JP3595468B2 - 双眼鏡とその製造方法 - Google Patents

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    • Y10T408/00Cutting by use of rotating axially moving tool
    • Y10T408/03Processes

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は二軸連動式の双眼鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、双眼鏡には眼幅調整機能を備えたものが知られている。眼幅調整機能とは、使用者によって異なる両目の間の距離に合わせて一対の接眼光学系の光軸間の距離を微調整する機能である。このような眼幅調整機能を実現するために、左右の望遠光学系全体を左右の望遠光学系から等距離にある所定の軸回りに連動して回転させる一軸式のものや、一対の接眼光学系をそれぞれ対応する対物光学系の光軸回りに連動して回転させる二軸連動式のものが知られている。
【0003】
二軸連動式双眼鏡においては、対物光学系は接眼光学系の回転運動から常時独立していなければならないため、対物光学系の保持部材と接眼光学系の保持部材は、それぞれ異なる支持枠に支持される。
【0004】
ところで、双眼鏡は光学機器としての機能を果たすために、製造工程において左右の望遠光学系の光軸の芯出し、及び光軸倒れの調整という作業が行なわれる。光軸の芯出しとは、左右の望遠光学系のそれぞれにおいて、接眼光学系の光軸と対物光学系の光軸を一致させる作業である。また、光軸倒れの調整とは左右の望遠光学系の光軸を互いに平行となるよう調整する作業である。これらの作業は各光学系をそれぞれの保持部材に取り付けた上で各保持部材を組み立てた後に行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述のように二軸連動式双眼鏡においては接眼光学系の保持部材と対物光学系の保持部材は異なる支持枠に支持されているため、各保持部材における光学系の取り付け具合を調整しつつ、鏡筒支持部材同士の相対的位置関係を調整しなければならない。また、接眼光学系と対物光学系の光軸の不一致や左右の望遠光学系の光軸倒れの度合いは、各双眼鏡により微妙に異なる。従って、従来の二軸連動式双眼鏡の製造において、光軸の芯出しや光軸倒れの調整は困難であり、多大な労力を要するという問題があった。
【0006】
本発明は、以上の問題を解決するものであり、製造工程における光軸調整が容易な二軸連動式双眼鏡を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる双眼鏡は、一対の接眼光学系をそれぞれ対応する一対の対物光学系の光軸回りに回転させることにより眼幅調整を行なう二軸連動式の双眼鏡であって、一対の接眼光学系をそれぞれ保持し眼幅調整のために揺動可能な一対の揺動部材と、一対の揺動部材を保持する板状の揺動部材保持部と、一対の対物光学系を保持する板状の対物光学系保持部と、揺動部材保持部及び対物光学系保持部と一体的に形成され、かつ揺動部材保持部と対物光学系保持部が平行となるよう連結する連結部を有する取付台とを備え、揺動部材保持部に一対の揺動部材がそれぞれ取り付けられる第1の開口部が形成され、対物光学系保持部に一対の対物光学系がそれぞれ取り付けられる第2の開口部が形成され、一対の揺動部材の一方が取り付けられる第1の開口部の形状の幾何学的重心を通り揺動部材保持部に直交する軸芯線と、一対の揺動部材の一方が取り付けられる第1の開口部に対応する第2の開口部の形状の幾何学的重心を通り対物光学系保持部に直交する軸芯線と、この第2の開口部に取り付けられる、一対の対物光学系の一方の対物光学系の光軸とが一致し、かつ、一対の揺動部材の他方が取り付けられる第1の開口部の形状の幾何学的重心を通り揺動部材保持部に直交する軸芯線と、一対の揺動部材の他方が取り付けられる第1の開口部に対応する第2の開口部の形状の幾何学的重心を通り対物光学系保持部に直交する軸芯線と、この第2の開口部に取り付けられる、一対の対物光学系の他方の対物光学系の光軸とが一致するよう、第1の開口部及び第2の開口部が形成されていることを特徴とする。
【0008】
好ましくは、連結部は揺動部材保持部及び対物光学系保持部に対して直交する面に沿う板状部材である。
【0009】
好ましくは、第1の開口部及び第2の開口部はそれぞれ円形であり、例えば、第1の開口部の径は第2の開口部の径より小さい。
【0010】
好ましくは、揺動部材保持部と対物光学系保持部に挟まれた空間内において、連結部に可動光学系が配設されており、可動光学系は例えば像振れ補正のための補正光学系であって、光軸に直交する平面内において2次元的に駆動される。
【0011】
取付部材を揺動部材保持部及び対物光学系保持部に直交する面で切断した断面形状は、例えばコの字型である。
【0012】
また、本発明に係る双眼鏡の製造方法は、一対の接眼光学系をそれぞれ保持し眼幅調整のために揺動可能な一対の揺動部材と、一対の揺動部材を保持する板状の揺動部材保持部と、一対の対物光学系を保持する板状の対物光学系保持部と、揺動部材保持部及び対物光学系保持部と一体的に形成され、かつ揺動部材保持部と対物光学系保持部が平行となるよう連結する連結部を有する取付台とを備えた双眼鏡の製造方法であって、取付を所定の軸回りに回転させながら、所定の軸から第1の距離をおいて位置決めされた切削工具を対物光学系保持部の表面に押し当てることにより、対物光学系保持部に一対の対物光学系を取り付けるための開口部を穿設する第1ステップと、そのままの状態で取付部材を所定の軸回りに回転させながら、所定の軸から第2の距離をおいて位置決めされた切削工具を揺動部材保持部の表面に押し当てることにより、揺動部材保持部に一対の揺動部材を取り付けるための開口部を穿設する第2ステップを備えることを特徴とする。
