JP3532888B2 - 強磁気力場発生装置 - Google Patents
強磁気力場発生装置Info
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Description
置に関するものである。
はX線構造解析がある。このX線構造解析をするために
はタンパク質を結晶化する必要があるが、この結晶の品
質が解析精度を支配する一因となっている。
の対流が抑えられ、1Gの重力中で作製したものよりも
タンパク質結晶の品質が優れていることが報告されてい
る(N.I.Wakayama,Mitsuo Ata
ka,Haruo Abe,“Effect of a
magnetic field gradient o
n the crystallization of
hen lysozyme,”Journal of
Crystal Growth 178 pp.653
−656,1997.)。
は、試料を衛星軌道上に打ち上げる方法、あるいは、タ
ンパク質や水等は反磁性体であるので、重力を打ち消す
ように磁気力をタンパク質水溶液に加える方法がある。
しかし前者には費用が掛かることや機会がよく取れない
等の問題があり、後者の磁気力を用いる方法が期待され
ている。なお、言うまでもないが、反磁性体とは、外部
磁場Hに対して逆方向に磁化する物質のことである。
環境を実現させる装置に関するものである。用途として
は、主にタンパク質の結晶成長があるが、それのみに留
まらず、微小重力環境を利用した合金、薬、タンパク質
以外の結晶等の精製等にも適用することができる。
で仮想的に微小重力状態にするためには、絶対値が大き
く、空間的に均一な磁気力場(磁場と勾配磁場の積を磁
気力場と定義し、これ以降、磁気力場と表記する)が必
要となる。現在、絶対値が大きな磁気力場を実現させる
手段として、超伝導電磁石を外層、水冷銅磁石を内層に
用いたハイブリット型の大型電磁石が利用されている。
ット型電磁石は電磁石自体が巨大であり、運転に必要な
電力も数MWと巨大である。よって、このような装置を
製造し運転するための費用は大きくなる。
ズの超伝導マグネットの中空部分にその超伝導マグネッ
トと同じ方向に磁場を発生させる超伝導コイルと逆方向
の磁場を発生させる超伝導コイルとを加えることによっ
て大きな磁気力場を得る方法や、更に強磁性体のリング
又は円盤を加えて大きな磁気力場を得る方法がある(例
えば、特開2000−77225号公報参照)。
た従来技術では、大きな磁気力場を発生させるために、
市販サイズの超伝導マグネットの中空部分に更なる超伝
導電磁石を加える必要がある。その場合、超伝導電磁石
を絶対温度4K程度に冷却する必要があるため、装置の
構造は複雑となり、製造コストが高くなってしまう。
電導電磁石の中空部分に加えることによって磁気力場は
増加されるが、この場合、空間的に均一な磁気力場を得
ることができない。
石の中空部分に加える場合の問題点について以下に詳細
に説明する。
電導電磁石の中空部分に加える場合の構成図である。
102はその超伝導電磁石の巻枠、103は超電導電磁
石の中空部分に置かれる円盤状強磁性体である。
置の磁気力場の分布図である。
は磁気力場(T2 /m)を示し、網みかけ部分は試料空
間、曲線aは超伝導電磁石とリング状強磁性体を配置し
た場合の軸方向位置に対する磁気力場を示している。
超電導電磁石の中空部分に加える場合の構成図である。
112はその超伝導電磁石の巻枠、113は超電導電磁
石の中空部分に置かれるリング状強磁性体である。
置の磁気力場の分布図である。
は磁気力場(T2 /m)を示し、網みかけ部分は試料空
間、曲線bは超伝導電磁石とリング状強磁性体を配置し
た場合の軸方向位置に対する磁気力場を示している。
の中心磁場2T以上の磁場を発生する超伝導電磁石10
1,111の中空内部に円盤状強磁性体103やリング
状強磁性体113を配置すると強磁性体の磁化は飽和
し、磁化の方向は超伝導電磁石101,111の磁場の
方向と平行になる。例えば純鉄の場合、その飽和磁化は
2.2Tである。このような強磁性体の近傍では磁場勾
配が大きくなり、磁気力場(磁場と勾配磁場の積)は増
加されることとなる。しかしながら、図10に示すよう
