JP3601972B2 - 色素標識タンパク質複合体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タンパク質と結合した抗体からなるタンパク質複合体をシアニン系色素で標識した色素標識タンパク質複合体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
抗体を色素で標識した色素標識抗体は、試料液中に含まれる抗原と特異的に反応し、かつ視認性があるため、例えば、免疫学的抗原抗体反応を利用して、試料液中に含まれる検体の検出を行う免疫センサに使用され、各種医療機関での診断に活用されている。
抗体を標識する色素としては、高いモル吸光係数を有し、反応性の高いシアニン系標識色素が使用される場合が多い(Bioconjugate Chemistry VOL.4 No.2,pp105−111,1993)。
【0003】
このようなシアニン系色素は、その官能基が抗体のアミノ基またはカルボキシル基と反応して共有結合し、1分子の抗体に対して20〜50分子の前記色素が結合する。
このようにして作製されたシアニン系色素標識抗体は、一般に視認性がよく、例えば免疫クロマトグラフィーに導入されて、妊婦の尿中にのみ存在するヒト絨毛性ゴナドトロピン等の微量成分を検出するのに有効に用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
通常、抗体には、数百から数千個のアミノ基またはカルボキシル基が存在する。しかし、抗体は3次元の立体構造を有するため、これらの中で反応に関与できるのは50個程度であると考えられ、1分子の抗体に対して、色素50分子が結合するのが限界であった。
従って、この色素標識抗体を免疫センサ等に利用した場合、検出対象物の濃度が低いと、その検出が困難になる問題が生じた。
本発明は、上記課題に鑑み、多数の色素で標識された色素標識タンパク質複合体およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明による色素標識タンパク質複合体は、ジスルフィド結合によってタンパク質と結合した抗体からなるタンパク質複合体が、式(1)で示されるシアニン系色素で標識されたものである。
【0006】
【化4】
【0007】
(ただし、R1およびR2は水素またはアルキル基、Xはハロゲン、Mは水素またはアルカリ金属、nは1〜4の整数を示す。)
【0008】
抗体にタンパク質を結合させると、シアニン系色素が結合できる面積が広がるため、タンパク質複合体に結合するシアニン系色素の数は、抗体単体の場合よりも多くなる。例えば、抗体1分子あたりに結合する色素分子数が擬似的に従来法の約10倍にすることができる。そのため、得られる色素標識タンパク質複合体は、視認性に優れる。
したがって、本発明による色素標識タンパク質複合体を、例えば、免疫クロマトグラフィーに用いれば、測定対象物(検体)の濃度が低い場合でも、検体を高感度に検出できる。また、その高感度から、本発明の色素標識タンパク質複合体は、バイオセンサーにも適用可能である。
また、本発明による色素標識タンパク質複合体は、前記シアニン系色素のスクシンイミジル基由来のアシル炭素と前記タンパク質複合体のアミノ基由来の窒素とが共有結合することにより、前記色素の骨格がタンパク質複合体に結合している構成であるのが好ましい。
【0009】
本発明による色素標識タンパク質複合体の製造方法は、中性または弱アルカリ性のリン酸緩衝液中でタンパク質を還元する工程、この緩衝液中に抗体を添加してタンパク質複合体を作製する工程、およびこの緩衝液中に式(1)で示されるシアニン系色素を添加して前記タンパク質複合体を標識する工程を含む。
また、中性または弱アルカリ性のリン酸緩衝液中でタンパク質を還元する工程、この緩衝液中に式(1)で示されるシアニン系色素を添加して前記還元されたタンパク質を標識する工程、およびこの緩衝液中に前記抗体を添加する工程を含む構成でもよい。
還元されたタンパク質と抗体とを結合させる工程の前に、抗体を中性または弱アルカリ性のリン酸緩衝液中で、式(2)で示すようなスクシンイミジルピリジルジチオプロピオネートを用いて標識する工程を含ませてもよい。
いずれの方法においても、リン酸緩衝液のpHは、7.0〜8.0の範囲が好ましい。
【0010】
【化5】
【0011】
