JP3601680B2 - Icテスタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被試験対象(IC,LSI等)の試験を行うICテスタに関し、容易にタイミングエラーを検出できるICテスタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ICテスタは、被試験対象(以下DUT)に試験パターンを与え、この試験パターンに基づいてDUTが出力した応答信号と期待値パターンとを比較して、DUTの合否の判定をするものである。
【0003】
このような装置を図4に示し説明する。
図において、レートジェンレータ1は、RTTC(リアルタイム・タイミング・コントロール)アドレスを入力し、レートメモリ11の周期情報に基づいて、レート信号を出力する。レート信号は、DUTのテストサイクルを示す信号である。パターンジェネレータ2は、レートジェンレータ1が出力するレート信号を入力し、RTTCアドレス及びパターンデータを出力する。パターンデータは、試験パターンと期待値パターンとフォーマッタ情報等により構成される。タイミングジェンレータ3は、レートジェンレータ1、パターンジェンレータ2に接続し、レート信号、RTTCアドレス、パターンデータを入力し、ドライバ出力、I/O切替信号、ストローブを出力する。ピンエレクトロニクス4は、タイミングジェンレータ4と接続し、ドライバ、コンパレータ、リレー等を含む回路で、DUT5に接続する。
【0004】
さらに詳細にタイミングジェンレータ3の構成を図5に示し説明する。
図において、RTTCメモリ(エッジメモリ)M1〜M6は、RTTCアドレスを入力し、エッジのタイミング情報を記憶し、出力する。フォーマッタFは、パターンデータとRTTCメモリM1〜M6からのタイミング情報とにより、レートジェンレータ1からのレート信号を遅延し、6つのエッジを出力する。SRフリップフロップ31は、フォーマッタFからの2つのエッジをセット端子、リセット端子に入力し、ピンエレクトロニクス4のドライバDに出力する。SRフリップフロップ32は、フォーマッタFから2つのエッジをセット端子、リセット端子に入力し、ピンエレクトロニクス4の図示しないリレーに、I/O切替信号を出力する。このリレーは、DUT5とドライバ、コンパレータとの接続を切り換えるものである。SRフリップフロップ33は、フォーマッタFから2つのエッジをセット端子、リセット端子に入力し、ピンエレクトロニクス4の図示しないコンパレータに与えるストローブを出力する。
【0005】
このような装置の動作を以下に説明する。
レートジェンレータ1は、パターンジェンレータ2からのRTTCアドレスを入力し、このRTTCアドレスに対応するレートメモリ11の周期情報に基づいて、レート信号を出力する。このレート信号を受けて、パターンジェンレータ2は、RTTCアドレスをレートジェネレータ1、タイミングジェネレータ3に出力すると共に、タイミングジェネレータ3にパターンデータを出力する。
【0006】
タイミングジェネレータ3のRTTCメモリM1〜M6は、パターンジェネレータ2からのRTTCアドレスを入力し、レートジェネレータ1からのレート信号ごとにタイミング情報を、フォーマッタFに出力する。フォーマッタFは、パターンデータとタイミング情報とにより、レート信号を遅延したエッジをSRフリップフロップ31〜33のセット端子、リセット端子に出力する。SRフリップフロップ31〜33は、ピンエレクトロニクス4に出力を与える。そして、ピンエレクトロニクス4は、DUT5に試験信号を与え、DUT5からの応答信号を入力する。ピンエレクトロニクス4が受けた応答信号を、タイミングジェンレータ3の図示しないフェイルメモリに入力し、パターンデータの期待値パターンと比較し、パス/フェイル情報を格納する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
フォーマッタFが出力するエッジには、最小エッジ間隔やテスト周期に対して最長タイミングなどのタイミング制約が存在する。これはハードウェアによる制約で避けられないものである。これに違反すると、本来の波形出力が得られないばかりか、DUT5の合否の判定にも影響を与える。
【0008】
そこで、フォーマッタF内部では、エッジを出力する前準備のための信号と、エッジとを、アップダウンカウンタのアップ端子あるいはダウン端子に入力し、アップダウンカウンタの結果が”0”でないとき、エラーとしていた。
【0009】
しかし、エラーが重なり、アップダウンカウンタのカウンタ値がフルになると、”0”となり、エラーが検出されなくなってしまう。また、この場合、デジタル的要因でしか検出できず、アナログ的要因、つまり、ドライバの動作性能等の要因のエラー検出はできなかった。
【0010】
