JP3595273B2 - パネル表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータおよびテレビ等の画像表示に用いるガス放電パネル表示装置及びガス放電パネルの駆動方法に関し、特に、誘電体層に電荷をためることによって画像を書き込み、放電維持することによって発光させるAC型PDPに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータやテレビ等に用いられているディスプレイ装置において、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel,以下PDPと記載する)をはじめとするガス放電パネルは、大型で薄型軽量を実現することのできるものとして注目されている。
【0003】
このPDPは、マトリックス状に配列された放電セルが選択的に発光することによって画像表示される。
PDPは、大別して直流型(DC型)と交流型(AC型)とに分けられるが、現在では大型化に適したAC型が主流となっている。
AC型PDPにおいて、各放電セルは元来、点灯もしくは消灯の2階調しか表現できないので、1フレーム(1フィールド)を複数のサブフレーム(サブフィールド)に分割し、各サブフレームにおける点灯/消灯を組み合わせて中間階調を表現するフレーム内時分割階調表示方式が用いられている。
【0004】
そして、各サブフレームでは、ADS(Address Display−period Separation)方式によって画像表示する。即ち、各サブフレームは、図25に示されように、初期化期間、書込期間、放電維持期間、消去期間という一連のシーケンスで構成されており、書込期間には、点灯すべき放電セルに壁電荷を蓄積して画像を書き込み、放電維持期間においては、全体の放電セルに一括して、交流の維持パルスを印加する。このとき印加する維持パルスの電圧は、壁電荷が蓄積された放電セルでは放電しそれ以外のセルでは放電しないような範囲(通常150〜200Vの範囲)内に設定される。
【0005】
この発光原理は基本的に蛍光灯と同様であって、維持パルスを印加して通常のグロー放電を発生させることによりXeから紫外線(Xe共鳴線、波長147nm)を発生し、蛍光体を励起発光させるが、放電エネルギの紫外線への変換効率や、蛍光体における可視光への変換効率が悪いので、蛍光灯のように高い輝度を得ることは難しい。
【0006】
また、他のディスプレイと同様、PDPにおいても高精細化に対する要求がある(例えば、近年実用化されつつあるハイビジョンテレビでは、フルスペックで画素数が1920×1080と高精細である。)が、このような高精細のPDPにおいては、発光効率は更に低くなりやすい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような背景のもとで、PDPにおいて発光効率(投入する電力量に対する発光量)を向上させることが望まれる。この課題に対して、例えば、PDPの構造を改良することによって発光効率を向上させる技術や、紫外線の発光に寄与しない電流(無効電流)を回収する技術も開発されているが、無効電流の発生を低減する技術も望まれている。
【0008】
また、図25に示されように、維持パルスとしては、一般的に矩形波が用いられている。この矩形波は三角関数波のような波形と比べて立ち上がりがシャープであるため、基本的には、維持パルスに矩形波を用いれば、立ち上がり開始から比較的短時間で放電を開始させることができるので、比較的安定した画像を表示することができる。
【0009】
しかしながら、維持パルスを印加するときに、その立ち上がりからかなり遅れて放電が開始されるといういわゆる「放電遅れ」が、ある程度の確率で発生する。特に放電維持期間において印加される先頭の維持パルスにおいては放電遅れが発生しやすい。
このような「放電遅れ」は、表示される画像の画質を低下させる要因である。即ち、PDPには数多くの放電セルが配列されているが、上記のように「放電遅れ」がある程度の確率で発生すると、その中の点灯すべき放電セルの一部で「放電遅れ」が生じて点灯不良が発生し、表示される画像の画質が低下してしまうので、これを改善する技術も望まれる。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑み、PDPをはじめとするガス放電パネルを駆動する際に、無効電流の発生を抑えて発光効率を向上させることを第1の目的とする。
また、放電維持期間における放電遅れの発生を抑えて画質を向上させることを第2の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するため、本発明は、維持パルスを印加する際に、その立ち上がりに要する時間に対して3倍の時間がピーク時点から経過するまでに立ち下がりが終了するような電流波形が形成されるよう、維持パルスの波形を規定することとした。
【0012】
また、上記特徴を持つ電流波形を形成するために、維持パルスを印加する際に、当該維持パルスに次の第1〜第3のいずれかの特徴を加えることとた。
第1の特徴は、維持パルスの先縁(パルス立ち上がり)に先立って、当該維持パルスと逆極性のパルスを短時間印加することである。
第2の特徴は、維持パルスの先縁(パルスの立ち上がり)から一定期間において、それ以降に印加される電圧より絶対値において高電圧が印加されるような波形に設定することである。
【0013】
第3の特徴は、維持パルスの後縁(パルス立ち下がり)直後において、これと逆極性のパルスを印加することである。
上記特徴を持つ電流波形が形成されると、一般的な波形の維持パルスを印加する場合と比べて、無効電流が抑制されるので、発光効率を向上させることができる。
【0014】
また、上記第1〜第3の特徴を維持パルスに加えると、上述した発光効率向上に加えて、各々次のような効果を奏する。
第1の特徴を維持パルスに加えると、初期に逆極性パルスを印加する際に、一方の電極から他方の電極に向かって電子が動くが、それが他方の電極に到達する前に、維持パルスの印加が始まることによって一方の電極側に引き戻される。
【0015】
このように初期に放電空間内を電子が往復運動することによって、発光に寄与する荷電粒子(電子やイオン)が多く生成されるので、更に発光効率が向上される。
また、電極間を荷電粒子が往復することにより、放電の種火が形成され、この種火によって確率よく放電開始(EVOLUTION OF DISCHARGE)されるため、第2の目的である放電遅れの抑制もなされる。
【0016】
なお、上記効果を確実に得るために、逆極性パルスの電圧は、維持パルス電圧に対して、電圧絶対値を1.0倍以上に設定することが好ましく、更に、維持パルス電圧に対して電圧絶対値を1.5倍以上に設定することが好ましい。
また、逆極性パルスを印加する期間については、この時間を100ns以下に設定することが好ましい。
【0017】
特に、維持パルス電圧に対して電圧絶対値が1.0倍以上になる時間は、100ns以下に設定することが好ましく、更に50ns以下とすることが望ましい。
第2の特徴を維持パルスに加えるた場合も、各維持パルスの立ち上がりから一定期間において高い電圧が印加されるので、確実に放電が開始され、放電遅れが抑えられる。
【0018】
特に、この一定期間において、放電セルの放電開始電圧以上の高電圧を印加すればその効果は顕著である。
ここで、維持パルス先縁から一定期間において、それ以降に印加される維持電圧より絶対値において50V以上高い電圧が印加されるようにするのが好ましい。
【0019】
また、一般的に高電圧を印加すると誘電体層の絶縁破壊や消費電力の増大を引き起こしやすいが、高電圧(放電セルの放電開始電圧以上の電圧)を印加する時間を100ns以下もしくは10ns以下といった短期間に設定すれば、誘電体層の絶縁破壊や消費電力の増大を回避することができる。
第3の特徴を維持パルスに加えると、維持パルス立ち下がり後において放電セル内に残っているイオンに起因する無効電流が抑えられる。
【0020】
即ち、パルス立ち下がり後において放電セル内に残っているイオンは低活性であって発光には寄与しないため、これが電極に到達すると無効電流が発生して発光効率が低下する要因となるが、維持パルスに第3の特徴を加えれば、当該無効電流が抑えられるので、この点で発光効率の向上に寄与するところが大きい。
