JP3595927B2 - 建築用電動シャッターにおける電動開閉機の取付け構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビルや住宅等の建築物の開口部等に配設される建築用電動シャッターにおける電動開閉機の取付け構造の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種建築用電動シャッターにおいて、躯体側に支持される左右一対の取付けブラケット間に、開口部を開閉するシャッターカーテンが巻装される長筒状の巻取りドラムを回動自在に支架し、該巻取りドラムの正逆回動に基づいてシャッターカーテンの開閉作動を行うようにしたものがある。このものにおいて、巻取りドラムを電動式の開閉機を用いて駆動するように構成した場合、従来では、電動開閉機を巻取りドラムと並列状となる状態で取付けブラケットに配し、これらのあいだをチエン等を用いて連動連結していた。しかしながらこのように構成した場合、電動開閉機が配設されるスペースを取付けブラケットに確保する必要があって、シャッター全体の取付けスペースを大きくせざるを得ないという問題があった。
そこで、電動開閉機を巻取りドラムの筒内に内装することが提唱され、図9に示されるように、巻取りドラム15の一端側に、巻取りドラム15を正逆駆動させる電動開閉機16を内装し、電動開閉機16先端部から突出する出力軸16aを、巻取りドラム15の内周面に一体的に設けた連結板17のボス孔17aに軸回り方向には回り止めされる状態で嵌着する一方、電動開閉機16の基端部を、躯体一端側に固定される取付けブラケット18に片持ち状に固着支持する構成としたものがあり、このようにすることによって、巻取りドラム15周辺の省スペース化を実現させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、巻取りドラム15にはシャッターカーテンの重量が分布荷重として作用し、また、開閉動作の起動時および停止時には衝撃的に荷重が加わるため、巻取りドラム15と電動開閉機16の出力軸16aが固着されている場合は、前記荷重により巻取りドラム15に曲げモーメントが働き、電動開閉機16(特に減速機部の軸受)には大きな負荷(反力)が作用して、電動開閉機16の早期の損傷や摩耗を招来する惧れがあって問題があり、ここに本発明が解決しようとする課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、外側にシャッターカーテンが巻装され、開閉駆動用の電動開閉機が一端側に内装される巻取りドラムを、躯体開口部の上方に配される左右取付けブラケットに回動自在に支架するにあたり、前記一端側の取付けブラケットに、巻取りドラム筒内に入り込む取付け片を固着し、該取付け片に電動開閉機を上下揺動自在に枢支するにあたり、電動開閉機の取付け片に対する枢支位置は、電動開閉機の出力軸に至る減速手段の外周部位であって、該枢支位置での枢支点では巻取りドラムに働く曲げモーメントがゼロとなるように構成されている建築用電動シャッターにおける電動開閉機の取付け構造である。
そして、このようにすることにより、巻取りドラムに働く曲げモーメントが電動開閉機側に作用しないようにできると共に、電動開閉機の出力軸や軸受等の保護が計れる。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図1〜図8に示す図面に基づいて説明する。
図面において、1は建築物の開口部に建付けられる建築用電動シャッターを構成するシャッターカーテンであって、該シャッターカーテン1は、複数のスラット1aが上下方向に連装されて一枚状に形成されたものであり(あるいは可撓性のシート材により形成されたものであってもよい)、その上端縁が、躯体上方に配されたシャッターケース2に回動自在に支架される巻取りドラム3の外周面(外側)に一体的に連結されている。そして、シャッターカーテン1は、巻取りドラム3の正逆回転に基づいて巻取りドラム3から巻出され、あるいは巻取りドラム3に巻取られることによって、開口部の両側部に立設される一対のガイドレール4に左右側縁部がそれぞれ案内される状態で上下移動して、開口部の開閉を行う設定となっている。
【0006】
