JP3598121B2 - 薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、薄膜トランジスタ(TFT)の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
TFTは例えばアクティブ・マトリクス型の液晶ディスプレイにおける画素スイッチング素子などに用いられており、より高性能のものを得るべく研究開発が活発に行われている。近年、安価なガラス基板の使用を可能とすることなどを目的として、このTFTの製造プロセスの低温化が進められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、nチャネルTFTを600℃以下の低温プロセスで製造する場合には、低温では良質のゲート絶縁膜(SiO2 ) を作製するのが困難であることから、能動層(活性層)として不純物ドーピングを行っていない真性(i型)の半導体薄膜を形成しているにもかかわらず、MISダイオードのフラットバンド電圧が大きく負にずれて、本来ならばエンハンスメント型であるトランジスタ動作がディプリーション型になってしまうという不良が頻繁に発生する。また、pチャネルTFTの場合には、しきい値電圧Vthが負に大きくずれて、負のゲート電圧を印加してもターンオンしにくくなってしまうという不良が生じやすくなる。これらの不良はいずれも、ゲート絶縁膜中の欠陥や不純物に起因する正電荷が原因であると考えられるが、通常行われている水素化などの処理法では解決されていない。
【0004】
従って、この発明の目的は、ゲート絶縁膜中の欠陥や不純物に起因する正電荷を中性化することにより、nチャネルTFTの意図しないディプリーション型化による不良やpチャネルTFTのしきい値電圧Vthが負に大きくずれる不良を防止することができる薄膜トランジスタの製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すでに述べたように、低温プロセスで製造した場合にnチャネルTFTがディプリーション型化する不良やpチャネルTFTのしきい値電圧Vthが負に大きくずれる不良はいずれも、ゲート絶縁膜中の欠陥や不純物に起因する正電荷によるものと考えられる。この不良の原因はnチャネルTFTおよびpチャネルTFTとも同じであるので、以下においてはnチャネルTFTについて説明する。
【0006】
ゲート絶縁膜中の正電荷は、イオン化しやすいNaなどのアルカリ金属その他の不純物が陽イオンとなったもの、水素原子あるいは水素分子がH+ やH2 + として働くもの、SiO2 中の電気陰性度の高い酸素原子が欠落してそれによる空孔VO+ が正に弱帯電して安定化するために生ずるものなどであることが一般的に知られている。
【0007】
本発明者は、酸化性の強い酸素原子が固体中で負に帯電して安定化しやすい性質を持つことに注目し、その性質を利用することにより、TFTのチャネル部に正電圧を印加する原因となっている上記のSiO2 中の正電荷を中性化(不動態化)させる反応を引き起こすことができることを見出した。すなわち、模式的には
2Na+ +O− →Na2 O (1)
H2 + +O− →H2 O (2)
VO+ (SiO)+O− →SiO2 (3)
などと書かれる反応を引き起こすことによって、ゲート絶縁膜中の正電荷を中性化することができる。これによって、MISダイオードのフラットバンド電圧は0Vに近づき、nチャネルTFTの動作はディプリーション型からエンハンスメント型に変わってゆく。
【0008】
特に、(3)式のように酸素空孔VO+ に対する作用である場合は、明らかにゲート絶縁膜の膜質改善効果があり、これが素子特性改善につながる。
【0009】
ゲート絶縁膜中の正電荷の中性化に酸化性雰囲気が効果的であることは、次の実験結果からも明らかである。すなわち、図14は製造直後のnチャネルTFTのドレイン電流(ID )−ゲート電圧(VG )特性の測定結果を示し、図15はこのnチャネルTFTに対して真空中において300℃で1時間アニールを行った後のID −VG 特性の測定結果を示し、図16はその後にさらに300℃で1時間水素プラズマ処理を行った後のID −VG 特性の測定結果を示す。ただし、これらのID −VG 特性の測定に当たってはドレイン電圧VD =5Vとした(以下同様)。また、このnチャネルTFTの能動層は多結晶Si薄膜により形成した。図14に示すように、アニールを行う前のnチャネルTFTはディプリーション型であるが、図15からわかるように、このディプリーション型特性の改善は真空中アニールではあまり効果がない。また、図16からわかるように、水素の還元性雰囲気中アニールではかえってディプリーション型化の度合いが大きくなってしまう。
【0010】
以上のようなゲート絶縁膜中の正電荷の中性化の効果は、酸素の代わりに、やはり酸化性が高いオゾン、さらにはフッ素のようなハロゲンガスを用いても得ることができる。また、ゲート絶縁膜がSiO2 膜である場合ばかりでなく、ゲート絶縁膜が例えばSiNx 膜やSiON膜、さらにはこれらの積層膜超格子であっても、同様の効果を得ることができる。
【0011】
この発明は、本発明者による上記検討に基づいて案出されたものである。
【0012】
すなわち、上記目的を達成するために、この発明の第1の発明は、600℃以下の低温プロセスで基板(1)上に能動層形成用のSi薄膜(2)、ゲート絶縁膜(6)、ゲート電極(7)、ソース電極(8)およびドレイン電極(9)を形成して薄膜トランジスタを製造するようにした薄膜トランジスタの製造方法であって、基板(1)上にSiO 2 膜、SiN x 膜、SiON膜またはこれらの積層膜からなるゲート絶縁膜(6)を形成した後に酸化性雰囲気中において300℃以上400℃以下の温度で20分間以上熱処理を行うことによりゲート絶縁膜(6)中の正電荷を中性化する工程を含むことを特徴とするものである。
【0013】
この発明の第2の発明による薄膜トランジスタの製造方法は、この発明の第1の発明による薄膜トランジスタの製造方法において、酸化性雰囲気は酸素を含む雰囲気であることを特徴とするものである。
【0015】
この発明の第3の発明による薄膜トランジスタの製造方法は、この発明の第1または第2の発明による薄膜トランジスタの製造方法において、300℃以上400℃以下の温度で1時間以上熱処理を行うことを特徴とするものである。
【0017】
【作用】
この発明の第1の発明による薄膜トランジスタの製造方法によれば、基板(1)上にSiO 2 膜、SiN x 膜、SiON膜またはこれらの積層膜からなるゲート絶縁膜(6)を形成した後に酸化性雰囲気中において300℃以上400℃以下の温度で20分間以上熱処理を行うことによりゲート絶縁膜(6)中の正電荷を中性化する工程を含むことによって、nチャネルTFTの意図しないディプリーション型化による不良やpチャネルTFTのしきい値電圧Vthが負に大きくずれる不良を防止することができる。また、このようにnチャネルTFTおよびpチャネルTFTの動作が一挙に改善されることにより、CMOS回路を容易に作製することができる。
【0018】
