JP3597880B2 - スキー板表皮材 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、スキー板表皮材に関する。さらに詳しくは、透明性、耐熱性、耐寒性、耐摩耗性、印刷適性に優れたスキー板表皮材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスキー板は、コア材を、それぞれ別個に成形した超高分子量ポリエチレン等のソール材シート、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂)等のサイド部表皮材シート及び上部表皮材シート、金属製エッジ部と組み合わせることによって箱型に製造されていた。
【0003】
その後1990−91年のシーズンにオーストリアのサロモン社が、サイド部及び上部表皮材が一体となったスキー板の断面が台形状のモノコックタイプあるいはキャップ式と呼ばれる新しいスキー板を発売し、形状の新規性、上部からサイド部までの連続した印刷模様による意匠性、スキー板の操作性等に優れることから注目され、1991−92年のシーズン以降スキー板メーカー各社が同様のキャップ式スキー板を発売し、最近はこのタイプが主流になっている。
【0004】
このキャップ式スキー板の表皮材としては、PBT樹脂(ポリブチレンテレフタレート樹脂)あるいはPBT樹脂を主成分とした改質樹脂が用いられている。
これは、PBT樹脂及びPBT改質樹脂が、スキー板の加熱圧縮成形時に必要とされる耐熱性、意匠性向上のための印刷適性、さらにスキー板使用時の耐寒性、耐摩耗性に優れているという理由によるものである。
【0005】
特開平4−231083号公報には、スキー板の構成部材として、ポリエステルアミド或いはポリエーテルアミドのようなポリアミド系熱可塑性エラストマーと、マレイン化エチレン−酢酸ビニル共重合体のような変性ポリオレフィンとの組成物を用いることが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者のPBT樹脂及びPBT改質樹脂は透明性に劣るため、スキー板に取り付けた際に表面となる面に、浸透性を有する特殊なインクを用いて模様あるいは文字の印刷を施すか、印刷面の上にさらに透明な保護層を設けて、表面が傷付いても印刷模様に乱れが生じないように工夫する必要があったが、表面の傷付きによる印刷模様の乱れを防止するには不十分であった。
【0007】
後者のポリアミド系熱可塑性エラストマーと変性ポリオレフィンとの組成物は、耐寒性と接着性との組み合わせに優れたものではあるが、表皮材として必要な耐熱性や耐傷性に欠けており、透明性も未だ十分でない。
【0008】
このため、従来のスキー板製造装置にて生産が可能な耐熱性を有し、実際のスキー板使用時に求められる耐寒性、耐摩耗性乃至耐傷性を有しながら、なおかつスキー板に取り付けた際に内側となる面に印刷が可能であり、表皮材そのものが印刷模様及び印刷文字の保護層としての機能を有し、表面の傷付きによる印刷模様の乱れを防止することができる透明性、印刷適性に優れる表皮材が求められている。
【0009】
従って、本発明の目的は、透明性、印刷適性を有し、しかも耐熱性、耐寒性、耐摩耗性乃至耐傷性に優れたスキー板表皮材を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的に沿ったスキー板表皮材について鋭意研究を重ねた結果、特定のエチレン系アイオノマー樹脂と結晶性ポリアミド樹脂とを特定の割合で混合した組成物のシートをスキー板表皮材に用いるときは、透明性、印刷適性、耐熱性、耐寒性、耐摩耗性乃至耐傷性などが満足すべき水準にあることを見いだし、本発明を完成するにいたった。
【0011】
すなわち、本発明によれば、α,β−不飽和カルボン酸含有量が6〜13モル%、遷移金属陽イオンによる中和度が20〜90%のエチレン系アイオノマー樹脂50〜95重量%と、融点が170℃以上の結晶性ポリアミド樹脂50〜5重量%とからなる組成物のシートを用いることにより、透明性、印刷適性、耐熱性、耐寒性、耐摩耗性乃至耐傷性に優れたスキー板表皮材が提供される。
【0012】
【作用】
本発明では、α,β−不飽和カルボン酸含有量が6〜13モル%、遷移金属陽イオンによる中和度が20〜90%のエチレン系アイオノマー樹脂と、融点が170℃以上の結晶性ポリアミド樹脂とからなる組成物のシートをスキー板表皮材として用いることが、上記組み合わせ特性を達成する上で顕著な特徴である。
【0013】
