JP3596499B2 - 半導体検査装置の製造方法、半導体検査装置および半導体装置の検査方法 - Google Patents
半導体検査装置の製造方法、半導体検査装置および半導体装置の検査方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体検査装置の製造方法および半導体検査装置に係り、特にダイシング(ペレタイズ)前の半導体ウェハ上に複数形成された半導体装置について一括で検査を行うのに好適な半導体検査装置の製造方法および半導体検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、単結晶シリコンからなる半導体ウェハを複数の工程に投入し、その表面に複数の半導体装置を形成していく製造方法が知られている。
このような製造方法では、製造工程の後段に進めば進むほど半導体装置の付加価値は高くなるので、製造工程終了時に初めて半導体装置の不良が解ると、その損失額は非常に大きいものとなる。このためウェハ中に生じた半導体装置の不良品はできるだけ製造工程の初期の段階で発見しておき、これを積極的に除外していくことが望ましい。また製造途中で半導体装置の検査を行うことは、各工程における良品率の把握という点からみても好ましい。
【0003】
図8は、従来における第1の半導体検査装置の構造を示す説明図である。同図に示すように従来の半導体検査装置1では、ホルダ2から針状のコンタクトピン3が複数引き出されている。そして当該コンタクトピン3は、その先端が検査対象となる半導体装置4の電極5に接触可能になっており、コンタクトピン3を介してホルダ2の外部に設けられた検査回路(図示せず)と半導体装置4との間で検査信号の送受信を行えるようにしている。なおコンタクトピン3の本数は、一つの半導体装置1に対し複数本であり(ピッチ等によって変動する)、電源とGNDの他に幾本かのポートのON/OFFチェックが行われる。
【0004】
図9は、従来における第2の半導体検査装置の構造を示す断面図である。同図に示すように、従来の半導体検査装置6は、外部の検査治具(図示せず)に取り付けるためのホルダ2に搭載されている。そして半導体検査装置6は、ベース基板7の上層に配線層8が形成され、当該配線層8の上部に鉛直方向に導通性を有した異方性導電性ゴム9または異方性導電部材(ペーストやフィルム)が設けられている。また当該異方性導電性ゴム9または異方性導電部材(ペーストやフィルム)の上層には、検査用バンプ10が付いた絶縁フィルム11が設けられており、異方性導電性ゴム9または異方性導電部材(ペーストやフィルム)は配線層8と検査用バンプ10との間の導通を図るようにしている。このように構成された半導体検査装置6は、ホルダ7を降下させ検査用バンプ10と半導体装置の電極とを突き合わせるようにすれば、検査信号は配線層8から異方性導電性ゴム9または異方性導電部材(ペーストやフィルム)と、検査用バンプ10を介して半導体装置側へと伝わり、当該半導体装置の検査を行えるようになっている。なお半導体装置における電極の高さのばらつきや検査用バンプ10の高さのばらつきが生じても、異方性導電性ゴム9または異方性導電部材(ペーストやフィルム)の弾性変形によりこれらばらつきを吸収し、電極と検査用バンプ10との間の電気的導通を確保できるようになっている。
【0005】
図10は、従来における第3の半導体検査装置の接触子の外観を示す説明図である。同図に示すような半導体検査装置12にはクランク状の曲げ部13が形成された接触子14が設けられている。そして曲げ部13の弾性力を利用して、接触子14の先端を半導体装置15の電極16に接触させ、電気的導通を図るようにしている。なお同図に示すような接触子14は、半導体装置の製造などで用いられているワイヤボンディングによって形成するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上述したいずれの半導体検査装置においても、下記に示すような問題点があった。
すなわち第1の半導体検査装置に示すようなピンコンタクト方式では、コンタクトピンの配置や配置数に制限があり、半導体ウェハに多数形成された半導体装置に対し同時にコンタクトすることができないという問題点があった。またピンを用いての接触のため、制作費もピン数に比例して高騰するという問題点もあった。
【0007】
また第2の半導体検査装置に示すような異方性導電性ゴムを用いた方式では、第1の半導体検査装置に比べ、半導体装置の複数の電極と接触が容易であるものの、配線層や弾性層を形成しなくてはならず、また導電性ゴムを介して配線層と検査用バンプとを貼り合わせなくてはならないため、検査装置自体の製作が複雑で高価であるという問題点があった。
