JP3600450B2 - 油中油型乳化組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は油中油型乳化組成物、特に口紅組成物の2次付着レス効果および塗布後のつやの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の口紅組成物は、口紅を口唇に塗布した後、該口紅がカップなど口唇に接触する部位に転写されてしまう2次付着性が問題となっていた。
これに対し、2次付着を起こしにくい、いわゆる2次付着レス効果をもつ口紅組成物が開発され、例えば揮発性シリコーン油分とシリコーン樹脂と非揮発性油分とからなる組成物が特開平9−48709号公報に記載されている。
そして、前記2次付着レス効果をもつ口紅組成物は、シリコーン樹脂に対する可塑化能を有する油分を可塑化油分として、非可塑化油分に分散したものであり、前記技術においては、揮発性油分を共溶媒として多量に配合した上で、可塑化油分と非可塑化油分を適当な比率で配合し、均一なバルク系で設計された組成物であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年さらに2次付着レス効果および塗布後のつやの向上した口紅組成物が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明者らが鋭意検討を行ったところ、シリコーン系皮膜剤と、揮発性シリコーン油分と、特定の非揮発性液状シリコーン系油分とからなる連続相油分と、該連続相油分と相溶性のない非揮発性油分であるエステル油分の分散相からなる油中油型乳化組成物がこの目的をなすことを見出し本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明の油中油型乳化組成物は、シリコーン系皮膜剤と、揮発性シリコーン油分と、分子量が3 , 000以上で25℃における粘度が50cs以上の非揮発性シリコーン系液状油分と、乳化剤とを含む連続相油分と、
エステル油分と色材とを含む分散相油分とからなり、分散相油分/(分散相油分+連続相油分)の配合重量比が0.05〜0.5であることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の油中油型乳化組成物においては、上記連続相のシリコーン系油分中、シリコーン系皮膜剤がシリコーン樹脂であり、揮発性シリコーン油分が環状シリコーンであり乳化剤がシリコーン系乳化剤であり、かつ組成物全体に対して、シリコーン系皮膜剤の固形部分を20〜32重量%、非揮発性シリコーン液状油分を5〜15重量%、乳化剤を0.1重量%より多く、5重量%以下含むことが好適である。
【0008】
また、本発明の油中油型乳化組成物においては、分散相油分中のエステル油分がヒマシ油であることが好適である。
また、本発明の油中油型乳化組成物においては、連続相油分中、(非揮発性シリコーン系液状油分/シリコーン系皮膜剤)の配合重量比が0.2〜0.6であることが好適である。
また、本発明の油中油型乳化組成物は、口紅組成物であることを特徴とする。
また、本発明の油中油型乳化組成物においては、上記口紅組成物の連続相油分中にワックスを15重量%より少なく配合することが好適である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明は以下のような過程を経て開発された。
(1)シリコーン樹脂を接着剤として用いるタイプの口紅の艶は、溶剤が揮散して皮膜を形成した時のシリコーン樹脂の膜の艶に相関があることがわかった。このためシリコーン樹脂に艶を与えることを目的に、揮発性環状シリコーン油分に対する溶解性が高く、かつシリコーン樹脂の可塑性が低く、多量配合しても2次付着レス効果が高い油分の探索を行った。
その結果、非揮発性シリコーン系液状油分が最も好適であり、その中でも分子量が3,000以上の油については、多量配合しない限り、非可塑化油分として作用し、揮発性環状シリコーンとの相溶性も良く、シリコーン樹脂の膜にも艶と柔軟性を与えるため、目的とする油分にあたることがわかった。
【0010】
(2)可塑化油分量を一定以下にし(2次付着レス効果が損なわれない範囲内)かつつやを与える非可塑化油分の最適な配合量を検討した。
上記非揮発性シリコーン系液状油分の配合もつや出し成分に当たるが、さらに次のような工夫をした。
すなわち、非可塑化油分においても特にシリコーン系油分との溶解性が著しく悪い油分を用いた場合、揮発性油分を含むシリコーン系油分の相から分離してしまうが、この場合でも、シリコーン系乳化剤を加えて分離油分相を乳化することによって、連続相がシリコーン樹脂を含むシリコーン系油分相の油中油型乳化組成物となる。
【0011】