【0013】
以上のように、本発明によれば、一対の接眼光学系をそれぞれ保持する一対の揺動部材と、一対の対物光学系は単一の取付部材に取り付けられる。さらに、左右の望遠光学系において、接眼光学系を保持する揺動部材が取り付けられる開口部と対物光学系が取り付けられる開口部は軸芯線が一致するよう形成されている。従って、各光学系を取り付けた後の、左右の望遠光学系の光軸の芯出し及び光軸倒れの調整はそれぞれのレンズの加工誤差のみ調整すればよく、各レンズの取付具合の調整が容易である。
【0014】
また、左右の望遠光学系のそれぞれにおいて、接眼光学系を保持する揺動部材が取り付けられる開口部と対物光学系が取り付けられる開口部は、同一の軸を回転中心として取付部材を回転させながら切削工具を押し当てることにより形成される。従って、各開口部の形成工程においてそれぞれの形状の軸芯線が容易に一致する。
【0015】
尚、取付部材の連結部に配設される可動光学系は像振れ補正のための補正光学系に限らず、例えば、インナーフォーカスを実現するため、望遠光学系の光軸に沿って移動可能な合焦のための光学系を配設してもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
尚、本明細書において「縦」とは平行に延びる2つの光軸を含む平面と直交する方向、即ち図1の紙面に直交する方向であり、「横」とは平行に延びる2つの光軸を含む平面と平行かつその2つの光軸と直交する軸と平行となる方向、即ち図1において水平方向である。
【0017】
図1は、本発明に係る実施形態が適用される双眼鏡1をその一対の光軸を含む面と平行な面で切断した一部断面図であり、図2は図1を側面から示す一部断面図である。尚、図1及び2において構成を明示するため一部の部材は省略され、また一部の部材は透視的に示されている。
【0018】
一対の対物レンズ10L、10Rを通過した光束は、補正レンズ20L、20Rを介して一対の像反転光学系30L、30Rに導かれる。像反転光学系30L、30Rを通過した光束は、一対の接眼レンズ群40L、40Rに導かれる。即ち、左望遠光学系は対物レンズ10L、補正レンズ20L、像反転光学系30L、接眼レンズ群40Lを備え、右望遠光学系は対物レンズ10R、補正レンズ20R、像反転光学系30R、接眼レンズ群40Rを備える。Olは対物レンズ10Lの光軸、Orは対物レンズ10Rの光軸を示し、Ol’は接眼レンズ群40Lの光軸、Or’は接眼レンズ群40Rの光軸を示している。
【0019】
一対の対物レンズ10L、10Rはそれぞれ対物レンズ鏡筒11L、11Rに保持され、一対の補正レンズ20L、20Rは像振れ補正装置20の単一の補正レンズ保持枠200に保持されている。尚、像振れ補正装置20とは、双眼鏡1の使用時において使用者の手振れ等により発生する左右の望遠光学系の光軸のぶれを補正するためのものである。
【0020】
接眼ユニット31Lはプリズム枠32Lと接眼レンズ枠33Lを備えている。プリズム枠32L内には、2個の直角プリズムからなり正立像を作るポロプリズムである像反転光学系30Lが配設される。接眼レンズ群40Lは接眼レンズ鏡筒41Lに保持され、接眼レンズ鏡筒41Lは保持具42Lを介して接眼レンズ枠33Lに取り付けられている。保持具42Lは接眼レンズ枠33Lにより光軸Ol’に沿って摺動可能に支持されている。また、プリズム枠32Lと接眼レンズ枠33Lの連結部分にはプリズム枠32L側に向かって延びる円筒形の接眼鏡筒支持枠34Lが形成されている。接眼鏡筒支持枠34Lは接眼レンズ鏡筒41Lにおいて双眼鏡内部側に位置決めされる端部を摺動可能に支持しており、保持具42Lの光軸Ol’に沿った運動を案内する。
【0021】
同様に、接眼ユニット31Rはプリズム枠32Rと接眼レンズ枠33Rを備え、プリズム枠32R内には、像反転光学系30Lと同様の像反転光学系30Rが配設される。接眼レンズ群40Rは接眼レンズ鏡筒41Rに保持され、接眼レンズ鏡筒41Rは保持具42Rを介して接眼レンズ枠33Rに取り付けられている。保持具42Rは接眼レンズ枠33Rにより光軸Or’に沿って摺動可能に支持されている。また、プリズム枠32Rと接眼レンズ枠33Rの連結部分にはプリズム枠32R側に向かって延びる円筒形の接眼鏡筒支持枠34Rが形成されている。接眼鏡筒支持枠34Rは接眼レンズ鏡筒41Rにおいて双眼鏡内部に配設される側の端部を摺動可能に支持しており、保持具42Rの光軸Or’に沿った運動を案内する。
【0022】
プリズム枠32Lにおいて補正レンズ20L側には、補正レンズ20L側に向かって延びる円筒形の取付枠35Lが形成され、プリズム枠32Rにおいて補正レンズ20R側には、補正レンズ20R側に向かって延びる円筒形の取付枠35Rが形成されている。
【0023】
プリズム枠32L、32Rの間には円柱形の転輪50が配設されている。転輪50は、その軸心が光軸Ol、Or、Ol’、Or’と平行となるよう位置決めされている。転輪50の軸心には転輪軸51が固定されており、転輪50の回転に伴い転輪軸51も回転する。柱状部材のガイド棒60は、軸心方向が光軸Ol’、Or’と平行な方向に沿うよう、即ち転輪軸51と平行に、かつ転輪軸51に対して双眼鏡1の使用時における底面側に配設されている(図2参照)。
【0024】
転輪軸51の対物レンズ10L、10R側に位置決めされる端部は取付台100の支持穴102Aに支持されている。転輪軸51の接眼レンズ群40L、40R側に位置決めされる端部は補強板70にビス71により固定されている。補強板70は長手方向が光軸Ol’、Or’を含む面に直交するよう位置決めされた板状部材である。ガイド棒60の対物レンズ10L、10R側に位置決めされる端部は取付台100の支持穴102Bに支持されている。補強板70において、転輪軸51が固定されている端部と反対側の端部には、ガイド棒60において接眼レンズ群40L、40R側に位置決めされる端部がビス72により固定されている。即ち、転輪軸51及びガイド棒60は、対物レンズ10L、10R側の端部はそれぞれ取付台100の支持穴102A、102Bに支持され、接眼レンズ群40L、40R側の端部は補強板70に支持されている。尚、取付台100における転輪軸51及びガイド棒60の支持構造の詳細は後述する。
