JP3602373B2 - 磁場応用装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば永久磁石粉末成形装置等の磁場応用装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は例えば特開平9ー165603号公報に示された従来の永久磁石粉末成形装置の断面図である。磁場応用装置であるこの磁場応用装置は、金型101内に保持された磁性粉体102が、上,下ベッド103,104に取り付けられた上,下パンチ105,106によって圧縮されるようになっている。この磁性粉体102個々の粒は磁気異方性を持つため、永久磁石の特性を向上させるためには磁性粉体102の個々の粒の異方性を揃える、すなわち配向させる必要がある。この磁性粉体102を配向させるために、金型101を取り囲むように磁場発生部107を設け、圧縮成型する際に磁性粉体102に磁場を印加していた。
【0003】
すなわち、金型101に磁性粉体102を導入し、磁性粉体102が磁場発生部107の中心部付近に設定された状態で約1.5Tの磁場を発生させ、磁性粉体102を磁束線に沿って配向させる。その上で、上,下パンチ105,106で圧縮成形し、成形が終了した段階で磁場を低下させ成形された磁性体を金型101から取り出していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の永久磁石粉末成形装置のように、磁場中で加圧成形された磁性体はそれ自身の保磁力により磁場を発生するので、磁場発生部107の磁場を下げないと金型101から取り出せないという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記のような問題点を解決することを課題とするものであって、定常磁場中で磁性体を移動させる際の電磁力の影響を軽減して移動を容易にし得る磁場応用装置を得ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本請求項1に係る発明の磁場応用装置は、磁場勾配を有する定常磁場を発生する定常磁場発生部と、該定常磁場発生部内部に磁性体を磁場勾配を通過して出し入れする移動機構とを備え、前記定常磁場発生部は、主磁場を発生する超電導コイルからなる主コイルと、該主コイルの磁場勾配を緩和する磁場勾配緩和手段とを有したものである。
【0007】
請求項2に係る発明の磁場応用装置では、磁場勾配緩和手段は、主コイルと同方向の緩和磁場を発生する副コイルである。
【0008】
請求項3に係る発明の磁場応用装置では、磁場勾配を有する定常磁場を発生する定常磁場発生部と、該定常磁場発生部内部に磁性体を磁場勾配を通過して出し入れする移動機構とを備え、前記定常磁場発生部は主コイルを有し、該主コイルは軸方向に沿って巻線電流値を変化させて磁場勾配を緩和させる分布巻線である。
【0009】
請求項4に係る発明の磁場応用装置では、磁性体が出し入れされる定常磁場発生部の出し入れ口の近傍に配設され主磁場を発生する主コイルの磁場勾配を緩和する鉄のヨークによる磁路形成部材である。
【0011】
請求項5に係る発明の磁場応用装置では、鉄のヨークは、主コイルを真空断熱して収納した真空容器の天壁上に配設されている。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る磁場応用装置を示す断面図である。この実施の形態も、従来例と同様に磁場応用装置を永久磁石粉末成形装置に適用したものである。
【0013】
この磁場応用装置1は、磁場勾配を有する定常磁場を発生する定常磁場発生部4と、この定常磁場発生部4の内部に磁性体2を磁場勾配を通過して出し入れする移動機構5とを備えている。定常磁場発生部4は、主磁場を発生する主コイル6と、この主コイル6と同軸的に配置され主磁場と同方向の緩和磁場を発生して磁場勾配を緩和する磁場勾配緩和手段としての副コイル7とを有している。
定常磁場発生部4は中心に軸方向に貫通する空所である常温ボア3を有し、この常温ボア3に磁性体が軸方向に挿入されるようになっている。さらに詳述すると、この定常磁場発生部4は、上記主コイル6及び副コイル7を真空断熱して収容する真空容器8と、主コイル6及び副コイル7を真空容器8内に支持する断熱支持材9と、主コイル6及び副コイル7を冷却する冷却装置10とを備えている。