本発明の色素標識タンパク質複合体に用いることができる抗体は、特に制限されず、その由来やサブクラス等に関係なく使用できる。例えば、イムノグロブリン(Ig)として、マウスIgG、マウスIgM、マウスIgA、マウスIgE、ラットIgG、ラットIgM、ラットIgA、ラットIgE、ラビットIgG、ラビットIgM、ラビットIgA、ラビットIgE、ヤギIgG、ヤギIgM、ヤギIgE、ヤギIgA、ヒツジIgG、ヒツジIgM、ヒツジIgA、ヒツジIgE等が挙げられる。これらの抗体は、市販品として入手しても、直接その動物から採取してもよい。
【0012】
抗体に結合するタンパク質は、抗体としての機能を発揮しないタンパク質であればよい。また、水溶性に富むものであればより好ましい。例えば、血清由来のアルブミン等は、抗体の反応を阻害しないうえに、高い水溶性を有しているので好適である。
【0013】
式(1)で示されるシアニン系色素は、肉眼で確認することが容易な赤色系統の色素で、共役炭素の数が少ないため、シアニン系色素の中では最も水溶性に富んでいる。
式(1)において、Xで示されるハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられる。また、Mで示される金属としては、リチウム、ナトリウムおよびカリウム等が挙げられる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、抗体とシアニン系色素の結合反応のメカニズムを説明する。
【0015】
【化6】
【0016】
まず、式(3)に示すように、抗体に対し、スクシンイミジル基を有するシアニン系色素を配合すると、前記色素のスクシンイミジル基のエステル結合部分に、抗体のアミノ基が接近する。
そして、式(4)に示すように、前記アミノ基と前記エステル結合部分とが反応し、前記アミノ基から水素原子が一個奪われる。そして、このアミノ基から脱離した水素原子は、前記スクシンイミジル基のスクシンイミドと結合する。スクシンイミドはスクシンイミジル基からヒドロキシスクシンイミドとなって脱離し、これと同時に、前記スクシンイミジル基の残りの部分と、前記水素原子が一個奪われたアミノ基とがアミド結合を形成し、このアミド結合によって前記色素と前記抗体とが結合する。
【0017】
また、以下に、式(1)で示されるシアニン系色素の合成経路の一例を示す。
【0018】
【化7】
【0019】
まず、ヒドラジノベンゼンスルホン酸(5)とイソプロピルメチルケトンとを酸性溶媒に溶解し加熱することによってインドレニウムスルホネート(6)を作製する。そして、インドレニウムスルホネート(6)のアルコール溶液に金属水酸化物飽和のアルコール溶液を加えることによって、インドレニウムスルホネートの金属塩(7)を得る。
次に、前記金属塩(7)の有機溶媒溶液にハロゲン化アルキル酸を加えて、加熱してカルボキシアルキルインドレニウムスルホネートの金属塩(8)を得る。ハロゲン化アルキル酸の炭素数は、水への溶解性を考え、1〜4が好ましい。
そして、前記金属塩(8)とN−カルボキシエチル−3,3−ジメチルインドレニンを塩基性有機溶媒に溶解し、加熱することによってカルボン酸誘導体(9)を作製し、最後に、カルボン酸誘導体(9)の有機溶媒溶液中に、ヒドロキシコハク酸イミドと、縮合剤としてジシクロヘキシルカルボジイミドとを加えて攪拌することにより、式(1)で示されるシアニン系標識色素を得る。
【0020】
なお、式(1)、式(8)および式(9)で示される各化合物に含まれるハロゲンとしては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素があげられる。また、式(1)、式(7)〜(9)で示される各化合物に含まれる金属としては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウムなどがあげられる。
【0021】
【実施例】
以下に、具体的な実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。
《実施例1》
(1)マウスIgGのスクシンイミジルピリジルジチオプロピオネート標識
5mg(3.3×10−5mmol)のマウスIgG(以下、IgGと略す。)を2mlのリン酸緩衝液(以下、PBSという。)に溶解した。これを室温で攪拌しながら、0.52mg(1.67×10−3mmol)のスクシンイミジルピリジルジチオプロピオネート(以下、SPDPとする。)のエタノール溶液0.1mlを滴下した。滴下したSPDPのエタノール溶液中には、0.52mg(1.67×10−3mmol)のSPDPが含まれていた。