また、確実なエラー検出とエラー個所の抽出には、ソフト的にエラーを検出する方法がある。しかし、全テストパターンをエミュレートするには膨大な時間、例えば、長いテストパターンだと数十時間を必要としてしまう。また、エラー検出のソフトを作成するのにも、膨大な工数を必要としてしまうという問題点があった。
【0011】
そこで、本発明の目的は、容易にタイミングエラーを検出できるICテスタを実現することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
レートメモリに格納された周期情報に基づいて、レート信号を出力し、このレート信号を、エッジメモリのタイミング情報に基づいて、フォーマッタが、遅延させ、エッジを出力し、このエッジを用いて、被試験対象の試験を行うICテスタにおいて、
前記周期情報と前記タイミング情報とを入力し、タイミングエラーを求める演算部を設けたことを特徴とするものである。
【0013】
このような本発明では、演算部が、レートメモリからの周期情報とエッジメモリからのタイミング情報とにより、タイミングエラーを求める。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例を示した構成図である。ここで、図4,5と同一のものは同一符号を付し説明を省略する。すなわち、図1は、図5に示されるタイミングジェンレータ3の構成を変更したものである。
【0015】
図において、レートメモリM7は、パターンジェネレータ2からのRTTCアドレスを入力し、レートジェンレータ1のレートメモリ11と別に、同一のレート信号の周期情報を格納し、出力する。演算部34は、RTTCメモリM1〜M6のタイミング情報とレートメモリM7の周期情報とを入力し、タイミングエラーを求める。判定部35は、パターンジェネレータ2からのパターンデータとDUT5の応答信号とを入力して、比較し、比較結果であるパス/フェイル情報を出力する。セレクタ36は、演算部34のタイミングエラー情報と判定部35のパス/フェイル情報とを選択する。フェイルメモリFMは、セレクタ35からの出力を入力して、格納する。
【0016】
さらに図2に演算部34の構成を詳細に説明する。
図において、フリップフロップ341は、レート信号をクロック端子に入力し、レートメモリM7からの周期情報を入力する。フリップフロップ342は、レート信号をクロック端子に入力し、RTTCメモリM1〜M6からのタイミング情報を入力する。演算回路343は、レートメモリM7からの周期情報、RTTCメモリM1〜M6からのタイミング情報を入力すると共に、フリップフロップ341,342からの周期情報、タイミング情報を入力し、タイミングエラーを求める。
【0017】
ICテスタの全体動作は、従来例と同様であるため、説明を省略し、異なる点について、以下に説明する。
【0018】
DUT5の試験時には、セレクタ36は、判定部35の出力を選択する。そして、判定部35は、ピンエレクトロニクス4からの応答信号とパターンデータの期待値とを比較し、パス/フェイル情報を出力する。フェイルメモリFMは、セレクタ36を介して、判定部35のパス/フェイル情報を入力して、格納する。実際には、パターンデータを格納するパターンメモリに与えるパターンアドレスを、パターンジェネレータ2からフェイルメモリFMは入力し、パターンアドレスと共に、パス/フェイル情報を格納している。
【0019】
タイミングエラー検出時には、セレクタ36は、演算部34からのタイミングエラー情報を選択する。この場合、ICテスタ自体に、DUT5は取付けても、取付けなくともよい。
【0020】
RTTCメモリM1〜M6、レートメモリM7は、RTTCアドレスを入力し、レート信号ごとに、タイミング情報、周期情報を、演算部34に出力する。そして、フリップフロップ341、342は、周期情報、タイミング情報を、レート信号の1クロック遅らせて、演算回路343に出力する。また、演算回路343は、RTTCメモリM1〜M6、レートメモリM7から、直接、タイミング情報、周期情報を入力する。
【0021】
そして、演算回路343は、エッジ出力範囲によりタイミングエラーを判定する。エッジ出力は、RTTCメモリM1〜M6のタイミング情報により、フォーマッタF内のカウンタ(図示せず)がレート信号の入力からカウントを行い、エッジの出力を行っている。従って、1つのカウンタによりエッジ出力を行っている場合、エッジ出力範囲は、レート信号の1周期分となる。また、フォーマッタF内で、2つのカウンタを用いてエッジ出力を行っている場合、エッジ出力範囲は、レート信号の2周期分となる。しかし、2周期分のタイミング情報でエッジ出力を行い、次のエッジのタイミング情報が”0”のとき、エッジが重なってしまうので、例えば、20[nsec]の余裕をとる。つまり、図3(a),(b)に示すように、演算回路343は、Rn+1+R−E≧20[nsec]の関係ならば、タイミングを正常とし、関係でないならば、タイミングエラーとする。
