JP3596863B2 - 画像圧縮装置および画像伸張装置、ならびに画像圧縮方法および画像伸張方法をコンピュータに実行させるためのプログラムをそれぞれ記録したコンピュータ読取可能な記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像圧縮装置および画像伸張装置、ならびに画像圧縮方法および画像伸張方法をコンピュータに実行させるためのプログラムをそれぞれ記録したコンピュータ読取可能な記録媒体に関する。特に、見た目に色ずれを生じさせることなく、効率的に画像を符号化することが可能な画像圧縮装置および画像伸張装置、ならびに画像圧縮方法および画像伸張方法をコンピュータに実行させるためのプログラムをそれぞれ記録したコンピュータ読取可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像圧縮において、色変化に比較的鈍感であるとの人間の目の特性を生かして、色差成分のデータの間引きを行なう間引き方法が特開平7−221993号公報に開示されている。この間引き方法では、小ブロック内の色差成分の変化率を求め、変化率が大きいときには色差成分の小さい間引きを行ない、変化率が小さいときには大きい間引きを行なうことにより画像データを圧縮する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、一般に色差成分を間引いた場合には、色ずれ現象と呼ばれる偽色が発生する現象が発生することがある。このような色ずれ現象は、文字のエッジ部などで特に顕著に発生する。
【0004】
また、従来の間引き方法では、色差成分の変化率のみに基づいて間引き間隔の決定を行なっている。このため、図20(A)のように、単一色の文字からなる小ブロックと、図20(B)のように、複数色の図形からなる小ブロックとでは、同一の間引き間隔で間引き処理が行なわれてしまう。しかし、図20(B)のように多くの色が混在する場合には、人間は、小ブロック内の図形を文字などのオブジェクトとして捉えられないため、多少色ずれが生じていてもそれに気づきにくい。このため、このような場合には、さらに間引き間隔を大きくすることができるはずである。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、見た目に色ずれを生じさせることなく、効率的に画像を符号化することが可能な画像圧縮装置を提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、見た目に色ずれを生じさせることなく符号化された画像を伸張する画像伸張装置を提供することである。
【0007】
本発明のさらに他の目的は、見た目に色ずれを生じさせることなく、効率的に画像を符号化することが可能な画像圧縮方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体を提供することである。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、見た目に色ずれを生じさせることなく符号化された画像を伸張する画像伸張方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明の他の局面によれば、画像圧縮装置は、複数のブロックより構成された画像データを圧縮する画像圧縮装置であって、画像データについて、縮小時の解像度をブロックごとに所定の基準に従って適応的に定め、解像度情報を作成する解像度決定処理手段と、画像データについて、解像度情報に基づいて、各ブロックを必要に応じて縮小したデータを作成するデータ作成処理手段と、データ作成処理手段によって作成されたデータを符号化する符号化処理手段とを含み、解像度決定処理手段は、画像データに基づいて、各ブロックに含まれる色の数を求める色数算出手段と、色数算出手段の出力に基づいて、画像データの解像度情報を作成する解像度作成手段とを含む。
【0016】
ブロック内に多くの色が混在する場合には、人間は、ブロック内の図形を文字などのオブジェクトとして捉えられない。また、通常、文字は一色で表わされていることが多く、ブロック内の図形が文字ではない可能性も高い。このため、多くの色が混在する部分で多少色ずれが生じていても人間の目はそれに気づきにくく、このようなブロックを縮小しても人間の見た目には色ずれを生じさせることがない。
【0019】
この発明のある局面によれば、画像圧縮装置は、それぞれ複数のブロックより構成される輝度成分画像データおよび色差成分画像データを圧縮する画像圧縮装置であって、輝度成分画像データおよび色差成分画像データの各々について、縮小時の解像度をブロックごとに所定の基準に従って適応的に定め、解像度情報を作成する解像度決定処理手段と、解像度決定処理手段に接続され、輝度成分画像データおよび色差成分画像データの各々について、前記解像度情報に基づいて、各ブロックを必要に応じて縮小したデータを作成するデータ作成処理手段と、データ作成処理手段に接続され、データ作成処理手段によって作成されたデータを符号化する符号化処理手段とを含み、解像度決定処理手段は、色差成分画像データに基づいて、各ブロックに含まれる色の数を求める色数算出手段と、色数算出手段に接続され、色数算出手段の出力に基づいて、色差成分画像データの解像度情報を作成する解像度作成手段とを含む。
各ブロックを縮小して拡大した際に、人間の見た目に色ずれを生じさせないように縮小時の解像度が定められる。その解像度に基づいて、輝度成分画像データおよび色差成分画像データの各々について、各ブロックが縮小され、符号化が行なわれる。このため、データを復号および拡大して輝度成分画像データおよび色差成分画像データを求めた際に、人間の見た目に色ずれを生じさせることがない。また、ブロック内に多くの色が混在する場合には、人間は、ブロック内の図形を文字などのオブジェクトとして捉えられない。また、通常、文字は一色で表わされていることが多く、ブロック内の図形が文字ではない可能性も高い。このため、多くの色が混在する部分で多少色ずれが生じていても人間の目はそれに気づきにくく、このようなブロックを縮小しても人間の見た目には色ずれを生じさせることがない。