この発明の第2の発明による薄膜トランジスタの製造方法によれば、酸化性雰囲気が高い酸化性を有する酸素を含む雰囲気であることにより、ゲート絶縁膜中の正電荷の中性化を効果的に行うことができ、これによってnチャネルTFTの意図しないディプリーション型化による不良やpチャネルTFTのしきい値電圧Vthが負に大きくずれる不良を有効に防止することができる。
【0020】
この発明の第3の発明による薄膜トランジスタの製造方法によれば、上記熱処理を300℃以上400℃以下の温度で1時間以上行うことにより、ゲート絶縁膜中の正電荷の中性化を効果的に行うことができ、これによってnチャネルTFTの意図しないディプリーション型化による不良やpチャネルTFTのしきい値電圧Vthが負に大きくずれる不良を有効に防止することができる。
【0022】
【実施例】
以下、この発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1はこの発明の第1実施例によるnチャネルTFTの製造方法を示す。
【0024】
この第1実施例においては、まず、図1Aに示すように、例えばガラス基板のような基板1上に能動層形成用のi型のSi薄膜2を例えば熱CVD法やプラズマCVD法により形成した後、このi型のSi薄膜2にn型不純物を選択的にドーピングしてi型領域2aおよびn+ 型領域2bを形成する。ここで、Si薄膜2は、多結晶Si薄膜や水素化アモルファスSi(a−Si:H)薄膜などである。
【0025】
次に、図1Bに示すように、Si薄膜2を所定形状にパターニングしてアイランド化する。図1B中、符号3はi型のSi薄膜から成る能動層、4、5はn+ 型のソース領域およびドレイン領域を示す。この後、例えば熱CVD法やプラズマCVD法により600℃以下の低温で例えばSiO2 膜から成るゲート絶縁膜6を全面に形成する。
【0026】
次に、図1Cに示すように、ゲート絶縁膜6の所定部分をエッチング除去してコンタクトホールC1 、C2 を形成した後、ゲート絶縁膜6上にゲート電極7を形成するとともに、コンタクトホールC1 、C2 を通じてそれぞれソース領域4およびドレイン領域5にコンタクトするソース電極8およびドレイン電極9を形成する。
【0027】
次に、図1Dに示すように、必要に応じて基板加熱を行いながら、酸素雰囲気中において10秒間以上アニールを行う。この酸素雰囲気中アニールによってゲート絶縁膜6中の正電荷が中性化され、後に詳述するような種々の効果が得られる。
【0028】
次に、図1Eに示すように、例えば熱CVD法やプラズマCVD法により600℃以下の低温で例えばSiNx 膜から成る層間絶縁膜10を全面に形成した後、配線コンタクトのためのコンタクトホールの形成を経て配線(図示せず)を形成し、目的とするnチャネルTFTを完成させる。
【0029】
上述の酸素雰囲気中アニールは、具体的には、酸素分圧が約2×104 Paである大気中で行ってもよいし、試料を入れたチャンバーに例えば105 Pa以下の圧力に酸素を充填して行ってもよい。さらには、例えば10ccmから10lm程度の流量の酸素気流に試料を加熱しながら曝すことによりアニールを行ってもよい。
【0030】
また、上述の酸素雰囲気中アニールの際の基板加熱の方法は問わないが、例えば、基板サセプターを抵抗型ヒーターで加熱しておく伝導型加熱でもよいし、基板やサセプターが高誘電率材料から成るものであれば高周波誘導加熱でもよい。さらには、IR(赤外線)ランプなどを用いる輻射型加熱でもよい。
【0031】
さらに、上述の酸素雰囲気中アニールの際の基板の加熱温度については、例えば酸素雰囲気が大気である場合、室温(約20℃)においても酸化効果はある。この室温での酸化効果は実験的に確認されている。すなわち、図2はこの第1実施例において電極形成まで行った直後のnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示し、図3はこのnチャネルTFTに対して大気中において室温で26日間エージングを行った後のID −VG 特性の測定結果の一例を示す。ただし、このnチャネルTFTの能動層3は多結晶Si薄膜により形成した。図2および図3を比較すればわかるように、電極形成直後のnチャネルTFTはディプリーション型であったが、大気中において室温で26日間エージングを行った後には、ディプリーション型からエンハンスメント型に改善されている。すなわち、大気中に約1ヶ月間放置するだけで、nチャネルTFTをディプリーション型からエンハンスメント型に改善することができる。
【0032】
このように、上述の酸素雰囲気中アニールは室温で行っても酸化効果を得ることができるが、実際には短時間で酸化効果を得るのが望ましい。より短時間でこの酸化効果を得るためには、アニールを600℃を越えない範囲内の高温で行うのがよい。ただし、一般に400℃以上の温度では、能動層3として用いられているSi薄膜、例えばa−Si:H薄膜や多結晶Si薄膜における未結合手(いわゆるダングリング・ボンド)を終端している水素原子の脱離が起こり、素子特性上支障をきたすおそれがある。この場合、再び水素化を行うことにより特性を回復させることができるが、その分だけ工程は増すことになる。従って、このような場合には、アニール温度は400℃以下とするのが好ましい。
【0033】
図4はこの第1実施例において電極形成まで行った、図2および図3にID −VG 特性を示したものとは別のnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示し、図5はこのnチャネルTFTに対して大気中において300℃で20分間アニールを行った後のID −VG 特性の測定結果の一例を示す。図4および図5を比較すればわかるように、大気中において300℃で20分間アニールを行った後には、電極形成直後と比較してオフ電圧が0Vに近づくのみならず、オフ電流の低下、オン電流の増大、さらにはキャリア移動度の増大も起きる。さらに、いわゆるサブスレッショルド・スイング(subthreshold swing)値も低下しており、これよりゲート絶縁膜6と能動層3との界面、すなわちSiO2 /Si界面における界面凖位密度が低下しており、SiO2 /Si界面特性が向上していることがわかる。これは、TFT集積回路の高速動作化にも寄与するものである。また、上述の酸素雰囲気中アニールは、ディプリーション型化の度合いがあまり大きくないnチャネルTFTに対しては、しきい値電圧Vthの低下の効果もある。さらにまた、図4および図5を比較すればわかるように、ゲートのリーク電流IG の抑制効果もあり、明らかにこの酸素雰囲気中アニールによるゲート絶縁膜6の改質効果が認められており、膜質は向上している。このため、素子の高耐圧化および特性の安定化を図ることができ、ホットエレクトロンによる劣化の抑制効果も得ることができる。
【0034】
