JP3599135B2 - 制振装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物などの構造物の振動を抑制する制振装置に関し、特に質量体の駆動機構と動力源とを接続または切断するクラッチ機構を備えた制振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地震や風圧などの外力によって建物などの構造物に発生する振動を抑制するために、可動質量体の運動を利用して制振作用を得るようにした制振装置が知られている。
この制振装置にはアクティブ・マス・ダンパと呼ばれるものと、パッシブ・マス・ダンパと呼ばれるものとがある。
【0003】
前者のアクティブ・マス・ダンパでは、質量体を建物内で水平方向に移動可能に支持し、建物の振動に応じて質量体をサーボモータなどの動力源により移動して、建物の振動を抑えるようになっている。
これに対して、パッシブ・マス・ダンパは構造が簡単であり、バネを介して可動質量体を建物に取り付け、建物が振動したときバネに蓄えられるエネルギーにより建物の振動を抑制するしくみとなっている。
上記アクティブ・マス・ダンパの場合、構造がより複雑であるため種々のタイプのものが開発されている。
その1つにクラッチ機構を備えたものがある。この制振装置では、質量体の駆動機構とサーボモータとがクラッチを介して接続され、地震などが発生した場合のみ、クラッチにより駆動機構とサーボモータとを機械的に接続し、サーボモータの動力を駆動機構に伝達して、質量体を移動させる構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このクラッチを備えた制振装置では、例えば地震が発生し、クラッチを接続状態にする場合、地震によって建物が振動し、従って質量体が運動している状態でクラッチを接続することになる。
しかし、このときサーボモータは地震発生により制振のための動作を開始しており、サーボモータは質量体とは全く対応しない動きをしている。
従って、その状態でクラッチが接続されると、クラッチには極めて強い衝撃が加わる。
このようなストレスは地震が発生するごとにクラッチに加わり、クラッチの寿命を大幅に短縮させる結果となる。
【0005】
そこで本発明の目的は、動力源と質量体の駆動機構とを接続するとき、クラッチ機構に強い衝撃が加わらないようにした制振装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、構造物内に水平面上で移動可能に配置された質量体と、前記質量体を駆動するための駆動力を発生する動力源と、断接可能なクラッチを含み該クラッチが接続状態のときに前記動力源の駆動力を前記質量体へ伝達する駆動力伝達機構と、与えられた動力源制御データにもとづいて前記動力源に発生させる駆動力を制御する動力源制御装置と、前記クラッチの断接動作を制御するクラッチ制御装置と、前記構造物の動きに係わる物理量を検出する第1のセンサと、前記質量体の動きに係わる物理量を検出する第2のセンサとを備え、前記クラッチ制御装置は、前記構造物の振動が十分に大きく前記第1のセンサの検出結果にもとづく信号が所定の基準を超えたときに、前記クラッチを切断状態から接続状態へ移行させるように制御を行い、前記動力源制御装置は、前記第1および第2のセンサからの信号にもとづいて前記動力源を制御し、前記構造物の振動を抑制する制振装置において、前記構造物の振動を抑制するための第1の制御データを、前記第1のセンサからの信号にもとづいて生成する第1の制御データ生成手段と、前記第2のセンサからの信号が表す前記質量体の動きを、前記質量体に行わせるための制御データを生成する第2の制御データ生成手段と、前記クラッチの接続動作に同期して、しだいに大きくなる重みを発生し、発生した重みを前記第1の制御データ生成手段が生成した前記第1の制御データに乗じる第1の重みづけ手段と、前記クラッチの接続操作に同期して、しだいに小さくなる重みを発生し、発生した重みを前記第2の制御データ生成手段が生成した前記第2の制御データに乗じる第2の重みづけ手段と、前記第1の重みづけ手段により重みが乗じられた前記第1の制御データと、前記第2の重みづけ手段により重みが乗じられた前記第2の制御データとを加算し、その結果を前記動力源制御装置に前記動力源制御データとして供給する加算手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明はまた、前記第1の重みづけ手段が、前記重みをコサイン関数を用いて発生することを特徴とする。
本発明はまた、前記第2の重みづけ手段が、前記重みをコサイン関数を用いて発生することを特徴とする。
本発明はまた、前記第1のセンサが前記構造物の変位、移動速度、加速度のうちの少なくとも1つを検出することを特徴とする。
