JP3602360B2 - 3次元景観表示装置及び表示方法 - Google Patents

3次元景観表示装置及び表示方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は地図図形を3次元で表示する3次元景観表示装置及び表示方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図13及び図14は、例えば、加藤誠巳、大西啓介著「マルチメディアを用いた経路・景観・施設案内システム」電子情報通信学会画像工学研究専門委員会主催「グラフィック・イメージメディアの高度利用に向けて機能図形情報システムシンポジウム講演論文集」49〜54ぺ一ジ(平成2年4月11日発行)に示された3次元景観表示装置が表示する画面を示す図である。
【0003】
図において、10は画面27に描かれた平面図、11は画面27に描かれた投影図、12は投影図11に描かれた建造物、14は投影図11の視点、16は注視点、17は平面図10に描かれた建造物等の属性情報である。
【0004】
次に動作について説明する。
従来の3次元景観表示装置は、画面27に描かれた平面図10の中で、視点14と注視点16を指示し、図13に示すように、平面図10を投影図11に代えて表示したり、図14に示すように、平面図10と投影図11を画面27上に並べて表示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の3次元景観表示装置は以上のように構成されているので、図13に示すように、平面図10から投影図11への表示に切り替える場合、又は、その逆の場合に、一瞬にて画面が切り替わるために、両者間で対象建造物の対応がつきにくいという課題があった。
【0006】
また、図14に示すように、画面27上に平面図10と投影図11を並べて表示した場合でも、見る方向が異なるため、目的の建造物を同定し、例えば投影図11に描かれた建造物12について、平面図10に描かれた属性情報17と結びつけるには、両者を慎重に見比べることが必要になるという課題があった。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、描画の際の視点と注視点とを設定し、注視点が常に中央になるように平面図と投影図を描くと共に、切り替えの際に両者を徐々に変化させるように視点を移動させて、中間投影図を描くことにより、平面図10と投影図11を切り替える際に、両者間での対象建造物の対応が容易に判別できる3次元景観表示装置及び表示方法を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る3次元景観表示装置は、建造物等の平面方向の輪郭情報、及び高さ方向の形状情報を含む地図データを記憶する記憶手段と、空間上に視点を設定する視点設定手段と、空間上に注視点を設定する注視点設定手段と、上記記憶手段に記憶されている建造物等の輪郭情報、及び上記注視点設定手段により設定された注視点に基づき、平面図を描画する平面図描画手段と、上記記憶手段に記憶されている建造物等の輪郭情報及び形状情報、上記注視点設定手段により設定された注視点、並びに上記視点設定手段により設定された視点に基づき、投影図を描画する投影図描画手段と、上記視点設定手段が設定する視点の位置を切り替えることにより、上記平面図と上記投影図の切り替えを指示する切り替え手段と、上記記憶手段に記憶されている建造物等の輪郭情報及び形状情報、上記注視点設定手段により設定された注視点、並びに上記切り替え手段の指示により上記視点設定手段が順次位置を変えながら設定する視点に基づき、順次、中間投影図を描画する中間投影図描画手段と、描画された上記平面図、上記投影図、又は上記中間投影図を表示する表示手段とを備えたものである。
【0009】
この発明に係る3次元景観表示装置は、投影図描画手段が、視点設定手段により設定された視点と、注視点設定手段により設定された注視点を結んだ光軸に基づき中心投影を行い、建造物等を3次元的に描画するものである。
【0010】
この発明に係る3次元景観表示装置は、中間投影図描画手段が、視点設定手段により順次位置を変えながら設定された視点と、注視点設定手段により設定された注視点を結んだ光軸に基づき中心投影を行い、建造物等を3次元的に描画するものである。