ここで、この逆極性パルスについても、電圧絶対値の最高値を50V以上とすることが好ましい。
【0021】
また、この逆極性パルスを印加する時間は、100ns以下とすること、更に10ns以下とすることが好ましい。
ところで、1つの放電維持期間においては、通常、各放電セルに対して連続的に複数の維持パルスが極性を切り替えながら印加される。そこで、十分な効果を奏するために、その連続する維持パルスすべてに対して上記のような波形の特徴を適用することが好ましいが、一部の維持パルスに対してだけ上記波形の特徴を適用してもよい。但し、その場合も、少なくとも放電維持期間における先頭の維持パルスに対しては、上記波形の特徴を適用すべきである。
【0022】
【発明の実施の形態】
(表示装置について全体的な説明)
先ず、本実施形態にかかるPDP表示装置について、全体的な構成を説明する。
このPDP表示装置は、交流面放電型(AC型)PDPとその駆動装置から構成される。図1は、このPDPの見取図である。
【0023】
このPDPにおいては、前面基板11と背面基板12とが、互いに平行に間隙をおいて対峙して配置され、外周部が封止されている。
前面基板11の対向面上には、ストライプ状の走査電極群19a及び維持電極群19bが互いに平行に形成され、当該電極群19a、19bは、鉛ガラスなどからなる誘電体層17で覆われて、誘電体層17の表面は、MgO膜からなる保護層18で覆われている。背面基板12の対向面上には、ストライプ状のデータ電極群14とその表面を覆う鉛ガラスなどからなる誘電体層13が設けられ、その上に、データ電極群14と平行に隔壁15が配設されている。前面基板11と背面基板12との間隙は、隔壁15によって100〜200μm程度の間隔で仕切られ、放電ガスが封入されている。放電ガスの封入圧力は、パネル内部が外部の圧力(大気圧)に対して負圧となるよう、通常は1×104〜7×104Pa程度の範囲に設定されるが、8×104Pa以上の高い圧力に設定する方が高発光効率を得るのに有利である。
【0024】
図2は、このPDPの電極マトリックスを示す図である。電極群19a、19bと、データ電極群14とは、互いに直交して配設されており、前面基板11及び背面基板12間の空間において、電極が交差するところに放電セルが形成されている。隣り合う放電セルの間は隔壁15で仕切られて、隣接する放電セルへの放電拡散が遮断されるようになっているため、解像度の高い表示を行うことができる。
【0025】
単色表示用のPDPでは、放電ガスとして、ネオンを中心とした混合ガスが用いられ、放電の際に可視域で発光することにより表示するが、図1のようなカラー表示用のPDPでは、放電セルの内壁に、三原色である赤(R)、緑(G)、青(B)の蛍光体からなる蛍光体層16を形成しておき、放電ガスとしてキセノンを中心とした混合ガス(ネオン−キセノンやヘリウム−キセノン)が用いられ、放電に伴って発生する紫外線を蛍光体層16で各色の可視光に変換することによりカラー表示を行う。
【0026】
このPDPは、フレーム内時分割階調表示方式を用いて駆動される。
図3は、256階調を表現する場合における1フレームの分割方法を示す図であって、横方向は時間、斜線部は放電維持期間を示している。
例えば、図3に示される分割方法の例では、1フレームは、8個のサブフレームで構成され、各サブフレームの放電維持期間の比は、1,2,4,8,16,32,64,128に設定されており、この8ビットバイナリの組み合わせによって256階調を表現できる。なお、NTSC方式のテレビ映像においては、1秒間あたり60枚のフレームで映像が構成されているため、1フレームの時間は16.7msに設定されている。
【0027】
各サブフレームでは、ADS方式によってPDPに画像を表示する。即ち、各サブフレームは、初期化期間、書込期間、放電維持期間、消去期間という一連のシーケンスで構成されている。
図4は、本実施形態において、1つのサブフレームにおいて各電極にパルスを印加するときのタイミングチャートである。
【0028】
初期化期間には、走査電極群19aの全体に一括して初期化パルスを印加することにより全ての放電セルの状態を初期化する。
書込期間には、走査電極群19aに走査パルスを順次印加しながらデータ電極群14の中の選択された電極にデータパルスを印加することにより、点灯させようとする放電セルに壁電荷を蓄積し、1画面分の画素情報を書き込む。
【0029】
放電維持期間には、走査電極群19aと維持電極群19b間に一括して、極性を入れ替えながら維持パルスを印加することによって、壁電荷が蓄積された放電セルで放電を起こして所定の時間発光させる。
図4に示すように、各維持パルスは、単純な矩形波ではなく、特有の波形となっているが、この点については後で詳述する。
【0030】
消去期間には、幅の狭い消去パルスを走査電極群19a又は維持電極群19bに一括して印加することによって放電セルの壁電荷を消去する。
(駆動装置及び駆動方法についての詳細な説明)
図5は、駆動装置100の構成を示すブロック図である。
この駆動装置100は、外部の映像出力器から入力されてくる映像データを処理するプリプロセッサ101、処理された映像データを格納するフレームメモリ102、フレーム毎及びサブフレーム毎に同期パルスを生成する同期パルス生成部103、走査電極群19aにパルスを印加するスキャンドライバ104、維持電極群19bにパルスを印加するサステインドライバ105、データ電極群14にパルスを印加するデータドライバ106から構成されている。
【0031】
プリプロセッサ101は、入力されてくる映像データからフレーム毎の映像データ(フレーム映像データ)を抽出し、抽出したフレーム映像データから各サブフレームの映像データ(サブフレーム映像データ)を作成してフレームメモリ102に格納する。また、フレームメモリ102に格納されているカレントサブフレーム映像データから1ラインづつデータドライバ106にデータを出力したり、入力される映像データから水平同期信号、垂直同期信号などの同期信号を検出し、同期パルス生成部103にフレームごと及びサブフレームごとに同期信号を送ることも行う。
【0032】
フレームメモリ102は、フレーム毎に、各サブフレーム映像データを分割して格納できるものである。
具体的には、フレームメモリ102は、1フレーム分のメモリ領域(8個のサブフレーム映像を記憶)を2個備える2ポートフレームメモリであって、一方のメモリ領域にフレーム映像データを書き込みながら、他方のメモリ領域から、これに書き込まれているフレーム映像データを読み出す動作を交互に行うことができるようになっている。
【0033】
同期パルス生成部103は、プリプロセッサ101からフレームごと及びサブフレームごとに送られて来る同期信号を参照して、初期化パルス,走査パルス,維持パルス,消去パルスを立ち上がらせるタイミングを指示するトリガ信号を生成して、各ドライバ104〜106に送る。
スキャンドライバ104は、同期パルス生成部103から送られてくるトリガ信号に呼応して、初期化パルス、走査パルス、維持パルス、消去パルスを生成して印加する。
【0034】
図6は、スキャンドライバ104の構成を示すブロック図である。
初期化パルス,維持パルス,消去パルスは、全ての走査電極19aに共通して印加されるものである。
そのため、図6に示すように、スキャンドライバ104には、各パルスを発生するために3つパルス発生器(初期化パルス発生器111、維持パルス発生器112a、消去パルス発生器113)が備えられている。そして、これら3つのパルス発生器は、フローティンググラウンド方式で直列に接続され、同期パルス生成部103からのトリガ信号に応じて作動することによって、初期化パルス,維持パルス,消去パルスが択一的に、走査電極群19aに印加されるようになっている。
【0035】
またスキャンドライバ104は、走査電極19a1,19a2…19aNに順に走査パルスを印加するために、ここでは図6に示すように、走査パルス発生器114と、これに接続されたマルチプレクサ115とを備え、同期パルス生成部103からのトリガ信号に応じて、走査パルス発生器114でパルスを発生すると共にマルチプレクサ115で切り換えて出力する方式をとっているが、各走査電極19a毎に個別に走査パルス発生回路を設けた構成とすることも可能である。