また、さらに驚くべきことにこの組成物に色剤を配合すると、色剤は表面の濡れの関係から分散相であるエステル油分相に分散するため、塗布乾燥後に色剤がシリコーン樹脂におおわれる形となり、著しく2次付着レス効果が向上することもわかってきた。このことは、つやのある油分の多量配合すなわち、つやの付与と2次付着レス効果の向上の両方に大きな効果があるということである。
以上より、つやのある油分の多量配合による塗布後のつやと2次付着レス効果とを同時に満足し得る口紅組成物を得ることが可能となったのである。
【0012】
つぎに、こうした開発過程を経て出来た本発明の油中油型乳化組成物の一実施態様(口紅組成物)を図に示すと図1のようになる。図からわかるように本発明は2相の油分相からなる油中油型乳化組成物である。そこで本発明に用いられる成分を連続相と分散相にわけて説明する。
【0013】
<連続相成分>
本発明において好適に用いられるシリコーン系皮膜剤としては、例えばシリコーン樹脂、シリコーンゴム、フッ素変性シリコーン樹脂、アルキル変性シリコーン樹脂等が挙げられ、特にシリコーン樹脂が望ましい。
具体的には、平均式(1)
RnSiO(4−n)/2 …(1)
(Rは1〜6までの炭化水素基またはフェニル基を表し、nは1.0〜1.8までの値を示す。)
で表されるシリコーン樹脂が挙げられる。このシリコーン樹脂はRSiO1/2単位、RSiO単位、RSiO2/3単位およびSiO単位のうち適当な組み合わせからなり、約1,500〜20,000までの平均分子量を有することが好ましい。
【0014】
シリコーン系皮膜剤の固形部分の配合量は、組成物全体に対して、20〜32重量%、より好ましくは22〜30重量%である。20重量%より少ないと、2次付着レス効果に劣ることがあり、32重量%を超えて配合すると、べたつき感を生じることがあるので好ましくはない。
【0015】
本発明において好適に用いられる揮発性シリコーン系液状油分としては、デカメチルテトラシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサンなどの鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどの環状ポリシロキサン等が挙げられる。
また、従来の口紅組成物によく用いられるシェルソル(シェル化学)、アイソパー(エッソ化学)等の軽質流動パラフィン等は、安全性の面からも好ましくないが、さらに分散相の非揮発性油分と溶解しやすい場合が多く、全体が均一相になってしまうため、2次付着レス効果がなくなることから不適である。
【0016】
本発明に用いられる非揮発性シリコーン系液状油分は、シリコーン系皮膜剤の固形部を溶解しない非揮発性の油分が用いられ、具体的にはジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のポリシロキサン等が挙げられる。
ただし、これらの非揮発性シリコーン系油分の分子量がある程度高くないと、シリコーン系皮膜剤固形部を溶解してしまい、皮膜を形成しなくなるために2次付着レス効果が損なわれるため、分子量約3,000(25℃における粘度約50cs)以上、より好ましくは分子量約5,000(25℃における粘度約100cs)以上のものが好適である。
【0017】
非揮発性シリコーン系液状油分の配合量は、全組成物にたいして、5〜15重量%、より好ましくは7〜12重量%が好適である。該油分の配合量が少なすぎるとつやが充分でなかったり、化粧持ちが劣ることがあり、多すぎるとシリコーン樹脂皮膜を溶解してしまい皮膜形成しなくなるため、2次付着レス効果を損なうので好ましくない。
【0018】
本発明の油中油型乳化組成物に配合される(非揮発性シリコーン系液状油分/シリコーン系皮膜剤)の配合重量比は好ましくは0.2〜0.6である。0.6より大きいとワックスが溶解しにくくなることがあり、0.2より小さいとつやが悪くなることがある。
【0019】
本発明に用いられる乳化剤は、シリコーン皮膜相に溶解する親油性界面活性剤であり、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンなどのシリコーン系界面活性剤が好適である。その中でもポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンのアルキレンオキシド含有量が11〜50重量%である界面活性物質が好適である。
本発明における乳化剤の配合量は、全組成物に対して、0.1重量%より多く、5重量%以下が好適である。0.1重量%以下であると乳化不良となることがあり、5重量%より多く配合しても乳化剤としての効果はそれ程上がらない。
【0020】
連続相油分には、種々のワックス(固形ないし半固形の油性物質)を配合することができる。液状タイプの場合には、必ずしもワックスを配合する必要はないが、コンパクトタイプ、スティックタイプを調製する場合には、ワックスを配合する必要がある。