【0014】
真空容器8は磁場空間を利用するための常温ボア3を有する中空円筒形状で、筒状の外周壁81と、外周壁81の内方に所定間隔を隔てて同心的に配置される内周壁82と、外周壁81及び内周壁82の上端部をそれぞれ接続するリング状の天壁83と、外周壁81及び内周壁82の下端部をそれぞれ接続するリング状の底壁84とから構成され、内周壁82が常温ボア3を取り囲むようになっている。
主コイル6は円筒形状に成形されたソレノイドコイルで、内周壁82を介して常温ボア3を取り囲むように配置されている。一方、磁場勾配緩和手段である副コイル7も円筒形状に成形されたソレノイドコイルで、主コイル6の上方に同軸的に配置されている。主コイル6及び副コイル7は、例えば銅安定化ニオブチタン合金の超電導線で構成されている。
主コイル6及び副コイル7はコイル支持部材11によって一体化されており、このコイル支持部材11に断熱支持材9の一端が固定されている。断熱支持材9の他端は天壁83に固定され、主コイル6及び副コイル7が一体となって真空容器8の天壁83に吊り下げられている。
【0015】
冷却装置10は主コイル6及び副コイル7を超電導状態に保つためにこれらのコイル6,7を冷却する冷凍機であり、真空容器8の天壁83上面に設置され、伝熱部材12を介してコイル支持部材11に接続され、主コイル6及び副コイル7は伝熱によって冷却されるようになっている。
移動機構5は、磁性粉体である磁性体2を保持する空間部13aを備えた金型13と、上,下パンチ14,15とを備えている。第1のパンチである上パンチ14は図示しないプレスの上ラム等によって駆動されるもので、定常磁場発生部4の中心軸となる常温ボア3の中心軸に沿って上下方向に移動自在となっている。一方、第2のパンチである下パンチ15は図示しないプレスの下ラムあるいはプレスに設けられる他の駆動機構等によって駆動されるもので、上パンチ14と同軸的に常温ボア3の中心軸に沿って上下方向に移動自在となっている。
【0016】
下パンチ15は、金型13の下端面を支持する円板状の金型支持部16と、金型13の空間部13aの下端開口部に挿入され金型支持部16上面に載置される円板状の下パンチチップ17と、上端が金型支持部16に接続されるパンチロッド18とを備えている。このパンチロッド18の下端は図示しないプレスの下ラムあるいは他の駆動装置に作動連結されている。そして、パンチロッド18を上下方向に移動することによって、金型13を定常磁場発生部4内部の常温ボア3に出し入れするようになっている。この意味で、下パンチ15のパンチロッド18及び金型支持部16が移動機構を構成する。もっとも、定常磁場発生部4を移動させて金型13を定常磁場発生部4内に出し入れするようにしてもよい。その場合には、定常磁場発生部4を移動させる移動機構を別途設ければよい。
定常磁場発生部4に出し入れされる磁性体2は、常温ボア3内に挿入される際には粉末状の磁性粉体であり、常温ボア3から外部に取り出される際には押し固められた圧粉体である。
【0017】
この磁場応用装置1では、永久磁石粉体である磁性体2の個々の粒は磁気異方性を持つので永久磁石の特性を向上させるためには磁性体2の個々の粒の異方性を揃える、すなわち配向させる必要がある。配向性は、超電導コイルで構成された主コイル6の発生磁場が高いほど高い。
従来例では常電導コイルを用いているので、発生磁場は最大2T程度が限度であり、また常電導コイルではその磁場を発生するためには電力消費が大きい。一方、超電導コイルは5Tの磁場を発生しても電気抵抗が無いので消費電力は極めて少なく、ほぼ小型冷凍機による電力だけである。ただし、超電導コイルは超伝導状態の安定性から急速な励消磁は困難である。つまり、この実施の形態では、主コイル6及び副コイル7への通電を停止して金型13内から磁性体2を取り出すことは困難である。
【0018】
この磁場応用装置1では、主コイル6及び副コイル7によって定常磁場を発生させておき、あらかじめ金型13に入れた粉末状の磁性体2を主コイル6の中心の磁場中心に移動させながら配向させた後、上下パンチ14,15によって、加圧成形し配向した粒が動かないように固定する。その後、加圧成形された磁性体2を再び磁場下で移動し、定常磁場発生部4の内部から取り出す。
【0019】
定常磁場発生部が超電導コイルで構成された主コイルのみの場合には、発生磁場は強く、配向性が高いものの、磁性体を定常磁場発生部の内部から取り出す移動機構の移動負荷が大きい。
