JP3596514B2 - 回転電機の冷却構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外ロータと内ロータとの二つのロータ及びそれらのロータ間に位置して周方向に複数のステータ部材に分割された一つのステータを同一軸線上で同心円状に備える多重ロータ構造の回転電機(電動機や発電機)の冷却構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上述の如き回転電機としては従来、例えば、特開2001−112221号公報や特開2000−14086号公報に開示されているものが知られており、かかる回転電機の発熱したステータを冷却する冷却構造としては、回転電機内に冷却液のUターン流路を形成するとともに、ステータ部材間に冷却液通路を画成してステータに冷却液を循環させる冷却構造がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、かかる回転電機の構造では、ステータが周方向に分割されて構成されているため、ステータが受ける電磁気反力を支える必要があり、従来技術においては、ボルトを用いてステータの受ける電磁気反力を支える場合、ボルトを設置するためのスペースを確保しつつ、発熱量の大きいステータやコイルを充分に冷却することが必要とされた。
【0004】
しかしながら、従来の回転電機の冷却構造では、ボルトを設置するスペースを確保すると、冷却液通路を設けるスペースが少なくなることから、ステータの充分な冷却性能を確保することが困難であった。また、従来技術ではステータを冷却するための冷却液通路をステータの両先端部及びそのステータを支持しているボルトの周囲にしか確保することができないので、ステータを冷やす個所及び冷却面積の自由度がほとんどないためステータの内部まで充分に冷却することは難しく、この理由によっても充分な冷却性能を得ることを困難にしていた。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題を有利に解決して、上述の如き多重ロータ構造の回転電機において、ステータ及びそれに巻かれたコイルを充分に冷却できる回転電機の冷却構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的のため、請求項1に記載の第1発明による回転電機の冷却構造は、回転電機の外ロータと内ロータとの二つのロータ及び、それらのロータ間に位置して周方向に複数分割されたステータ部材と、該ステータ部材を支持するステータ支持部材とからなる一つのステータを同一軸線上に備える多重ロータ構造の回転電機の冷却構造において、前記ステータ部材は、スリットを有する第1の鋼部材と、該第1の鋼部材と同一輪郭形状を有すると共に、前記第1の鋼部材のスリットの一方の端部近傍に連なる貫通穴を有する第2の鋼部材と、該第1の鋼部材と同一輪郭形状を有すると共に、前記第1の鋼部材のスリットの他方の端部近傍に連なる貫通穴を有する第3の鋼部材と、を具え、前記ステータ部材の軸線方向端部に、前記第2、及び第3の鋼部材をそれぞれ配置すると共に、その第2、第3の鋼部材の間に、第1の鋼部材を軸線方向に重ねて配置して形成し、前記第2の鋼部材、或いは前記第3の鋼部材の貫通穴のうち、一方の貫通穴より、冷却媒体が供給され、前記スリットを介して他方の貫通穴から排出されることを特徴とするものである。
【0007】
また、請求項2記載の第2発明は、回転電機の外ロータと内ロータとの二つのロータ及び、それらのロータ間に位置して周方向に複数分割されたステータ部材と、該ステータ部材を支持するステータ支持部材とからなる一つのステータを同一軸線上に備える多重ロータ構造の回転電機の冷却構造において、前記ステータ部材は、スリットを有する第1の鋼部材と、該第1の鋼部材と同一輪郭形状を有するとともに、その第1の鋼部材の前記スリットの端部近傍に連なる複数の貫通穴を有する第2の鋼部材との少なくとも二種類の鋼部材を具え、前記ステータ部材の、前記ステータの軸線方向端部のそれぞれに前記第2の鋼部材を配置するとともにそれら第2の鋼部材の間に前記第1の鋼部材を前記軸線方向に重ねて配置して形成し、冷却媒体が、前記ステータの軸線方向端部のそれぞれに配置された前記第2の鋼部材の貫通穴のうち、一方の鋼部材の貫通穴より供給され、前記スリットを介して他方の鋼部材の貫通穴から排出されることを特徴とするものである。
【0008】
さらに請求項3に記載の第3発明は、回転電機の外ロータと内ロータとの二つのロータ及び、それらのロータ間に位置して周方向に複数分割されたステータ部材と、該ステータ部材を支持するステータ支持部材とからなる一つのステータを同一軸線上に備える多重ロータ構造の回転電機の冷却構造において、前記ステータ部材は、2本のスリットを有する第1の鋼部材と、該第1の鋼部材と同一輪郭形状を有すると共に、前記第1の鋼部材の2本のスリットの一方の端部近傍に連なる2つの貫通穴を有する第2の鋼部材と、を具え、前記ステータ部材の軸線方向端部に、前記第2の鋼部材をそれぞれ配置すると共に、その第2の鋼部材の間に、第1の鋼部材を軸線方向に重ねて配置して形成し、前記第2の鋼部材の一方の貫通穴より、冷却媒体が供給され、前記スリットを介して他方の貫通穴から排出されることを特徴とするものである。
【0009】