【0021】
この発明の他の局面によれば、画像伸張装置は、上述した画像圧縮装置で符号化された符号化データを復号し、画像データを再現する画像伸長装置であって、符号化された符号化データを復号するデータ復号処理手段と、データ復号処理手段に接続され、解像度情報に基づいて、符号化データを縮小前の解像度になるように拡大し、画像データを作成する画像作成処理手段とを含む。
【0022】
見た目に色ずれを生じさせることなく符号化された画像を復号することができる。
【0029】
この発明のさらに他の局面によれば、画象圧縮方法は、複数のブロックより構成された画像データを圧縮する画像圧縮方法であって、画像データについて、縮小時の解像度をブロックごとに所定の基準に従って適応的に定め、解像度情報を作成するステップと、画像データについて、解像度情報に基づいて、各ブロックを必要に応じて縮小し、縮小したブロックのうち解像度が同一であるブロックを集めて並べたデータを作成するステップと、作成されたデータを符号化するステップとを含み、解像度情報を作成するステップは、各ブロックに含まれる色の数を求めるステップと、色の数に基づいて、画像データの解像度情報を作成するステップとを含む。
【0030】
ブロック内に多くの色が混在する場合には、人間は、ブロック内の図形を文字などのオブジェクトとして捉えられない。また、通常、文字は一色で表わされていることが多く、ブロック内の図形が文字ではない可能性も高い。このため、多くの色が混在する部分で多少色ずれが生じていても人間の目はそれに気づきにくく、このようなブロックを縮小しても人間の見た目には色ずれを生じさせることがない。
【0033】
この発明のさらに他の局面によれば、画像圧縮方法は、それぞれ複数のブロックより構成される輝度成分画像データおよび色差成分画像データを圧縮する画像圧縮方法であって、輝度成分画像データおよび色差成分画像データの各々について、縮小時の解像度をブロックごとに所定の基準に従って適応的に定め、解像度情報を作成するステップと、輝度成分画像データおよび色差成分画像データの各々について、解像度情報に基づいて、各ブロックを必要に応じて縮小したデータを作成するステップと、作成されたデータを符号化するステップとを含み、解像度情報を作成するステップは、色差成分画像データに基づいて、各ブロックに含まれる色の数を求めるステップと、色の数に基づいて、色差成分画像データの解像度情報を作成するステップとを含む。
各ブロックを縮小して拡大した際に、人間の見た目に色ずれを生じさせないように縮小時の解像度が定められる。その解像度に基づいて、輝度成分画像データおよび色差成分画像データの各々について、各ブロックが縮小され、符号化が行なわれる。このため、データを復号および拡大して輝度成分画像データおよび色差成分画像データを求めた際に、人間の見た目に色ずれを生じさせることがない。また、ブロック内に多くの色が混在する場合には、人間は、ブロック内の図形を文字などのオブジェクトとして捉えられない。また、通常、文字は一色で表わされていることが多く、ブロック内の図形が文字ではない可能性も高い。このため、多くの色が混在する部分で多少色ずれが生じていても人間の目はそれに気づきにくく、このようなブロックを縮小しても人間の見た目には色ずれを生じさせることがない。
【0035】
この発明の他の局面によれば、画像伸張方法は、上述した画像圧縮方法で符号化された符号化データを復号し、画像データを再現する画像伸長方法である。画像伸張方法は、符号化された符号化データを復号するステップと、解像度情報に基づいて、符号化データを縮小前の解像度になるように拡大し、画像データを作成するステップとを含む。
【0036】
見た目に色ずれを生じさせることなく符号化された画像を復号することができる。
この発明の他の局面によれば画像圧縮プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体は、上述した画像圧縮方法をコンピュータに実行させるための画像圧縮プログラムを記録する。
この発明の他の局面によれば画像伸張プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体は、上述した画像伸張方法をコンピュータに実行させるための画像伸張プログラムを記録する。
【0037】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る多重解像度画像圧縮装置20は、カラー画像を入力するための画像入力装置22と、画像入力装置22に接続され、カラーの入力画像データを各ブロックごとに異なる解像度で圧縮する画像圧縮装置24と、画像圧縮装置24に接続され、最終的な符号化データを出力するデータ出力装置26とを含む。
【0038】
画像圧縮装置24は、画像入力装置22に接続され、入力画像データを一時的に記憶する入力画像バッファ32と、入力画像バッファ32に接続され、R(Red)、G(Green)、B(Blue)の3枚の入力画像データを輝度信号(Y)および色差信号(U,V)からなる色空間(YUV空間)の画像データに変換する色空間変換処理部34と、色空間変換処理部34に接続され、色空間の3枚の画像データを一時的に記憶する色空間変換画像バッファ36と、色空間変換画像バッファ36に接続され、色空間の画像データの解像度を各画像データの各ブロックごとに後述の所定の基準に従い決定する解像度決定処理部38と、解像度決定処理部38に接続され、決定された解像度情報を一時的に記憶する解像度情報バッファ40と、解像度情報バッファ40に接続され、解像度情報を可逆符号化JBIG方式など何らかの可逆符号により符号化する解像度情報符号化処理部42とを含む。
【0039】
