JP3596319B2 - スイング引き戸 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイング引き戸に関し、具体的には、上下レールに沿って走行する引き戸をスイング自在としたスイング引き戸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から上下レールを走行する引き戸を上下レールの端部においてスイング自在としたスイング引き戸が知られている。
【0003】
この従来のスイング引き戸においては、引き戸の一端部の上下に上下レールに走行自在な主走行具を設けると共に引き戸の他端部の上下に上下レールに走行自在な副走行具を設け、副走行具の上下レールへのはめ込み深さを浅くし、上下レールの端部付近の前面部に切欠部を設け、主走行具は該切欠部分から外に飛び出すことなく上下レールを走行自在とし、副走行具は切欠部において上下レールに出入り自在とし、副走行具を切欠部で外部に飛び出させることで、上下レールにはめ込まれた主走行具部分を回転中心として引き戸をスイングさせるものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この従来例にあっては、上下レールに副走行具が外部に飛び出すための切欠部を設けるため外観が悪くなるという問題がある上に、副走行具が切欠部から出た状態で上下レールにはめ込まれた主走行具部分を回転中心として引き戸をスイングさせる際、上下の主走行具が横方向にずれて引き戸が傾いて、走行が重くなり、スムーズなスイングができにくいという問題がある。また、上下レールの前面に切欠部を設けて副走行具を飛び出させるものにおいては、上下レールを2条以上設ける場合には構造が複雑になるという問題がある。
【0005】
そこで、上下レールの長手方向の端部に各々主走行具のピニオンが噛み合う上下ラックを一対設けることが考えられたが、このように上下ラックを設けた場合でも、上下レールの取付位置がずれたりすると、無理に同調回転しようとするために、結果として、ギアがかみ合わず、引き戸が傾いたり、走行が重くなったりして、依然としてスムーズなスイングができにくいものであった。
【0006】
本発明は、上記の従来例の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、引き戸が傾くことなく、同引き戸をスムーズにスイングさせることができるスイング引き戸を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るスイング引き戸は、上段上レールと下段上レールとからなる二段構造に形成された上レールと、上段上レールに走行自在に配置したピニオンを有する吊元側走行具と下段上レールに走行自在に配置した戸先側走行具とで上レールに取り付けられる引き戸とを備え、前記上段上レールの端部にはピニオンが噛み合うラックが設けられ、また、前記戸先側走行具は引き戸に対して上下進退自在に設けられるとともに、前記下段上レールには戸先側走行具の径より大きい切欠開口が設けられ、当該切欠開口は吊元側走行具のピニオンをラックに噛み合わせたときに戸先側走行具を当該切欠開口から抜くことができる位置に設けられることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態を示し、(a)はスイング引き戸の吊元側を、(b)はスイング引き戸の戸先側を、(c)はスイング引き戸の上レール部分の側面概略を、(d)はスイング引き戸の上レール部分の下面概略をそれぞれ示した透視図である。図2は、本発明の一実施形態を示し、(a)はスイング引き戸のラック付近における上レール部分の側面概略を、(b)はスイング引き戸のラック部分の下面概略をそれぞれ示した透視図である。図3は、本発明の一実施形態を示し、(a)は全閉状態の一部切欠概略平面図であり、(b)は同上の一部切欠概略正面図である。図4は、同上のラックにピニオンが噛合した状態で引き戸を回動した状態を示す断面図である。図5は、同上の補助走行具を上下のレールから引き抜いた状態を示す説明図である。図6は、同上の第1の引き戸を回動して開いた状態を示し、(a)は一部省略平面図であり、(b)は一部省略正面図である。図7は、同上の引き戸を回動して全開した状態を示す平面図である。図8は、同上のばね材の取付け部分を示す断面図である。図9は、同上の上下レールをそれぞれ本体レール部と、これとは別体のラック付きの端部レール部とで構成した例を示す説明図である。図10は、本発明の他の実施形態の断面図である。