【0008】
そして第3の検査装置においては、接触子に曲げ部を設けるようにしているため、接触子のピッチを狭めていくと当該接触子同士が干渉するおそれがある。このため検査対象となる電極が増加すると接触子が当てられない電極が生じる問題点があった。
【0009】
本発明は、上記従来の問題点に着目し、検査用の電極が増加しても容易に対応することができ、また製作も容易であり、さらに隣接する電極の高低が大きくても、この高低差を吸収することができる半導体検査装置の製造方法および半導体検査装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、半導体装置の表面に形成された電極と、配線層との間の電気的経路を、前記電極に接触する剛体と、その後部に位置する弾性体とで構成すれば、前記電極への接触に対する耐摩耗性は前記剛体で確保し、隣接する電極の高さ方向のばらつきは前記弾性体によって吸収することができるという知見に基づいてなされたものである。
【0011】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体装置の表面に形成された電極にバンプを接触させ、前記半導体装置の電気的検査をなす半導体検査装置の製造方法であって、前記半導体装置への押し付けをなすベース基板にスルーホールと、前記ベース基板の上層側に検査用信号の伝達をなす配線層を形成し、前記スルーホール内に導電部材からなる弾性体を形成した後、この弾性体に前記ベース基板の下層側より突出するよう導電性接着剤を介して金属片を搭載し前記バンプを形成したことを特徴とする半導体検査装置の製造方法に関係する。
【0012】
そして前記スルーホール内にスキージによって導電ゴム部材を充填させた後、前記導電ゴム部材を硬化させ、これを前記弾性体としたり、あるいはバネ部材の曲げ加工によって前記弾性体を形成するようにしてもよい。
【0013】
さらにバンプにおいては、前記弾性体の表面にスキージによって導電ペーストを付着させた後、当該導電ペーストを硬化させ、これを前記バンプとしたり、前記弾性体の表面にディスペンサによって導電ペーストを付着させた後、当該導電ペーストを硬化させ、これを前記バンプとしたり、また前記弾性体の表面に導電性接着剤を介して金属片を搭載し、これを前記バンプとしたり、あるいは前記弾性体をメッキ液に浸漬させ、前記弾性体の表面に形成されるメッキ層を前記バンプとしてもよい。
【0014】
また、本発明に係る半導体装置は、半導体装置の表面に形成された電極に接触し、前記半導体装置の電気的検査をなす半導体検査装置であって、前記電極の位置に対応するようスルーホールが形成されたベース基板と、前記スルーホール内に充填され導電部材からなる弾性体と、当該弾性体に導電性接着剤を介して接続され前記スルーホールの開口部より突出する金属片からなるバンプと、当該バンプが突出する反対側の前記ベース基板の表面に形成され前記弾性体に検査用信号の伝達をなす配線層を有したことを特徴とする半導体検査装置に関係する。
また、半導体検査装置の前記金属片からなるバンプを前記半導体装置の表面に形成された電極に接続して前記半導体装置を検査することに関係する。
【0015】
このように半導体検査装置の製造方法および半導体検査装置を構成すれば、ベース基板を半導体装置に接触させようとする際、前記半導体装置の電極の間に高さのばらつきがあったり、あるいはバンプの間に高さのばらつきがあっても、スルーホール内にある弾性体が変形することでこれら寸法のばらつきを吸収し、全ての電極とバンプとを密着させることができ、電気的導通を図ることが可能になる。また高さ方向のばらつきを弾性体で吸収することができるので、バンプの硬度を向上させることができ、前記バンプの耐摩耗性を向上させることが可能になる。
【0016】
なお弾性体を導電ゴム部材で形成すれば、スキージにてスルーホール内に導電ゴム部材を収めることができ、前記導電ゴム部材の量や硬度を変更することで弾性体の特性を変更することが可能になる。また弾性体をバネ部材の曲げ加工によって形成すれば、バネ定数の設定を容易に変更させることができ、半導体装置の電極の高さ方向のばらつき度合いなどに対応させることができる。
【0017】
またこれら弾性体は、個々のバンプに対して変形するので、半導体装置における隣接する電極の高さが大きく異なっていても、この寸法差に何ら影響されることもなく、バンプを前記電極に接触させることが可能になる。
【0018】