【0036】
そして、上記3つパルス発生器111〜113からの出力と、走査パルス発生器114からの出力とを、択一的に走査電極群19aに印加するためにスイッチSW1及びSW2が設けられている。
サステインドライバ105は、維持パルス発生器112bを備え、同期パルス生成部103からのトリガ信号に呼応して維持パルスを生成して維持電極群19bに印加する。
【0037】
データドライバ106は、シリアルに入力される1ラインに相当するサブフィールド情報に基づいて、データパルスをデータ電極群141〜14Mにパラレルに出力するものである。
図7は、データドライバ106の構成を示すブロック図である。
データドライバ106は、サブフレーム映像データを1走査ライン分づつ取り込む第1ラッチ回路121、これを記憶する第2ラッチ回路122、データパルスを発生するデータパルス発生器123、各データ電極141〜14Mの入口に設けられたANDゲート1241〜124Mから構成されている。
【0038】
第1ラッチ回路121では、プリプロセッサ101から順に送られてくるサブフレーム映像データをCLK信号に同期して数ビットづつ順に取り込み、1走査ライン分のサブフレーム映像データ(データ電極141〜14Mの各々についてデータパルスを印加するか否かを示す情報)がラッチされたら、それを第2ラッチ回路122にまとめて移動する。第2ラッチ回路122は、同期パルス生成部103から送られてくるトリガ信号に呼応して、ANDゲート1241〜124Mの中でデータパルスを印加するデータ電極に対応するものを開く。そして、データパルス発生器123では、これと同期してデータパルスを発生する。これによって、ANDゲートが開かれたものに対応するデータ電極にデータパルスが印加される。
【0039】
このような駆動装置100において、以下に示すように、初期化期間,書込期間,放電維持期間,消去期間という一連のシーケンスによって構成される1サブフレーム分の動作を8回繰返すことによって、1フレームの画像表示が行われる。なお、疑似輪郭対策のためサブフレームの数は8より多く設定することもある。
【0040】
初期化期間においては、スキャンドライバ104のスイッチSW1はON、SW2はOFFとし、初期化パルス発生器111で 全ての走査電極19aに一括して初期化パルスを印加することによって、全ての放電セルで初期化放電を行い、各放電セルに壁電荷を蓄積する。ここで、各放電セルにある程度の壁電圧をかけることによって、次の書込期間における書込放電の立ち上がりを早めることができる。
【0041】
書込期間においては、スキャンドライバ104のスイッチSW2はON、SW1はOFFとし、走査パルス発生器114で発生する負電圧の走査パルスを、第1行目の走査電極19a1〜最終行の走査電極19aNに対して順に印加する。そして、これにタイミングを合わせて、データドライバ106は、データ電極141〜14Mの中の点灯しようとする放電セルに対応するものに、正電圧のデータパルスを印加することによって書込放電を行い、その放電セルに壁電荷を蓄積する。このようにして、点灯しようとする放電セルの誘電体層の表面に壁電荷を蓄積することによって、1画面分の潜像が書き込まれることになる。
【0042】
走査パルス及びデータパルスのパルス幅(書込パルス幅)は、駆動を高速にするためにはできるだけ短く設定するのが望ましいが、書込パルス幅が短か過ぎると書き込み不良が生じやすくなる。また、回路上の制約からも、パルス幅は通常1.0μsec程度以上に設定する必要がある。
放電維持期間においては、スキャンドライバ104のスイッチSW1はON、SW2はOFFとし、維持パルス発生器112aで走査電極群19aに一括して一定の長さ(例えば1〜5μsec)の放電パルスを印加する動作と、サステインドライバ105の維持パルス発生器112bで維持電極群19bに一括して一定の長さの放電パルスを印加する動作を交互に繰り返す。
【0043】
これによって、書込期間に壁電荷が蓄積された放電セルにおいて、誘電体層表面の電位が放電開始電圧を上回ることによって放電が生じ、当該放電セル内では、この維持放電に伴って紫外線が発光され、これが蛍光体層で可視光に変換されることによって蛍光体層の色に対応する可視光の発光がなされる。
消去期間においては、スキャンドライバ104のスイッチSW1はON、SW2はOFFとし、消去パルス発生器113から幅の狭い消去パルスを走査電極群19aに一括して印加し、不完全な放電を発生することによって、各放電セルにおける壁電荷を消去する。
【0044】
〈放電維持期間におけるパルス波形について〉
放電維持期間において、走査電極群19aと維持電極群19bとの間に印加される維持パルスの波形の特徴やその効果などについて、まず概要を説明する。
本発明では、維持パルスを印加する際に、そのピークまでの立ち上がりに要する時間に対して3倍の時間がピーク時点から経過するまでに立ち下がりが終了するような特徴を備える電流波形が形成されるように、維持パルスの波形を調整した。
【0045】
即ち、維持パルスを印加する際に、立ち上がりに要する時間に対して3倍の時間がピーク時点から経過した時には、電流が極めて小さくなるように調整することによって無効電流を抑制し、発光効率を向上させることを図った。
また、上記特徴を持つ電流波形は、維持パルスを印加する際に、次の第1〜第3のいずれかの特徴を付加することによって得られることも把握した。
【0046】
第1の特徴:維持パルスの先縁(パルス立ち上がり)に先立って、当該維持パルスと逆極性パルスを短時間印加する。
第2の特徴:維持パルスの先縁(パルスの立ち上がり)から一定期間において、それ以降に印加される電圧より絶対値において高電圧が印加されるような波形に設定する。
【0047】
第3の特徴:維持パルスの後縁(パルス立ち下がり)直後 において、これと逆極性のパルスを印加する。
なお、維持パルスを印加する際に、上記第1〜第3のいずれかの特徴を付加することによって、上記の特徴(ピークまでの立ち上がりに要する時間に対して3倍の時間がピーク時点から経過するまでに立ち下がりが終了する)を持つ電流波形が得られることは、実験的にも確認した。
【0048】
次に、上記の特徴を持つ電流波形を発生させると、無効電流が抑えられる理由について以下に説明する。
放電空間内に発光が生じるメカニズムに関して、ここでは走査電極19aに正の維持パルスを印加する場合を例にとって考察する。
電極19aに正の維持パルス(+V)を印加すると、図8(a)に示すように、放電空間20においては、電極19aから電極19bに向かう電界Eが生じる。そして、パルスを印加開始した直後(初期)において、放電空間20内には、一方の電極19bから他方の電極(19a)に向かって非常に速い速度で動く電子が発生し、図8(b)に示すように、この電子が中性の気体粒子(Xe)に衝突して、気体粒子から電子(e)とイオン(Xe+)とが生じると共に、励起された気体粒子も生成される。そして、発生した電子は電極19aに向かって移動し、他の気体粒子に衝突しながら放電が開始され、更に放電が広がっていく。一方、発生した正イオンも、図8(b)に示すように電極19bに向かって移動すると考えられる。
【0049】
ここで、放電空間での電子(e)とイオン(Xe+)とが電流キャリアと見なされるので、放電空間20内に生じた電子又はイオンが、電極19a又は電極19bに到達すると、電極19aと電極19bとの間に電流が発生することになる。
ところで、電子及びイオンの電界中における移動速度を比べると、その質量の差から、イオンよりも電子の方がはるかに移動速度が大きい(両者の速度は数桁程度異なる)。
【0050】
そのため、図9(a)に示すように、維持パルスを印加開始した直後の早い時刻に、主に電子が電極19aに到達することによる電流(電子による電流)のピークが表れ、その後、比較的遅い時刻に、イオンが電極に到達することによる電流(イオンによる電流)のピークが表れる。