この実施の形態では、主コイル6の磁場勾配を緩和するために、主コイル6と同方向の磁場を発生する磁場勾配緩和手段としての副コイル7を備えたことにより、磁性体2の移動時に磁性体2に加わる電磁力を緩和し移動機構の負担を軽減している。
【0020】
図2は、この主コイル6、及び主コイル6と直列に電気的に接続された副コイル7の設計例を示し、また図3は図2の設計例における中心軸上での軸方向の磁場勾配を計算した結果を示す図である。
図2に示した主コイル6は内径600mm、外径660mm、軸長300mmのものである。また、副コイル7は主コイル6から軸方向に中心間で400mm離れたもので、内径800mm、外径840mm、軸長200mmの形状のものである。
図3は、主コイル6のみに197A/mm2の電流を印加して主コイル6の中心磁場の磁束密度を0.3Tとした場合と、主コイル6及び副コイル7に電流密度173A/mm2の電流を印加して主コイル6の中心磁場の磁束密度を0.3Tとした場合とについてのそれぞれの磁場勾配を示している。
この図から分かるように、主コイル6に副コイル7を組み合わせることにより、最大磁場勾配は約半分になっているのが分かる。磁性体2の移動時に加わる電磁力はほぼ磁場勾配に比例するので、副コイル7を組み合わせることにより、主コイルのみで主コイルの中心に所定の磁束密度を発生させた場合と比べて最大電磁力は約半分に低減できる。
【0021】
次に、本発明の他の実施の形態2乃至5について説明する。以下の説明では実施の形態1と異なる点、及び先の実施の形態との異なる点について説明するものとし、同一の構成部分については同一符号を付してその説明は省略する。
【0022】
実施の形態2.
図4は本実施の形態2に係る磁場応用装置201を示す断面図である。
この磁場応用装置201も、磁場勾配を有する定常磁場を発生する定常磁場発生部4と、この定常磁場発生部4の常温ボア3内に磁性体2を磁場勾配を通過して出し入れする移動機構5とを備えている。
定常磁場発生部4は常温ボア3を取り囲むように配置される主コイル206を有し、この主コイル206は軸方向に巻線電流値を変化させて磁場勾配を緩和させる分布巻線となっている。
主コイル206は、実施の形態1と同様に、例えば銅安定化ニオブチタン合金の超電導線で構成されており、真空容器8内に断熱支持材9によって真空断熱されて固定されている。
【0023】
主コイル206の分布巻線構造は、その中心から磁性体2の挿入口側(常温ボア3の上端開口部)に向かい軸長あたりの巻線電流値(アンペアターン)が少なくなるよう配置している。このように配置された主コイル206のつくる磁場は前記実施の形態1に比べても磁場勾配が緩和されやすく、任意の磁場分布を作ることができる。このことから、磁性体21の移動時に作用する最大電磁力が小さくなる。
図示の主コイル206の分布巻線構造は、たとえば3つのコイル206a,206b,206cが同軸に重ねられた構成となっており、その軸長は、内側のコイル206aが最も長く、中間のコイル206bが2番目、外側のコイル206cが最も短くなっている。そして、各コイル206a,206b,206cの磁性体の反挿入口側(下パンチ15側)の端部が同一位置に揃えられ、挿入口側の端部位置が、その軸長の差分だけ、内側のコイル206aが挿入口に近く、中間のコイル206bが2番目、外側のコイル206cが挿入口から最も遠くなっている。
【0024】
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3による磁場応用装置301を図に基づいて説明する。
図5は本実施の形態による磁場応用装置301を示す断面図である。
この磁場応用装置301も、磁場勾配を有する定常磁場を発生する定常磁場発生部4と、この定常磁場発生部4の常温ボア3内に磁性体2を磁場勾配を通過して出し入れする移動機構5とを備えている。
定常磁場発生部4は、常温ボア3を取り囲むように配置される主コイル6と、緩和磁場を発生して磁場勾配を緩和する磁場勾配緩和手段とを備えている。この磁場勾配緩和手段は、磁路形成部材としての鉄等のヨーク307である。このヨーク307は、磁性体2が出し入れされる定常磁場発生部4の出し入れ口の近傍に配設されている、即ち中央に丸穴が開いた中空円盤形状で真空容器8の天壁83に上面に取付られている。ヨーク307は常温ボア3の磁性体挿入口を取り囲むように設けられ、常温ボア3より大きい口径を有する。