ワックスとしては、天然および合成物を問わずいずれをも用いることができ、例えばパラフィンワックス、ポリエチレンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、オゾケライト、またはフィッシャートロプシュワックス等の炭化水素系ワックス、また、その他、モクロウ、硬化牛脂、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、ミツロウ、硬化ホホバ油、ラノリン、ワセリン等が挙げられる。上記原料は、一種でも、二種以上を混合使用してもよい。
【0021】
なお、シリコーン系油分に溶解性の高いワックスのほうが固化力があるため、上記炭化水素系ワックスを用いることが好ましい。
ワックス類の配合量としては、15重量%以下が好ましいが、ワックスの大量配合はつやを落とすため、12重量%以下、さらには10重量%以下がより好ましい。
【0022】
<分散相成分>
連続相油分と溶解しない油分としては、分子内に二重結合をもつ比較的分子量の大きいエステル油が好適に用いられ、ヒマシ油、ホホバ油、オリーブ油、ラノリン、マカデミアナッツオイルの天然油分、またオレイン酸、オレイン酸アルキルエステル、リノレイン酸アルキルエステル等が挙げられるが、ヒマシ油が最も好適である。また、これらの油分は2種以上を混合して用いてもよい。
上記のような連続相油分と溶解しない油分の配合量は、全組成物に対して、5〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、さらに好ましくは5〜30重量%が好適である。配合が5重量%より少ないと色材を分散したりつやを出したりするのに不充分であり、30重量%より多いと化粧持ちの点で劣る。
【0023】
これらの油分は、連続相油分と溶解しにくいため、これらの油分同士、もしくは他の非揮発性油分が混合されてもその量がある範囲内であれば、使用温度範囲で相分離状態を維持することができる。したがって、相分離した状態を維持できる範囲において、また、2次付着レス効果を損なわない範囲において、上に挙げた油分と相溶する非揮発性油分を配合することができる。このような油分としては、一般に口紅に用いられる油分はいずれも使用可能である。例えば流動パラフィン、スクワラン、グリセリルジイソステアレート、トリメチロールプロパントリ−2−エチルイソステアレート、イソプロピルミリステート、セチル−2−エチルヘキサノエート、グリセリルトリイソステアレート、2−ヘプチルウンデシルパルミテート、メチルポリシロキサン、ポリブテン、トリイソステアリン酸グリセリン、ジイソステアリルマレート等が挙げられ、これらの中から一種または二種以上が任意に選択される。
【0024】
また、本発明においては、色材は結果的に分散相中に配合されることとなる。色材は口紅に通常用いられる色材であれば良く、粉末状でもレーキ状(油を練り込んだ状態)でもよい。無機顔料であっても、有機顔料であっても、パール剤であっても、連続相油分(シリコーン系油分)に比較して、分散相油分のほうに濡れやすく、したがって顔料はあらかじめ分散相油分に配合することが好ましいが連続相油分に先に配合した場合でも、最終的には顔料は自発的に分散相油分に移行する。顔料が分散相油分に分散配合されている点がこの発明の重要なポイントであることは先に述べたが、このことから、分散相油分は、連続相油分と混合した時に、さらに分離している分散相成分が、必要な色材を分散し得る量だけ配合する必要がある。
【0025】
なお、本発明の油性化粧料には、上記必須成分の他、通常の油性化粧料に用いられる油剤、ワックス、粉体、顔料、染料、高分子化合物、香料、界面活性剤、酸化防止剤、防腐剤、美容成分等を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0026】
【実施例】
本発明者らは、特に2次付着レス効果に優れ、かつつやにも優れた口紅組成物を発明する過程で、以下のような試験を行った。なお、配合量はすべて、重量%であり、シリコーン油の粘度は25℃におけるものである。
【0027】
従来技術と本発明の比較
表1に示す本発明の実施例1、シリコーン皮膜剤可塑化油分である低粘度シリコーン油分を配合した従来の組成物である比較例1、前記比較例1のつや成分である非揮発性油分の量を増やした比較例2を調製し、以下の評価を行った。
【0028】
<評価基準>
<つや>
パネル20人に使用してもらい、約20分後につやを評価した。
◎:「つやがある」と答えた人が、20人中18人以上
○:「つやがある」と答えた人が、20人中14〜17人
△:「つやがある」と答えた人が、20人中 6〜13人
×:「つやがある」と答えた人が、20人中 0〜 5人
【0029】
<2次付着レス効果>