ここで、放電空間内を高速で移動する電子によると考えられる早い時刻における電流は発光に大きく寄与するが、低速で移動するイオンによると考えられる遅い時刻の電流は発光に対する寄与が小さいので、遅い時刻の電流を抑制すれば発光効率を向上させることができる。
【0051】
また、上述したように、維持パルスを印加する際に、上記第1〜第3の特徴を付加すると、「ピークまでの立ち上がりに要する時間に対して3倍の時間がピーク時点から経過するまでに立ち下がりが終了する」という特徴を持つ電流波形が形成できることがわかっているので、「電子による電流」もこの波形の特徴を持っているということができる。
【0052】
よって、上記特徴を持つ電流波形が形成されると、発光に寄与しない「イオンによる電流」が抑制され、発光効率が向上されることになる。
上記内容は、以下の実験結果からも裏付けられる。
図9(b)は、交流型ガス放電パネルの表示電極間に駆動回路で矩形パルスを印加したときに観測される電圧波形と電流波形を示すものであって、図9(c)に示すように、駆動回路と表示電極とをつなぐ配線中に、電圧計と電流計(current probe)を組み込んで測定したものである。
【0053】
図9(b)の電流波形は、図9(a)に示す2つの電流波形をたし合わせたものとほぼ一致していることは、上記説明を裏付けることになる。
また、図10(a)は、交流型ガス放電パネルの表示電極間に駆動回路でパルスを印加したときに観測された電流波形と発光輝度波形である。当該図10(a)における電流波形において、早い時刻に鋭いピークA1、遅い時刻に緩やかなピークA2が見られる。それに対して、発光輝度波形においては、早い時刻に鋭いピークB1がはっきり見られるが、遅い時刻の緩やかなピークB2はあまり見られない。なお、この発光輝度波形は、図9(a)における電子による電流の波形と似ていることがわかる。
【0054】
また、図10(b)は、上記図9(b)の電圧波形と電流波形及び図10(a)の発光輝度波形から導きだされる発光効率の波形である。この発光効率波形は、維持パルスを印加したときの発光効率の変化(微小時間ごとに投入される電力に対する発光輝度の比率がどのように変化するか)を示している。
そして、図10(c)は、図10(b)の発光効率波形と上記図9(a)の電子による電流波形とを重ね合わせたものである。この図10(c)を見ると、電子による電流波形のピークと発光効率波形のピークとが重なっており、これより、電子による電流が流れる時期に、高い発光効率が得られることがわかる。
【0055】
即ち図10(c)より、維持パルスを印加したときに、「電子による電流」のピーク波形に近い電流波形が形成されるようにすれば、発光効率の高い時期に集中して電力が投入されるので、高い発光効率が得られることがわかる。
上記第1〜第3の各々の特徴と効果について、以下の実施の形態1〜4において、より具体的に説明する。
【0056】
〔実施の形態1〕
図4に示されるように、本実施の形態では、放電維持期間において、走査電極群19aと維持電極群19bとに交互に正の維持パルスが印加されるが、各維持パルスの立ち上がりに先立って逆極性パルスが短時間印加される。
以下、走査電極群19aに維持パルスが印加される際について詳細に説明し、維持電極群19bに維持パルスが印加される際は同様であるため、説明を省略する。
【0057】
先ず、走査電極群19aに正の維持パルスを印加する際に、その立ち上がりに先立って負極性パルスを短時間印加し、その後、正の維持パルス(維持電圧Vs)を印加している。
ここで、維持電圧Vsの値は、アドレス時に壁電荷が蓄積された放電セルでは放電がなされ、壁電荷が蓄積されなかった放電セルでは放電されないような範囲内で設定される電圧値であって、PDPのパネル設計(放電セルのサイズや電極幅、誘電体層の厚さなど)に依存する。
【0058】
一般的には、この維持電圧Vsは、放電セルの放電開始電圧より低い電圧(放電開始電圧−50V〜放電開始電圧の範囲)で設定されるが、本実施形態の場合は、従来の一般的な値よりも低めに設定することができる。
なお、PDPにおける放電開始電圧は、次のようにして測定することができる。
【0059】
PDPを目で観察しながら、パネル駆動装置からPDPに印加する電圧をわずかづつ増加させ、PDPの放電セルの一つ或は規定個数(例えば3個)以上が点灯し始めたときの印加電圧を読み取ってこれを放電開始電圧として記録する。
(本実施形態の効果についての説明)
図11(a)は、本実施形態にかかる維持パルス波形の一例であって、維持パルスの基本部分は矩形波であるが、維持パルスを印加する際に、維持パルスの立ち上がりに先立って逆極性パルスを短時間印加している。一方、図11(b)は、維持パルスが一般的な矩形波である例である。
【0060】
図11(b)のように単純な矩形波を用いた場合は、放電セルに維持パルスを印加する際に、初期に放電空間に発生する速い電子が、発光に寄与することなく一方の電極側から他方の電極に達してしまう割合も多い。
これに対して、電極19aに正の維持パルスを印加する際に、図11(a)のように、維持パルスの立ち上がりに先立って負パルス(−V)を短時間印加すると、この負パルス印加に伴って、図12(a)に示すように、放電空間20において、電極19bから電極19aに向かう電界Eが生じる。そして、放電空間20内には、電極19aから電極19bに向かって速く動く電子が発生する。その後、図12(b)のように電極19aに正電圧が印加されると、上記の電子は電極19aの方に引っ張り戻され、電極19a上の誘電体層に吸収される。
【0061】
このように放電空間内を電子が往復する間には、気体粒子と衝突する頻度が大きいので、発光に寄与する励起原子などが多く生成される。従って、図11(b)のような単純な矩形波波を印加する場合と比べて発光効率が向上する。
また、一般的な矩形波からなる維持パルスを印加する場合、立ち上がり時における電圧降下によって放電遅れが生じることがある。この放電遅れは、維持パルスの立ち上がり時に急激に電流が流れ出すことにより電圧降下が起こり、再び電位が上昇するまで時間がかかるために発生するものと考えられる。
【0062】
これに対して、維持パルス印加開始直前に逆極性パルスを付加すれば、上記のように電子が往復運動することによって気体粒子との衝突も頻繁に起こり、種火が確実に形成されるので、確率よく放電を開始させることができ、放電遅れが抑えられる。
そのため、維持電圧Vsを比較的低く設定しても、確実に放電がなされる。即ち、図11(a)の維持電圧Vsは、図11(b)の維持電圧Vと比べて低く設定されているが、このように設定しても、放電遅れが大きくなることなく、良好に画像表示を行うことが可能である。
【0063】
このように維持電圧を低めに設定すると「イオンによる電流」が低減できるため、この点からも従来よりも発光効率が向上すると言える。
このような効果を得るために、立ち上がり(図11(a)中においてTaで示される期間)に先立って印加される負パルスの電圧値(図11(a)中においてVminで示される電圧)は、維持電圧Vsもしくは放電開始電圧と比べて、電圧絶対値を同等以上の大きさに設定することが好ましく、更に電圧絶対値を1.5倍以上に設定することが好ましい。
【0064】
立ち上がりに先立って負パルスを印加する期間(図11(a)中においてTbで示される期間)については、これを長くしすぎると、この期間に流れる電流によって消費電力が増大するという問題も生じ得る。特に、この期間Tbの中でも、維持電圧Vs(もしくは放電開始電圧)より電圧絶対値が大きい期間(図11(a)中においてTcで示される期間)を長くしすぎると、この期間に流れる電流によって消費電力が増大するが、これを短時間に設定することによって、消費電力の増大も軽微に抑えられる。
【0065】
このような観点から、印加する逆極性パルスの電圧Vminの絶対値を大きく設定するほど、その印加時間を短く設定することが必要と考えられる。また一般的には、この期間Tcを100ns以下に設定することが好ましい。