【0011】
本発明のスイング引き戸は、図1および図2に示すごとく、引き戸1の上レール2を上段上レール2aと下段上レール2bとからなる二段構造とし、この上段上レール2aに吊元側走行具4を走行させ、上記下段上レール2bに戸先側走行具6を走行させるとともに、この戸先側走行具6の径よりも大きい切欠開口8を同下段上レール2bの一部に設けて、この切欠開口8で同戸先側走行具6を上下進退自在となして、上記引き戸1をスイング可能にして成っているものである。
【0012】
図1の(a)、(b)および図3に示すごとく、引き戸1の一端部の上下にはそれぞれ上下レール2、3に走行自在に装設される吊元側走行具4および戸先側走行具6が設けてある。
【0013】
そして、図1の(a)〜(c)および図2の(a)に示すごとく、上レール2を上段上レール2aと下段上レール2bとからなる二段構造としており、吊元側走行具4は、上段上レール2aを走行しているものであり、戸先側走行具6は、下段上レール2bを走行しているものである。なお、引き戸1としては、いわゆる折れ戸であってもかまわないものである。
【0014】
以下、引き戸1の一端部の上下に吊元側走行具4および戸先側走行具6を設けて、上下レール2、3に走行自在に装設する構成につき説明する。
【0015】
引き戸1の一端部には図4に示すように、上下が開口した筒状をした縦枠11が設けてある。この縦枠11内の下部にはガイド枠12が内装してある。ガイド枠12は一側片を引き戸1にねじ具により固着すると共にガイド枠12の下横片13を引き戸1の端部下面に当ててねじ具により固着してある。ガイド枠12には傾斜した突片14を突設し、該突片14に調節ねじ15が螺合してある。そして縦枠11の一側片に設けた窓部16からドライバのような治具を挿入して調節ねじ15を回転操作して調節ねじ15の下端部のレベルを調整することができるようにしている。
【0016】
縦枠11内の上部には上支持部17を取付けてあり、該上支持部17には挿通孔18が穿孔してある。
【0017】
ガイドブロック19には下軸20が回転は自在であるが上下方向に移動しないように貫挿してあり、下軸20の下部には吊元側走行具4および戸先側走行具6が設けてある。この吊元側走行具4および戸先側走行具6は、上記下軸20と下軸20に対して回転自在であるが上下方向には移動しない水平輪と、下軸20の水平輪の取付け部分より下方位置において下軸20に固着されたピニオン5とで構成してある。
【0018】
下軸20のガイドブロック19から上方に突出した部分にはパイプにより構成した連結部材22の下端部が固着してある。ここで、ガイドブロック19はガイド枠12に対して上下方向にスライドはできるが回転ができないようにガイド枠12内にはめ込んである。
【0019】
そして、吊元側走行具4および戸先側走行具6のピニオン5部分がそれぞれ下レール3内にはめ込まれ、水平輪が下レール3の上面に回転自在に載置してある。ここで、下レール3にはレール用開口の両側のうち片側のみが他の片側よりも高くなっていて走行面21となっている。また、調節ねじ15の下端部はガイドブロック19の上面部の当たり部19aに当接しており、このような構成とすることで、引き戸1の荷重が調節ねじ15を介してガイドブロック19に支持され、更に、水平輪部分で下レール3に支持されるようになっている。
【0020】
上支持部17に設けた挿通孔18には上軸23が上下移動自在且つ回転自在にはめ込んである。該上軸23の下端部はパイプよりなる連結部材22の上端部に上軸23の下端部を上下方向にスライドはできるが回転ができないように連結してある。したがって連結部材22と上軸23は一体となって回転するようになっている。
【0021】
上軸23の上部には吊元側走行具4および戸先側走行具6が設けてある。そして、上述のごとき上レール2を上段上レール2aと下段上レール2bとからなる二段構造としており、吊元側走行具4は、上段上レール2aを走行しているものであり、戸先側走行具6は、下段上レール2bを走行しているものである。ここで、戸先側走行具6は、上軸23と、上軸23に対して上下移動は出来ないが回転自在となった上水平ころ26と、上水平ころ26の上方において上軸23の上端部に固着されたピニオン5とで構成してある。上水平ころ26はポリアセタールのような滑性を有する合成樹脂により形成してあり、外周に凹周溝27を設けて構成してあり、該凹周溝27が上レール2の開口縁片部に回転自在にはまり込んでおり、凹周溝27の上鍔部が開口縁片部の上面部に回転自在に載置してある。また、上軸23の上端部に固着されたピニオン5は上レール2内に位置するようになっている。
