JP3600763B2 - ウェッジプリズムの照射位置制御方法および装置 - Google Patents

ウェッジプリズムの照射位置制御方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対のウェッジプリズムの回転角度を操作して、偏向された光の照射位置を制御するウェッジプリズムの照射位置制御方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学システムの中でビームの操作用途に用いられるウェッジプリズムが知られている。図11は、ウェッジプリズム1を示すものである。図中(a)はウェッジプリズム1の平面図を示し、図中(b)はウェッジプリズム1の主断面(稜線Sに対して垂直な断面)を示す。このウェッジプリズム1は、頂角(ウェッジ角)wの小さな薄いプリズムレンズで、ウェッジプリズム1の第1面にビームが垂直に入射するとビームを偏角δで偏向する。
【0003】
図12は、2枚のウェッジプリズム1,2を組み合わせた場合のビームの偏向を示したものである。2枚のウェッジプリズム1,2を近接配置して、中心軸の回りに2枚のウェッジプリズム1,2を別々に回転させた場合、所定の尖った円錐体の内部の任意の方向にビームが偏向し、円錐体の底面となる平面3上の任意の位置を照射することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、照射位置Qに受光器を配置し、受光器が移動した場合であっても、受光器の中心に照射位置Qをもっていくように制御すると、ウェッジプリズム1,2の回転角から移動した受光器の変位を知ることができる。
【0005】
そこで、本発明は、ウェッジプリズムの特性を考慮して、ウェッジプリズムによって偏向された光の照射位置を、目標(受光器の中心)に確実にもっていくことができるウェッジプリズムの照射位置制御方法および装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照番号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものでない。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明者は、一対のウェッジプリズム(1,2)の差角(相対角)を一定に保ったまま回転すると、照射位置はウェッジプリズム(1,2)の中心線の延長線と目標が配置される平面との交点(P)を中心にした円状の軌跡を描くこと、および一対のウェッジプリズム(1,2)を反対方向に等しい角度回転させて差角を変化すると、照射位置は前記交点(P)を通る略直線状の軌跡を描くことに着目し、照射位置(Q)と目標(O)とを比較して、照射位置(Q)が目標(O)に一致するように、照射位置(Q)を平面極座標のr,ψ方向に移動した
【0009】
すなわち、請求項の発明は、受光器(7)で検出した第一の位置ベクトル(v1)と、ウェッジプリズム(1,2)の回転角から算出した第二の位置ベクトル(v0)とに応じて、受光器(7)の中心(O)に照射位置(Q)をもっていくようにウェッジプリズム(1,2)の回転角を決定した。具体的には、一対のウェッジプリズム(1,2)の回転角度を操作して、この一対のウェッジプリズム(1,2)によって偏向された光の受光器(7)上の照射位置を制御するウェッジプリズムの照射位置制御方法であって、前記受光器(7)の中心(O)を始点とし、前記照射位置(Q)を終点とする第一の位置ベクトル(v1)を検出する検出工程(S3)と、前記一対のウェッジプリズム(1,2)の中心線を延長した線と前記受光器(7)との交点(P)を始点とし、前記照射位置(Q)を終点とする第二の位置ベクトル(v0)を前記一対のウェッジプリズム(1,2)の回転角から算出する算出工程(S2)と、前記第一の位置ベクトル(v1)および前記第二の位置ベクトル(v0)に応じて、前記受光