JP3602964B2 - 画像形成装置及び接触帯電部材のトナー除去方法 - Google Patents
画像形成装置及び接触帯電部材のトナー除去方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、静電複写機、レーザプリンタ等の電子写真プロセスを用いた画像形成装置に関し、特に像担持体の表面に接触する接触帯電部材に所定の帯電電圧を印加して像担持体を帯電する画像形成装置及び接触帯電部材のトナー除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は電子写真プロセスを用いた画像形成装置の概略構成図である。
感光体ドラム(像担持体)101は、導体101bの表面に感光体101aを有しており、同図の矢印方向に回転する。この感光体ドラム101の周囲には、帯電手段102、露光手段103、現像手段104、転写手段105、クリーニング手段106が配設されており、各手段が次のように作動する。
【0003】
すなわち、帯電手段102は、感光体101aの表面を所要の電位に帯電する。続いて、露光手段103が感光体101aの表面を露光して、所望の画像に対応した静電潜像を感光体101aの表面に形成する。現像手段104は、露光手段103によって形成された静電潜像をトナーによって現像し、感光体101aの表面にトナー像を形成する。その後、転写手段105が、図示しない搬送手段によって送られてくる転写媒体P上に、感光体101aの表面に形成されたトナー像を転写する。転写手段105によりトナー像が転写された転写媒体Pは、図示しない定着手段へと搬送され、そこで加熱によるトナー像の定着を施された後、装置外に排出されていく。
【0004】
一方、クリーニング手段106は、転写後の感光体101aの表面に残存するトナーを掻き落とし、感光体101aの表面を清掃する。
さて、従来の画像形成装置では、上記のとおりクリーニング手段106と帯電手段102とを別個に備えていた。
【0005】
図9は従来の画像形成装置に用いられていたクリーニング手段の一例を示している。
クリーニング手段106は、クリーニングブレード106aを主体として構成されている。クリーニングブレード106aはウレタンゴムからなり、例えば厚さ2mm,幅約300mmに形成され、支持部材106bにより支持されている。クリーニングブレード106aの先端部は支持部材106bの先端から突き出しており、その突き出し量aは、例えば8mmになるように調整してある。
【0006】
また、クリーニングブレード106aの支持角θ(感光体ドラムの接線方向に対するブレードの傾斜角度)は20°、感光体101a上の残留トナーへの食い込み量bは略1.2mmになるように調整してある。
このような構成のクリーニングブレード106aは、エッジ部分が感光体101aに付着している残留トナーに食い込んで、感光体101aから掻き落とす。
【0007】
一方、帯電手段102としては、従来からのスコロトロンなどのコロナ帯電装置のほかに、いわゆる接触帯電器が広く用いられている。接触帯電器は、感光体101aに帯電部材を接触させ、この帯電部材に電圧を印加することによって感光体101aの帯電を行なう。
【0008】
図10は従来の接触帯電器の一例を示している。
接触帯電器はローラ形状の帯電部材107を備えている。この帯電部材107は、導体107bの周面に弾性体層107aを有し、例えば直径5〜20mm、幅約300mmに形成されている。
帯電部材107は、回転する感光体ドラム101に接触して従動回転する。帯電部材の弾性体層107aは、抵抗率が107〜109Ωcm程度の導電性材料で構成してある。また、帯電部材107の表面(弾性体層107aの表面)には、膜厚が10〜20μm程度の表面保護層が形成されている場合もある。
帯電部材107には電源108により所定の帯電電圧が印加され、感光体101aを帯電する。一般に、帯電電圧は−1.0〜−1.5kV程度の直流電圧である。
【0009】
上述したようにクリーニング手段106と帯電手段102とを別個に備えた従来の画像形成装置は、感光体ドラム101の周囲にクリーニングスペースと帯電スペースの双方が必要であるため、装置全体が大形化する欠点があった。
