JP3601852B2 - ディスクのクランプ機構 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はディスクのクランプ機構に関し、より詳細には、例えば自動車等に搭載されるCDオートチェンジャに内蔵され、ディスクをマガジンから取り出し再生演奏する際、トレイやターンテーブルに固定するときに用いられるディスクのクランプ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のトランク等に搭載されるCDオートチェンジャは多段マガジン部、プレイヤ部等を含んで構成されており、前記多段マガジン部の各段にはトレイが収納され、各トレイの所定箇所にはCD(コンパクトディスク)が収容されるようになっている。また前記プレイヤ部はターンテーブル、ピックアップ等を含んで構成されており、CDを再生する場合、まず所定のCDがトレイごと多段マガジン部からプレイヤ部側に取り出され、次にこのCDのみがターンテーブル上に載せられて所定速度で回転させられ、ピックアップにより電気信号として読み出されて再生される。このようなCDオートチェンジャでは、走行中の自動車の振動によりCDがトレイの所定箇所から外れ易く、この結果ターンテーブルに載り難いという問題があり、また前記振動によりCDがターンテーブルから外れたり、スリップし易くなり、確実な再生が難しいという問題があった。またトランクスペースの関係上、CDオートチェンジャが縦置きに設置される場合もあり、この場合、前記CDは縦状態となるため、前記現象が一層顕著になるという問題があった。これらの問題に対処するため、CDオートチェンジャにおけるプレイヤ部には、トレイやターンテーブルにディスクを固定するためのクランプ機構が装備されている。
【0003】
図4は従来のこの種ディスクのクランプ機構及びその周辺部を模式的に示した断面図であり、図中41は前記プレイヤ部のシャーシを示している。シャーシ41は金属板を用いて略中空直方体形状に形成されており、シャーシ41上部の所定箇所にはクランプアーム部42、ディスク押さえ部43等が出入りする開口部41aが形成され、シャーシ41下部の所定箇所にはターンテーブル44等が出入りする開口部41bが形成され、シャーシ41の一側壁部にはトレイ12が挿入される開口部41cが形成されている。一方、トレイ12は平面視略正方形形状に形成され、トレイ12上には平面視円形状の凹部12aが形成され、凹部12aの中央を孔12bが貫通しており、CD11が凹部12a内に挿入されることによりトレイ12上の所定位置に保持されるようになっている。またトレイ12下方におけるCD11の同心軸上には平面視略円形状のテーブル13aが装備されており、テーブル13a上部の中央には突起部13bが形成され、テーブル13a下部には軸13cが接続されている。軸13cにはこれを上下動させる昇降駆動部とこれを回転させる回転駆動部(共に図示せず)とが接続されており、これらテーブル13a、軸13c等を含んでターンテーブル13が構成されている。
【0004】
シャーシ41上部の所定箇所には開口部41aをまたいで2個の突起部422a、422bが形成され、突起部422a、422b間には支持軸42bが軸支されており、支持軸42bには取り付け金具42dを介して略板形状のアーム42cが回動可能に枢支されている。アーム42cの左端部近傍の所定箇所にはクランパ421が取り付けられ、クランパ421はゴム等を用いて略円柱形状に形成されており、クランパ421下部には凹部421bが形成され、クランパ421側面の周囲には略リング形状の溝421aが形成されている。そしてアーム42cに形成された孔42eの縁部が溝421a内に挿入されることにより、アーム42cにクランパ421が回転可能に取り付けられている。またアーム42cの右端部側には第1の駆動部(図示せず)が接続されており、この第1の駆動部を上下方向に作動させると、支持軸42bを回転中心にしてクランパ421が矢印AまたはB方向に回動するようになっている。これら突起部422a、422b、支持軸42b、アーム42c、クランパ421等を含んでクランプアーム部42が構成されている。またクランパ421近傍の所定箇所には略逆L字形状のディスク押さえ部43が移動可能に取り付けられており、ディスク押え部43下面はCD11面と平行に維持されるようになっている。またディスク押え部43上部には第2の駆動部(図示せず)が接続されており、この第2の駆動部を作動させると、ディスク押え部43が矢印CまたはD方向に移動するようになっている。これらクランプアーム部42、ディスク押え部43等を含んでディスクのクランプ機構が構成されている。