に円盤状強磁性体103を単独で超伝導電磁石101の
中空部分赤道面上方に配置した場合、磁気力場の軸方向
の分布は、図11に示すようになり、空間的に均一とは
ならない。
状強磁性体113を単独で超伝導電磁石111の中空部
分赤道面上方に配置した場合でも、磁気力場の軸方向の
分布は、図13に示すようになり、空間的に均一とはな
らない。
サイズの超伝導電磁石に更なる超伝導電磁石を加えるこ
となく磁気力場を増加させ、かつ磁気力場を空間的に均
一にすることができる強磁気力場発生装置を提供するこ
とを目的とする。
成するために、 〔1〕強磁気力場発生装置において、中心軸が鉛直方向
を向いているソレノイド状超伝導電磁石の中空内部の赤
道面上方に一つの円盤状強磁性体を前記中心軸対称に配
置し、前記円盤状強磁性体の上方に一つのリング状強磁
性体を前記円盤状強磁性体に接触することなく前記中心
軸対称に配置したことを特徴とする。
軸が鉛直方向を向いており、該中心軸に対して同軸状に
配置された複数のソレノイド状超伝導電磁石の中空内部
の赤道面上方に一つの円盤状強磁性体を前記中心軸対称
に配置し、前記円盤状強磁性体の上方に一つのリング状
強磁性体を前記円盤状強磁性体に接触することなく前記
中心軸対称に配置したことを特徴とする。
力場発生装置において、更に、前記赤道面に対して対象
となる位置に前記円盤状強磁性体及びリング状強磁性体
と同じ形状の円盤状強磁性体及びリング状強磁性体を配
置したことを特徴とする。
て詳細に説明する。
装置の構成図であり、図1(a)はその強磁気力場発生
装置の断面図、図1(b)はその強磁気力場発生装置の
一部破断斜視図である。
2はその超伝導電磁石の巻枠、3は超電導電磁石1の中
空部分に置かれる円盤状強磁性体、4は超電導電磁石1
の中空部分に置かれるリング状強磁性体である。
超伝導電磁石1の中空部分赤道面上方に配置し、更に円
盤状強磁性体3の上方に円盤状強磁性体3とは非接触の
状態で円盤状強磁性体3と同軸になるようにリング状強
磁性体4を配置する。このような構成にすることによ
り、リング状強磁性体4と円盤状強磁性体3の勾配磁場
が足し合わされることとなり、リング状強磁性体4と円
盤状強磁性体3の間に磁気力場が増加され、試料空間の
強度が一様となる空間を得ることができる。
示す図である。
は磁気力場(T2 /m)を示し、網みかけ部分は試料空
間、曲線cは超伝導電磁石と円盤状強磁性体及びリング
状強磁性体を配置した場合の軸方向位置に対する磁気力
場を示している。
間内では市販サイズの超伝導電磁石1の発生できる磁気
力場を、従来のように更なる超伝導電磁石を用いること
なしに増加させることができ、なおかつ空間的に均一に
することができる。
場発生装置の構成図である。
2はその超伝導電磁石の巻枠、13は超電導電磁石11
の中空部分に置かれる円盤状強磁性体、14は超電導電
磁石11の中空部分に置かれるリング状強磁性体であ
る。ここでは、円盤状強磁性体13の位置は超伝導電磁
石の中心位置から70mmの高さであり、リング状強磁
性体14の位置は超伝導電磁石の中心位置から92mm
の高さに配置する。
導電磁石11を用い、図3に示すように、その超伝導電
磁石11の中空部分の赤道面上方に純鉄からなる円盤状
強磁性体13とリング状強磁性体14を配置する。
状強磁性体14の形状を表2に示す。
状強磁性体14は超伝導電磁石の発生磁場の方向に磁化
し、その磁化は飽和し、2.2Tとなる。
強磁気力場発生装置の構成図である。
2はその超伝導電磁石の巻枠、23は円盤状強磁性体、
24はリング状強磁性体、25は超伝導電磁石21の保
冷容器、26は円盤状強磁性体23とリング状強磁性体
24を保冷容器25へ固定するための非磁性体からなる
支持材である。
強磁性体23とリング状強磁性体24には磁気力が働く
ので、非磁性体からなる支持材26で超伝導電磁石21
の中空部分に確実に固定する。
がない状態での反磁性体に働く磁気力のベクトル図を、
図6に円盤状強磁性体とリング状強磁性体が有る状態で
の反磁性体に働く磁気力のベクトル図を示す。
(m)、縦軸は軸方向位置(m)であり、枠取りは径1
0mm、長さ10mmの円筒状の試料空間を示してい
る。