また、クリーニング手段106と帯電手段102とが、別個の構成部材となっているため、部品点数が多く製品コストが高価格となる欠点があった。
このような問題を解決するために、従来から接触帯電・クリーニングブレードを備えた画像形成装置が提案されている(例えば、特開昭56−165166号公報、特開平7−92767号公報参照)。
【0010】
図11は従来のこの種の画像形成装置が備えている接触帯電・クリーニングブレードの概要を示している。
接触帯電・クリーニングブレード110は、上述したクリーニングブレード106aとほぼ同様の寸法形状に形成してあり、支持部材111により支持されている。すなわち、接触帯電・クリーニングブレード110は、例えば厚さ2mm,幅約300mmに形成されている。接触帯電・クリーニングブレード110の先端部は支持部材111の先端から突き出しており、その突き出し量aは、例えば8mmになるように調整してある。
【0011】
また、接触帯電・クリーニングブレード110の支持角θ(感光体ドラムの接線方向に対するブレードの傾斜角度)は20°、感光体101a上の残留トナーへの食い込み量bは略1.2mmになるように調整してある。
このような構成の接触帯電・クリーニングブレード110は、エッジ部分が感光体101aに付着している残留トナーに食い込んで、その残留トナーを感光体101aから掻き落とす。
【0012】
さらに、この接触帯電・クリーニングブレード110は、ウレタンゴムをベースにカーボンやイオン導電材を分散させて、抵抗率を106〜109Ωcm程度に調整してある。そして、接触帯電・クリーニングブレード110は、既述の帯電部材107と同様、電源112により電圧が印加され、感光体101aを帯電する。一般に、帯電電圧は−1.0〜−1.5kV程度の直流電圧である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の接触帯電・クリーニングブレードを備えた画像形成装置では、長期間使用した場合に、次のような問題が生ずるおそれがあった。
すなわち、本来、転写後にも感光体101a上に付着している残留トナーは、接触帯電・クリーニングブレード110のエッジ部分により除去されるはずである。
【0014】
しかし、実際には僅かづつではあるが、帯電・クリーニングブレード110のエッジ部分を通り抜ける残留トナーが存在する。これは、帯電・クリーニングブレード110自体の僅かな振動や、感光体101aの回転開始時や停止時に該ブレード110にかかる振動などが原因であると考えられる。
そして、接触帯電・クリーニングブレード110のエッジ部分を通り抜けた残留トナーの一部は、該ブレード110のエッジ部分より下流側にある感光体101aとの対向面に付着する。
【0015】
このようにトナーが接触帯電・クリーニングブレード110に付着するのは、次のようなことが原因と考えられる。
いわゆるネガポジ現像の画像形成装置では、転写後の感光体上の残留トナーの中に、転写時の放電などが原因となってプラス(感光体101aの帯電極性とは逆極性)に帯電したトナーが存在する。また、接触帯電・クリーニングブレード110を通過する際にも、同ブレード110との摩擦によってプラスに帯電したトナーが存在するようになる。
また、いわゆるポジポジ現像では、トナー自体がプラスに帯電している。
【0016】
一方、接触帯電・クリーニングブレード110にはマイナスの高電圧が印加されているため、同ブレード110を通り抜けるとき、プラス電位の残留トナーがマイナス電位の接触帯電・クリーニングブレード110へ付着することになる。そして、接触帯電・クリーニングブレード110へのトナーの付着が長期間にわたり積み重なっていくと、同ブレード110と感光体101aとの間で起こる放電が不均一となり、感光体101aを均一に帯電することができなくなる。このため異常画像が発生するという問題がある。
【0017】
このような問題に対して、接触帯電・クリーニングブレードを通過する前に、あらかじめ感光体上の残留トナーを、接触帯電・クリーニングブレードに印加する電圧の極性と同じマイナスの極性に帯電させる手段も提案されている(特開平7−325459号公報参照)。
