abがその外周囲の一部に半径方向に沿って設けられている。また、他方の環状蓋体92Bにも同様の切り溝92Bb(図36参照)が設けられている。
【0134】
更に、上記筒状ケース92の両端部に設けられた一方と他方の環状蓋体92A,92Bの外周部には、前述したナイフエッジ部91A,91Bに係合し係止する係合部としての係止用切除部92Ac,92Bc(図33,図36参照)が設けられている。この切除部92Ac,92Bcは、本実施形態では図37に示すようにナイフエッジ部91A,91Bの傾斜角度に合わせて斜めに切除されているが、角形に打ち抜かれた切除溝としてもよい。その他の構成は前述した図25乃至図30に示す第16の実施形態の場合と同一となっている。
【0135】
このようにすると、前述した図25乃至図29(第16実施形態)の場合と同等の作用効果を有するほか、球部材83(図29参照)を装備しないことから構造が簡単化され、組み立てが容易となるという利点がある。
ここで、上述した筒状ケース92と他方の環状蓋体92Bとを、図37に示すように同一部材によって一体的に形成してもよい。この場合、他方の環状蓋体92Bの切除部92Bcは斜めに形成した切除溝ではなく、外周囲から角形に打ち抜かれた切除溝とした。
【0136】
【実施例】
ここで、前述した図1乃至図6に示す各実施形態において、複数の円柱状部材によって形成される挿通孔に内接する円筒を想定し、その想定される円筒の直径Dと円柱状部材の直径dとの関係を検討してみた。図1乃至図6に示す各実施形態に対応した検討結果を図38乃至図41に示す。
【0137】
この場合、図38では円柱状部材が三本の場合を示し、図39では円柱状部材が四本の場合を示し、図40では円柱状部材が五本の場合を示し、図41では円柱状部材が六本の場合を示す。又、これらをまとめた検討結果を図42に示す。
【0138】
これによると、図1乃至図6に示す各実施形態においては、円柱状部材の本数が多いほど当該円柱状部材の直径を小さくすることができ、その結果、溶接用給電チップ装置の全体的な直径も小さくすることができるという結果を得ることができた。
【0139】
一方、この検討結果は、円柱状部材の相互間に適当な間隔を設けることによって逆に当該円柱状部材の直径を小さくすることができ、装置全体的の直径も小さくすることも可能となることが判明した。
【0140】
尚、上記実施形態にあっては、柱状部材として円柱,三角柱,四角柱の場合について例示したが、五角柱以上の柱状部材を使用しても、また、多角柱若しくは円柱と多角柱とを組み合わせたもの、さらには、柱状部材として円筒状部材若しくは半円筒状部材を使用したものであってもよい。
【0141】
また、上記各実施形態にあっては、ミグ・マグ溶接を前提とした場合について例示したが、ティグ溶接用の溶接ワイヤ送出口チップ(ワイヤ送給部)及び加熱ワイヤ送給部にも、そのまま適用し得るものである。
【0142】
【発明の効果】
以上のように、本発明によると、溶接用ワイヤの挿通孔を少なくとも三本の円柱状部材又は多角形部材の組み合わせによって形成するようにしたので、溶接ワイヤに対する円柱状部材の直径の大きさ等を適当に設定することによって当該溶接ワイヤとこれに当接する挿通孔内壁(円柱状部材又は多角形部材)との間隔を小さく設定し得るので、溶接ワイヤの振れを有効に抑制することができ、従って溶接ワイヤによる溶接箇所の狙い位置の位置ずれを小さくすることができ、同時に溶接ワイヤの連続した挿通移動を円滑に成し得ると共に、溶極式溶接法では複数箇所での接触が可能となることから安定した導通(給電)状態を得ることができる。
【0143】
また、挿通孔の空間断面形状が、例えば四本の円柱状部材を使用した場合には四角形状という異形(円形でない)と成り、このため、円形の場合に比較して切り粉や切り屑等の異物を逃がすための連続した空間が形成され、従って切り粉や切り屑等の異物による挿通孔の目つまり及びこれに伴う溶接ワイヤの座屈等を大幅に少なくすることができ、かかる点において溶接ワイヤの挿通動作の円滑化を図ることができ、従って溶接ワイヤを連続して安定した状態で溶接箇所に送りだすことができ、このため溶接箇所におけるアークに不安定状態の発生が少なくなり、かかる点において良好なアーク溶接を継続することができる。
【0144】