例えば、走査電極19aと維持電極19bとの間隙が60μmであって、走査電極19aに、正極性の維持パルスを印加する際にその立ち上がりに先立って負パルスを、電圧Vmin(−400V)で印加する場合、走査電極19aに、放電開始電圧以上の負電圧が印加されてから100ns以内に正電圧に転換するよう印加すれば、負パルスの印加によって放電空間内に発生した荷電粒子が走査電極19a(または維持電極19b)に到達する以前に極性が入れ替わって、反対側の維持電極19b(または走査電極19a)の方に引き戻されるので、この期間に発生する電流はわずかである。また、このように、電極間を荷電粒子が往復して走ることにより、いわば種火が形成されるので、正極性のパルスを印加する際の電圧Vsを200V程度にすれば確実に放電がなされ、放電遅れが大きくなることはない。
【0066】
更に負パルスが印加されている期間の中で電圧絶対値が放電開始電圧以上の時間を50ns以下に設定すれば、当該期間に流れる電流をほとんど0とすることができる点でより好ましいということが言える。
(維持パルスに対して逆極性パルスを加える回路について)
維持パルスに対して逆極性パルスを印加するためには、図5,6に示す維持パルス発生器112a及び維持パルス発生器112bの各々に、図13に示すようなパルス合成回路を用いればよい。
【0067】
図13は、このようなパルス波形を形成するパルス合成回路のブロック図である。
このパルス合成回路は、第1パルス発生器131、第2パルス発生器132などから構成されている。
第1パルス発生器131は負電圧のパルス、第2パルス発生器132は正電圧のパルスを発生するものであって、第1パルス発生器131で発生する第1パルスは比較的幅狭のパルス、第2パルス発生器132で発生する第2パルスは比較的幅広の矩形波である。
【0068】
そして、第2パルスの立ち上がりのタイミングは、第1パルスの立ち下がりとほぼ一致するように設定されている。
第1,第2パルス発生器131,132は、フローティンググラウンド方式で直列に接続され、第1,第2パルスの出力電圧が加算されるようになっている。
そして、このパルス合成回路では、同期パルス生成部103から送られてくるトリガ信号に呼応して、以下のように各パルス発生器が動作してパルスを発生すると共に発生したパルスを合成して出力する。
【0069】
図14は、上記パルス合成回路で第1パルス,第2パルスが合成される様子を示す図である。
先ず、同期パルス生成部103から第1パルス発生器131にトリガ信号が送られて、第1パルス発生器131で第1パルスが立ち上げられる。この第1パルスは短時間で立ち下がる。それとほぼ同時に、同期パルス生成部103から第2パルス発生器132にトリガ信号が送られて第2パルス発生器132で第2パルスが立ち上げられる。そして、第2パルスの電圧でしばらく出力された後、立ち下がる。
【0070】
なお、図13のパルス合成回路における変形例として、第1パルス発生器131,第2パルス発生器132を並列に接続して、第1パルス,第2パルスの中で大きい方の電圧を出力させるようにしても、同様の波形が合成される。
(逆極性パルスの立ち上がりの傾斜について)
ところで、維持パルスに先立って逆極性パルスを印加する際に、この逆極性パルスの立ち上がり部分における傾きが大きすぎると、即ち極めて短時間に大きい電圧変化幅で印加電圧を変化させると、それに伴い大きな電流が流れて発光効率が低下する傾向がある。
【0071】
従って、高い発光効率を確保するために、この逆極性パルスの立ち上がり部分の傾きをある程度緩やかに設定すればよいと考えられる。ただし、この立ち上がり部分の中で、絶対値が維持電圧Vsを越える範囲で傾きを緩やかにすると、放電遅れを抑制する効果が損なわれてしまうことになる。
このような点を考慮すると、図11(a)に示されるパルス波形のように、逆極性パスルの立ち上がり部分の前半においては傾きを緩やかに設定して電流を抑え、後半においては傾きを大きくするのが好ましいということができる。
【0072】
逆極性パルスの立ち上がり時におけるの傾きを調整するには、第1パルスの立ち上がりの傾きを調整すればよく、それは、第1パルス発生器131におけるRLC回路の時定数を調整することによって調整することができる。
〔実施の形態2〕
本実施形態においても、放電維持期間に走査電極群19aと維持電極群19bとの間に印加される維持パルスの特徴については、実施の形態1と同様である。
【0073】
ただし、上記実施の形態1では、放電維持期間において、瞬間にはどちらか一方の電極群だけに電圧が印加される例、即ち走査電極群19aに維持パルスを印加しているときには維持電極群19bは電圧を印加せず、維持電極群19bに維持パルスを印加しているときには走査電極群19aに電圧を印加しない例を示したが、本実施形態においては、走査電極群19a及び維持電極群19bの両方にパルスを印加し、その組み合わせによって、走査電極群19aと維持電極群19bとの間に、維持パルス及び逆極性パルスが形成されている。
【0074】
図15は、放電維持期間において、維持パルス発生器112a及び維持パルス発生器112bによって、走査電極群19a及び維持電極群19bの各々に、互いに逆極性の矩形パルスが印加され、その結果、走査電極群19aと維持電極群19bとの間に電位差が発生する様子を示すタイミングチャートであって、いづれも、走査電極群19aと維持電極群19bとの間に生じる電位差波形(維持パルス)が、上記特徴を有するものとなっている。
【0075】
図15の例では、走査電極群19aに正電圧(V2)の矩形波が印加されるタイミングに合わせて、その立ち上がりに先がけて維持電極群19bに正電圧の矩形波パルス(V1)が短時間印加されている。そして、この維持電極群19bに印加されるパルスの立ち下がりとほぼ同時に、走査電極群19aへの正電圧の矩形波が立ち上がっている。この結果、走査電極群19aと維持電極群19bとの間には、正のパルスが立ち上がる直前の短時間に負電圧(−V1)が印加され、その後、しばらく正の維持電圧V2が印加されて立ち下がることになる。
【0076】
一方、維持電極群19bに正電圧(V2)の矩形波が印加されるタイミングに合わせて、その先縁に先立って走査電極群19aに正電圧の矩形波パルス(V1)が短時間印加されている。そして、この走査電極群19aに印加されるパルスの立ち下がりとほぼ同時に、維持電極群19bへの正電圧の矩形波が立ち上がっている。
【0077】
この結果、走査電極群19aと維持電極群19bとの間には、負の維持パルスの先縁直前の短時間に正パルス(−V1)が印加され、その後、しばらく負電圧(−V2)が印加されることになる。
このように、本図の例では、各電極群19a,19bに印加するパルスは共に矩形波であるので、実施の形態1で用いたようなパルス合成回路を用いる必要はない。
【0078】
〔実施の形態3〕
図16に示されるように、本実施の形態では、放電維持期間において、走査電極群19aと維持電極群19bとに交互に正の維持パルスが印加されるが、各維持パルスの先縁直後の短時間には通常より電圧絶対値の高い電圧が印加され、且つ維持パルスの後縁直後に逆極性パルスが印加されている。
【0079】
以下、走査電極群19aに維持パルスが印加される際について詳細に説明し、維持電極群19bに維持パルスが印加される際は同様であるため、説明を省略する。
(本実施形態の維持パルス波形による効果についての説明)
図17(a)は、本実施形態にかかる維持パルス波形の一例であって、正の維持パルスにおいて、基本部分は矩形波であるが、その先縁から一定期間においてはそれ以降に印加される電圧より高電圧が印加され(第2の特徴)、且つ、維持パルス立ち下がり直後において負パルスが印加されている(第3の特徴)。一方、図17(b)は、一般的な矩形波維持パルスの例である。
【0080】
上記第2の特徴及び第3特徴は、それぞれ単独で加えてもよく、それぞれ、以下のような効果を奏する。
第2の特徴を付加したときの効果:
図17(b)のように、単純な矩形波からなる維持パルスを印加する場合、立ち上がり時における電圧降下によって放電遅れが生じやすいが、これに対して、図17(a)のように、維持パルスの先縁から一定期間において高電圧を印加すると、上記電圧降下が抑制されるので、放電開始遅れが大きくなるのが回避できる。
【0081】
そのため、維持電圧Vsを比較的低く設定しても、確実に放電がなされる。即ち、図17(a)の波形は、図17(b)の波形と比べて、通常の維持電圧Vsはかなり低く設定されているが、このように波形を用いても放電遅れが大きくなることはなく、良好に画像表示を行うことが可能である。