エチレン系アイオノマー樹脂は、一般に透明性には優れているが、融点が低いため、耐熱性に劣るのが欠点である(後述する比較例1及び2参照)。また、通常のエチレン系アイオノマー樹脂に結晶性ポリアミド樹脂を配合すると、透明性が損なわれるという問題が生じる(後述する比較例3及び4参照)。
【0014】
本発明では、この問題を解決するため、α,β−不飽和カルボン酸含有量が6〜13モル%と高く、しかも中和イオンが遷移金属陽イオンであるエチレン系アイオノマー樹脂を使用する。この特定のエチレン系アイオノマー樹脂に結晶性ポリアミド樹脂を配合することにより、エチレン系アイオノマー樹脂の印刷適性を維持しつつ、透明性の低下を防止し、耐熱性さらには耐寒性を向上させることができる。
【0015】
【発明の好適態様】
本発明で用いられるアイオノマー樹脂成分を構成するエチレン−不飽和カルボン酸共重合体は、エチレンと不飽和カルボン酸との共重合樹脂であるが、この不飽和カルボン酸としては、炭素数3〜8の不飽和カルボン酸、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステルなどが用いられる。これらの不飽和カルボン酸のうちで、アクリル酸、メタクリル酸が特に好ましい。
【0016】
本発明で用いられるエチレン−不飽和カルボン酸共重合体は、エチレンと上記のような不飽和カルボン酸に加えて第三成分を含んでいてもよく、このような第三成分としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、メタクリル酸メチルなどの不飽和カルボン酸エステル、酢酸ビニルなどのビニルエステルが用いられる。
【0017】
これらエチレン−不飽和カルボン酸共重合体としては、不飽和カルボン酸含有量が6〜13モル%、好ましくは6.5〜13モル%、さらに好ましくは7〜13モル%である。
【0018】
また本発明に用いられるエチレン系アイオノマー樹脂は、このようなエチレン−不飽和カルボン酸共重合体が、遷移金属で少なくとも一部が中和されたものであって、しかもその中和度が20〜90%、好ましくは25〜85%である。
【0019】
アイオノマー樹脂のベースポリマーとなるエチレン−不飽和カルボン酸共重合体の不飽和カルボン酸含有量が6モル%未満のものを用いた場合には、ポリアミドとの相溶性が悪く、透明性が損なわれると共に耐熱性が不足する。またエチレン−不飽和カルボン酸共重合体の不飽和カルボン酸含有量が13モル%をこえるものを用いると、融点、軟化温度が低くなるために耐熱性が不足する。
【0020】
アイオノマー樹脂において、遷移金属による中和度が20%未満のものを用いた場合、あるいはリチウム、カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属やカルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属のみで中和されているものを用いた場合には、ポリアミドを相当量で配合した場合に透明性が損なわれると共に耐熱性が不足する。また遷移金属による中和度が90%をこえるものを用いると、溶融流動性が低くなるためにシート成形性が不足するので好ましくない。
【0021】
遷移金属としては、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、鉛などを例示でき、特に亜鉛が好ましい。これらの遷移金属は二種以上用いることもできる。
【0022】
アイオノマー樹脂としては、190℃、2160g荷重で測定したメルトフローレートが0.01〜100dg/分、特に0.1〜30dg/分程度のものを使用するのが好ましい。
【0023】
本発明に用いられる結晶性ポリアミド樹脂は、融点が170℃以上、好ましくは200℃以上である。
このようなポリアミドとしては、例えばシュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸のようなジカルボン酸と、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、1,4−シクロヘキシルジアミン、m−キシレンジアミンのようなジアミンとの重縮合、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムのような環状ラクタム開環重合、6−アミノカプロン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸のようなアミノカルボン酸の重縮合、あるいは上記環状ラクタムとジカルボン酸とジアミンとの共重合体などにより得られ、一般にナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、共重合ナイロン、ナイロンMXD6、ナイロン46などとして市販されているものが用いられる。
