JP3602414B2 - 吸水型舗道 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は特定形状の舗道盤を敷いた吸水型舗道盤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、舗道用に敷かれる舗道盤は四角形などのものが使用されており、舗道盤は相互に密着するか、相互間に隙間を設け目地材を入れて塞いでいる。このため、地下の土中に対して雨水や空気が滲み込まないので、近辺の草木の育成を困難にしている。
これを変えたものに実開昭50−100332号があり、方形に形成した本体の一側両隅に幅を側長の1/4とし、奥行きを任意の長さとした方形の切欠を設けた敷石を適宜組合せて、敷石の一辺の半分程度を一辺とする空隙を多くつくり、そこに排水機能をもたせ、あるいは土盛りして緑地化できるとしているが、この効果の必要性には疑問がある。また、実開昭50−83132 号には透水機能をもたせた敷石として、透孔を設けるか側縁の接合部に空隙を生ずるようにしたものが示されているが、とくに工夫がみられるものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は舗道盤を敷いた舗道において、舗道盤への荷重圧を広域に分散するとともに、荷重があっても土圧のかからない部分を多く設け、樹木などに雨水や空気が供給されやすくして、環境が保全されるようにしたものを提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
こにおいて本発明者は、舗道盤としてそれぞれ直方体をなす矩形盤とその下側に段差を形成して対称に向き合う2個の脚盤とからなり、矩形盤は所定厚さで長辺の長さaおよび短辺の長さbを有し、脚盤は所定厚さで長辺の長さcがc=b+2fなる関係を有し、脚盤の両短辺が矩形盤の長辺の両端から等距離にあって矩形盤の長辺から突出長さeがe=(a−b)/2となるように突出しているものを互いに密着させ、各舗道盤における矩形盤の上面が同一平面内にあり、隣り合う舗道盤において矩形盤の長辺が互いに直交し、一つの舗道盤の矩形盤の短辺とそれに隣り合う舗道盤の脚盤の外側の長辺の各側面が同一平面内にあり、一つの舗道盤の矩形盤の長辺とそれに隣り合う舗道盤の矩形盤の短辺が幅fの溝を形成するようにして得られる吸水型舗道が得られることを見出すにいたった。
【0005】
矩形盤の長辺と短辺の長さおよび吸水型舗道における隣り合う舗道盤の矩形盤がなす溝の幅を適宜選択するが、溝の幅は5〜10mmが適当であり、脚盤の内側の長辺の下端間を矩形盤の下面に接してア−チ状に肉付けしてあると舗道盤の強度保持上好都合である。
【0006】
舗道盤の脚盤が形成する四角形の孔ならびにその上段で矩形盤が形成する一回り大きく、切れ目のある四角形の孔からなる段差ある四角孔には通水孔を有する栓を差込んでおくと好都合である。なお、以上の四角形の孔は正方形である。本発明の吸水型舗道は歩道や駐車場、庭園等の敷石として使用される。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明における舗道盤は矩形盤と脚盤が一体にできており、コンクリ−トやセラミックス、ガラスなどで成形して得られる。矩形盤の長辺と短辺の長さの比は4:3が適当であり、脚盤における短辺の長さは非接地面積をどれだけ設けるかに応じて選択される。舗道における段差ある四角孔に差込む通水孔を有する栓は合成樹脂などを成形して用いる。
【0008】
吸水型舗道で隣り合う舗道盤における矩形盤の長辺と短辺間の溝の幅が5〜10mmであると、歩行者の妨げになるようなことがなく、雨水の通路となる。また、脚盤の短辺の長さを矩形盤の長辺からの突出長さの2倍程度、矩形盤の短辺の1/3程度にしておくと、舗道盤の接地面積が小となり、土面に対して舗道盤に与えた荷重圧のかからない部分が大になるので、雨水や空気の土中への浸透を容易にする。
【0009】
舗道盤の設計にあたっては、下記の基本式
e=(a−b)/2 (1)
c=b+2f (2)
をふまえ、最初に矩形盤の長辺の長さaおよび短辺の長さbを設定する。式(1)より脚盤の短辺が矩形盤の長辺から突出する長さeを求める(図1参照)。ついで、吸水型舗道を形成した際、隣り合う矩形盤の長辺および短辺が形成する溝の幅f(図5参照)を設定して式(2)により脚盤の長辺の長さc(図1参照)を求める。溝の深さは矩形盤の厚さに相当する。なお、その際矩形盤が形成する四角形の孔の一辺の長さGおよび脚盤が形成する四角形の孔の一辺の長さg(図7参照)は下記の式により求めることができる。
G=(a−b)/2+f (3)
g=(a−b)/2−f (4)
四角形の孔G、gの深さはそれぞれ矩形盤、脚盤の厚さとなる。脚盤の短辺の長さは舗道盤の接地面積を考慮して選択する。最後に矩形盤ならびに脚盤の強度を考慮してその厚さを適宜選択すれば、舗道盤の基本的な形状が決定される。
【0010】
吸水型舗道を形成するにあたり目詰め作業は一切不要で、矩形盤間の溝に砂などを入れてもよい。本発明の舗道盤で形成される吸水型舗道は、矩形盤が受ける荷重をその吸水型舗道盤の脚盤と、その脚盤上の矩形盤の短辺に隣り合う舗道盤の脚盤が受ける。これが繰り返されて荷重の負担が二次元的に他の脚盤に伝播するので、荷重は吸水型舗道内の多数の脚盤に分配される結果となり、荷重による土圧が広域に分散する。したがって、土が固まりにくく、雨水が浸透しやすい。