さらに請求項4に記載の第4発明は、上記第1発明又は第2発明において、ステータ部材の両端部に設けられている貫通穴をそれぞれ連通する周方向溝を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
そして請求項5に記載の第5発明は、上記第1発明から第3発明までのいずれかにおいて、隣り合うステータ部材の両端部に設けられている貫通穴をそれぞれ連通する周方向溝を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項6に記載の第6発明は、上記第2発明において、前記第2の鋼部材の前記貫通穴が、両側端部にあることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項7に記載の第7発明は、上記第2発明又は第6発明において、前記第1の鋼部材のスリットは、前記ステータ部材のティース先端部からヨーク部まで延在していることを特徴とするものである。
【0013】
そして、請求項8に記載の第8発明は、上記第2発明及び第6発明及び第7発明のうちの何れか一項において、前記第2の鋼部材の前記貫通穴には、中間部及び端部に開口を持つ締結部材が通り、その締結部材は前記ステータの軸線方向両端に隣接して配置されたステータ支持部材と締結されることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の効果】
第1発明においては、ステータ部材を構成する第1の鋼部材のスリットで、ステータ部材内部に冷却媒体通路が形成され、第1の鋼部材のスリットの端部近傍に連なる第2の鋼部材の貫通穴と第3の鋼部材の貫通穴とで、スリット内への冷却媒体の流入及びそのスリット内からの冷却媒体の流出が案内されるため、第1の鋼部材のスリットにてステータ部材内部に冷却面積の広い冷却媒体通路を形成できるから、回転電機において冷却媒体通路スペースを別途設けることなくステータを内部から冷却できるので、ステータ及びそれに巻かれるコイルをも充分に冷却できて冷却効率を向上させることができる。
【0015】
しかも、ステータ部材の、ステータの軸線方向端部に第2の鋼部材と第3の鋼部材とを配置することで、第1の鋼部材のスリットにより形成された冷却媒体通路の端部を第2の鋼部材と第3の鋼部材とで確実に封止できるとともに、第2の鋼部材の貫通穴と第3の鋼部材の貫通穴にて冷却媒体の出入口を形成できる。それゆえ、第2の鋼部材及び第3の鋼部材が第1の鋼部材のスリットと共働して冷却媒体通路を画成できるから、あらたな部材を追加することなく、それら鋼部材で冷却媒体通路を簡易に構成することができるとともに、鋼部材の加工も容易に行なうことができる。
【0016】
第2発明においては、ステータ部材を構成する第1の鋼部材のスリットで、ステータ部材内に冷却媒体通路が形成され、第1の鋼部材のスリットの端部近傍に連なる第2の鋼部材の貫通穴で、スリット内への冷却媒体の流入及びそのスリット内からの冷却媒体の流出が案内され、かつ、第1の鋼部材のスリットにより形成された冷却媒体通路の端部を第2の鋼部材で確実に封止できる。それゆえ、第2の鋼部材が第1の鋼部材のスリットと共働して冷却媒体通路を画成できるから、あらたな部材を追加することなく、第1の鋼部材と第2の鋼部材との少なくとも二種類の鋼部材で冷却媒体通路を簡易に構成することができるとともに、鋼部材の加工も容易に行なうことができる。
【0017】
第3発明においては、第1の鋼部材の2本のスリットでステータ部材内部に2つの冷却媒体通路が形成され、それら2本のスリットのそれぞれの端部近傍に第2の鋼板の貫通穴が連なるとともに、その第2の鋼板で第1の鋼板のスリットの端部が封止される。さらに、第1の鋼板の一端部に配置した第2の鋼部材の二つの貫通穴のうち、一方の貫通穴から冷却媒体が供給される一方、第1の鋼板の他端部側でUターンさせることにより、二つのスリットを介して他方の貫通穴から冷却媒体が排出される。従って、ステータ部材の2本のスリットで形成された冷却媒体通路により、第1の鋼部材の内部をより効果的に冷却することができるとともに、二本のスリットをステータ部材の内部のステータ部材に巻かれるコイル近傍に形成することで、コイルも充分に冷やすことができる。
【0018】
第4発明においては、ステータ部材の両端部に設けられている貫通穴を、それぞれ連通する周方向溝を設けたから、ステータを構成する複数のステータ部材の冷却媒体通路が周方向溝で連通される。これにより、ステータを構成する全てのステータ部材の冷却媒体通路への冷却媒体の流入及び排出を一箇所で行なうこともできる。
【0019】
第5発明においては、隣り合うステータ部材の両端部に設けられている貫通穴をそれぞれ連通する周方向溝を、例えばステータを支持する部材などに設けることで、冷却媒体が、ステータを構成する複数個のステータ部材の貫通穴間で隣からその隣へと順次流れるので、冷却媒体の流入及び排出を一箇所で行なうこともできる。
【0020】
第6発明においては、第2の鋼部材の貫通穴がその鋼部材の両側端部にあるから、ステータ部材に巻かれるコイルが第2の鋼部材の両側端部と隣接するので、コイルをより良好に冷却することができる。
【0021】
第7発明においては、第1の鋼部材のスリットが、その鋼部材により構成されるステータ部材のティース先端部からヨーク部まで延在するから、ステータ部材の、磁界の変化が大きくなるため発熱量の多くなるティース部の先端部及びヨーク部の先端部を集中的に冷却することができる。
【0022】