【0025】
図3は、取付台100を対物レンズ鏡筒11R、11Lが取り付けられる側から示す斜視図である。取付台100は、対物レンズ鏡筒11R、11Lを支持するための対物側保持部101(対物光学系保持部)と、接眼ユニット31L、31Rを支持するための接眼側保持部102(揺動部材保持部)、及び対物側保持部101と接眼側保持部102を接続する連結部103とを備えている。対物側保持部101、接眼側保持部102、及び連結部103はそれぞれ板状であり、一体的に形成されている。また、対物側保持部101、接眼側保持部102は互いに平行となるよう設けられ、連結部103は対物側保持部101及び接眼側保持部102に直交するよう設けられている。即ち、取付台100は光軸Ol及びOrを含む面に直交する面で切断した断面形状がコの字型を有した板状部材である(図2参照)。
【0026】
対物側保持部101の上辺部の中央部分及び下辺部の中央部分において、対物側保持部101の中心に向かって三角状に切り欠かれた切り欠き部101U、101Bがそれぞれ形成されている。切り欠き部101U及び101Bを挟んで左右対称な位置に、円形の取付穴101L、101Rが穿設されている。取付穴101Lには対物レンズ鏡筒11Lが、取付穴101Rには対物レンズ鏡筒11Rが固定される。
【0027】
接眼側保持部102の上辺部の中央部分には連結部103と反対側に向かって延びる三角状の転輪軸支持部102Uが一体的に形成されている。転輪軸支持部102Uの頂点を通り連結部103に直交する方向に延びる軸線が接眼側保持部102の中心を通るよう、転輪軸支持部102Uは位置決めされている。この転輪軸102Uの頂点を通る軸線を挟んで左右対称な位置に、円形の取付穴102L、102Rが穿設されている。取付穴102Lには接眼ユニット31Lの取付枠35Lが回転可能に嵌合し、取付穴102Rには接眼ユニット31Rの取付枠35Rが回転可能に嵌合する。
【0028】
また、上述の転輪軸51を支持する支持穴102Aは転輪軸支持部102Uの頂点近傍に穿設され、ガイド棒60を支持する支持穴102Bは転輪軸支持部102Uの底辺近傍に穿設されている。支持穴102A及び支持穴102Bは、それぞれの中心を結ぶ線が連結部103に直交するよう位置決めされている。
【0029】
図4は取付台100を対物側保持部101の側から示す正面図である。取付穴101Lの径RL1は取付穴102Lの径RL2より大きく、取付穴101Lの中心と取付穴102Lの中心は一致している。同様に、取付穴101Rの径RR1は取付穴102Rの径RR2より大きく、取付穴101Rの中心と取付穴102Rの中心は一致している。上述のように、対物側保持部101及び接眼側保持部102は互いに平行である。即ち、円形の開口部である取付穴101Lの幾何学的重心を通り対物側保持部101に直交する軸芯線CL1と円形の開口部である取付穴102Lの幾何学的重心を通り接眼側保持部102に直交する軸芯線CL2が一致し、円形の開口部である取付穴101Rの幾何学的重心を通り対物側保持部101に直交する軸芯線CR1と円形の開口部である取付穴102Rの幾何学的重心を通り接眼側保持部102に直交する軸芯線CR2が一致するよう、取付穴101L、101R、102L、及び102Rは形成されている。
【0030】
接眼ユニット31L、31Rは以下のように取付台100に取り付けられる。接眼ユニット31Lの取付枠35Lの外周面にはネジ山が刻設されており、取付枠35Lの端部にはナット91が締め付けられている(図1参照)。ナット91と接眼側保持部102の対物側の表面の間にはワッシャ92が配設されている。従って、取付枠35Lは光軸Olを回転中心として回転可能であると共に、接眼ユニット31L全体の光軸Olに沿った方向への移動が防止される。同様に、取付枠35Rの外周面にはネジ山が刻設されており、取付枠35Rの端部にはナット93が締め付けられており、ナット93と接眼側保持部102の対物側の表面の間にはワッシャ94が配設されている。従って、取付枠35Rは光軸Orを回転中心として回転可能であると共に、接眼ユニット31R全体の光軸Orに沿った方向への移動が防止される。
【0031】
尚、ナット91及び93の外周面にはセットビス(図示せず)が設けられており、それぞれナット91、93を光軸Ol、Orに沿った方向において固定している。従って、ナット91と取付枠35L、及びナット93と取付枠35Rの螺合状態が保持される。
【0032】
また、転輪軸51及びガイド棒60は以下のように取付台100に取り付けられる。円筒形のホルダ52は、大径部52Aと小径部52Bを備えている(図1、2参照)。小径部52Bにはネジ山が刻設されており、取付台100の支持穴102Aの内壁面に形成された雌ネジに螺合している。大径部52Aにおいて小径部52Bが設けられた側の表面は、取付台100の接眼側保持部102の接眼側の表面に当接している。即ち、ホルダ52は支持穴102Aに固定されている。ホルダ52の内部には大径部52A、小径部52Bを挿通する軸受け52Cが穿設されており、軸受け52Cには転輪軸51が軸心を回転中心として回転可能に挿通している。
【0033】
転輪軸51において対物レンズ10L、10R側に位置決めされる端部の径は胴体部分に比べ小さくなるよう成型され、その外周面にはネジ山が刻設されている。この端部にはナット53が締め付けられ、転輪軸51において端部より大径の胴体部分とナット53との間にはワッシャ54が配設されている。従って、転輪軸51は軸心を回転中心として回転可能であり、かつ軸心に沿った方向においては固定されている。
【0034】
