JP3596228B2 - 風呂装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は風呂装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
浴槽水を風呂釜へ循環することで、浴槽温度が設定浴槽温度になるまで追い焚きを行う風呂装置が従来提供されている。また上記追い焚き運転機能を備えた風呂装置において、浴槽温度が設定浴槽温度よりも一定温度だけ低い温度、例えば設定浴槽温度よりも0.5 ℃だけ低い温度に達した時点で、風呂釜での燃焼を最大燃焼能力によるフル燃焼から燃焼能力を落としたマイルド燃焼に切り換え、その後はマイルド燃焼により浴槽温度が設定浴槽温度になるまで燃焼を行うようにした風呂装置が提供されている。
このように浴槽温度が設定浴槽温度に近づいた時点まではフル燃焼を行うと共にその後は燃焼能力をフル燃焼からマイルド燃焼に切り換えることで、追い焚きを最短時間で行うと共に、燃焼を停止した後も浴槽温度が上昇して所定の設定浴槽温度を越えてしまうといったことがないようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の風呂装置での追い焚き運転は、フル燃焼から途中でマイルド燃焼に切り換えるものの、追い焚き運転される元の浴槽水の温度がかなり低い温度であることを前提としているため、その切り換えの温度を設定浴槽温度にかなり近い値(前記、例えば0.5 ℃だけ低い温度)に設定している。しかし、追い焚き運転される元の浴槽水の温度が既に設定浴槽温度に比較的近い温度である場合、例えば最近においては、浴槽温度を設定浴槽温度に対して少しあつめに維持するあつめ運転モード等が機能付加された風呂装置の場合や、また入浴者が入浴中等において浴槽温度をもう少し高い温度に設定し直して追い焚きを行う場合において、前記追い焚き運転が開始された場合には、元の浴槽温度自体が低くないため、追い焚きによって浴槽内に循環吐出されてくる温水が入浴者にとってあつくなりすぎるという問題があった。
そして前記吐出温水があつくなりすぎる問題を解消するのに、単純に前記切り換え温度を下げる(例えば切り換え温度を前記0.5 ℃以上低い温度とする)だけでは、今度は浴槽水を低温から追い焚きする場合に、追い焚き時間が長くなってしまうという問題が生じる。
【0004】
そこで本発明は、上記従来の風呂装置の問題を解消し、追い焚きを行う前の浴槽水の温度が設定浴槽温度に対してかなり低い場合には、追い焚きを最短時間で行うことができ、且つ、燃焼を停止した後も浴槽温度が上昇して所定の設定浴槽温度を越えてしまうといったことがないようにすることができ、また追い焚きを行う前の浴槽水の温度が設定浴槽温度に比較的近い温度である場合には、入浴者等にとってあつすぎる温水が浴槽内に吐出されないようにすることができる風呂装置の提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明の風呂装置は、浴槽水を風呂釜へ循環させて加熱することで、浴槽水の追い焚き運転を行うようにした風呂装置であって、追い焚き運転の際には、先ず開始初期の一定時間は燃焼能力を落としたマイルド燃焼による追い焚きを行い、該初期の一定時間が経過した時点で浴槽温度Tが設定浴槽温度TS よりも一定温度だけ低い第1判定温度T1 以上であるか否かを判定し、該判定においてイエスの場合には、そのままマイルド燃焼により浴槽温度Tが設定浴槽温度TS になるまで追い焚きを行い、前記判定においてノーの場合には最大燃焼能力によるフル燃焼での追い焚きを、浴槽温度Tが設定浴槽温度TS よりも一定温度だけ低い第2判定温度T2 になるまで行い、その後はマイルド燃焼によって設定浴槽温度TS になるまで追い焚きを行わせる制御構成としたコントローラを有することを特徴としている。
【0006】
上記本発明の特徴において、マイルド燃焼を行う追い焚き運転開始初期の一定時間とは、例えば25秒とすることができるが、10秒程度から40秒程度の間の適当な時間とすることができる。前記一定時間は、運転開始初期の浴槽温度を適切に検出するために必要な時間ということができる。少なくとも浴槽内にある湯水が温度センサがある追い焚き配管の位置まで流れてくるのに必要な時間が必要であり、更には、運転開始初期の浴槽内の湯水の平均温度を適切に検出するために必要な時間ということができる。浴槽内の湯温の平均温度が適切に検出されるためには、浴槽内の温水が適当に風呂釜へ循環されて浴槽内の湯水の温度の均一化が図られる必要がある。前記一定時間は、浴槽の容積や循環ポンプの能力、配管の長さ等によって変更されるものであるから、予め風呂装置の種類等に応じて実験により前記一定時間を決めておくことになる。
