JP3595643B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、中間転写体を使用する、複写機、レーザービームプリンタ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8に、従来の画像形成装置の概略構成を示す。なお、同図に示す画像形成装置は、切替え式の4個の現像器、及び中間転写体として中間転写ベルトを使用したレーザービームプリンタである。
【0003】
同図に示す画像形成装置は、矢印R1方向に回転駆動される感光ドラム1の表面を帯電器2により一様に帯電し、光源3aやミラー3bを有する露光装置3のレーザー光Lの照射によってイエローに対応する静電潜像を形成する。現像装置4のロータリ4aの回転によりイエローの現像器4Yを感光ドラム1に対向する現像位置Dに配置し、上述の感光ドラム1上の静電潜像にイエローのトナーを付着させてイエローのトナー像として現像する。このイエローのトナー像は、中間転写体としての中間転写ベルト5aに1次転写される。中間転写ベルト5aは、ローラ5b、5c、5dに掛け渡されており、矢印R5方向に回転駆動されるとともに、1次転写ローラ5eに所定の1次転写バイアスを印加することで、感光ドラム1上のイエローのトナー像が1次転写ニップ部T1 を介して中間転写ベルト5a上に1次転写される。トナー像の1次転写後の感光ドラム1は、表面に残った1次転写残トナーがクリーナ6によって除去され、次のマゼンタの画像形成に供される。
【0004】
上述のイエローのトナーについて行った一連の画像形成プロセス、すなわち帯電、露光、現像、1次転写、クリーニングをイエロー以外のマゼンタ、シアン、ブラックについても行い、中間転写ベルト5aで4色のトナー像を重ねる。この4色のトナー像は、給紙カセット10から給紙ローラ11等を介して矢印K1方向に搬送されてきた紙等の転写材Pを矢印Rb方向に移動可能な2次転写ローラ5fと中間転写ベルト5aとの間にて挟持搬送しつつ、2次転写ローラ5fに2次転写バイアスを印加することで、転写材P上に一括して2次転写される。2次転写後の転写材Pは、搬送ベルト7によって転写装置8に搬送され、ここで加熱加圧されてトナー像が表面に定着されて画像形成が終了する。一方、トナー像の2次転写後の中間転写ベルト5aは、クリーナ5gによって表面の2次転写残トナーが除去され次の1次転写に備える。
【0005】
以上は、中間転写体がベルト状の中間転写ベルト5aによって構成されている画像形成装置について説明したが、中間転写体として図9に示すような中間転写ドラム5Aを使用する画像形成装置も知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の画像形成装置においては、イエローの現像器4Yを現像位置Dに配置して静電潜像をイエローのトナーで現像した後、次の色であるマゼンタの現像器4Mをロータリ4aの回転によって現像位置Dに移動させるために、現像器の切替え時間tが必要となり、さらにその後、マゼンタのトナー像の現像後、シアンの現像器4Cを現像位置Dに移動させるのに、また、シアンのトナー像の現像後、ブラックの現像器4Bを現像位置Dに移動させるのに、同様に切替え時間tが必要となる。このように、現像器が切替え時間tを必要とするため、その分、中間転写ベルト5aや中間転写ドラム5A等の中間転写体の周長が長くなり、画像形成装置が大型化されるという問題があった。
【0007】
中間転写体は、現像器が切替え動作を行っている切替え時間tの間も、一定のプロセススピードVで矢印R5方向に移動しているため、中間転写体の周長Lには、切替え時間tに空送される余白部Vtが必要となる。すなわち、画像形成装置において印字可能な転写材Pの搬送方向長さをLP としたとき、搬送方向長さLP は、
LP ≦L−Vt ……▲1▼
の関係を満たさなければならなかった。
【0008】