からなる円盤状強磁性体23とリング状強磁性体24が
有ることにより、径10mm、長さ10mmの試料空間
内において磁気力場は増加されていることが判る。
す。
(m)、縦軸は磁気力場(T2 /m)を示し、軸方向の
0.082〜0.092は試料空間、曲線dは超伝導電
磁石と円盤状強磁性体及びリング状強磁性体を配置した
場合の軸方向位置に対する磁気力場を示している。
均一にすることができ、さらに、その値は600T2 /
mから1420T2 /mに増加することができた。
場発生装置の構成図である。
石、32はその第1の超伝導電磁石31の巻枠、33は
円盤状強磁性体、34はリング状強磁性体、35は第1
の超伝導電磁石31の外側に同軸状に配置される第2の
超伝導電磁石、36はその第2の超伝導電磁石の巻枠で
ある。
とにより大きな磁場を発生できる超伝導電磁石の場合に
も本発明は有効である。
場発生装置の構成図である。
2はその超伝導電磁石41の巻枠、43,43′は円盤
状強磁性体、44,44′はリング状強磁性体、45は
超伝導電磁石41の保冷容器、46は円盤状強磁性体4
3,43′とリング状強磁性体44,44′を保冷容器
45へ固定するための非磁性体からなる支持材である。
形状の円盤状強磁性体43及びリング状強磁性体44
を、更に超伝導電磁石41の中空空間の軸対象の位置に
配置する。つまり、2組の円盤状強磁性体43,43′
及びリング状強磁性体44,44′を備えるようにした
ものである。
働く電磁力の和はゼロになり、超伝導電磁石に強磁性体
を加えたことによる付加的な電磁力が相殺される。この
結果、第1実施例と同様に磁気力場を約2倍の600T
2 /mから1420T2 /mに増加することができる。
と同じ材質、形状の強磁性体を用いることに限定したも
のではなく、強磁性体と超伝導電磁石の電磁力の和がゼ
ロになるように強磁性体を配置するものであれば、これ
に限定するものではない。
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
よれば、従来のように、内装される超伝導電磁石に更な
る超伝導電磁石を加えることなしに、磁気力場を均一度
を保ちながら増加させることが可能になる。
コンパクト化と製造コストの低減を図ることができる。
図である。
である。
の構成図である。
発生装置の構成図である。
での反磁性体に働く磁気力のベクトル図である。
での反磁性体に働く磁気力のベクトル図である。
発生装置の磁気力場の軸方向の分布を示す図である。
の構成図である。
の構成図である。
の中空部分に加える場合の構成図である。
場の分布図である。
石の中空部分に加える場合の構成図である。
場の分布図である。
体 4,14,24,34,44,44′ リング状強磁
性体 25,45 超伝導電磁石の保冷容器 26,46 非磁性体からなる支持材 31 第1の超伝導電磁石 32 第1の超伝導電磁石の巻枠 35 第2の超伝導電磁石 36 第2の超伝導電磁石の巻枠
Claims (3)
- 【請求項1】 中心軸が鉛直方向を向いているソレノイ
ド状超伝導電磁石の中空内部の赤道面上方に一つの円盤
状強磁性体を前記中心軸対称に配置し、前記円盤状強磁
性体の上方に一つのリング状強磁性体を前記円盤状強磁
性体に接触することなく前記中心軸対称に配置したこと
を特徴とする強磁気力場発生装置。 - 【請求項2】 中心軸が鉛直方向を向いており、該中心
軸に対して同軸状に配置された複数のソレノイド状超伝
導電磁石の中空内部の赤道面上方に一つの円盤状強磁性
体を前記中心軸対称に配置し、前記円盤状強磁性体の上
方に一つのリング状強磁性体を前記円盤状強磁性体に接
触することなく前記中心軸対称に配置したことを特徴と
する強磁気力場発生装置。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の強磁気力場発生装
置において、更に、前記赤道面に対して対象となる位置
に前記円盤状強磁性体及びリング状強磁性体と同じ形状
の円盤状強磁性体及びリング状強磁性体を配置したこと
を特徴とする強磁気力場発生装置。
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