第8発明においては、第2の鋼部材の貫通穴に、中間部及び端部に開口を持つ締結部材が通り、挿入してステータ部材の両端をステータ支持部材に固定支持させることで、ステータ部材をステータ支持部材に確実に固定できるから、回転電機においてステータ部材をステータ支持部材に支持するためのボルト等の締結部材のスペースをあらためて確保する必要がない。しかも、この締結部材が中間部及び端部に開口を持つから、第1の鋼部材のスリット内への冷却媒体の入出力を容易に行なうことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。図1(a)及び(b)は、この発明の回転電機の冷却構造の第1実施例としての、モータの冷却構造におけるステータ部材を構成する第1の鋼部材及び第2の鋼部材を示す正面図であり、図2(a)及び(b)は、図1に示す第1の鋼部材及び第2の鋼部材を組付けて構成した一個のステータ部材を示す正面図及びそのA−A線に沿う断面図であり、図3は、本実施例のステータを、ステータ支持部材に図2に示すステータ部材を取り付けた状態で示す断面図であり、図4は、図3のステータ部材が取り付けられたステータ支持部材における冷却液通路の配置を図3の左側から見て示す正面図であり、図5は、本実施例のモータの冷却構造を適用したモータの概略断面図である。
【0024】
なお、図中符号1はステータ、2はステータ部材をそれぞれ示し(図2,図5参照)、3はステータ部材2を構成する第1の鋼部材としての第1の鋼板、4はステータ部材2を構成する第2の鋼部材としての第2の鋼板をそれぞれ示し(図1参照)、5は複数個のステータ部材2を固定支持するステータ支持部材、6はステータ部材2の第1の鋼板3と第2の鋼板4とを締結してそれをステータ支持部材5に支持させる軸状の締結部材としてのバンジョーボルト、7は内ロータ、8は外ロータ、9は内ロータシャフト、10は外ロータシャフトをそれぞれ示す(図3〜図5参照)。
【0025】
本実施例の冷却構造を適用するモータは、図5に示すように、内ロータシャフト9の中心軸線(モータの中心軸線でもある)C上に、同心円に、内側から、内ロータ7、ステータ1、外ロータ8の順で配設された多重ロータ構造とされており、外ロータ8と内ロータ7との二つのロータ間に位置するステータ1は、周方向に複数分割されたステータ部材2と、該ステータ部材2を支持するステータ支持部材5とを具えてなる。
【0026】
即ち、ここでのステータ1は、図4に示すように、複数のステータ部材2が内周側ティース先端に周方向に所定のギャップtを空けて配置されるとともに、それらステータ部材2がヨーク部2d及びティース部2eの先端部2fでステータ支持部材5に支持される。そして、個々のステータ部材2は、図1(a)及び(b)に示すような第1の鋼板3と第2の鋼板4とで構成されている。これら第1の鋼板3及び第2の鋼板4は、ともに同一輪郭形状を有し、ステータヨーク部3a,4aとステータティース部3b,4bとを具えている。
【0027】
ここでの第1の鋼板3は、図1(a)に示すように、スリット3cと連通穴3dとを有し、スリット3cは、ステータティース部3bの先端部3eからステータ1の半径方向にステータヨーク部3aまで延在するように形成され、連通穴3dは、スリット3cの両端部に円形に形成されている。また、ここでの第2の鋼板4には、図1(b)に示すように、第1の鋼板3の二つの連通穴3dと同一の位置に二つの貫通穴4cが設けられている。
【0028】
そして、各ステータ部材2は、図2(b)に示すように、中間部材2a及びその両端に配設された端部材2bにて構成されており、その中間部材2aは、複数枚の第1の鋼板3をモータの中心軸線Cの延在方向に積層して形成され、また、端部材2bは第2の鋼板4をモータの中心軸線C(図3参照)の延在方向に積層して形成されている。これにより、中間部材2aの中央部に第1の鋼板3のスリット3cが中心軸線Cの延在方向に連続して、板状の空間R1(図中紙面の表裏方向に所定厚みを持つ空間)が冷却媒体としての冷却液の通路として画成されるとともに、その両端が第2の鋼板4で封止されることとなる。ここで、第1の鋼板3の連通穴3dには第2の鋼板4の貫通穴4aが繋がり、これらの穴でボルトを挿通可能な貫通穴2cが形成されて、ステータ部材2の径方向(図2では上下方向)の両端部付近にそれぞれ配置されるとともに、端部材2bを構成している第2の鋼板4の貫通穴4aにより上記冷却液通路に対する冷却液の出入口が画成される。
【0029】
そして、ここでのステータ支持部材5は、図3及び図4に示すように、円環状の円板でその表面には二本の周方向溝5aが互いに径方向位置が異なるように形成されるとともに、それら周方向溝5aには裏面へ貫通する貫通穴5bが設けられている。なお、本実施例では、ステータ部材2をバンジョーボルト6で固定支持するために、図3中、左側に配置されたステータ支持部材5の下側に位置する周方向溝5aに設けられた貫通穴5bと、右側に配置されたステータ支持部材5の上側に位置する周方向溝5aに設けられた貫通穴5bとにめねじを形成している。
【0030】
かかるステータ部材2の、モータの中心軸線Cの延在方向の両端を、二枚のステータ支持部材5で挟むとともに、ステータ支持部材5に形成された周方向溝5aの貫通穴5bから、上記二本の貫通穴2cの各々にバンジョーボルト6を互いに逆方向から挿入する。つまり、図3では、上側に位置する貫通穴2cには左側からバンジョーボルト6を挿入し、下側に位置する貫通穴2cには右側からバンジョーボルト6を挿入している。なお、上記バンジョーボルト6は、軸線方向の貫通穴6aを有するとともに、その中間部及び端部に開口としての半径方向穴6bを複数持ち、かつ先端部の外周におねじを有するねじ軸部材である。