しかし、このような手段を採用した場合、残留トナーをマイナスの極性に帯電させるための帯電器を感光体ドラムの周囲に配設することが必要となり、画像形成装置の大形化と部品点数の増加による製品コストの高価格化が問題となる。
【0018】
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で接触帯電・クリーニングブレード等の接触帯電部材における感光体との対向面に付着したトナーを除去することを可能とし、長期間にわたり良好な画像品質が得られるようにすることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記目的を達成するため、駆動可能な像担持体と、この像担持体の表面に接触する接触帯電部材とを備え、接触帯電部材に所定の帯電電圧を印加して像担持体を帯電する画像形成装置において、
上記像担持体における上記接触帯電部材に対向する対向面が、像担持体が駆動されている間の所要の帯電電位であって像担持体が停止している状態で、上記接触帯電部材の電位を、その接触帯電部材における像担持体表面との対向面に付着したトナーを像担持体に転移させることが可能な所要の清掃電位に切り替えるようにしたものである。
【0020】
このように、像担持体が停止している状態で、接触帯電部材の電位を清掃電位に切り替えることにより、接触帯電部材に付着するトナーを効率的に除去することができる。すなわち、接触帯電部材の電位を清掃電位に切り替えることにより、その接触帯電部材とトナーとの間に反発力が生まれる。
【0021】
しかし、この切り替えを像担持体が駆動しているときに実行すると、像担持体は、まず接触帯電部材におけるエッジ部分と接触して清掃電位に変化する。続いて、清掃電位に変化した像担持体の部位が、接触帯電部材のエッジ部分より下流側にある面(この面にトナーは付着する)と対向することになる。したがって、接触帯電部材の同面に付着したトナーと像担持体との間でも反発力が生じるため、同トナーを像担持体側へ転移させることが困難となる。
【0022】
これに対し、本発明のごとく像担持体が停止している状態で、接触帯電部材の電位を清掃電位に切り替えれば、トナーの付着した接触帯電部材の面と対向する像担持体の部位が、清掃電位に変わることはない。したがって、その接触帯電部材の面に付着したトナーを、円滑に像担持体側へ転移させることが可能となる。
特に、画像形成動作の終了により像担持体が停止した直後であれば、像担持体は画像形成時の帯電電位(トナーと逆極性)となっているため、大きな吸引力をもってトナーが像担持体に引き寄せられる。
そして、その接触帯電部材が、像担持体の表面をクリーニングするクリーニング部材も兼ねるようにすれば、専用のクリーニング装置を設ける必要がなくなるので装置を小型にすることができる。
【0023】
また、駆動可能な像担持体の表面に接触する接触帯電部材に付着したトナーを除去する接触帯電部材のトナー除去方法として、上記像担持体が停止している状態で、その像担持体における上記接触帯電部材に対向する対向面が、像担持体が駆動されている間の所要の帯電電位であるときに、上記接触帯電部材の電位をその接触帯電部材における像担持体表面との対向面に付着したトナーを像担持体に転移させることが可能な所要の清掃電位にし、上記接触帯電部材の対向面に付着しているトナーを像担持体に転移させて接触帯電部材から除去する接触帯電部材のトナー除去方法を実施すれば、上述した画像形成装置と同様に、接触帯電部材に付着するトナーを効率的に除去することができる。
そして、上記接触帯電部材は、一部が像担持体の表面に接触するブレードにするとよい。
【0024】
また、上記清掃電位を接地電位とすれば、トナーを接触帯電部材から除去するための特別な電圧印加手段が必要なくなり、一層構成が簡易となり製品コストの低減を図ることができる。
【0025】
一方、上記清掃電位を、像担持体の帯電電位と反対の極性にすれば、接触帯電部材と像担持体との間に形成される電界がより大きくなるため、より強力な電界で接触帯電部材の表面に付着したトナーの清掃を行なうことができる。
【0026】