【0005】
このように構成されたディスクのクランプ機構を用いる場合、トレイ12の凹部12a内に収容された状態で、CD11が前記多段マガジン部より搬送装置(共に図示せず)を用いて搬送され、シャーシ41の左方から開口部41c内に挿入される。搬送中、CD11はローラー(図示せず)等によりトレイ12側に押し付け固定されている。トレイ12が挿入された際、前記第2の駆動部を作動させると、ディスク押さえ部43がC方向に移動し、CD11はトレイ12上面とディスク押さえ部43下面とにより挟まれ、固定される。次に前記昇降駆動部を作動させると、ターンテーブル13が上昇し、突起部13bがCD11の孔11a内に挿入され、テーブル13a上面がCD11下面に当接する。すると前記第2の駆動部が作動してディスク押え部43がD方向に移動し、固定が解除される。同時に前記第1の駆動部が作動し、クランプアーム部42がA方向に移動し、クランパ421の凹部421bにターンテーブル13の突起部13bが挿入されると共に、クランパ421下面がCD11上面に当接し、CD11はトレイ12上面とクランパ421下面とで支持される。さらにターンテーブル13が所定箇所まで上昇してゆくと、前記第1の駆動部が逆方向に作動し、ターンテーブル13の上昇速度に追従してクランプアーム部42が矢印B方向に移動し、CD11はターンテーブル13とクランパ421とで回動可能に支持される。次に前記回転駆動部を作動させると、ターンテーブル13の回転につれてCD11が回転し、前記ピックアップにより再生される。再生終了後は上記工程とは逆の工程によりCD11がトレイ12に収容され、前記多段マガジン部に収納される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記したディスクのクランプ機構においては、ディスク押え部43とクランプアーム部42との切り替えを同期させるのが難しという課題があった。またターンテーブル13が上昇してCD11がトレイ12から離れるとき、CD11を支持しつつターンテーブル13と同じ速度でクランプアーム部42を追従させるのが難しいという課題があった。したがって、CD11からディスク押え部43下面が離れた際にクランパ421による支持が遅れると、自動車の振動等によりCD11がターンテーブル13の突起部13bから外れ、あるいは脱落し易くなるおそれがあった。一方、CD11からディスク押え部43の離脱が遅れたり、クランプアーム部42の追従が遅れると、ターンテーブル13が回転し難くなり、あるいはターンテーブル13の前記回転・昇降駆動部に過大な負荷が掛かり易くなるおそれがあった。
【0007】
またクランプアーム部42とディスク押え部43とには、これらを駆動する第1の駆動部と第2の駆動部とがそれぞれ接続されており、コストが掛かると共に、これらの設置・動作スペースが大きくなり、ディスクのクランプ機構はもとよりCDオートチェンジャ全体の小形化を図るのが阻害されるという課題があった。
【0008】
本発明はこのような課題に鑑みなされたものであり、ディスク押え部とクランプアーム部との切り替えの同期と、ターンテーブルとクランプアーム部とにおける上昇速度の同一化とを簡単に図ることができ、ディスクを再生しない時は確実に固定すると共に、再生時には回転させつつ確実に支持することができ、ターンテーブルの駆動装置に対する負荷を減少することができると共に、コストを削減することができ、さらには小形化を図ることができるディスクのクランプ機構を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係るディスクのクランプ機構は、一端部側にクランパが回転可能に枢支されたクランプアーム部と、一端部側にディスクをトレイ上に固定する押え部を有するディスク押え部とがシャーシに回動可能に枢支され、前記クランプアーム部及び前記ディスク押え部の他端部側に、前記クランプアーム部及びディスク押え部の枢支軸方向に対して平行に摺動可能な摺動板が配設され、該摺動板が、前記クランパをディスクの上方に維持させる区間と、前記クランパを下降させてディスクを前記クランパとターンテーブルとの間に固定させる区間と、ディスクと固定された前記クランパを前記ターンテーブルの上昇に追従させて上昇させる区間とを含む形状のクランプアーム部用カム部と、前記クランパによりディスクが固定されるまでの間、前記押え部を下降させてディスクをトレイ上に固定させる区間と、前記クランパによりディスクが固定された後、前記押え部を上昇させて該押え部によるディスクの固定を開放させる区間とを含む形状のディスク押え部用カム部とを備え、前記クランプアーム部及びディスク押え部の他端部側が、前記摺動板の2個のカム部の形状に沿って上下に移動するように常時付勢されていることを特徴としている。