【0024】
本発明においては、アイオノマー樹脂に対する結晶性ポリアミドの配合割合は、アイオノマー樹脂50〜95重量%、好ましくは55〜90重量%に対して、結晶性ポリアミド樹脂50〜5重量%、好ましくは45〜10重量%の割合である。
【0025】
ポリアミドの配合割合が前記範囲よりも少ないと耐熱性が不足し、また配合割合が前記範囲より多いと透明性が不足する。
【0026】
本発明に用いられるアイオノマー樹脂組成物しとては、シート成形性、スキー板製造時の耐熱性などを勘案すると、230℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが、0.01〜100dg/分、特に0.1〜30dg/分の範囲のものが好ましい。
【0027】
上記メルトフローレートが0.01dg/分未満の場合、シート成形時の溶融樹脂の流動性が劣るために好ましくない。またメルトフローレートが100dg/分をこえる場合は、スキー板製造時の耐熱性が不足するために好ましくない。
【0028】
またアイオノマー樹脂とポリアミドに加えて、必要に応じて公知の添加剤、例えば酸化防止剤、耐候安定剤、光安定剤、滑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤あるいは着色剤、他の重合体などを、特性を損なわない範囲で配合することができる。
【0029】
アイオノマー樹脂とポリアミドとの混合物をシート化する際、混合物が十分に溶融混合されている必要がある。シート製造用の押出機として混合効率の良いものを使用するときは、両方のドライブレンド物を直接該押出機に供給して、両方の融点以上の温度、例えば170〜300℃、好ましくは200〜290℃の温度で成形をしてもよいが、混合効率の悪い押出機を用いる場合には、別の溶融混合装置、例えば、スクリュー押出機、バンバリキミサー、ロールミキサーなどの樹脂用溶融混合装置で予め溶融混合したものを用いるのが好ましい。
【0030】
また、このようなアイオノマー組成物は、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体を遷移金属陽イオンで中和する際に上記ポリアミドを添加して、カルボキシル基のイオン化反応と、ポリアミド樹脂の溶融混合とを同時に行うことによっても製造できる。
【0031】
本発明のスキー板表皮材は、上記のアイオノマー組成物単独の層から成る場合に十分その目的を達成するものであるが、アイオノマー樹脂組成物上に、他の透明性樹脂層、特にエチレンビニルアルコール共重合体や結晶性ポリアミド樹脂の薄い層を設けて、透明性や耐磨耗性乃至耐傷性を一層向上させることができる。
【0032】
本発明のスキー板表皮材用のシートの成形方法は、特に限定されるものではなく、通常の方法で行われる。例えばTダイ法、インフレーション法、圧縮成形法などが採用される。
【0033】
シートの厚みとしては0.2〜3mm、特に0.4〜2mmが好ましい。シートの厚みが0.2mm未満の場合、スキー板使用時に発生する表面の傷が表皮層を貫通することがあるため好ましくない。また3mmをこえる場合は、スキー板の加熱圧縮成形性が劣るために好ましくない。
【0034】
スキー板の成形方法は特に限定されるものではなく、通常の方法が用いられる。例えば、コア材、ソール材、金属製エッジ及び表皮材としての本発明による組成物のシートを型の中に装着し、100〜130℃の温度にて加熱圧縮することによって成形される。
【0035】
【実施例】
以下に例を上げて、本発明をさらに詳細に説明する。
なお本発明の組成物シートを調整するために使用したアイオノマー樹脂及びポリアミド樹脂は、表1及び表2の通りである。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
実施例1、2
表1に示したアイオノマー1及び表2に示したポリアミド1を、表3に示した配合割合で、40mmφ単軸押出機を用いて樹脂温度230〜235℃、スクリュー回転数40rpmでメルトブレンドし、得られた組成物をTダイ法成形装置(40mmφ単軸押出機)を用いて樹脂温度230℃、スクリュー回転数50rpm、シート厚み0.8mm、片面コロナ処理(濡れ張力50dyne/cm以上)のシートを成形し、目視にて透明性を観察した。
【0039】
得られたシートのコロナ処理面に印刷を施して印刷適性を評価し、印刷シートの印刷面が内側になるようにスキー板加熱圧縮成形用の型に入れ、通常のソール材、コア材、金属製エッジ部と共に110℃にてスキー板を成形して、製品の印刷模様、文字の状態及び表皮層の外観から耐熱性を評価した。またメルトブレンドした組成物の−20℃におけるアイゾット衝撃強度(ASTM D256準拠)を測定して耐寒性を評価した。結果を表3に示す。実施例1、2の表皮材シートは、透明性、印刷適性、耐熱性、耐寒性に優れることがわかる。