パネル20人に使用してもらい、約20分後に白いコーヒーカップでコーヒーを飲んだ時にコーヒーカップに移った口紅の量によって判定した。
◎:「色移りしない」と答えた人が、20人中18人以上
○:「色移りしない」と答えた人が、20人中14〜17人
△:「色移りしない」と答えた人が、20人中 6〜13人
×:「色移りしない」と答えた人が、20人中 0〜 5人
【0030】
<べたつき>
パネル20人に使用してもらい、約20分後に口唇に感じるべたつきを評価した。
◎:「べたつきを感じない」と答えた人が、20人中18人以上
○:「べたつきを感じない」と答えた人が、20人中14〜17人
△:「べたつきを感じない」と答えた人が、20人中 6〜13人
×:「べたつきを感じない」と答えた人が、20人中 0〜 5人
【0031】
【表1】
Figure 0003600450
【0032】
− 製法 −
実施例においては、揮発性シリコーン油分にシリコーン樹脂、非揮発性シリコーン系液状油分、シリコーン系界面活性剤を加え、攪拌溶解する。さらにワックスを加えてワックスの溶融温度以上に加温し攪拌溶解する(連続相)。色剤をエステル油分に攪拌分散し、分散相となし、これを連続相中に加えて乳化した後、容器に充填する。以下に示す試験例、実施例の組成物も同様である。
また、比較例においては、ワックス以外の全成分を攪拌溶解する。さらにワックスを加えてワックスの溶融温度以上に加温し攪拌溶解し、調製した。
【0033】
上記結果からわかるように、従来技術の1相型の組成物である比較例1〜2では、2次付着レス効果およびつやの面でまだ改善の余地があることがわかる。
これに対して、本発明の油中油型乳化組成物の実施例1は、つや、2次付着レス効果に優れ、べたつきも少ないことがわかる。
また、特に実施例1と比較例2を比較すると、比較例2は、実施例1のつや成分(連続相非揮発性シリコーン系液状油分+分散相非揮発性油分)と同量のつや成分(分散相非揮発性油分)を配合したものであるが、本発明より2次付着レス効果において著しく劣ることがわかる。
【0034】
分散相油分の配合量
つぎに、分散相油分の非揮発性油の配合量を変えた種々の口紅組成物を調製し、分散相油分の配合量について検討した。
【0035】
【表2】
Figure 0003600450
【0036】
上記結果より、分散相非揮発性油分の配合が5重量%より少ないと、つやの点で劣っていることがわかる。また、50重量%を超えて配合すると、2次付着レス効果が悪くなることがわかる。
したがって、本発明の非揮発性油分の配合量は、5〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、さらに好ましくは5〜30重量%であることがわかる。
【0037】
非揮発性シリコーン系液状油分の粘度
つぎに、非揮発性シリコーン系液状油分の粘度(重合度)の異なる種々の口紅組成物を調製し、非揮発性シリコーン系液状油分の粘度(重合度)について検討した。なお、粘度は25℃におけるものである。
【0038】
【表3】
Figure 0003600450
Figure 0003600450
【0039】
上記結果より、 非揮発性シリコーン系液状油に50csより粘度の低い20csのジメチルポリシロキサンを用いた試験例7は、2次付着レス効果およびべたつきの面でやや劣っていることがわかる。また、非揮発性シリコーン系液状油の代わりに粘度6csの揮発性シリコーンを用いた試験例12は、本発明のような優れた2次付着レス効果が得られず、ややべたつきも感じられることがわかる。
これらに対して、粘度50cs(分子量3,000)以上の非揮発性シリコーン系液状油を用いた試験例8〜11はつや、2次付着レス効果に優れ、べたつきも少ないことがわかる。
【0040】
非揮発性シリコーン系液状油分の配合量および
非揮発性シリコーン系液状油分/シリコーン系皮膜剤の配合重量比
つぎに、非揮発性シリコーン系液状油分の配合量の異なる種々の口紅組成物を調製し、非揮発性シリコーン系液状油分の配合量ならびに非揮発性シリコーン系液状油分/シリコーン系皮膜剤の配合重量比について検討した。
【0041】
【表4】
Figure 0003600450
【0042】
上記結果より、非揮発性シリコーン系液状油分の配合量が5重量%より少ないとつやの点で劣り、配合量が15重量%より多いと2次付着レス効果が悪くなることがわかる。したがって、非揮発性シリコーン系液状油分の配合量は5〜15重量%、より好ましくは7〜12重量%が好ましいことがわかる。
【0043】
また、上記結果より、非揮発性シリコーン系液状油分/シリコーン系皮膜剤の配合重量比が0.6以下では2次付着レス効果に優れていることがわかる。また、0.2以上ではつやに優れていることがわかる。したがって、0.2〜0.6が好適であることがわかる。
【0044】