器(7)の中心(O)に前記照射位置(Q)がくるように前記一対のウェッジプリズム(1,2)の回転角度を決定する角度決定工程(S4,S5)とを備え、さらに、前記ウェッジプリズムの角度決定工程(S4,S5)は、前記第一の位置ベクトル(v1)の方向と前記第二の位置ベクトル(v0)の方向とが一致するように、差角(Δψ)を一定に保った前記一対のウェッジプリズム(1,2)の回転角度を決定する方向角決定工程(S4)と、前記第一の位置ベクトル(v1)の絶対値が小さくなるように、前記一対のウェッジプリズム(1,2)の差角(Δψ)を決定する差角決定工程(S5)と、を備えることを特徴とする。ここで、受光器(7)には、2軸光電センサ等のフォトセンサ、CCDカメラ等の撮影素子を用いることができる。
【0011】
この発明によれば、方向角決定工程(S4)で、第一の位置ベクトル(v0)と第二の位置ベクトル(v1)との方向(平面極座標での角度ψ)を一致させるウェッジプリズムの回転角度を決定する。そして、差角決定工程(S4)で第一の位置ベクトル(v0)の絶対値を小さくするウェッジプリズム(1,2)の差角(Δψ)を決定する。したがって、照射位置(Q)を受光器(7)の中心(O)にもっていくことができる。
【0012】
請求項の発明は、請求項に記載のウェッジプリズムの照射位置制御方法において、前記算出工程は、一対のウェッジプリズム(1,2)それぞれの偏角δ1,δ2、角度検出手段(12a,12b)により取得された前記一対のウェッジプリズム(1,2)それぞれの回転角ψ1,ψ2、およびウェッジプリズム(1,2)から前記受光器(7)までの距離Lを入力し、下記の計算式を用いて前記第二の位置ベクトルの終点の座標(X,Y)を算出することを特徴とする。
【0013】
X=(δ1cosψ1+δ2cosψ2)×L
Y=(δ1sinψ1+δ2sinψ2)×L
一般に、ウェッジプリズム(1,2)を組み合わせた場合の照射位置(Q)を厳密に算出するのには困難が伴う。ウェッジプリズム(1)により偏向された光は、ウェッジプリズム(2)に入射する際、主断面内にないビーム(スキュウビーム)として入射し、このスキュウビームの屈折はかなり複雑であるからである。本発明者は、ウェッジプリズム(1,2)が頂角の小さなプリズムで、偏角δ1,δ2が微少であること、また、組み合わされるウェッジプリズム(1,2)は近接して配置されていることから、照射位置(Q)を上述の簡単な計算式を用いて算出した。
【0014】
請求項の発明は、一対のウェッジプリズム(1,2)の回転角度を操作して、この一対のウェッジプリズム(1,2)によって偏向された光の受光器(7)上の照射位置(Q)を制御するウェッジプリズムの照射位置制御装置であって、前記受光器(7)の中心(O)を始点とし、前記照射位置(Q)を終点とする第一の位置ベクトル(v1)を検出する検出手段と、前記一対のウェッジプリズム(1,2)の中心線を延長した線と受光器(7)との交点(P)を始点とし、前記照射位置(Q)を終点とする第二の位置ベクトル(v0)を算出する演算手段と、第一の位置ベクトル(v1)および第二の位置ベクトル(v0)に応じて、前記受光器(7)の中心(O)に前記照射位置(Q)がくるように前記一対のウェッジプリズムの回転角度を決定する回転角度決定手段とを備え、さらに、前記回転角度決定手段は、前記第一の位置ベクトル(v1)の方向と前記第二の位置ベクトル(v0)の方向とが一致するように、差角(Δψ)を一定に保った前記一対のウェッジプリズム(1,2)の回転角度を決定する方向角決定手段と、第一の位置ベクトル(v1)の絶対値が小さくなるように前記一対のウェッジプリズム(1,2)の差角(Δψ)を決定する差角決定手段を備えることを特徴とするウェッジプリズムの照射位置制御装置により、上述した課題を解決した。
【0015】
