JP3603211B2 - 金属成型瓦屋根葺施工法および金属成型瓦屋根葺構造 - Google Patents

金属成型瓦屋根葺施工法および金属成型瓦屋根葺構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、釘やネジなどの固定具を使用することなく、金属成型瓦の屋根葺き上げ工事を簡単に行うことができ、かつ機械的強度を大となし、雨漏りをも防止することができる金属成型瓦屋根葺施工法および金属成型瓦屋根葺構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の、この種金属成型瓦屋根葺施工法で使用される金属成型瓦50は、一方に立ち上げ折り曲げ部50aを形成すると共に、他方に立ち下げ折り曲げ部50bを形成したものである。
このような金属成型瓦50を使用して瓦の屋根葺き上げ工事を行う場合、例えば図6に示すように、垂木51の上に取り付けた野地板52に、防水シート53を敷き詰める。
そして、この防水シート53の上から野地板52の所定位置に、複数の瓦桟54を固定し、前記金属成型瓦50を、立ち上げ折り曲げ部50aに立ち下げ折り曲げ部50bを重ねて、瓦桟54に釘またはネジ55などで直接打ち付けて固定させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、上記従来技術においては、金属成型瓦50を瓦桟54に釘やネジ55などで固定させるための煩わしさがあり、また、この金属成型瓦50に釘孔を明ける必要があり、そのため機械的強度が弱くなり、さらには、釘孔や隙間などにより雨漏りが発生するなどのおそれがあった。
【0004】
そこで、本発明の目的は、金属成型瓦の屋根葺き上げ工事を簡単にして、スピーディに、かつ確実に行うことができ、機械的強度にも優れ、雨漏りをも防止することができる金属成型瓦屋根葺施工法および金属成型瓦屋根葺構造を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の金属成型瓦屋根葺施工法は、一方に凹部を有する断面コ字状の正面見付け部を形成すると共に、この正面見付け部に連続して連続波型凹部を有する断面コ字状の正面立ち下がり部を形成し、さらに他方に差し込み部を形成してなる金属成型瓦を使用して瓦屋根葺きを施工するに際し、一つの金属成型瓦の正面見付け部の凹部を、固定されている吊り子に差し込み、しかる後、前記一つの金属成型瓦の正面立ち下がり部の連続波型凹部に、他の一つの金属成型瓦の差し込み部を差し込んで瓦屋根葺きを施工していくようにしたことを特徴とするものである。
【0006】
また、本発明の金属成型瓦屋根葺構造は、一方に凹部を有する断面コ字状の正面見付け部を折り曲げて形成すると共に、この正面見付け部に連続して連続波型凹部を有する断面コ字状の正面立ち下がり部を折り曲げて形成し、さらに他方に差し込み部を形成してなる金属成型瓦と、瓦屋根葺き施工時、前記正面見付け部の連続波型凹部に差し込まれる吊り子とより構成したことを特徴とするものである。
【0007】
さらにまた、本発明の金属成型瓦屋根葺構造において、金属成型瓦の差し込み部の形状を、断面コ字状の正面立ち下がり部に形成した連続波型凹部に嵌合可能な断面コ字状の凸部としたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、上記のように構成したので、一方に凹部を有する断面コ字状の正面見付け部を形成すると共に、この正面見付け部に連続して連続波型凹部を有する断面コ字状の正面立ち下がり部を形成し、さらに他方に差し込み部を形成してなる金属成型瓦を使用して瓦屋根葺きを施工するに際し、一つの金属成型瓦の正面見付け部の凹部を、屋根下地材(野地板)に固定されている吊り子に差し込むことにより、一つの金属成型瓦は固定される。
しかる後、前記一つの金属成型瓦の正面立ち下がり部の連続波型凹部に、他の一つの金属成型瓦の差し込み部を差し込んで瓦屋根葺きを施工していく。
金属成型瓦の差し込み部の形状を、断面コ字状の正面立ち下がり部に形成した連続波型凹部に嵌合可能な断面コ字状の凸部とすることにより、金属成型瓦は、密着固定される。
【0009】
【実施例】
図1は、本発明に係る金属成型瓦屋根葺施工法および金属成型瓦屋根葺構造において使用される金属成型瓦の好適な第1実施例を示す斜視図であり、図2は、本発明に係る金属成型瓦屋根葺構造の第1実施例を示す縦断側面図である。
【0010】
以下、図1ないし図2を用いて本発明に係る金属成型瓦屋根葺構造の好適な第1実施例について、詳細に説明する。