本発明はまた、前記第2のセンサが前記質量体の変位、移動速度、加速度のうちの少なくとも1つを検出することを特徴とする。
本発明はまた、前記第1および第2の制御手段、前記第1および第2の重みづけ手段、ならびに前記加算手段がコンピュータによって構成されていることを特徴とする。
【0008】
第1の制御手段は、構造物の振動を抑制するための第1の制御データを、第1のセンサからの信号にもとづいて生成し、第2の制御手段は、第2のセンサからの信号が表す質量体の動きを、質量体に行わせるための制御データを生成する。そして、第1の重みづけ手段は、クラッチ機構の接続操作に同期して、しだいに大きくなる重みを発生し、発生した重みを第1の制御手段が生成した第1の制御データに乗じ、第2の重みづけ手段は、クラッチ機構の接続操作に同期して、しだいに小さくなる重みを発生し、発生した重みを第2の制御手段が生成した第2の制御データに乗じる。
加算手段は、第1の重みづけ手段により重みが乗じられた第1の制御データと、第2の重みづけ手段により重みが乗じられた第2の制御データとを加算し、結果を動力源制御装置に制御データとして供給する。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施例について説明する。
図2は本発明による制振装置の一例を示す模式平面図、図3は模式側面図である。
この制振装置2は、建物の一水平方向における振動を抑制するためのものである。
基台4は建物の例えば最上階の床6上に固定されている。
直方体形状の質量体8はこの基台4上にガイドレール10および車輪12を介して、X方向に移動可能に支持されている。
基台4の両端部には反力受け14、16が配設され、これらの反力受け14、16と、各反力受けに臨む質量体8の側面とはコイルバネ18によってそれぞれ連結されている。
【0010】
質量体8の上には、質量体8を移動させるための手段として、サーボモータ20、減速機21、電磁クラッチ22、ピニオン・ラック機構を構成するピニオン24およびラック26、ならびにビーム28が設けられている。
ビーム28はX方向に延在し、質量体8の上面中央に支持され、その両端部は反力受け14、16上に固定されている。
サーボモータ20は、その出力軸がビーム28に直交するようにして質量体8の上面に固定され、サーボモータ20の出力軸は減速機21に、そして減速機21の出力軸はクラッチ22にそれぞれ接続されている。
ビーム28の上にはラック26が配設され、これに係合するピニオン24はクラッチ22の出力軸に連結されている。
【0011】
モータ20が回転すると、クラッチ22が接続状態のとき、ピニオン24が回転し、ラック26、従ってビーム28には、ビーム28をX方向に移動させようとする力が働く。しかしビーム28は反力受け14、16に固定されているので、結果的に、質量体8がX方向に移動することになる。
【0012】
建物の所定位置にはマイクロコンピュータを含む制御装置30が配置されている。
この制御装置30は、サーボモータ20およびクラッチ22の制御を行い、その制御には、建物各部に取り付けられ、建物の移動速度を検出するセンサ32、および質量体8に取り付けられ、質量体8の移動速度を検出するセンサ34からの信号を用いる。
【0013】
図1は制御装置30の構成を示す機能ブロック図である。
制御装置30はマイクロコンピュータ302、A/D変換器304、306、D/A変換器308、モータ制御装置310、ならびにクラッチ制御装置312を備えている。
モータ制御装置310は、マイクロコンピュータ302からD/A変換器308を通じてサーボモータ20を制御するための電圧が与えられると、モータ20に電力を供給し、与えられた電圧によって決まる回転方向および回転速度で、サーボモータ20を回転させる。
クラッチ制御装置312は、マイクロコンピュータ302からハイレベルの電圧が与えられたとき電磁クラッチ22に通電して接続状態とし、一方、ローレベルの電圧が与えられた場合にはクラッチ22に通電せず、切断状態とする。
【0014】
マイクロコンピュータ302は、CPU、CPUを動作させるためのプログラムが格納されたROM、ならびにRAMなどにより構成されており、図1の各機能を実現している。
クラッチ制御データ生成手段302fは、A/D変換器304からの信号が所定のレベルより大きいとき、ハイレベルの電圧を出力してクラッチ制御装置312に、クラッチ22を接続状態とさせ、一方、A/D変換器304からの信号が所定のレベルより小さいときは、ローレベルの電圧を出力してクラッチ22を切断状態とさせる。
【0015】
第1の制御データ生成手段302aは、A/D変換器304からの信号にもとづいて所定の演算処理を行い、建物の振動を抑制するために制御装置310に与える制御電圧を算出する。
一方、第2の制御データ生成手段302bは、A/D変換器306からの信号が表す質量体8の運動を、質量体8に行わせるための制御電圧を算出する。