なおバンプの形成にスキージを用いれば、マスクの厚さによって導電ペーストの量を調整することができ、バンプの高さを容易に設定することができる。そしてバンプの形成にディスペンサを用いれば、バンプを形成する場所を容易に変更することができる。またバンプに例えば金属球に代表される金属片を用いれば、十分な硬度が得られるので、耐摩耗性に優れたバンプを構成することができる。さらにバンプをメッキ層で構成すれば、メッキ液への浸漬時間の管理によって当該バンプの高さを容易に設定することが可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る半導体検査装置の製造方法および半導体検査装置に好適な具体的実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る半導体計測装置の断面構造図である。同図に示すように、本実施の形態に係る半導体検査装置20は、ベース基板22を基材としており、当該ベース基板22の両面に種々の部材が形成された形態となっている。
【0020】
前記ベース基板22は、半導体ウェハ25の基材として使用されるシリコンやガラスあるいはセラミックといった熱膨張係数が比較的半導体ウェハに近い(あるいは同一)材料で構成されている。これは半導体装置21と本検査装置20の熱膨張係数の違いから接点が離反するのを防止する為であり、これにより半導体装置21の電気的検査を高温環境下で行う際(ウェハバーイン)でも接点間の確実な電気的導通を可能にしている。なお本実施の形態で用いられるベース基板22は、半導体装置21の材質と同様の単結晶シリコンからなり、その大きさは、半導体ウェハ25に形成された複数の半導体装置21に相当するだけの大きさに設定される。そして半導体検査装置20を半導体ウェハ25に押し当てることで、複数の半導体装置について一斉に検査を行えるようにしている(図2を参照)。
【0021】
また本実施の形態では、ベース基板22の材料にシリコンやガラス、あるいはセラミックなどを用いたが、この形態に限定されることもなく、例えば、ベース基板22の材料に汎用性の高いガラスエポキシ樹脂などを適用してもよい。当該ガラスエポキシ樹脂は、基板の材料として多く用いられているので汎用の製造工程が適用でき、容易にベース基板22の表面に配線層28を形成することができる。
【0022】
ところでベース基板22の表面には、半導体装置21の電極24の位置に対応するように複数のスルーホール26が形成されており、さらに当該スルーホール26の内壁面およびベース基板22における上表面には、図示しない絶縁膜が形成されており、後述する配線層等とベース基板22とが短絡するのを防止するようにしている。
【0023】
ベース基板22の上表面には、前記スルーホール26を塞ぐように配線層28が形成される。そして当該配線層28は、その一端側が前記スルーホール26へと差し掛かっており、他方端部側はベース基板22の端部側へと延長され図示しないコネクタを介して外部機器へと接続されている。
【0024】
さらにベース基板22の上表面には、当該ベース基板22の保持をなすためのガイド板30が取り付けられており、ベース基板22を半導体装置21に接離させたり、あるいは前記接離の際に、前記ベース基板22にたわみが生じるのを防止するようにしている。
【0025】
スルーホール26の内側には弾性体となる導電ゴム部材32が設けられている。当該導電ゴム部材32は、導電部材となる銀が混入されたゴム部材(例えばシリコンゴム等)からなり、配線層28との間で導通性を保つとともに、外力によって変形が可能になっている。
【0026】
また導電ゴム部材32の表面には、バンプ34が形成されている。当該バンプ34は、導電部材となる銀が混入されたペーストを固形化したものであり、スルーホール26の内部よりベース基板22の下面側より突出するだけの高さに設定されている。
【0027】
このような半導体検査装置20を用いて半導体ウェハ25に複数形成された半導体装置21に検査を行う手順を説明する。
図2は、半導体検査装置が取り付けられた昇降可能なガイド板と、当該ガイド板の下方に設置される半導体ウェハとの位置関係を示す状態図であり、図3は、半導体検査装置のバンプを半導体装置の電極に接触させた際の要部拡大図である。これらの図に示すように、半導体装置21の検査を行う際には、まず半導体ウェハ25をガイド板30の下方に設置されたXYテーブル(図示せず)に搭載する。そしてXYテーブル上に半導体ウェハ25を搭載させた後は、前記XYテーブルを動かし、検査対象となる半導体装置21の電極24と、半導体検査装置20のバンプ34との位置合わせを行う。このように電極24とバンプ34の水平方向の位置決めが終了した後は、ガイド板30を稼働させ、半導体検査装置20を下降させる。