前記巻取りドラム3は長筒状に形成されており、その内周面の両端部には、外径部に取付け片5aが形成された連結板5が螺子5bを用いてそれぞれ固着されている。該連結板5は、中央部(内径側)にボス孔5cが貫通状に形成され、一端側に位置する連結板ボス孔5cには、巻取りドラム3の一端側に内装される電動開閉機6から突出する開閉機出力軸6aが、軸回り方向には回り止めされる状態で嵌着されるように設定されている。一方、他端側に位置する連結板5のボス孔5cには、支軸7の一端部が軸回り方向に回り止め状に係合され、該支軸7の他端部が前記シャッターケース2を構成する他端側の取付けブラケット8に軸受8aを介して回動自在に支持されており、これによって、巻取りドラム3他端側は取付けブラケット8に対して回動自在に支持される設定となっている。
【0007】
さて、前記電動開閉機6は、一端側に位置する電動モータ9と、該電動モータ9の他端から突出するモータ出力軸9aに連動連結される減速機(減速手段)Rとで構成されている。前記減速機Rは、電動モータケーシング9bの他端縁部に一体的に止着される減速機ケーシング10に、第一、第二、第三の中間ギア10a、10b、10cが軸受10dを介してそれぞれ回動自在に軸承されて構成されている。そして、第一中間ギア10aはモータ出力軸9aに噛合しており、前記第一中間ギア10aのギア軸である第二中間ギア10bは第三中間ギア10cに噛合しており、また、第三中間ギア10cのギア軸は開閉機出力軸6aとなって減速機ケーシング10の先端面部10eから突出するようにして設けられている。これによって、電動モータ9の駆動力は、減速機Rの各ギア10a、10b、10cを経由することで減速され、開閉機出力軸6aとして減速機ケーシング先端面部10eから突出するが、該開閉機出力軸6aは、前述したように、一端側に位置する連結板ボス孔5cに回り止め状に係合されており、このようにして電動開閉機6と巻取りドラム3との動力伝動部が構成され、電動開閉機6の駆動力が巻取りドラム3に動力伝動される設定となっている。
【0008】
さらに、前記減速機ケーシング10の先端面部10eは略矩形状に形成され、該先端面部10eには開閉機ブラケット11が一体的に設けられている。つまり、開閉機ブラケット11は、開閉機出力軸6aが遊嵌する貫通孔11aが形成された略矩形状の突当て面部11bと、該突当て面部11bの前後端縁部から電動開閉機6基端側に伸びる一対の支持片11cとで構成されており、前記突当て面部11bを減速機ケーシング先端面部10eに突当て、各コーナー部において螺子11dを螺合することで開閉機6に一体固着されるように構成されている。そして、各支持片11cは、減速機ケーシング10の外周面とは離間する状態となっていると共に、後述する枢支部となる貫通孔11eがそれぞれ貫通状に穿設されている。尚、11fは開閉機ブラケット11の突当て面部11bと支持片11cとのあいだのコーナー部に取付けられる補強材である。
【0009】
一方、シャッターケース2を構成する一端部側の取付けブラケット12には、前後一対の取付け片13の基端部が巻取りドラム3の他端側に向けて突出するよう一体的に設けられているが、これら取付け片13は略冂字形をしており、互いの底面13a同志が対向する状態となっている。さらに、各底面13aの先端部には枢支部となる貫通孔13bがそれぞれ穿設されており、これら各貫通孔13bには後述する螺子(枢支軸)14が挿通する枢支孔13dが穿設されたスペーサ13cが内側から嵌着しており、該スペーサ13cの突出外端部が前記開閉機ブラケット支持片11cの貫通孔11eに内嵌する設定となっている。
そして、前記一対の取付け片13により形成される外径は、巻取りドラム3の筒内に遊嵌する大きさに設定されている一方、内径は電動開閉機6を軸方向に遊嵌できる大きさになっている。そして、取付け片13を、前記巻取りドラム3筒内の電動開閉機6に対して基端側から遊嵌させ、取付け片底面13a先端部を電動開閉機6に固定された前記開閉機ブラケット支持片11cに内側から突当て、取付け片13側から突出するスペーサ13c突出外端部を支持片貫通孔11eに嵌着して、スペーサ枢支孔13dに螺子14を水平方向に挿通支持させることで枢支部が構成されるように設定されている。これによって、開閉機ブラケット11(電動開閉機6)は取付け片13に対して上下揺動自在に枢支されると共に、巻取りドラム3の一端部は、電動開閉機6を介して取付けブラケット12に回動自在に枢支される設定となっている。
【0010】
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、巻取りドラム3を正逆回転させるための電動開閉機6は、巻取りドラム3の筒内に収納されることになって、開口部上方の取付けブラケットを小さくなし得て省スペース化を計ることができる。