【0025】
このように構成された磁場応用装置301は、実施の形態1と同様にヨーク307により磁場勾配が緩和できるので、磁性体2の移動する際に作用する最大電磁力を低減できるだけでなく、実施の形態1での副コイル7のような巻線部材が不要であり、鉄板等のヨーク材だけですむ。また、ヨーク307は主コイル6のように極低温部に設置してもよいが、図5のように常温部に設置が可能であるので、冷却装置10の冷却重量が少なくてよく初期冷却時間を短縮することができる。
【0026】
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4による磁場応用装置401を図に基づいて説明する。
図6は実施の形態4による磁場応用装置401を示す断面図である。
この磁場応用装置401も、磁場勾配を有する定常磁場を発生する定常磁場発生部4と、この定常磁場発生部4内部の常温ボア3内に磁性体2を磁場勾配を通して出し入れする移動機構5とを備えている。
この実施の形態では、移動機構5を構成する、上,下パンチ414,415が、磁性体2と同等の磁気特性を有する磁性材料が用いられている。たとえば、磁性体2がネオジウム鉄ボロン永久磁石の磁性粉体の場合には、上,下パンチ414,415を磁性体2と同等の磁気特性を有する磁性材料、例えばネオジウム鉄ボロンの焼結体で構成される。もちろん、比較的よく似た磁性を有する軟鉄などの鋼でも同様の効果を得ることができる。ただし、第2のパンチである下パンチ415の内、磁性材料と同等の磁気特性を持たせるのは、下パンチチップ417とパンチロッド418である。
【0027】
このように構成された磁場応用装置401では、磁性体2と上下パンチ414,415の磁気特性が同等であるので、この磁性体2と上下パンチ414、415とを同時に一体で主コイル6の中心軸方向に沿って移動させても、磁性体2が受ける電磁力はほぼゼロである(主コイル6の中心部は磁束密度が一番高く、一般には磁性体2はその中心部側に向けて電磁力が作用するが、この実施の形態では磁性体2と上下パンチ414、415とを例えば上動させたときには、その主コイル6の上半分側では下方向に電磁力が作用し、下半分側では上方向に電磁力が作用し、磁性体2及び上下パンチ414、415の全体では電磁力は相殺されてほぼゼロである。)。したがって、その反作用として作用する主コイル6の支持構造は不要になり、主コイル6の重量を支持するだけでよい。
【0028】
また、主コイル6が超電導コイルの場合は断熱支持材9は耐荷重が小さくてよいので断面積が小さくてよく、主コイル6への熱侵入量を低減することができる。
【0029】
実施の形態5.
次に、本発明の実施の形態5による磁場応用装置501を図に基づいて説明する。
図7は実施の形態5による磁場応用装置501を示す断面図である。
この磁場応用装置501も、磁場勾配を有する定常磁場を発生する定常磁場発生部4と、この定常磁場発生部4の常温ボア3内に磁性体2を磁場勾配を通過して出し入れする移動機構5とを備えている。
この実施の形態も、実施の形態4と同様に移動機構5を構成する上下パンチ514,515が磁性体2と同等の磁気特性を有するものである。この実施の形態では、第1のパンチである上パンチ514,第2のパンチである下パンチ515は磁性体2と同等の磁気特性となるように、強磁性材514a,515aと、それ以外の常磁性材514b,515bを組み合わせて構成したものである。たとえば、強磁性材514a,515aとして純鉄パイプ、常磁性材514b,515bとして常磁性ステンレス棒を組み合わせて構成される。
【0030】
このように、上下パンチ514,515を複合化して磁性体2とほぼ同等の磁性を持つので、移動する上下パンチ514,515及び磁性体2に加わる電磁力の合計はほぼゼロになるので、移動時の力は非常に小さくてよい。また、その電磁力は主コイル6に反力として加わることから、この電磁力もほぼゼロであり、主コイル6の磁力支持を考慮しなくてよいので構成が容易になる。
【0031】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1に係る磁場応用装置によれば、磁場勾配を有する定常磁場を発生する定常磁場発生部と、該定常磁場発生部内部に磁性体を磁場勾配を通過して出し入れする移動機構とを備え、前記定常磁場発生部は、主磁場を発生する超電導コイルからなる主コイルと、該主コイルの磁場勾配を緩和する磁場勾配緩和手段とを有しているので、定常磁場発生部の磁場勾配が緩和され、磁性体の移動時に磁性体に作用する電磁力を低減できる。
