JP3597206B2 - 歯冠及びブリッジを作成するための自動的に混合しうる剤 - Google Patents

歯冠及びブリッジを作成するための自動的に混合しうる剤 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、仮の歯冠− 及びブリッジ材料に関する。2つのペーストから成り、これは静止(statischen) 混合適用装置中で一工程で混合し、容易に圧搾することができる。
【0002】
【従来の技術】
仮の歯冠− 及びブリッジ材料を、患者に歯冠又はブリッジを作成するために使用し、短期の時間だけこれを保持する。
【0003】
古典的に、これらの材料は一緒混合された粉末/液体− 混合物から成る。その際液体は、実質上一官能性モノマー(たとえばメチルメタアクリラート)及び活性化剤から成り、粉末はポリマー(たとえばポリメチルメタアクリラート)及び触媒から成る。
【0004】
この種のシステムは、取扱いが簡単であり、これから製造された歯冠及びブリッジは極めて折れにくい。
しかし液体は、問題となる。これは容易に蒸発し、不快な臭気を有する。更にこのシステムは重合に於て潜在的な歯髄損傷する熱発生及び著しい収縮挙動を示す。
【0005】
したがって発展を続ける材料は、2つのペーストから成り、これは夫々二官能性メタアクリラート及び充填剤、並びにペースト上で別々に分配される活性剤及び触媒を含有する。
【0006】
これらを簡単に混合することができ、ほとんど臭わず、明らかに一層好都合な収縮挙動及び硬化時に一層僅かな熱発生を示す。
しかし極めて大きい問題は、混合の際に混合塊に多くの気泡が取り込まれ、これがその後硬化された材料中で粗面及び著しい変色を生じることである。更にこれらの材料は、その硬さゆえに極めてもろく、簡単に折れやすい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明の課題は、2つのペーストから成り、気泡の封入なしに混合することができ上記のもろさを示すことない仮の歯冠− 及びブリッジ材料を見い出すことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
今や、驚くべきことに、これらの要求に相当する仮の歯冠− 及びブリッジ材料が次の場合に得ることができることが分った。すなわち
a)これは二官能性アクリラート、活性剤及びレントゲンパック充填物質から成るペーストを有し、
b)非重合性(不活性)可塑剤、触媒及び構造形成剤から成るペーストを有し、
c)a)及びb)によるペースト20:1〜5:1の混合割合であり、そして
d)2つのペーストは、2つのペーストを静止混合適用装置中で一工程で混合し
、容易に圧搾することができる様な流体学的を示す。
【0009】
この様な材料──上記のように混合された──を、そのまま作成される位置鋳型中に口中の歯根に適用するために施すことができる。そこでこれをその時硬化下に重合し、次いで手を加えることができる。
【0010】
この様に製造された仮の歯冠及びブリッジは気泡不含で製造され、極めて美的で、かつ極めて折れにくい。重合収縮は、極端に低いことを示している。レントゲン暗度は、臨床的要求に対応する。
【0011】
適するa)によるペーストは、二官能性アクリラート、たとえばビスフエノール −A− グリシジルジアクリラート、ビスフエノール −A− ジクリシジル− ジ− アクリラート、トリエチレングリコールジアクリラート、ヘキサンジオールジアクリラート、ウレタンジアクリラート等々を含有する。
【0012】
活性剤として、第三アミン、たとえばトリエタノールアミン、ジメチルアミノ安息香酸エステル、ジヒドロキシエチルトルイジン、銅ナフテナート等々が適する。
【0013】
特に適するものとして、二官能性アクリラートとしてはビスフエノール −A− ジクリシジルジアクリラート及び活性剤としてはジメチル −p− トルイジンが挙げられる。
【0014】
レントゲンパック充填物質として不活性ガラスの粉末が適し、これは重金属、たとえばイットリウム、ジルコニウム又はランタンの十分な量を含有する。良好なレントゲン適応性で美的に、特に満足のいく結果が、バリウム− 及び(又は)ストロンチウムガラスを用いて得られる。
【0015】
b)による適するペーストは、可塑剤を含有し、これは高度の屈曲性を得るためにコポリマー化することができず、しかし一方でほんの僅か口の媒体中で可溶性である。液状パラフィン、長鎖グリコール及び不活性アルキルフタラートが適する。中分子ポリエチレングリコール、たとえばポリエチレングリコール −200又はポリエチレングリコール −400が特に好適である。
【0016】
適する触媒はパーオキシド、たとえばジベンゾイルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド、クモールヒドロパーオキシド、たとえばマロニルスルフアミド──たとえばこれはヨーロッパ特許第0059451号明細書に記載されている──、又は自動酸化的に作用するCH− 活性化合物──たとえばこれは“マクロ分子化学”99(1966)、96−102中に記載されている──である。
【0017】
触媒としてビス− ジクロルベンゾイルパーオキシドの使用が、特に適する。
システムは、更に光硬化性であることができ、たとえばこれは米国特許第4,071,424号明細書又はドイツ特許第3136484号明細書中に記載されている。
【0018】
構造形成剤として、無定形二酸化ケイ素変性物が有利である。たとえば乾式シリカかつ沈降ケイ酸又はけいそう土である。
凝集された乾式シリカ又は焼結されたシリガゲルが特に適し、たとえばこれはヨーロッパ特許第0040232号明細書及びヨーロッパ特許第0113926号明細書中に記載されている。
【0019】
この様な充填物質は、わずかに後から凝固しがちであり、かつそのチキソトロープ挙動は均一であり殆どペースト貯蔵の期間に依存しないという性質を有する。それによって持続性で一様の混合結果を保証することができる。それによって大いに制御されねばならない圧搾圧を、一定に保つことができる。
【0020】
混合するペーストでの量割合は、20:1〜5:1(a)によるペースト:b)によるペースト)の範囲内で変化することができる。上記範囲内で添加された可塑剤は特に好都合な折れにくい材料に変わる。
【0021】
この範囲外で材料は僅かに屈曲性及びもろいすぎるか又はあまりにも口媒体中で柔軟かつ不安定でありすぎる。
最後に2つのペーストの流動学的挙動にも注意を払わねばならない。静止ミキサー中で同一又は類似の粘稠度で及び同一の量割合で2つの液体又はペーストを混合するのは、公知である。しかし本発明による材料の性質に於て、他の混合割合を必要とすることにある。しかしより一層僅かな割合で添加されたペースト粘稠度を一層薄めて調整する場合、約10:1の混合割合だけが満足のいく混合結果を生じることが分った。同一又は類似の粘稠度のペーストの満足のいく混合は、静止ミキサーだけで特別な形をとることで得られない。というのはペーストは使用目的から提供される最小安定性を有しなければならず、経済的理由からミキサーの大きさは制限され、使用技術上の理由から混合時間は短くなければならないからである。
【0022】
切望される粘稠度を得るために、ペーストa)のアクリラートを、その粘度が500cp以下である様に選ぶ。他のペーストb)の可塑剤は、その粘度が上記アクリラートの粘度以下である様に選ばねばならない。使用目的から必要な最小安定性を、ミキサー機能性を損うことなく得るために、安定性を増加するための剤、たとえば発熱性ケイ酸も添加しなければならない。
【0023】
特に手での取り扱いが簡単である。混合適用装置に混合カニューレを取り付けた後──たとえばこれはヨーロッパ特許第0232733号明細書及びヨーロッパ特許第0261466号明細書中に記載されている──、機械の送りだけを操作しなければならない。材料は、正確に正しい混合割合で及び静止混合カニューレから均一混合のために出る。予め気泡不含ペーストは、更に混合後気泡不含であり、同時に気泡不含ポリマーを生じる。この様にして製造された歯冠及びブリッジは、極めて美的でかつ極めて折れにくい。
【0024】
その重合収縮は、極めて低いことが明らかである。そのレントゲン適応性は、臨床要求に対応する。
【0025】
【実施例】
下記例に本発明の材料を記載する。
〔例〕
次の成分を撹拌して触媒- ペーストとなす:
ポリエチレングリコール1−400 48.0重量部
ジブチルフタラート 12.0重量部
ジクロルジベンゾイルパーオキシド 8.0重量部
焼結シリカゲル 32.0重量部
対応して次の成分を撹拌して基体ペーストとなす:
ビスフエノール -A- グリシジルジアクリラート 50.0重量部
トリプロピレングリコールジアクリラート 7.0重量部
シラン化されたストロンチウムガラス 39.0重量部
シラン化された乾式シリカ 3.0重量部
ジメチル -p- トルイジン 1.0重量部
ヒドロキノンモノメチルエーテル 0.01重量部
酸化鉄- 顔料 0.02重量部
基体ペーストと触媒ペーストを、ヨーロッパ特許第0,261,466号明細書に相当する二重薬包の薬室に別々に充填し、薬包に混合カニューレを入れ、ヨーロッパ特許第0,232,733号明細書に相当する放出装置の使用下で混合カニューレによって、予め用意された定位鋳型(Situationsabdruck)中にそのまま供給する。その後定位鋳型を混合された材料も含めて直ちに準備された歯根上に施す。3分後定位鋳型を除くことができる。歯根上に残る硬化性歯冠をてこで動かし、口の外で調製する。
【0026】
みがいた後、極めて折れにくい美的に極めて興味深い気泡のない歯冠が得られる。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば極めて折れにくい、気泡のない歯冠及びブリッジが得られる。