【0016】
第1の重みづけ手段302cは、クラッチ制御データ生成手段302fがクラッチ22を接続させるための信号を出力したとき、時間の経過とともにしだいに大きくなる重みを発生し、それを第1の制御データ生成手段302aが算出した制御電圧に乗じる。
第2の重みづけ手段302dは、クラッチ制御データ生成手段302fがクラッチ22を接続させるための信号を出力したとき、時間の経過とともにしだいに小さくなる重みを発生し、それを第2の制御データ生成手段302bが算出した制御電圧に乗じる。
加算手段302eは、第1および第2の重みづけ手段302c、302dにより重みが乗じられた上記2つの制御電圧を加算し、その値を表すデジタル信号を生成してD/A変換器308に出力する。
なお、制御装置30と、サーボモータ20、クラッチ22、ならびにセンサ32、34とを接続するケーブルは図2、図3では省略されている。
【0017】
このように構成された制振装置2により、建物の振動は次のようにして抑制される。
例えば地震が発生し、建物が振動すると、センサ32は建物の振動を検出し、検出結果を表す信号を出力する。A/D変換器304はこの信号をデジタル信号に変換して出力する。
【0018】
クラッチ制御データ生成手段302fは、A/D変換器304の出力信号が所定の水準を越えているか否かを調べる。
ここで上記地震による建物の振動が十分に大きく、A/D変換器304の出力信号が上記所定の水準を越えているとすると、クラッチ制御データ生成手段302fはハイレベルの電圧をクラッチ制御装置312に出力する。
その結果、クラッチ制御装置312は電磁クラッチ22に通電し、クラッチ22を接続させ、即ち、切断状態から接続状態へ移行させる。
これにより、サーボモータ20の出力軸は減速機21およびクラッチ22を介してピニオン24に接続され、モータ20の回転によりピニオン24が回転し、質量体8は移動することになる。
ただし、クラッチ22には動作遅れがあるため、通電されても直ぐには完全な接続状態とはならず、短時間ではあるが、クラッチ22の特性によって決まる所定の時間が経過した後、完全な接続状態となる。この間、クラッチ22はいわゆる半クラッチの状態にある。
【0019】
一方、制御データ生成手段302aは、A/D変換器304から信号を受け取り、その信号にもとづいて所定の演算処理を行い、建物の振動を抑制するために制御装置310に与える制御電圧VFを算出する。
第1の重みづけ手段302cは、クラッチ制御データ生成手段302fがクラッチ22を接続させるための信号を出力したタイミングに同期して、時間の経過とともにしだいに大きくなる重みを発生し、それを第1の制御データ生成手段302aが算出した制御電圧に乗じる。
第1の重みづけ手段302cは、具体的には上記重みWFをコサイン関数を用いた次式によって算出する。
【0020】
【数1】
WF = −0.5×COS(t/Td×π)+0.5
ここで、tは時間、Tdはクラッチ22が完全に接続されるまでに要する時間である。
この重みWFをグラフで示すと図4の(A)のようになる。横軸は時間を表し、縦軸は重みの値を示している。
重みWFがこのように変化する結果、第1の制御データ生成手段302aが算出生成した制御電圧VFは、図4の(C)に示すように、クラッチ制御データ生成手段302fがハイレベルの電圧を出力した時点t0においては零であり、その後しだいに振幅が大きくなり、クラッチ22が完全に接続される時点t1以降では、本来の制振効果を得るために必要な振幅となる。
【0021】
一方、地震の発生により建物が振動すると質量体8も振動するので、センサ34はそれを検出して質量体8の移動速度を表す信号を出力する。
A/D変換器306はその信号をデジタル信号に変換して第2の制御データ生成手段302bに供給する。
そして、第2の制御データ生成手段302bは、A/D変換器306からの信号が表す質量体8の運動を、質量体8に行わせるための制御電圧を算出する。具体的には、第2の制御データ生成手段302bは次式により制御電圧VSを求める。
【0022】
【数2】
ri = 60・R・δd/(π×Dp)
VS = RG・ri
ここで、riはクラッチ22のモータ側クラッチ部材の回転速度(rpm)、Rは減速機21の減速比、δpは負荷質量応答速度(m/s)、Dpはピニオン24の直径(mm)、RGは制御電圧1V当たりのモータ20の回転数(rpm)である。
【0023】
第2の重みづけ手段302dは、クラッチ制御データ生成手段312がクラッチ22を接続させるための信号を出力したタイミングt0に同期して、時間の経過とともにしだいに小さくなる重みを発生し、それを第2の制御データ生成手段302bが算出した上記制御電圧に乗じる。
第2の重みづけ手段302dは、具体的には上記重みWSをコサイン関数を用いた次式によって算出する。