【0012】
【作用】
上記構成のディスクのクランプ機構によれば、一端部側にクランパが回転可能に枢支されたクランプアーム部と、一端部側にディスクをトレイ上に固定する押え部を有するディスク押え部とがシャーシに回動可能に枢支され、前記クランプアーム部及び前記ディスク押え部の他端部側に、前記クランプアーム部及びディスク押え部の枢支軸方向に対して平行に摺動可能な摺動板が配設され、該摺動板が、前記クランパをディスクの上方に維持させる区間と、前記クランパを下降させてディスクを前記クランパとターンテーブルとの間に固定させる区間と、ディスクと固定された前記クランパを前記ターンテーブルの上昇に追従させて上昇させる区間とを含む形状のクランプアーム部用カム部と、前記クランパによりディスクが固定されるまでの間、前記押え部を下降させてディスクをトレイ上に固定させる区間と、前記クランパによりディスクが固定された後、前記押え部を上昇させて該押え部によるディスクの固定を開放させる区間とを含む形状のディスク押え部用カム部とを備え、前記クランプアーム部及びディスク押え部の他端部側が、前記摺動板の2個のカム部の形状に沿って上下に移動するように常時付勢されているので、前記摺動板が移動すると、前記クランプアーム部の他端部側が上または下方向に移動し、前記クランプアーム部の一端部側が下または上方向に所定角回動することとなる。そして該クランプアーム部の一端部側が下方向に回動した場合、前記クランパによりディスクを回転可能に支持し得る一方、上方向に回動した場合、前記クランパによる支持から前記ディスクを開放し得ることとなる。同様に前記摺動板が移動すると、前記ディスク押え部の他端部側が下または上方向に移動し、前記ディスク押え部の一端部側が上または下方向に所定角回動することとなる。そして該ディスク押え部の一端部側が上方向に回動した場合、前記ディスク押え部の一端部側による固定から前記ディスクを開放し得る一方、下方向に回動した場合、前記ディスク押え部の一端部側により前記ディスクを固定し得ることとなる。したがって前記クランパまたは前記ディスク押え部の一端部側のいずれかにより、前記ディスクを回転可能に支持し、あるいは固定し得ることとなる。また前記摺動板が1個の駆動部により駆動されるので前記クランパと前記ディスク押え部とが確実に同期することとなり、また従来の機構に比べて簡単な構造となるため、コストを削減し得ると共に小形化を容易に図り得ることとなる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明に係るディスクのクランプ機構の実施例を図面に基づいて説明する。なお、従来例と同一機能を有する構成部品には同一の符号を付すこととする。
図1及び図2は本発明に係るディスクのクランプ機構の実施例を模式的に示した斜視図及び断面図であり、図2の(a)はディスクがトレイに収容されている状態、(b)はターンテーブルにより持ち上げられている状態を示している。図4に示したものと同様、シャーシ41上部の所定箇所には開口部41aをまたいで2個の突起部422a、422bが形成され、突起部422a、422b間には支持軸42bが軸支されており、支持軸42bはシャーシ11の右側壁部面と平行に設定されている。支持軸42bには取り付け金具21aを介して平板21bが回動可能に枢支され、平板21b左端部中央からは平板21cが延設され、平板21b右端部における突起部422a近傍からは平板21dが延設されており、これら取り付け金具21a、平板21b、21c、21dによりアーム21が構成されている。アーム21左端部近傍の所定箇所には図4に示したものと同様のクランパ421が取り付けられる一方、アーム21の右端部側からは略丸棒形状のピン23が延設されており、アーム21右側部はコイルバネ24等により常時上方に付勢されている。これら突起部422a、422b、支持軸42b、アーム21、クランパ421、ピン23、コイルバネ24等を含んでクランプアーム部20が構成されている。