【0011】
この発明に係る3次元景観表示装置は、視点設定手段が順次位置を変えながら設定する視点が、注視点設定手段により設定された注視点と、投影図を描画するときに上記視点設定手段により設定される視点とを含む鉛直面内にあり、上記注視点を中心とする円周上にあるものである。
【0012】
この発明に係る3次元景観表示装置は、視点設定手段が順次位置を変えながら設定する視点が、注視点設定手段により設定された注視点と、投影図を描画するときに上記視点設定手段により設定される視点とを含む鉛直面内にあり、投影図を描画するときに上記視点設定手段により設定される視点と上記注視点の上方の点を結ぶ線上にあるものである。
【0013】
この発明に係る3次元景観表示装置は、切り替え手段により、表示手段が表示している平面図から投影図に切り替えるときに、注視点設定手段が、表示されている平面図上の中心に注視点を設定するものである。
【0014】
この発明に係る3次元景観表示装置は、切り替え手段により、表示手段が表示している投影図から平面図に切り替えるときに、注視点設定手段が、表示されている投影図上の中心に注視点を設定するものである。
【0015】
この発明に係る3次元景観表示装置は、中間投影図描画手段が、建造物等を表す角柱の地平面に対する混合比である透過率を変化させて、中間投影図を描画するものである。
【0016】
この発明に係る3次元景観表示装置は、記憶手段が建造物等の属性情報を含む地図データを記憶し、平面図描画手段が、記憶手段に記憶されている属性情報を読み出して、平面図に描画するものである。
【0017】
この発明に係る3次元景観表示装置は、記憶手段が建造物等の属性情報を含む地図データを記憶し、中間投影図描画手段が、記憶手段に記憶されている属性情報を読み出して、中間投影図に描画するものである。
【0018】
この発明に係る3次元景観表示方法は、建造物等の平面方向の輪郭情報、及び高さ方向の形状情報を含む地図データを記憶する記憶手段と、空間上に視点を設定する視点設定手段と、空間上に注視点を設定する注視点設定手段とを備え、上記記憶手段に記憶されている建造物等の輪郭情報及び形状情報、上記注視点設定手段により設定された注視点、並びに上記視点設定手段により設定された視点に基づき、平面図及び投影図を描画するものにおいて、上記平面図から上記投影図、又は上記投影図から上記平面図に切り替える際に、上記記憶手段に記憶されている建造物等の輪郭情報及び形状情報、上記注視点設定手段により設定された注視点、並びに上記視点設定手段が順次位置を変えながら設定する視点に基づき、順次、中間投影図を描画し表示するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1による3次元景観表示装置の構成を示す図であり、図において、1は、建造物等の平面方向の輪郭情報、高さ方向の形状情報及び属性情報を含む地図データを記憶する記憶手段であり、計算機の主記憶装置、あるいは磁気ディスク装置などで構成される。2は、建造物の平面図、中間投影図及び投影図を切り替える切り替え手段、3は、切り替え手段2により指示される平面図、中間投影図及び投影図を描画する描画手段である。
【0020】
また、図1において、4は描画手段3により描画される平面図、中間投影図及び投影図を表示する表示手段、5は空間上に視点を設定する視点設定手段、6は空間上に注視点を設定する注視点設定手段であり、7は平面図を描画する平面図描画手段、8は投影図を描画する投影図描画手段、9は中間投影図を描画する中間投影図描画手段である。描画手段3は、平面図描画手段7,投影図描画手段8,中間投影図描画手段9から構成されている。
【0021】
切り替え手段2,描画手段3,視点設定手段5,注視点設定手段6は、ハードウェアで構成してもよいし、これらの動作を計算機によりソフトウェアで実行するように構成してもよい。
【0022】
図2は記憶手段1に記憶されている建造物ごとの輪郭情報と形状情報を示す図であり、図に示すように、建造物番号ごとに、建造物の輪郭頂点数Mと、各頂点のx座標、y座標で示した建造物の輪郭情報と、建造物の高さによる形状情報とが記憶されている。
【0023】