画像圧縮装置24は、さらに、解像度情報バッファ40および色空間変換画像バッファ36に接続され、解像度情報バッファ40に記憶された解像度情報に基づいて、色空間の画像データの各ブロックを1/2に縮小したデータ(以下「縮小データ」という)と、色空間の画像データの各ブロックと同じデータ(以下「等倍データ」という)とを作成するデータ作成処理部44と、データ作成処理部44に接続され、縮小データを一時的に記憶する縮小データバッファ46Aと、データ作成処理部44に接続され、等倍データを一時的に記憶する等倍データバッファ46Bと、縮小データバッファ46Aに接続され、縮小データをJPEG符号化する縮小データ符号化処理部48Aと、等倍データバッファ46Bに接続され、等倍データをJPEG符号化する等倍データ符号化処理部48Bと、解像度情報符号化処理部42、縮小データ符号化処理部48Aおよび等倍データ符号化処理部48Bに接続され、JPEG符号化された解像度情報、縮小データおよび等倍データを1つのデータに接合する符号化データ接合処理部50と、符号化データ接合処理部50に接続され、接合された符号化データ(以下「接合符号化データ」という)を一時的に記憶しデータ出力装置26に出力する接合符号化データバッファ52とを含む。
【0040】
図2を参照して、解像度決定処理部38は、色空間変換画像バッファ36に接続され、予め定められた複数の解像度に基づいてデータ作成処理部44での縮小方法と同じ方法で画像データを縮小する画像縮小処理部64と、画像縮小処理部64に接続され、縮小画像データを一時的に記憶する縮小画像データバッファ66と、縮小画像データバッファ66に接続され、縮小画像データを、元の画像データと同じ大きさになるように拡大する画像拡大処理部68と、画像拡大処理部68に接続され、拡大画像データを一時的に記憶する拡大画像データバッファ70と、色空間変換画像バッファ36および拡大画像データバッファ70に接続され、色空間変換画像バッファ36に保持された画像データと拡大画像データバッファ70に保持された画像データとの間での領域誤差を各ブロックごとに演算する領域誤差演算処理部72と、領域誤差演算処理部72に接続され、領域誤差演算処理部72の出力に基づいて、各ブロックごとに最良の解像度情報を算出し、解像度情報を解像度情報バッファ40に書込む領域解像度作成処理部74とを含む。
【0041】
解像度決定処理部38は、さらに、色空間変換画像バッファ36に接続され、色空間の画像データのうち色差成分(U,V成分)の画像データを16階調に量子化する色差成分量子化処理部82と、色差成分量子化処理部82および解像度情報バッファ40に接続され、色差成分量子化処理部82の出力に従い、各ブロックごとに、ブロックに含まれる色の数を計算し、色数に応じて、解像度情報バッファ40に記憶されている解像度情報を変更する解像度情報変更処理部84とを含む。
【0042】
解像度決定処理部38は、さらに、色空間変換画像バッファ36に接続され、色空間の画像データのうち、輝度成分(Y成分)の画像データよりエッジ成分を検出する輝度成分エッジ検出処理部78と、輝度成分エッジ検出処理部78に接続され、輝度成分エッジ検出処理部78の出力に基づいて、解像度情報バッファ40に記憶されている解像度情報を変更する解像度情報変更処理部80とを含む。
【0043】
図3〜図5を参照して、多重解像度画像圧縮装置20の各部は以下のように動作する。画像入力装置22は、R,G,Bの3枚の入力画像データを入力し、入力画像バッファ32に格納する(S2)。色空間変換処理部34は、入力画像バッファ32に格納された3枚の入力画像データを読込み、色空間(YUV空間)の3枚の画像データに変換する処理を行なう(S4)。色空間変換処理部34は、変換後の3枚の画像データを色空間変換画像バッファ36に格納する(S6)。
【0044】
画像縮小処理部64は、色空間変換画像バッファ36に格納された3枚の画像データを読込み、予め定められた解像度となるように各画像データをそれぞれ縮小する(S8)。ここでは、縮小後の画像データが縮小前の画像データに比べて、1/2倍になるように解像度が定められているものとする。画像縮小処理部64は、縮小画像データを縮小画像データバッファ66に記憶する(S10)。画像拡大処理部68は、縮小画像データバッファ66より縮小画像データを読込み、縮小前の画像データと同一のサイズとなるように、縮小画像データを拡大する(S12)。画像拡大処理部68は、拡大画像データを拡大画像データバッファ70に格納する(S14)。
【0045】
図6を参照して、色空間変換画像バッファ36に記憶されている3枚の画像データおよび拡大画像データバッファ70に記憶されている3枚の拡大画像データは、それぞれnl×ml個のブロックに分けられているものとする。領域解像度作成処理部74は、nl×ml個のブロックの中から1つのブロックを抽出する(S16)。抽出したブロックの位置を(n,m)とする。抽出の順番は(n,m)=(0,0)から始まり、(n,m)=(nl−1,ml−1)となるまでラスタスキャンの順序で行なう。
【0046】
領域誤差演算処理部72は、Y成分画像の(n,m)ブロックについて、縮小前および縮小して拡大した後の画像データ間で、後述する画素値の差分二乗累積和SN_Yを求め、領域解像度作成処理部74は、差分二乗累積和SN_Yが所定のしきい値SNth_Yより大きいか否かの判断を行なう(S18)。
【0047】
図7を参照して、各ブロックは16×16のサイズを有するものとし、ブロックの各々について、縮小前のY成分画像データの画素値をf_Y(x,y)(x=0〜15,y=0〜15)で表わし、縮小して拡大した後のY成分画像データの画素値をg_Y(x,y)(x=0〜15,y=0〜15)で表わすものとする。差分二乗累積和SN_Yは式(1)に従い算出される。同様に、縮小前のU成分画像データおよびV成分画像データの画素値をそれぞれf_U(x,y)、f_V(x,y)と表わし、縮小後のU成分画像データおよびV成分画像データの画素値をそれぞれg_U(x,y)、g_V(x,y)と表わす。U成分およびV成分の差分二乗累積和SN_UおよびSN_Vは、それぞれ式(2)および(3)に従い算出される。
【0048】
【数1】
【0049】
S18の処理と並行して、領域解像度作成処理部74は、U成分およびV成分の差分二乗累積和SN_UおよびSN_Vが、所定のしきい値SNth_UおよびSNth_Vよりそれぞれ大きいか否かの判断を行なう(S24、S30)。
【0050】