ガイド棒60において対物レンズ10L、10R側に位置決めされる端部の径は他の胴体部分より小さくなるよう成型されており、その外周面にはネジ山が刻設されている。この端部は上述の取付台100の接眼側保持部102の転輪軸支持部102Uに穿設された支持穴102Bを挿通している。また、端部より大径の胴体部分において光軸Orに直交する面と平行な表面は、取付台100の接眼側保持部102の接眼側の表面に当接している。この状態で、ガイド棒60の端部にはボルト61が締め付けられており、ガイド棒60は支持穴102Bに固定されている。
【0035】
以上のように、転輪軸51及びガイド棒60は、それぞれの軸心方向において、即ち光軸Ol’、Or’と平行な方向において移動しないよう、対物レンズ10L、10R側に位置決めされた端部は取付台100の支持穴102A、102Bに固定され、接眼レンズ群40L、40R側に位置決めされた端部は補強板70に固定されている。
【0036】
ここで、取付穴101L、101R、102L、及び102Rの穿設方法について説明する。図5は取付台100と同一の形状を有する加工体100’が旋盤150にセットされた状態を概略的に示す図である。旋盤150の本体151上には往復台152が配設される。往復台152には刃153が取り付けられている。チャック154は本体151内部に設けられたスピンドル(図示せず)に同軸的に固定されており、スピンドルの回転と共にスピンドルの軸心αを回転中心として回転する。治具155はチャック154に固定される一方、加工体100’がセットされる。従って、加工体100’は、チャック154の回転に応じて治具155を介して軸心αを回転中心として回転する。加工体100’は、対物側保持部101及び接眼側保持部102に相当する面101’及び102’が軸線αに直交するよう治具155にセットされる。
【0037】
軸心αに直交する面上における刃153の刃先と軸心αの距離が取付穴101Lの半径RL1(図4参照)と一致するよう、刃153を位置決めする。加工体100’を治具155にセットした状態でスピンドルを高速回転させながら往復台152をX方向に移動させ、刃153を面101’に接触させる。その結果、面101’に取付穴101Lと同一の径を有する穴が穿設される。次いで、そのままの状態で、即ちチャック154と治具155を同様に固定したまま、上述の刃153の刃先と軸心αの距離が取付穴102Lの半径RL2(図4参照)に一致するよう刃153の位置を調節し、スピンドルを高速回転させながら往復台152をさらにX方向へ移動させ、刃153を面102’に接触させる。その結果、面102’に取付穴102Lと同一の径を有する穴が形成される。
【0038】
面101’、102’にそれぞれ取付穴101L、102Lに相当する穴が形成されたら、スピンドルの回転を停止し、往復台152を元の位置に戻す。面101’、102’において穴が形成されていない部分にスピンドルの軸心αが直交するよう加工体100’を治具155にセットし直し、上述の工程を繰り返す。その結果、面101’に取付穴101Rと同一の径を有する穴が穿設され、面102’に取付穴102Rと同一の径を有する穴が形成される。
【0039】
上述のように、面101’への加工終了後、チャック154や治具155を取り外すことなく面102’への加工を行なう。その結果、面101’への加工及び面102’への加工は、いずれも同一の軸心αを中心として加工体100’を回転させながら行われる。従って、面101’及び面102’において、面101’、102’に直交する加工体100’の中心線に対して同じ側にそれぞれ形成される穴の中心は一致している。以上のような手順で加工体101’に穴を穿設することにより図3及び4に示す取付台100が得られる。
【0040】
尚、面101’に形成される2つの穴の相対的位置が、取付台100の対物側保持部101における取付穴101L、101Rの相対的位置と同一であり、かつ面102’に形成される2つの穴の相対的位置が、接眼側保持部102における取付穴102L、102Rの相対的位置と同一となるよう、往復台152の図5の紙面直交方向の位置は適宜調整される。
【0041】
上述の加工では、先ず面101’に穴を穿設し次いで面102’に穴を穿設する工程がとられているがこれに限るものではない。例えば、面102’に穴を穿設してから面101’に穴を穿設するという手順で加工を行なってもよい。
【0042】
図6及び7は本実施形態における像振れ補正装置20の要部を示す正面図であり、図6は取付台100の接眼側保持部102から見た図、図7は対物側保持部101から見た図である。
補正レンズ保持枠200は、縦方向駆動枠201と横方向駆動枠202を有している。縦方向駆動枠201は略長方形の平板であり開口部を有するドーナツ形状である。縦方向駆動枠201の開口部は、内壁面201A及び201Bが横方向と平行となるよう形成されている。縦方向駆動枠201の開口部には横方向駆動枠202が配設される。横方向駆動枠202は、それぞれ同一の質量、形状を有する補正レンズ20L、20Rを一体的に保持する長方形板状部材である。縦方向駆動枠201及び横方向駆動枠202は、補正レンズ20L、20Rの光軸に沿った方向の厚みが同一になるよう成型されている(図1、2参照)。
【0043】
駆動補助板210は、長手方向が縦方向に延びる板状部材であり、取付台100の連結部103にビス211により固定される(図2参照)。補正レンズ保持枠200の略中央部分、即ち補正レンズ20L、20Rの間に相当する部分に駆動補助板210が位置するよう、補正レンズ保持枠200と駆動補助板210は双眼鏡1の内部において位置決めされる。
【0044】
駆動補助板210において、縦方向駆動枠201の上端部201Uに対応する部分に、ガイド穴210Uが穿設され、縦方向駆動枠201の下端部201Lに対応する部分に、ガイド穴210Lが穿設されている。
【0045】