例えば、現像器の切替え時間tが1200mm/sec (1.2mm/sec )の画像形成装置において、A4/レターサイズ(210mm×297mm/215.9mm×279.4mm)のフルカラー画像を、プロセススピードV=120mm/sec で印字するためには、297mm+1.2sec ×120mm/sec =441mm以上の周長の中間転写体が必要となっていた。
【0009】
ところが、上述の▲1▼式の関係が必要なのは、2色以上のトナーで印字を行う場合であり、モノクロ印字する場合には、現像器の切替え動作が不要なため、▲1▼式を満たす必要はない。
【0010】
すなわち、モノクロ印字においては、中間転写体の幅方向(移動方向に直角な方向)の大きさが許す限り、搬送方向長さLP については特に制限はなく、大きな転写材Pのモノクロ印字が可能である。例えばA4/レターサイズ幅(210mm×297mm/215.9mm×279.4mm)を印字できるカラーの画像形成装置であれば、カラーの印字はできなくともモノクロの印字だけは、規格化されているカット紙の中で215.9mm以内の幅では搬送方向長さLP が最大となるリーガルサイズ(215.9mm×355.6mm)でも可能という不自然な仕様となり、ユーザに混乱を招いていた。この問題を、リーガルサイズまで印字可能な周長の中間転写体を用いて解決使用とした場合、画像形成装置全体が大型化し、コストアップを招くという問題が生じる。
【0011】
そこで、本発明は、画像形成装置全体の大型化を伴うことなく、搬送方向長さの長い転写材に対してもカラーの印字を可能とした画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明は、トナー像を担持する像担持体と前記像担持体からトナー像を転写するための転写手段とを有し、前記像担持体と前記転写手段とで形成される転写位置において前記像担持体から複数回の転写を受けて画像を形成する際、前記像担持体からの転写を受けることなく、既に転写されたトナー像が前記転写位置を通過して画像を形成するモードを有する画像形成装置において、既に転写されたトナー像が前記像担持体からの転写を受けることなく前記像担持体と接触しながら前記転写位置を通過するときに、前記転写手段に印加するバイアスは、その直前の転写時に前記転写手段に印加される転写バイアスよりも高く、その直後の転写時に前記転写手段に印加される転写バイアスよりも低い、ことを特徴とする。
【0013】
請求項2に係る本発明は、既に転写されたトナー像が前記転写位置を通過する際には、毎回、前記像担持体からトナー像の転写を受けて画像を形成する別のモードを有し、画像形成するトナー像の大きさに応じてモードを切り替える、ことを特徴とする。
【0014】
請求項3に係る本発明は、前記転写手段が、中間転写体を有する、ことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の理解するための参考例、及び本発明の実施の形態について説明する。
【0024】
〈本発明を理解するための参考例1〉
図1に、本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す。なお、同図は、切替え式の複数の現像器、及び中間転写体として中間転写ベルトを備えた4色フルカラーのレーザービームプリンタである。以下、図1を参照して、画像形成装置の構成及び画像形成プロセスについての概略を説明する。なお、本参考例1においては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像をこの順に順次に形成して最終的に4色フルカラーのカラー画像を形成するものとする。
【0025】
同図に示す画像形成装置は、電子写真方式のドラム型の感光体(以下「感光ドラム」という)1を備えている。感光ドラム1は、アルミニウムを円筒状に形成した導電性のドラム基体と、その外周面に形成された感光体(感光層)を備えている。感光体としては、例えば、OPC(有機光半導体)、A−Si(アモルファスシリコン)、CdS(硫化カドミウム)、Se(セレン)等の光導電体を使用することができる。
【0026】