更に、溶接ワイヤの挿通孔を異形の挿通孔としたにもかかわらず,これを複数の柱状部材で容易に形成し得るので、生産上の困難性を有効に改善することができるという従来にない優れた溶接用給電チップ装置及び溶接ワイヤー送出口チップ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す一部省略した横断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態を示す一部省略した横断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態を示す一部省略した横断面図である。
【図4】本発明の第4の実施形態を示す一部省略した横断面図である。
【図5】本発明の第5の実施形態を示す一部省略した横断面図である。
【図6】本発明の第6の実施形態を示す一部省略した横断面図である。
【図7】本発明の第7の実施形態を示す図で、図7(A)はその横断面図、図7(B)は図7(B)の変形例を示す横断面図である。
【図8】本発明の第8の実施形態を示す一部省略した横断面図である。
【図9】本発明の第9の実施形態を示す一部省略した横断面図である。
【図10】本発明の第10の実施形態を示す一部省略した横断面図である。
【図11】本発明の第11の実施形態を示す一部省略した縦断面図である。
【図12】図11のAーA線に沿った断面図である。
【図13】本発明の第12の実施形態を示す一部省略した縦断面図である。
【図14】図13のAーA線に沿った断面図である。
【図15】図13の一部省略した底面図である。
【図16】本発明の第13の実施形態を示す一部省略した正面図である。
【図17】図16のAーA線に沿った断面図である。
【図18】図16の底面図である。
【図19】本発明の第14の実施形態を示す一部省略した正面図である。
【図20】図19の平面および底面を示す図で、図20(A)は図19の平面図、図20(B)は図19の底面図である。
【図21】図19の縦断面および横断面を表す図で、図21(A)は図19のAーA線に沿った断面図、図21(B)は図21(A)のBーB線に沿った断面図である。
【図22】本発明の第14の実施形態の変形例を示す図で、図22(A)は縦断面図を示し、図22(B)は図22(A)のAーA線に沿った横断面図である。
【図23】本発明の第15の実施形態を示す一部省略した縦断面図である。
【図24】図23のAーA線に沿った断面図である。
【図25】本発明の第16の実施形態を示す一部省略した平面図である。
【図26】図25のAーA線に沿った断面図である。
【図27】図26内に開示した円柱状部材を示す図で、図27(A)はその正面図、図27(B)は図27(A)の右側面図、図27(C)は図27(A)の上端部を示す斜視図である。
【図28】図26内に開示した円柱状部材の他の例を示す図で、図28(A)はその正面図、図28(B)は図28(A)の右側面図、図28(C)は図28(A)の上端部を示す斜視図である。
【図29】図26のBーB線に沿った断面図である。
【図30】図26のCーC線に沿った断面図である。
【図31】図26に開示した実施形態の変形例を示す縦断面図である。
【図32】本発明の第17の実施形態を示す一部省略した平面図である。
【図33】図32のAーA線に沿った断面図である。
【図34】図33内に開示した円柱状部材を示す正面図である。
【図35】図33のBーB線に沿った断面図である。
【図36】図33のCーC線に沿った断面図である。
【図37】図33に開示した実施形態の変形例を示す縦断面図である。
【図38】図1に開示した第1の実施形態の具体的な実施例を示す図で、図38(A)は円柱状部材の大きさと挿通孔に内接すると想定される円の大きさとの関係を示す説明図、図38(B)は図38(A)の具体的寸法の例を示す図表である。
【図39】図2に開示した第2の実施形態の具体的な実施例を示す図で、図39(A)は円柱状部材の大きさと挿通孔に内接すると想定される円の大きさとの関係を示す説明図、図39(B)は図39(A)の具体的寸法の例を示す図表である。
【図40】図3に開示した第2の実施形態の具体的な実施例を示す図で、図40(A)は円柱状部材の大きさと挿通孔に内接すると想定される円の大きさとの関係を示す説明図、図40(B)は図40(A)の具体的寸法の例を示す図表である。
【図41】図4に開示した第1の実施形態の具体的な実施例を示す図で、図41(A)は円柱状部材の大きさと挿通孔に内接すると想定される円の大きさとの関係を示す説明図、図41(B)は図41(A)の具体的寸法の例を示す図表である。
【図42】図38乃至図41に開示した各実施例における円柱状部材の大きさDと挿通孔に内接すると想定される円筒領域の直径dとの関係を示す線図である。
【図43】ミグ・マグ溶接法を示す説明図である
【図44】図43内に開示された給電チップの従来例1を示す図で、図44(A)は縦断面図、図44(B)は図44(A)の平面図である。