【0040】
比較例1、2
表1に示したアイオノマー1あるいは2単体を用いた以外は実施例1、2と同様にしてスキー板の成形及び評価を行った。結果を表3に示す。アイオノマー樹脂単体では、透明性、印刷適性は優れるものの、スキー板成形時の耐熱性が不足し、成形時の熱によって表皮材シートが完全に溶融し、内面の印刷模様及び文字が乱れてしまい、商品価値が無くなった。
【0041】
比較例3、4
表1に示したアイオノマー2あるいは3を用いた以外は実施例1、2と同様にしてスキー板表皮用シートの成形及び透明性の評価を行った。結果を表3に示す。
不飽和カルボン酸含有量の低いアイオノマーを用いた組成物シート(比較例3)及びイオン種としてナトリウムイオンのアイオノマーを用いた組成物シート(比較例4)は透明性が劣っており、スキー板に取り付けた際の内面側に印刷を施すための表皮材シートとしては使えなかった。
【0042】
【表3】
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、従来のスキー板製造装置にて生産が可能な耐熱性を有し、実際のスキー板使用時に求められる耐寒性、耐摩耗性乃至耐傷性を有しながら、なおかつスキー板に取り付けた際に内側となる面に印刷が可能であり、表皮材そのものが印刷模様及び印刷文字の保護層としての機能を有し、表面の傷付きによる印刷模様の乱れを防止することができる透明性、印刷適性に優れる表皮材が得られる。
【産業上の利用分野】
本発明は、スキー板表皮材に関する。さらに詳しくは、透明性、耐熱性、耐寒性、耐摩耗性、印刷適性に優れたスキー板表皮材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスキー板は、コア材を、それぞれ別個に成形した超高分子量ポリエチレン等のソール材シート、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂)等のサイド部表皮材シート及び上部表皮材シート、金属製エッジ部と組み合わせることによって箱型に製造されていた。
【0003】
その後1990−91年のシーズンにオーストリアのサロモン社が、サイド部及び上部表皮材が一体となったスキー板の断面が台形状のモノコックタイプあるいはキャップ式と呼ばれる新しいスキー板を発売し、形状の新規性、上部からサイド部までの連続した印刷模様による意匠性、スキー板の操作性等に優れることから注目され、1991−92年のシーズン以降スキー板メーカー各社が同様のキャップ式スキー板を発売し、最近はこのタイプが主流になっている。
【0004】
このキャップ式スキー板の表皮材としては、PBT樹脂(ポリブチレンテレフタレート樹脂)あるいはPBT樹脂を主成分とした改質樹脂が用いられている。
これは、PBT樹脂及びPBT改質樹脂が、スキー板の加熱圧縮成形時に必要とされる耐熱性、意匠性向上のための印刷適性、さらにスキー板使用時の耐寒性、耐摩耗性に優れているという理由によるものである。
【0005】
特開平4−231083号公報には、スキー板の構成部材として、ポリエステルアミド或いはポリエーテルアミドのようなポリアミド系熱可塑性エラストマーと、マレイン化エチレン−酢酸ビニル共重合体のような変性ポリオレフィンとの組成物を用いることが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者のPBT樹脂及びPBT改質樹脂は透明性に劣るため、スキー板に取り付けた際に表面となる面に、浸透性を有する特殊なインクを用いて模様あるいは文字の印刷を施すか、印刷面の上にさらに透明な保護層を設けて、表面が傷付いても印刷模様に乱れが生じないように工夫する必要があったが、表面の傷付きによる印刷模様の乱れを防止するには不十分であった。
【0007】
後者のポリアミド系熱可塑性エラストマーと変性ポリオレフィンとの組成物は、耐寒性と接着性との組み合わせに優れたものではあるが、表皮材として必要な耐熱性や耐傷性に欠けており、透明性も未だ十分でない。
【0008】
このため、従来のスキー板製造装置にて生産が可能な耐熱性を有し、実際のスキー板使用時に求められる耐寒性、耐摩耗性乃至耐傷性を有しながら、なおかつスキー板に取り付けた際に内側となる面に印刷が可能であり、表皮材そのものが印刷模様及び印刷文字の保護層としての機能を有し、表面の傷付きによる印刷模様の乱れを防止することができる透明性、印刷適性に優れる表皮材が求められている。