しかもこのものでは、電動開閉機6は取付けブラケット6に固定的に取り付けられるのではなく、巻取りドラム3との動力伝動部よりも基端側部位が、取付けブラケット12に固定され、巻取りドラム3の筒内にまで入り込むように伸長して設けられた取付け片13に対して上下揺動自在に枢支されている。このため、巻取りドラム3に曲げモーメントが働いたとしても、該曲げモーメントは電動開閉機6が取付け片13に対して揺動することで吸収されて、電動開閉機6に作用することがなく、もって、電動開閉機6の開閉機出力軸6aや、減速手段に大きな負荷が作用してしまうようなことが回避できて、電動開閉機6の耐久性や製品の信頼性を高めることができる。
【0011】
さらにこの場合に、前記曲げモーメントは、電動開閉機6の揺動支点となる枢支点ではゼロとなるため、電動開閉機6の取付け片13に対する枢支位置を、電動開閉機6の減速機Rに対応する部位に位置させた前記実施の形態のものでは、減速機Rを構成する第一、第二、第三中間ギア10b、10c、10d、そしてモータ出力軸10a、これらを軸承する軸受9aに対して大きな負荷が作用することがなくなって、これら部材の保護を計ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】建築用電動シャッターの全体正面図である。
【図2】巻取りドラムの一部切欠き正面図である。
【図3】電動開閉機の取付け状態を示す一部切欠き正面図である。
【図4】図3の平面断面図である。
【図5】電動開閉機の断面図である。
【図6】図6(A)、(B)はそれぞれ電動開閉機の取付け状態を示す左側面図、右側面図である。
【図7】図7(A)、(B)、(C)はそれぞれ開閉機ブラケットの正面図、側面図、平面図である。
【図8】図8(A)、(B)、(C)はそれぞれ取付け片の正面図、側面図、平面図である。
【図9】従来例を示す巻取りドラムの要部正面図である。
【符号の説明】
1 シャッターカーテン
2 シャッターケース
3 巻取りドラム
6 電動開閉機
6a 開閉機出力軸
8 取付けブラケット
9 電動モータ
10 減速機ケーシング
11 開閉機ブラケット
11c 支持片
12 取付けブラケット
13 取付け片
14 リベット
R 減速機
Claims (1)
- 外側にシャッターカーテンが巻装され、開閉駆動用の電動開閉機が一端側に内装される巻取りドラムを、躯体開口部の上方に配される左右取付けブラケットに回動自在に支架するにあたり、前記一端側の取付けブラケットに、巻取りドラム筒内に入り込む取付け片を固着し、該取付け片に電動開閉機を上下揺動自在に枢支するにあたり、電動開閉機の取付け片に対する枢支位置は、電動開閉機の出力軸に至る減速手段の外周部位であって、該枢支位置での枢支点では巻取りドラムに働く曲げモーメントがゼロとなるように構成されている建築用電動シャッターにおける電動開閉機の取付け構造。
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JP24050498A JP3595927B2 (ja) | 1998-08-26 | 1998-08-26 | 建築用電動シャッターにおける電動開閉機の取付け構造 |
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Publications (2)
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Family Applications (1)
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JP24050498A Expired - Lifetime JP3595927B2 (ja) | 1998-08-26 | 1998-08-26 | 建築用電動シャッターにおける電動開閉機の取付け構造 |
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- 1998-08-26 JP JP24050498A patent/JP3595927B2/ja not_active Expired - Lifetime
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