縦方向駆動枠201の上端部201Uの略中央および下端部201Lの略中央には、接眼レンズ群40L、40R側に突出する円筒状のガイドピン203、204がそれぞれ配設されている。ガイドピン203、204の外径は、ガイド穴210U及び210Lの横方向の幅よりもやや小さい。従って、ガイドピン203及び204は、それぞれガイド穴210U、210Lを挿通し、かつ縦方向に沿って移動可能である。ガイドピン204の先端は横断面形状が半月型となっており、その平面204Aが横方向と平行でかつy1方向を向くよう、接眼レンズ群40L、40R側に突出する。
【0046】
縦方向駆動枠201の上端部201Uにおいて補正レンズ20Lの近傍には、コイルバネ240が配設されている。コイルバネ240の両端部はフック形状を有しており、一方の端部は、上端部201Uにおいて補正レンズ20Lが配設された側の端部近傍に嵌合しているビス241に係合し、他方の端部は、駆動補助板210のガイド穴210Uの近傍に嵌合しているビス242に係合している。同様に、縦方向駆動枠201の下端部201Lにおいて補正レンズ20Lの近傍には、コイルバネ250が配設されている。コイルバネ250の両端部はフック形状を有し、一方の端部は、下端部201Lにおいて補正レンズ20Lが配設された側の端部近傍に嵌合しているビス251に係合し、他方の端部は、駆動補助板210のガイド穴210Lの近傍に嵌合しているビス252に係合している。
【0047】
即ち、コイルバネ240、250は縦方向駆動枠201にx1方向の付勢力を常時与えている。従って、ガイドピン203はガイド穴210Uの補正レンズ20R側の内壁面に常時当接し、ガイドピン204はガイド穴210Lの補正レンズ20R側の内壁面に常時当接している。
【0048】
ガイドピン203及びガイドピン204の重量、寸法は、縦方向駆動枠201、横方向駆動枠202と比較すると非常に小さい。従って、レンズ保持枠200の重心は、横方向駆動枠202において、補正レンズ20L、20Rの光軸と平行な方向の幅の略中央に位置する。さらに、重心を補正レンズ20L、20Rの光軸と平行な方向に沿って駆動補助板210に投影した点(図示せず)は、ガイドピン203とガイド穴210Uとの当接部分とガイドピン204とガイド穴210Lとの当接部分とを結ぶ線上の、横方向駆動枠202の縦方向の中央近傍に位置する。
【0049】
ガイド穴210U、210Lは、同一形状かつ同一寸法を有しており、レンズ保持枠200の重心の投影点を通り横方向と平行な線に対して対称に位置決めされている。双眼鏡1の使用時において、ガイドピン203、204がそれぞれガイド穴210U、210Lの中央に位置した状態で、補正レンズ20L、20Rの光軸と双眼鏡1の他の光学系の光軸は一致する。
【0050】
台座220は、L字型の板状部材であり、取付台100の接眼側保持部102において対物側保持部101側の面上に、ビス221により固定されている(図2参照)。縦方向アクチュエータ230は、ステッピングモータ231とシャフト232とから成る。ステッピングモータ231はモータケース231aとモータケース231a内に設けられたモータ231bとから成り、モータ231bは縦方向に沿った軸回りに正逆回転が可能である。モータケース231aは、台座220に固定され、モータ231bは台座220に穿設された孔(図示せず)を挿通し、y2方向に突出している。シャフト232はモータ231bの回転方向においてモータ231bと一体的に回転し、軸方向においてモータ231bに対して移動可能なように支持されている。シャフト232の外周面にはリードネジが形成されており、モータケース231aの軸線受けに形成されている雌ネジ(図示せず)に螺合している。即ち、モータ231bの正逆回転に対して、シャフト232は回転しながら、その軸方向に沿って進退する。シャフト232の先端部にはボールが埋設されており、このボールが目標物を押圧する。シャフト232の先端は、上述のガイドピン204の先端の平面204Aに当接している。
【0051】
尚、図6及び7においては省略しているが、縦方向駆動枠201において、両側端部にはコイルバネが配設されている。コイルバネの一方の端部は縦方向駆動枠201に固定され、他方の端部は双眼鏡1の内壁面(図示せず)に固定されており、縦方向駆動枠201に常時、y1方向の付勢力を与えている。従って、縦方向アクチュエータ230のシャフト232の先端は、常時、ガイドピン204の平面204Aに当接している(図2、6参照)。
【0052】
縦方向駆動枠201及び横方向駆動枠202の下端部近傍において対物レンズ10L、10R側には、横方向アクチュエータ260が配設されており、縦方向駆動枠201及び横方向駆動枠202の縦方向の中心に対して補正レンズ20Lが配設された側に配設されている(図1、2、7参照)。横方向アクチュエータ260はステッピングモータ261とシャフト262とから成る。ステッピングモータ261はモータケース261aとモータケース261a内に設けられたモータ261bとから成り、モータ261bは横方向に沿った軸回りに正逆回転が可能である。シャフト262はモータ261bの回転方向においてモータ261bと一体的に回転し、軸方向においてモータ261bに対して移動可能なように支持されている。シャフト262の外周面にはリードネジが形成されており、モータケース261aの軸線受けに形成されている雌ネジ(図示せず)に螺合している。即ち、モータ261bの正逆回転に対して、シャフト262は回転しながら、その軸方向に沿って進退する。シャフト262の先端部にはボールが埋設されており、このボールが目標物を押圧する。
【0053】
図7に示すように、縦方向駆動枠201の下端部201Lの近傍には、コイルバネ290が配設されている。コイルバネ290は他のコイルバネと同様、両端部がフック形状を有しており、一方の端部は縦方向駆動枠201に嵌合するビス291に係合し、他方の端部は横方向駆動枠202に固定された被押圧部材292に穿設された孔(図示せず)に係合している。即ち、コイルバネ290は、被押圧部材292に常時x2方向の付勢力を与えている。従って、横方向アクチュエータ260のシャフト262の先端は、常時、被押圧部材292に当接している。
【0054】