この発明によれば、検出した第一の位置ベクトル(v1)およびウェッジプリズム(1,2)の回転角から算出した第二の位置ベクトル(v0)に応じて、受光器(7)の中心に照射位置をもっていくようにウェッジプリズム(1,2)の回転角を決定するので、ウェッジプリズム(1,2)の回転角を操作して照射位置(Q)を受光器(7)の中心(O)にもっていくことができる。また、この発明によれば、方向角決定手段で第一の位置ベクトル(v1)と第二の位置ベクトル(v1)との方向(平面極座標での回転角ψ)を一致させるウェッジプリズム(1,2)の回転角度を決定し、そして、差角決定手段で第一の位置ベクトル(v1)の絶対値を小さくするウェッジプリズム(1,2)の差角(Δψ)を決定するので、照射位置(Q)を受光器(7)の中心(O)にもっていくウェッジプリズム(1,2)の回転角を決定することができる。
【0018】
請求項の発明は、請求項に記載のウェッジプリズムの制御装置において、前記演算手段は、一対のウェッジプリズム(1,2)それぞれの偏角δ1,δ2、角度検出手段(12a,12b)により取得された前記一対のウェッジプリズム(1,2)それぞれの回転角ψ1,ψ2、およびウェッジプリズム(1,2)から前記受光器(7)までの距離Lを入力し、下記の計算式を用いて前記第二の位置ベクトルの終点の座標(X0,Y0)を算出することを特徴とする。
【0019】
X0=(δ1cosψ1+δ2cosψ2)×L
Y0=(δ1sinψ1+δ2sinψ2)×L
ウェッジプリズムが頂角の小さなプリズムで、偏角δ1,δ2…が微少であること、また、組み合わされるウェッジプリズムは近接して配置されていることから、照射位置を上述の簡単な計算式を用いて算出することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施形態におけるウェッジプリズムの照射位置制御装置を組み込んだシステム構成図を示すものである。このシステムは、レーザー光を発光するレーザー照準機5と、このレーザー光を偏向するプリズムユニット6と、偏向したレーザー光が照射される受光器7と、照射位置が受光器7の中心にくるようにプリズムユニット6を操作する照射位置制御装置8(ソフトウェアサーボ)と、受光器7の変位をウェッジプリズム1,2の回転角から演算するパーソナルコンピュータ等の計算機9とで構成されている。レーザー照準機5から発光されたレーザー光は、プリズムユニット6で偏向されて受光器7の中心を照射する。照射位置制御装置8は、偏向したレーザー光が自動的に受光器7の中心を照射するようにウェッジプリズム1,2の回転角度を操作している。また、測距儀等の距離測定手段15は、プリズムユニット6から受光器7までの距離Lを測定する。なお、本実施形態では、複数の受光器7の変位(X0,Y0),(X0′,Y0′),(X0″,Y0″)を計測するために、切り替え手段10を設け、対象となる受光器7を切り替えている。
【0021】
図2は、プリズムユニット6を示すものである。このプリズムユニット6は、レーザー照準機から発光されるレーザー光を任意の方向に偏向するもので、円筒状のケース14と、このケース14内に回転自在に設けられる一対のウェッジプリズム1,2と、このウェッジプリズム1,2それぞれを個別に回転させる駆動部としてのモータ11a,11bと、ウェッジプリズム1,2の回転角をデジタル式に検出する角度検出手段としてのエンコーダ12a,12bとを備える。モータ11a,11bとエンコーダ12a,12bとは一体になっている。塵等が付着するのを防止するために、ウェッジプリズム1,2は保護ガラス13で覆われている。
【0022】
図3は、組み合わせたウェッジプリズム1,2の主断面を示すものである。ウェッジプリズム1,2は、頂角(ウェッジ角)wの小さな薄い略円筒状のプリズムレンズである。ウェッジプリズム1のみでレーザ光を偏向する場合、ウェッジプリズム1の第1面にレーザ光が垂直に入射するとして、ウェッジプリズム1の偏角δとウェッジ角wの関係は以下の一般式で表される。
【0023】
【式1】
Figure 0003600763