【0009】
従って、本発明の目的は、透明性、印刷適性を有し、しかも耐熱性、耐寒性、耐摩耗性乃至耐傷性に優れたスキー板表皮材を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的に沿ったスキー板表皮材について鋭意研究を重ねた結果、特定のエチレン系アイオノマー樹脂と結晶性ポリアミド樹脂とを特定の割合で混合した組成物のシートをスキー板表皮材に用いるときは、透明性、印刷適性、耐熱性、耐寒性、耐摩耗性乃至耐傷性などが満足すべき水準にあることを見いだし、本発明を完成するにいたった。
【0011】
すなわち、本発明によれば、α,β−不飽和カルボン酸含有量が6〜13モル%、遷移金属陽イオンによる中和度が20〜90%のエチレン系アイオノマー樹脂50〜95重量%と、融点が170℃以上の結晶性ポリアミド樹脂50〜5重量%とからなる組成物のシートを用いることにより、透明性、印刷適性、耐熱性、耐寒性、耐摩耗性乃至耐傷性に優れたスキー板表皮材が提供される。
【0012】
【作用】
本発明では、α,β−不飽和カルボン酸含有量が6〜13モル%、遷移金属陽イオンによる中和度が20〜90%のエチレン系アイオノマー樹脂と、融点が170℃以上の結晶性ポリアミド樹脂とからなる組成物のシートをスキー板表皮材として用いることが、上記組み合わせ特性を達成する上で顕著な特徴である。
【0013】
エチレン系アイオノマー樹脂は、一般に透明性には優れているが、融点が低いため、耐熱性に劣るのが欠点である(後述する比較例1及び2参照)。また、通常のエチレン系アイオノマー樹脂に結晶性ポリアミド樹脂を配合すると、透明性が損なわれるという問題が生じる(後述する比較例3及び4参照)。
【0014】
本発明では、この問題を解決するため、α,β−不飽和カルボン酸含有量が6〜13モル%と高く、しかも中和イオンが遷移金属陽イオンであるエチレン系アイオノマー樹脂を使用する。この特定のエチレン系アイオノマー樹脂に結晶性ポリアミド樹脂を配合することにより、エチレン系アイオノマー樹脂の印刷適性を維持しつつ、透明性の低下を防止し、耐熱性さらには耐寒性を向上させることができる。
【0015】
【発明の好適態様】
本発明で用いられるアイオノマー樹脂成分を構成するエチレン−不飽和カルボン酸共重合体は、エチレンと不飽和カルボン酸との共重合樹脂であるが、この不飽和カルボン酸としては、炭素数3〜8の不飽和カルボン酸、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステルなどが用いられる。これらの不飽和カルボン酸のうちで、アクリル酸、メタクリル酸が特に好ましい。
【0016】
本発明で用いられるエチレン−不飽和カルボン酸共重合体は、エチレンと上記のような不飽和カルボン酸に加えて第三成分を含んでいてもよく、このような第三成分としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、メタクリル酸メチルなどの不飽和カルボン酸エステル、酢酸ビニルなどのビニルエステルが用いられる。
【0017】
これらエチレン−不飽和カルボン酸共重合体としては、不飽和カルボン酸含有量が6〜13モル%、好ましくは6.5〜13モル%、さらに好ましくは7〜13モル%である。
【0018】
また本発明に用いられるエチレン系アイオノマー樹脂は、このようなエチレン−不飽和カルボン酸共重合体が、遷移金属で少なくとも一部が中和されたものであって、しかもその中和度が20〜90%、好ましくは25〜85%である。
【0019】
アイオノマー樹脂のベースポリマーとなるエチレン−不飽和カルボン酸共重合体の不飽和カルボン酸含有量が6モル%未満のものを用いた場合には、ポリアミドとの相溶性が悪く、透明性が損なわれると共に耐熱性が不足する。またエチレン−不飽和カルボン酸共重合体の不飽和カルボン酸含有量が13モル%をこえるものを用いると、融点、軟化温度が低くなるために耐熱性が不足する。
【0020】
アイオノマー樹脂において、遷移金属による中和度が20%未満のものを用いた場合、あるいはリチウム、カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属やカルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属のみで中和されているものを用いた場合には、ポリアミドを相当量で配合した場合に透明性が損なわれると共に耐熱性が不足する。また遷移金属による中和度が90%をこえるものを用いると、溶融流動性が低くなるためにシート成形性が不足するので好ましくない。
【0021】