図6および図7はこの第1実施例において電極形成まで行った後に大気中において300℃でそれぞれ1時間および2時間アニールを行ったnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示す。図6および図7を例えば図4と比較すればわかるように、サブスレッショルド・スイング値、オフ電流およびしきい値電圧Vthとも低下している。しきい値電圧Vthについては、アニールを行う前には5.75Vであったものが、4.72Vに低下した。また、ゲート電圧VG =15Vでのドレイン電流ID は、アニールを行う前には0.983mAであったものが、アニールを行った後には1.35mAに増大した。この結果、電子の移動度μは、アニールを行う前には103cm2 /V・sであったものが、アニールを行った後には128cm2 /V・sに増大した。これらの測定結果から、ゲート絶縁膜6を形成した後の酸素雰囲気中アニールにより、ゲート絶縁膜6と能動層3との界面、すなわちSiO2 /Si界面の界面特性の向上を図ることができることがわかる。
【0035】
図8および図9は同一ウエハー内の互いに異なる三つの場所における三つのnチャネルTFTについてのID −VG 特性の測定結果の一例を示し、図8はこの第1実施例において電極形成まで行った直後の測定結果、図9はこれらのnチャネルTFTに対して大気中において300℃で20分間アニールを行った後の測定結果である。図8および図9を比較すればわかるように、酸素雰囲気中アニールを行う前には、ゲート絶縁膜6を低温で形成したことによるSiO2 中の欠陥や不純物の不均一分布のためにウエハー内で素子特性のばらつきがあるが、大気中において300℃で20分間アニールを行った後には、SiO2 中の欠陥の低減によってウエハー内での素子特性のばらつきが低減されている。これはTFTの集積化を容易にする効果をもたらす。
【0036】
以上のように、この第1実施例によれば、ゲート絶縁膜6を形成した後に酸素雰囲気中においてアニールを行っているので、ゲート絶縁膜6中の欠陥や不純物に起因する正電荷を中性化することができ、これによって負側に寄ったフラットバンド電圧を0Vに近づけ、ディプリーション型化したnチャネルTFTの動作をエンハンスメント型に改善することができる。また、ゲート絶縁膜6中に不均一に存在する欠陥や不純物に起因する正電荷の中性化により、ウエハー内の素子特性のばらつきを小さくすることができ、それによってTFTの集積化を容易に行うことができる。さらに、ゲート絶縁膜6と能動層3との界面の界面特性の向上により、サブスレッショルド・スイング値の低下、オン電流の増大、オフ電流の低下およびしきい値電圧Vthの低下を図ることができ、TFT集積回路の高速動作化を図ることができる。また、ゲート絶縁膜6の改質により絶縁特性が向上することから、ゲートのリーク電流IG の低下、素子の高耐圧化、ホットエレクトロンによる素子の劣化を防止することができ、TFTの長寿命化および長期信頼性の向上を図ることができる。さらにまた、酸素雰囲気中アニール自体には、必ずしも真空装置を必要とせず、従って短時間で大量処理が可能である。
【0037】
次に、この発明の第2実施例によるnチャネルTFTの製造方法について説明する。
【0038】
この第2実施例によるnチャネルTFTの製造方法は、ゲート絶縁膜6を形成した後に行うアニールの雰囲気としてオゾン雰囲気を用いることを除いて、上述の第1実施例によるnチャネルTFTの製造方法と同様である。
【0039】
このオゾン雰囲気中アニールは、具体的には、試料を入れたチャンバーに例えば105 Pa以下の圧力にオゾンガスを充填して行ってもよいし、例えば10ccmから10lm程度の流量のオゾン気流に試料を加熱しながら曝すことにより行ってもよい。また、基板の加熱温度や基板加熱の方法は、上述の第1実施例と同様である。
【0040】
図10はこの第2実施例において電極形成まで行った直後のnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示し、図11はこのnチャネルTFTに対してオゾン雰囲気中において300℃で1時間アニールを行った後のID −VG 特性の測定結果の一例を示す。図10および図11を比較すればわかるように、オゾン雰囲気中において300℃で1時間アニールを行った後には、オフ電圧が0Vに近づくのみならず、オフ電流の低下も起きている。また、オン電流の増大やキャリア移動度の増大も起きる。さらに、サブスレッショルド・スイング値も低下し、これよりゲート絶縁膜6と能動層3との界面、すなわちSiO2 /Si界面における界面凖位密度が低下しており、SiO2 /Si界面特性が向上していることがわかる。これは、TFT集積回路の高速動作化にも寄与するものである。また、上述のオゾン雰囲気中アニールは、ディプリーション型化の度合いがあまり大きくないnチャネルTFTに対しては、しきい値電圧Vthの低下の効果もある。
【0041】
図12および図13は同一ウエハー内の互いに異なる三つの場所における三つのnチャネルTFTについてのID −VG 特性の測定結果の一例を示し、図12はこの第2実施例において電極形成まで行った直後の測定結果、図13はこれらのnチャネルTFTに対してオゾン雰囲気中において300℃で1時間アニールを行った後の測定結果である。図12および図13を比較すればわかるように、電極形成直後では、ゲート絶縁膜6を低温で形成したことによるSiO2 中の欠陥や不純物の不均一分布のためにウエハー内で素子特性のばらつきがあるが、オゾン雰囲気中において300℃で1時間アニールを行った後には、SiO2 中の欠陥の低減によってウエハー内での素子特性のばらつきが低減されている。
【0042】
以上のように、この第2実施例によれば、ゲート絶縁膜6を形成した後にオゾン雰囲気中においてアニールを行っているので、ゲート絶縁膜6中の欠陥や不純物に起因する正電荷を中性化することができる。そして、これによって、第1実施例と同様に、ディプリーション型化したnチャネルTFTの動作のエンハンスメント型への改善やnチャネルTFTの高性能化などを図ることができる。
【0043】
以上、この発明の実施例につき具体的に説明したが、この発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0044】
例えば、上述の第1実施例および第2実施例においては、ゲート電極7、ソース電極8およびドレイン電極9を形成した後に酸素雰囲気中アニールまたはオゾン雰囲気中アニールを行っているが、例えば、ゲート電極形成プロセスがゲート絶縁膜6の膜質に影響を及ぼさなければ、ゲート絶縁膜6の形成後にこの酸素雰囲気中アニールまたはオゾン雰囲気中アニールを行い、その後にゲート電極7の形成を行うようにしてもよい。しかしながら、例えばゲート電極7の材料としてA1を用いる場合には、A1の還元作用のためにゲート絶縁膜6に酸素空孔が生成されやすくなり、ディプリーション型化してしまうことがあることから、ゲート電極形成前にこの酸素雰囲気中アニールまたはオゾン雰囲気中アニールを行っても、ゲート絶縁膜6中の正電荷の中性化の効果は少ない。従って、このような場合には、ゲート電極形成後に酸素雰囲気中アニールまたはオゾン雰囲気中アニールを行うのがよい。
【0045】