【0024】
【数3】
WS = 0.5×COS(t/Td×π)+0.5
ここで、tは時間、Tdはクラッチ22が完全に接続されるまでに要する時間である。
この重みをグラフで示すと図4の(B)のようになる。
重みWSがこのように変化する結果、第2の制御データ生成手段302bが算出生成した制御電圧VSは、図4の(E)に示すように、クラッチ制御データ生成手段302fがハイレベルの電圧を出力する時点t0以前においてはそのままであり、その後しだいに振幅が小さくなり、クラッチ22が完全に接続される時点t1以降では、零となる。
【0025】
加算手段302eは、これら重みづけ後の制御電圧VF、VSを加算し、加算結果を表すデジタル信号を生成してD/A変換器308に出力する。
制御電圧VF、VSの加算結果は図4の(F)に示すようなものとなる。
D/A変換器308はこの信号をアナログ信号に変換してモータ制御装置310に出力し、モータ制御装置310は与えられたアナログ信号の電圧にもとづき、サーボモータ20の回転方向および回転速度を制御する。
【0026】
ここで、第2の制御データ生成手段302bが生成した制御電圧は使用せず、第1の制御データ生成手段302aが生成した制御電圧VFだけを用い、そして重みづけも行わなかったとすると、クラッチ22の接続が行われると同時に、図4の(G)に示すような最初から振幅の大きい制御電圧VFが、D/A変換の後、モータ制御装置310に供給されることになる。
従って、クラッチ22のモータ側のクラッチ部材はモータ20によって駆動され、直ちに上記制御電圧に応じた回転運動を行う。
一方、クラッチ22の質量体側のクラッチ部材は、クラッチが接続される前は、建物の振動による質量体8の運動に応じた回転運動をしており、クラッチ接続操作直後の両クラッチ部材の回転運動は全く異なったものとなる。従って、両ク
ラッチ部材が接続されるとき、両者には極めて大きい衝撃が加わることになる。
【0027】
しかし、本実施例の制振装置では、図4の(F)に示したような制御電圧が、D/A変換の後、モータ制御装置310に供給されるので、クラッチ接続操作直後、すなわち時点t0の直後では、制御電圧はそのときの質量体8の運動を、質量体8に行わせるようなものとなっており、上記両クラッチ部材の運動はほとんど一致している。
制御電圧はその後、クラッチが完全に接続される状態(時点t1に対応)に近づくにつれ、しだいに本来の制振作用を得るための電圧に移行し、モータ側のクラッチ部材は、もう一方のクラッチ部材に力を及ぼしつつ、徐々にもう一方のクラッチ部材と異なる運動をするようになる。
従って、クラッチの接続過程でクラッチ部材には衝撃が加わることはなく、クラッチ接続時の衝撃によりクラッチの寿命が短縮するという問題は発生しない。
【0028】
なお、本実施例の制振装置は、一方向の振動に対して制振効果を有するものとしたが、基台4上に、X方向と直交するY方向に延設したレールを設け、その上に所定の車輪を介して上記レール10を配置する構成とし、また必要な駆動系などを設けて質量体8をY方向にも移動できるようにすれば、平面上の任意の方向での制振効果を得ることができる。このような構成においても、本発明はもちろん有効であり、上述しような効果が得られる。
【0029】
また、上記動作の説明では、地震発生時にクラッチ22を接続する場合を例に説明したが、本実施例の制振装置をパッシブ・マス・ダンパとして動作させていて、次にアクティブ・マス・ダンパとして動作させるように切り換える場合にも本発明は有効である。
すなわち、上記制振装置は、質量体8がコイルバネ18によって基台4に連結されているので、建物の振動が極めて大きい場合などには、クラッチ22を切断して、パッシブ・マス・ダンパとして制振作用を発揮するようにできる。この場合、建物の振動が弱まり、アクティブ・マス・ダンパとして動作させるように切り換えるときは、クラッチ22を再度接続することになる。その際にも本制振装置では上述のようにして、クラッチ22は衝撃が加わらないように接続できる。
【0030】
また、上記実施例ではセンサ32、34はそれぞれ建物および質量体の移動速度を検出するとしたが、これらのセンサとして、建物および質量体の変位や加速度を検出するものを用いることもできる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の制振装置では、第1の制御データ生成手段は、構造物の振動を抑制するための第1の制御データを、第1のセンサからの信号にもとづいて生成し、第2の制御データ生成手段は、第2のセンサからの信号が表す質量体の動きを、質量体に行わせるための制御データを生成する。
そして、第1の重みづけ手段は、クラッチの接続操作に同期して、しだいに大きくなる重みを発生し、発生した重みを第1の制御データ生成手段が生成した第1の制御データに乗じ、第2の重みづけ手段は、クラッチの接続動作に同期して、しだいに小さくなる重みを発生し、発生した重みを第2の制御データ生成手段が生成した第2の制御データに乗じる。