【0022】
上下レール2、3の長手方向の端部には図3および図4に示すごとく、ラック7がそれぞれ上下に内装してある。図2の(a)に示すごときラック7は、上レール2の上段上レール2aに設けられていて、上下レール2、3の内部の一方の側片に沿って固着してある。そして、上記吊元側走行具4がラック7の端部に来た時、吊元側走行具4のピニオン5がラック7にまず噛合してから、回転させるものであり、上下レール2、3の取付位置がずれたりしても、一方のピニオン5でずれが吸収されて、確実にギアが噛み合うものとなって、引き戸が傾いたりすることもなくなり、結果として、走行が軽くなり、スムーズなスイングを行いやすくするものである。
【0023】
そして、この状態で更に引き戸1をラック7に沿って移動させると上下のピニオン5がそれぞれラック7に噛合しながら移動して回転することで連結部材22で連結した下軸20と上軸23とが同調して回動する(つまり上下のピニオン5が同調して回動する)ようになっている。このように上下のピニオン5が同調して回動することで、後述のように引き戸1を吊元側走行具4部分を回転中心としながら回動(つまりスイング)する際、引き戸1が傾くことなく回動動作ができるものである。
【0024】
ここで、上下レール2、3のうち少なくとも一方のレールの内部のラック7のレール端と反対側の端部付近に吊元側走行具4に弾性的に当接自在なばね材70を設けてある。図8に示す実施形態では、上下レール2、3をそれぞれ2条設け、2条のレールの中間部分に空所部71を形成してあり、この2条の各レールの一方の側壁に空所部71と連通する窓部72と係止孔72aとが設けてあり、2条の各レールの他方の側壁の内側にラック7が配設してある。そして、空所部71内には図8に示すようにヘアピン形状をした板ばねよりなるばね材70が内装してある。このばね材70は両側片75の先端部の外面側に係止部76を設けると共に係止部76近傍の内面側に当たり部77を設け、両側片75の略中間に外側方に向かって突曲したストッパ部78を設けて構成してある。そして空所部71内にばね材70を内装し、係止部76を係止孔72aに係止すると共に当たり部77同士を当接し、更に、ストッパ部78を窓部72から2条のレール内に出没自在に突出させてある。
【0025】
そして、吊元側走行具4がラック7の端部に来てピニオン5が同ラック7の端部に噛合し、この状態で引き戸1をラック7に沿って移動させるとすぐにばね材70のストッパ部78にピニオン5が弾接するので、ピニオン5によりストッパ部78を乗り越えさせ(つまりストッパ部78を窓部72側に弾性力に抗して引き込ませ)、このようにしてピニオン5がラック7の端部付近に位置するばね材70のストッパ部78を乗り越えた後、ピニオン5をラック7の任意の位置まで移動させて引き戸1を回転させてスイング回動させるものであるが、ここで、ピニオン5がばね材70のストッパ部78を乗り越えることで、以降の操作に当たってピニオン5がラック7の端部から外れる方向に滑っても、ストッパ部78に当たって、ピニオン5が不用意にラック7から外れることがなく、引き戸1のスイング回動操作が容易に行えると共に、スイング回動後においても、ピニオン5がラック7から不用意に外れる方向に滑って外れてしまうというようなことがないようにできるものである。
【0026】
ここで、図8に示す実施形態においては、一つのばね材70により2条のレール内を走行する吊元側走行具4のピニオン5のストッパを兼用でき、しかも、この2条のレール間の空所部71にばね材70を収納することで、簡単な構造でコンパクトにばね材70を収めることができることになる。また、空所部71にばね材70を収納することで、ばね材70の上下レール2、3への取付け部及びばね材の大部分がレール内に露出しないようにできて、レール内の掃除やピニオン5の走行に当たってばね材70の取付け部等が邪魔にならないものである。
【0027】
なお、添付図面に示す実施形態では上下レール2、3にそれぞればね材70を設けた例を示したが、上下レール2、3のいずれか一方にのみばね材70を設けたものであってもよいものである。
【0028】