【0016】
また支持軸42bには取り付け金具26aを介して平板26bが回動可能に枢支され、平板26b左端部中央からは平面視略T字形状の連結板26cが延設され、連結板26cの両端部からは断面視略逆L字形状を有する2個の押え部26dが延設されており、トレイ12上のCD11面に当接した際、押え部26d下面は密接するようになっている。また平板26b右端部における突起部422b近傍からは平板26eが延設されており、これら取り付け金具26a、平板26b、26e、連結板26c、押え部26dによりアーム26が構成されている。アーム26の右端部側からは略丸棒形状のピン27が延設されており、アーム26右側部はコイルバネ28等により常時上方に付勢されている。これらアーム26、ピン27、コイルバネ28等を含んでディスク押え部25が構成されている。
【0017】
一方、略長方形板形状の摺動板30には長孔31が形成されており、長孔31内に挿入された頭付きピン31aにより、支持軸42bに対して摺動板30が平行、かつ摺動可能にシャーシ41の右側壁面へ取り付けられている。摺動板30にはそれぞれ所定形状を有する2個のカム部32、33が形成されており、カム部32、33にはそれぞれクランプアーム部20のピン23、ディスク押え部25のピン27が挿入され、ピン23、27はそれぞれコイルバネ24、28により付勢されてカム部32、33に常時押し付けられている。図3に示したように、カム部32a、33a間のピッチPは所定長さに設定されており、またカム部32の勾配32b及びカム部33の勾配33bはそれぞれ所定の傾斜角α及びβに設定されており、傾斜角αに比べて傾斜角βは大きく設定されている。また摺動板30はターンテーブル13の昇降駆動部等に接続機構(共に図示せず)を介して接続されており、前記昇降駆動部等が作動すると、摺動板30が所定速度で矢印EまたはF方向に移動するようになっている。その他の構成は図4に示したものと同様であるので、ここではその構成の詳細な説明は省略するものとする。これらクランプアーム部20、ディスク押え部25、摺動板30、カム部32、33、前記昇降駆動部等を含んでディスクのクランプ機構が構成されている。
【0018】
以下に、このように構成されたディスクのクランプ機構を用い、CDをクランプする場合について説明する。まずトレイ12が開口部41c内に挿入された際、ピン23、27はピン23a、27a(図3)の位置に押し下げられた状態になっており、したがってクランパ421、押え部26dはCD11の上方に離れている。次に前記昇降駆動部等を作動させると、摺動板30が矢印E方向に移動し、ピン23、27がピン23b、27b(図3)の位置に移動する。するとクランパ421はCD11上方に維持される一方、押え部26dが下降し、CD11は押え部26d下面とトレイ12上面との間に挟まれ固定される(図2(a))。さらに摺動板30が移動すると、ピン27がピン27c、27d(図3)の位置に移動し、この間CD11は押え部26d下面により固定され続ける。一方、ピン23はピン23c(図3)の位置から押し上げられ始め(クランパ421が下がり始め)、ピン23d(図3)の位置に押し上げられた際、CD11はクランパ421とターンテーブル13との間に挟まれ固定される。このときターンテーブル13はCD11下面に当接する。さらにターンテーブル13が上昇し、摺動板30が移動すると、ピン23が勾配32b(図3)により押し下げられ、クランパ421がターンテーブル13の上昇速度に追従して上昇し、CD11はクランパ421により固定され続ける。同時に勾配33b(図3)によりピン27がピン23に比べて急速に押し下げられ、押え部26dが急上昇してCD11上面から離れ、CD11はクランパ421のみにより回転可能に支持される(図2(b))。ターンテーブル13が所定高さに上昇すると、摺動板30の移動が停止され、ピン23、27はピン23e、27eの位置に停止し、CD11はクランパ421により回転可能に支持され続ける。再生後は上記工程と逆の工程によりCD11がトレイ12に収容される。
【0019】