また前記マイルド燃焼はフル燃焼に対して、例えば2分の1の燃焼熱量となる燃焼とすることができるが、2分の1の燃焼熱量である必要はない。要するにフル燃焼に比べて適当に燃焼熱量の程度を落とした燃焼をいうものとする。
【0007】
また上記第1判定温度T1 とは、追い焚き開始の際に既に浴槽温度が設定浴槽温度に比較的近い温度となっており、それ以上の温度において追い焚き運転をフル燃焼で行った場合には、循環加熱されて浴槽内に吐出する温水が、入浴者等に対してあつすぎることとなるような温度をいうものとする。
該第1判定温度T1 は、例えば設定浴槽温度TS より3℃低い温度とすることができるが、浴槽の大きさやその他、風呂装置の種類等に応じて1〜4℃程度低い温度を予め実験によって決めておくことができる。
また、上記第2判定温度T2 は、浴槽内の湯水の温度がかなり低い(前記第1判定温度T1 より低い温度)状態にあるときから継続してフル燃焼による追い焚き運転を継続して行っている場合に、その温度以上にまでフル燃焼による追い焚き運転を続けた場合には、浴槽温度が設定浴槽温度となって燃焼を停止した後も浴槽温度が上昇して設定浴槽温度を越えてしまうが、その温度で燃焼運転をフル燃焼からマイルド燃焼に切り換えれば、追い焚きを最短時間で行うことができ、且つ燃焼を停止した後も浴槽温度が上昇して所定の設定浴槽温度を越えてしまうといったことがないようにすることができる温度をいうものとする。
第2判定温度T2 は、例えば設定浴槽温度TS より0.5 ℃低い温度とすることができるが、浴槽の大きさやその他、風呂装置の種類等に応じて0.3 〜1.0 ℃程度低い温度を予め実験によって決めておくことができる。
なお、第2判定温度T2 はT2 >T1 の方が望ましいが、T2 =T1 であっても可能である。
【0008】
上記本発明の特徴によれば、追い焚きを行う前の浴槽水の温度が設定浴槽温度に対してかなり低い場合には、追い焚きを最短時間で行うことができ、且つ燃焼を停止した後も浴槽温度が上昇して所定の設定浴槽温度を越えてしまうといったことがないようにすることができる。加えて、追い焚きを行う前の浴槽水の温度が設定浴槽温度に比較的近い温度である場合には、入浴者等にとってあつすぎる温水が浴槽内に吐出されたりしないようにすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態を示す風呂装置の全体構成図、図2は風呂追い焚き運転の制御フローチャートである。
【0010】
装置は概略的に浴槽10、給湯機能付きの風呂釜20、コントローラ40、台所リモコン41や風呂リモコン42のリモコン等からなる。
前記浴槽10と風呂釜20との間には、浴槽水を風呂釜20に循環して加熱する追い焚き循環回路50として、浴槽10から風呂釜20への戻り管51と、風呂釜20から浴槽10への往き管52が設けられている。
追い焚き運転の際、浴槽10内の湯水は前記浴槽10の側壁に設けられた循環金具11から導き出され、風呂釜20に戻り、該風呂釜20で加熱されて、往き管52を通って、浴槽10の側壁に設けられた導入口12から浴槽10内に戻る。
前記往き管52は、その途中で浴槽洗浄用管61が分岐されている。該浴槽洗浄用管61にはベンチュリ管62を介して洗剤タンク63が接続され、また浴槽洗浄用管61の先端は、浴槽10の底から洗浄液を浴槽10内壁に噴出する噴出口64が設けられている。65は浴槽洗浄用管61の開閉弁である。
前記往き管52は更に先端側で三方弁53により2つに分かれ、更に先端部で2つに分かれて、4つの管路で導入口12に通じている。
前記4つの導入口12には、泡風呂運転がなされる場合には、エアー導入管71、71から空気が供給され、空気混じりの温水が、浴槽10内にジェット噴出される。
【0011】
前記風呂釜20には、浴槽水を追い焚きするための追い焚き用熱交換器21と、その他に温水給湯するための給湯用熱交換器31が設けられている。
追い焚き用熱交換器21には前記戻り管51と往き管52が接続されている。また追い焚き用熱交換器21に対しては、燃焼の程度を複数段階に切り換えることができるバーナ22が設けられ、このバーナ22による加熱によって、加熱された追い焚き用熱交換器21内で、循環されてきた浴槽水が熱交換加熱される。