また、接触帯電部材に交流電圧を印加することにより、上記清掃電位を形成する構成とすれば、接触帯電部材に付着したトナーに電気的な振動が加わり、このトナーが接触帯電部材から離れやすくなる。このため、接触帯電部材に付着したトナーをより効率的に除去することが可能となる。
【0027】
さらに、像担持体の駆動開始後、接触帯電部材に帯電電圧を印加する構成とすれば、清掃電位への切り替えによって像担持体に転移したトナーが、再び接触帯電部材へ吸着される不都合を回避することができる。
すなわち、接触帯電部材に帯電電圧を印加すれば、その接触帯電部材とトナーとの間に再び吸引力が生じることになる。しかし、その前に像担持体が駆動されていれば、トナーが転移している像担持体の部位は、接触帯電部材と対向する位置よりも下流側へ移動する。したがって、その後に接触帯電部材へ帯電電圧を印加しても、対向位置にトナーが存在しないため、接触帯電部材へのトナーの転移を回避することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の実施形態に係る画像形成装置の概要を示す構成図である。
同図に示すように、画像形成装置は、感光体ドラム(像担持体)1の周囲に、接触帯電・クリーニング装置2、露光装置5、現像装置6、及び転写装置10を備えている。
【0029】
感光体ドラム1は、導体1bの表面に感光体1aを塗布することによって形成され、図中の矢印方向に回転する。感光体ドラム1は、例えば180mm/secの周速で回転する。
接触帯電・クリーニング装置2は、導電性の弾性体で形成した接触帯電部材である接触帯電・クリーニングブレード(以下、「ブレード」と略称することもある)3及び電源4を備えている。ブレード3はエッジ部分が感光体1aに接触している。このブレード3には、電源4によって所定の電圧が印加される。
【0030】
露光装置5は、接触帯電・クリーニング装置2により均一に帯電された感光体1aの表面上へ、目的の画像に対応した光を照射して静電潜像を形成する。露光装置5の光源としては、例えばレーザダイオードが用いられ、ポリゴンミラーを介して原稿から反射してきたレーザビームを感光体1a上に照射しながら走査していく。
【0031】
現像装置6は、現像ローラ7、現像剤貯蔵室8、及び電源9を備えている。この現像装置は、現像ローラ7に所定の電圧(例えば、−0.6kV)を印加するとともに、その現像ローラ7で現像剤を感光体1aの表面に塗布することで、感光体1aの静電潜像をトナー像に変換する(反転現像)。現像剤としては、キャリアとトナーを含有する二成分現像剤や、トナーのみの一成分現像剤などを用いる。
【0032】
転写装置10は、現像装置6によって感光体1a上に形成したトナー像を、図示しない給紙部から送られてきた転写媒体13上に転写する。転写装置10は、転写ローラ11と電源12とを備え、電源12によって転写ローラ11に所定の電圧を印加する構成となっている。電源12は、例えば20μAに定電流制御されている。トナー像が転写された転写媒体は、図示しない定着手段に搬送されて、そのトナー像が定着される。
【0033】
図2は、図1に示した接触帯電・クリーニング装置を更に詳しく説明するための構成図である。
ブレード3は、例えば厚さ2mm,幅約300mmに形成され、支持部材3aにより支持されている。ブレード3の先端部は支持部材3aの先端から突き出しており、その突き出し量は、例えば8mmになるように調整してある。
【0034】
またこの実施形態では、ブレード3の支持角(感光体ドラムの接線方向に対するブレードの傾斜角度)を20°、感光体1a上の残留トナーへの食い込み量を略1.2mmに調整してある。
このような構成のブレード3は、エッジ部分が感光体1aに付着している残留トナーに食い込んで、その残留トナーを感光体1aから掻き落とす。
【0035】
さらに、ブレード3は、ウレタンゴムにハロゲン化物、アルカリ金属塩等のイオン性化合物を添加することによって、導電性を付与してある。なお、ブレード3を構成する材料は、上述のもの以外であってもよい。例えば、ゴムや樹脂などに導電性を付与したものであってもよい。また、カーボンなどを添加した電子性導電化材料であってもよい。
【0036】