このように、維持電圧Vsを低く設定すると、「イオンによる電流」が低減できる点で発光効率が向上すると言える。
【0082】
このような効果を得るために、立ち上がり(図17(a)中においてTaで示される期間)の開始直後に印加される電圧値(図17(a)中においてVmaxで示される電圧最高値)は、放電開始電圧以上にすること、また「通常の維持電圧」(図17(a)中においてVsで示される電圧値)よりも50V以上高く設定することが好ましい。
【0083】
高電圧を印加する期間(図17(a)中においてTbで示される放電開始電圧以上の電圧が印加される期間)については、これを長くしすぎると、点灯させるべきでない放電セルにおいても絶縁破壊が起きて放電が発生したり、この期間に流れる電流によって消費電力が増大するという問題も生じ得るが、これを短時間に設定することによって、誘電体の絶縁破壊を回避できる。
【0084】
このような観点から、立ち上がり開始直後に印加する電圧値Vmaxを高く設定するほど、その印加時間Tbを短くすることが必要と考えられる。また、一般的には、この時間Tbを100ns以下に設定することが、当該期間に流れる電流を小さく抑える上で好ましく、更にこの時間を10ns以下に設定すれば、当該期間に流れる電流をほとんど0とすることができる点でより好ましいということが言える。
【0085】
なお、更に顕著な効果を得るために、立ち上がり開始直後に印加する電圧値Vmaxをかなり高く400V程度に設定すればよいと考えられるが、この場合、高電圧を印加する時間Tbをかなり短く(10〜20nsあるいはそれ以下に)設定する必要があるため、高電圧までシャープに立ち上げることのできる回路性能が要求されるものと考えられる。
【0086】
第3の特徴を付加したときの効果:
図17(a)の維持パルス波形においては、上記第2の特徴に加えて、走査電極群19aに正の維持パルスを印加する際に、立ち下がり直後の短い期間において、逆極性(負)パルスを短時間印加している。
図18(a)に示されるように、電極19aに正の維持パルスが印加されている時、電極19aから電極19bに向かう電界Eによって、放電空間20内に発生するイオンは電極(正イオンの場合は電極19b)に向かって移動する。
【0087】
そして、維持パルスが立ち下がった後においても、放電空間内を相手側の電極に向かうイオンが残るが、上述したようにこのイオンは発光にあまり寄与しないので、これが電極19bに到達すると無効電流となる。
これに対して、維持パルスの立ち下がり(図17(a)中においてTcで示される時点)直後に負パルスを印加すれば、図18(b)に示されるように電極19bから電極19aに向かう電界Eによって、電極19bに向かって移動する放電空間20内のイオンが、電極19bに到達することなく強制的に追い返される。そのため無効電流の発生は抑えられる。
【0088】
維持パルスの立ち下がり直後において印加する逆極性(負)パルスの電圧値(図11(a)中においてVminで示される電圧値)についても、絶対値が最高50V以上になるようにし、且つその印加時間は100ns以下に設定することが望ましく、更に短く10ns以下とすることが望ましい。
なお、維持パルスに第3の特徴を合わせる場合、従来と比べて放電の後半部分が消されるため、放電終了時において蓄積される壁電荷量が少なくなるとも考えられる。そして、放電終了時に蓄積される壁電荷量が少ないと、次に逆極性の維持パルスを印加する時に、放電が安定して開始されにくくなる可能性もある。
【0089】
従って、維持パルスに第3の特徴だけを付加する場合には、安定した放電を確保するために、維持電圧Vsを高めに設定することが望ましいと考えられる。
(維持パルスに特徴を付加する回路について)
このように立上がり時及び立ち下がり時に特徴を持った波形を維持パルスとして走査電極群19a及び維持電極群19bに印加するためには、図5,6に示す維持パルス発生器112a及び維持パルス発生器112bの各々に、図19に示すパルス合成回路を用いればよい。
【0090】
図19は、このような波形のパルスを発生するパルス合成回路のブロック図である。
このパルス合成回路は、トリガ信号に呼応してパルスを発生する第1パルス発生器231、第2パルス発生器232、第3パルス発生器233などから構成されている。
【0091】
第1パルス発生器231と第2パルス発生器232は、正電圧のパルスを発生するものであって、第2パルスの電圧は「維持電圧Vs」に設定されている。
第1パルス発生器231で発生する第1パルスは比較的幅狭のパルスである。一方、第2パルス発生器232で発生する第2パルスは比較的幅広の矩形波である。
【0092】
第3パルス発生器233は、負電圧の幅狭の第3パルスを発生するものであって、この第3パルスの立ち上がりのタイミングは、第2パルスの立ち下がりと一致するように設定されている。
第1〜第3パルス発生器231〜233は、フローティンググラウンド方式で直列に接続され、第1〜第3パルスの出力電圧が加算されるようになっている。
【0093】
そして、このパルス合成回路では、同期パルス生成部103から送られてくるトリガ信号に呼応して、以下のように各パルス発生器が動作してパルスを発生すると共に発生したパルスを合成して出力する。
図20は、上記パルス合成回路で第1パルス〜第3パルスが合成される様子を示す図である。
【0094】
先ず、同期パルス生成部103から第1パルス発生器231及び第2パルス発生器232にトリガ信号が送られて、第1パルス発生器231で第1パルスが、第2パルス発生器232で第2パルスが、ほぼ同時に立ち上げられる。従って、この立ち上がり開始直後においては、第1パルスの電圧と第2パルスの電圧が加算された高い電圧が出力される。
【0095】
第1パルスは短時間で立ち下がるので、第1パルスが立ち下がった後は、第2パルスだけが出力される。
そして、第2パルスが立ち下がる時に合わせて、同期パルス生成部103から第3パルス発生器233にトリガ信号が送られ、第3パルス発生器233で負電圧の第3パルスが立ち上げられる。そして、この第3パルスは短時間で立ち下げられる。従って、第2パルスの立ち下がり直後には負パルスが短時間出力される。
【0096】
この結果、図17(a)のような波形が合成されることになる。
なお、図19のパルス合成回路においては、第1パルス発生器231〜第3パルス発生器233の各出力電圧が加算されるような合成を行ったが、この合成回路の変形例として、第1パルス発生器231〜第3パルス発生器233を並列的に接続して、第1パルス〜第3パルスの中の電圧最大値が出力されるようにパルス合成を行ってもよい。
【0097】
但しこの場合、第1パルス発生器231で発生させる第1パルスの電圧値を、第2パルスよりも50V程度以上高く設定する必要があるので、第1パルス発生器231において、かなり高電圧で且つ時間幅の短いパルスを発生させなければならない点で、より高度な回路技術が必要と考えられる。
(維持パルスの立ち上がりの傾斜について)
本実施形態のように、維持パルスを印加する際に、立ち上がり開始直後の短時間に通常の維持電圧よりも高い電圧を短時間印加する場合、立ち上がり開始直後の短時間に、通常の維持電圧よりも大きい電圧変化幅が生じるので、それに伴い大きな電流が流れて発光効率が低下する傾向がある。
【0098】
従って、高発光効率を確保するために、立ち上がり部分の傾きをある程度緩やかに設定すればよいと考えられる。ただし、立ち上がり部分の中で通常の維持電圧を越えた高電圧の範囲で傾きを緩やかにすると、放電遅れを抑制する効果が損なわれてしまうことになる。
このような点を考慮すると、図17(a)に示されるパルス波形のように、立ち上がり部分の前半においては傾きを緩やかに設定して電流を抑え、後半においては傾きを大きくするのが好ましいということができる。
【0099】
また、逆極性で印加されるパルスの立ち下がり(図17(a)中においてTd )においても同様に、大きな電流が流れないよう、その傾きをある程度緩やかに設定することが好ましい。
維持パルスの立ち上がり時Taにおけるの傾きを調整するには、第1パルスの立ち上がりの傾きを調整するか、第1パルス及び第2パルス両方の立ち上がりの傾きを調整すればよく、第1パルス及び第2パルスの立ち上がりの傾きは、第1パルス発生器231及び第2パルス発生器232におけるRLC回路の時定数を調整することによって調整することができる。