【0031】
そして、バンジョーボルト6の先端部外周に形成されたおねじとステータ支持部材5に設けられためねじとを螺合させることで、ステータ支持部材5にステータ部材2を挟持させる。この様にしてこの実施例では、複数個のステータ部材2がティース部2eの先端に所定のギャップtを持って周方向に整列した状態でステータ支持部材5を介して相互に結合されてステータ1が形成されるとともに、そのステータ1がステータ支持部材5に支持される。なお、ステータ支持部材5にはコイル収納スペース5cが設けられており、各ステータ部材2のティース部2eの外周には、図4及び図5に示すようにコイルSが巻回される。
【0032】
また、第1の鋼板3の連通穴3cと第2の鋼板4の貫通穴4cとは、磁界が極力通らないような場所を選んで形成することが好ましく、本実施例では、図1(a)及び(b)に示すように、連通穴3c及び貫通穴4cを、第1の鋼板3及び第2の鋼板4のステータヨーク部3a,4a及びステータティース部3b,4bの周方向中央付近の、磁束の曲がる部分の近傍に位置するようにそれぞれ形成している。
【0033】
このようにして構成した本実施例のモータの冷却構造によれば、冷却液は、図3中矢印にて示すような経路で流通する。即ち、冷却液は、図3では左側のステータ支持部材5の下側の周方向溝5a内に供給され、複数個のステータ部材2の各々の中心軸線Cに近い側(図3では下側)に位置するバンジョーボルト6の先端部側(図3では左側)からそのバンジョーボルト6の貫通穴6a内を経由し、そのバンジョーボルト6の複数(図3では三個)の半径方向穴6bから、第1の鋼板3のスリット3cにて形成された空間R1に流入してステータ部材2の内部を冷やし、そして、中心軸線Cから遠い側(図3では上側)のバンジョーボルト6に中心軸線Cから近い側のバンジョーボルト6と同様に設けられた複数(図3では三個)の半径方向穴6bからそのボルト6の貫通穴6a内へ流入し、そのバンジョーボルト6(図3では上側)の右側の端部から、図3では右側のステータ支持部材5の上側の周方向溝5a内に流出する。なお、本実施例では冷却液として、例えば、水、油等の一般的なものを使用している。
【0034】
従って、第1実施例の回転電機の冷却構造にあっては、ステータ部材2を構成する第1の鋼板3のスリット3cで、ステータ部材2内に冷却液通路として空間R1が形成され、そして、第1の鋼板3の連通穴3d及びそれに連なる第2の鋼板4の貫通穴4cにて形成された貫通穴2aにバンジョーボルト6が挿入されてそのバンジョーボルトの貫通穴6aで、空間R1内への冷却液の流入及びその空間R1内からの冷却液の流出が案内されるとともに冷却液の出入口が画成される。これにより、第1の鋼板3のスリット3cにてステータ部材2内部に冷却面積の広い冷却液通路を形成できるから、モータにおいて冷却液通路スペースを別途設けることなく、複数のステータ部材2より構成されるステータ1を内部から冷却できるので、ステータ1及びそれに巻かれるコイルをも充分に冷却できて冷却効率を向上させることができる。
【0035】
しかも、この実施例では、ステータ部材2が、ステータ1の軸線方向両端に第2の鋼板4を配置するとともに、それら第2の鋼板4の間に第1の鋼板3を配置して、第1の鋼板3を二枚の第2の鋼板で挟み込んで形成されるから、第1の鋼板3のスリット3cにより形成された冷却媒体通路の両端を第2の鋼板4で確実に封止できるとともに、第2の鋼板4の貫通穴4cにて冷却媒体の出入口を形成できる。それゆえ、第2の鋼板4が第1の鋼板3のスリット3cと共働して冷却媒体通路を画成できるから、あらたな部材を追加することなく、第1の鋼板と第2の鋼板との二種類の鋼板で冷却媒体通路を簡易に構成することができるとともに、鋼板3,4の加工も容易に行なうことができる。
【0036】
さらに、本実施例の回転電機の冷却構造では、第1の鋼板3の連通穴3dとそれに連なる第2の鋼板4の貫通穴4cとにバンジョーボルト6を挿入してステータ部材2の両端をステータ支持部材5に固定支持させることで、第1の鋼板3と第2の鋼板4とにより構成されたステータ部材2をステータ支持部材5に確実に固定できるから、モータにおいてステータ部材2をステータ支持部材5に支持するためのボルト等の締結部材のスペースをあらためて確保する必要がない。しかも、このバンジョーボルト6が中間部及び端部に半径方向穴6bを持つ冷却液軸線方向通路(貫通穴6a)を有し、その通路を冷却液が流通できるから、第1の鋼板3のスリット3c内への冷却液の入出力を容易に行なうことができる。
【0037】
図6(a)及び(b)は、本発明の回転電機の冷却構造の第2実施例としての、モータの冷却構造におけるステータ部材を構成する第1の鋼部材及び第2の鋼部材を示す正面図であり、図7(a)及び(b)は、図6のステータ部材を取り付けたステータ支持部材の正面図及びそのステータ支持部材の軸線Cを中心とした円D周りの構成を展開して示す展開図であり、図8は、ステータ部材とそれを支持するステータ支持部材とで構成されるステータの、図7(b)のB−B線に沿う断面図である。
【0038】