また、層間絶縁膜10が、これを通してゲート絶縁膜6に対して酸素雰囲気やオゾン雰囲気による酸化効果があるものであれば、層間絶縁膜10の形成後に酸素雰囲気中アニールまたはオゾン雰囲気中アニールを行うようにしてもよい。
【0046】
また、ゲート電極7を形成した後にこのゲート電極7をマスクとしてSi薄膜中に不純物をイオン注入することなどによってソース領域4およびドレイン領域5を形成するセルフアラインプロセスを用いることもできるが、この場合には、イオン注入後にこの酸素雰囲気中アニールまたはオゾン雰囲気中アニールを行うようにしてもよい。
【0047】
さらに、上述の第1実施例および第2実施例においては、基板1から見て能動層の上側にゲート電極7があるトップゲート型のnチャネルTFTを製造する場合について説明したが、基板から見たゲート電極と能動層との上下関係が逆になったボトムゲート型のnチャネルTFTを製造する場合にもこの発明を適用することが可能である。この場合には、例えば、ゲート絶縁膜形成後、能動層形成前に酸素雰囲気中アニールまたはオゾン雰囲気中アニールを行うようにする。
【0048】
また、この発明は、nチャネルTFTばかりでなく、pチャネルTFTを製造する場合にも適用することが可能である。また、この発明は、例えば、いわゆるスタックト型CMOSスタティックRAMのCMOS型メモリセルにおいて負荷素子として用いられるpチャネルTFTの製造に適用することも可能である。さらに、この発明は、バルク半導体を用いたMISFETの製造に適用することも可能である。
【0049】
また、上述の第1実施例および第2実施例においては、Si薄膜を能動層として用いたTFTを製造する場合について説明したが、能動層としては、Ge薄膜やSiGe化合物薄膜やSiGe系超格子薄膜などを用いてもよい。また、これらの薄膜は、単結晶状態、多結晶状態、アモルファス状態のいずれであってもよい。
【0050】
さらに、ゲート絶縁膜6としては、SiO2 膜以外に、SiNx 膜やSiON膜やこれらの積層膜超格子薄膜を用いてもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、基板上にSiO 2 膜、SiN x 膜、SiON膜またはこれらの積層膜からなるゲート絶縁膜を形成した後に酸化性雰囲気中において300℃以上400℃以下の温度で20分間以上熱処理を行うことによりゲート絶縁膜中の正電荷を中性化する工程を含むことによって、nチャネルTFTの意図しないディプリーション型化による不良やpチャネルTFTのしきい値電圧Vthが負に大きくずれる不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例によるnチャネルTFTの製造方法を説明するための断面図である。
【図2】この発明の第1実施例において電極形成まで行った直後のnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示すグラフである。
【図3】この発明の第1実施例において電極形成まで行った後に大気中において室温で26日間エージングを行ったnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示すグラフである。
【図4】この発明の第1実施例において電極形成まで行った直後のnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示すグラフである。
【図5】この発明の第1実施例において電極形成まで行った後に大気中において300℃で20分間アニールを行ったnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示すグラフである。
【図6】この発明の第1実施例において電極形成まで行った後に大気中において300℃で1時間アニールを行ったnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示すグラフである。
【図7】この発明の第1実施例において電極形成まで行った後に大気中において300℃で2時間アニールを行ったnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示すグラフである。
【図8】この発明の第1実施例において電極形成まで行った直後のnチャネルTFTのID −VG 特性の測定を同一ウエハー内の互いに異なる三つの場所の三つのnチャネルTFTについて行った結果の一例を示すグラフである。
【図9】この発明の第1実施例において電極形成まで行った後に大気中において300℃で20分間アニールを行ったnチャネルTFTのID −VG 特性の測定を同一ウエハー内の互いに異なる三つの場所の三つのnチャネルTFTについて行った結果の一例を示すグラフである。
【図10】この発明の第2実施例において電極形成まで行った直後のnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示すグラフである。
【図11】この発明の第2実施例において電極形成まで行った後にオゾン雰囲気中において300℃で1時間アニールを行ったnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示すグラフである。
【図12】この発明の第2実施例において電極形成まで行った直後のnチャネルTFTのID −VG 特性の測定を同一ウエハー内の互いに異なる三つの場所の三つのnチャネルTFTについて行った結果の一例を示すグラフである。
【図13】この発明の第2実施例において電極形成まで行った後にオゾン雰囲気中において300℃で1時間アニールを行ったnチャネルTFTのID −VG 特性の測定を同一ウエハー内の互いに異なる三つの場所のnチャネルTFTについて行った結果の一例を示すグラフである。
【図14】従来の製造方法による製造直後のnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示すグラフである。
【図15】従来の製造方法による製造直後に真空中において300℃で1時間アニールを行ったnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示すグラフである。
【図16】従来の製造方法による製造後に真空中において300℃で1時間アニールを行い、さらに300℃で1時間水素プラズマ処理を行ったnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 基板
2 Si薄膜
3 能動層
4 ソース領域
5 ドレイン領域
6 ゲート絶縁膜
7 ゲート電極
10 層間絶縁膜
【産業上の利用分野】
この発明は、薄膜トランジスタ(TFT)の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