また、引き戸1の他端部には図5に示すように、上下が開口した筒状をした縦枠30が設けてある。この縦枠30内の下部にはガイド枠31が内装してある。ガイド枠31にはガイド部材32が上下移動自在にはめ込んであり、ガイド部材32に下軸体33を貫挿して取付けて、この下軸体33の下端部よりもやや上方位置に水平ころ34が下軸体33に対して上下移動はできないが回転自在に取付けてある。そして、下軸体33の下端部が下ガイド35となっており、この下ガイド35と水平ころ34と下軸体33とで下側の戸先側走行具6を構成してある。下軸体33の上部には下連結軸36の下端部が連結してある。
【0029】
引き戸1のガイド枠31内の上部には上支持片37を配設して引き戸1に固着してあり、該上支持片37に設けた挿通孔38に上軸体39が上下移動自在に挿通してあり、上軸体38の上端部には上ガイド40が設けてあって上側の戸先側走行具6が構成してある。上軸体38の下端部には上連結軸41の上端部が取付けてある。
【0030】
枠体30内の略中央部には中央ガイド筒42が配設してあって引き戸1に固着してある。この中央ガイド筒42の一側片には枠体30に設けた孔43と連通する孔44が設けてあり、中央ガイド筒42の上記孔44を設けた側片と対向する他の側片には孔45が設けてあり、引き戸1に該孔45に連通する溝部46が設けてある。中央ガイド筒42の略中央部には横移動体47が横方向に移動自在に配置してある。ここで中央ガイド筒42の略中央部には2本の横軸61が架設してあり、横移動体47に設けた横長孔48に上記2本の横軸61が挿入してあり、該2本の横軸43をガイドとして横長孔48部分で横移動体47が横方向に移動自在となっている。横移動体47には摘み部49が設けてあり、この摘み部49は中央ガイド筒42、枠体30に設けた孔44、43から枠体30外に出没自在となっている。また、横移動体47には下縦長孔47aと上縦長孔47bとが設けてある。
【0031】
また、中央ガイド筒42内の上部と下部とには上下移動自在に下移動ブロック50と上移動ブロック51とが内装してある。下移動ブロック50の下部には下連結軸36の上端部が連結してある。また、上移動ブロック51の上部には上連結軸41の下端部が連結してある。下移動ブロック50、上移動ブロック51にはそれぞれ軸50a、51aが設けてある。
【0032】
2本の横軸61のうち一方の横軸61には2個の第1リンク52の一端部が回動自在に軸支してあり、上記2本の第1リンク52のうち一方の第1リンク52の他端部は下縦長孔47aに上下移動自在にはめ込んだ軸53に回動自在に軸支してあり、更に、この軸53には一方の第2リンク54の一端部が回動自在に軸支してあり、更に、この一方の第2リンク54の下移動ブロック50の軸50aに回動自在に軸支してある。
【0033】
また、上記2本の第1リンク52のうち他方の第1リンク52の他端部は上縦長孔47bに上下移動自在にはめ込んだ軸55に回動自在に軸支してあり、更に、この軸56には他方の第2リンク54の一端部が回動自在に軸支してあり、更に、この他方の第2リンク54の他端部が上移動ブロック51の軸51aに回動自在に軸支してある。
【0034】
そして、図5の実線で示す状態が下移動ブロック50、上移動ブロック51が互いに近付く方向に移動しており、この状態が下側の戸先側走行具6aが上方に引き上げられると共に上側の戸先側走行具6bが下方に引き下げられた状態であり、この状態では下側の戸先側走行具6aの荷重により下の第2リンク54により横移動体47を矢印イ方向に移動しようとする力が作用するが、この際、上側の戸先側走行具6bの荷重が上の第2リンク54により横移動体47を図5の矢印ロ方向に移動しようとする力が作用し、上記イ方向とロ方向との力がほぼ釣り合って横移動体47が図3の実線の状態を保持するようになっている。
【0035】
この状態で、摘み部49を押して横移動体47を図5の矢印イ方向に移動すると、下移動ブロック50、上移動ブロック51が互いに離れる方向に移動し、上下の第1リンク52と上下の第2リンク54とが垂直方向に一直線状となった状態を越えて図5の破線のようになり、上の第1リンク52の上端部と上の第2リンクの下端部とが中央ガイド筒42の側片に当接することで上側の戸先側走行具6の突出状態を保持するようになっている。
【0036】
なお、上下の第1リンク52と上下の第2リンク54とが垂直方向に一直線状となった状態が下側の戸先側走行具6aと上側の戸先側走行具6bの最も引き戸1の上下からの突出長さが長い状態である。ここで、図5の実線の状態では下側の戸先側走行具6aの下ガイド35が下レール3から上方に抜け且つ上側の戸先側走行具6bの上ガイド40が上レール2から下方に抜け、また、図5の破線の状態では下側の戸先側走行具6aの下ガイド35が下レール3にはまり込み且つ上側の戸先側走行具6bの上ガイド40が上レール2にはまり込むものである。