また、図3は記憶手段1に記憶されている建造物等の属性情報を示す図であり、図に示すように、属性番号ごとに、属性名称と、属性情報を表示させる表示x座標、表示y座標による表示位置情報が記憶されている。
【0024】
図4は平面図描画手段7が描画し表示手段4が表示する平面図10を示す図であり、図において、16は注視点設定手段6により空間上に設定された注視点、17は平面図10上に表示された属性情報、26は平面図10に描かれた多角形である建造物の輪郭情報である。平面図10の水平方向をx軸、鉛直方向をy軸、高さ方向をz軸(図示せず)、平面図10の画面27に対する傾きをθとする。また、Wdは画面27の水平方向における対象空間の座標系に換算したサイズ、Hdは画面27の鉛直方向における対象空間の座標系に換算したサイズである。
【0025】
図5は視点設定手段5により設定された視点14と注視点16との関係を示す図であり、視点14のx軸、y軸の位置を(Xv,Yv),注視点16のx軸、y軸の位置を(Xc,Yc)とし、視点14と注視点16との距離をDとしている。
【0026】
図6は視点14と注視点16の位置関係を3次元で示す図であり、図において、13は地平面であり、15は視点14と注視点16を結んだ投影図11を描画する際の光軸である。x軸、y軸は地平面13上にとり、z軸を高さ方向にとることにより、視点14の位置は(Xv,Yv,Zv),注視点16の位置は(Xc,Yc,Zc)で示される。また、視点14の地平面13からの高さZvをZとする。
【0027】
図7は投影図描画手段8が描画し表示手段4が表示する投影図11を示す図であり、図において、12は投影図11に角柱として描かれた建造物である。
【0028】
図8は描画手段3が描画し表示手段4が表示する平面図10,投影図11,中間投影図20を示す図であり、平面図10と投影図11との中間の中間投影図20において、23は輪郭情報26と形状情報(高さ)により角柱として描かれた建造物であり、地平面13上等に属性情報17が描かれている。
【0029】
図9は中間投影図20を描画するときの動作を説明する図であり、図において、18は注視点16と視点14を含む鉛直面、19は注視点16を中心とし注視点16と視点14の距離Dを半径とする鉛直面18上の円周、21は円周19上の中間投影図20の視点、22は視点21と注視点16を結んだ中間投影図20の光軸、28は円周19上における注視点16の真上の点、32は投影図11及び中間投影図20の水平視野であり、水平方向のサイズWdを視野にする水平画角φで示される。
【0030】
次に動作について説明する。
図10は実施の形態1による3次元景観表示装置の処理を示すフローチャートである。あらかじめ記憶手段1には、図2に示すような建造物ごとの輪郭情報、形状情報と、図3に示すような属性情報が記憶されている。
【0031】
図10のステップST1において、切り替え手段2は、表示手段4が表示する画面を初期状態に設定する。ここでは、初期表示を平面図10とし、表示する図を示す変数nを0に初期化する。nが0のときは平面図10を示し、nがあらかじめ定めた定数Nのときは投影図11を示し、nが1からN−1の間の整数のときは中間投影図20を示すものとする。
【0032】
ステップST2において、注視点設定手段6は、平面図10の注視点16の座標(Xc,Yc,Zc)を(W/2,H/2,Z)とし、平面図10の傾きθを0に初期化する。ここで、Wは対象空間全域のx軸方向、例えば東西方向の幅、Hは対象空間のy軸方向、例えば南北方向の幅である。すなわち、注視点16を対象空間の中央に設定する。また、Zは視点14の高さと同一とし、例えば、人の平均的な目の位置の対応する値とする。
【0033】
ステップST3において、切り替え手段2は、表示する図を示す変数nが0かどうかを判定し、nが0であればステップST5へ進み、nが0でなければステップST4へ進む。ステップST4において、nが定数Nかどうかを判定し、nが定数NであればステップST12へ進み、nが定数NでなければステップST19へ進む。この場合、nはステップST1で0に設定されているので、ステップST5へ進む。
【0034】