本実施例のモータの冷却構造は、上記第1実施例のモータの冷却構造において、ステータ1を構成するステータ部材2を、第1の鋼部材としての第1の鋼板11と第2の鋼部材としての第2の鋼板12とを用いて構成したステータ部材2に替えるとともに、ステータ支持部材5を、ステータ部材2のティース部2eの先端部2f(鋼板11,12のステータティース先端部11e,12dにより形成された部分)のみを覆う構成に替えている。
【0039】
即ち、図6に示すように、第2実施例のステータ部材2を構成する第1の鋼板11及び第2の鋼板12は、先の第1実施例のステータ部材2を構成する第1の鋼板3及び第2の鋼板4と同様の形状(図1参照)を有しているが、ここでの第1の鋼板11は、図6(a)に示すように、二本のスリット11cを有し、それらスリット11cが、鋼板11,12で構成される図7に示すステータ部材2のティース部2eの先端部2fからヨーク部2dまで延在するように、その第1の鋼板11の両側端部に形成され、さらに、ステータティース部11bの先端部11eの両側端部には、各スリット11cに繋がる連通穴11dが設けられている。また、第2の鋼板12には、図6(b)に示すように、第1の鋼板11の各連通穴11dと同一の位置に貫通穴12cが設けられている。
【0040】
上記構成の第1の鋼板11をモータの中心軸線C(図8参照)の延在方向に複数枚積層するとともに、その積層された第1の鋼板11をその両端から、同様に複数枚積層した第2の鋼板12で挟み込むことにより、図7および図8に示すステータ部材2が構成され、そのステータ部材2の内部に第1の鋼板11のスリット11cが連なって空間R2が形成される。
【0041】
また、本実施例のステータ支持部材5を図7及び図8に示す。ここで、図7(a)に示すステータ1は、図8に示すステータ1の右方向から見た状態で示し、また、図7(b)に示すステータ支持部材5は、図8中右側のステータ支持部材5を下側に、図8中左側のステータ支持部材5を上側にそれぞれ位置させて示している。ステータ部材2の両端を支持する各ステータ支持部材5の裏面には、複数個の周方向溝5aが形成されている。それら周方向溝5aは、図7(b)に示すように、下側に位置するステータ支持部材5には、隣り合うステータ部材2の両端部の貫通穴2c(後述するバンジョーボルト6を挿入される穴)を連通させるように設けられている一方、上側に位置するステータ支持部材5には、ステータ部材2の両端部の貫通穴2cを連通させるように設けられている。
【0042】
そして、本実施例のモータの冷却構造では、図7(a)に示すように、複数のステータ部材2が、内周側ティース先端に周方向に所定のギャップtを空けて配置されるとともに、図8に示すように、ステータ部材2の、モータの中心軸線Cの延在方向両端を上記構成の二枚のステータ支持部材5で挟み、ステータ支持部材5の周方向溝5aに設けられた貫通穴5bから、ステータ部材2の二本の貫通穴2cの各々にバンジョーボルト6を挿入してそのバンジョーボルト6でステータ部材2を支持固定する。なお、この実施例におけるバンジョーボルト6も、先の第一実施例と同様に、中間部及び端部に半径方向穴6bを有している。
【0043】
これにより、前述の図7(b)に示すように、ステータ支持部材5に支持された各ステータ部材2は、その両端に配置されたステータ支持部材5の周方向溝5aを介して、隣り合うステータ部材2の貫通穴2a同士を連通され、それら貫通穴2aに挿入したバンジョーボルト6を介して冷却液通路が形成される。
【0044】
従って、上述のように構成したステータにあっては、図7(b)に矢印にて示すように、ステータ部材2及びそれを支持するステータ支持部材を冷却液が流れる。即ち、図7(b)中中央に位置するステータ部材2は、その右隣のステータ部材2の貫通穴2cに連通する下側のステータ支持部材5の周方向溝5aを介して、右側のバンジョーボルト6の貫通穴6a内に流入して半径方向穴6bを介して右側の空間R2(ここでは図示せず)に流れ込んでステータ部材2の内部を冷やし、バンジョーボルト6の半径方向穴6bを介して再び貫通穴6aへ戻り、上側のステータ支持部材5の周方向溝5aに流出する。
【0045】
さらに、冷却液は、上側のステータ支持部材5の周方向溝5aを介して同じステータ部材2の左側のバンジョーボルト6の貫通穴6a内へ流入して半径方向穴6bを介して左側の空間(ここでは図示せず)に流れ込んでステータ部材2の内部を冷やし、バンジョーボルト6の半径方向穴6bを介して再び貫通穴6aへ戻り、右側の貫通穴2aから流出する。さらに、冷却液は、その貫通穴2aに連通するステータ支持部材5の周方向溝5aを介して右隣のステータ部材2の右側に位置するステータ部材2の貫通穴2aに流入する。このようにして、隣から次々と複数のステータ部材2が冷やされる。なお、ステータ支持部材5の周方向溝5aへの冷却液の供給及び排出は、ステータ支持部材5の表面に設けられた、図示しない周方向溝に連通する貫通穴により行う。
【0046】
上述のようにして、各ステータ部材2は、その一端を支持されるステータ支持部材5の周方向溝5aにより冷却液が入出力され、他端を支持されるステータ支持部材5の周方向溝5aを介して一方の貫通穴2aから他方の貫通穴2aへとUターンすることとなる。
【0047】