感光ドラム1は、画像形成装置本体(不図示)によって回転自在に支持されており、駆動手段(不図示)によって矢印R1方向に所定のプロセススピードで回転駆動される。
【0027】
感光ドラム1は、その表面に接触配置された帯電ローラ(帯電器)2に帯電電源(不図示)によって帯電バイアスを印加することにより所定の極性、所定の電位に均一に帯電処理される。
【0028】
帯電後の感光ドラム1表面は、露光装置3によって静電潜像が形成される。露光装置3は、光源3a、ポリゴンミラー、レンズ、反射ミラー3b等を有し、イエローの画像信号に応じて発生されたレーザー光Lによって感光ドラム1表面を走査して、所定の色(例えばイエロー)に対応する静電潜像を形成する。
【0029】
この静電潜像は、現像装置4によって現像される。現像装置4は、回転自在なロータリ4aと、これに搭載された4個の現像器、すなわちそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーを収納した現像器4Y、4M、4C、4Bを備えており、ロータリ4aの回転によって、感光ドラム1上の静電潜像の現像に供される現像器(同図では、イエローの現像器4Y)が感光ドラム1に対向する現像位置Dに配置される。現像位置Dに配置された現像器4Yは、感光ドラム1上の静電潜像にイエローのトナーを付着させてイエローのトナー像として現像する。
【0030】
イエローのトナー像は、転写装置5の中間転写ベルト5a上に1次転写される。中間転写ベルト5aは、EPDM、NBR(ニトリルゴム)、ウレタン、シリコーンゴム等のゴムシート、または、PVdF(ポリフッ化ビニリデン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の可撓性の樹脂シートによって構成されており、駆動ローラ5b、従動ローラ5c、テンションローラ5dに掛け渡されていて、駆動手段(不図示)によって駆動ローラ5bを矢印方向(時計回り)に回転させることで、矢印R5方向に回転駆動(移動)される。中間転写ベルト5aの内側には、1次転写ローラ5eが配置されており、この1次転写ローラ5eは、感光ドラム1との間に中間転写ベルト5aを挟持することにより、中間転写ベルト5aとの間に1次転写ニップ部T1 を形成している。1次転写ローラ5eには、高圧電源(不図示)から1次転写バイアスが印加され、これにより感光ドラム1上のイエローのトナー像が中間転写ベルト5a上に1次転写される。トナー像転写後の感光ドラム1は、表面に残った1次転写残トナーがクリーナ6によって除去され、次のマゼンタの画像形成に供される。
【0031】
イエローのトナーについての上述の一連の画像形成プロセス(帯電、露光、現像、1次転写、クリーニング)を、他の3色(マゼンタ、シアン、ブラック)についても同様に行い、中間転写ベルト5a上で4色のトナー像を重ねる。
【0032】
つづいて、中間転写ベルト5a上の4色のトナー像は、紙等の転写材Pに転写される。中間転写ベルト5aの外側には、2次転写ローラ5fが配置されており、この2次転写ローラ5fは、従動ローラ5cとの間に中間転写ベルト5aを挟持するとともに、中間転写ベルト5aとの間に2次転写ニップ部T2 を形成している。転写材Pは、給紙カセット10内に収納されており、給紙ローラ11によって矢印K1方向に給送され、中間転写ベルト5aの回転に同期するようにして2次転写ニップ部T2 に供給される。2次転写ニップ部T2 に供給された転写材Pは、高圧電源(不図示)から2次転写ローラ5fに2次転写バイアスを印加することで、中間転写ベルト5a上の4色のトナー像が一括して転写材Pに2次転写される。
【0033】
トナー像の2次転写後の転写材Pは、搬送ベルト7によって定着器8に搬送され、ここで加熱加圧されて表面にトナー像が定着され、画像形成装置本体外部に排出され、カラーの画像形成が終了する。
【0034】
一方、トナー像の2次転写後の中間転写ベルト5aは、接離可能なファーブラシ、ウェブ等のクリーナ5gによって表面の2次転写残トナーが除去され、次のトナー像の1次転写に供される。
【0035】