遷移金属としては、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、鉛などを例示でき、特に亜鉛が好ましい。これらの遷移金属は二種以上用いることもできる。
【0022】
アイオノマー樹脂としては、190℃、2160g荷重で測定したメルトフローレートが0.01〜100dg/分、特に0.1〜30dg/分程度のものを使用するのが好ましい。
【0023】
本発明に用いられる結晶性ポリアミド樹脂は、融点が170℃以上、好ましくは200℃以上である。
このようなポリアミドとしては、例えばシュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸のようなジカルボン酸と、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、1,4−シクロヘキシルジアミン、m−キシレンジアミンのようなジアミンとの重縮合、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムのような環状ラクタム開環重合、6−アミノカプロン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸のようなアミノカルボン酸の重縮合、あるいは上記環状ラクタムとジカルボン酸とジアミンとの共重合体などにより得られ、一般にナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、共重合ナイロン、ナイロンMXD6、ナイロン46などとして市販されているものが用いられる。
【0024】
本発明においては、アイオノマー樹脂に対する結晶性ポリアミドの配合割合は、アイオノマー樹脂50〜95重量%、好ましくは55〜90重量%に対して、結晶性ポリアミド樹脂50〜5重量%、好ましくは45〜10重量%の割合である。
【0025】
ポリアミドの配合割合が前記範囲よりも少ないと耐熱性が不足し、また配合割合が前記範囲より多いと透明性が不足する。
【0026】
本発明に用いられるアイオノマー樹脂組成物しとては、シート成形性、スキー板製造時の耐熱性などを勘案すると、230℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが、0.01〜100dg/分、特に0.1〜30dg/分の範囲のものが好ましい。
【0027】
上記メルトフローレートが0.01dg/分未満の場合、シート成形時の溶融樹脂の流動性が劣るために好ましくない。またメルトフローレートが100dg/分をこえる場合は、スキー板製造時の耐熱性が不足するために好ましくない。
【0028】
またアイオノマー樹脂とポリアミドに加えて、必要に応じて公知の添加剤、例えば酸化防止剤、耐候安定剤、光安定剤、滑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤あるいは着色剤、他の重合体などを、特性を損なわない範囲で配合することができる。
【0029】
アイオノマー樹脂とポリアミドとの混合物をシート化する際、混合物が十分に溶融混合されている必要がある。シート製造用の押出機として混合効率の良いものを使用するときは、両方のドライブレンド物を直接該押出機に供給して、両方の融点以上の温度、例えば170〜300℃、好ましくは200〜290℃の温度で成形をしてもよいが、混合効率の悪い押出機を用いる場合には、別の溶融混合装置、例えば、スクリュー押出機、バンバリキミサー、ロールミキサーなどの樹脂用溶融混合装置で予め溶融混合したものを用いるのが好ましい。
【0030】
また、このようなアイオノマー組成物は、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体を遷移金属陽イオンで中和する際に上記ポリアミドを添加して、カルボキシル基のイオン化反応と、ポリアミド樹脂の溶融混合とを同時に行うことによっても製造できる。
【0031】
本発明のスキー板表皮材は、上記のアイオノマー組成物単独の層から成る場合に十分その目的を達成するものであるが、アイオノマー樹脂組成物上に、他の透明性樹脂層、特にエチレンビニルアルコール共重合体や結晶性ポリアミド樹脂の薄い層を設けて、透明性や耐磨耗性乃至耐傷性を一層向上させることができる。
【0032】
本発明のスキー板表皮材用のシートの成形方法は、特に限定されるものではなく、通常の方法で行われる。例えばTダイ法、インフレーション法、圧縮成形法などが採用される。
【0033】
シートの厚みとしては0.2〜3mm、特に0.4〜2mmが好ましい。シートの厚みが0.2mm未満の場合、スキー板使用時に発生する表面の傷が表皮層を貫通することがあるため好ましくない。また3mmをこえる場合は、スキー板の加熱圧縮成形性が劣るために好ましくない。