この後、室温で30分間攪拌した後、セファロースゲル(ファルマシア社製;セファデックスG25Mカラム)を用いて濾過し、約6mlのSPDP標識IgG(以下、IgG−SPDPとする。)のPBS溶液を得た。得られた溶液の濃度及び抗体に対するSPDPの結合分子数を次のように計算して求めた。
【0022】
まず、得られた溶液を0.5ml取り、280nmでの吸光度を測定した結果、吸光度は、1.25であった。
次に、この溶液に、0.025mlの100mMのジチオスレイトール(以下、DTTとする。)水溶液を加え、1分間静置した後、343nmでの吸光度を測定した。得られた吸光度は0.39であった。
IgGには343nmに吸収がないので、観測された343nmの吸光はDTT還元によって放出されたチオピリドンに由来するものである。この放出チオピリドンはSPDPのピリジルジチオ基が還元されたもので、この濃度は抗体に結合しているSPDPの濃度に等しい。従ってSPDPの濃度[SPDP]は、次のように求めることができる。ただし、チオピリドンの343nmにおけるモル吸光係数を8.08×103とした。
[SPDP]=0.39/(8.08×103)=4.83×10−5(M)
【0023】
また、観測された280nmの吸光はIgGに由来するものであるが、結合しているSPDPが280nmにも吸収を持つので、この影響を差し引いてIgGの濃度[IgG]を求めると次のようになる。但し、IgGに由来する280nmの吸光度をAb280,IgGとし、SPDPの280nmにおけるモル吸光係数を5.1×103、IgGの280nmにおけるモル吸光係数を2.10×105とした。
Ab280,IgG =1.25−(4.83×10ー5×5.1×103)=1.00
[IgG]=1.00/(2.10×105)=4.78×10−6(M)
したがって、IgG1分子当たりに結合したSPDPの分子数は次のようになった。
[SPDP]/[IgG]=4.83×10−5/4.78×10−6=10.1(個)
【0024】
(2)ウシ血清アルブミンのジチオスレイトールによる還元
110mgのウシ血清アルブミン(以下、BSAという。)を10mlのPBSに溶解し、これに1mlのPBSに溶解した77mgのDTTを加えて室温で15分間攪拌した。速やかにセファデックスG25Mカラムを用いてゲル濾過し、約24mlのBSA(SHfree)のPBS溶液を得た。
【0025】
(3)タンパク質複合体(IgG−SPDP−BSA)の作製
得られたBSA(SHfree)溶液は、速やかに上記で得られたIgG−SPDPのPBS溶液(6ml)と混合し、4℃で20時間静置した。未反応のBSAを除くため、PBSに防腐剤としてナトリウムアジドを添加した溶液(以下、PBS・Azという。)20リットル(5リットル×4)に対して透析し、約25mlのIgG−SPDP−BSAのPBS溶液を得た。
【0026】
(4)タンパク質複合体(IgG−SPDP−BSA)の色素標識
式(1)で示す色素122.7mgを1mlのPBSに溶解し(総タンパク量の400倍等量)、色素溶液(以下、SLIC1とする。)を調製した。ただし、式(1)におけるXはヨウ素、Mはカリウム、炭素数nは2のものを用いた。そして、SLIC1を、(3)で得られたIgG−SPDP−BSA溶液(総タンパク量を3.18×10−4mmolとする)にゆっくりと滴下した。この後、4℃で20時間静置した後、未反応の色素分子を除くため20リットルのPBS・Azに対して透析して、約26mlのSLIC1標識タンパク質複合体のPBS溶液を得た。得られたSLIC1標識タンパク質複合体の、タンパク質複合体1分子あたりのSLIC1の分子数を次のように計算して求めた。
【0027】
得られた溶液の430nmにおける吸光度を測定した。吸光度は80であった。IgG−SPDP−BSAは430nmに吸収を持たないので、観測された吸光は結合したSLIC1に由来するものである。したがって、SLIC1の濃度[SLIC1]は次のように求めることができる。ただし、SLIC1の430nmにおけるモル吸光係数を1×105とする。
[SLIC1]=80/1×105=8.0×10−4(M)
SLIC1標識タンパク質複合体のPBS溶液中のIgGの濃度[IgG]を1.06×10−6M(SPDP標識以降の各ステップで、IgGの損失がないものとする。)として、タンパク質複合体1分子あたりのSLIC1の分子数を求めると次のようになる。
[SLIC1]/[IgG]=8.0×10−4/1.06×10−6=755(個)
【0028】
《実施例2》
