JP3601206B2 - ポリ塩化ビニル被覆鋼管用接着剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、従来と比較し、ポリ塩化ビニルと鋼管との接着性を著しく向上させたポリ塩化ビニル(以下PVCという)被覆鋼管用接着剤組成物に関するものであり、樹脂被覆鋼管製造技術に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
PVCで被覆された鋼管(以下PVC被覆鋼管という)は主に以下の二つの方法で製造されていることは周知の通りである。
すなわち、一つは有機溶剤に溶解(溶液)または分散状態の接着剤組成物を鋼管側またはPVC管側に塗布乾燥後、PVC管に鋼管を挿入あるいは鋼管にPVC管を挿入した後、PVC管を加熱収縮または加熱膨張させてPVC被覆鋼管を製造する方法である。
そして別の方法としては、押し出し機やホットメルトアプリケーターにより、鋼管またはPVC管に接着剤を溶融塗布して、接着剤塗工鋼管にPVCを溶融押し出し積層させたり、鋼管に接着剤塗工PVC管を挿入加熱膨張させて製造する方法が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
以上の様なPVC被覆鋼管の製造方法において用いられるPVC被覆鋼管用接着剤には、PVC被覆鋼管のねじ切りの際に被覆PVCと鋼管が剥離しない様に強い接着強度が要求される。すなわち、PVC被覆鋼管を所望の長さに切断し、その両端に継手用のねじ切り部分を設けるねじ切り工程で、PVC被覆層が鋼管から剥離しないということは、PVC被覆鋼管の製造においてPVC被覆鋼管用接着剤に絶対的に必要とされる特性である。
【0004】
ねじ切り工程においてPVC被覆鋼管は、長手方向をチャックで固定された状態で、鋼管の円周方向に回転しながら、ねじ切りが行われるので、接着剤の接着強度が弱いと、被覆PVC層と鋼管の接着面積が少ない場合、ねじ切り作業中に鋼管から被覆PVC層が剥がれ、所定のねじ切りができないことになる。
また、接着剤には、ねじ切り工程において切削油が用いられるため、当該切削油に対する耐薬品性も要求される。
さらに、ねじ切りの際には、鋼管とねじ切り歯の摺動摩擦によって発生する熱により、PVC被覆鋼管の温度は上昇する為、耐熱性が付与されていない接着剤を使用した場合、ねじ切り作業中に接着剤が軟化により凝集力が低下し、鋼管からPVC被覆層が剥がれ、所定のねじ切りができないという事態も発生するので、PVC被覆鋼管用接着剤には耐熱性も当然のことに要求される。
【0005】
その様な特性の要求されるPVC被覆鋼管用接着剤としてホットメルト型接着剤を用いることも検討されているが、ホットメルト型接着剤には耐熱性不足という問題があり、前記した様に、ねじ切り工程で、必要とされる被覆PVC層が鋼管から剥離しない、強い接着強度を得ることができない。
その問題点を解消するものとして、特開平5−295354号、特開平5−247428号、特開平6−73360号等には、熱反応型の接着剤組成物が開示されているが、いずれも、硬化に必要な温度が高い為、被覆剤としてのPVCに脱塩酸などによる熱劣化が生じ易く、PVC被覆層の品質劣化を引き起こす可能性があり、逆にPVC被覆層の熱劣化を抑えようとすると、十分な加熱ができず、そのため硬化反応が不十分になり、耐熱接着性が得ることができないという問題を有するものである。
また、接着剤を溶融塗工する場合は、設備投資が大きく、接着剤の溶融時の熱劣化・溶融粘度変化などの作業性にも問題を有している。
【0006】
本発明者らは、上記したPVC被覆鋼管用接着剤、特に熱溶融型接着剤の問題である溶融塗工安定性、PVCが熱劣化しない低温接着性および接着耐熱性等を改良すべく検討を行ったのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる問題を解決するために鋭意検討した結果、特定の樹脂を組み合わせ、それを接着剤組成物の有効樹脂成分とすることにより、優れたポリ塩化ビニル被覆鋼板用接着剤組成物が得られることを見い出し本発明を完成したのである。すなわち、本発明は芳香族ジカルボン酸を主成分とする酸成分と炭素数2〜8の脂肪族グリコールまたは脂環式グリコールを主成分とするグリコール成分からなり、R&B軟化点が130〜180℃である飽和共重合ポリエステル樹脂とガラス転移温度(Tg)が50℃以上であり、且つ数平均分子量が10 , 000〜50 , 000である塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂を有効成分とすることを特徴とするポリ塩化ビニル被覆鋼用接着剤組成物に関するものである。
【0008】
【実施の形態】
以下に、本発明の接着剤組成物について説明する。
〇飽和共重合ポリエステル樹脂