【0028】
ところで図3(1)に示すように、半導体装置21の電極24は、当該電極24の間で高さ方向にばらつきが生じる場合がある(図中寸法Aを参照)。このため半導体検査装置20をそのまま下降させても、これら高さ方向のばらつきによって電極24とバンプ34とが接触しないおそれがあるが、同図(2)に示すように、本半導体検査装置20にはスルーホール26の内部に導電ゴム部材32が設けられている。このため一定の負荷で半導体検査装置20を半導体ウェハ25に押し付けると、既に電極24とバンプ34とが密着している箇所の導電ゴム部材32が変形し、この変形によって未接触の電極24とバンプ34とが接触する。このようにスルーホール26の内部に導電ゴム部材32を設け、当該導電ゴム部材32の変形によって電極24およびバンプ34の高さ方向の段差を吸収するようにすれば、高さ方向の異なる複数の電極24が存在しても確実に両者の電気的導通を図ることができる。そして高さ方向の吸収は全て導電ゴム部材32によって行われるので、バンプ34においては一定以上の硬度をもたせ、耐摩耗性を向上させることが可能になる。このため半導体検査装置20の長寿命化を図ることが可能になる。
【0029】
なお半導体検査装置20の半導体ウェハ25に対する押付力は、検査対象となる全ての電極24に対しバンプ34が、前記電極24の酸化膜を破るよう接触し、半導体装置21の電気的特性を検査するのに必要な接触抵抗値が少なくとも得られるように設定すればよい。また半導体チップに負荷をかけるだけの場合は、所望の負荷がかかる程度の接触抵抗であればあえて酸化膜を破る必要はない(バンプの材料や接触状態によって接触抵抗の値は変わるが、銀が配合された導電ペーストの場合は1Ω以下である)。
【0030】
なお検査時における環境は、不良を検出し易くする目的から高温(100℃)の環境下で行われる場合があるが、前述の通りベース基板22は、半導体ウェハ25と同材料で構成されているので、熱膨張率が同じになり電極24間ピッチとバンプ34間ピッチとが変動することがない。このため常温や高温下の環境においても電極24とバンプ34とは確実に接触することができ、電気的導通を図ることができる。
【0031】
このように電極24とバンプ34との電気的導通を行った後は、前記バンプ34に流れる電流の度合いをコネクタを介した外部機器で検知して、規定範囲外の電流値を示すようであれば、異常を示すバンプ34を含む半導体装置21を不良品とみなして、外部機器側にて記録させておけばよく、そして検査が終了した後は、ガイド板30を上昇させて、半導体ウェハ25から半導体検査装置20を離反させるとともにXYステージを移動させ新たな半導体装置21について検査を行うようにしていけばよい。
【0032】
ここで上述した半導体検査装置20の製造方法を以下に説明する。
図4は、本実施の形態に係る半導体検査装置の製造過程を示した製造工程図である。同図(1)に示すように、本実施の形態にかかる半導体検査装置20は、半導体ウェハ25と同材質となる単結晶シリコンからなるベース基板22を基材としている。そしてベース基板22の片側表面にスルーホール26を覆うように配線層28をCVDやエッチング等を用いて形成する。
【0033】
そしてベース基板22の片側表面に配線層28を形成した後は、同図(2)に示すように前記ベース基板22における配線層28の反対面側から、ペースト状の導電ゴム部材32を非金属性からなるスキージ36(ベース基板22への損傷防止)によってスルーホール26へと埋め込む。このようにスルーホール26に導電ゴム部材32を埋め込んだ後、この導電ゴム部材32に加熱を行い、ペースト内から揮発成分を除去すれば、導電ゴム部材32は弾性を有した形態でスルーホール26内に保持される。なお導電ゴム部材32と配線層28とは電気的導通が図られているのはいうまでもない。
【0034】
このようにスルーホール26内に導電ゴム部材32を形成した後は、同図(3)に示すように、スルーホール26の位置に対応するマスク38をベース基板22に取り付けるとともに、前記ベース基板22の表面から銀が混入された導電性ペースト40をスキージ41によってマスク38へと埋め込む。
【0035】
そしてマスク38内に導電性ペースト40を埋め込んだ後は、前記マスク38をベース基板22より離反させ、前記導電性ペースト40を前記ベース基板22側に残留させるとともに、その後前記導電性ペースト40を加熱し、揮発成分を除去する。このように導電性ペースト40への加熱を行うことで同図(4)に示すように当該導電性ペースト40は硬化し、ベース基板22の表面から突出するバンプ34となる。