ステップST5からステップST11では、平面図10の描画処理を行う。まず、ステップST5において、描画手段3の平面図描画手段7は平面図10を描画する。ここでは、平面図描画手段7は、注視点16を表示手段4の画面27の中心にくるように自動的に配置し、平面図10を傾きθだけ傾けて、建造物の輪郭情報26と属性情報17を、記憶手段1から読み出して描画する。
【0035】
ステップST6において、平面図描画手段7が描画した平面図10を、表示手段4が図4に示すように表示する。
【0036】
ステップST7において、例えば、図1においてマウスやキーボードにより、切り替え手段2に平面図10から投影図11への表示の切り替え入力がなされたかどうかを判定する。切り替え入力がある場合には、ステップST8に進み、切り替え入力がない場合には、ステップST10に進む。
【0037】
切り替え入力がある場合に、ステップST8において、切り替え手段2が変数nを、中間投影図20を描画する値1に設定すると共に、変数nの変化を示す変数cを1に設定する。ここで、平面図10から投影図11に変更するにあたり、図5に示すように、ステップST9において、視点設定手段5は注視点16から下方Dの距離に視点14を設定する。すなわち、視点14(Xv,Yv,Zv)を、
Xv←Xc−Dsinθ
Yv←Yc−Dcosθ
Zv←Z
に設定する。この距離Dは、例えば10mとなるように設定する。
【0038】
この視点14は、そこから注視点16をみる投影図11を作成するためのものである。平面図10においては、表示されている中心領域を注目していると考えられ、そこに注視点16を設定して、下方から眺める投影図11を作成することにより、平面図10との対応が容易にとれる投影図11を得ようとするものである。ステップST9の設定を終了後に、ステップST22に進む。
【0039】
上記ステップST7で、平面図10から投影図11への表示の切り替え入力がない場合に、ステップST10において、注視点設定手段6は、例えばマウスやキーボードから平面図10の表示位置及び傾きθの変更入力があるかどうかを判定する。変更入力がある場合には、ステップST11において、注視点設定手段6は、注視点16の位置、及び平面図10の傾きθを変更する。ステップST10で、変更入力がない場合には、ステップST22に進む。
【0040】
ステップST22において、処理が続行している場合、ステップST3に戻るが、nが1に設定されているので、ステップST3からステップST4を経てステップST19に進む。
【0041】
ステップST19からステップST21では、中間投影図20の描画処理を行う。ステップST19において、描画手段3の中間投影図描画手段9は、中間投影図20を描画する。これは、図9に示すように、視点14と注視点16を含む鉛直面18内の、注視点16を中心とし、距離Dを半径とする円周19上に視点21を置き、注視点16に向かう光軸22により中心投影(透視投影)にて描画するものである。
【0042】
このとき、中間投影図描画手段9は、記憶手段1から輪郭情報、形状情報(高さ)及び属性情報を読み出し、図8に示すように、地平面13上等に輪郭情報26及び属性情報17を描画し、さらに角柱で表現される建造物23を、視点21の位置により、後述する透過率を変化させて描画する。
【0043】
ここで、透過率について詳細に説明する。
図9において、円周19上で、視点14と、注視点16の真上の点28との間を、あらかじめ設定した定数NでN等分し、真上の点28からn番目の点を視点21とすると、透過率はn/Nで示される。すなわち、ここでいう透過率は、地平面13に対する角柱建造物23の描画時の混合比であり、図8の中間投影図20に示す、地平面13上に描かれた輪郭情報26と属性情報17に対して、建造物23を上書きする際の混合比を示している。
【0044】
ステップST20において、表示手段4は、中間投影図描画手段9が描画した中間投影図20を表示する。ステップST21において、切り替え手段2は、変数nをn+cに更新する。つまり、ステップST8で、nが1,cが1に設定されているので、nを2に設定して、ステップST22,ST3,ST4を経由し、ステップST19に戻る。そして、中間投影図描画手段9は、前回よりも透過率n/N,すなわち、地平面13に対する角柱建造物23の描画時の混合比を大きくして、中間投影図20を描画する。このようにして、中間投影図20の描画ごとに、順次nをNに近づけていきながら、ステップST19からステップST22,ステップST3,4,ST19の処理を繰り返す。