本発明で使用される飽和共重合ポリエステル樹脂の製造に用いられる酸成分としては、一般的に用いられているカルボン酸およびそのエステルの内、芳香族ジカルボン酸およびそのエステル、一般的には低級アルキルエステルが主成分として用いられ、その具体例としては次のようなものが挙げられるが、これらに限られるものではない。なお、常套的な表現であるが、本発明においても酸成分としての芳香族ジカルボン酸という表現にはそのエステルも含むものである。
具体的な化合物としてはテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、α−ナフタレンジカルボン酸およびそれらのエステル誘導体などが挙げられる。
かかる芳香族ジカルボン酸の内、テレフタル酸およびそのエステル誘導体が接着強度および耐熱接着強度の点で特に本発明にとり好ましい。
【0009】
本発明において酸成分は、上記芳香族ジカルボン酸を主成分とするものであるが、副成分としてであれば脂肪族ジカルボン酸を併用することができる。
芳香族ジカルボン酸と併用される脂肪族ジカルボン酸としては、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸およびそのエステル誘導体が好ましく、具体例としては次のようなものが挙げられるが、これらに限られるものではない。
コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ウンデシレン酸、ドデカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸およびそのエステル誘導体が挙げられる。
なお、そのほかのジカルボン酸、例えば1.4−シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸などの脂環式ジカルボン酸なども本発明の組成物の特性を損なわない範囲内で配合することもできる。
また、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸なども反応時のゲル化や塗膜性能を損なわない範囲で併用することが可能であるが、全酸性成分の5モル%以下の範囲の使用が望ましい。
以上の様に本発明においては、主成分の芳香族ジカルボン酸に種々のカルボン酸を併用できるが、本発明で用いられる共重合ポリエステル樹脂を構成する酸成分のなかでの芳香族ジカルボン酸(およびそのエステル誘導体)の使用量は好ましくは全酸成分の60モル%以上であり、更に好ましくは70モル%以上のものである。
芳香族ジカルボン酸の使用量が60モル%未満であると接着剤の樹脂の硬さ、樹脂の凝集力が不足するため、ねじ切り時に必要な耐熱接着性を得ることが困難になる。
【0010】
本発明で使用される飽和共重合ポリエステル樹脂の製造にグリコール成分として用いられる炭素数2〜8の脂肪族グリコールまたは脂環式グリコールの具体例としては次のようなものが挙げられるが、これらに限られるものではない。
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタンジオール、2,2,3−トリメチルペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどである。
また、酸成分の場合と同様に、上記グリコールに、アルコール成分としてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコールなどを、好ましくは全グリコール(多価アルコール等全てを含む)の5モル%以下の量で併用することが可能である。
【0011】
本発明で使用される飽和共重合ポリエステル樹脂は、前記した酸成分およびアルコール成分から構成されるものであるが、その分子量が数平均分子量(GPC,ポリスチレン換算)で5,000以上40,000以下のものが本発明にとり好ましく、更に好ましくは10,000以上30,000以下のものである。
分子量が5,000未満では、樹脂が脆くなり、ねじ切り強度が低下し、分子量が40,000を越えると、樹脂の溶融粘度や溶液粘度が高くなりすぎて塗工する際に問題が発生することがある。
また、軟化点としては、R&B軟化点で130℃以上180℃以下のものが本発明にとり好ましい。軟化点が130℃未満では、樹脂の耐熱性が不足し、ねじ切り強度が低下し、180℃を越えると接着するときに高い加熱が必要となり、PVCの劣化や変形などのトラブルを発生させる恐れがある。
【0012】
〇飽和共重合ポリエステル樹脂の製法
本発明に用いられる飽和共重合ポリエステル樹脂は通常の方法により製造される。例えば、原料及び触媒を反応容器に仕込み、生成物の融点以上の温度で加熱する溶融重合法、生成物の融点以下で重合する固相重合法、溶媒を使用する溶液重合法などがあり、いずれの方法を採用しても良いが、本発明の目的に沿う適度な重合度のポリエステルを得るためおよび経済性の面から溶融重合法が好ましく、公知のエステル交換法や直接エステル化法により製造される。