【0011】
吸水型舗道を形成すると段差ある四角孔を形成するが、舗道盤が大きく、この段差ある四角孔が大きくなる場合には、そこに頂部が矩形盤の平面位置に合い通水孔を有する栓を差込んでおくとよい。段差ある四角孔の活用方法として、そこに発光ダイオ−ド等の発光装置を設置して各種の図形や模様を形成し舗道を装飾することも可能である。
【0012】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。舗道盤1はその形状を図8に示すごとき脚盤間をア−チ状にしたもので、コンクリ−トを加圧成形して得た。舗道盤の形状については、まず、最初に矩形盤2の長辺の長さaと短辺の長さbを、a:b=4:3になるようにして320mmと240mmに設定した。ついで、式(1)から矩形盤2の長辺から突出する脚盤3の突出の長さeを40mmと算出した。つぎに、吸水型舗道を形成した際隣り合う矩形盤2の長辺および短辺により形成される溝4の幅fの長さを5mmと決めた。その結果、式(2)から脚盤3の長辺の長さcが250mmと求まった。一方、式(3)から矩形盤2が形成する四角形の孔の一辺の長さGの値が45mm、また、式(4)から脚盤3が形成する四角形の孔の一辺の長さgが35mmとそれぞれ求まった。最後に脚盤3の短辺の長さは接地面積を考慮して選択するが、通常にしたがい脚盤3の短辺の長さを矩形盤2の長辺からの突出長さeの2倍、矩形盤2の短辺の長さの1/3にして80mmとした。矩形盤2ならびに脚盤3の厚さを25mmとして舗道盤の形状が決定した。
【0013】
吸水型舗道を作るには、隣り合う舗道盤1において、矩形盤2の長辺が互いに直交し、一つの舗道盤1の矩形盤2の短辺とそれに隣り合う舗道盤1の脚盤3の外側の長辺の各側面が同一平面内にあるようにして2次元的に互いに密着して各舗道盤1における矩形盤2の上面が同一平面内にあるように形成すればよい。吸水型舗道の形状、すなわち、舗道盤1を密着した状態を説明するため、図3と図4にアーチ状の部分がない他の形状の舗道盤1を2個組合わせた状態を示し、図5と図6にはアーチ状の部分がない他の形状の舗道盤1を4個組合わせた状態を示してある。これが拡大されて吸水型舗道が形成される。
【0014】
吸水型舗道の形成により生じた段差ある四角孔5(下段は一辺35mmの正方形、上段は一辺45mmの正方形、深さはともに25mm)に対しては、着色ポリカ−ボネ−ト樹脂で成形した図9に示すごとき段差を設け通水孔を有する栓6を差込んで塞いでおく。
【0015】
【発明の効果】
本発明の吸水型舗道は隣り合う舗道盤の矩形盤の長辺と短辺間に溝を生ずるので雨水の通路となり、また、隣り合う舗道盤の脚盤と矩形盤で形成する段差ある四角孔が雨水や空気の土中への流入口となる。この段差ある四角孔に栓を差込んである場合でも、それに通水孔を設けてあるので雨水や空気の流入の妨げとなるようなことはない。とくに、吸水型舗道内の脚盤が舗道盤上の荷重を広域に分散し、脚盤のない部分には荷重による土圧がかからないので、雨水や空気の土中への流入を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】舗道盤を示し、(a)は上方からの斜視図、(b)は下方からの斜視図である。
【図2】舗道盤を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右側面図、(d)は底面図である。
【図3】舗道盤2個を組合わせた場合の斜視図である。
【図4】舗道盤2個を組合わせた場合を示す説明図である。
【図5】舗道盤4個を組合わせた場合の平面図である。
【図6】舗道盤4個を組合わせた場合の底面図である。
【図7】段差ある四角孔の説明図である(A、B、C、Dは矩形盤、A’、B’、C’、D’は脚盤)。
【図8】脚盤間をア−チ状にした舗道盤を下方からみた斜視図である。
【図9】栓の正方形をなす頂面の中央を通り正面の側面に平行に切断した断面図である。
【符号の説明】
1 舗道盤
2 矩形盤
3 脚盤
4 溝
5 段差ある四角孔
6 栓

Claims (4)

  1. 舗道盤としてそれぞれ直方体をなす矩形盤とその下側に段差を形成して対称に向き合う2個の脚盤とからなり、矩形盤は所定厚さで長辺の長さaおよび短辺の長さbを有し、脚盤は所定厚さで長辺の長さcがc=b+2fなる関係を有し、脚盤の両短辺が矩形盤の長辺の両端から等距離にあって矩形盤の長辺から突出長さeがe=(a−b)/2となるように突出しているものを互いに密着させ、各舗道盤における矩形盤の上面が同一平面内にあり、隣り合う舗道盤において矩形盤の長辺が互いに直交し、一つの舗道盤の矩形盤の短辺とそれに隣り合う舗道盤の脚盤の外側の長辺の各側面が同一平面内にあり、一つの舗道盤の矩形盤の長辺とそれに隣り合う舗道盤の矩形盤の短辺が幅fの溝を形成するようにして得られる吸水型舗道。
  2. 溝の幅が5〜10mmである請求項1記載の吸水型舗道。
  3. 脚盤の内側の長辺の下端間を矩形盤の下面に接してア−チ状に肉付けしてある請求項1又は請求項2記載の吸水型舗道。
  4. 舗道盤の脚盤が形成する四角形の孔ならびにその上段で矩形盤が形成する一回り大きく、切れ目のある四角形の孔からなる段差ある四角孔に通水孔を有する栓を差込んである請求項1、2又は3記載の吸水型舗道。
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