【0037】
そして、破線の状態のように下側の戸先側走行具6aの下ガイド35が下レール3にはまり込んだ状態では水平ころ34が下レール3に回転自在に載置されて、下側の戸先側走行具6aの荷重が下レール3により支持されるので、下側の戸先側走行具6aの荷重により図5の破線の状態において横移動体47を矢印ロ方向に移動しようとする力が作用せず、このため横移動体47の図5の破線の状態を保持するようになっている。図5の破線の状態で、摘み部49を引っ張ることで、図5の実線の状態にすることができるものである。
【0038】
しかして、上記引き戸1を一端部の上下に設けた吊元側走行具4をそれぞれ上下レール2、3に走行自在に装設し、また、引き戸1の他端部の上下から戸先側走行具6を突出させて該戸先側走行具6を上下レール2、3に走行自在にはめ込むものであり、この状態が引き戸1を上下レール2、3に沿ってスライド自在に取付けた状態である。
【0039】
この場合、一方の端部に位置する引き戸1の上下の吊元側走行具4に設けたピニオン5は上下レール2、3の一方の端部に位置するラック7に噛合している。
【0040】
そして、引き戸1を回動(スイング)して開く場合には、まず、図3において第1の引き戸1aの横移動体47の摘み部49を操作して上下の戸先側走行具6を上下レール2、3から外し、この状態で上下の吊元側走行具4部分を回動中心として第1の引き戸1aを図6に示すように回動する(上下レール2、3に対して略90°回動する)ものである。次に、第2の引き戸1bをラック7側に移動し、第2の引き戸1bの上下のピニオン5をラック7に噛み合わせた状態でラック7の任意の位置まで移動し、この位置で、第2の引き戸1bの戸先側走行具6を上下レール2、3から外し、第2の引き戸1を上下の吊元側走行具4部分を回動中心として第2の引き戸1bを回動する。同様にして第3の引き戸1cもラック7側に移動し、第3の引き戸1cの上下のピニオン5をラック7に噛み合わせた状態でラック7の任意の位置まで移動し、この位置で、第3の引き戸1cの戸先側走行具6を上下レール2、3から外し、第3の引き戸1cを上下の吊元側走行具4部分を回動中心として第3の引き戸1cを回動する。
【0041】
特に、本発明では、図1および図2に示すごとく、この戸先側走行具6の径よりも大きい切欠開口8を同下段上レール2bの一部に設けているので、この切欠開口8で同戸先側走行具6を上下進退自在となして、戸先側走行具6を上レール2から外しやすいものであり、そして、引き戸1をスイング可能にして成っているものである。
【0042】
このようにして引き戸1を次々と回動して開くのであるが、この場合、戸先側走行具6を上下レール2、3から外して引き戸1を回動するに当たり、同調して回転する上下のピニオン5がラック7に噛み合っている状態で引き戸1を回動するので、引き戸1が傾くのを防止した状態で正確に回動させることができることになる。
【0043】
添付図面に示す実施形態においては、上下レール2、3を2条並設した例が示してあり、1列目の複数枚の引き戸1を上記のようにラック7部分で回動して開き、更に、同様にして2列目の引き戸1を上記のようにしてラック7部分で回動して開くものである。図7には第1列目の複数枚の引き戸1、第2列目の複数枚の引き戸1をぞれぞれラック7部分で回動して全開にした状態を示している。
【0044】
上記のように上下レール2、3を2条並設した場合、例えば、図3(a)のように2条並設した上下レール2、3にそれぞれ引き戸1を配置することで、引き違い戸のようにできるものである。
【0045】
上記実施形態においては上下レール2、3を2条設けた例を示したが、上下レール2、3を3条以上設けてもよいものである。もちろん上下レール2、3を1条だけ設けたものであってもよいものである。
【0046】
ところで、上下レール2、3にラック7を設ける位置は上下レール2、3の長手方向の一端部又は両端部に設けるものである。この場合、例えば、上下レール2、3を2条設けた場合、1条目の上下レール2、3には長手方向の一端部側にラック7を設け、2条目の上下レール2、3には長手方向の他端部側にラック7を設けて1条目の上下レール2、3を走行する引き戸1と2条目の上下レール2、3を走行する引き戸1とを上下レール2、3の長手方向の両側に別けて回動して開くことができるようにしてもよい。