【0013】
〇塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂
本発明で用いられる塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(以下これをPVC−VAcという)は塩化ビニルおよび酢酸ビニルモノマーを懸濁重合あるいは乳化重合して製造されるものであり、市販品がそのまま使用可能であるが、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上のものが本発明にとり好ましく、更に好ましいものは70℃以上のものである。Tgが50℃未満では目的の耐熱接着性を得ることが困難である。
本発明で用いられるPVC−VAcとして、塩化ビニルと酢酸ビニルの他に、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ビニルアルコールなどを共重合したものも用いることができ、特にアクリル酸を共重合したものは接着強度の点から本発明にとり好ましい。
これらPVC−VAcとしては、数平均分子量(GPC、ポリスチレン換算)が10,000以上50,000以下のものが本発明にとり好ましい。分子量が10,000未満であると接着強度、特に、高温での接着強度が不足し、ねじ切り強度が低下する傾向がある。また、分子量が50,000より大きいときは、溶液にしたときの粘度が高すぎて塗工する際に問題が発生する恐れがある。
【0014】
〇配合割合
本発明において、飽和共重合ポリエステル樹脂とPVC−VAcの好ましい配合割合は、上記ポリエステル樹脂100重量部に対して、PVC−VAc25重量部以上250重量部以下、より好ましくは45重量部以上150重量部以下の配合割合である。PVC−VAcの割合が25重量部未満では、ねじ切り強度が低下する傾向があり、250重量部を越えると接着するときに高い加熱が必要となり、PVCの劣化や変形などを生じるトラブルが発生する恐れがある。
【0015】
〇有機溶剤
本発明の接着剤組成物は、有機溶剤に溶解(溶液)または分散状態で使用される接着剤に適したものであり、有機溶剤に溶解(溶液)または分散させて普通使用されるものであり、用いられる有機溶剤としては主成分である飽和共重合ポリエステル樹脂およびPVC−VAcを溶解あるいは分散できる溶剤であれば特に限定はなく、具体的にはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン、ベンジルアルコール等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤、1,3−ジオキソラン、THF、1,4−ジオキソラン等の環状エーテル系溶剤等でありさらにはこれら溶剤の混合系が用いられる。
有機溶剤を使用する際は、主成分である飽和共重合ポリエステル樹脂およびPVC−VAcを溶解あるいは分散できる量で用いられ、数量的には接着剤中の飽和共重合ポリエステル樹脂およびPVC−VAcの量が一般的には5〜60重量%、好ましくは5〜50%の範囲になる量である。
これらの樹脂量が60重量%を越えると接着剤の粘度が高くなり、塗工性に問題が生じ易く、5重量%未満であると樹脂濃度の低下により、鋼管或いはPVC管への接着剤塗工量が低下し、十分な接着強度を得ることが困難になる。
【0016】
〇その他の添加剤
本発明の接着剤組成物には、接着性能向上、塗工時の不具合防止など種々の性能を付与する目的で、各種添加剤を本発明組成物に配合することができ、具体的にはタッキファイヤー、硬化剤、充填剤、レベリング剤、増粘剤、垂れ防止剤、消泡剤、防錆剤、加水分解防止剤等を添加することができる。かかる添加剤は、本接着剤組成物の調合時および/または調合後に添加混合し、使用に供することができる。
【0017】
〇塗工方法および接着方法
本発明のPVC被覆鋼管用接着剤組成物の塗工方法および接着方法について以下に説明する。
本発明に関わるPVC被覆鋼管に適用される鋼管としては、炭素綱鋼管、亜鉛メッキ鋼管などを挙げることができる。これらの鋼管には必要に応じて、研磨、脱脂等の処理や、クロム酸処理、リン酸塩処理等の化成処理を行い、その後に接着剤を塗工することもできる。
本接着剤組成物を塗工する方法としては、ポリエステル樹脂、PVC−VAcおよび各種添加剤を溶剤に溶解・分散し、刷毛塗り、浸漬塗布、スプレー塗布、しごき塗り、流し塗り等の方法により塗布した後、溶剤を乾燥する方法で塗工できる。
塗工後の乾燥膜厚は2〜100μm、好ましくは5〜40μmである。
【0018】
本発明の接着剤組成物が塗工された鋼管にPVCを被覆する方法としては、予め成形された熱収縮PVC管に、接着剤が塗工された鋼管を差し込み、加熱する方法、接着剤が塗工された鋼管に、PVCを溶融押出被覆する方法等が挙げられる。