さらに図1に示す画像形成装置は、給紙カセット10内の転写材Pの搬送方向長さを検知するサイズ検知手段9を備えている。給紙カセット10には、これに収納される転写材Pの大きさ及びその向きを表示する駒10aが設けられており、サイズ検知手段9がこの駒10aを検知することにより、給紙カセット10内に収納されこれから画像形成に供される転写材Pの搬送方向長さLP を検知し、その検知信号を制御装置(制御手段)20に出力する。なお、この制御装置20は、上述の各画像形成プロセス、すなわち、帯電、露光(静電潜像形成)、現像、現像器切替え、1次転写、2次転写、クリーニング等を制御する外、後述の印字シーケンスの切替えも行う。
【0036】
以上で画像形成装置の構成及び画像形成プロセスの概略についての説明を終える。
【0037】
次に上述の画像形成装置における転写装置5及び転写プロセスについて詳述する。
【0038】
本発明においては、上述のサイズ検知手段9のよって検知された転写材Pの搬送方向長さLP に応じて制御装置20が印字シーケンスを切り替える。すなわち、制御装置20は、転写材Pの搬送方向長さLP が、
LP ≦L−Vt ……▲1▼
を満たす場合は、通常印字シーケンス(第1の印字シーケンス)を実行し、
L−Vt<LP ≦L ……▲2▼
を満たす場合は、大サイズ印字シーケンス(第2の印字シーケンス)を実行するように構成されている。
【0039】
例えば、参考例1においては、転写装置5の中間転写ベルト5aとしては周長Lが441mmのゴムベルトを使用し、また、現像装置4としては、ある現像器から次の現像器に切り替える際の現像器の切替え時間tが1.2sec (1200msec )のものを使用し、プロセススピードVを120mm/sec に設定して4色フルカラーの印字(画像形成)を行った。この場合、上述の式(1)、式(2)中のL−Vtは、
L−Vt=441−1.2×120=297
となる。この場合には、通常印字シーケンスを行うか、大サイズ印字シーケンスを行うかの境は、297mmということになる。なお、この297mmという数字は、A4サイズの転写材Pをたて通しした際の搬送方向長さとなり、転写材Pの搬送方向長さLPが297mm以下の場合は、通常印字シーケンスを行うのに対し、搬送方向長さが297mmを超える場合は、大サイズ印字シーケンスを行う。
【0040】
図4に、一般的な場合の、印字シーケンスの切替えについてのフローチャートを示す。
【0041】
印字が開始され(S1)、サイズ検知手段9によって、駒10aを介して給紙カセット10内の転写材Pの搬送方向長さLP (同図では「紙サイズ」と表記)が検知され(S2)、その検知信号が制御装置20に入力される。制御装置20は、LP が、LP ≦L−Vtを満たすか否かを判断する(S3)。そして、満たす場合は、通常印字シーケンス(S4)を実行し、満たさない場合は、L≧LP を満たすか否かを判断する(S5)。これを満たす場合は、大サイズシーケンス(S6)を行い、満たさない場合、つまり転写材Pの搬送方向長さLP が中間転写ベルト5aの周長Lを超える場合は、エラールーチンに移る(S7)。
【0042】
次に、図2のタイミングチャートを参照して通常印字シーケンスについて説明する。
【0043】
同図中、TOP信号は、中間転写ベルト5a(同図では、中間転写体と表記)の先端を検知する信号であり、例えば、中間転写ベルト5aの所定の位置にフラッグを設け、これを先端検知センサ(いずれも不図示)で検知することにより検出することができる。TOP信号の0〜10の数字は、中間転写ベルト5aが何回転下かを示す数字であり、本通常印字シーケンスにおいては、中間転写ベルト5aの1〜4回転目のそれぞれの回転に対応して、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像が中間転写ベルト5a上に1次転写される。また、中間転写ベルト5aが1回転に要する時間は、L/Vとなる。潜像形成は、露光装置3のレーザー光Lによる露光を示す。現像における最大現像時間は、ほぼLP /Vに等しく、これは(L/V)−tよりも大きくはない。