【0045】
nがNになると、ステップST4からステップST12に進み、ステップST12からステップST18では、投影図11の描画処理を行う。ステップST12において、描画手段3の投影図描画手段8は、記憶手段1から輪郭情報と形状情報(高さ)を読み出して投影図11を描画する。
【0046】
ここでは、図6に示すように、視点14(Xv,Yv,Zv)から注視点16(Xc,Yc,Zc)に向かう光軸15により中心投影(透視投影)を行って、図7に示す投影図11を描画する。水平視野を示す水平画角φは、平面図10との切り替えを考慮し、
φ=2tan−1(Wd/(2(D+Z)))
とする。これは、平面図と投影図間の切り替えにおいて、視野がなめらかに切り替わるようにするための処置である。投影図描画手段8は、投影図11を描画する際に、画面内に入る建造物12を、その輪郭情報に形状情報である高さを与えて得られる角柱によって表現する。
【0047】
ステップST13において、表示手段4は、投影図描画手段8が描画した投影図11を表示する。
【0048】
ステップST14において、例えばマウスやキーボードにより、切り替え手段2に投影図11から平面図10への表示の切り替え入力がなされたかどうかを判定する。切り替え入力がある場合には、ステップST15に進み、切り替え入力がない場合には、ステップST17に進む。
【0049】
切り替え入力がある場合に、ステップST15において、切り替え手段2は、変数nをN−1に、変数nの変化を示す変数cを−1に設定する。
【0050】
ステップST16において、投影図11から平面図10に変更するにあたり、注視点設定手段6は、距離Dの点に注視点16を設定する。すなわち、注視点16を、
Xc←Xv+Dsinθ
Yc←Yv+Dcosθ
Zc←Z
に設定する。この距離Dは、例えば10mとなるように設定する。
【0051】
設定された注視点16は、投影図11の光軸15上にある一定距離Dの点であり、この視点14と注視点16の位置関係は、ちょうど図6の示す位置関係に一致する。投影図11においては、表示されているその中心付近を注目していると考えられ、そこに注視点16を設定することにより、投影図11における建造物との対応が直感的にとれる平面図10を得ようとするものである。
【0052】
ステップST16の設定終了後に、ステップST22に進み、処理が続行している場合は、ステップST3に戻る。ここで、nはN−1に設定されているので、ステップST4を経て、ステップST19に進む。そして、ステップST19からステップST21において、平面図10から投影図11への移行と同様にして、中間投影図20を描画し表示を行うが、上記ステップST15で、cを−1に設定しているので、ステップST21において、順次nをNから0に近づけていきながら、ステップST19からステップST22,ステップST3,4,ST19の処理を繰り返す。
【0053】
そして、nが0になると、ステップST3,ST5,ST6の処理により、平面図10を描画し表示する。
【0054】
上記ステップST14で、切り替え入力がない場合には、ステップST17において、視点設定手段5は、例えばマウスやキーボードから、投影図11の視点14及び光軸15の変更入力があるかどうかを判定する。変更入力がある場合には、ステップST18において、視点設定手段5は視点14の位置、及びその光軸15の方向を変更する。これは、投影図11で示された空間を任意に移動することに相当する。
【0055】
ステップST22において、例えばマウスやキーボードの特定入力の有無により、処理を続行するかどうかを判定し、処理を続行する場合にはステップST3に戻り、処理を続行しない場合には処理を終了する。
【0056】
以上のように、この実施の形態1によれば、平面図10と投影図11とを切り替える際に、視点21の位置と光軸22の方向を、円周19上で徐々に変化させて中間投影図20を表示することにより、平面図10と投影図11の両者間での対象建造物、つまり、平面図10に多角形で描かれた輪郭情報26と投影図11に角柱で描かれた建造物12との対応が、容易に判別できるという効果が得られる。
【0057】
実施の形態2.