【0036】
図5は、バンプを形成するための他の手段を示す説明図である。
図4では、バンプ34の形成にスキージ36とマスク38を用いることとしたが、同図(1)においては、スキージ36およびマスク38の代わりにディスペンサ42を用いて、導電性ペースト40を導電ゴム部材32の表面に盛るようにした。このようにディスペンサ42による導電性ペースト40の供給にてバンプ34を形成すれば、スルーホール26の位置が変更になってもディスペンサ42の位置を変更するだけで容易に対処することができる。
【0037】
また同図(2)においては、スキージ36およびマスク38の代わりに金属片となる金属球44を用いた例である。このように金属球44を用いれば、耐摩耗性に一層優れたバンプ34を形成することが可能になる。
【0038】
さらに同図(3)に示すようにスキージ36およびマスク38の代わりに、ベース基板22をメッキ層46の中に浸漬させ、電荷を加えることで、バンプ34をメッキによるメタルバンプ48によって形成するようにしてもよい。このようにメッキによるメタルバンプ48によってバンプ34を形成すれば、種々の金属をバンプ34として形成することが可能になるとともに、浸漬時間の管理により、メッキによるメタルバンプ48の厚み(すなわちバンプ34の高さ)を正確に設定することができる。
【0039】
ところで本実施の形態では、弾性体として導電ゴム部材32を用いるようにしたが、この形態に限定されることもなく、他の部材を適用し、これを弾性体としてもよい。
【0040】
図6は、弾性体にメタル線を用いた他の形態を示す説明図である。
同図に示すようにメタル線となるタングステンワイヤ50をV字状に屈曲させ、これをスルーホール26内に固定させる。そしてタングステンワイヤ50の一端側を配線層28に固定し、他方側をスルーホール26の開口側に向ければ、タングステンワイヤ50の端部と配線層28との電気的導通を図ることが可能になるとともに、タングステンワイヤ50の屈曲によって弾性を得ることができる。またタングステンワイヤ50の形状はV字状に限定されることもなく、例えばU字やS字、あるいはスパイラル形状に代表されるように他の形態であってもよい。
【0041】
図7は、弾性体にメタル線を用いた半導体検査装置の製造工程を示す説明図である。なお同半導体検査装置は、弾性体に導電ゴム部材を用いた検査装置と弾性体だけが異なっているので、同一の部材については同一の番号を付与し、その説明を行うものとする。
【0042】
同図(1)に示すように、スルーホール26内にタングステンワイヤ50を設置した後は、ベース基板22の表面にマスク38をかぶせ、当該マスク38の表面から銀が混入された導電性ペースト40をスキージ42によってマスク38へと埋め込む。
【0043】
そしてマスク38内に導電性ペースト40を埋め込んだ後は、前記マスク38をベース基板22より離反させ、前記導電性ペースト40を前記ベース基板22側に残留させるとともに、その後前記導電性ペースト40を加熱し、揮発成分を除去する。このように導電性ペースト40への加熱を行うことで同図(2)に示すように当該導電性ペースト40は硬化し、タングステンワイヤ50の先端にベース基板22の表面から突出するバンプ34を形成することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、半導体装置の表面に形成された電極にバンプを接触させ、前記半導体装置の電気的検査をなす半導体検査装置の製造方法であって、前記半導体装置への押し付けをなすベース基板にスルーホールと、前記ベース基板の上層側に検査用信号の伝達をなす配線層を形成し、前記スルーホール内に導電部材からなる弾性体を形成した後、この弾性体に前記ベース基板の下層側より突出するよう前記バンプを形成したり、
半導体装置の表面に形成された電極に接触し、前記半導体装置の電気的検査をなす半導体検査装置であって、前記電極の位置に対応するようスルーホールが形成されたベース基板と、前記スルーホール内に充填され導電部材からなる弾性体と、当該弾性体に接続され前記スルーホールの開口部より突出するバンプと、当該バンプが突出する反対側の前記ベース基板の表面に形成され前記弾性体に検査用信号の伝達をなす配線層を有したことから、検査用の電極が増加しても容易に対応することができ、さらに製作も容易におこなうことができる。
【0045】
またバンプと弾性体を一対の組み合わせとしたので、隣接する電極の高さ方向のばらつきが大きくなっても、このばらつきに左右されず個々の弾性体で高さ方向のばらつきを吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る半導体計測装置の断面構造図である。
