JP3600297B2 - 光アイソレータ部品の接合方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光アイソレータに組み込まれる部品の接合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信システム等では、レーザ光源から発振した伝送光が光通信路中の各種の光伝送部品の入射面等で反射し、その反射光がレーザ光源まで達することがある。反射光は光源の発光作用を乱し、しばしばノイズを生じさせる。光アイソレータは光源と光伝送部品との間に設置され、伝送部品の方向に進む光だけを透過させ、光源方向に向かう反射光を選択的に遮断する。
【0003】
光アイソレータの性能を向上させるには、内部に組み込まれている偏光子等の光学部品が強く接合されなければならない。光学部品は樹脂系接着剤で接合されていたが、接着剤が光アイソレータの温度上昇や外部の温度変化により膨張するため、接合部がずれてしまうことがある。このため樹脂系接着剤の替わりに、半田や低融点ガラスが接合剤として広く利用されている。光学部品の表面には、半田等の接合が容易に行なえるように金属膜が形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
光アイソレータを組み立てる際には、各光学部品同士を半田等で接合した後、保持部材で各光学部品、例えば偏光子、検光子を保持する。具体的には、光学部品同士の接合と同様、保持部材と各光学部品とを半田付けする。半田付け終了後、保持部材と光学部品とは室温まで冷やされて共に収縮するが、熱膨張係数が異なるため収縮する割合がそれぞれ異なる。この収縮の違いによって生じた歪みが光学部品の方に集中し、接合後の光学部品の消光性能が低下してしまう。低融点ガラスを接合剤とした場合も、光学部品の消光性能は同様に低下する。
【0005】
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、光学部品の消光性能を低下させずに、光学部品とその保持部材とを接合する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するためになされた本発明の光アイソレータ部品の接合方法は、光アイソレータ部品である光学部品とその保持部材とを、半田または低融点ガラスで接合し、半田または低融点ガラスの融点より5℃〜100℃低い温度で1時間〜5時間にわたって接合体を加熱した後、接合体を室温まで徐々に冷却する方法である。
【0007】
加熱する温度が前記温度範囲より低い場合には、接合後の光学部品の消光性能が低下してしまい、前記温度範囲より高い場合には、半田や低融点ガラスが再溶解してしまう。加熱時間が1時間未満の場合には、接合後の光学部品の消光性能が低下してしまい、5時間を超える場合には、長く加熱しただけの効果が発揮されない。
【0008】
【作用】
保持部材1と光学部品2とは、熱によって溶融した半田3が冷えて固まることによって接合される。通常、保持部材1の方が光学部品2より熱膨張係数が高いため、冷却によって生じる収縮は保持部材1の方が大きい。収縮が異なる場合には、強度的に弱い光学部品2に歪みが集中し、光学部品2の消光性能が低下する。光学部品2と保持部材1とを接合し、得られた接合体を、特定の温度で一定時間加熱してから室温まで徐々に冷却すると、各部品1・2の収縮が緩やかになるため歪みが発生しにくくなり、光学部品2の消光性能の低下が防止される。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。図1は本発明の接着方法で得られた接合体の一実施例を示す断面図である。同図に示されるように、光学部品2は半田3によって保持部材1と接合している。保持部材1の開口部分4は光路となっている。得られた接合体は光アイソレータを構成する部品となる。
【0010】
光学部品2と保持部材1とを接合する工程を以下に説明する。半田3は組成が金80%、錫20%、融点280℃のAu80−Sn20、光学部品2は偏光ガラス(コーニング社製)、保持部材1はステンレス材(SUS 304)である。SUS 304の表面には、半田付け用の金属膜として金がメッキされている。Au80−Sn20によって偏光ガラスとSUS 304とを接合し、得られた接合体を加熱し、徐々に室温まで冷却する。
【0011】
具体的な接合方法は以下の通りである。SUS 304に、予めAu80−Sn20を配置しておき、偏光ガラスをSUS 304にはめ込んだ後、接合部分を300℃以上の温度で加熱する。加熱終了後、溶融していたAu80−Sn20が冷えて固まり、偏光ガラスとSUS 304とは接合する。得られた接合体を加熱炉の中に入れたまま260℃で3時間加熱し、2時間かけて室温まで徐々に冷却した。
【0012】