この実施の形態2による3次元景観表示装置の構成は、実施の形態1の図1と同一である。図11と図12は、実施の形態2により中間投影図20を描画するときの動作を説明する図であり、図において、29は注視点16から上方に距離Lにある点であり、点29の座標は、(Xc,Yc,Z+L)である。Lの値として、あらかじめ、例えば10mと設定する。30は視点14と点29を結ぶ直線である。21は直線30上の視点であり、22は視点21と注視点16を結ぶ光軸であり、Fは、視点21から地平面13までの光軸22上の距離である。32は視点21における水平画角φの水平視野、ψは光軸22の俯角である。
【0058】
次に動作について説明する。
この実施の形態2による3次元景観表示装置の処理を示すフローチャートは、実施の形態1の図10と同じであるが、処理の内容としては、ステップST19の処理が異なる。
【0059】
ステップST19において、中間投影図描画手段9が中間投影図20を描画する際に、図11に示すように、注視点16の上方距離Lにとった点29と視点14とを結ぶ直線30上に視点21を置き、注視点16に向かう光軸22により、中心投影(透視投影)で中間投影図20を描画する。このとき、実施の形態1と同様に、図8に示すように、地平面13上等に属性情報17を描画し、角柱で表現される建造物23の透過率も視点21の位置により変化させる。
【0060】
ここで図12において、視点21の位置は、視点14と点29間の直線30をN等分し、上方の点29からn番目の点とし、透過率はn/Nとする。視点21は、視点14と上方の点29の内分点となるから、その座標は
({nXv+(N−n)Xc}/N,{nYv+(N−n)Yc}/N,Z+(N−n)L/N)
となる。
【0061】
このときの水平画角φは、
φ=2tan−1(Wd/(2F))
とする。ここで、Fは視点21から光軸22上の地平面13までの距離なので、このFは、光軸22の俯角をψとして、
F={NZ+(N−n)L}/(Nsinψ)
となる。また、光軸22の俯角をψは、次の式で示される。
【0062】
【数1】
Figure 0003602360
【0063】
この実施の形態2では、注視点16と上方の点29の距離をLとしたが、点29が無限遠点とみなせるほどLを大きく設定してもよく、この場合、nが小さいときは中間投影図は平行投影と見なせるようになり、平面図の描画法に近いものとなる。このため、平面図と中間投影図との間での遷移がなめらかなものになる。
【0064】
以上のように、この実施の形態2によれば、平面図10と投影図11とを切り替える際に、視点21の位置と光軸22の方向を、直線30上で徐々に変化させて中間投影図20を表示することにより、平面図10と投影図11の両者間での対象建造物、つまり、平面図10に多角形で描かれた輪郭情報26と投影図11に角柱で描かれた建造物12との対応が、容易に判別できるという効果が得られる。
【0065】
上記実施の形態1,2では、視点14から注視点16までの距離を一定としたが、これを可変とするように構成してもよい。また、投影図11から平面図10を描画する際に、注視点設定手段6により、投影図11において光軸15上の一定距離に注視点16を設定したが、光軸15上で、最初に交差する建造物12上、あるいは、建造物12に最も近づく点に注視点16を設定してもよい。
【0066】
さらに、上記実施の形態1,2では、中間投影図20の描画枚数を固定としたが、可変としてもよく、中間投影図20の視点21を円周19上、又は直線30上で移動させたが、他の軌跡により移動させてもよく、また、nの値により、中間投影図20における建造物23の透過率を変更したが、これと異なる方式により透過率を与えるようにしてもよい。
【0067】
さらに、上記実施の形態1,2では、中間投影図20においては常に輪郭情報26及び属性情報17を描画したが、nが小さいときのみ描画、あるいは、描画しないようにしてもよい。
【0068】
さらに、上記実施の形態1,2では、投影図11の描画時にその光軸15を水平としたが、光軸15に俯角を持たせ、俯瞰図を作成するようにしてもよく、また、地平面13上のZの高さに注視点16を設定するとしたが、地平面13上に注視点16を設定してもよい。
【0069】
さらに、上記実施の形態1,2では、投影図11及び中間投影図20において、建造物を角柱として表現したが、詳しい形状情報が得られているならば、より詳細な形状にて描画するようにしてもよい。
【0070】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、平面図と投影図とを切り替える際に、視点の位置を変化させて中間投影図を表示することにより、平面図と投影図の両者間での対象建造物等の対応が、容易に判別できるという効果がある。