TFTは例えばアクティブ・マトリクス型の液晶ディスプレイにおける画素スイッチング素子などに用いられており、より高性能のものを得るべく研究開発が活発に行われている。近年、安価なガラス基板の使用を可能とすることなどを目的として、このTFTの製造プロセスの低温化が進められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、nチャネルTFTを600℃以下の低温プロセスで製造する場合には、低温では良質のゲート絶縁膜(SiO2 ) を作製するのが困難であることから、能動層(活性層)として不純物ドーピングを行っていない真性(i型)の半導体薄膜を形成しているにもかかわらず、MISダイオードのフラットバンド電圧が大きく負にずれて、本来ならばエンハンスメント型であるトランジスタ動作がディプリーション型になってしまうという不良が頻繁に発生する。また、pチャネルTFTの場合には、しきい値電圧Vthが負に大きくずれて、負のゲート電圧を印加してもターンオンしにくくなってしまうという不良が生じやすくなる。これらの不良はいずれも、ゲート絶縁膜中の欠陥や不純物に起因する正電荷が原因であると考えられるが、通常行われている水素化などの処理法では解決されていない。
【0004】
従って、この発明の目的は、ゲート絶縁膜中の欠陥や不純物に起因する正電荷を中性化することにより、nチャネルTFTの意図しないディプリーション型化による不良やpチャネルTFTのしきい値電圧Vthが負に大きくずれる不良を防止することができる薄膜トランジスタの製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すでに述べたように、低温プロセスで製造した場合にnチャネルTFTがディプリーション型化する不良やpチャネルTFTのしきい値電圧Vthが負に大きくずれる不良はいずれも、ゲート絶縁膜中の欠陥や不純物に起因する正電荷によるものと考えられる。この不良の原因はnチャネルTFTおよびpチャネルTFTとも同じであるので、以下においてはnチャネルTFTについて説明する。
【0006】
ゲート絶縁膜中の正電荷は、イオン化しやすいNaなどのアルカリ金属その他の不純物が陽イオンとなったもの、水素原子あるいは水素分子がH+ やH2 + として働くもの、SiO2 中の電気陰性度の高い酸素原子が欠落してそれによる空孔VO+ が正に弱帯電して安定化するために生ずるものなどであることが一般的に知られている。
【0007】
本発明者は、酸化性の強い酸素原子が固体中で負に帯電して安定化しやすい性質を持つことに注目し、その性質を利用することにより、TFTのチャネル部に正電圧を印加する原因となっている上記のSiO2 中の正電荷を中性化(不動態化)させる反応を引き起こすことができることを見出した。すなわち、模式的には
2Na+ +O− →Na2 O (1)
H2 + +O− →H2 O (2)
VO+ (SiO)+O− →SiO2 (3)
などと書かれる反応を引き起こすことによって、ゲート絶縁膜中の正電荷を中性化することができる。これによって、MISダイオードのフラットバンド電圧は0Vに近づき、nチャネルTFTの動作はディプリーション型からエンハンスメント型に変わってゆく。
【0008】
特に、(3)式のように酸素空孔VO+ に対する作用である場合は、明らかにゲート絶縁膜の膜質改善効果があり、これが素子特性改善につながる。
【0009】
ゲート絶縁膜中の正電荷の中性化に酸化性雰囲気が効果的であることは、次の実験結果からも明らかである。すなわち、図14は製造直後のnチャネルTFTのドレイン電流(ID )−ゲート電圧(VG )特性の測定結果を示し、図15はこのnチャネルTFTに対して真空中において300℃で1時間アニールを行った後のID −VG 特性の測定結果を示し、図16はその後にさらに300℃で1時間水素プラズマ処理を行った後のID −VG 特性の測定結果を示す。ただし、これらのID −VG 特性の測定に当たってはドレイン電圧VD =5Vとした(以下同様)。また、このnチャネルTFTの能動層は多結晶Si薄膜により形成した。図14に示すように、アニールを行う前のnチャネルTFTはディプリーション型であるが、図15からわかるように、このディプリーション型特性の改善は真空中アニールではあまり効果がない。また、図16からわかるように、水素の還元性雰囲気中アニールではかえってディプリーション型化の度合いが大きくなってしまう。
【0010】
以上のようなゲート絶縁膜中の正電荷の中性化の効果は、酸素の代わりに、やはり酸化性が高いオゾン、さらにはフッ素のようなハロゲンガスを用いても得ることができる。また、ゲート絶縁膜がSiO2 膜である場合ばかりでなく、ゲート絶縁膜が例えばSiNx 膜やSiON膜、さらにはこれらの積層膜超格子であっても、同様の効果を得ることができる。
【0011】
この発明は、本発明者による上記検討に基づいて案出されたものである。
【0012】
すなわち、上記目的を達成するために、この発明の第1の発明は、600℃以下の低温プロセスで基板(1)上に能動層形成用のSi薄膜(2)、ゲート絶縁膜(6)、ゲート電極(7)、ソース電極(8)およびドレイン電極(9)を形成して薄膜トランジスタを製造するようにした薄膜トランジスタの製造方法であって、基板(1)上にSiO 2 膜、SiN x 膜、SiON膜またはこれらの積層膜からなるゲート絶縁膜(6)を形成した後に酸化性雰囲気中において300℃以上400℃以下の温度で20分間以上熱処理を行うことによりゲート絶縁膜(6)中の正電荷を中性化する工程を含むことを特徴とするものである。
【0013】
この発明の第2の発明による薄膜トランジスタの製造方法は、この発明の第1の発明による薄膜トランジスタの製造方法において、酸化性雰囲気は酸素を含む雰囲気であることを特徴とするものである。
【0015】
この発明の第3の発明による薄膜トランジスタの製造方法は、この発明の第1または第2の発明による薄膜トランジスタの製造方法において、300℃以上400℃以下の温度で1時間以上熱処理を行うことを特徴とするものである。
【0017】
【作用】
この発明の第1の発明による薄膜トランジスタの製造方法によれば、基板(1)上にSiO 2 膜、SiN x 膜、SiON膜またはこれらの積層膜からなるゲート絶縁膜(6)を形成した後に酸化性雰囲気中において300℃以上400℃以下の温度で20分間以上熱処理を行うことによりゲート絶縁膜(6)中の正電荷を中性化する工程を含むことによって、nチャネルTFTの意図しないディプリーション型化による不良やpチャネルTFTのしきい値電圧Vthが負に大きくずれる不良を防止することができる。また、このようにnチャネルTFTおよびpチャネルTFTの動作が一挙に改善されることにより、CMOS回路を容易に作製することができる。
【0018】
この発明の第2の発明による薄膜トランジスタの製造方法によれば、酸化性雰囲気が高い酸化性を有する酸素を含む雰囲気であることにより、ゲート絶縁膜中の正電荷の中性化を効果的に行うことができ、これによってnチャネルTFTの意図しないディプリーション型化による不良やpチャネルTFTのしきい値電圧Vthが負に大きくずれる不良を有効に防止することができる。
【0020】
この発明の第3の発明による薄膜トランジスタの製造方法によれば、上記熱処理を300℃以上400℃以下の温度で1時間以上行うことにより、ゲート絶縁膜中の正電荷の中性化を効果的に行うことができ、これによってnチャネルTFTの意図しないディプリーション型化による不良やpチャネルTFTのしきい値電圧Vthが負に大きくずれる不良を有効に防止することができる。