【0024】
wが微少であるとすると
δ≒(n−1)w
ここで、nは屈折率である。
【0025】
組み合わせた2つのウェッジプリズム1,2は同じ材質で、しかも同じウェッジ頂角wを有する。一対のウェッジプリズム1,2は中心線の回りをそれぞれ独立に回転し、レーザー光はこの中心線上から入射する。2つのウェッジプリズム1,2を傾斜面7が平行になるように近接配置すると、ウェッジプリズム1,2を通過したレーザ光は、平行なガラスを通過するのと同様に直進する。一方、ウェッジプリズム1,2の中心線の回りに別々に回転することによって、所定の尖った円錐体内部の任意の方向にレーザー光を偏向することができる。
【0026】
図4は、ウェッジプリズム1,2によるレーザ光の屈折を座標系で示したものである。ここで、入射レーザ光の光路上、すなわちウェッジプリズム1,2の中心線上にZ軸をとり、ウェッジプリズム1,2の中心線に直交する平面にXY平面をとっている。また、XY平面においては、水平方向にX軸をとり、垂直方向にY軸をとっている。この図に示すように、ウェッジプリズム1,2の中心線上にレーザ光を入射すると、ウェッジプリズム1がレーザ光を偏向し、ウェッジプリズム2がさらにレーザ光を偏向する。ここで、ウェッジプリズム1の偏角をδ1,偏光方向をψ1、ウェッジプリズム2の偏角をδ2、偏向方向をψ2とする。ウェッジプリズム1,2の偏光方向ψ1,ψ2は、偏向方向がXZ平面上に位置する場合を0度とし、この位置からの角度をψ1,ψ2で表している。この偏向方向ψ1,ψ2は、ウェッジプリズム1,2それぞれの回転角ψ1,ψ2から取得される。各ウェッジプリズム1,2の一番厚いところと一番薄いところを結んだ線が水平となる場合(XZ平面に位置する場合)を0度とし、この位置からの角度がψ1,ψ2で表される。
【0027】
ウェッジプリズム1,2それぞれの偏角δ1,δ2、エンコーダにより取得されたウェッジプリズム1,2それぞれの回転角ψ1,ψ2、角度測定手段から測定された距離Lは、照射位置制御装置8に入力され、組み合わせた場合の合成変位(X0,Y0)は照射位置制御装置8で算出される。ここで、ウェッジ頂角wが微少であることから、計算を簡単にするためにδ1,δ2ともに微少とし、しかも、ウェッジプリズム1とウェッジプリズム2は接近しているものとする。そして、ウェッジプリズム1のみの場合の偏向ベクトル(偏角δ1,偏向方向ψ1)、およびウェッジプリズム2のみの場合の偏向ベクトル(偏角δ2,偏向方向ψ2)をXY座標系でベクトル表示し、両者のベクトルを合算して、合成変位(X0,Y0)、合成偏角δTおよび合成偏向方向ψTを算出する。なお、異なる偏角のウェッジプリズム1,2を使用する場合は、照射位置制御装置8のメモリに複数の偏角が記憶される。
【0028】
図5(a)はウェッジプリズム1による偏向ベクトルを示したもので、図(b)はウェッジプリズム2による偏向ベクトルを示したものである。この図(a)からウェッジプリズム1に関して以下の計算式が成立する。
【0029】
【式2】
Figure 0003600763
【0030】
また、ウェッジプリズム2に関しても同様に以下の計算式が成立する。
【0031】
【式3】
Figure 0003600763
【0032】
式2および式3からウェッジプリズム1とウェッジプリズム2を合算した場合の偏向ベクトルのX方向の合成成分δTXは、以下の式4で表される。
【0033】
【式4】
Figure 0003600763
同様に、Y方向の合成成分δTYは、以下の式5で表される。
【0034】
【式5】
Figure 0003600763
【0035】
プリズムユニットから距離Lの位置におけるXY平面上でのビーム照射位置(X0,Y0)は、X0=L×δTX、Y0=L×δTYによって算出される。
【0036】
また、合成偏角δT、合成偏向方向ψTは以下の式6で表される。
【0037】
【式6】
Figure 0003600763