【0071】
この発明によれば、投影図描画手段が、視点と注視点を結んだ光軸により、中心投影を行い描画しているので、実際の景観に近い投影図を表示できるという効果が得られる。
【0072】
この発明によれば、中間投影図描画手段が、順次位置を変えながら設定された視点と注視点を結んだ光軸により、中心投影を行い描画しているので、実際の景観に近い中間投影図を表示できるという効果がある。
【0073】
この発明によれば、視点設定手段が順次位置を変えながら設定する視点が、投影図を描画するときの視点と、注視点とを含む鉛直面内にあり、注視点を中心とする円周上にあるので、なめらかに変化する中間投影図が表示され、平面図と投影図の両者間での対象建造物の対応が、容易に判別できるという効果がある。
【0074】
この発明によれば、視点設定手段が順次位置を変えながら設定する視点が、投影図を描画するときの視点と、注視点とを含む鉛直面内にあり、投影図を描画するときの視点と注視点の上方の点を結ぶ線上にあるので、なめらかに変化する中間投影図が表示され、平面図と投影図の両者間での対象建造物の対応が、容易に判別できるという効果がある。
【0075】
この発明によれば、平面図から投影図に切り替えるときに、平面図上の中心に注視点を設定するので、注目している建造物等を中心にした投影図を得ることができるという効果がある。
【0076】
この発明によれば、投影図から平面図に切り替えるときに、投影図上の中心に注視点を設定するので、注目している建造物等を中心にした平面図を得ることができるという効果がある。
【0077】
この発明によれば、中間投影図描画手段が、建物等を表す角柱の透過率を変化させているので、なめらかに変化する中間投影図を描画することができるという効果がある。
【0078】
この発明によれば、平面図描画手段が建造物等の属性情報を描画するので、建造物等を容易に判別できるという効果がある。
【0079】
この発明によれば、中間投影図描画手段が建造物等の属性情報を描画するので、建造物等を容易に判別できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による3次元景観表示装置の構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1による記憶手段に記憶されている建造物ごとの輪郭情報と形状情報を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1による記憶手段に記憶されている建造物等の属性情報を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1による平面図描画手段が描画する平面図を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1による視点と注視点の位置関係を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1による視点と注視点の位置関係を3次元で示す図である。
【図7】この発明の実施の形態1による投影図描画手段が描画する投影図を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態1による描画手段3が描画する平面図,投影図,中間投影図を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態1による中間投影図を描画するときの動作を説明する図である。
【図10】この発明の実施の形態1による3次元景観表示装置の処理を示すフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態2による中間投影図を描画するときの動作を説明する図である。
【図12】この発明の実施の形態2による中間投影図を描画するときの動作を説明する図である。
【図13】従来の3次元景観表示装置が表示する画面を示す図である。
【図14】従来の3次元景観表示装置が表示する画面を示す図である。
【符号の説明】
1 記憶手段、2 切り替え手段、4 表示手段、5 視点設定手段、6 注視点設定手段、7 平面図描画手段、8 投影図描画手段、9 中間投影図描画手段、10 平面図、11 投影図、12 建造物、13 地平面、14 視点、15 光軸、16 注視点、17 属性情報、18 鉛直面、19 円周、20 中間投影図、21 視点、22 光軸、23 建造物、26 輪郭情報、29 注視点の上方の点、30 視点と上方の点を結ぶ直線(線)。