中間転写ベルト5aの各回転のはじめの部分には、それぞれt秒間の現像器切替え時間が設けられている。1次転写バイアスにおけるT1、T2、T3、T4は、ぞれそれ1色目(イエロー)、2色目(マゼンタ)、3色目(シアン)、4色目(ブラック)を感光ドラム1上から中間転写ベルト5a上に1次転写するときの、1次転写ローラ5eに印加する1次転写バイアスを示している。このように通常印字シーケンスにおいては、転写材Pの搬送方向長さLP が、LP ≦L−Vtを満たし、これを変形して、(LP /V)+t≦(L/V) とすると明らかなように、中間転写ベルト5aが1回転するのに要する時間(L/V)中に、最大現像時間(LP /V)と現像器の切替え時間tとを確保することができる。
【0044】
次に、本参考例における大サイズ印字シーケンスについて、図3を参照して説明する。
【0045】
大サイズ印字シーケンスにおいては、上述の通常印字シーケンスが中間転写ベルト5aの1回転で1色のトナー像の1次転写を行っていたのに対し、中間転写ベルト5aの2回転で1色のトナー像の1次転写を行うようにしている。大サイズ印字シーケンスでは、図示するように、例えば、2回転目の終了近くに現像器切替え時間tを取ることができるので、中間転写ベルト5aの1回転目には切替え時間tを必要としない。すなわち、中間転写ベルト5aの周長Lのうちに、切替え時間tに相当する長さVtを設ける必要がなく、中間転写ベルト5aの周長L全体を1次転写のために使用することができる。
【0046】
上述のように、転写材Pの搬送方向長さLP に応じて、制御手段20が手段通常印字シーケンスと大サイズ印字シーケンスとを切り替えるので、転写材Pの搬送方向長さLP が、LP ≦Lを満たす限り、中間転写ベルト5aの周長Lを長くすることなく、すなわち画像形成装置の大型化を招くことなく、搬送方向長さLP が、L−Vt<LP の転写材Pに対しても4色フルカラーの画像を形成することができる。
【0047】
例えば、上述のように中間転写ベルト5aの周長Lが441mmの場合には、通常印字シーケンスと同じである従来の印字シーケンスでは、搬送方向長さLPが297mm以下の転写材Pに限って4色フルカラーの画像形成が可能であったが、本参考例に係る大サイズ印字シーケンスを行うことにより、搬送方向長さLPが441mmまでの転写材Pに対して4色フルカラーの画像形成が可能となる。ただし、大サイズ印字シーケンスを実行した場合には、通常印字シーケンスを実行した場合に比して、単位時間あたりの画像形成枚数、すなわちスループットが約半分になるという不利な点はある。しかし、上述の例では、画像形成装置の大型化を伴うことなく、4色フルカラーの画像形成が可能な転写材Pの搬送方向長さLPを297mmから441mmとほぼ1.5倍にすることができるという大きな利点がある。
【0048】
〈本発明を理解するための参考例2〉
図5に、参考例2の画像形成装置の概略構成を示す。なお、同図に示す画像形成装置は、転写装置5の外は、図1に示す参考例1の画像形成装置と同じ構成であるため、これらのついては同じ符号を付してその重複説明は省略するものとする。
【0049】
本実施形態2の特徴は、感光ドラム1に対して中間転写ベルト5aを接離可能に構成し、大サイズ印字シーケンスにおいて中間転写ベルト5aを感光ドラム1から離間させる工程を設けた点にある。
【0050】
中間転写ベルト5aの内側に配置されている各ローラ、すなわち駆動ローラ5b、従動ローラ5c、テンションローラ5d、1次転写ローラ5eを、例えば、支持部材(不図示)によって一体的に支持する。そしてこの支持部材を、駆動ローラ5bを中心として矢印Ra方向に揺動自在に構成する。また、テンションローラ5dに離間カム5hを当接させる。この離間カム5hを矢印Rc方向に回転させることで、テンションローラ5dを介して支持部材を矢印Ra方向に揺動させ、これにより中間転写ベルト5aを感光ドラム1に対して接離させる。さらに、この中間転写ベルト5aの揺動動作の妨げにならないように、2次転写ローラ5fも矢印Rb方向に移動自在に構成する。
【0051】