図2に示すように、ステッピングモータ261のモータケース261aの一方の端部には略菱形のフランジ261cが一体的に形成されている。フランジ261cは、縦方向駆動枠201の下端部201Lに固定された平板状の固定部材270に、ビス270a、及びモータケース261aを挟んでビス270aの反対側に位置決めされたビス270bにより固定されている。即ち、モータケース261aはフランジ261c及び固定部材270を介して縦方向駆動枠201に固定されている。
【0055】
図1に示すように、ステッピングモータ231のモータケース231aの一方の端部には略菱形のフランジ231cが一体的に形成されており、フランジ231cは台座220にビス233a、モータケース231aを挟んでビス233aの反対側に位置決めされたビス233bにより保持されている。即ち、モータケース231aはフランジ231c、台座220を介して取付台100に固定されている。
【0056】
また、図1に示すように、取付台100の連結部103において縦方向駆動枠201の両側端部近傍には薄板状の駆動枠支持部材390が配設されている。駆動枠支持部材390は、連結部103上に固定される固定部390Aと、固定部に連続しかつ固定部に対して垂直な方向に延びる支持部390Bとを備える。支持部390Bには縦方向駆動枠201の光軸Ol、Or方向に沿った厚みと略同じ厚みを有するリード板391が固定されている。リード板391の側端面は取付台100の連結部103に直交するよう延びており、縦方向駆動枠201の両側端面が連結部103に直交する方向に沿って摺動可能なよう当接している。
【0057】
モータ231bが正転すると、シャフト232は回転しながら不図示のコイルバネの付勢力に抗してy2方向に突出する。シャフト232のy2方向への動きはガイドピン204を介して縦方向駆動枠201に伝達される。上述のように縦方向駆動枠201は両端部のリード板391に摺動可能に支持されているため、縦方向駆動枠201はモータ231bの正転に応じて、コイルバネのy1方向への付勢力に抗してy2方向へ駆動される(図6参照)。一方、モータ231bが逆転するとシャフト232は回転しながらy1方向に引き込まれ、コイルバネのy1方向への付勢力により縦方向駆動枠201はy1方向へ駆動される。
【0058】
モータ261bが正転すると、シャフト262は回転しながらコイルバネ290の付勢力に抗してx1方向に突出する。シャフト262のx1方向への動きは被押圧部材292を介して横方向駆動枠202に伝達される。上述のように横方向駆動枠202は縦方向駆動枠201に摺動可能に支持されているため、横方向駆動枠202はモータ261bの正転に応じて、コイルバネ290のx2方向への付勢力に抗してx1方向へ駆動される(図7参照)。一方、モータ261bが逆転するとシャフト262は回転しながらx2方向に引き込まれ、コイルバネ290のx2方向への付勢力により横方向駆動枠202はx2方向へ駆動される。
【0059】
双眼鏡1に設けられたスイッチボタン(図示せず)が使用者により押されると、像振れ補正装置20による像振れ補正制御が行なわれる。像振れ補正制御の開始時、補正レンズ20Lの光軸OP1が対物レンズ10Lの光軸Olに一致し、補正レンズ20Rの光軸OP2が対物レンズ10Rの光軸Orに一致するよう、縦方向駆動枠201及び横方向駆動枠202が位置決めされる。
【0060】
ジャイロセンサ等(不図示)により手振れ等に起因する左右の望遠光学系の光軸のぶれの角速度が検出され、制御装置(不図示)によりその角速度が積分処理され光軸の角度位置が算出され、上述の各レンズの光軸が一致した位置と積分処理により算出された光軸の角度位置との差分が算出される。さらに、その差分を解消するよう補正レンズ20L、20Rを移動すべく、縦方向アクチュエータ230及び横方向アクチュエータ260の駆動量、即ちモータ231b、261bの回転ステップ数が制御装置により算出される。算出された回転ステップ数に基づいてモータ231b、261bが駆動され、縦方向駆動枠201及び横方向駆動枠202がそれぞれ縦方向、横方向において移動し、望遠光学系の光軸のぶれが補正される。
【0061】
尚、リード板391にはワッシャ392を介してビス393が固定されている(図1参照)。ワッシャ392の周縁部の一部がリード板391の側端部よりも縦方向駆動枠201側に突出するよう、ワッシャ392及びビス393は位置決めされている。また、光軸Ol、Orに直交する方向と平行な方向において、駆動枠支持部材390の支持部390Bの長さは、リード板391よりも長い。即ち、ワッシャ392の周縁部と支持部390Bの側辺部によって縦方向駆動枠201の側端部は挟持されている。従って、縦方向駆動枠201の光軸OP1、OP2と平行方向への移動が防止される。
【0062】
また、支持部材280はビス281、ナット282、ワッシャ283を有している(図6、7参照)。ビス281のシャフトにはネジ山が切られており、シャフトは縦方向駆動枠201を挿通している。ビス281のヘッドの反対側の端部にはナット282が締め付けられている(図6参照)。ビス281のヘッドと縦方向駆動枠201の間、及びナット282と縦方向駆動枠201の間にそれぞれワッシャ283が配設されている。一対のワッシャ283は縦方向駆動枠201の光軸OP1、OP2に直交する両側面において横方向駆動枠202の近傍にそれぞれ位置決めされ、両側面をそれぞれ含む平面内において横方向駆動枠202へ向かって突出するよう配設される。即ち、横方向駆動枠202はその端部においてワッシャ283の周縁部の一部で挟持されており、光軸OP1、OP2と平行方向に移動しないよう保持されている。
【0063】