【0022】
【実施例】
以下、この発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1はこの発明の第1実施例によるnチャネルTFTの製造方法を示す。
【0024】
この第1実施例においては、まず、図1Aに示すように、例えばガラス基板のような基板1上に能動層形成用のi型のSi薄膜2を例えば熱CVD法やプラズマCVD法により形成した後、このi型のSi薄膜2にn型不純物を選択的にドーピングしてi型領域2aおよびn+ 型領域2bを形成する。ここで、Si薄膜2は、多結晶Si薄膜や水素化アモルファスSi(a−Si:H)薄膜などである。
【0025】
次に、図1Bに示すように、Si薄膜2を所定形状にパターニングしてアイランド化する。図1B中、符号3はi型のSi薄膜から成る能動層、4、5はn+ 型のソース領域およびドレイン領域を示す。この後、例えば熱CVD法やプラズマCVD法により600℃以下の低温で例えばSiO2 膜から成るゲート絶縁膜6を全面に形成する。
【0026】
次に、図1Cに示すように、ゲート絶縁膜6の所定部分をエッチング除去してコンタクトホールC1 、C2 を形成した後、ゲート絶縁膜6上にゲート電極7を形成するとともに、コンタクトホールC1 、C2 を通じてそれぞれソース領域4およびドレイン領域5にコンタクトするソース電極8およびドレイン電極9を形成する。
【0027】
次に、図1Dに示すように、必要に応じて基板加熱を行いながら、酸素雰囲気中において10秒間以上アニールを行う。この酸素雰囲気中アニールによってゲート絶縁膜6中の正電荷が中性化され、後に詳述するような種々の効果が得られる。
【0028】
次に、図1Eに示すように、例えば熱CVD法やプラズマCVD法により600℃以下の低温で例えばSiNx 膜から成る層間絶縁膜10を全面に形成した後、配線コンタクトのためのコンタクトホールの形成を経て配線(図示せず)を形成し、目的とするnチャネルTFTを完成させる。
【0029】
上述の酸素雰囲気中アニールは、具体的には、酸素分圧が約2×104 Paである大気中で行ってもよいし、試料を入れたチャンバーに例えば105 Pa以下の圧力に酸素を充填して行ってもよい。さらには、例えば10ccmから10lm程度の流量の酸素気流に試料を加熱しながら曝すことによりアニールを行ってもよい。
【0030】
また、上述の酸素雰囲気中アニールの際の基板加熱の方法は問わないが、例えば、基板サセプターを抵抗型ヒーターで加熱しておく伝導型加熱でもよいし、基板やサセプターが高誘電率材料から成るものであれば高周波誘導加熱でもよい。さらには、IR(赤外線)ランプなどを用いる輻射型加熱でもよい。
【0031】
さらに、上述の酸素雰囲気中アニールの際の基板の加熱温度については、例えば酸素雰囲気が大気である場合、室温(約20℃)においても酸化効果はある。この室温での酸化効果は実験的に確認されている。すなわち、図2はこの第1実施例において電極形成まで行った直後のnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示し、図3はこのnチャネルTFTに対して大気中において室温で26日間エージングを行った後のID −VG 特性の測定結果の一例を示す。ただし、このnチャネルTFTの能動層3は多結晶Si薄膜により形成した。図2および図3を比較すればわかるように、電極形成直後のnチャネルTFTはディプリーション型であったが、大気中において室温で26日間エージングを行った後には、ディプリーション型からエンハンスメント型に改善されている。すなわち、大気中に約1ヶ月間放置するだけで、nチャネルTFTをディプリーション型からエンハンスメント型に改善することができる。
【0032】
このように、上述の酸素雰囲気中アニールは室温で行っても酸化効果を得ることができるが、実際には短時間で酸化効果を得るのが望ましい。より短時間でこの酸化効果を得るためには、アニールを600℃を越えない範囲内の高温で行うのがよい。ただし、一般に400℃以上の温度では、能動層3として用いられているSi薄膜、例えばa−Si:H薄膜や多結晶Si薄膜における未結合手(いわゆるダングリング・ボンド)を終端している水素原子の脱離が起こり、素子特性上支障をきたすおそれがある。この場合、再び水素化を行うことにより特性を回復させることができるが、その分だけ工程は増すことになる。従って、このような場合には、アニール温度は400℃以下とするのが好ましい。
【0033】
図4はこの第1実施例において電極形成まで行った、図2および図3にID −VG 特性を示したものとは別のnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示し、図5はこのnチャネルTFTに対して大気中において300℃で20分間アニールを行った後のID −VG 特性の測定結果の一例を示す。図4および図5を比較すればわかるように、大気中において300℃で20分間アニールを行った後には、電極形成直後と比較してオフ電圧が0Vに近づくのみならず、オフ電流の低下、オン電流の増大、さらにはキャリア移動度の増大も起きる。さらに、いわゆるサブスレッショルド・スイング(subthreshold swing)値も低下しており、これよりゲート絶縁膜6と能動層3との界面、すなわちSiO2 /Si界面における界面凖位密度が低下しており、SiO2 /Si界面特性が向上していることがわかる。これは、TFT集積回路の高速動作化にも寄与するものである。また、上述の酸素雰囲気中アニールは、ディプリーション型化の度合いがあまり大きくないnチャネルTFTに対しては、しきい値電圧Vthの低下の効果もある。さらにまた、図4および図5を比較すればわかるように、ゲートのリーク電流IG の抑制効果もあり、明らかにこの酸素雰囲気中アニールによるゲート絶縁膜6の改質効果が認められており、膜質は向上している。このため、素子の高耐圧化および特性の安定化を図ることができ、ホットエレクトロンによる劣化の抑制効果も得ることができる。
【0034】
図6および図7はこの第1実施例において電極形成まで行った後に大気中において300℃でそれぞれ1時間および2時間アニールを行ったnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示す。図6および図7を例えば図4と比較すればわかるように、サブスレッショルド・スイング値、オフ電流およびしきい値電圧Vthとも低下している。しきい値電圧Vthについては、アニールを行う前には5.75Vであったものが、4.72Vに低下した。また、ゲート電圧VG =15Vでのドレイン電流ID は、アニールを行う前には0.983mAであったものが、アニールを行った後には1.35mAに増大した。この結果、電子の移動度μは、アニールを行う前には103cm2 /V・sであったものが、アニールを行った後には128cm2 /V・sに増大した。これらの測定結果から、ゲート絶縁膜6を形成した後の酸素雰囲気中アニールにより、ゲート絶縁膜6と能動層3との界面、すなわちSiO2 /Si界面の界面特性の向上を図ることができることがわかる。