接合体の温度が室温まで下がったら偏光ガラスの消光比を測定し、加熱前の消光比と比較した。その結果を図2に示す。図中の白ぬきのプロットは、保持部材1がSUS 304の場合の偏光ガラスの消光比である。同図に示されるように、加熱前の消光比が34.5dBであった偏光ガラスは、高温保持徐冷されることでその消光比が49.0dBに向上した。
【0013】
保持部材1をコバールとし、コバールと偏光ガラスとをAu80−Sn20で接合し、得られた接合体を260℃で3時間加熱してから、2時間かけて室温まで徐々に冷却した。加熱終了後に偏光ガラスの消光比を測定し、加熱前の消光比と比較した。その結果を図2に示す。図中の黒ぬきのプロットは、保持部材1がコバールの場合の偏光ガラスの消光比である。同図に示されるように、加熱前に消光比が38.0dBであった偏光ガラスは、高温保持徐冷されることでその消光比が50.0dBに向上した。
【0014】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の光学部品の接合方法によると、保持部材と接合した光学部品の消光性能は、接合前より向上している。得られた接合体が内部に組み込まれた光アイソレータは高性能であり、光通信システム等でノイズの発生を効率的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接着方法で得られた接合体の一実施例を示す断面図である。
【図2】偏光ガラスの加熱前の消光比と、加熱後の消光比との関係を示す図である。
【符号の説明】
1は保持部材、2は光学部品、3は半田、4は開口部である。
【産業上の利用分野】
本発明は、光アイソレータに組み込まれる部品の接合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信システム等では、レーザ光源から発振した伝送光が光通信路中の各種の光伝送部品の入射面等で反射し、その反射光がレーザ光源まで達することがある。反射光は光源の発光作用を乱し、しばしばノイズを生じさせる。光アイソレータは光源と光伝送部品との間に設置され、伝送部品の方向に進む光だけを透過させ、光源方向に向かう反射光を選択的に遮断する。
【0003】
光アイソレータの性能を向上させるには、内部に組み込まれている偏光子等の光学部品が強く接合されなければならない。光学部品は樹脂系接着剤で接合されていたが、接着剤が光アイソレータの温度上昇や外部の温度変化により膨張するため、接合部がずれてしまうことがある。このため樹脂系接着剤の替わりに、半田や低融点ガラスが接合剤として広く利用されている。光学部品の表面には、半田等の接合が容易に行なえるように金属膜が形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
光アイソレータを組み立てる際には、各光学部品同士を半田等で接合した後、保持部材で各光学部品、例えば偏光子、検光子を保持する。具体的には、光学部品同士の接合と同様、保持部材と各光学部品とを半田付けする。半田付け終了後、保持部材と光学部品とは室温まで冷やされて共に収縮するが、熱膨張係数が異なるため収縮する割合がそれぞれ異なる。この収縮の違いによって生じた歪みが光学部品の方に集中し、接合後の光学部品の消光性能が低下してしまう。低融点ガラスを接合剤とした場合も、光学部品の消光性能は同様に低下する。
【0005】
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、光学部品の消光性能を低下させずに、光学部品とその保持部材とを接合する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するためになされた本発明の光アイソレータ部品の接合方法は、光アイソレータ部品である光学部品とその保持部材とを、半田または低融点ガラスで接合し、半田または低融点ガラスの融点より5℃〜100℃低い温度で1時間〜5時間にわたって接合体を加熱した後、接合体を室温まで徐々に冷却する方法である。
【0007】
加熱する温度が前記温度範囲より低い場合には、接合後の光学部品の消光性能が低下してしまい、前記温度範囲より高い場合には、半田や低融点ガラスが再溶解してしまう。加熱時間が1時間未満の場合には、接合後の光学部品の消光性能が低下してしまい、5時間を超える場合には、長く加熱しただけの効果が発揮されない。
【0008】
【作用】
保持部材1と光学部品2とは、熱によって溶融した半田3が冷えて固まることによって接合される。通常、保持部材1の方が光学部品2より熱膨張係数が高いため、冷却によって生じる収縮は保持部材1の方が大きい。収縮が異なる場合には、強度的に弱い光学部品2に歪みが集中し、光学部品2の消光性能が低下する。光学部品2と保持部材1とを接合し、得られた接合体を、特定の温度で一定時間加熱してから室温まで徐々に冷却すると、各部品1・2の収縮が緩やかになるため歪みが発生しにくくなり、光学部品2の消光性能の低下が防止される。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。図1は本発明の接着方法で得られた接合体の一実施例を示す断面図である。同図に示されるように、光学部品2は半田3によって保持部材1と接合している。保持部材1の開口部分4は光路となっている。得られた接合体は光アイソレータを構成する部品となる。