ところで、一般的に、ステータのティースの先端及びヨークの側端部はともに磁界の変化が大きいために発生する熱量が多くなる。これに対して、上記構成の本実施例のモータの冷却構造によれば、第1の鋼板11のスリット11c及び連通穴11dと第2の鋼板12の貫通穴12cとが各鋼板11,12の両側端部にあるから、ステータ部材2の内部においては、磁界の変化が大きくなるために発熱量の多くなるティース部2eの両側端部及びヨーク部2dの両側端部を集中的に冷却できる。しかも、ステータ支持部材2のティース部2eの両側端部の外周に巻回されたコイルSが各鋼板11,12の両側端部と隣接するのでかかるコイルSをより良好に冷却することができる。
【0048】
図9は、本第3実施例の回転電気の冷却構造の第3実施例としての、モータの冷却構造における冷却液通路説明図、図10は、ステータ部材とそれを支持するステータ支持部材とで構成されるステータの、図9のC−C線に沿う断面図である。
【0049】
第3実施例のステータ1を構成するステータ部材2は、第1の鋼部材としての第1の鋼板、第2の鋼部材としての第2の鋼板により形成されている。ここでの第1の鋼板(図示せず)は、先の第2実施例にて図6に示す第1の鋼板11において、二本のスリット11cのそれぞれの両端にそのスリット11cに繋がる連通穴が設けられたものであり、また、第2の鋼板は、第1の鋼板の各連通穴と同一の位置に貫通穴が設けられてたものである。
【0050】
そして、本実施例の第1の鋼板をモータの中心軸線C(図10参照)の延在方向に複数枚積層するとともに、その積層された第1の鋼板をその両端から、同様に複数枚積層した本実施例の第2の鋼板で挟み込んで構成することにより、図9および図10に示すステータ部材2が構成される。かかるステータ部材2の両端部を支持するステータ支持部材5は、先の第1実施例と同様に、図9に示すように、円環状の円板であって、ステータ部材2の、ティース部2eの先端部及びヨーク部2dを覆うように構成されている。
【0051】
そして、ステータ支持部材5の裏面には、複数の周方向溝5aが径方向位置が異なるように形成されている。それら周方向溝5aのうち、内周側の各周方向溝5aは、隣り合うステータ部材2同士の貫通穴5bを連通させるように設けられる一方、外周側の周方向溝5aは、一個のステータ部材2の両側端部に設けられている貫通穴5b同士を連通させるように設けられている。
【0052】
ここでは、図10に示すように、ステータ部材2の、モータの中心軸線Cの延在方向の両端を、二枚のステータ支持部材5で挟むとともに、各ステータ部材2の四本の貫通穴2cの各々にバンジョーボルト6を挿入して、バンジョーボルト6のおねじとステータ支持部材5のめねじとを螺合させてステータ支持部材5にステータ部材2を挟持させることで、図9及び図10に示すようなモータのステータが構成される。なお、ここでは、第1の鋼板11のスリット11c(図6参照)により形成された二つの空間R3のそれぞれについて径方向に整列するバンジョーボルト6を互いに逆方向から挿入している。また、本実施例では、ステータ部材2とステータ支持部材5との間に、上下に位置する貫通穴2cを囲むように、コイルSの内周側と外周側とのそれぞれにリング状のガスケットGが介挿されている。
【0053】
このようにして構成されたステータにあっては、図10に示すように、冷却液は、隣に位置するステータ部材2からステータ支持部材5の下側(図9では内周側)の周方向溝5aを介してステータ部材2の左下側のバンジョーボルト6の端部へ流入し、さらにステータ部材2の一方の側端部の空間R3へ流入してその内部を冷やして右側のステータ支持部材5の上側の周方向溝5aから流出し、その周方向溝5aを介してそれに連通する紙面手前側に位置する上側のバンジョーボルト6の端部から流入してステータ部材2の他方の側端部の空間R3へ流れ込んでその内部を冷やした後、紙面手前側に位置する下側のバンジョーボルト6の端部から隣のステータ部材2のバンジョーボルト6の貫通穴に連通するステータ支持部材5の周方向溝5aへ流出する。
【0054】
かかる構成の本第3実施例によれば、上記第2実施例と同様の効果が得られることに加えて、先の第1実施例と同様にステータ部材2をヨーク部2dとティース部2eの先端部分とで確実に支持することができる。
【0055】
また、図11は、この発明の回転電機の冷却構造の第4実施例としての、モータの冷却構造におけるステータを、ステータ支持部材にステータ部材を取り付けた状態で示す断面図である。
【0056】
本実施例のステータ1を構成するステータ部材2は、スリットを有する第1の鋼板と、該第1の鋼板と同一輪郭形状を有すると共に、第1の鋼板のスリットの一方の端部近傍に連なる貫通穴を有する第2の鋼板と、第1の鋼板と同一輪郭形状を有すると共に、前記第1の鋼板のスリットの他方の端部近傍に連なる貫通穴を有する第3の鋼板と、を具え、ステータ部材2の中心軸線C方向端部に、第2の鋼板及び第3の鋼板をそれぞれ配置すると共に、その第2、第3の鋼板の間に、第1の鋼板を中心軸線C方向に重ねて配置して形成されたものであり、第2の鋼板の鋼板の貫通穴より冷却液が供給され、スリットを介して第3の鋼板の貫通穴から排出される。
【0057】
即ち、本実施例の第1の鋼板は、先の第1実施例の第1の鋼板3(図1参照)のスリット3cの両端部に設けた連通穴3dを形成せずに構成され、また、第2の鋼板は、そのステータティース部(図11では上側)に貫通穴を形成せずに構成されている(図1参照)。また、本実施例における第3の鋼板は、第1の鋼板のスリットの端部のうち第2の鋼板の貫通穴に連通する端部と反対側の端部付近に連通するように、ステータティース部の先端部(図11では下側)に貫通穴が形成されている。そして、第1の鋼板を積層させて形成した中間部の両端をそれぞれ第2又は第3の鋼板を積層したもので挟み込むことで本実施例のステータ部材2が構成される。なお、図11では第2の鋼板を右側に、また、第3の鋼板を左側にそれぞれ配置してステータ部材2を構成している。