加算手段は、第1の重みづけ手段により重みが乗じられた第1の制御データと、第2の重みづけ手段により重みが乗じられた第2の制御データとを加算し、その結果を動力源制御装置に動力源制御データとして供給する。
【0032】
従って、本発明の制振装置では、クラッチ機構の接続動作を開始した時点では、動力源制御装置に供給される制御データは、その時の質量体の運動を、質量体に行わせるようなものとなっており、従ってクラッチ機構において接続される両クラッチ部材の運動はほとんど一致している。
制御データはその後、クラッチが完全に接続される状態に近づくにつれ、しだいに本来の制振作用を得るための制御データに移行し、動力源側のクラッチ部材は、もう一方のクラッチ部材に力を及ぼしつつ、徐々にもう一方のクラッチ部材と異なる運動をするようになる。
従って、クラッチ機構の接続過程でクラッチ部材には衝撃が加わることはなく、クラッチ接続時の衝撃によりクラッチの寿命が短縮するという問題は発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制振装置の一例を構成する制御装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の制振装置の一例を示す模式平面図である。
【図3】図2の制振装置を示す模式側面図である。
【図4】図1の制御装置の動作を説明するための波形図である。
【符号の説明】
2 制振装置
4 基台
8 質量体
18 コイルバネ
20 サーボモータ
21 減速機
22 電磁クラッチ
24 ピニオン
26 ラック
28 ビーム
30 制御装置
32、34 センサ
302 マイクロコンピュータ
302a、302b 制御データ生成手段
302c、302d 重みづけ手段
302e 加算手段
302f クラッチ制御データ生成手段
304、306 A/D変換器
308 D/A変換器
310 モータ制御装置
312 クラッチ制御装置
Claims (6)
- 構造物内に水平面上で移動可能に配置された質量体と、
前記質量体を駆動するための駆動力を発生する動力源と、
断接可能なクラッチを含み該クラッチが接続状態のときに前記動力源の駆動力を前記質量体へ伝達する駆動力伝達機構と、
与えられた動力源制御データにもとづいて前記動力源に発生させる駆動力を制御する動力源制御装置と、
前記クラッチの断接動作を制御するクラッチ制御装置と、
前記構造物の動きに係わる物理量を検出する第1のセンサと、
前記質量体の動きに係わる物理量を検出する第2のセンサと、
を備え、
前記クラッチ制御装置は、前記構造物の振動が十分に大きく前記第1のセンサの検出結果にもとづく信号が所定の基準を超えたときに、前記クラッチを切断状態から接続状態へ移行させるように制御を行い、
前記動力源制御装置は、前記第1および第2のセンサからの信号にもとづいて前記動力源を制御し、前記構造物の振動を抑制する制振装置において、
前記構造物の振動を抑制するための第1の制御データを、前記第1のセンサからの信号にもとづいて生成する第1の制御データ生成手段と、
前記第2のセンサからの信号が表す前記質量体の動きを、前記質量体に行わせるための制御データを生成する第2の制御データ生成手段と、
前記クラッチの接続動作に同期して、しだいに大きくなる重みを発生し、発生した重みを前記第1の制御データ生成手段が生成した前記第1の制御データに乗じる第1の重みづけ手段と、
前記クラッチの接続操作に同期して、しだいに小さくなる重みを発生し、発生した重みを前記第2の制御データ生成手段が生成した前記第2の制御データに乗じる第2の重みづけ手段と、
前記第1の重みづけ手段により重みが乗じられた前記第1の制御データと、前記第2の重みづけ手段により重みが乗じられた前記第2の制御データとを加算し、その結果を前記動力源制御装置に前記動力源制御データとして供給する加算手段と、
を備えたことを特徴とする制振装置。 - 前記第1の重みづけ手段は、前記重みをコサイン関数を用いて発生する請求項1記載の制振装置。
- 前記第2の重みづけ手段は、前記重みをコサイン関数を用いて発生する請求項1記載の制振装置。
- 前記第1のセンサは前記構造物の変位、移動速度、加速度のうちの少なくとも1つを検出する請求項1記載の制振装置。
- 前記第2のセンサは前記質量体の変位、移動速度、加速度のうちの少なくとも1つを検出する請求項1記載の制振装置。
- 前記第1および第2の制御データ生成手段、前記第1および第2の重みづけ手段、ならびに前記加算手段はコンピュータによって構成されている請求項1記載の制振装置。
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