【0035】
図8および図9は同一ウエハー内の互いに異なる三つの場所における三つのnチャネルTFTについてのID −VG 特性の測定結果の一例を示し、図8はこの第1実施例において電極形成まで行った直後の測定結果、図9はこれらのnチャネルTFTに対して大気中において300℃で20分間アニールを行った後の測定結果である。図8および図9を比較すればわかるように、酸素雰囲気中アニールを行う前には、ゲート絶縁膜6を低温で形成したことによるSiO2 中の欠陥や不純物の不均一分布のためにウエハー内で素子特性のばらつきがあるが、大気中において300℃で20分間アニールを行った後には、SiO2 中の欠陥の低減によってウエハー内での素子特性のばらつきが低減されている。これはTFTの集積化を容易にする効果をもたらす。
【0036】
以上のように、この第1実施例によれば、ゲート絶縁膜6を形成した後に酸素雰囲気中においてアニールを行っているので、ゲート絶縁膜6中の欠陥や不純物に起因する正電荷を中性化することができ、これによって負側に寄ったフラットバンド電圧を0Vに近づけ、ディプリーション型化したnチャネルTFTの動作をエンハンスメント型に改善することができる。また、ゲート絶縁膜6中に不均一に存在する欠陥や不純物に起因する正電荷の中性化により、ウエハー内の素子特性のばらつきを小さくすることができ、それによってTFTの集積化を容易に行うことができる。さらに、ゲート絶縁膜6と能動層3との界面の界面特性の向上により、サブスレッショルド・スイング値の低下、オン電流の増大、オフ電流の低下およびしきい値電圧Vthの低下を図ることができ、TFT集積回路の高速動作化を図ることができる。また、ゲート絶縁膜6の改質により絶縁特性が向上することから、ゲートのリーク電流IG の低下、素子の高耐圧化、ホットエレクトロンによる素子の劣化を防止することができ、TFTの長寿命化および長期信頼性の向上を図ることができる。さらにまた、酸素雰囲気中アニール自体には、必ずしも真空装置を必要とせず、従って短時間で大量処理が可能である。
【0037】
次に、この発明の第2実施例によるnチャネルTFTの製造方法について説明する。
【0038】
この第2実施例によるnチャネルTFTの製造方法は、ゲート絶縁膜6を形成した後に行うアニールの雰囲気としてオゾン雰囲気を用いることを除いて、上述の第1実施例によるnチャネルTFTの製造方法と同様である。
【0039】
このオゾン雰囲気中アニールは、具体的には、試料を入れたチャンバーに例えば105 Pa以下の圧力にオゾンガスを充填して行ってもよいし、例えば10ccmから10lm程度の流量のオゾン気流に試料を加熱しながら曝すことにより行ってもよい。また、基板の加熱温度や基板加熱の方法は、上述の第1実施例と同様である。
【0040】
図10はこの第2実施例において電極形成まで行った直後のnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示し、図11はこのnチャネルTFTに対してオゾン雰囲気中において300℃で1時間アニールを行った後のID −VG 特性の測定結果の一例を示す。図10および図11を比較すればわかるように、オゾン雰囲気中において300℃で1時間アニールを行った後には、オフ電圧が0Vに近づくのみならず、オフ電流の低下も起きている。また、オン電流の増大やキャリア移動度の増大も起きる。さらに、サブスレッショルド・スイング値も低下し、これよりゲート絶縁膜6と能動層3との界面、すなわちSiO2 /Si界面における界面凖位密度が低下しており、SiO2 /Si界面特性が向上していることがわかる。これは、TFT集積回路の高速動作化にも寄与するものである。また、上述のオゾン雰囲気中アニールは、ディプリーション型化の度合いがあまり大きくないnチャネルTFTに対しては、しきい値電圧Vthの低下の効果もある。
【0041】
図12および図13は同一ウエハー内の互いに異なる三つの場所における三つのnチャネルTFTについてのID −VG 特性の測定結果の一例を示し、図12はこの第2実施例において電極形成まで行った直後の測定結果、図13はこれらのnチャネルTFTに対してオゾン雰囲気中において300℃で1時間アニールを行った後の測定結果である。図12および図13を比較すればわかるように、電極形成直後では、ゲート絶縁膜6を低温で形成したことによるSiO2 中の欠陥や不純物の不均一分布のためにウエハー内で素子特性のばらつきがあるが、オゾン雰囲気中において300℃で1時間アニールを行った後には、SiO2 中の欠陥の低減によってウエハー内での素子特性のばらつきが低減されている。
【0042】
以上のように、この第2実施例によれば、ゲート絶縁膜6を形成した後にオゾン雰囲気中においてアニールを行っているので、ゲート絶縁膜6中の欠陥や不純物に起因する正電荷を中性化することができる。そして、これによって、第1実施例と同様に、ディプリーション型化したnチャネルTFTの動作のエンハンスメント型への改善やnチャネルTFTの高性能化などを図ることができる。
【0043】
以上、この発明の実施例につき具体的に説明したが、この発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0044】
例えば、上述の第1実施例および第2実施例においては、ゲート電極7、ソース電極8およびドレイン電極9を形成した後に酸素雰囲気中アニールまたはオゾン雰囲気中アニールを行っているが、例えば、ゲート電極形成プロセスがゲート絶縁膜6の膜質に影響を及ぼさなければ、ゲート絶縁膜6の形成後にこの酸素雰囲気中アニールまたはオゾン雰囲気中アニールを行い、その後にゲート電極7の形成を行うようにしてもよい。しかしながら、例えばゲート電極7の材料としてA1を用いる場合には、A1の還元作用のためにゲート絶縁膜6に酸素空孔が生成されやすくなり、ディプリーション型化してしまうことがあることから、ゲート電極形成前にこの酸素雰囲気中アニールまたはオゾン雰囲気中アニールを行っても、ゲート絶縁膜6中の正電荷の中性化の効果は少ない。従って、このような場合には、ゲート電極形成後に酸素雰囲気中アニールまたはオゾン雰囲気中アニールを行うのがよい。
【0045】
また、層間絶縁膜10が、これを通してゲート絶縁膜6に対して酸素雰囲気やオゾン雰囲気による酸化効果があるものであれば、層間絶縁膜10の形成後に酸素雰囲気中アニールまたはオゾン雰囲気中アニールを行うようにしてもよい。
【0046】
また、ゲート電極7を形成した後にこのゲート電極7をマスクとしてSi薄膜中に不純物をイオン注入することなどによってソース領域4およびドレイン領域5を形成するセルフアラインプロセスを用いることもできるが、この場合には、イオン注入後にこの酸素雰囲気中アニールまたはオゾン雰囲気中アニールを行うようにしてもよい。
【0047】