Y成分の差分二乗累積和SN_Yがしきい値SNth_Yより大きい場合には(S18でYES)、図8を参照して、Y成分のブロック(n,m)に対する解像度情報F_Y(n,m)に1を代入する(S22)。差分二乗累積和SN_Yがしきい値SNth_Y以下の場合には(S18でNO)、解像度情報F_Y(n,m)に0を代入する(S20)。解像度情報が0の場合には、縮小した画像を拡大して元に戻したとしても、元の画像との間の誤差が少ないことを表わす。このため、縮小可能であることを表わす。また、解像度情報が1の場合には、縮小不可能であることを表わす。
【0051】
同様に、U成分の差分二乗累積和SN_Uがしきい値SNth_Uより大きい場合には(S24でYES)、U成分のブロック(n,m)に対する解像度情報F_U(n,m)に1を代入する(S28)。差分二乗累積和SN_Uがしきい値SNth_U以下の場合には(S24でNO)、解像度情報F_U(n,m)に0を代入する(S26)。
【0052】
V成分の差分二乗累積和SN_Vがしきい値SNth_Vより大きい場合には(S30でYES)、V成分のブロック(n,m)に対する解像度情報F_V(n,m)に1を代入する(S34)。差分二乗累積和SN_Vがしきい値SNth_V以下の場合には(S30でNO)、解像度情報F_V(n,m)に0を代入する(S32)。
【0053】
領域解像度作成処理部74は、現在処理をしたブロックが最後のブロック(nl−1,ml−1)か否かを判断する(S36)。最後のブロックでなければ(S36でNO)、S16以降の処理を繰返す。
【0054】
最後のブロックであれば(S36でYES)、領域解像度作成処理部74は、S18〜S34までの処理で求められた各ブロック(n,m)(n=0〜nl−1,m=0〜ml−1)の解像度情報F_Y(n,m)、F_U(n,m)およびF_V(n,m)を解像度情報バッファ40に書込む(S38)。
【0055】
輝度成分エッジ検出処理部78は、色空間変換画像バッファ36に記憶されたY成分の画像データに対し、ソーベルフィルタを掛け、エッジ成分を検出する(S40)。解像度情報変更処理部80は、S16の処理と同様にnl×mlブロックの中から1つのブロックを抽出する(S42)。
【0056】
解像度情報変更処理部80は、Y成分のブロック(n,m)に含まれるエッジ密集度ED_Yが所定のしきい値EDth_Yよりも大きいか否かを判断する(S44)。エッジ密集度ED_Yとは、あるブロックに含まれるエッジ成分のうち、予め定められたしきい値を超える値を有するエッジ成分の個数をいう。Y成分のエッジ密集度ED_Yがしきい値EDth_Yよりも大きければ(S44でYES)、解像度情報F_Y(n,m)に0を代入する(S46)。すなわち、縮小可能であることを表わす。
【0057】
S44〜S46の処理と並行して、色差成分量子化処理部82は、ブロック(n,m)に含まれる色の数CNを後述する方法に従い求め、求められた色の数CNが所定のしきい値CNthよりも大きいか否かを判断する(S48)。求められた色の数が所定のしきい値よりも大きければ解像度情報F_U(n,m)およびF_V(n,m)にそれぞれ0を代入する(S50、S52)。すなわち、縮小可能であることを表わす。
【0058】
ここで、1つのブロックに含まれる色の数の算出方法について説明する。U成分およびV成分の画素値f_U(x,y)およびf_V(x,y)は、それぞれ0〜255の範囲の値を取り得るとする。このとき、関数convert()を図9のように定義する。すなわち、関数convert()は、256レベルの値を16レベルの値に量子化する関数である。ブロック(n,m)内の各画素(x,y)の色番号color(x,y)を以下の式(4)のように定める。
【0059】
color(x,y)=convert(f_U(x,y))+[convert(f_V(x,y))+1]×16 …(4)
ブロック(n,m)に含まれる色の数CNは、ブロック(n,m)に含まれるcolor(x,y)の種類数と定義され、色の数CNが求められる。
【0060】
解像度情報変更処理部84は、現在処理したブロックが最後のブロック(nl−1,ml−1)か否かを判断する(S53)。最後のブロックでなければ(S53でNO)、S42以降の処理を繰返す。
【0061】
最後のブロックであれば(S53でYES)、データ作成処理部44は、解像度情報F_Y,F_UおよびF_V、ならびに色空間変換画像バッファ36に保持されたY成分、U成分およびV成分の画像データを用いて、各成分ごとに縮小データおよび等倍データを作成する(S54)。
【0062】
図10を参照して、縮小データおよび等倍データの作成方法について説明する。Y成分の解像度情報F_Yのうち、解像度情報が0となるブロックを抽出し、Y成分の画像データの中から対応するブロックを1/2に縮小し、並べることにより縮小データを作成する。また、解像度情報F_Yのうち、解像度情報が1となるブロックを抽出し、Y成分の画像データの中から対応するブロックを選びだし、並べることにより等倍データを作成する。同様に、U成分およびV成分の各々についても、等倍データおよび縮小データを作成する。
【0063】
データ作成処理部44は、縮小データを縮小データバッファ46Aに格納し、等倍データを等倍データバッファ46Bに格納する(S56)。
【0064】
縮小データ符号化処理部48Aおよび等倍データ符号化処理部48Bは、縮小データバッファ46Aおよび等倍データバッファ46Bから縮小データおよび等倍データをそれぞれ読込み、JPEG符号化する。また、解像度情報符号化処理部42は、解像度情報バッファ40より解像度情報を読込み、可逆形式でJBIG符号化する(S58)。符号化データ接合処理部50は、解像度情報符号化処理部42、縮小データ符号化処理部48Aおよび等倍データ符号化処理部48Bから得られるそれぞれJBIG符号化された解像度情報、ならびにJPEG符号化された縮小データおよび等倍データを接合することにより図11に示すような接合符号化データを得て、接合符号化データバッファ52に書込む。その後、データ出力装置26が接合符号化データバッファ52より接合符号化データを読込み、出力する(S60)。
【0065】