【0022】
また、演算回路343は、同一エッジの間隔を演算し、同一エッジの最小間隔によりタイミングエラーを判定する。エッジやレート信号の分解能は、ICテスタの動作周期(例えば、62.5[MHz](16[nsec]))より、高分解能(例えば、125[psec])である。そのため、ICテスタの動作周期より高分解能の部分は、端数として足し算を行い、ICテスタの動作周期以上になったら、全体に動作周期分を足して動作を行っている。従って、レート信号とエッジの端数の最大値(16[nsec]+16[nsec]=32[nsec])が同一エッジの最小間隔となる。従って、図3(a),(c)に示すように、演算回路343は、En+1+R−E≧32[nsec]の関係ならば、タイミングを正常とし、関係でないならば、タイミングエラーとする。
【0023】
さらに、演算回路343は、ストローブ間隔を演算し、最小ストローブ間隔により、タイミングエラーを判定する。ストローブは、2つのエッジをSRフリップフロップ33に入力することにより生成している。また、最小ストローブ間隔は、ピンエレクトロニクス4の回路の動作可能範囲で決定される。例えば、DUT5の応答信号を受けるコンパレータからの結果を取り込む回路のホールドタイムの最小値(22[nsec])が最大の制限要因だったとする。このとき、図3(a),(d)SRフリップフロップ33のセット端子に入力されるエッジ,(e)SRフリップフロップ33のリセット端子に入力されるエッジに示すように、演算回路343は、En+1+R−E’≧22[nsec]の関係ならば、タイミング正常とし、関係でないならば、タイミングエラーとする。ここで、E ’は、SRフリップフロップ33のセット端子に入力されるエッジのタイミング情報、E n+1 は、SRフリップフロップ33のリセット端子に入力されるエッジのタイミング情報である。
【0024】
フェイルメモリFMは、演算部34の演算回路343からのタイミングエラー情報を格納する。実際には、パターンジェンレータ2からのパターンアドレスと共に、タイミング情報を格納する。
【0025】
このように、演算部34が、レートメモリM7の周期情報とRTTCメモリM1〜M6のタイミング情報とにより、タイミングエラーを検出するので、容易にタイミングエラーを検出することができる。
【0026】
また、演算してタイミングエラーを検出しているので、ICテスタの分解能(16[nsec])よりも高分解能(125[psec])のタイミングエラーを検出できると共に、アナログ的なタイミングエラーも検出することができる。
【0027】
そして、DUT5の試験時間と同じ短時間で、タイミングエラーを検出できる。
【0028】
さらに、演算部34からのタイミングエラー情報を、フェイルメモリFMに格納する構成にしたので、どこでタイミングエラーが発生したかが容易にわかる。
【0029】
ICテスタは大型の装置で、レートジェネレータ1とタイミングジェンレータ3とは別のプリント基板で構成され、多くのケーブル配線があることも問題の1つとしてあげられる。つまり、レートジェンレータ1とタイミングジェンレータ3とに、レートメモリ11,M7を別々に設けたので、ケーブルの配線、コネクタ等の増加を防止することができる。
【0030】
なお、本発明はこれに限定されるものではなく以下のようなものでもよい。
演算部34は、レートメモリM7の周期情報とRTTCメモリM1〜M6のタイミング情報とにより、タイミングを演算し、タイミングエラーを求めている。しかし、RTTCメモリM1〜M6のタイミング情報により、フォーマッタFはエッジを生成するが、パターンデータにより、SRフリップフロップ31〜33にエッジを出力しない場合もある。この場合、フォーマッタFの内部でタイミングエラーがあっても、フォーマッタFがエッジを出力しないので、タイミングエラーとして必ずしも検出する必要がない。そこで、演算部34の演算回路343が、パターンデータも入力し、このパターンデータも条件として、タイミングエラー検出に用いてもよい。つまり、エッジを出力する必要がない時は、タイミングエラーであっても、タイミングエラーとしない構成にする。また、フォーマッタFの内部で、パターンデータを解釈した結果の信号、つまり、エッジを出力する前準備のための信号(エッジを出力しない場合は出力されない)を、パターンデータの代わりに、演算部34の演算回路343に入力して、エッジを出力する必要がない場合は、タイミングエラーとして検出しない構成としてもよい。
【0031】
また、DUT5の試験またはタイミングエラー検出のどちらか一方を行う構成を示したが、DUT5の試験と同時に、タイミングエラーを検出する構成でもよい。この場合、セレクタ36により、信号を選択し、フェイルメモリFMに格納する構成ではなく、タイミングエラーのためのメモリを設ける構成や、フェイルメモリFMの領域にタイミングエラーのための領域を設ける構成にする。