1は、本発明に使用される図1に示すごとき金属成型瓦であり、表面には、塗料が適宜コーテイングされている。金属成型瓦1の一方には、凹部2aを有する断面コ字状の正面見付け部2が折り曲げて形成されている。
また、この正面見付け部2に連続して連続波型凹部3aを有する断面コ字状の正面立ち下がり部3が折り曲げて形成されている。
さらに、金属成型瓦1の他方には、前記断面コ字状の正面立ち下がり部3に形成した連続波型凹部3aに嵌合可能な断面コ字状の凸部4aを有する差し込み部4が折り曲げて形成されている。
【0011】
5は、屋根下地材(野地板)であり、6は、この屋根下地材5の上面に取り付けた防水シートである。
7は、図2に示す複数の板状の吊り子であり、この吊り子7は、前記屋根下地材5に前記防水シート6を介して釘8により固定される複数の桟木9と共に、固定されている。
【0012】
このように、本発明は、一方に凹部2aを有する断面コ字状の正面見付け部2を折り曲げて形成すると共に、この正面見付け部2に連続して連続波型凹部3aを有する断面コ字状の正面立ち下がり部3を折り曲げて形成し、さらに他方に断面コ字状の正面立ち下がり部3に形成した連続波型凹部3aに嵌合可能な断面コ字状の凸部4aとした差し込み部4を形成してなる金属成型瓦1と、瓦屋根葺き施工時、前記正面見付け部2の凹部2aに差し込まれる複数の板状の吊り子7とより構成したので、金属成型瓦1の表面に孔を明けることなく、金属成型瓦1は、板状の吊り子7に密着して固定される。
【0013】
図3は、本発明に係る金属成型瓦屋根葺施工法および金属成型瓦屋根葺構造において使用される金属成型瓦の第2実施例を示す斜視図であり、図4は、本発明に係る金属成型瓦屋根葺構造の第2実施例を示す縦断側面図である。
【0014】
図3ないし図4に示される金属成型瓦1aは、凹部2aを有する断面コ字状の正面見付け部2を折り曲げて形成すると共に、この正面見付け部2に連続して連続波型凹部3aを有する断面コ字状の正面立ち下がり部3を折り曲げて形成した一方と、前記断面コ字状の正面立ち下がり部3に形成した連続波型凹部3aに嵌合可能な断面コ字状の凸部4aとした差し込み部4を形成した他方との間に、凹部2aを有する断面コ字状の正面見付け部2と、この正面見付け部2に連続して連続波型凹部3aを有する断面コ字状の正面立ち下がり部3とを、複数連続して形成したものである。
このように、前記正面見付け部2と正面立ち下がり部3とを、複数連続して形成すると、施工性に優れ、施工スピードが上がり、工期、工費が節約できるため、経済的である。また、耐久性、優美性にも優れたものとなる。
【0015】
金属成型瓦1aの瓦屋根葺き施工時、屋根下地材5の上面に防水シート6を介して釘8により固定される複数の桟木9と共に、固定されている複数の板状の吊り子7は、前記正面見付け部2の凹部2aにそれぞれ差し込まれる。
これによって、金属成型瓦1aの表面に孔を明けることなく、金属成型瓦1aは、複数の板状の吊り子7にそれぞれ密着して固定される。
【0016】
図5は、本発明に係る金属成型瓦屋根葺構造の第3実施例を示す縦断側面図であるが、この例では、図2に示す吊り子7の形状だけが異なり、金属成型瓦1は同じであるので、同一部分の説明は省略する。
すなわち、図5に示す複数の吊り子7aは、ほぼ逆L字状に形成されており、このほぼ逆L字状の吊り子7aは、前記屋根下地材2に防水シート6の上から固定部を介して釘8により直接固定されている。
なお、前記吊り子7、7aの形状は、前記金属成型瓦1の正面見付け部2の凹部2aに差し込まれて固定される構成になっていれば、いかなる形状でもよい。
【0017】
このような本発明に係る金属成型瓦屋根葺構造の各実施例によれば、簡単な施工、簡単な構造にもかかわらず、機械的強度に優れ、雨漏りを確実に防止することが可能となるものである。
【0018】
次に、図面を用いて本発明に係る金属成型瓦屋根葺施工法について説明する。
まず、屋根下地材5の上面に、防水シート6を敷き詰め取り付けた後、この防水シート6の上から適宜所定の位置に、複数の前記板状の吊り子7を桟木9を介して釘やネジなどによりおく。または、前記ほぼ逆L字状の吊り子7aを屋根下地材5に直接取り付けておく。
【0019】
しかる後、前記金属成型瓦1または1aを瓦屋根の葺上げ方向に順次葺上げていくのであるが、一方に凹部2aを有する断面コ字状の正面見付け部2を形成すると共に、この正面見付け部2に連続して連続波型凹部3aを有する断面コ字状の正面立ち下がり部3を形成し、さらに他方に前記正面立ち下がり部3の連続波型凹部3aに嵌合可能な断面コ字状の凸部4aを有する差し込み部4を形成してなる金属成型瓦1または1aを使用して瓦屋根葺きを施工するに際し、一つの金属成型瓦1または1aの正面見付け部2の凹部2aを、固定されている吊り子7または7aに差し込み、しかる後、前記一つの金属成型瓦1または1aの正面立ち下がり部3の連続波型凹部3aに、他の一つの金属成型瓦1または1aの差し込み部4を差し込んで瓦屋根葺きを施工していくことにより瓦屋根葺き作業が完了する。