予め成形された熱収縮PVC管に、接着剤が塗工された鋼管を差し込む場合は、差し込んだ後に、炉温100〜250℃の加熱炉に5〜40分間通すことにより、収縮したPVCの圧力により溶融した接着剤層を介して、PVCと鋼管を接着できる。
また、PVCを溶融押出被覆する場合は、溶融PVCを円形ダイスから押出ながら、接着剤が塗工された鋼板を通すことにより、接着剤層上にPVC被覆層を設けることができる。
【0019】
【実施例】
本発明の実施例を以下に示すが、これらの実施例によって本発明は、何等限定されない。
実施例1
[ポリエステル樹脂Aの合成]
撹拌装置,窒素導入管,留出管,温度計を備えた四ツ口フラスコに、テレフタル酸ジメチル0.47モル、エチレングリコール1.04モル、ネオペンチルグリコール0.96モル、酢酸亜鉛0.001モルを仕込み、窒素を導入しながら昇温し、130〜200℃でメタノールを留出させた後、イソフタル酸0.53モル、三酸化アンチモン0.001モルを追加仕込、200〜240℃で水を留出させた。引き続き、徐々に減圧にしながら、240℃で2mmHg以下の減圧下で3時間かけて過剰のグリコールを留去させた。得られたポリエステル樹脂Aは、軟化点157℃、重量平均分子量は20,000、NMR分析によるポリエステルの組成は、酸成分がモル比でテレフタル酸/イソフタル酸=47/53、二価アルコール成分がモル比でエチレングリコール/ネオペンチルグリコール=50/50であった。その結果を表1に示す。また、その特性を表2に示す
【0020】
【表1】
Figure 0003601206
【0021】
【表2】
Figure 0003601206
【0022】
[接着剤Aの調整]
表3で示された組成、すなわちポリエステル樹脂A32gに対し、PVC−VAcであるソルバインC(数平均分子量31,000,酢酸ビニル含有率13重量%,日信化学工業製)32g、トルエン96g、メチルエチルケトン40gをディスパーで混合溶解し溶液状の接着剤Aを作成した。
【0023】
【表3】
Figure 0003601206
【0024】
[PVC被覆鋼管の作成]
研磨した25mm径の鋼管に接着剤を乾燥膜厚25μmになるように塗工し、室温で溶剤を乾燥した。この接着剤塗工鋼管を予め成形された熱収縮PVC管に差し込み、230℃で6分間加熱してPVC被覆管を得た。
【0025】
[評価]
得られたPVC被覆鋼管を10mm間隔で130〜200mmの長さに切断し、40℃の恒温室に2時間投入した。この切断されたPVC被覆鋼管を40℃の恒温室内でねじ切り機にて端部のねじ切りを行い、両端がねじ切れる鋼管の長さで接着強度を評価した。すなわち、ねじ切り可能な鋼管の長さが短いほど接着強度は高い。その結果を表4に示す。
【0026】
【表4】
Figure 0003601206
【0027】
実施例2〜5
実施例1と同様にして、表1のポリエステル樹脂A〜D、PVC−VAcのソルバインC,ソルバインM(数平均分子量32,000,酢酸ビニル含有率13重量%,マレイン酸含有率1重量%,日信化学工業株式会社製)、及び、ソルバインMF(数平均分子量33,000,酢酸ビニル含有率7重量%,アクリル酸含有率3重量%,日信化学工業株式会社製)を用い、表3に示した割合で配合して接着剤組成物を調製、実施例1と同様にしてPVC被覆鋼管を作成し、そのねじ切り強度を評価した。その結果を表4に示す。
【0028】
比較例1
実施例1で使用したポリエステル樹脂Aを用い、PVC−VAcを併用せずに接着剤組成物を調製、実施例1と同様にしてPVC被覆鋼管を作成し、そのねじ切り強度を評価した。その結果を表4に示す。
【0029】
【発明の効果】
本発明の接着剤組成物は、PVC被覆鋼管に適用した際にPVC被覆層と鋼管との接着性に優れ、高度の端部ねじ切り強度を有し、各種の苛酷な使用条件下でも接着性を保持しているため、当該業界で、ガス管,水用配管,埋設電線管等に広く使用できるものである。
本発明組成物からなる接着剤を用いて製造されたPVC被覆鋼管やPVC被覆亜鉛メッキ鋼管は、耐腐食性を向上させたもので、ガス管、水用配管、及び、薬品・化学工場などの腐食環境下での配管等に広く使用され得るものである。

Claims (1)

  1. 芳香族ジカルボン酸を主成分とする酸成分と炭素数2〜8の脂肪族グリコールまたは脂環式グリコールを主成分とするグリコール成分からなり、R&B軟化点が130〜180℃である飽和共重合ポリエステル樹脂とガラス転移温度(Tg)が50℃以上であり、且つ数平均分子量が10 , 000〜50 , 000である塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂を有効成分とすることを特徴とするポリ塩化ビニル被覆鋼用接着剤組成物。
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