さらに、駆動補助板210において穴210Uの下端部近傍には、シャフト停止板212がビスにより固定されている(図2参照)。シャフト停止板212は駆動支持板210と平行な固定部と、固定部と連続しかつ直交する方向に延出した停止部とを備えた、断面形状がL字型の板状部材である。シャフト停止板212は、その停止部が縦方向アクチュエータ230のシャフト232においてガイドピン204と当接する端部と反対側の端部と対向するよう配設される。また、シャフト停止板212の停止部は上述の像振れ補正制御におけるシャフト232の可動範囲を超えた位置に位置決めされている。従って、不測の外力が双眼鏡1に加わることによりシャフト232が必要以上に上方に突出することが防止され、シャフト232のリードネジとモータケース231aの雌ネジとの螺合関係が保持される。
【0064】
図1及び2に示すように、接眼ユニット31L、31Rの間には連結棹300が配設される。連結棹300は、保持具42L、42Rよりも像反転光学系30L、30R側に位置決めされている。図8は連結棹300を接眼側から示す正面図である。連結棹300は放射状に延びる柱状部材である3本のアーム301、302、303を備えており、接眼側から見た場合、全体として略Y字型を有している。アーム301及び302の端部にはそれぞれ保持具42L、42Rを支持するための穴301A、302Aが穿設されている。穴301Aの中心は、対物レンズ10Lの光軸Olに一致し、穴302Aの中心は対物レンズ10Rの光軸Orに一致している。
【0065】
保持具42Lはその外周面に一体的に形成された柱状突起部421Lを備えており、柱状突起部421Lの端部には、アーム301の穴の径よりもわずかに大きい径を有する穴が穿設されている。同様に、保持具42Rはその外周面に一体的に形成された柱状突起部421Rを備えており、柱状突起部421Rの端部には、アーム302の穴の径よりもわずかに大きい径を有する穴が穿設されている。
【0066】
穴301A及び柱状突起部421Lの穴にはピン311が挿通しており、ピン311のヘッドは柱状突起部421Lの接眼側の面に当接している。ピン311は、穴301Aに固定され、柱状突起部421Lの穴には、柱状突起部421Lが穴の中心を回転中心として回転可能なよう嵌合している。同様に、穴302A及び柱状突起部421Rの穴にはピン312が挿通しており、ピン312のヘッドは柱状突起部421Rの接眼側の面に当接している。ピン312は穴302Aに固定され、柱状突起部421Rの穴には、柱状突起部421Rが穴の中心を回転中心として回転可能なよう嵌合している。
【0067】
柱状突起部421Lの対物側の面にはアーム301が当接し、柱状突起部421Rの対物側の面にはアーム302が当接している(図1参照)。即ち、柱状突起部421Lはピン311のヘッドとアーム301に挟持されると共に、対物レンズ10Lの光軸Olを回転中心として回転可能にアーム301に支持され、柱状突起部421Rはピン312のヘッドとアーム302に挟持されると共に、対物レンズ10Rの光軸Orを回転中心として回転可能にアーム302に支持されている。
【0068】
さらに、接眼ユニット31Lのプリズム枠32L、及び接眼ユニット31Rのプリズム枠32Rには、互いに対向する外周面に連動ギア321L、321Rが形成され、連動ギア321Lと321Rは互いに噛合している。
【0069】
上述のように、左接眼ユニット31Lの取付枠35Lは取付台100の取付穴102Lに回転可能に嵌合し、右接眼ユニット31Rの取付枠35Rは取付台100の取付穴102Rに回転可能に嵌合し、一方、保持具42Lは対物レンズ10Lの光軸Olを回転中心として回転可能に支持され、保持具42Rは対物レンズ10Rの光軸Orを回転中心として回転可能に支持されている。即ち、左接眼ユニット31L全体が対物レンズ10Lの光軸を回転中心として回転可能であり、右接眼ユニット31R全体が対物レンズ10Rの光軸を回転中心として回転可能であり、両者の回転運動は連動して行われる。従って、左接眼ユニット31Lと右接眼ユニット31Rに、光軸回りに外力を加えることより、対物レンズ10L、10Rの位置は維持したまま、接眼レンズ群40Lの光軸Ol’と接眼レンズ群40Rの光軸Or’の間の距離を調整することができ、使用者に合わせた眼幅調整が可能である。
【0070】
例えば、図8は眼幅を最大にした状態を示しているが、この状態で左接眼ユニット31Lが時計周りに回転し、右接眼ユニット31Rが反時計周りに回転するよう外力を加えると、左接眼ユニット31L、右接眼ユニット31Rはそれぞれ対物レンズ10Lの光軸Ol、対物レンズ10Rの光軸Orを回転中心として連動して回転する。その結果、図9に示すように、接眼レンズ群40Lの光軸と接眼レンズ群40Rの光軸の間の距離が狭められる。
【0071】
連結棹300のアーム303の端部は中心軸線が光軸Ol’、Or’に沿った方向に延びる円筒形を有しており(図1、2参照)、その内部には穴303Aが穿設されている。穴303Aの内壁面には雌ネジが形成されており、転輪軸51が螺合している。また、連結棹300において放射状に延びるアーム301〜303を接続する中心部304には穴304Aが穿設されている。穴304Aにはガイド棒60が摺動可能に挿通している。
【0072】
使用者が転輪50を回転させると、転輪50の回転運動に伴い転輪軸51が中心軸線を回転中心として回転する。上述のように、転輪軸51は軸心方向において移動しないよう取付台100の支持穴102A及び補強板70に固定され、かつ転輪軸51の回転運動の連結棹300への伝達はガイド棒60が連結棹300の穴304Aを挿通していることにより防止される。従って、転輪軸51の回転運動に伴い連結棹300は光軸Ol’、Or’に沿って移動する。例えば、接眼レンズ群40L、40Rの側から見て転輪を時計回りに回転させると連結棹300は光軸Ol’、Or’に沿って対物レンズ10L、10Rに近づく方向へ移動し、転輪を反時計回りに回転させると連結棹300は光軸Ol’、Or’に沿って対物レンズ10L、10Rから離れる方向へ移動する。
【0073】