上記説明から明らかなように、実施例に係るディスクのクランプ機構では、一端部側にクランパ421が回転可能に枢支されたクランプアーム部20と、一端部側にディスク11をトレイ12上に固定する押え部26dを有するディスク押え部25とがシャーシ41に回動可能に枢支され、クランプアーム部20及びディスク押え部25の他端部側に、クランプアーム部20及びディスク押え部25の枢支軸42b方向に対して平行に摺動可能な摺動板30が配設され、摺動板30が、クランパ421をディスク11の上方に維持させる区間と、クランパ421を下降させてディスク11をクランパ421とターンテーブル13との間に固定させる区間と、ディスク11と固定されたクランパ421をターンテーブル13の上昇に追従させて上昇させる区間とを含む形状のカム部32と、クランパ421によりディスク11が固定されるまでの間、押え部26dを下降させてディスク11をトレイ12上に固定させる区間と、クランパ421によりディスク11が固定された後、押え部26dを上昇させて押え部26dによるディスク11の固定を開放させる区間とを含む形状のカム部33とを備え、クランプアーム部20及びディスク押え部25の他端部側が、摺動板30の2個のカム部32、33の形状に沿って上下に移動するように常時付勢されているので、摺動板30が移動すると、クランプアーム部20のピン23がカム部32に沿って上または下方向に移動し、クランプアーム部20のクランパ421側が下または上方向に所定角回動する。そしてクランプアーム部20のクランパ421側が下方向に回動した場合、クランパ421によりCD11を回転可能に支持する一方、上方向に回動した場合、クランパ421による支持からCD11を開放することができる。同様に摺動板30が移動すると、ディスク押え部25のピン27がカム部33に沿って下または上方向に移動し、ディスク押え部25の押え部26d側が上または下方向に所定角回動する。そしてディスク押え部25の押え部26d側が上方向に回動した場合、ディスク押え部25の押え部26dによる固定からCD11を開放する一方、下方向に回動した場合、ディスク押え部25の押え部26dによりCD11を固定することができる。したがってCD11をクランパ421または押え部26bのいずれかにより、回転可能に支持し、あるいは固定することができる。また摺動板30が1個の駆動部により駆動されるので、クランパ421と押え部26bとを確実に同期させることができ、また従来の構造に比べて簡単なものとなるため、コストを削減すると共に、小形化を容易に図ることができる。
【0020】
また摺動板30に形成された2個のカム部32a、33a間が、所定ピッチPに設定されているので、CD11がクランパ421により回転可能に支持されたとき、押え部26dによる固定をタイミングよく開放することができ、あるいはクランパ421によるCD11の支持が開放されたとき、押え部26dによりタイミングよくCD11を固定することができる。したがって再生時にはCD11を確実に所定速度で回転させつつ支持する一方、再生しない時は確実に固定することができると共に、ターンテーブル13の回転駆動部に対する負荷を削減することができる。
【0021】
また摺動板30に形成された2個のカム部32、33の勾配32b、33bがそれぞれ所定の傾斜角α、βに設定されると共に、摺動板30の移動速度が所定速度に設定されているので、クランパ421と押え部26dとの各昇降速度を簡単かつ確実に制御することができる。したがって、ターンテーブル13の昇降速度とクランパ421の昇降速度とが同じように設定されていると、ターンテーブル13に追従してクランパ421が昇降し、クランパ421によりCD11を一層確実に支持すると共に、ターンテーブル13の昇降駆動部に対する負荷を一層削減することができる。またターンテーブル13及びクランパ421の上昇速度に対して押え部26dの上昇速度が相対的に速くなるように設定されていると、押え部26dによる固定を一層確実に開放すると共に、ターンテーブル13の昇降駆動部に対する負荷を一層削減することができる。
【0022】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明に係るディスクのクランプ機構(1)にあっては、一端部側にクランパが回転可能に枢支されたクランプアーム部と、一端部側にディスクをトレイ上に固定する押え部を有するディスク押え部とがシャーシに回動可能に枢支され、前記クランプアーム部及び前記ディスク押え部の他端部側に、前記クランプアーム部及びディスク押え部の枢支軸方向に対して平行に摺動可能な摺動板が配設され、該摺動板が、前記クランパをディスクの上方に維持させる区間と、前記クランパを下降させてディスクを前記クランパとターンテーブルとの間に固