【0038】
ここで、ウェッジプリズム2個の差角ΔψをΔψ=ψ1−ψ2とすると、δTは以下の式7で表される。
【0039】
【式7】
Figure 0003600763
【0040】
式7から合成偏角δTは差角のみの関数であることがわかる。また、これらの計算式を用いることで、2個のウェッジプリズムそれぞれの回転角から、組み合わせた場合の合成変位(X0,Y0)、合成偏角δTおよび合成偏向方向ψTを簡単に算出することができる。
【0041】
照射位置制御装置8は、上述のように、プリズムユニット6で偏向したレーザー光が自動的に受光器7の中心にくるようにウェッジプリズム1,2の回転角度を操作している。
【0042】
照射位置制御装置8(ソフトウェアサーボ)のアルゴリズムについて説明する。このソフトウェアサーボは、レーザー光が受光器7の中心を照射するように受光器7の出力値をフィードバックし、ウェッジプリズム1,2の回転角度を操作している。
【0043】
図6は、アルゴリズムのフローチャートを示したものである。まず、受光器7からの入力レベルがe1以上であるか否かを判断する(ステップS1)。受光器7が中心から+X,−X,+Y,−Yの4方向に延びる4つの光電センサを組み合わせた2軸光電センサの場合、レーザー光が中心にあれば出力値が0に近くなる。受光器7からの入力レベル<e1の場合は、レーザー光が受光器7の中心にあるとして、ウェッジプリズム1,2の回転角を操作しない。受光器7からの入力レベル≧e1の場合は、レーザー光が受光器7の中心にないとして、中心にくるように以下のようにウェッジプリズム1,2の回転角を操作する。
【0044】
図7および図8に示すように、まず、受光器7の中心Oを始点とし、照射位置Qを終点とする第一の位置ベクトルとしてのv1ベクトルを検出する。すなわち、中心Oを原点とした受光器座標系で、受光器の出力値から変位(X1,Y1)を検出する(ステップS2)。そして、計算式θ1=tan−1(Y1/X1)からv1ベクトルの方向θ1を算出する。次に、一対のウェッジプリズムの中心線を延長した線と受光器との交点Pを始点とし、照射位置Qを終点とする第二の位置ベクトルとしてのv0ベクトルを一対のウェッジプリズム1,2の回転角から算出する(ステップS3)。プリズム座標系のv0ベクトルのX方向成分、Y方向成分それぞれをX0,Y0は、上述の式5から、X0=δTX×L,Y0=δTY×Lと算出される。そして、v0ベクトルの方向ψTを上述の式6から算出する。ここで、プリズム座標系は、プリズムユニット6からプリズム中心線を延長して受光器7上の平面と交差する交点Pを原点とした座標系をいい、受光器座標系は受光器7の中心Oを原点とした座標系をいう。
【0045】
レーザー光が受光器7の中心Oを照射するためには、v1ベクトルが0となればよい。受光器7の精度が高く、座標X1,Y1が高精度に得られると、このX1,Y1に基づいて、受光器7の中心Oに照射位置がくるようにウェッジプリズム1,2の回転角度を決定すればよいが、一般に受光器7の精度はそれほど高くないので、以下のような段階的に受光器7の中心Oに照射位置Qを近づける処理が必要になる。近づけ方としては、v0ベクトルとv1ベクトルの平面極座標での変位(r,ψ)を比較し、まず方向ψを一致して、次にv1ベクトルの絶対値|r|を0とする方法が採られる。
【0046】
まず、v0ベクトルの方向ψTとv1ベクトルの方向θ1を比較し、一致する方向に差角Δψを一定に保ったままウェッジプリズム2枚を同時に回し、ψTを変える(ステップS4)。図9に示すように、2つのウェッジプリズム1,2の差角Δψを一定に保ったまま2枚のウェッジプリズム1,2を同時に回すと、照射位置Qは、v0ベクトルの絶対値を一定にしたまま、原点Pを中心とした円状の軌跡を描く。ψTとθ1との象限、および角度が等しくなるまで(図中2点鎖線の位置から実線の位置まで)2枚のウェッジプリズム1,2を同時に回すと、平面極座標での角度ψが一致し、v1ベクトルとv0ベクトルとが重なる。ここで、ウェッジプリズム1,2の1回の回転量は振動しないように、差の例えば1/2とされる。