図12を参照して、本実施の形態に係る多重解像度画像伸張装置100は、多重解像度画像圧縮装置20において作成された接合符号化データを入力するデータ入力装置102と、データ入力装置102に接続され、入力された接合符号化データを一時的に記憶する入力データバッファ104と、入力データバッファ104に接続され、入力データバッファ104に記憶された接合符号化データを読込み、接合符号化データから、それぞれ符号化された解像度情報、縮小データおよび等倍データを分離する符号化データ分離処理部106とを含む。
【0066】
多重解像度画像伸張装置100は、さらに、符号化データ分離処理部106に接続され、符号化された解像度情報を一時的に記憶する解像度情報符号化データバッファ108と、解像度情報符号化データバッファ108に接続され、符号化された解像度情報を復号する解像度情報データ復号部110と、解像度情報データ復号部110に接続され、復号された解像度情報を一時的に記憶する解像度情報データバッファ112と、符号化データ分離処理部106に接続され、符号化された縮小データを一時的に記憶する符号化縮小データバッファ114Aと、符号化縮小データバッファ114Aに接続され、符号化された縮小データを復号する縮小データ復号処理部116Aと、縮小データ復号処理部116Aに接続され、復号された縮小データを一時的に記憶する縮小データバッファ118Aと、縮小データバッファ118Aに接続され、縮小データを元の大きさのデータとなるように2倍に拡大するデータ拡大部119と、データ拡大部119に接続され、拡大されたデータを一時的に記憶する拡大データバッファ121と、符号化データ分離処理部106に接続され、符号化された等倍データを一時的に記憶する符号化等倍データバッファ114Bと、符号化等倍データバッファ114Bに接続され、符号化された等倍データを復号する等倍データ復号処理部116Bと、等倍データ復号処理部116Bに接続され、復号された等倍データを一時的に記憶する等倍データバッファ118Bとを含む。
【0067】
多重解像度画像伸張装置100は、さらに、解像度情報データバッファ112、拡大データバッファ121および等倍データバッファ118Bに接続され、解像度情報に基づいて、拡大されたデータと等倍データとを接合することにより、Y成分、U成分およびV成分の画像データを作成する解像度データ接合処理部120と、解像度データ接合処理部120に接続され、Y成分、U成分およびV成分の画像データを一時的に記憶するYUV画像データバッファ122と、YUV画像データバッファ122に接続され、Y成分、U成分およびV成分の画像データをR成分、G成分およびB成分の画像データに変換する画像変換処理部124と、画像変換処理部124に接続され、R成分、G成分およびB成分の画像データを一時的に記憶する出力画像データバッファ126と、出力画像データバッファ126に接続され、出力画像データバッファ126に記憶された画像データを出力する画像出力装置128とを含む。
【0068】
図13を参照して、多重解像度画像伸張装置100の各部は以下のように動作する。データ入力装置102は、多重解像度画像圧縮装置20において作成された接合符号化データを入力し、入力された接合符号化データを入力データバッファ104に記憶する(S72)。符号化データ分離処理部106は、入力データバッファ104に記憶された接合符号化データを解像度情報、縮小データおよび等倍データに分離する(S74)。符号化データ分離処理部106は、解像度情報、縮小データおよび等倍データを、解像度情報符号化データバッファ108、符号化縮小データバッファ114Aおよび符号化等倍データバッファ114Bにそれぞれ格納する(S76)。
【0069】
解像度情報データ復号部110は、解像度情報符号化データバッファ108に格納された解像度情報を復号する(S78)。解像度情報データ復号部110は、復号された解像度情報を解像度情報データバッファ112に格納する(S80)。縮小データ復号処理部116Aは、符号化縮小データバッファ114Aに格納された縮小データを復号する(S82)。縮小データ復号処理部116Aは、復号された縮小データを縮小データバッファ118Aに格納する(S84)。データ拡大部119は、縮小データバッファ118Aに格納された縮小データを2倍に拡大し、元の大きさのデータを作成する(S86)。データ拡大部119は、元の大きさのデータを拡大データバッファ121に格納する(S88)。
【0070】
等倍データ復号処理部116Bは、符号化等倍データバッファ114Bに格納された等倍データを復号する(S90)。等倍データ復号処理部116Bは、復号された等倍データを等倍データバッファ118Bに格納する(S92)。図14を参照して、解像度データ接合処理部120は、解像度情報データバッファ112に記憶された解像度情報に基づいて、拡大されたデータと等倍データと接合することにより、Y成分、U成分およびV成分の画像データを作成し、YUV画像データバッファ122に格納する(S94)。画像変換処理部124は、YUV画像データバッファ122に格納されたY成分、U成分およびV成分の画像データをR成分、G成分およびB成分の画像データに変換し、出力画像データを作成した後、出力画像データを出力画像データバッファ126に格納する。その後、画像出力装置128が、出力画像データバッファ126に格納された出力画像を出力する(S96)。
【0071】
以上説明したように、本実施の形態に係る多重解像度画像圧縮装置20は、ブロックごとに画像データを縮小し、拡大した際に、元の画像データとの誤差が小さい場合には、そのブロック内の画像データの縮小を行なう。また、ブロック内に多くの色が混在する場合には、人間は、ブロック内の図形を文字などのオブジェクトとして捉えられない。また、通常、文字は一色で表わされていることが多く、多くの色が混在する場合にはブロック内の図形が文字ではない可能性も高い。このため、多くの色が混在する部分で多少色ずれが生じていてもそれに気づきにくい。よって、このようなブロックでは画像データの縮小を行なう。さらに、文字はエッジを多く含む。そのため、輝度成分のエッジが密集していないブロックは、文字を含まない可能性が高いため、ブロック内の画像データの縮小を行なう。よって、見た目に色ずれを生じさせることなく、画像を圧縮することができる。本実施の形態に係る画像圧縮方法は、特に、文字を含む画像データでは有効である。