【図2】半導体検査装置が取り付けられた昇降可能なガイド板と、当該ガイド板の下方に設置される半導体ウェハとの位置関係を示す状態図である。
【図3】半導体検査装置のバンプを半導体装置の電極に接触させた際の要部拡大図である。
【図4】本実施の形態に係る半導体検査装置の製造過程を示した製造工程図である。
【図5】バンプを形成するための他の手段を示す説明図である。
【図6】弾性体にメタル線を用いた他の形態を示す説明図である。
【図7】弾性体にメタル線を用いた半導体検査装置の製造工程を示す説明図である。
【図8】従来における第1の半導体検査装置の構造を示す説明図である。
【図9】従来における第2の半導体検査装置の構造を示す断面図である。
【図10】従来における第3の半導体検査装置の接触子の外観を示す説明図である。
【符号の説明】
1………半導体検査装置
2………ホルダ
3………コンタクトピン
4………半導体装置
5………電極
6………半導体検査装置
7………ベース基板
8………配線層
9………異方性導電性ゴム
10………検査用バンプ
11………絶縁フィルム
12………半導体検査装置
13………曲げ部
14………接触子
15………半導体装置
16………電極
20………半導体検査装置
21………半導体装置
22………ベース基板
24………電極
25………半導体ウェハ
26………スルーホール
28………配線層
30………ガイド板
32………導電ゴム部材
34………バンプ
36………スキージ
38………マスク
40………導電性ペースト
41………スキージ
42………ディスペンサ
44………金属球
46………メッキ層
48………メッキによるメタルバンプ
50………タングステンワイヤ
Claims (9)
- 半導体装置の表面に形成された電極にバンプを接触させ、前記半導体装置の電気的検査をなす半導体検査装置の製造方法であって、前記半導体装置への押し付けをなすベース基板にスルーホールと、前記ベース基板の上層側に検査用信号の伝達をなす配線層を形成し、前記スルーホール内に導電部材からなる弾性体を形成した後、この弾性体に前記ベース基板の下層側より突出するよう導電性接着剤を介して金属片を搭載し前記バンプを形成したことを特徴とする半導体検査装置の製造方法。
- 前記スルーホール内にスキージによって導電ゴム部材を充填させた後、前記導電ゴム部材を硬化させ、これを前記弾性体としたことを特徴とする請求項1に記載の半導体検査装置の製造方法。
- バネ部材の曲げ加工によって前記弾性体を形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体検査装置の製造方法。
- 半導体装置の表面に形成された電極に接触し、前記半導体装置の電気的検査をなす半導体検査装置であって、前記電極の位置に対応するようスルーホールが形成されたベース基板と、前記スルーホール内に充填され導電部材からなる弾性体と、当該弾性体に導電性接着剤を介して搭載され前記スルーホールの開口部より突出する金属片からなるバンプと、当該バンプが突出する反対側の前記ベース基板の表面に形成され前記弾性体に検査用信号の伝達をなす配線層を有したことを特徴とする半導体検査装置。
- 前記弾性体は、導電ゴム部材からなることを特徴とする請求項4に記載の半導体検査装置。
- 前記弾性体は、バネ部材からなることを特徴とする請求項4に記載の半導体検査装置。
- 半導体装置の表面に形成された電極に接触し、前記半導体装置の電気的検査をなす半導体装置の検査方法であって、
前記電極の位置に対応するようスルーホールが形成されたベース基板と、前記スルーホール内に充填され導電部材からなる弾性体と、当該弾性体に導電性接着剤を介して搭載され前記スルーホールの開口部より突出する金属片からなるバンプと、当該バンプが突出する反対側の前記ベース基板の表面に形成され前記弾性体に検査用信号の伝達をなす配線層とを有する半導体検査装置の前記金属片からなるバンプを前記半導体装置の表面に形成された電極に接続したことを特徴とする半導体装置の検査方法。 - 前記弾性体は、導電ゴム部材からなることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の検査方法。
- 前記弾性体は、バネ部材からなることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の検査方法。
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