【0010】
光学部品2と保持部材1とを接合する工程を以下に説明する。半田3は組成が金80%、錫20%、融点280℃のAu80−Sn20、光学部品2は偏光ガラス(コーニング社製)、保持部材1はステンレス材(SUS 304)である。SUS 304の表面には、半田付け用の金属膜として金がメッキされている。Au80−Sn20によって偏光ガラスとSUS 304とを接合し、得られた接合体を加熱し、徐々に室温まで冷却する。
【0011】
具体的な接合方法は以下の通りである。SUS 304に、予めAu80−Sn20を配置しておき、偏光ガラスをSUS 304にはめ込んだ後、接合部分を300℃以上の温度で加熱する。加熱終了後、溶融していたAu80−Sn20が冷えて固まり、偏光ガラスとSUS 304とは接合する。得られた接合体を加熱炉の中に入れたまま260℃で3時間加熱し、2時間かけて室温まで徐々に冷却した。
【0012】
接合体の温度が室温まで下がったら偏光ガラスの消光比を測定し、加熱前の消光比と比較した。その結果を図2に示す。図中の白ぬきのプロットは、保持部材1がSUS 304の場合の偏光ガラスの消光比である。同図に示されるように、加熱前の消光比が34.5dBであった偏光ガラスは、高温保持徐冷されることでその消光比が49.0dBに向上した。
【0013】
保持部材1をコバールとし、コバールと偏光ガラスとをAu80−Sn20で接合し、得られた接合体を260℃で3時間加熱してから、2時間かけて室温まで徐々に冷却した。加熱終了後に偏光ガラスの消光比を測定し、加熱前の消光比と比較した。その結果を図2に示す。図中の黒ぬきのプロットは、保持部材1がコバールの場合の偏光ガラスの消光比である。同図に示されるように、加熱前に消光比が38.0dBであった偏光ガラスは、高温保持徐冷されることでその消光比が50.0dBに向上した。
【0014】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の光学部品の接合方法によると、保持部材と接合した光学部品の消光性能は、接合前より向上している。得られた接合体が内部に組み込まれた光アイソレータは高性能であり、光通信システム等でノイズの発生を効率的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接着方法で得られた接合体の一実施例を示す断面図である。
【図2】偏光ガラスの加熱前の消光比と、加熱後の消光比との関係を示す図である。
【符号の説明】
1は保持部材、2は光学部品、3は半田、4は開口部である。
Claims (1)
- 光アイソレータ部品である光学部品とその保持部材とを、半田または低融点ガラスで接合し、該半田または低融点ガラスの融点より5℃〜100℃低い温度で1時間〜5時間にわたって接合体を加熱した後、該接合体を室温まで徐々に冷却することを特徴とする光アイソレータ部品の接合方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03395195A JP3600297B2 (ja) | 1995-02-22 | 1995-02-22 | 光アイソレータ部品の接合方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03395195A JP3600297B2 (ja) | 1995-02-22 | 1995-02-22 | 光アイソレータ部品の接合方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08227055A JPH08227055A (ja) | 1996-09-03 |
JP3600297B2 true JP3600297B2 (ja) | 2004-12-15 |
Family
ID=12400815
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03395195A Expired - Fee Related JP3600297B2 (ja) | 1995-02-22 | 1995-02-22 | 光アイソレータ部品の接合方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3600297B2 (ja) |
-
1995
- 1995-02-22 JP JP03395195A patent/JP3600297B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08227055A (ja) | 1996-09-03 |
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