図6は、本参考例2の大サイズ印字シーケンスを示すタイミングチャートである。なお、離間カム5h以外の動作は、前述の参考例1と同様である。離間カム5hは、各色の現像が終了した時点で次の色の現像が開始されるまで動作させる。すなわち、各入りの現像が終了してから次の色の現像が開始されるまでの間、感光ドラム1から中間転写ベルト5aを離間させる。これにより、参考例1の大印字シーケンスを実行した場合に生じる空回転時(非画像転写時)現像と次の現像との間、中間転写ベルト5aを回転させること)に、中間転写ベルト5aから感光ドラム1へのトナー像の逆転(又は再転写)を防止することができる。
【0052】
なお、通常印字シーケンスは、参考例1と同様である。
【0053】
〈実施の形態1〉
図7は、実施の形態1における大サイズ印字シーケンスのタイミングチャートを示す。本実施の形態においては、図3に示す参考例1とは異なり、中間転写ベルト5aの空回転時にも1次転写バイアスの値を変更するようにし、さらに、その値を次のように設定している。
【0054】
第n色目の1次転写時に中間転写ベルト5aに印加する1次転写バイアスをTn、第n色目の非画像転写時の転写バイアスをTn′(ただしnは、n≦3の自然数)としたときに、これらの値を、
Tn≦Tn′≦T(n+1)≦T(n+1)′ (ただし、n≦3の)
が成り立つように設定する。これを具体的に表わすと、
T1≦T1′≦T2≦T2′≦T3≦T3′≦T4≦T4′
となる。すなわち、1次転写時か非画像転写時かにかかわらず、中間転写ベルト5aが回転するごとに、1次転写バイアスを高くするようにしている。
【0055】
これにより、中間転写ベルト5aに対するトナーの吸着力を増加させ、空回転時の感光ドラム1へのトナー像の逆転(又は再転写)を防止するようにしている。本実施の形態1は、前述の参考例2に比較して構成が簡単であるため、コストを低減できるというメリットがある。
【0056】
なお、本実施の形態1においても、通常印字シーケンスは、参考例1の通常印字シーケンスと同様である。
【0057】
〈実施の形態2〉
上述の参考例2では、図6に示すように、大サイズ印字シーケンスにおいては、中間転写ベルト5aを感光ドラム1から離間させた状態で1回転移動(1回転だけ空回転)させていたが、この離間させた状態での1回転に代えて、離間後の所定時間(例えばVtと同等以上)だけ中間転写ベルト5aを停止させる又は減速状態を保つようにしてもよい。ただし、この場合においても、感光ドラム1は、通常の回転状態、又は減速状態をと持つようにし、停止させないのが好ましい。この方が、感光ドラム1表面の電位の均一性を保てるからである。
【0058】
〈実施の形態3〉
前述の実施の形態1では、大サイズ印字シーケンスにおいて中間転写ベルト5aを感光ドラム1に当接させた状態で1回転させていたが、この場合、1次転写バイアスとしてトナーの中間転写ベルト5aへの吸着力を増加させる転写バイアスを印可させる方法を説明したが、この方法は、前述の参考例2又は実施の形態2に適用してもよい。これら参考例2、実施の形態2では、感光ドラム1から中間転写ベルト5aを離間させるので、中間転写ベルト5a上のトナーが感光ドラム1に逆転写することはないが、離間距離が極めて小さい場合などには中間転写ベルト5a上のトナー像が乱れたり、一部、感光ドラム1に向かって飛び移ったりする場合があり、これに対して上述の実施の形態1のような転写バイアスは有効である。
【0059】
以上説明した実施の形態1ないし実施の形態5においては、中間転写体としてベルト状の中間転写ベルト5aを使用した場合について説明したが、本発明は、中間転写体としてはこれに限定されず、例えば、ドラム状の中間転写ドラムを使用することもできる。この中間転写ドラムを用いた場合も、上述の中間転写ベルト5aを用いた場合とほぼ同様の効果を上げることができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、制御手段によって印字シーケンスを、転写材の搬送方向長さLP がLP ≦L−Vtを満たす場合の第1の印字シーケンスと、L−Vt<LP ≦Lを満たす場合の第2の印字シーケンスとに切り替えるようにし、例えば、第2の印字シーケンスにおいて非画像転写時に中間転写体を移動させて現像器切替え時間tをこの非画像転写時に設けることにより、中間転写体の周長Lのうちに切替え時間tに相当するVtを設ける必要がなくなるので、中間転写体の全周を1次転写に使用することができる。したがって、中間転写体の周長Lを延長、ひいては画像形成装置の大型化を招くことなく、搬送方向長さLP が長い転写材に対してもフルカラーの画像を形成することができる。