シリコーン系皮膜剤の配合量
つぎに、シリコーン系皮膜剤の配合量の異なる種々の口紅組成物を調製し、本発明のシリコーン系皮膜剤の配合量について調べた。
【0045】
【表5】
Figure 0003600450
【0046】
上記結果より、シリコーン系皮膜剤の配合量が20重量%より少ないと、2次付着レス効果に劣り、配合量が32重量%を超えると、べたつき感がでることがわかる。
したがって、シリコーン系皮膜剤の配合量は20〜32重量%、より好ましくは22〜30重量%であることがわかる。
【0047】
乳化剤の配合量
つぎに、乳化剤の配合量を変えた種々の口紅組成物を調製し、本発明の乳化剤の配合量について検討した。
【0048】
【表6】
Figure 0003600450
【0049】
上記結果より、本発明の乳化剤の配合量は0.1重量%より多いほうが良く、5重量%までの配合は問題ないことがわかる。
【0050】
ワックスの配合量
つぎに、ワックスの配合量を変えた種々の口紅組成物を調製し、ワックス配合量について検討した。
【0051】
【表7】
Figure 0003600450
【0052】
上記結果より、つやの面からワックスの配合量は15重量%より少ないほうが良く、より好ましくは12重量%以下であることがわかる。
【0053】
つぎに、さらに本発明の実施例についてその組成と評価を示す。
〔実施例2〕 口紅
<連続相>
シリコーン樹脂 10.0
ジメチルポリシロキサン(1,000cs) 10.0
オクタメチルシクロテトラシロキサン 41.0
シリコーン系界面活性剤 2.0
マイクロクリスタリンワックス 1.5
カルナウバロウ 0.5
<分散相>
ベンガラ 5.0
ホホバ油 15.0
(評価)
つや : ◎
2次付着レス効果: ◎
べたつき : ○
【0054】
〔実施例3〕 口紅
<連続相>
シリコーン樹脂 10.0
ジメチルポリシロキサン(1,000cs) 10.0
デカメチルシクロペンタシロキサン 43.0
シリコーン系界面活性剤 2.0
<分散相>
リソールルビンBCA(BaSO) 4.0
ヒマシ油 16.0
(評価)
つや : ◎
2次付着レス効果: ◎
べたつき : ○
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる油中油型乳化組成物は、シリコーン系皮膜剤と、揮発性シリコーン油分と、分子量が3 , 000以上で25℃における粘度が50cs以上の非揮発性シリコーン系液状油分と、乳化剤とを含む連続相油分と、
エステル油分と色材とを含む分散相油分とからなり、
分散相油分/(分散相油分+連続相油分)の配合重量比が0.05〜0.5であることを特徴とし、充分な2次付着レス効果およびつやを付与する口紅組成物とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の油中油型乳化組成物の一実施態様である口紅組成物の構造を示す図である。

Claims (6)

  1. シリコーン系皮膜剤と、揮発性シリコーン油分と、分子量が3 , 000以上で25℃における粘度が50cs以上の非揮発性シリコーン系液状油分と、乳化剤とを含む連続相油分と、
    エステル油分と色材とを含む分散相油分とからなり、
    分散相油分/(分散相油分+連続相油分)の配合重量比が0.05〜0.5であることを特徴とする油中油型乳化組成物。
  2. 請求項に記載の組成物において、シリコーン系皮膜剤が、シリコーン樹脂であり、
    揮発性シリコーン油分が、環状シリコーンであり
    乳化剤がシリコーン系乳化剤であり、
    かつ組成物全体に対して、シリコーン系皮膜剤の固形部分を20〜32重量%、
    非揮発性シリコーン液状油分を5〜15重量%、
    乳化剤を0.1重量%より多く、5重量%以下含むことを特徴とする油中油型乳化組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の組成物において、分散相油分中のエステル油分がヒマシ油であることを特徴とする油中油型乳化組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の組成物において、連続相油分中、(非揮発性シリコーン系液状油分/シリコーン系皮膜剤)の配合重量比が0.2〜0.6であることを特徴とする油中油型乳化組成物。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の組成物が、口紅組成物であることを特徴とする油中油型乳化組成物。
  6. 請求項に記載の組成物において、連続相油分中のワックスの配合量が15重量%より少ないことを特徴とする油中油型乳化組成物。
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