前記追い焚き用熱交換器21に接続される戻り管51の途中には、浴槽水位センサ23、追い焚き循環ポンプ24、水流スイッチ25、浴槽温度センサ26が設けられている。27は二方弁である。また浴槽10への温水落とし込み路32が戻り管51の途中に接続せられている。
28はバイパス管で、29はそのバイパスに設けられた二方弁である。
【0012】
前記コントローラ40は、この風呂装置全体の制御を行うもので、リモコン41、42からの指令やその他の信号を入力し、装置各部に設けられたセンサからの情報信号を入力し、装置各部に所定の動作を指令すると共にリモコン41、42に表示信号等を出力する。
前記台所リモコン41は、主として、台所に温水を給湯するためのリモコンである。また風呂リモコン42は、主として、風呂使用に必要な操作を指令するためのリモコンである。
前記台所リモコン41には、風呂運転に関するスイッチとして追い焚き運転スイッチ等が設けられている。また前記風呂リモコン42には、通常の追い焚き運転スイッチの他、あつめ保温運転スイッチ等が設けられている。
追い焚き運転スイッチがオンされると、追い焚き運転が開始される。即ち、追い焚き運転スイッチのオンにより、二方弁27が開の状態とされ、またバイパス管28の二方弁29が閉止状態とされ、開閉弁65が閉止された状態となり、その状態で循環ポンプ24がオンされる。そして循環ポンプ24のオンによって浴槽水が戻り管51を通って循環を開始し、水流スイッチ25が最低作動水量以上を検出してスイッチオンされると、バーナ22の燃焼が開始される。このバーナ22は必要に応じて燃焼の程度を、最大燃焼能力によるフル燃焼や、燃焼能力を最大燃焼能力から適当に低下させたマイルド燃焼等、複数段階に切り換えることができる。
浴槽10内の湯水は循環金具11から戻り管51を通って、風呂釜20の追い焚き用熱交換器21に入り、そこで加熱された後、往き管52を通って、導入口12から浴槽10内に戻る。
また、前記あつめ保温運転の運転スイッチがオンされると、設定浴槽温度が追い焚き運転における設定浴槽温度よりも一定温度(例えば0.5 ℃)だけあつい温度が設定され、この温度をあつめ保温運転での設定浴槽温度として、その設定浴槽温度となるように既述した追い焚き運転がなされる。浴槽温度の検出は適当なインターバルで行われ、その際の検出浴槽温度が前記あつめ保温運転での設定浴槽温度より低下している場合には、あつめ保温運転での追い焚き運転が開始される。
【0013】
図2を参照して、狭い意味での追い焚き運転やあつめ保温運転等の広い意味での追い焚き運転、即ち、要するに浴槽10内の湯水を風呂釜20に循環させて、加熱し、これによって浴槽10内の温度を所定の設定浴槽温度TS まで加熱する運転が行われた場合の、コントローラ40によるバーナ22の燃焼制御を説明する。
今、例えば風呂リモコン42において、あつめ保温運転等の追い焚き運転のためのスイッチがオンされる(ステップS1でイエス)と、コントローラ40は、既述した弁27、29、65操作による追い焚き循環のための通路を確保させ、循環ポンプ24を駆動させて水流スイッチ25がオンした後、バーナ22に着火させ(ステップS2)、バーナ22を先ずマイルド燃焼させる(ステップS3)。このマイルド燃焼は、最大能力燃焼よりも燃焼能力を適当に落とした燃焼をいい、例えば2分の1の燃焼能力で燃焼を行う。
【0014】
そして、コントローラ40は、追い焚き運転開始後、初期の一定時間が経過するのを監視する(ステップS4)。この一定時間についての考え方は既に述べたが、例えば25秒とすることできる。
コントローラ40は、前記一定時間が経過すると(ステップS4でイエス)、その時点で、浴槽10から戻り管51を通って流れてくる浴槽水の温度を浴槽温度センサ26で検出し、この検出浴槽温度Tが、第1判定温度T1 以上であるか否かを判定する(ステップS5)。
第1判定温度T1 については既に説明済みであり、設定浴槽温度TS より一定温度だけ低い温度とされるが、例えばこのフローにおいて、設定浴槽温度TS より3℃低い温度を第1判定温度T1 とすることができる。
【0015】
ステップS5でイエスの場合には、検出浴槽温度Tが既に設定浴槽温度TS に比較的近い温度であるので、フル燃焼に伴う高温のあつい循環水が浴槽10内に導入されて入浴者等にあつい思いをさせないよう、マイルド燃焼を継続させる(ステップS8)。