Claims (11)

  1. 建造物等の平面方向の輪郭情報、及び高さ方向の形状情報を含む地図データを記憶する記憶手段と、
    空間上に視点を設定する視点設定手段と、
    空間上に注視点を設定する注視点設定手段と、
    上記記憶手段に記憶されている建造物等の輪郭情報、及び上記注視点設定手段により設定された注視点に基づき、平面図を描画する平面図描画手段と、
    上記記憶手段に記憶されている建造物等の輪郭情報及び形状情報、上記注視点設定手段により設定された注視点、並びに上記視点設定手段により設定された視点に基づき、投影図を描画する投影図描画手段と、
    上記視点設定手段が設定する視点の位置を切り替えることにより、上記平面図と上記投影図の切り替えを指示する切り替え手段と、
    上記記憶手段に記憶されている建造物等の輪郭情報及び形状情報、上記注視点設定手段により設定された注視点、並びに上記切り替え手段の指示により上記視点設定手段が順次位置を変えながら設定する視点に基づき、順次、中間投影図を描画する中間投影図描画手段と、
    描画された上記平面図、上記投影図、又は上記中間投影図を表示する表示手段と
    を備えたことを特徴とする3次元景観表示装置。
  2. 投影図描画手段が、視点設定手段により設定された視点と、注視点設定手段により設定された注視点を結んだ光軸に基づき中心投影を行い、建造物等を3次元的に描画することを特徴とする請求項1記載の3次元景観表示装置。
  3. 中間投影図描画手段が、視点設定手段により順次位置を変えながら設定された視点と、注視点設定手段により設定された注視点を結んだ光軸に基づき中心投影を行い、建造物等を3次元的に描画することを特徴とする請求項1記載の3次元景観表示装置。
  4. 視点設定手段が順次位置を変えながら設定する視点が、注視点設定手段により設定された注視点と、投影図を描画するときに上記視点設定手段により設定される視点とを含む鉛直面内にあり、上記注視点を中心とする円周上にあることを特徴とする請求項1記載の3次元景観表示装置。
  5. 視点設定手段が順次位置を変えながら設定する視点が、注視点設定手段により設定された注視点と、投影図を描画するときに上記視点設定手段により設定される視点とを含む鉛直面内にあり、投影図を描画するときに上記視点設定手段により設定される視点と上記注視点の上方の点を結ぶ線上にあることを特徴とする請求項1記載の3次元景観表示装置。
  6. 切り替え手段により、表示手段が表示している平面図から投影図に切り替えるときに、注視点設定手段が、表示されている平面図上の中心に注視点を設定し、かつ、視点設定手段が、表示されている平面図上の下方に投影図の視点を設定することを特徴とする請求項1記載の3次元景観表示装置。
  7. 切り替え手段により、表示手段が表示している投影図から平面図に切り替えるときに、注視点設定手段が、表示されている投影図上の中心に注視点を設定することを特徴とする請求項1記載の3次元景観表示装置。
  8. 中間投影図描画手段が、建造物等を表す角柱の地平面に対する混合比である透過率を変化させて、中間投影図を描画することを特徴とする請求項1記載の3次元景観表示装置。
  9. 記憶手段が建造物等の属性情報を含む地図データを記憶し、平面図描画手段が、記憶手段に記憶されている属性情報を読み出して、平面図に描画することを特徴とする請求項1記載の3次元景観表示装置。
  10. 記憶手段が建造物等の属性情報を含む地図データを記憶し、
    中間投影図描画手段が、記憶手段に記憶されている属性情報を読み出して、中間投影図に描画することを特徴とする請求項1記載の3次元景観表示装置。
  11. 建造物等の平面方向の輪郭情報、及び高さ方向の形状情報を含む地図データを記憶する記憶手段と、
    空間上に視点を設定する視点設定手段と、
    空間上に注視点を設定する注視点設定手段とを備え、
    上記記憶手段に記憶されている建造物等の輪郭情報及び形状情報、上記注視点設定手段により設定された注視点、並びに上記視点設定手段により設定された視点に基づき、平面図及び投影図を描画する3次元景観表示方法において、
    上記平面図から上記投影図、又は上記投影図から上記平面図に切り替える際に、上記記憶手段に記憶されている建造物等の輪郭情報及び形状情報、上記注視点設定手段により設定された注視点、並びに上記視点設定手段が順次位置を変えながら設定する視点に基づき、順次、中間投影図を描画し表示する3次元景観表示方法。
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