Claims (10)

  1. 仮の歯冠及びブリッジを作成するための、2つのペーストから成るレントゲンパック材料に於て、
    a)これは二官能性アクリラート、活性剤及びレントゲンパック充填物質から成るペーストを有し、
    b)非重合性(不活性)可塑剤、触媒及び構造形成剤から成るペーストを有し、
    c)a)及びb)によるペースト20:1〜5:1の混合割合であり、そして
    d)2つのペーストは、2つのペーストを静止混合適用装置中で一工程で混合し、容易に圧搾することができる様な流体学的挙動を示し、
    この際2つのペースト中に気泡が封入されないことを特徴とする、上記レントゲンパック材料。
  2. 二官能性アクリラートは、ビスフエノール −A− ジクリシジルアクリラートである、請求項1記載の材料。
  3. 活性剤はジメチル −p− トルイジンである、請求項1又は2記載の材料。
  4. レントゲンパック充填物質はバリウム− 及び(又は)ストロンチウムガラスである、請求項1ないし3のいずれかに記載の材料。
  5. 非重合性可塑剤は、ポリエチレングリコール −200又はポリエチレングリコール −400である、請求項1ないし4のいずれかに記載の材料。
  6. 触媒はビスジクロルベンゾイルパーオキシドである、請求項1ないし5のいずれかに記載の材料。
  7. 更に光硬可性である、請求項1ないし6のいずれかに記載の材料。
  8. 構造形成剤は、凝集された乾式シリカ又は焼結されたシカゲルである、請求項1ないし7のいずれかに記載の材料。
  9. a)及びb)によるペーストの混合割合は、10:1である、請求項1ないし8のいずれかに記載の材料。
  10. 請求項1に記載された材料を静止混合適用装置中で混合し、そのままこれから適用することを特徴とする、混合方法。
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