電源4は、第1電源部4a及び第2電源部4bを備えるとともに、これら各電源部4a,4bを切り替えてブレード3と接続する切り替えスイッチ4cを有している。
切り替えスイッチ4cの固定接点4c−1に接続した第1電源部4aは、画像形成時に感光体1aを帯電するために必要な帯電電圧(例えば、−1.8kV)を出力するためのものである。
【0037】
一方、切り替えスイッチ4cの固定接点4c−2に接続した第2電源部4bは、ブレード3に付着したトナーを除去するために必要な清掃電圧を出力するためのものである。なお、後述する第1及び第4実施形態では、第2電源部4bは必要なく、切り替えスイッチ4cの固定接点4c−2は接地(アース)するだけでよい。また、後述する第2及び第3実施形態では、図2に示すとおり第2電源部4bを設け、該電源部4bから所要の清掃電圧を印加するように構成する。
【0038】
図3は、この発明の第1実施形態に係る画像形成装置を説明するためのタイミングチャートである。
この第1実施形態では、感光体ドラム1が駆動(回転)している間は、ブレード3には、感光体1aの帯電に必要な帯電電圧(−1.8kV)を印加する。この帯電電圧は、図2に示した第1電源部4aから出力される。ブレード3は、エッジ部分で感光体1aと接触し、上記帯電電圧によって感光体1aの表面を所要の帯電電位(−0.8kV程度)に帯電させる。
【0039】
その後、画像形成動作の終了に伴い感光体ドラム1が駆動を停止した後、一定のタイミングで切り替えスイッチ4cを固定接点4c−2側に切り替え、ブレード3が清掃電位となるようにする。この第1実施形態では、既述のごとく切り替えスイッチ4cの固定接点4c−2を接地(アース)してある。したがって、ブレード3の清掃電位は、接地電位(0kV)となる。
【0040】
ブレード3の電位切り替えは、感光体ドラム1の駆動停止後に行なっているので、ブレード3が清掃電位(0kV)となっても、感光体1aにおけるブレード3の対向面は帯電電位(−0.8kV程度)に保たれている。
すなわち、このときブレード3は0kVの清掃電位で、感光体1aは−0.8kV程度の帯電電位となっている。一方、既述したとおりブレード3に付着したトナーは、プラス電位に帯電している。
したがって、図4に示すように、プラス電位のトナーは、ブレード3より大きな電位差のある感光体1a側に引き寄せられて転移することになる。かくしてブレード3に付着していたトナーを除去することができる。
【0041】
なお、感光体ドラム1の駆動停止後、ブレード3を清掃電位にするための切り替えタイミングとして、この実施形態では0.1secの間隔をおいたが、この切り替えタイミングは任意に設定することができる。
この第1実施形態では、ブレード3の清掃電位を、接地(アース)電位としたので、特別な電源(図2に示した第2電源部4b)を必要とせず、したがって部品点数が減り、一層設備コストを低減することができる。
【0042】
このように、この画像形成装置は、感光体ドラム1が停止しているときにブレード3の電位を、そのブレード3における感光体ドラム1の表面との対向面に付着したトナーを感光体ドラム1に転移させることが可能な所要の清掃電位にし、上記対向面に付着しているトナーを感光体ドラム1に転移させてブレード3から除去するトナー除去方法を実施するので、ブレード3に付着するトナーを効率的に除去することができる。
【0043】
図5は、この発明の第2実施形態に係る画像形成装置を説明するためのタイミングチャートである。
この第2実施形態でも、感光体ドラム1が駆動(回転)している間は、ブレード3には、感光体1aの帯電に必要な帯電電圧(−1.8kV)を印加する。この帯電電圧は、図2に示した第1電源部4aから出力される。ブレード3は、エッジ部分で感光体1aと接触し、上記帯電電圧によって感光体1aの表面を所要の帯電電位(−0.8kV程度)に帯電させる。
【0044】
その後、画像形成動作の終了に伴い感光体ドラム1が駆動を停止した後、一定のタイミングで切り替えスイッチ4cを固定接点4c−2側に切り替え、ブレード3が清掃電位となるようにする。この第2実施形態では、既述のごとく切り替えスイッチ4cの固定接点4c−2を第2電源部4b(図2参照)に接続してある。したがって、ブレード3は、第2電源部4bから清掃電圧を印加され、所定の清掃電位となる。