【0032】
そして、タイミングの制約として、3つの制約によるタイミングエラーを検出する構成を示したが、これに限定されるものではなく、他の制約を加えてもよい。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、以下のような効果がある。
請求項1〜6によれば、演算部が、レートメモリの周期情報とエッジメモリのタイミング情報とにより、タイミングエラーを検出するので、容易にタイミングエラーを検出することができる。
【0034】
また、演算してタイミングエラーを検出しているので、ICテスタの分解能よりも高分解能のタイミングエラーを検出できると共に、アナログ的なタイミングエラーも検出することができる。
【0035】
そして、被試験対象の試験時間と同じ短時間で、タイミングエラーを検出できる。
【0036】
請求項3によれば、演算部が、パターンデータに基づいて、タイミングエラーを求めるので、不必要なタイミングエラーの検出を防止できる。
【0037】
請求項7によれば、演算部のタイミングエラー情報を、フェイルメモリに格納する構成にしたので、どこでタイミングエラーが発生したかが容易にわかる。
【0038】
請求項8によれば、レートジェンレータとタイミングジェンレータとに、レートメモリを別々に設けたので、ケーブルの配線、コネクタ等の増加を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示した構成図である。
【図2】図1に示す装置の要部構成図である。
【図3】図1に示す装置の動作を示したタイミングチャートである。
【図4】従来のICテスタの構成を示した図である。
【図5】図4に示す装置のタイミングジェンレータ3の具体的構成を示した図である。
【符号の説明】
FM フェイルメモリ
M1〜M6 RTTCメモリ
M7,11 レートメモリ
1 レートジェンレータ
3 タイミングジェンレータ
34 演算部
36 セレクタ
341,342 フリップフロップ
343 演算回路

Claims (8)

  1. レートメモリに格納された周期情報に基づいて、レート信号を出力し、このレート信号を、エッジメモリのタイミング情報に基づいて、フォーマッタが、遅延させ、エッジを出力し、このエッジを用いて、被試験対象の試験を行うICテスタにおいて、
    前記周期情報と前記タイミング情報とを入力し、タイミングエラーを求める演算部を設けたことを特徴とするICテスタ。
  2. 演算部は、
    レート信号をクロック端子に入力し、周期情報を1クロック遅らせる第1のフリップフロップと、
    レート信号をクロック端子に入力し、タイミング情報を1クロック遅らせる第2のフリップフロップと、
    前記第1のフリップフロップが入力される周期情報、出力する周期情報と前記第2のフリップフロップが入力されるタイミング情報、出力するタイミング情報を入力し、タイミングエラーを求める演算回路と
    を設けたことを特徴とする請求項1記載のICテスタ。
  3. 演算部は、パターンデータを入力し、パターンデータにより、エッジを出力する必要がない時には、タイミングエラーとしないことを特徴とする請求項1または2記載のICテスタ。
  4. 演算部は、タイミング情報の範囲によりタイミングエラーを判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のICテスタ。
  5. 演算部は、エッジの立ち上がりから次のエッジの立ち上がりまでの最小間隔によりタイミングエラーを判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のICテスタ。
  6. 演算部は、ストローブの立ち上がりと立ち下がりの最小間隔によりタイミングエラーを判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のICテスタ。
  7. 演算部のタイミングエラーまたはパス/フェイル情報の少なくとも一方を格納するフェイルメモリを設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のICテスタ。
  8. 第1のプリント基板に搭載され、レート信号を出力するレートジェレータと、
    第2のプリント基板に搭載され、前記レートジェネレータからのレート信号に基づいて、エッジ信号を出力するタイミングジェネレータと
    を有し、レートジェレータとタイミングジェレータとにレートメモリを別々に設け、タイミングジェネレータにエッジメモリと演算部とを設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のICテスタ。
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