【0047】
なお、上下レール2、3の全長にラック7を設けて上下のピニオン5を噛合させることも考えられるが、この場合、引き戸1を回動させない箇所においても、ラック7とピニオン5とが噛み合うことで、引き戸1を上下レール2、3に沿って移動させる場合には移動がスムーズにしにくいという問題がある。しかしながら、本発明は引き戸1を回動する上下レール2、3の端部にのみにラック7を設け、それ以外の部分にはラック7を設けないので、回動箇所以外の部分、つまり、引き戸1を上下レール2、3に沿って走行させる箇所においては、ラック7とピニオン5との噛合がなくてスムーズに引き戸1が走行できるのである。
【0048】
図9には上下レール2、3の他の実施形態が示してある。この実施形態においては、上下レール2、3をぞれぞれ本体レール部10と、これとは別体のラック7付きの端部レール部9とで構成した例を示している。そして、上下レール2、3の施工に当たっては、まず、ラック7の付いていない本体レール部10を床、天井にそれぞれ施工し、該床、天井に施工した本体レール部10の端部の開口から引き戸1の吊元側走行具4を上下レール2、3にはめ込み、その後、本体レール部10の端部の開口に連通するようにラック7付きの端部レール部9を天井、床に固着することで、天井、床においてそれぞれ本体レール部10とラック付きの端部レール部9とが連続して上下レール2、3を構成するものである。このようにすると、上下レール2、3内に引き戸1の吊元側走行具4を簡単にはめ込むことができるものである。なお、本体レール部10と端部レール9との突き合わせ部分の外周部には断面コ字状をした接続具90を弾性的に被嵌することで両者を接続するようになっている。断面コ字状の接続具90は両側片が上端側に行くほど内側となるように傾斜しており、このことにより両側片を拡げて本体レール部10と端部レール部9との両外面に弾接させるのである。
【0049】
図10には本発明の他の実施形態が示してある。この実施形態においては、上下レール2、3の壁部のうち一方の壁部の内面側にラック7を設け、このラック7の端部付近に対向する他方の壁部の内面に板ばねよりなるばね材70を固着具79により固着したものである。
【0050】
ところで、引き戸1の上下方向の高さ調整に当たっては、引き戸1の一端部に設けた縦枠11の窓部16からドライバのような治具を挿入して調節ねじ15を回転操作することで、ガイドブロック19を上下させることで上下レール2、3に対する引き戸1の上下高さ調整を行うものである。
【0051】
本発明は、このような構成をとることによって、引き戸1の上レール2を上段上レール2aと下段上レール2bとからなる二段構造としているために、上段上レール2aに吊元側走行具4を走行させ、下段上レール2bに戸先側走行具6を走行させるといったように走行具を分割してそれぞれのレールで走行させることができ、戸先側走行具6の径よりも大きい切欠開口8を下段上レール2bの一部に設けているので、この切欠開口8で戸先側走行具6を上下進退自在となして、同切欠開口8の位置でのみ戸先側走行具6を上レール2から外しやすいものであり、他の位置で戸先側走行具6を上レール2から誤って外すことなく、引き戸1としては吊元側走行具4部分を回動中心として傾くことなく、スムーズにスイングさせることができるものとなる。
【0052】
すなわち、本発明は、引き戸1が傾くことなく、同引き戸1をスムーズにスイングさせることができるものである。
【0053】
また、本発明のスイング引き戸は、図1の(d)に示すごとく、上記上レール2の端部にラック7が設けられており、このラック7の近傍に上記切欠開口8が設けられているものである。
【0054】
このようにラック7が設けられていることで、引き戸1を吊元側走行具4部分を回転中心としながら回動(つまりスイング)する際、引き戸1が傾くことなく回動動作が確実にできるとともに、同ラック7の近傍に切欠開口8が設けられていることで、切欠開口8にて上レール2から戸先側走行具6を外しながら、吊元側走行具4部分を回動中心としながら回動することができるものとなり、結果として、引き戸1をより一層スムーズにスイングさせることができるものとなる。