【0045】
この第2実施形態では、清掃電位が感光体1aの帯電電位と逆極性の電位(例えば、+0.5kV)となるように、第2電源部4bの出力電圧(直流電圧)を設定してある。
ブレード3の電位切り替えは、感光体ドラム1の駆動停止後に行なっているので、ブレード3が清掃電位(+0.5kV)となっても、感光体1aにおけるブレード3の対向面は帯電電位(−0.8kV程度)に保たれている。
【0046】
すなわち、このときブレード3は+0.5kVの清掃電位で、感光体1aは−0.8kV程度の帯電電位となっている。一方、既述したとおりブレード3に付着したトナーは、プラス電位に帯電している。
したがって、図4に示すように、プラス電位のトナーは、同じ極性に帯電したブレード3(+0.5kV)との間で反発し合い、一方、逆極性の電位にある感光体1a(−0.8kV)に引き寄せられるため、前記第1実施形態に比べ一層確実にトナーをブレード3から除去することが可能となる。
【0047】
この第2実施形態でも、感光体ドラム1の駆動停止後、ブレード3を清掃電位にするための切り替えタイミングとして、この実施形態では0.1secの間隔をおいたが、この切り替えタイミングは任意に設定することができる。
なお、ブレード3を清掃電位にして一定時間(例えば、1sec)が経過した後、ブレード3への電圧印加をOFFとして一連の動作を終了する。
【0048】
図6は、この発明の第3実施形態に係る画像形成装置を説明するためのタイミングチャートである。
この第3実施形態でも、感光体ドラム1が駆動(回転)している間は、ブレード3には、感光体1aの帯電に必要な帯電電圧(−1.8kV)を印加する。この帯電電圧は、図2に示した第1電源部4aから出力される。ブレード3は、エッジ部分で感光体1aと接触し、上記帯電電圧によって感光体1aの表面を所要の帯電電位(−0.8kV程度)に帯電させる。
【0049】
その後、画像形成動作の終了に伴い感光体ドラム1が駆動を停止した後、一定のタイミングで切り替えスイッチ4cを固定接点4c−2側に切り替え、ブレード3が清掃電位となるようにする。この第2実施形態では、既述のごとく切り替えスイッチ4cの固定接点4c−2を第2電源部4b(図2参照)に接続してある。したがって、ブレード3は、第2電源部4bから清掃電圧を印加され、所定の清掃電位となる。
【0050】
この第3実施形態では、第2電源部4bが所定の交流電圧(例えば、振幅1.0kV、周波数1kHzの交流電圧)を出力するようになってる。このような交流電圧をブレードに印加することにより、ブレード3に付着したトナーに電気的な振動が加わり、トナーがブレードから離れやすくなる。
【0051】
ブレード3の電位切り替えは、感光体ドラム1の駆動停止後に行なっているので、ブレード3が清掃電位となっても、感光体1aにおけるブレード3の対向面は帯電電位(−0.8kV程度)に保たれている。
すなわち、このときブレード3は振幅1.0kV、周波数1kHzで変化する清掃電位となっており、感光体1aは−0.8kV程度の帯電電位となっている。一方、既述したとおりブレード3に付着したトナーは、プラス電位に帯電している。
【0052】
したがって、ブレード3との間でトナーは、電気的振動によって離れやすくなり、一方、逆極性の電位にある感光体1a(−0.8kV)に引き寄せられるため、上述した各実施形態に比べ一層確実にトナーをブレード3から除去することが可能となる。
この第3実施形態でも、感光体ドラム1の駆動停止後、ブレード3を清掃電位にするための切り替えタイミングとして、この実施形態では0.1secの間隔をおいたが、この切り替えタイミングは任意に設定することができる。
【0053】
また、ブレード3に印加する交流電圧の振幅,周波数は任意でよいが、好ましくは感光体1aの帯電電位よりも小さな振幅になるように設定することにより、トナーとの間に感光体1aよりも大きな吸引力が生じないようにする。
なお、ブレード3を清掃電位にして一定時間(例えば、1sec)が経過した後、ブレード3への電圧印加をOFFとして一連の動作を終了する。