【0100】
また、逆極性パルスの立ち下がり時Tdにおける傾きを調整するには、第3パルス発生器におけるRLC回路の時定数を調整することによって、第3パルスの立ち下がりの傾きを調整すればよい。
(本実施形態の変形例について)
なお、上記図17(a)では、各維持パルスの立ち上がり時Taにおいて、放電開始電圧以上の高電圧まで印加電圧が一気に上昇するような波形を示したが、立ち上がり時に一旦通常の維持電圧付近まで上昇し、少し遅れて高電圧まで上昇するような波形を用いても同様の効果を得ることができる。
【0101】
またこの外に、図21に示すような変形例も可能である。
この変形例は、正の維持パルスにおいて、その先縁から一定期間においてはそれ以降に印加される電圧より高電圧が印加され(第2の特徴)、且つ、立ち下がり直後において負パルスが印加されている(第3の特徴)点については、上記図17(a)と同様であるが、維持電圧Vsの期間はかなり短く、立ち下がり直後に印加される負パルスが印加される時間が長く、その波形も異なっている。即ち、図19の例では、維持パルスの立ち下がり直後に、負電圧Vminが短時間印加された後、弱い負電圧が比較的長時間印加されている。
【0102】
このような変形例を用いた場合においても、同様に発光効率を向上させることができる。
なお、当該変形例のような波形は、小容量電源(駆動回路)を用いたときに自然に発生することがあるし、また、回路の組み合わせによって、偶発的に発生する場合もある。
【0103】
また、本実施の形態では、各維持パルスの先縁直後に高電圧を印加する(第2の特徴)と共に後縁直後に逆極性パルスを印加する(第3の特徴)ことによって両特徴による効果を得る例を示したが、どちらか一方の特徴を維持パルスに加えるだけでもそれに相当する効果は得られる。
〔実施の形態4〕
本実施形態においても、放電維持期間に走査電極群19aと維持電極群19bとの間に印加される電圧波形の特徴については、上記実施の形態3と同様である。
【0104】
ただし、実施の形態3では、走査電極群19aに維持パルスを印加しているときには維持電極群19bは電圧を印加せず、維持電極群19bに維持パルスを印加しているときには走査電極群19aに電圧を印加しない例を示したが、本実施形態においては、走査電極群19a及び維持電極群19bの両方にパルスを印加し、その組み合わせによって、走査電極群19aと維持電極群19bとの間に印加される電圧波形に上記第2及び第3の特徴を形成している。
【0105】
即ち、図22〜図24の各タイミングチャートには、放電維持期間において、維持パルス発生器112a及び維持パルス発生器112bによって、走査電極群19a及び維持電極群19bの各々に、時間的に一部オーバラップするようにパルスが印加されている。そして、その結果、走査電極群19aと維持電極群19bとの間に電位差が発生する様子が示されているが、いづれにおいても、走査電極群19aと維持電極群19bとの間に生じる電位差波形が、上記第2、第3の特徴を有していることがわかる。
【0106】
図22の例では、走査電極群19aに正電圧の矩形波パルス(V1)が印加されるタイミングに合わせて、維持電極群19bには、この矩形波パルスの立ち上がりとほぼ同時に立ち上がる短時間幅の負パルス(−V2)と、この矩形波パルスの立ち下がりとほぼ同時に立ち下がる短時間幅の正パルス(V3)とが印加されている。この結果、走査電極群19aと維持電極群19bとの間には、立ち上がり直後の短時間に正の高電圧(V1+V2)が印加され、その後、しばらく正の維持電圧V1が印加され、その立ち下がり直後には、負のパルス(−V3)が短時間印加されることになる。
【0107】
一方、維持電極群19bに正の矩形波パルス(V1)が印加されるタイミングに合わせて、走査電極群19aには、この矩形波パルスの立ち上がりとほぼ同時に立ち上がる短時間幅の負パルス(−V2)と、この矩形波パルスの立ち下がりとほぼ同時に立ち下がる短時間幅の正パルス(V3)とが印加されている。
この結果、走査電極群19aと維持電極群19bとの間には、立ち上がり直後の短時間に負の高電圧−(V1+V2)が印加され、その後、しばらく負の維持電圧V1が印加され、その立ち下がり直後には、正パルス(V3)が短時間印加されることになる。
【0108】
本図の例では、各電極群19a,19bに印加するパルスは共に矩形波であるので、実施の形態1で用いたようなパルス合成回路を用いる必要はない。
図23の例では、走査電極群19aと維持電極群19bに対して、時間幅がほぼ同等で電圧値の異なる矩形波パルスが時間的に重なるように印加されている。走査電極群19aに対して高電圧V11(電圧Vmaxに相当する。)のパルスが印加され、維持電極群19bに対しては、立ち上がり及び立ち下がりのタイミングを短時間遅らせて低電圧V12(電圧Vmax−Vsに相当する。)のパルスが印加される。その結果、走査電極群19aと維持電極群19bとの間には、立ち上がり直後の短時間に正の高電圧(V11)が印加され、その後、しばらく正の維持電圧(V11−V12)が印加され、その立ち下がり直後には、負パルス(−V12)が短時間印加されることになる。
【0109】
一方、維持電極群19bに対して高電圧V1のパルスが印加される時には、走査電極群19aに対しては、立ち上がり及び立ち下がりのタイミングを短時間遅らせて低電圧V2のパルスが印加される。その結果、走査電極群19aと維持電極群19bとの間には、立ち上がり直後の短時間に負の高電圧(−V11)が印加され、その後、しばらく負の維持電圧(V12−V11)が印加され、その立ち下がり直後には、正パルス(V12)が短時間印加されることになる。
【0110】
本図の例では、維持パルス発生器112a及び維持パルス発生器112bにおいて、上記図22のように短い時間幅のパルスを印加する必要はなく、比較的時間幅の長いパルスを発生すればよいので、高電圧までシャープに立ち上げるという回路性能はあまり要求されず、回路に対する負担が少ない。
図24の例では、走査電極群19aに対して、t1時点〜t3時点の期間には正の高電圧V21が印加され、t3時点において電圧が立ち下がって、t3時点〜t4時点の期間には正の維持電圧V22が印加される。
【0111】
一方、維持電極群19bに対して、上記t1時点から少し遅れたt2時点から上記t3時点までの期間は正パルスV23が印加される。ここで、V23=V21−V22に設定されている。また、維持電極群19bに対して、t4時点〜t5時点の短い期間には正パルスV24が印加される。
この結果、電極19a−電極19b間の電位差について見ると、その立ち上がりの短時間(t1時点〜t2時点)においては、正の高電圧V21が印加され、その後の期間(t2時点〜t4時点)においては、正の維持電圧V22(=V21−V23)が印加され、立ち下がり後の短時間(t4時点〜t5時点)においては負パルス(−V24)が短時間印加されるような波形となっている。
【0112】
t6時点〜t10時点においては、走査電極群19aと維持電極群19bとが入れ代わって、上記t1時点〜t5時点と同様に印加される。そして、その結果、電極19a−電極19b間に、逆極性で同様の波形が形成される。
本図の例では、各電極19a,19bに高電圧V21を印加する期間が、短時間ではなく、且つ図12のように長時間ではないので、維持パルス発生器112a及び維持パルス発生器112bにおける負担が比較的少ない。
【0113】
なお、本例では、V21=V22+V23に設定されているため、t3時点における電極19a−電極19b間の電位差変化はないが、必らずしもこのように設定する必要はなく、t3時点において電極19a−電極19b間の電位差が多少変化しても同様の効果を奏する。
(実施の形態1〜4についてのバリエーション)
上記実施の形態1〜4では、放電維持期間におけるすべての維持パルスに対して、特徴を加えるようにしたが、良好な画像表示を行うことを主目的とする場合には、必ずしも放電維持期間におけるすべての維持パルスに対して特徴を加える必要はなく、一部の維持パルスに対して加えてもよい。
【0114】