【図45】図44における従来例1の使用状態を示す一部省略した説明図である。
【図46】図43内に開示された給電チップの従来例2を示す縦断面図である。
【図47】図43内に開示された給電チップの従来例3を示す図で、図47(A)は縦断面図、図47(B)は図47(A)のAーA線に沿った断面図である。
【図48】図47に示す従来例3の変形例を示す図で、図48(A)はワイヤ挿通孔が四角形の場合を示し、図48(B)はワイヤ挿通孔が五角形の場合を示し、図48(C)はワイヤ挿通孔が円形と十字状スリットとの組み合わせからなる形状の場合を示し、図48(D)はワイヤ挿通孔が楕円形の場合を示す説明図である。
【図49】図43内に開示された給電チップの従来例4を示す縦断面図である。
【図50】図49のAーA線に沿った断面図である。
【図51】図49のBーB線に沿った断面図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C,11,31,36,41,42,51,71,81,86,91 柱状部材としての円柱状部材
21 柱状部材としての四角形柱状部材
26,26B 柱状部材としての三角形柱状部材
32 柱状部材としてのT型状柱状部材
37 柱状部材としての台形状柱状部材
2,2A,2B,2C,13,22,27,33,38,43,51a,61a,81a,91a 挿通孔
51A,71A,81A テーパ部
4,4A,4B,4C 柱状部材保持手段
6,4A,4B,4C,14,23,28,34,39,44,52,56,66,72,82,92 筒状ケース体
52A,66A,72A,82B 底面部
53,57A,67,73,82A,82B,92A,92B 環状蓋体
57B 環状底板
57Aa,57Ba 溶接ワイヤ送出穴
61 柱状部材収納体
61B 柱状部
61b 割り溝(スリット加工溝)
61D 溶接ワイヤ挿入穴
62 締め付けナット部材
72Ab,74a 端部係合穴
81A,81B,86A,86B,86C,86D テーパ部(面状)
83 球部材
91A,91B ナイフエッジ部
92Ac,92Bc 係合部としての係止用切除部
101 溶接ワイヤ

Claims (22)

  1. 溶接ワイヤの挿通孔を少なくとも三本の柱状部材によって構成すると共に、この各柱状部材を一体的に保持する柱状部材保持手段を設け、
    この柱状部材保持手段により隣り合って保持された柱状部材の内の少なくとも一方を導電性部材で形成したことを特徴とする溶接用給電チップ装置。
  2. 前記各柱状部材を、相互に隣合わせに当接して配置したことを特徴とする請求項1記載の溶接用給電チップ装置。
  3. 前記各柱状部材を、円柱状部材としたことを特徴とする請求項1又は2記載の溶接用給電チップ装置。
  4. 前記各柱状部材を、同一直径の円柱状部材としたことを特徴とする請求項3記載の溶接用給電チップ装置。
  5. 前記各柱状部材を、異なった大きさの直径から成る円柱状部材としたことを特徴とする請求項3記載の溶接用給電チップ装置。
  6. 前記各柱状部材を、少なくとも三本の多角柱の組み合わせにより構成したことを特徴とした請求項1又は2記載の溶接用給電チップ装置。
  7. 前記各柱状部材を、三本の三角柱部材としたことを特徴とする請求項6記載の溶接用給電チップ装置。
  8. 前記各柱状部材を、四本の四角柱部材としたことを特徴とする請求項6記載の溶接用給電チップ装置。
  9. 前記各柱状部材に囲まれて形成される溶接ワイヤ用の挿通孔は、当該挿通孔に内接する円筒を想定した場合の当該内接円筒の外径をD,前記溶接ワイヤの直径をDとすると、「D<D<D+0.2〔mm〕」の関係を維持する大きさとしたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7又は8記載の溶接用給電チップ装置。
  10. 前記各柱状部材を、銅若しくは銅合金により形成したことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8又は9記載の溶接用給電チップ装置。
  11. 前記溶接ワイヤの挿通孔を構成する複数の柱状部材の内の一又は二以上の柱状部材をセラミック等の耐磨耗良好な素材によって形成すると共に、当該セラミック等の素材同志が相互に隣合うことなく組み込まれていることを特徴とした請求項1,2,3,4,5,6,7,8又は9記載の溶接用給電チップ装置。