【0072】
なお、各ブロックごとに色差成分(U成分、V成分)のエッジを検出し、色差成分の各々について、ブロック内のエッジの密集度(エッジ成分の強度の絶対値の和)を計算し、エッジ密集度が所定のしきい値以下のブロックについては縮小するようにしてもよい。ブロックを縮小することによって色差成分のエッジ位置がずれると色ずれの原因となる。このため、エッジを多く含むブロックは縮小せずに色ずれを防止する。色差成分のエッジの密集度に基づいた縮小するか否かの判断は、上述の3つの判断手法と同時と組合わせて使用してもよいし、独立して使用してもよい。
【0073】
上述の実施の形態では、解像度として元の画像と同じ解像度および元の画像を1/2に縮小したときの解像度について説明を行なったが、それ以外の解像度であってもよいのは言うまでもない。また、より多くの解像度を予め定めておき、各解像度に基づいて上述の判断手法を用いて画像データを縮小可能か否かを判断してもよい。複数の解像度に基づいて縮小可能と判断された場合には、最も画像データサイズが小さくなるような解像度に基づいて各ブロックを縮小するようにしてもよい。
【0074】
また、解像度情報はJBIG方式で符号化を行なったが、ハフマン符号化等の可逆圧縮方式であればどのような方法であってもよい。また、縮小データおよび等倍データの圧縮は、いかなる圧縮方式であってもよい。
【0075】
さらに、ソーベルフィルタによるエッジ検出方法以外であっても、キャニーフィルタなどのその他のフィルタを用いたエッジ検出方法であってもよいのは言うまでもない。
【0076】
[実施の形態2]
図15を参照して、本実施の形態に係る多重解像度画像圧縮装置140は、図1を参照して説明した多重解像度画像圧縮装置20とほぼ同様のハードウェア構成をとる。異なる点は、解像度決定処理部38のかわりにRGB空間の画像データに変換したときに色ずれが生じないように解像度を決定する解像度決定処理部142を用いた点である。その他の部分は多重解像度画像圧縮装置20の構成要素と同様であるため、その詳細な説明はここでは繰返さない。
【0077】
図16を参照して、解像度決定処理部142は、色空間変換画像バッファ36に接続され、U成分の画像データの各画素の画素値に予め定められた係数を乗算し、重み付けをするU成分重み付け部144と、色空間変換画像バッファ36に接続され、V成分の画像データの各画素の画素値に予め定められた係数を乗算し、重み付けをするV成分重み付け部146と、色空間変換画像バッファ36、U成分重み付け部144およびV成分重み付け部146に接続され、後述する方法に従い、Y成分ならびにそれぞれ重み付けされたU成分およびV成分の比較を行ない、各ブロックごとに最良の解像度を算出し、解像度情報バッファ40に書込む大小関係比較部148とを含む。
【0078】
本実施の形態に係る解像度決定処理部142は、YUV空間の画像データの各ブロックをRGB空間の画像データに戻した際に、重要ではない成分の画像データのブロックについては縮小可能であると判断し、重要な成分の画像データのブロックについては縮小不可能であると判断する。RGB空間の画像データの座標(x,y)の画素値を、f_R(x,y)、f_G(x,y)、f_B(x,y)とそれぞれ置き、YUV空間の画像データの座標(x,y)の画素値をf_Y(x,y)、f_U(x,y)、f_V(x,y)とそれぞれ置くと、式(5)〜式(7)に示す関係が成立つ。
【0079】
式(5)〜式(7)より、画素値f_Y(x,y)の係数の絶対値の最大値は1となる。また、画素値f_U(x,y)の係数の絶対値の最大値は1.772となる。さらに、画素値f_V(x,y)の係数の絶対値の最大値は1.402となる。したがって、式(8)が成立てば、画素値f_V(x,y)は重要でないと判断され、V成分のブロックが縮小可能であると判断される。また、式(9)が成立てば、画素値f_U(x,y)は重要でないと判断され、U成分のブロックが縮小可能であると判断される。また、式(10)が成立てば、画素値f_Y(x,y)が重要でないと判断され、Y成分のブロックが縮小可能であると判断される。
【0080】
実際には、式(8)〜式(10)が成立つか否かの判断は、それぞれ式(11)〜式(13)が成立つか否かにより判断される。TH11、TH12およびTH13は、実験的に求められたしきい値を表わす。
【0081】
【数2】
【0082】
図17を参照して、多重解像度画像圧縮装置140の各部は以下のように動作する。S102〜S106の処理は、図3のS2〜S6の処理と同様である。このため、その詳細な説明はここでは繰返さない。色空間変換画像バッファ36に記憶されている3枚の画像データは、実施の形態1と同様nl×ml個のブロックに分けられているものとする。U成分重み付け部144、V成分重み付け部146および大小関係比較部148は、それぞれ、nl×ml個のブロックの中から1つのブロックを抽出する(S108)。U成分重み付け部144、V成分重み付け部146および大小関係比較部148が選択するブロックは同一のものである。
【0083】
大小関係比較部148は、U成分重み付け部144およびV成分重み付け部146でそれぞれ重み付けされたU成分画像データの画素値およびV成分画像データの画素値、ならびに色空間変換画像バッファ36に記憶されているY成分画像データの画素値を用いて、ブロック内で式(8)が成立つ画素の数を計数する。式(8)が成立つ画素数が所定のしきい値TH8よりも大きいか否かを判断する(S110)。式(8)が成立つ画素数がしきい値TH8よりも大きければ(S110でYES)、Y成分画像データの着目しているブロックを縮小することが可能であるため、解像度情報F_V(n,m)に0を代入する(S112)。式(8)が成立つ画素数がしきい値TH8以下であれば(S110でNO)、Y成分画像データの着目しているブロックを縮小することが不可能であるため、解像度情報F_V(n,m)に1を代入する(S114)。
【0084】