定させる区間と、ディスクと固定された前記クランパを前記ターンテーブルの上昇に追従させて上昇させる区間とを含む形状のクランプアーム部用カム部と、前記クランパによりディスクが固定されるまでの間、前記押え部を下降させてディスクをトレイ上に固定させる区間と、前記クランパによりディスクが固定された後、前記押え部を上昇させて該押え部によるディスクの固定を開放させる区間とを含む形状のディスク押え部用カム部とを備え、前記クランプアーム部及びディスク押え部の他端部側が、前記摺動板の2個のカム部の形状に沿って上下に移動するように常時付勢されているので、前記摺動板が移動すると、前記クランプアーム部の他端部側が上または下方向に移動し、前記クランプアーム部の一端部側が下または上方向に所定角回動する。そして該クランプアーム部の一端部側が下方向に回動した場合、前記クランパによりディスクを回転可能に支持する一方、上方向に回動した場合、前記クランパによる支持から前記ディスクを開放することができる。同様に前記摺動板が移動すると、前記ディスク押え部の他端部側が下または上方向に移動し、前記ディスク押え部の一端部側が上または下方向に所定角回動する。そして該ディスク押え部の一端部側が上方向に回動した場合、前記ディスク押え部の一端部側による固定から前記ディスクを開放する一方、下方向に回動した場合、前記ディスク押え部の一端部側により前記ディスクを固定することができる。したがって前記クランパまたは前記ディスク押え部の一端部側のいずれかにより、前記ディスクを回転可能に支持し、あるいは固定することができる。また前記摺動板が1個の駆動部により駆動されるので、前記クランパと前記ディスク押え部とを確実に同期させることができ、また従来の機構に比べて簡単な構造となるため、コストを削減すると共に小形化を容易に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るディスクのクランプ機構の実施例を模式的に示した斜視図である。
【図2】実施例に係るディスクのクランプ機構を模式的に示した断面図であり、(a)はディスクがトレイに収容されている状態、(b)はターンテーブルにより持ち上げられている状態を示している。
【図3】実施例に係るディスクのクランプ機構のカム部形状とピンの動きとを説明するために示した概略図である。
【図4】従来のディスクのクランプ機構及びその周辺部を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
20 クランプアーム部
23 ピン
25 ディスク押え部
27 ピン
30 摺動板
32、32a カム部
33、33a カム部
41 シャーシ
42b 支持軸
421 クランパ
Claims (1)
- 一端部側にクランパが回転可能に枢支されたクランプアーム部と、一端部側にディスクをトレイ上に固定する押え部を有するディスク押え部とがシャーシに回動可能に枢支され、
前記クランプアーム部及び前記ディスク押え部の他端部側に、前記クランプアーム部及びディスク押え部の枢支軸方向に対して平行に摺動可能な摺動板が配設され、
該摺動板が、
前記クランパをディスクの上方に維持させる区間と、前記クランパを下降させてディスクを前記クランパとターンテーブルとの間に固定させる区間と、ディスクと固定された前記クランパを前記ターンテーブルの上昇に追従させて上昇させる区間とを含む形状のクランプアーム部用カム部と、
前記クランパによりディスクが固定されるまでの間、前記押え部を下降させてディスクをトレイ上に固定させる区間と、前記クランパによりディスクが固定された後、前記押え部を上昇させて該押え部によるディスクの固定を開放させる区間とを含む形状のディスク押え部用カム部とを備え、
前記クランプアーム部及びディスク押え部の他端部側が、前記摺動板の2個のカム部の形状に沿って上下に移動するように常時付勢されていることを特徴とするディスクのクランプ機構。
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Publication number | Publication date |
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JPH08102116A (ja) | 1996-04-16 |
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