【0054】
図7は、この発明の第4実施形態に係る画像形成装置を説明するためのタイミングチャートである。
この第4実施形態では、画像形成動作及び、該動作終了後に行なうブレード3に付着したトナーの除去については、上述した第1実施形態と同様に行ない、更に、感光体ドラム1が駆動を開始したとき、一定の遅れタイミングをもたせてブレード3に帯電電圧を印加するようにしてある。
【0055】
すなわち、感光体ドラム1が駆動(回転)している間は、ブレード3には、感光体1aの帯電に必要な帯電電圧(−1.8kV)を印加する。この帯電電圧は、図2に示した第1電源部4aから出力される。ブレード3は、エッジ部分で感光体1aと接触し、上記帯電電圧によって感光体1aの表面を所要の帯電電位(−0.8kV程度)に帯電させる。
【0056】
その後、画像形成動作の終了に伴い感光体ドラム1が駆動を停止した後、一定のタイミングで切り替えスイッチ4cを固定接点4c−2側に切り替え、ブレード3が清掃電位となるようにする。この第4実施形態では、既述のごとく切り替えスイッチ4cの固定接点4c−2を接地(アース)してある。したがって、ブレード3の清掃電位は、接地電位(0kV)となる。
【0057】
ブレード3の電位切り替えは、感光体ドラム1の駆動停止後に行なっているので、ブレード3が清掃電位(0kV)となっても、感光体1aにおけるブレード3の対向面は帯電電位(−0.8kV程度)に保たれている。
すなわち、このときブレード3は0kVの清掃電位で、感光体1aは−0.8kV程度の帯電電位となっている。一方、既述したとおりブレード3に付着したトナーは、プラス電位に帯電している。
【0058】
したがって、プラス電位のトナーは、ブレード3より大きな電位差のある感光体1a側に引き寄せられて転移することになる。かくしてブレード3に付着していたトナーを除去することができる。
その後、再び画像形成動作に入るときは、まずブレード3に帯電電圧を印加しない状態で、感光体ドラム1を駆動する。これにより、感光体1a上のトナー(ブレード3から転移したトナー)の付着部分は、ブレード3と対向する部位から下流方向へ移動していく。
【0059】
次いで、一定の遅れタイミング(例えば、0.1sec)をもたせて、電源4の切り替えスイッチ4cを固定接点4c−1側へ切り替え、第1電源部4aをブレード3と接続する。ブレード3には帯電電圧(−1.8kV)が印加されるが、このとき既に感光体1a上のトナー付着部分は、下流方向へ移動しているため再びトナーがブレード3に引き寄与せられることはない。
なお、感光体ドラム1の駆動停止後、ブレード3を清掃電位にするための切り替えタイミングとして、この実施形態では0.1secの間隔をおいたが、この切り替えタイミングは任意に設定することができる。
【0060】
また、感光体ドラム1が駆動後、ブレード3へ帯電電圧を印加するときの遅れタイミングは、任意に設定することができる。
この発明は、上述した各実施形態に限定されるものではない。
例えば、ブレード3に付着したトナーを除去するための清掃電位は、感光体1aの帯電電位より絶対値が小さければ、該帯電電位と同じ極性(マイナス)の電位であってもよい。
【0061】
また、上記第4実施形態では、清掃電位を接地電位(0kV)としたが、これに限らず、例えば、第2実施形態と同様に帯電電位と逆極性の電位に設定することもできる。さらに、第3実施形態と同様に交流電圧をブレード3に印加することにより、清掃電位を形成することもできる。
さらに、この発明は、感光体ドラム(像担持体)1の周囲に、クリーニング装置と帯電ブレードがそれぞれ配設され、そのクリーニング装置と帯電ブレードとが別個に設けられた画像形成装置にも同様に適用することができる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、簡易な構成で接触帯電部材における感光体との対向面に付着したトナーを除去することができ、長期間にわたり良好な画像品質を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る画像形成装置の概要を示す構成図である。