S110〜S114の処理と並行して、大小関係比較部148は、同様に、ブロック内で式(9)が成立つ画素の数を計数し、式(9)が成立つ画素数が所定のしきい値TH9よりも大きいか否かを判断する(S116)。式(9)が成立つ画素数がしきい値TH9よりも大きければ(S116でYES)、U成分画像データの着目しているブロックを縮小することが可能であるため、解像度情報F_U(n,m)に0を代入する(S118)。式(9)が成立つ画素数がしきい値TH9以下であれば(S116でNO)、U成分画像データの着目しているブロックを縮小することが不可能であるため、解像度情報F_U(n,m)に1を代入する(S120)。
【0085】
また、S110〜S114の処理およびS116〜S120の処理と並行して、大小関係比較部148は、同様に、ブロック内で式(10)が成立つ画素の数を計数し、式(10)が成立つ画素数が所定のしきい値TH10よりも大きいか否かを判断する(S122)。式(10)が成立つ画素数がしきい値TH10よりも大きければ(S122でYES)、Y成分画像データの着目しているブロックを縮小することが可能であるため、解像度情報F_Y(n,m)に0を代入する(S124)。式(10)が成立つ画素数がしきい値TH10以下であれば(S122でNO)、Y成分画像データの着目しているブロックを縮小することが不可能であるため、解像度情報F_Y(n,m)に1を代入する(S126)。
【0086】
S110〜S126の処理の後、大小関係比較部148は、現在処理をしたブロックが最後のブロック(nl−1,ml−1)か否かを判断する(S128)。最後のブロックでなければ(S128でNO)、S108以降の処理を繰返す。
【0087】
最後のブロックであれば(S128でYES)、大小関係比較部148は、S110〜S126までの処理で求められた各ブロック(n,m)(n=0〜nl−1,m=0〜ml−1)の解像度情報F_Y(n,m)、F_U(n,m)およびF_V(n,m)を解像度情報バッファ40に書込む(S130)。
【0088】
その後、S132〜S138の処理を行ない、接合符号化データを出力する。S132〜S138の処理は、図5のS54〜S60の処理と同様である。このため、その詳細な説明はここでは繰返さない。
【0089】
以上のようにして求められた接合符号化データを実施の形態1と同様の多重解像度画像伸張装置100で伸張することにより、R、GおよびBの3枚の入力画像を復元することができる。
【0090】
本実施の形態に係る多重解像度画像圧縮装置140は、伸張時のRGB空間の画像データの復元にとって重要ではないと判断されるY成分、U成分またはV成分の画像データをブロックごとに縮小する。このため、多重解像度画像圧縮装置140は、見た目に色ずれを生じさせることなく、画像を圧縮することができる。
【0091】
本実施の形態でも、実施の形態1と同様に、予め複数の縮小率を定めておき、各縮小率について画像データを縮小可能か否かを判断してもよい。
【0092】
以上説明した多重解像度画像圧縮装置20および140、ならびに多重解像度画像伸張装置100は、コンピュータにより実現することが可能である。図18を参照して、多重解像度画像圧縮装置20もしくは140、または多重解像度画像伸張装置100は、コンピュータ151と、コンピュータ151に指示を与えるためのキーボード155およびマウス156と、コンピュータ151により演算された結果等を表示するためのディスプレイ152と、コンピュータ151が実行するプログラムをそれぞれ読取るための磁気テープ装置153、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory )装置157および通信モデム159とを含む。
【0093】
図3〜図5および図17を参照して説明した画像圧縮方法および図13を参照して説明した画像伸張方法のプログラムは、コンピュータ151で読取可能な記録媒体である磁気テープ154またはCD−ROM158に記録され、磁気テープ装置153およびCD−ROM装置157でそれぞれ読取られる。または、通信回線を介して通信モデム159で読取られる。
【0094】
図19を参照して、コンピュータ151は、磁気テープ装置153、CD−ROM装置157または通信モデム159を介して読取られたプログラムを実行するためのCPU(Central Processing Unit)160と、コンピュータ151の動作に必要なその他のプログラムおよびデータを記憶するためのROM(Read Only Memory)161と、プログラム、プログラム実行時のパラメータ、演算結果などを記憶するためのRAM(Random Access Memory)162と、プログラムおよびデータなどを記憶するための磁気ディスク163とを含む。
【0095】
磁気テープ装置153、CD−ROM装置157または通信モデム159により読取られたプログラムは、CPU160で実行される。
【0096】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る多重解像度画像圧縮装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係る解像度決定処理部の構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1に係る多重解像度画像圧縮処理のフローチャートである。
【図4】実施の形態1に係る多重解像度画像圧縮処理のフローチャートである。
【図5】実施の形態1に係る多重解像度画像圧縮処理のフローチャートである。
【図6】画像データを複数のブロックに分割した図である。
【図7】縮小前のブロックと、縮小して拡大した後のブロックとの関係を説明する図である。
【図8】解像度情報を示す図である。
【図9】関数convert()を説明するための図である。
【図10】縮小データおよび等倍データの作成方法を説明するための図である。
【図11】接合符号化データを説明するための図である。
【図12】多重解像度画像伸張装置の構成を示すブロック図である。
【図13】多重解像度伸張処理のフローチャートである。