(1)IgGのSPDP標識
実施例1で示した方法に従って、IgGのSPDP標識を行った。全体量は6ml、IgG濃度は4.10×10−6M、そしてIgG1分子あたりのSPDPの分子数は11.5個であった。
【0029】
(2)BSA−SLIC1の作製
110mg(1.62×10−3mmol)のBSAを10mlのPBSに溶解した。次に、これを室温で撹拌しながら、SLIC1をゆっくりと1ml滴下した。ただし、滴下したSLIC1中には、実施例1と同様の色素が、162.7mg(0.162mmol、100等量)が含まれていた。
この後、4℃で一晩攪拌した後、20リットル(5リットル×4)のPBS・Azに対して透析し、6mlのSLIC1標識BSAのPBS溶液を得た。溶液の濃度、およびBSA1分子あたりに結合しているSLIC1の分子数を次のように計算して求めた。
【0030】
得られた溶液の280nm、および430nmにおける吸光度を測定した。吸光度はそれぞれ9.6、および59.0であった。BSAは430nmに吸収を持たないので、観測された430nmの吸光はBSAに結合したSLIC1に起因するものである。したがって、SLIC1の濃度[SLIC1]は次のように求めることができる。ただし、SLIC1の430nmにおけるモル吸光係数を1×105とする。
[SLIC1]=59.0/1×105=5.9×10−4(M)
【0031】
また、観測された280nmの吸光はBSAに由来するものであるが、結合しているSLIC1が280nmにも吸収を持つので、この影響を差し引いてBSAの濃度[BSA]を求めると次のようになる。ただし、BSAに由来する280nmの吸光度をAb280,BSAとし、SLIC1の280nmにおけるモル吸光係数を9.8×103、BSAの280nmにおけるモル吸光係数を4.36×104とする。
Ab280,BSA=9.6−(5.9×10−4×9.8×103)=3.818
[BSA]=3.818/4.36×104=8.76×10−5(M)
したがって、BSA1分子当たりに結合したSLIC1の分子数は次のようになる。
[SLIC1]/[BSA]=5.9×10−4/8.76×10−5=6.7(個)
【0032】
(3)BSA−SLIC1のDTT還元
前述のBSA−SLIC1溶液(110mg、13ml)に、1mlのPBSに溶解した100mgのDTT(最終濃度50mM)を加えて室温で15分間攪拌した。速やかにセファデックスG25Mカラムを用いてゲル濾過し、約24mlのBSA−SLIC1(SHfree)のPBS溶液を得た。
【0033】
(4)色素標識タンパク質複合体の作製
前述のBSA−SLIC1(SHfree)溶液と、前述のSPDP標識IgG溶液とを混合し、4℃で一晩攪拌した後、20リットルのPBS・Azに対して透析し、未反応のBSA−SLIC1を除いた。約30mlの色素標識タンパク質複合体のPBS溶液を得た。得られたSLIC1標識タンパク質複合体1分子あたりのSLIC1の分子数を次のように計算して求めた。
【0034】
得られた溶液の430nmにおける吸光度を測定した。吸光度は30.2であった。IgGは430nmに吸収を持たないので、観測された吸光はBSAに結合したSLIC1に由来するものである。したがって、SLIC1の濃度[SLIC1]は次のように求めることができる。ただし、SLIC1の430nmにおけるモル吸光係数を1×105とする。
[SLIC1]=30.2/1×105=3.02×10−4(M)
SLIC1標識タンパク質複合体のPBS溶液中のIgGの濃度[IgG]を8.20×10−7M(SPDP標識以降の各ステップで、IgGの損失がないものとする。)として、タンパク質複合体1分子あたりのSLIC1の分子数を求めると次のようになる。
[SLIC1]/[IgG]=3.02×10−4/8.20×10−7=368(個)
【0035】
【発明の効果】
上記のように、本発明による色素標識タンパク質複合体は、タンパク質1分子あたりに結合している色素分子数が擬似的に従来法の約10倍になる。そのため、例えば、これを免疫クロマトを利用したセンサーに導入すると、高感度のセンサーを作製することができる。
Claims (4)
- 前記シアニン系色素のスクシンイミジル基由来のアシル炭素と前記タンパク質複合体のアミノ基由来の窒素との共有結合により前記色素の骨格がタンパク質複合体に結合している請求項1記載の色素標識タンパク質複合体。
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