さらに、上述の第1実施例および第2実施例においては、基板1から見て能動層の上側にゲート電極7があるトップゲート型のnチャネルTFTを製造する場合について説明したが、基板から見たゲート電極と能動層との上下関係が逆になったボトムゲート型のnチャネルTFTを製造する場合にもこの発明を適用することが可能である。この場合には、例えば、ゲート絶縁膜形成後、能動層形成前に酸素雰囲気中アニールまたはオゾン雰囲気中アニールを行うようにする。
【0048】
また、この発明は、nチャネルTFTばかりでなく、pチャネルTFTを製造する場合にも適用することが可能である。また、この発明は、例えば、いわゆるスタックト型CMOSスタティックRAMのCMOS型メモリセルにおいて負荷素子として用いられるpチャネルTFTの製造に適用することも可能である。さらに、この発明は、バルク半導体を用いたMISFETの製造に適用することも可能である。
【0049】
また、上述の第1実施例および第2実施例においては、Si薄膜を能動層として用いたTFTを製造する場合について説明したが、能動層としては、Ge薄膜やSiGe化合物薄膜やSiGe系超格子薄膜などを用いてもよい。また、これらの薄膜は、単結晶状態、多結晶状態、アモルファス状態のいずれであってもよい。
【0050】
さらに、ゲート絶縁膜6としては、SiO2 膜以外に、SiNx 膜やSiON膜やこれらの積層膜超格子薄膜を用いてもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、基板上にSiO 2 膜、SiN x 膜、SiON膜またはこれらの積層膜からなるゲート絶縁膜を形成した後に酸化性雰囲気中において300℃以上400℃以下の温度で20分間以上熱処理を行うことによりゲート絶縁膜中の正電荷を中性化する工程を含むことによって、nチャネルTFTの意図しないディプリーション型化による不良やpチャネルTFTのしきい値電圧Vthが負に大きくずれる不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例によるnチャネルTFTの製造方法を説明するための断面図である。
【図2】この発明の第1実施例において電極形成まで行った直後のnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示すグラフである。
【図3】この発明の第1実施例において電極形成まで行った後に大気中において室温で26日間エージングを行ったnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示すグラフである。
【図4】この発明の第1実施例において電極形成まで行った直後のnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示すグラフである。
【図5】この発明の第1実施例において電極形成まで行った後に大気中において300℃で20分間アニールを行ったnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示すグラフである。
【図6】この発明の第1実施例において電極形成まで行った後に大気中において300℃で1時間アニールを行ったnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示すグラフである。
【図7】この発明の第1実施例において電極形成まで行った後に大気中において300℃で2時間アニールを行ったnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示すグラフである。
【図8】この発明の第1実施例において電極形成まで行った直後のnチャネルTFTのID −VG 特性の測定を同一ウエハー内の互いに異なる三つの場所の三つのnチャネルTFTについて行った結果の一例を示すグラフである。
【図9】この発明の第1実施例において電極形成まで行った後に大気中において300℃で20分間アニールを行ったnチャネルTFTのID −VG 特性の測定を同一ウエハー内の互いに異なる三つの場所の三つのnチャネルTFTについて行った結果の一例を示すグラフである。
【図10】この発明の第2実施例において電極形成まで行った直後のnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示すグラフである。
【図11】この発明の第2実施例において電極形成まで行った後にオゾン雰囲気中において300℃で1時間アニールを行ったnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示すグラフである。
【図12】この発明の第2実施例において電極形成まで行った直後のnチャネルTFTのID −VG 特性の測定を同一ウエハー内の互いに異なる三つの場所の三つのnチャネルTFTについて行った結果の一例を示すグラフである。
【図13】この発明の第2実施例において電極形成まで行った後にオゾン雰囲気中において300℃で1時間アニールを行ったnチャネルTFTのID −VG 特性の測定を同一ウエハー内の互いに異なる三つの場所のnチャネルTFTについて行った結果の一例を示すグラフである。
【図14】従来の製造方法による製造直後のnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示すグラフである。
【図15】従来の製造方法による製造直後に真空中において300℃で1時間アニールを行ったnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示すグラフである。
【図16】従来の製造方法による製造後に真空中において300℃で1時間アニールを行い、さらに300℃で1時間水素プラズマ処理を行ったnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 基板
2 Si薄膜
3 能動層
4 ソース領域
5 ドレイン領域
6 ゲート絶縁膜
7 ゲート電極
10 層間絶縁膜
Claims (3)
- 600℃以下の低温プロセスで基板上に能動層形成用のSi薄膜、ゲート絶縁膜、ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極を形成して薄膜トランジスタを製造するようにした薄膜トランジスタの製造方法であって、上記基板上にSiO 2 膜、SiN x 膜、SiON膜またはこれらの積層膜からなるゲート絶縁膜を形成した後に酸化性雰囲気中において300℃以上400℃以下の温度で20分間以上熱処理を行うことにより上記ゲート絶縁膜中の正電荷を中性化する工程を含むことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
- 上記酸化性雰囲気は酸素を含む雰囲気であることを特徴とする請求項1記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 300℃以上400℃以下の温度で1時間以上上記熱処理を行うことを特徴とする請求項1または2記載の薄膜トランジスタの製造方法。
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