【図14】解像度情報に基づいて、拡大されたデータと等倍データと接合することにより、Y成分、U成分およびV成分の画像データを作成する方法を説明するための図である。
【図15】実施の形態2に係る多重解像度画像圧縮装置の構成を示す図である。
【図16】実施の形態2に係る解像度決定処理部の構成を示す図である。
【図17】実施の形態2に係る多重解像度画像圧縮処理のフローチャートである。
【図18】多重解像度画像圧縮装置または多重解像度画像伸張装置を実現するコンピュータの外観図である。
【図19】コンピュータの内部構成を示すブロック図である。
【図20】従来の間引き方法の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
20 多重解像度画像圧縮装置、22 画像入力装置、24 画像圧縮装置、26 データ出力装置、34 色空間変換処理部、38,142 解像度決定処理部、42 解像度情報符号化処理部、44 データ作成処理部、48A 縮小データ符号化処理部、48B 等倍データ符号化処理部、50 符号化データ接合処理部、64 画像縮小処理部、68 画像拡大処理部、72 領域誤差演算処理部、74 領域解像度作成処理部、78 輝度成分エッジ検出処理部、80解像度情報変更処理部、82 色差成分量子化処理部、84 解像度情報変更処理部、100 多重解像度画像伸張装置、102 データ入力装置、106 符号化データ分離処理部、110 解像度情報データ復号部、116A 縮小データ復号処理部、116B 等倍データ復号処理部、119 データ拡大部、120 解像度データ接合処理部、124 画像変換処理部、128 画像出力装置、144 U成分重み付け部、146 V成分重み付け部、148 大小関係比較部。
Claims (8)
- 複数のブロックより構成された画像データを圧縮する画像圧縮装置であって、
前記画像データについて、縮小時の解像度をブロックごとに所定の基準に従って適応的に定め、解像度情報を作成する解像度決定処理手段と、
前記画像データについて、前記解像度情報に基づいて、各ブロックを必要に応じて縮小したデータを作成するデータ作成処理手段と、
前記データ作成処理手段によって作成されたデータを符号化する符号化処理手段とを含み、
前記解像度決定処理手段は、
前記画像データに基づいて、各ブロックに含まれる色の数を求める色数算出手段と、
前記色数算出手段の出力に基づいて、前記画像データの解像度情報を作成する解像度作成手段とを含む、画像圧縮装置。 - それぞれ複数のブロックより構成される輝度成分画像データおよび色差成分画像データを圧縮する画像圧縮装置であって、
前記輝度成分画像データおよび前記色差成分画像データの各々について、縮小時の解像度をブロックごとに所定の基準に従って適応的に定め、解像度情報を作成する解像度決定処理手段と、
前記解像度決定処理手段に接続され、前記輝度成分画像データおよび前記色差成分画像データの各々について、前記解像度情報に基づいて、各ブロックを必要に応じて縮小したデータを作成するデータ作成処理手段と、
前記データ作成処理手段に接続され、前記データ作成処理手段によって作成されたデータを符号化する符号化処理手段とを含み、
前記解像度決定処理手段は、
前記色差成分画像データに基づいて、各ブロックに含まれる色の数を求める色数算出手段と、
前記色数算出手段に接続され、前記色数算出手段の出力に基づいて、前記色差成分画像データの前記解像度情報を作成する解像度作成手段とを含む、画像圧縮装置。 - 請求項1または2に記載の画像圧縮装置で符号化された符号化データを復号し、画像データを再現する画像伸長装置であって、
符号化された前記符号化データを復号するデータ復号処理手段と、
前記データ復号処理手段に接続され、解像度情報に基づいて、前記符号化データを縮小前の解像度になるように拡大し、画像データを作成する画像作成処理手段とを含む、画像伸長装置。 - 複数のブロックより構成された画像データを圧縮する画像圧縮方法であって、
前記画像データについて、縮小時の解像度をブロックごとに所定の基準に従って適応的に定め、解像度情報を作成するステップと、
前記画像データについて、前記解像度情報に基づいて、各ブロックを必要に応じて縮小したデータを作成するステップと、
前記作成されたデータを符号化するステップとを含み、
解像度情報を作成する前記ステップは、
前記各ブロックに含まれる色の数を求めるステップと、
前記色の数に基づいて、前記画像データの解像度情報を作成するステップとを含む、画像圧縮方法。 - それぞれ複数のブロックより構成される輝度成分画像データおよび色差成分画像データを圧縮する画像圧縮方法であって、
前記輝度成分画像データおよび前記色差成分画像データの各々について、縮小時の解像度をブロックごとに所定の基準に従って適応的に定め、解像度情報を作成するステップと、
前記輝度成分画像データおよび前記色差成分画像データの各々について、前記解像度情報に基づいて、各ブロックを必要に応じて縮小したデータを作成するステップと、
前記作成されたデータを符号化するステップとを含み、
解像度情報を作成する前記ステップは、
前記色差成分画像データに基づいて、各ブロックに含まれる色の数を求めるステップと、
前記色の数に基づいて、前記色差成分画像データの前記解像度情報を作成するステップとを含む、画像圧縮方法。 - 請求項4または5に記載の画像圧縮方法で符号化された符号化データを復号し、画像データを再現する画像伸長方法であって、
符号化された前記符号化データを復号するステップと、
解像度情報に基づいて、前記符号化データを縮小前の解像度になるように拡大し、画像データを作成するステップとを含む、画像伸長方法。 - 請求項4または5に記載の画像圧縮方法をコンピュータに実行させるための画像圧縮プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
- 請求項6に記載の画像伸張方法をコンピュータに実行させるための画像伸張プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
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