【0061】
また、中間転写体の接離手段を設け、非画像転写時に像担持体から中間転写体を離間させるときは、大サイズ印字シーケンスで問題となるトナー像の再転写(中間転写体から像担持体への逆転写)を防止することができる。
【0062】
さらに、転写バイアスをTn≦Tn′≦T(n+1)≦T(n+1)′に設定したときは、中間転写ベルト5aに対するトナーの吸着力を増加させて、空回転時の像担持体へのトナーの再転写を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1の画像形成装置の概略構成を示す縦断面図。
【図2】通常印字シーケンス(第1の印字シーケンス)を示すタイミングチャート。
【図3】参考例1における大サイズ印字シーケンス(第2の印字シーケンス)を示すタイミングチャート。
【図4】通常印字シーケンスと大サイズ印字シーケンスとの切替えを示すフローチャート。
【図5】参考例2の画像形成装置の概略構成を示す縦断面図。
【図6】参考例2における大サイズ印字シーケンス(第2の印字シーケンス)を示すタイミングチャート。
【図7】実施の形態1における大サイズ印字シーケンス(第2の印字シーケンス)を示すタイミングチャート。
【図8】従来の画像形成装置の概略構成を示す縦断面図。
【図9】従来の他の画像形成装置の概略構成を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 像担持体(感光ドラム)
2 帯電器(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
4a ロータリ
4B ブラックの現像器
4C シアンの現像器
4M マゼンタの現像器
4Y イエローの現像器
5 転写装置
5a 中間転写体(中間転写ベルト)
5e 1次転写ローラ
5f 2次転写ローラ
8 定着器
9 サイズ検知手段
10 給紙カセット
10a 駒
20 制御手段(制御装置)
L 中間転写体の周長
LP 転写材の搬送方向長さ
t 現像器切替え時間
V プロセススピード
Claims (3)
- トナー像を担持する像担持体と前記像担持体からトナー像を転写するための転写手段とを有し、前記像担持体と前記転写手段とで形成される転写位置において前記像担持体から複数回の転写を受けて画像を形成する際、前記像担持体からの転写を受けることなく、既に転写されたトナー像が前記転写位置を通過して画像を形成するモードを有する画像形成装置において、
既に転写されたトナー像が前記像担持体からの転写を受けることなく前記像担持体と接触しながら前記転写位置を通過するときに、前記転写手段に印加するバイアスは、その直前の転写時に前記転写手段に印加される転写バイアスよりも高く、その直後の転写時に前記転写手段に印加される転写バイアスよりも低い、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 既に転写されたトナー像が前記転写位置を通過する際には、毎回、前記像担持体からトナー像の転写を受けて画像を形成する別のモードを有し、
画像形成するトナー像の大きさに応じてモードを切り替える、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記転写手段が、中間転写体を有する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
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