【0047】
次に、|v1|と|v0|を比較し、ψTを一定に保ったまま、|v1|が0となるように差角Δψを変化する。図10に示すように、2枚のウェッジプリズムを相反する方向へ同じ量回転すると、照射位置Qは交点Pを通る略直線状の軌跡を描き、v0ベクトルはψTを略一定に保ったまま絶対値を変化する。この図に示すように、2枚のウェッジプリズムの差角Δψを|v1|が0となるように変化させると、v0ベクトルの絶対値が図中2点鎖線の位置から実線の位置まで変化し、照射位置Qが受光器の中心Oに移動する。|v1|と|v0|を比較することによって、|v1|が0となるように、差角Δψを大きくするのか、小さくするのかを知ることができる。ここで、|v1|=√(X1+Y1),|v0|=L√(δTX+δTY)で表される。なお、差角Δψの1回の変化量は、振動しないように差の例えば1/2とされる。
【0048】
次に、ステップS5での差角Δψの変化量が例えば10″以下であるか否かを判断する(ステップS6)。10″以下であれば、レーザー光が受光器7の中心Oを照射しているとして、スタートに戻る。10″以下でなければ、ステップ2〜ステップ5を繰り返し、再びv1ベクトルが0になるようにウェッジプリズム1,2の回転角度を操作する。
【0049】
このように、ウェッジプリズムの回転角度を操作することで、照射位置Qを受光器7の中心Oにもっていくことができる。また、このときのプリズム座標系での照射位置9の変位(X0,Y0)を、計算機9を用いてX0=δTX×L,Y0=δTY×Lから算出すれば受光器7の中心Oの変位を知ることができる。
【0050】
なお、上記実施形態では、受光器として2軸光電センサを用いる場合について説明したが、受光器としてCCDカメラ等の撮影素子を用いてもよい。この場合は、ペンシルライトのような点光源から発光される光をプリズムユニット6で屈折し、目標の視覚情報をCCDカメラでパターン認識し、この認識値から上記第一の位置ベクトルを検出する。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ウェッジプリズムの照射位置制御方法が一対のウェッジプリズムの差角を一定に保ったまま前記一対のウェッジプリズムを回転する工程と、前記差角を変化する工程と、を備える。まず、一対のウェッジプリズムの差角を一定に保ったまま一対のウェッジプリズムを回転すると、照射位置はウェッジプリズムの中心線の延長線と目標が配置される平面との交点を中心にした円状の軌跡を描くので、照射位置および目標の平面極座標の角度を一致することができる。次に、差角を変化することで、目標からの照射位置までの距離を小さくすることができる。したがって、目標に照射位置をもっていくことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるウェッジプリズムの照射位置制御装置を組み込んだシステム構成図。
【図2】プリズムユニットを示す断面図。
【図3】組み合わせたウェッジプリズムを示す断面図。
【図4】ビームの偏向をXYZ座標系で示す図。
【図5】偏向ベクトルを示す図(図中(a)はプリズム1を示し、図中(b)はプリズム2を示す。)
【図6】ソフトウェアサーボのアルゴリズムを示すフローチャート。
【図7】受光器上でのレーザー光の照射位置を示す図。
【図8】プリズム座標系と受光器座標系を示す図。
【図9】プリズム座標系と受光器座標系を示す図。
【図10】プリズム座標系と受光器座標系を示す図。
【図11】ウェッジプリズムを示す図(図中(a)は平面図、図中(b)は主断面図)。
【図12】組み合わせたウェッジプリズムの偏向を示す斜視図。
【符号の説明】
1,2 ウェッジプリズム
7 受光器
12a,12b エンコーダ(角度検出手段)
Δψ 差角