但し、一般的に、放電維持期間において複数の維持パルスを連続的に印加する際、先頭の維持パルス印加時には特に放電遅れが発生しやすく、先頭の維持パルスにおいて放電が開始されれば2番目以降の維持パルスにおいても容易に放電が開始されるため、良好な画像表示を行うためには、少なくとも先頭の維持パルスに対しては上記特徴を加えるべきである。
【0115】
例えば、先頭の維持パルスに対して上記特徴を加え、2番目以降の維持パルスには、従来と同様の単純な矩形波を用いてもよい。
或は、走査電極群19aに正の維持パルスが印加される場合に上記特徴を加え、維持電極群19bに正の維持パルスが印加されるときには従来と同様の単純な矩形波を用いるようにしてもよい。
【0116】
この場合、すべての維持パルスに対して特徴を加える場合と比べて、発光効率を向上させる効果については劣るけれども、放電遅れの抑制についてはほぼ同等の効果を奏するものと考えられる。
上記実施の形態においては、交流面放電型のPDPを例にとって説明したが、対向放電型のPDPにおいても適用でき同様の効果を奏する。また、一般的に、書込パルスを印加することによって画像を書き込み、複数の放電セルに維持パルスを印加することによって放電維持を行うパネル表示装置であるならば同様に実施することができ同様の効果を奏する。
【0117】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、維持パルスを印加する際に、その立ち上がりに要する時間に対して3倍の時間がピーク時点から経過するまでに立ち下がりが終了するような電流波形が形成されるよう、維持パルスの波形を規定することによって、無効電流を抑制し、発光効率を向上させることを可能とした。
【0118】
ここで、上記特徴を持つ電流波形は、維持パルスを印加する際に、当該維持パルスに次の第1〜第3のいずれかの特徴を加えることによって形成できる。
第1の特徴は、維持パルスの先縁(パルス立ち上がり)に先立って、当該維持パルスと逆極性のパルスを短時間印加することである。
第2の特徴は、維持パルスの先縁(パルスの立ち上がり)から一定期間において、それ以降に印加される電圧より絶対値において高電圧が印加されるような波形に設定することである。
【0119】
第3の特徴は、維持パルスの後縁(パルス立ち下がり)直後において、これと逆極性のパルスを印加することである。
なお、第1の特徴或は第2の特徴を維持パルスに加えると、放電遅れの抑制もなされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態にかかる交流面放電型PDPの見取図である。
【図2】上記PDPの電極マトリックスを示す図である。
【図3】上記PDPの駆動時におけるフレーム分割方法を示す図である。
【図4】実施の形態1において各電極にパルス印加するタイミングを示すチャートである。
【図5】実施の形態にかかるPDP駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図6】図5中のスキャンドライバの構成を示すブロック図である。
【図7】図5中のデータドライバの構成を示すブロック図である。
【図8】維持パルス印加時における電流キャリアの動きを説明する図である。
【図9】維持パルス印加時に形成される電流波形を説明する図である。
【図10】維持パルス印加時に形成される電流波形と発光効率との関係を説明する図である。
【図11】実施の形態1にかかる維持パルス波形の一例を示す図、及び、従来から用いられている矩形波維持パルスの一例である。
【図12】維持パルス印加時における電流キャリアの動きを説明する図である。
【図13】実施の形態1にかかる維持パルスの特徴を形成するパルス合成回路のブロック図である。
【図14】上記パルス合成回路でパルスが合成される様子を示す図である。
【図15】実施の形態2で放電維持期間において各電極にパルスが印加される様子を示すタイミングチャートである。
【図16】実施の形態3において、各電極にパルス印加するタイミングを示すチャートである。
【図17】、 実施の形態3にかかる維持パルス波形の一例を示す図、及び、従来から用いられている矩形波維持パルスの一例である。
【図18】維持パルス印加時における電流キャリアの動きを説明する図である。
【図19】実施の形態3にかかる維持パルスの特徴を形成するパルス合成回路のブロック図である。
【図20】上記パルス合成回路でパルスが合成される様子を示す図である。
【図21】実施の形態3の一変形例にかかる維持パルスの特徴を示す図である。
【図22】実施の形態4において、放電維持期間において各電極にパルスを印加するタイミングの一例を示すチャートである。
【図23】実施の形態4において、放電維持期間において各電極にパルスを印加するタイミングの一例を示すチャートである。
【図24】実施の形態4において、放電維持期間において各電極にパルスを印加するタイミングの一例を示すチャートである。
【図25】従来例で各電極にパルスを印加するタイミングを示すチャートである。
【符号の説明】
11 前面基板
12 背面基板
13 誘電体層
14 データ電極
15 隔壁
16 蛍光体層
17 誘電体層
18 保護層
19a 走査電極
19b 維持電極
20 放電空間
100 駆動装置
112a 維持パルス発生器
112b 維持パルス発生器
Claims (8)
- 維持電極、走査電極及びデータ電極を有する1対の基板間に複数の放電セルがマトリックス状に配列されたガス放電パネルと、
前記複数の放電セルに書込パルスを印加することによって画像を書き込み、前記複数の放電セルに維持パルスを印加することによって放電維持を行う駆動回路とを備え、放電維持期間において前記放電パネルが画像を表示するパネル表示装置であって、
前記駆動回路は、更に、異なる位相で同一波形の維持パルスを前記維持電極と走査電極に交互に印加するとともに、少なくとも先頭の維持パルスの先縁に連続して先立つ一定期間において、当該維持パルスとは逆極性で予備放電させられる電位レベルのパルスを前記維持電極と走査電極に交互に印加することを特徴とするパネル表示装置。 - 前記駆動回路が放電セルに印加する逆極性のパルスは、維持パルス電圧に対して、絶対値が1.0倍以上であることを特徴とする請求項1記載のパネル表示装置。
- 前記駆動回路が逆極性のパルスを印加する期間の中で、維持パルス電圧に対して絶対値が1.0倍以上である時間が100ns以下であることを特徴とする請求項2記載のパネル表示装置。
- 前記駆動回路が逆極性のパルスを印加する期間の中で、維持パルス電圧に対して絶対値が1.0倍以上である時間が50ns以下であることを特徴とする請求項2記載のパネル表示装置。
- 前記駆動回路が放電セルに印加する逆極性のパルスは、維持パルス電圧に対して絶対値が1.5倍以上であることを特徴とする請求項1記載のパネル表示装置。
- 1対の基板間に複数の放電セルがマトリックス状に配列されたガス放電パネルと、
前記複数の放電セルに書込パルスを印加することによって画像を書き込み、前記複数の放電セルに維持パルスを印加することによって放電維持を行う駆動回路とを備え、放電維持期間において前記ガス放電パネルが画像を表示するパネル表示装置であって、
前記駆動回路によって放電セルに印加される少なくとも先頭の維持パルスは、
当該維持パルスの先縁から一定期間における電圧が、当該一定期間経過後から維持パルスの後縁までの期間における電圧より絶対値が高く、絶対値において放電セルの放電開始電圧より高く、 前記駆動回路が前記一定期間経過後から維持パルスの後縁までの期間において放電セルに印加する電圧は、絶対値において放電セルの放電開始電圧より低く、前記放電開始電圧より高い電圧を印加する時間は、100ns以下である
ことを特徴とするパネル表示装置。 - 前記駆動回路は、更に、
各維持パルスの後縁から一定期間において、当該維持パルスとは逆極性のパルスを前記放電セルに印加することを特徴とする請求項6記載のパネル表示装置。 - 前記駆動回路が放電セルに逆極性のパルスを印加する時間は、100ns以下であることを特徴とする請求項7記載のパネル表示装置。
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