【0058】
また、本実施例のステータ部材2の両端を支持する本実施例のステータ支持部材5の表面には、第2の鋼板にて形成された端部を支持するもの(図11中右側)では、その第2の鋼板にて形成された貫通穴に連通するようにステータの外周側(図11では上側)に周方向溝5a及び貫通穴5bが設けられている一方、ステータ部材2の第3の鋼板にて形成された端部を支持するもの(図11中左側)は、その第3の鋼板にて形成された貫通穴の位置に連通するようにステータの内周側(図11では下側)に設けられている。
【0059】
そして、かかる本実施例の第1の鋼板、第2の鋼板及び第3の鋼板をステータ支持部材に組み付けると、図11に示すような構成となる。なお、本実施例では、図示しない部分でステータ支持部材5とステータ部材2とを締結するための締結スペースを設けて締結部材で支持固定している。
【0060】
このようにして構成した本実施例のモータの冷却構造によれば、第2の鋼板、或いは第3の鋼板の貫通穴のうち、第2の鋼板の貫通穴から冷却液が供給され、第1の鋼板のスリットにて形成された空間R4を介して第3の鋼板の貫通穴から冷却液が排出される。従って、本実施例のモータの冷却構造によれば、バンジョーボルト等の締結部材のような軸線方向に貫通する貫通穴を有するものを使用せずに、より簡易な構成でステータ部材2内部に冷却液を流通させ得てそのステータ部材を内部から充分に冷却することができる。
【0061】
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものではなく、例えば、上記実施例は、回転電機としてモータに適用したが、発電機に適用することもできる。また、上記実施例では、冷却媒体としてモータの冷却に通常用いられる冷却液を使用しているが、これに替えて、ステータ内部を流通する冷却媒体として磁性流体を用いても良く、このようにすれば、スリット内を流れる磁性流体がステータ部材を構成する磁性体(磁極部材)の一部として磁気的に作用するから、スリットの形成によって減少したステータの磁性体部分を補うことができる。
【0062】
さらに、上記第1実施例〜第3実施例では、締結部材としてバンジョーボルト6を用いているが、これに限られず、中間部及び端部に開口を持つ冷却媒体軸線方向通路を有する軸状の締結部材であれば良い。従って、例えば、端部外周におねじを形成された軸線方向穴を有する軸状の部材を、内周にめねじを有する部材(例えば、フレアナット等)を用いて締結部材のおねじとフレアナットなどのめねじとを螺合させることで、ステータ部材をステータ支持部材に固定しても良い。また、上記第1実施例において示した冷却液の出入口や流れの向きは適宜変更できることはもちろんである。
【0063】
また、上記実施例では、第1の鋼部材としての第1の鋼板3,11、第2の鋼部材としての第2の鋼板4,12、及び第3の鋼部材としての第3の鋼板をそれぞれモータの中心軸線Cの延在方向に複数枚積層して、ステータ部材2を構成する中間部材2aと端部材2bとを形成しているが、これに替えて、中間部材2a及び端部材2bの少なくとも一方を、第1の鋼板3,11又は第2の鋼板4,12を複数枚積層したものに相当する一個の第1の鋼部材、第2の鋼部材又は第3の鋼部材で一体形成しても良い。
【0064】
また、上記実施例では、ステータ部材2を、ステータ1の軸線方向両端に、第2の鋼板4,12にて形成した端部材2bを配置するとともに、それら端部材2bの間に第1の鋼板3,11にて形成した中間部材2aを配置することにより、第1の鋼板3,11が第2の鋼板4,12に挟みこまれるように構成しているが、この構成に限られず、ステータ部材2の、ステータ1の軸線方向一端のみに第2の鋼板4,12を配置するとともに軸線方向他端に位置する第1の鋼板3,11のスリット3c,11cを樹脂等で液密に封止しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、この発明の回転電機の冷却構造の第1実施例としての、モータの冷却構造におけるステータ部材を構成する第1の鋼部材を示す正面図、(b)は、上記ステータ部材を構成する第2の鋼部材を示す正面図である。
【図2】(a)は、図1に示す第1の鋼部材及び第2の鋼部材を組付けて構成した一個のステータ部材を示す正面図、(b)は、(a)の正面図のA−A線に沿う断面図である。
【図3】本実施例のステータを、ステータ支持部材に図2に示すステータ部材を取り付けた状態で示す断面図である。
【図4】図3のステータ部材が取り付けられたステータ支持部材における冷却液通路の配置を図3の左側から見て示す正面図である。
【図5】上記第1実施例のモータの冷却構造を適用したモータの概略断面図である。
【図6】(a)は、この発明の回転電機の冷却構造の第2実施例としての、モータの冷却構造におけるステータ部材を構成する第1の鋼部材を示す正面図、(b)は、上記ステータ部材を構成する第2の鋼部材を示す正面図である。
【図7】(a)及び(b)は、図6のステータ部材を取り付けたステータ支持部材の正面図及びそのステータ支持部材の軸線Cを中心とした円D周りの構成を展開して示す展開図である。