【0055】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係るスイング引き戸によると、引き戸1の上レール2を上段上レール2aと下段上レール2bとからなる二段構造としているために、上段上レール2aに吊元側走行具4を走行させ、下段上レール2bに戸先側走行具6を走行させるといったように走行具を分割してそれぞれのレールで走行させることができ、戸先側走行具6の径よりも大きい切欠開口8を下段上レール2bの一部に設けているので、この切欠開口8で戸先側走行具6を上下進退自在となして、同切欠開口8の位置でのみ戸先側走行具6を上レール2から外しやすいものであり、他の位置で戸先側走行具6を上レール2から誤って外すことなく、戸先側走行具6を上レール2から外しやすいものであり、引き戸1としては吊元側走行具4部分を回動中心として傾くことなく、スムーズにスイングさせることができるものとなる。
【0057】
更に、引き戸1を吊元側走行具4部分を回転中心としながら回動(つまりスイング)する際、引き戸1が傾くことなく回動動作が確実にできるとともに、同ラック7の近傍に切欠開口8が設けられていることで、切欠開口8にて上レール2から戸先側走行具6を外しながら、吊元側走行具4部分を回動中心としながら回動することができるものとなり、結果として、引き戸1をより一層スムーズにスイングさせることができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示し、(a)はスイング引き戸の吊元側を、(b)はスイング引き戸の戸先側を、(c)はスイング引き戸の上レール部分の側面概略を、(d)はスイング引き戸の上レール部分の下面概略をそれぞれ示した透視図である。
【図2】本発明の一実施形態を示し、(a)はスイング引き戸のラック付近における上レール部分の側面概略を、(b)はスイング引き戸のラック部分の下面概略をそれぞれ示した透視図である。
【図3】本発明の一実施形態を示し、(a)は全閉状態の一部切欠概略平面図であり、(b)は同上の一部切欠概略正面図である。
【図4】同上のラックにピニオンが噛合した状態で引き戸を回動した状態を示す断面図である。
【図5】同上の補助走行具を上下のレールから引き抜いた状態を示す説明図である。
【図6】同上の第1の引き戸を回動して開いた状態を示し、(a)は一部省略平面図であり、(b)は一部省略正面図である。
【図7】同上の引き戸を回動して全開した状態を示す平面図である。
【図8】同上のばね材の取付け部分を示す断面図である。
【図9】同上の上下レールをそれぞれ本体レール部と、これとは別体のラック付きの端部レール部とで構成した例を示す説明図である。
【図10】本発明の他の実施形態の断面図である。
【符号の説明】
1 引き戸
2 上レール
2a 上段上レール
2b 下段上レール
4 吊元側走行具
6 戸先側走行具
8 切欠開口
7 ラック
Claims (1)
- 上段上レールと下段上レールとからなる二段構造に形成された上レールと、上段上レールに走行自在に配置したピニオンを有する吊元側走行具と下段上レールに走行自在に配置した戸先側走行具とで上レールに取り付けられる引き戸とを備え、
前記上段上レールの端部にはピニオンが噛み合うラックが設けられ、また、前記戸先側走行具は引き戸に対して上下進退自在に設けられるとともに、前記下段上レールには戸先側走行具の径より大きい切欠開口が設けられ、当該切欠開口は吊元側走行具のピニオンをラックに噛み合わせたときに戸先側走行具を当該切欠開口から抜くことができる位置に設けられることを特徴とするスイング引き戸。
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ID=18473296
Family Applications (1)
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Country Status (1)
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JP (1) | JP3596319B2 (ja) |
-
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- 1998-12-18 JP JP36136898A patent/JP3596319B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2000179226A (ja) | 2000-06-27 |
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