【0032】
また、請求項2に係る発明の磁場応用装置によれば、磁場勾配緩和手段は、主コイルと同軸上に設けられ主コイルと同方向の緩和磁場を発生する副コイルであるので、簡単な構成で定常磁場発生部の磁場勾配を緩和することができる。
【0033】
また、請求項3に係る発明の磁場応用装置によれば、磁場勾配を有する定常磁場を発生する定常磁場発生部と、該定常磁場発生部内部に磁性体を磁場勾配を通過して出し入れする移動機構とを備え、前記定常磁場発生部は主コイルを有し、該主コイルは軸方向に沿って巻線電流値を変化させて磁場勾配を緩和させる分布巻線であるので、定常磁場発生部の磁場勾配が緩和され、磁性体の移動時に磁性体に作用する電磁力を低減できる。
【0034】
また、請求項4に係る発明の磁場応用装置によれば、磁場勾配緩和手段は、磁性体が出し入れされる定常磁場発生部の出し入れ口の近傍に配設され主磁場を発生する主コイルの磁場勾配を緩和する鉄のヨークによる磁路形成部材であるので、簡単な構成で定常磁場発生部の磁場勾配を緩和することができる。
【0036】
また、請求項5に係る発明の磁場応用装置によれば、鉄のヨークは、主コイルを真空断熱して収納した真空容器の天壁上に配設されているので、鉄板等のヨーク材の設置だけで済み、副コイルのような巻線部材が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による磁場応用装置を示す断面図である。
【図2】実施の形態1による主コイルと副コイルの設計例を示す断面図である。
【図3】実施の形態1による主コイルと副コイルの設計例の磁場勾配分布を示すグラフである。
【図4】本発明の実施の形態2による磁場応用装置を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態3による磁場応用装置を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態4による磁場応用装置を示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態5による磁場応用装置を示す断面図である。
【図8】従来の磁場応用装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1,201,301,401,501,601,701,801 磁場応用装置、2 磁性体、4 定常磁場発生部、5,605,805 移動機構、6 主コイル、7 副コイル(磁場勾配緩和手段)、8 真空容器、13 金型、14,414,514 上パンチ(第1のパンチ)、15,415,515 下パンチ(第2のパンチ)、206 主コイル(分布巻線)、206a,206b,206c コイル、307 ヨーク(磁場勾配緩和手段)、514a,515a 強磁性材、514b,515b 常磁性材。
Claims (5)
- 磁場勾配を有する定常磁場を発生する定常磁場発生部と、
該定常磁場発生部内部に磁性体を磁場勾配を通過して出し入れする移動機構とを備え、
前記定常磁場発生部は、主磁場を発生する超電導コイルからなる主コイルと、該主コイルの磁場勾配を緩和する磁場勾配緩和手段とを有している磁場応用装置。 - 磁場勾配緩和手段は、主コイルと同軸上に設けられ主コイルと同方向の緩和磁場を発生する副コイルである請求項1に記載の磁場応用装置。
- 磁場勾配を有する定常磁場を発生する定常磁場発生部と、
該定常磁場発生部内部に磁性体を磁場勾配を通過して出し入れする移動機構とを備え、
前記定常磁場発生部は主コイルを有し、該主コイルは軸方向に沿って巻線電流値を変化させて磁場勾配を緩和させる分布巻線である磁場応用装置。 - 磁場勾配緩和手段は、磁性体が出し入れされる定常磁場発生部の出し入れ口の近傍に配設され主磁場を発生する主コイルの磁場勾配を緩和する鉄のヨークによる磁路形成部材である請求項1に記載の磁場応用装置。
- 鉄のヨークは、主コイルを真空断熱して収納した真空容器の天壁上に配設されている請求項4に記載の磁場応用装置。
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