【図8】ステータ部材とそれを支持するステータ支持部材とで構成されるステータの、図7(b)のB−B線に沿う断面図である。
【図9】本第3実施例の回転電気の冷却構造の第3実施例としての、モータの冷却構造における冷却液通路説明図である。
【図10】ステータ部材とそれを支持するステータ支持部材とで構成されるステータの、図9のC−C線に沿う断面図である。
【図11】この発明の回転電機の冷却構造の第4実施例としての、モータの冷却構造におけるステータを、ステータ支持部材にステータ部材を取り付けた状態で示す断面図である。
【符号の説明】
1 ステータ
2 ステータ部材
2a 中間部材
2b 端部材
2c,4c,5b,6a,12c 貫通穴
2d ヨーク部
2e ティース部
3,11 第1の鋼板
3a,4a,11a,12a ステータヨーク部
3b,4b,11b,12b ステータティース部
3c,11c スリット
3d,11d 連通穴
2f,3e 先端部
4,12 第2の鋼板
5 ステータ支持部材
5a 周方向溝
5c コイル収納スペース
6 バンジョーボルト
6b 半径方向穴
7 内ロータ
8 外ロータ
9 内ロータシャフト
10 外ロータシャフト
C 中心軸線
S コイル
t ギャップ

Claims (8)

  1. 回転電機の外ロータと内ロータとの二つのロータ及び、それらのロータ間に位置して周方向に複数分割されたステータ部材と、該ステータ部材を支持するステータ支持部材とからなる一つのステータを同一軸線上に備える多重ロータ構造の回転電機の冷却構造において、
    前記ステータ部材は、
    スリットを有する第1の鋼部材と、
    該第1の鋼部材と同一輪郭形状を有すると共に、前記第1の鋼部材のスリットの一方の端部近傍に連なる貫通穴を有する第2の鋼部材と、
    該第1の鋼部材と同一輪郭形状を有すると共に、前記第1の鋼部材のスリットの他方の端部近傍に連なる貫通穴を有する第3の鋼部材と、を具え、
    前記ステータ部材の軸線方向端部に、前記第2、及び第3の鋼部材をそれぞれ配置すると共に、その第2、第3の鋼部材の間に、第1の鋼部材を軸線方向に重ねて配置して形成し、
    前記第2の鋼部材、或いは前記第3の鋼部材の貫通穴のうち、一方の貫通穴より、冷却媒体が供給され、前記スリットを介して他方の貫通穴から排出されることを特徴とする回転電機の冷却構造。
  2. 回転電機の外ロータと内ロータとの二つのロータ及び、それらのロータ間に位置して周方向に複数分割されたステータ部材と、該ステータ部材を支持するステータ支持部材とからなる一つのステータを同一軸線上に備える多重ロータ構造の回転電機の冷却構造において、
    前記ステータ部材は、
    スリットを有する第1の鋼部材と、
    該第1の鋼部材と同一輪郭形状を有するとともに、その第1の鋼部材の前記スリットの端部近傍に連なる複数の貫通穴を有する第2の鋼部材との少なくとも二種類の鋼部材を具え、
    前記ステータ部材の、前記ステータの軸線方向端部のそれぞれに前記第2の鋼部材を配置するとともにそれら第2の鋼部材の間に前記第1の鋼部材を前記軸線方向に重ねて配置して形成し、
    冷却媒体が、前記ステータの軸線方向端部のそれぞれに配置された前記第2の鋼部材の貫通穴のうち、一方の鋼部材の貫通穴より供給され、前記スリットを介して他方の鋼部材の貫通穴から排出されることを特徴とする回転電機の冷却構造。
  3. 回転電機の外ロータと内ロータとの二つのロータ及び、それらのロータ間に位置して周方向に複数分割されたステータ部材と、該ステータ部材を支持するステータ支持部材とからなる一つのステータを同一軸線上に備える多重ロータ構造の回転電機の冷却構造において、
    前記ステータ部材は、
    二本のスリットを有する第1の鋼部材と、
    該第1の鋼部材と同一輪郭形状を有すると共に、前記第1の鋼部材の二本のスリットの一方の端部近傍に連なる2つの貫通穴を有する第2の鋼部材と、
    を具え、
    前記ステータ部材の軸線方向端部に、前記第2の鋼部材を配置すると共に、その第2の鋼部材の間に、第1の鋼部材を軸線方向に重ねて配置して形成し、
    前記第2の鋼部材の一方の貫通穴より、冷却媒体が供給され、前記スリットを介して他方の貫通穴から排出されることを特徴とする回転電機の冷却構造。
  4. 請求項1又は請求項2において、ステータ部材の両端部に設けられている貫通穴を、それぞれ連通する周方向溝を設けたことを特徴とする回転電機の冷却構造。
  5. 請求項1から請求項3までのいずれかにおいて、隣り合うステータ部材の両端部に設けられている貫通穴をそれぞれ連通する周方向溝を設けたことを特徴とする回転電機の冷却構造。
  6. 請求項2において、前記第2の鋼部材の前記貫通穴が、両側端部にあることを特徴とする回転電機の冷却構造。
  7. 請求項2又は請求項6において、前記第1の鋼部材のスリットは、前記ステータ部材のティース先端部からヨーク部まで延在していることを特徴とする回転電機の冷却構造。
  8. 請求項2、請求項6及び請求項7のうちの何れか一項において、前記第2の鋼部材の前記貫通穴には、中間部及び端部に開口を持つ締結部材が通り、その締結部材は前記ステータの軸線方向両端に隣接して配置されたステータ支持部材と締結されることを特徴とする回転電機の冷却構造。
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