  12. 溶接ワイヤの挿通孔を少なくとも三本の柱状部材によって構成すると共に、この各柱状部材を一体的に保持する柱状部材保持手段を設け、この柱状部材保持手段により隣り合って保持された柱状部材の内の少なくとも一方を導電性部材で形成し、
    前記柱状部材保持手段を、底部に溶接ワイヤの挿通穴を備えた底面部を備えた筒状ケース体と、この筒状ケース体の前記溶接ワイヤ挿入側に装備した環状蓋体とにより構成したことを特徴とする溶接用給電チップ装置。
  13. 前記柱状部材保持手段は、その一部又は全部を銅若しくは銅合金によって形成したことを特徴とする請求項12記載の溶接用給電チップ装置。
  14. 前記筒状ケース体の底面部を、セラミック等の耐磨耗良好な素材によって形成したことを特徴とする請求項12記載の溶接用給電チップ装置。
  15. 前記筒状ケース体をセラミック等の耐磨耗良好な素材によって形成すると共に、前記環状蓋体を導電性部材により形成したことを特徴とする請求項12記載の溶接用給電チップ装置。
  16. 前記各柱状部材を円柱状部材とすると共に、当該各柱状部材の少なくとも前記溶接ワイヤ挿入側の環状蓋体に当接する領域の端部周囲が、円錐体状又は角錐体状に切除されて成るテーパ部を備えていることを特徴とした請求項12,13又は15記載の溶接用給電チップ装置。
  17. 前記各柱状部材のテーパ部相互間に、前記柱状部材の直径と同一の直径又は当該柱状部材の直径より小さい直径から成る球部材を装備すると共に、これら柱状部材及び前記各球部材を,それぞれ前記筒状ケース体の内壁に当接した状態で当該筒状ケース体内に収納装備したことを特徴とする請求項16記載の溶接用給電チップ装置。
  18. 溶接ワイヤの挿通孔を少なくとも三本の柱状部材によって構成すると共に、この各柱状部材を一体的に保持する柱状部材保持手段を設け、この柱状部材保持手段により隣り合って保持された柱状部材の内の少なくとも一方を導電性部材で形成し、
    前記柱状部材保持手段を、その中心部に溶接ワイヤ挿通穴を備え且つ前記各柱状部材を同時に一体的に保持するチャッキング機構により構成したことを特徴とする溶接用給電チップ装置。
  19. 溶接ワイヤの挿通孔を少なくとも三本の柱状部材によって構成すると共に、この各柱状部材を一体的に保持する柱状部材保持手段を設け、この柱状部材保持手段により隣り合って保持された柱状部材の内の少なくとも一方を導電性部材で形成し、
    前記柱状部材保持手段を、筒状ケース体と、この筒状ケース体の両端部に設けられ前記柱状部材の端面に当接装備された一方と他方の環状蓋体とを備えた構成とし、
    前記各柱状部材の少なくとも一方の端部にナイフエッジ部を設けると共に、このナイフエッジ部を係止する係止用切除部を、前記一方の環状蓋体の外周端に等間隔に設けたことを特徴とする溶接用給電チップ装置。
  20. 溶接ワイヤの挿通孔を少なくとも三本の柱状部材によって構成すると共に、この各柱状部材を一体的に保持する柱状部材保持手段を設け、この柱状部材保持手段により隣り合って保持された柱状部材の内の少なくとも一方を導電性部材で形成し、
    前記柱状部材保持手段を、筒状ケース体と、この筒状ケース体の両端部に設けられ前記柱状部材の端面に当接して装備された一方と他方の環状蓋体とにより構成し、
    前記各柱状部材の両端部の一部を切除して円錐体状又は角錐体状のテーパ部を設け、
    この各柱状部材を相互に当接することなく同一円周上に所定間隔を隔てて配置すると共に、この各柱状部材の両端部に対応して前記一方と他方の環状蓋体に端部係合穴を設けたことを特徴とする溶接用給電チップ装置。
  21. 溶接ワイヤの挿通孔を少なくとも三本の柱状部材によって構成すると共に、この各柱状部材を一体的に保持する柱状部材保持手段を設け、前記柱状部材保持手段を、円筒状の筒状ケース体と、この筒状ケース体の両端部に設けられ前記柱状部材の端面に当接装備された一方と他方の環状蓋体とにより構成し、
    前記各柱状部材の両端部の一部を切除して角錐体状のテーパ部を設け、この各柱状部材を相互に当接することなく筒状ケース体に内接させて同一円周上に所定間隔を隔てて配置すると共に、
    この各柱状部材の両端部のテーパ部相互間で且つ前記筒状ケース体の内壁面との間に、前記柱状部材の直径と同一の直径又は当該柱状部材の直径より小さい直径から成る球部材を装備したことを特徴とする溶接用給電チップ装置。
  22. 溶接ワイヤの挿通孔を少なくとも三本の柱状部材によって構成すると共に、この各柱状部材を一体的に保持する柱状部材保持手段を設けたことを特徴とする溶接ワイヤー送出口チップ装置。
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