【0020】
このような本発明に係る金属成型瓦屋根葺施工法によれば、瓦屋根を葺く施工は、釘やネジなどを全く使用せず、差し込み式により正確にしてスピーディに、かつ危険を伴わない簡便な作業で行われるものである。
しかも、瓦屋根を葺く施工が簡単であるにもかかわらず、金属成型瓦の固定を確実に維持することができ、機械的強度が大となるものである。
【0021】
【発明の効果】
本発明の金属成型瓦屋根葺施工法によれば、一方に凹部を有する断面コ字状の正面見付け部を形成すると共に、この正面見付け部に連続して連続波型凹部を有する断面コ字状の正面立ち下がり部を形成し、さらに他方に差し込み部を形成してなる金属成型瓦を使用して瓦屋根葺きを施工するに際し、一つの金属成型瓦の正面見付け部の凹部を、固定されている吊り子に差し込み、しかる後、前記一つの金属成型瓦の正面立ち下がり部の連続波型凹部に、他の一つの金属成型瓦の差し込み部を差し込んで瓦屋根葺きを施工していくようにしたものであるから、金属成型瓦を桟木に釘やネジなどの固定具で固定することなく、また金属成型瓦の屋根葺き上げ工事を正確でスピーディで、かつ危険を伴わないで簡単に行うことができ、しかも金属成型瓦の固定を確実に維持することができ、機械的強度が大となるなどの効果を有する。
【0022】
また、本発明の金属成型瓦屋根葺構造によれば、一方に凹部を有する断面コ字状の正面見付け部を折り曲げて形成すると共に、この正面見付け部に連続して連続波型凹部を有する断面コ字状の正面立ち下がり部を折り曲げて形成し、さらに他方に差し込み部を形成してなる金属成型瓦と、瓦屋根葺き施工時、前記正面見付け部の連続波型凹部に差し込まれる吊り子とより構成したものであるから、簡単な施工、簡単な構造にもかかわらず、機械的強度に優れ、雨漏りを確実に防止することができ、コストも安価となるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属成型瓦屋根葺施工法および金属成型瓦屋根葺構造において使用される金属成型瓦の好適な第1実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る金属成型瓦屋根葺構造の第1実施例を示す縦断側面図である。
【図3】本発明に係る金属成型瓦屋根葺施工法および金属成型瓦屋根葺構造において使用される金属成型瓦の第2実施例を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る金属成型瓦屋根葺構造の第2実施例を示す縦断側面図である。
【図5】本発明に係る金属成型瓦屋根葺構造の第3実施例を示す縦断側面図である。
【図6】従来の金属成型瓦屋根葺構造の一例を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1 金属成型瓦
1a 金属成型瓦
2 正面見付け部
2a 凹部
3 正面立ち下がり部
3a 連続波型凹部
4 差し込み部
4a 凸部
5 屋根下地材(野地板)
6 防水シート
7 板状の吊り子
7a 逆L字状の吊り子
8 釘
9 桟木

Claims (3)

  1. 一方に凹部を有する断面コ字状の正面見付け部を形成すると共に、この正面見付け部に連続して連続波型凹部を有する断面コ字状の正面立ち下がり部を形成し、さらに他方に差し込み部を形成してなる金属成型瓦を使用して瓦屋根葺きを施工するに際し、一つの金属成型瓦の正面見付け部の凹部を、固定されている吊り子に差し込み、しかる後、前記一つの金属成型瓦の正面立ち下がり部の連続波型凹部に、他の一つの金属成型瓦の差し込み部を差し込んで瓦屋根葺きを施工していくようにしたことを特徴とする金属成型瓦屋根葺施工法。
  2. 一方に凹部を有する断面コ字状の正面見付け部を折り曲げて形成すると共に、この正面見付け部に連続して連続波型凹部を有する断面コ字状の正面立ち下がり部を折り曲げて形成し、さらに他方に差し込み部を形成してなる金属成型瓦と、瓦屋根葺き施工時、前記正面見付け部の連続波型凹部に差し込まれる吊り子とより構成したことを特徴とする金属成型瓦屋根葺構造。
  3. 請求項2に記載の金属成型瓦屋根葺構造において、金属成型瓦の差し込み部の形状を、断面コ字状の正面立ち下がり部に形成した連続波型凹部に嵌合可能な断面コ字状の凸部としたことを特徴とする金属成型瓦屋根葺構造。
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