【図2】図1に示した接触帯電・クリーニング装置を更に詳しく説明するための構成図である。
【図3】この発明の第1実施形態に係る画像形成装置を説明するためのタイミングチャートである。
【図4】この発明の第1実施形態に係る画像形成装置において、ブレードに付着したトナーが感光体へ引き寄せられる状態を示す模式図である。
【図5】この発明の第2実施形態に係る画像形成装置を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】この発明の第3実施形態に係る画像形成装置を説明するためのタイミングチャートである。
【図7】この発明の第4実施形態に係る画像形成装置を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】電子写真プロセスを用いた画像形成装置の概略構成図である。
【図9】従来の画像形成装置に用いられていたクリーニング手段の一例を示す概略構成図である。
【図10】従来の接触帯電器の一例を示す概略構成図である。
【図11】従来の画像形成装置が備えている接触帯電・クリーニングブレードを示す概略構成図である。
【符号の説明】
1:感光体ドラム(像担持体) 1a:感光体
2:接触帯電・クリーニング装置
3:接触帯電・クリーニングブレード(接触帯電部材)
4:電源 4a:第1電源部
4b:第2電源部 4c:切り替えスイッチ
5:露光装置 6:現像装置
10:転写装置
Claims (9)
- 駆動可能な像担持体と、この像担持体の表面に接触する接触帯電部材とを備え、該接触帯電部材に所定の帯電電圧を印加して前記像担持体を帯電する画像形成装置において、
前記像担持体における前記接触帯電部材に対向する対向面が、前記像担持体が駆動されている間の所要の帯電電位であって前記像担持体が停止している状態で、前記接触帯電部材の電位を、該接触帯電部材における像担持体表面との対向面に付着したトナーを前記像担持体に転移させることが可能な所要の清掃電位に切り替えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記接触帯電部材は、前記像担持体の表面をクリーニングするクリーニング部材も兼ねていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 駆動可能な像担持体の表面に接触する接触帯電部材に付着したトナーを除去する接触帯電部材のトナー除去方法であって、
前記像担持体が停止している状態で、該像担持体における前記接触帯電部材に対向する対向面が、前記像担持体が駆動されている間の所要の帯電電位であるときに、前記接触帯電部材の電位を該接触帯電部材における像担持体表面との対向面に付着したトナーを前記像担持体に転移させることが可能な所要の清掃電位にし、前記接触帯電部材の対向面に付着しているトナーを前記像担持体に転移させて前記接触帯電部材から除去する接触帯電部材のトナー除去方法。 - 前記接触帯電部材は、一部が前記像担持体の表面に接触するブレードであることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
- 前記接触帯電部材は、一部が前記像担持体の表面に接触するブレードであることを特徴とする請求項3記載の接触帯電部材のトナー除去方法。
- 前記清掃電位を、接地電位としたことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
- 前記清掃電位を、前記像担持体の帯電電位と反対の極性にしたことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
- 前記接触帯電部材に交流電圧を印加することにより、前記清掃電位を形成することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
- 前記像担持体の駆動開始後、前記接触帯電部材に前記帯電電圧を印加することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
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