O 受光器の中心
P 交点
Q 照射位置
v1 第一の位置ベクトル
v0 第二の位置ベクトル
S3 検出工程
S4 方向角決定工程(角度決定工程)
S5 差角決定工程(角度決定工程)

Claims (4)

  1. 一対のウェッジプリズムの回転角度を操作して、この一対のウェッジプリズムによって偏向された光の受光器上の照射位置を制御するウェッジプリズムの照射位置制御方法であって、
    前記受光器の中心を始点とし、前記照射位置を終点とする第一の位置ベクトルを検出する検出工程と、
    前記一対のウェッジプリズムの中心線を延長した線と前記受光器との交点を始点とし、前記照射位置を終点とする第二の位置ベクトルを前記一対のウェッジプリズムの回転角から算出する算出工程と、
    前記第一の位置ベクトルおよび前記第二の位置ベクトルに応じて、前記受光器の中心に前記照射位置がくるように前記一対のウェッジプリズムの回転角度を決定する角度決定工程と
    を備え、
    前記角度決定工程は、
    前記第一の位置ベクトルの方向と前記第二の位置ベクトルの方向とが一致するように、差角を一定に保った前記一対のウェッジプリズムの回転角度を決定する方向角決定工程と、
    前記第一の位置ベクトルの絶対値が小さくなるように、前記一対のウェッジプリズムの前記差角を決定する差角決定工程と、
    を備えることを特徴とするウェッジプリズムの照射位置制御方法。
  2. 請求項1に記載のウェッジプリズムの照射位置制御方法において、
    前記算出工程は、前記一対のウェッジプリズムそれぞれの偏角δ1,δ2、角度検出手段により取得された前記一対のウェッジプリズムそれぞれの回転角ψ1,ψ2、および前記一対のウェッジプリズムから前記受光器までの距離Lを入力し、下記の計算式を用いて前記第二の位置ベクトルの終点の座標(X0,Y0)を算出することを特徴とするウェッジプリズムの照射位置制御方法。
    X0=(δ1cosψ1+δ2cosψ2)×L
    Y0=(δ1sinψ1+δ2sinψ2)×L
  3. 一対のウェッジプリズムの回転角度を操作して、この一対のウェッジプリズムによって偏向された光の受光器上の照射位置を制御するウェッジプリズムの照射位置制御装置であって、
    前記受光器の中心を始点とし、前記照射位置を終点とする第一の位置ベクトルを検出する検出手段と、
    前記一対のウェッジプリズムの中心線を延長した線と受光器との交点を始点とし、前記照射位置を終点とする第二の位置ベクトルを算出する演算手段と、
    前記第一の位置ベクトルおよび前記第二の位置ベクトルに応じて、前記受光器の中心に前記照射位置がくるように前記一対のウェッジプリズムの回転角度を決定する回転角度決定手段と
    を備え、
    前記回転角度決定手段は、
    前記第一の位置ベクトルの方向と前記第二の位置ベクトルの方向とが一致するように、差角を一定に保った前記一対のウェッジプリズムの回転角度を決定する方向角決定手段と、
    前記第一の位置ベクトルの絶対値が小さくなるように、前記一対のウェッジプリズムの前記差角を決定する差角決定手段と、
    を備えることを特徴とするウェッジプリズムの照射位置制御装置。
  4. 請求項3に記載のウェッジプリズムの制御装置において、
    前記演算手段は、前記一対のウェッジプリズムそれぞれの偏角δ1,δ2、角度検出手段により取得された前記一対のウェッジプリズムそれぞれの回転角ψ1,ψ2、および前記一対のウェッジプリズムから前記受光器までの距離Lを入力し、下記の計算式を用いて前記第二の位置ベクトルの終点の座標(X0,Y0)を算出することを特徴とするウェッジプリズムの制御装置。
    X0=(δ1cosψ1+δ2cosψ2)×L
    Y0=(δ1sinψ1+δ2sinψ2)×L
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