【0034】
スキー板の成形方法は特に限定されるものではなく、通常の方法が用いられる。例えば、コア材、ソール材、金属製エッジ及び表皮材としての本発明による組成物のシートを型の中に装着し、100〜130℃の温度にて加熱圧縮することによって成形される。
【0035】
【実施例】
以下に例を上げて、本発明をさらに詳細に説明する。
なお本発明の組成物シートを調整するために使用したアイオノマー樹脂及びポリアミド樹脂は、表1及び表2の通りである。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
実施例1、2
表1に示したアイオノマー1及び表2に示したポリアミド1を、表3に示した配合割合で、40mmφ単軸押出機を用いて樹脂温度230〜235℃、スクリュー回転数40rpmでメルトブレンドし、得られた組成物をTダイ法成形装置(40mmφ単軸押出機)を用いて樹脂温度230℃、スクリュー回転数50rpm、シート厚み0.8mm、片面コロナ処理(濡れ張力50dyne/cm以上)のシートを成形し、目視にて透明性を観察した。
【0039】
得られたシートのコロナ処理面に印刷を施して印刷適性を評価し、印刷シートの印刷面が内側になるようにスキー板加熱圧縮成形用の型に入れ、通常のソール材、コア材、金属製エッジ部と共に110℃にてスキー板を成形して、製品の印刷模様、文字の状態及び表皮層の外観から耐熱性を評価した。またメルトブレンドした組成物の−20℃におけるアイゾット衝撃強度(ASTM D256準拠)を測定して耐寒性を評価した。結果を表3に示す。実施例1、2の表皮材シートは、透明性、印刷適性、耐熱性、耐寒性に優れることがわかる。
【0040】
比較例1、2
表1に示したアイオノマー1あるいは2単体を用いた以外は実施例1、2と同様にしてスキー板の成形及び評価を行った。結果を表3に示す。アイオノマー樹脂単体では、透明性、印刷適性は優れるものの、スキー板成形時の耐熱性が不足し、成形時の熱によって表皮材シートが完全に溶融し、内面の印刷模様及び文字が乱れてしまい、商品価値が無くなった。
【0041】
比較例3、4
表1に示したアイオノマー2あるいは3を用いた以外は実施例1、2と同様にしてスキー板表皮用シートの成形及び透明性の評価を行った。結果を表3に示す。
不飽和カルボン酸含有量の低いアイオノマーを用いた組成物シート(比較例3)及びイオン種としてナトリウムイオンのアイオノマーを用いた組成物シート(比較例4)は透明性が劣っており、スキー板に取り付けた際の内面側に印刷を施すための表皮材シートとしては使えなかった。
【0042】
【表3】
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、従来のスキー板製造装置にて生産が可能な耐熱性を有し、実際のスキー板使用時に求められる耐寒性、耐摩耗性乃至耐傷性を有しながら、なおかつスキー板に取り付けた際に内側となる面に印刷が可能であり、表皮材そのものが印刷模様及び印刷文字の保護層としての機能を有し、表面の傷付きによる印刷模様の乱れを防止することができる透明性、印刷適性に優れる表皮材が得られる。
Claims (7)
- α,β−不飽和カルボン酸含有量が6〜13モル%、遷移金属陽イオンによる中和度が20〜90%のエチレン系アイオノマー樹脂50〜95重量%と、融点が170℃以上の結晶性ポリアミド樹脂50〜5重量%とからなる組成物のシートを用いた透明なスキー板表皮材。
- エチレン系アイオノマー樹脂が亜鉛中和アイオノマー樹脂である請求項1記載のスキー板表皮材。
- エチレン系アイオノマー樹脂がエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体をベースとしたエチレン系アイオノマー樹脂である請求項1または2記載のスキー板表皮材。
- エチレン系アイオノマー樹脂が190℃、2160g荷重で測定したメルトフローレートが0.1〜30dg/分であるエチレン系アイオノマー樹脂から成る請求項1、2または3記載のスキー板表皮材。
- エチレン系アイオノマー樹脂55〜90重量%と結晶性ポリアミド樹脂45〜10重量%とから成る請求項1記載のスキー板表皮材。
- 前記組成物シートの片面に印刷を施し、この印刷面を内側にすることにより表面の傷付きによる印刷の乱れを防止可能な請求項1記載のスキー板表皮材。
- 前記請求項1〜6記載の何れかの表皮材を用いたスキー板。
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