そして、マイルド燃焼によって、検出浴槽温度Tが設定浴槽温度TS に達した時点で(ステップS9でイエス)、バーナ22を消火し(ステップS10)て、運転を終了する。
【0016】
一方、ステップS5でノーの場合には、検出浴槽温度Tが未だ設定浴槽温度TS よりもかなり低い温度であることから、素早く浴槽温度を上昇させて、入浴予定者等の便宜に沿わすため、コントローラ40はバーナ22の運転をフル燃焼で行わせる(ステップS6)。
そしてコントローラ40は、検出浴槽温度Tが、第2判定温度T2 以上となるのを監視する(ステップS7)。
第2判定温度T2 については既に説明済みであり、前記第1判定温度T1 より高温であり、設定浴槽温度TS より一定温度だけ低い温度とされるが、例えばこのフローにおいて、設定浴槽温度TS より0.5 ℃低い温度を第2判定温度T2 とすることができる。
【0017】
前記ステップS7で、検出浴槽温度Tが第2判定温度T2 に達する(ステップS7でイエス)と、それ以上引き続いてフル燃焼でバーナ22を運転する場合には、燃焼運転を停止した後の温度上昇により浴槽温度Tが設定浴槽温度TS を越えてしまうので、コントローラ40はこの時点でバーナ22の運転をフル燃焼からマイルド燃焼に切り換える(ステップS8)。
そして、その後はマイルド燃焼によって、検出浴槽温度Tが設定浴槽温度TS に達した時点で(ステップS9でイエス)、バーナ22を消火し(ステップS10)て、運転を終了する。
【0018】
【発明の効果】
本発明は以上の構成よりなり、請求項1に記載の風呂装置によれば、浴槽水を風呂釜へ循環させて加熱することで、浴槽水の追い焚き運転を行うようにした風呂装置であって、追い焚き運転の際には、先ず開始初期の一定時間は燃焼能力を落としたマイルド燃焼による追い焚きを行い、該初期の一定時間が経過した時点で浴槽温度Tが設定浴槽温度TS よりも一定温度だけ低い第1判定温度T1 以上であるか否かを判定し、該判定においてイエスの場合には、そのままマイルド燃焼により浴槽温度Tが設定浴槽温度TS になるまで追い焚きを行い、前記判定においてノーの場合には最大燃焼能力によるフル燃焼での追い焚きを、浴槽温度Tが設定浴槽温度TS よりも一定温度だけ低い第2判定温度T2 になるまで行い、その後はマイルド燃焼によって設定浴槽温度TS になるまで追い焚きを行わせる制御構成としたコントローラを有するので、
追い焚きを行う前の浴槽水の温度Tが設定浴槽温度TS に対してかなり低い場合には、追い焚きを最短時間で行って、且つ浴槽温度が設定浴槽温度を越えてしまうことなく、設定浴槽温度にすることができる。
加えて、追い焚きを行う前の浴槽水の温度が設定浴槽温度に比較的近い温度である場合には、入浴者等にとってあつすぎる温水が浴槽内に吐出されたりしないようにしながら、浴槽温度を設定浴槽温度に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す風呂装置の全体構成図である。
【図2】風呂追い焚き運転の制御フローチャートである。
【符号の説明】
10 浴槽
20 風呂釜
21 追い焚き用熱交換器
22 バーナ
26 浴槽温度センサ
40 コントローラ
50 追い焚き循環回路
51 戻り管
52 往き管
Claims (1)
- 浴槽水を風呂釜へ循環させて加熱することで、浴槽水の追い焚き運転を行うようにした風呂装置であって、追い焚き運転の際には、先ず開始初期の一定時間は燃焼能力を落としたマイルド燃焼による追い焚きを行い、該初期の一定時間が経過した時点で浴槽温度Tが設定浴槽温度TS よりも一定温度だけ低い第1判定温度T1 以上であるか否かを判定し、該判定においてイエスの場合には、そのままマイルド燃焼により浴槽温度Tが設定浴槽温度TS になるまで追い焚きを行い、前記判定においてノーの場合には最大燃焼能力によるフル燃焼での追い焚きを、浴槽温度Tが設定浴槽温度TS よりも一定温度だけ低い第2判定温度T2 になるまで行い、その後はマイルド燃焼によって設定浴槽温度TS になるまで追い焚きを行わせる制御構成としたコントローラを有することを特徴とする風呂装置。
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- 1997-03-25 JP JP9151797A patent/JP3596228B2/ja not_active Expired - Fee Related
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