上述のように、保持具42Lの柱状突起部421Lはピン311のヘッドと連結棹300のアーム301に挟持され、保持具42Rの柱状突起部421Rはピン312のヘッドと連結棹300のアーム302に挟持されている。従って、連結棹300の光軸Ol’、Or’に沿った移動に伴い、接眼レンズ群40L、40Rも移動する。従って、使用者が転輪50を回転操作することにより接眼レンズ群40L、40Rが光軸Ol’、Or’に沿って移動し、合焦動作が行われる。
【0074】
転輪軸51と平行なガイド棒60が取付台100の支持穴102B及び補強板70に支持されている。従って、連結棹300の光軸Ol’、Or’に沿った移動が安定してスムーズに行なわれる。
【0075】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、製造工程における光軸調整が容易な二軸連動式双眼鏡が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態が適用される双眼鏡を一対の光軸を含む面で切断した一部断面図である。
【図2】双眼鏡の中央部分を、一対の光軸を含む面に直交する面で切断した一部断面図である。
【図3】取付台の斜視図である。
【図4】取付台の正面図である。
【図5】取付台の製造における一工程を示す図である。
【図6】取付台に配設される像振れ補正装置を接眼レンズ側から示す正面図である。
【図7】取付台に配設される像振れ補正装置を対物レンズ側から示す正面図である。
【図8】接眼レンズ眼幅を最大に広げた状態における連結棹を示す正面図である。
【図9】接眼レンズ眼幅を最小に狭めた状態における連結棹を示す正面図である。
【符号の説明】
10L、10R 対物レンズ
20L、20R 補正レンズ
30L、30R 像反転光学系
40L、40R 接眼レンズ群
11L、11R 対物レンズ鏡筒
20 像振れ補正装置
31L、31R 接眼ユニット
32L、32R プリズム枠
33L、33R 接眼レンズ枠
34L、34R 接眼鏡筒支持枠
35L、35R 取付枠
41L、41R 接眼レンズ鏡筒
42L、42R 保持具
50 転輪
51 転輪軸
60 ガイド棒
70 補強板
100 取付台
200 補正レンズ保持枠
300 連結棹

Claims (8)

  1. 一対の接眼光学系をそれぞれ対応する一対の対物光学系の光軸回りに回転させることにより眼幅調整を行なう二軸連動式の双眼鏡であって、
    前記一対の接眼光学系をそれぞれ保持し眼幅調整のために揺動可能な一対の揺動部材と、
    前記一対の揺動部材を保持する板状の揺動部材保持部と、前記一対の対物光学系を保持する板状の対物光学系保持部と、前記揺動部材保持部及び前記対物光学系保持部と一体的に形成され、かつ前記揺動部材保持部と前記対物光学系保持部が平行となるよう連結する連結部を有する取付台とを備え、
    前記揺動部材保持部に前記一対の揺動部材がそれぞれ取り付けられる第1の開口部が形成され、前記対物光学系保持部に前記一対の対物光学系がそれぞれ取り付けられる第2の開口部が形成され、
    前記一対の揺動部材の一方が取り付けられる前記第1の開口部の形状の幾何学的重心を通り前記揺動部材保持部に直交する軸芯線と、前記一対の揺動部材の一方が取り付けられる前記第1の開口部に対応する前記第2の開口部の形状の幾何学的重心を通り前記対物光学系保持部に直交する軸芯線と、該第2の開口部に取り付けられる、前記一対の対物光学系の一方の対物光学系の光軸とが一致し、
    かつ、前記一対の揺動部材の他方が取り付けられる前記第1の開口部の形状の幾何学的重心を通り前記揺動部材保持部に直交する軸芯線と、前記一対の揺動部材の他方が取り付けられる前記第1の開口部に対応する前記第2の開口部の形状の幾何学的重心を通り前記対物光学系保持部に直交する軸芯線と、該第2の開口部に取り付けられる、前記一対の対物光学系の他方の対物光学系の光軸とが一致するよう、
    前記第1の開口部及び前記第2の開口部が形成されていることを特徴とする双眼鏡。
  2. 前記連結部は前記揺動部材保持部及び前記対物光学系保持部に対して直交する面に沿う板状部材であることを特徴とする請求項1に記載の双眼鏡。
  3. 前記第1の開口部及び前記第2の開口部はそれぞれ円形であることを特徴とする請求項1に記載の双眼鏡。
  4. 前記第1の開口部の径が前記第2の開口部の径より小さいことを特徴とする請求項3に記載の双眼鏡。
  5. 前記揺動部材保持部と前記対物光学系保持部に挟まれた空間内において、前記連結部に可動光学系が配設されていることを特徴とする請求項2に記載の双眼鏡。
  6. 前記可動光学系は、像振れ補正のための補正光学系であり、光軸に直交する平面内において2次元的に駆動されることを特徴とする請求項5に記載の双眼鏡。
  7. 前記取付台を前記揺動部材保持部及び前記対物光学系保持部に直交する面で切断した断面形状がコの字型であることを特徴とする請求項2に記載の双眼鏡。
  8. 一対の接眼光学系をそれぞれ保持し眼幅調整のために揺動可能な一対の揺動部材と、
    前記一対の揺動部材を保持する板状の揺動部材保持部と、一対の対物光学系を保持する板状の対物光学系保持部と、前記揺動部材保持部及び前記対物光学系保持部と一体的に形成され、かつ前記揺動部材保持部と前記対物光学系保持部が平行となるよう連結する連結部を有する取付台とを備えた双眼鏡の製造方法であって、
    前記取付台を所定の軸回りに回転させながら、前記所定の軸から第1の距離をおいて位置決めされた切削工具を前記対物光学系保持部の表面に押し当てることにより、前記対物光学系保持部に前記一対の対物光学系を取り付けるための開口部を穿設する第1ステップと、
    そのままの状態で前記取付部材を前記所定の軸回りに回転させながら、前記所定の軸から第2の距離をおいて位置決めされた前記切削工具を前記揺動部材保持部の表面に押し当てることにより、前記揺動部材保持部に前記一対の揺動部材を取り付けるための開口部を穿設する第2ステップを備えることを特徴とする双眼鏡の製造方法。
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