JP2001125537A - パネル表示装置及びガス放電パネルの駆動方法 - Google Patents

パネル表示装置及びガス放電パネルの駆動方法

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JP2001125537A
JP2001125537A JP31009699A JP31009699A JP2001125537A JP 2001125537 A JP2001125537 A JP 2001125537A JP 31009699 A JP31009699 A JP 31009699A JP 31009699 A JP31009699 A JP 31009699A JP 2001125537 A JP2001125537 A JP 2001125537A
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pulse
voltage
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sustain
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JP31009699A
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Inventor
Akira Shiokawa
塩川  晃
Ryuichi Murai
隆一 村井
Yusuke Takada
祐助 高田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PDPをはじめとするガス放電パネルを駆動
する際に、放電維持期間における放電遅れの発生を抑え
て画質を向上させること及び無効電流の発生を抑えて発
光効率を向上させること目的とする。 【解決手段】 放電維持期間において、走査電極群19
aと維持電極群19bとに交互に放電維持パルスが印加
されるが、各放電維持パルスの先縁直後の短時間に、通
常より絶対値が高い電圧を印加することによって放電遅
れの発生を抑える。立ち上がりの開始直後に印加される
電圧値Vmaxは、絶対値において放電セルの放電開始電
圧以上で、「通常の維持電圧」Vsよりも絶対値におい
て50V以上高く設定することが好ましい。また、各放
電維持パルスの後縁から短時間に逆極性の電圧を印加す
ることによって、無効電流の発生を抑えて発光効率を向
上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータおよ
びテレビ等の画像表示に用いるガス放電パネル表示装置
及びガス放電パネルの駆動方法に関し、特に、ガス放電
パネルの誘電体層に電荷をためることによって画像を書
き込み放電維持することによって発光させるパルスメモ
リ方式で駆動するものに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータやテレビ等に用いら
れているディスプレイ装置において、プラズマディスプ
レイパネル(Plasma Display Panel,以下PDPと記載
する)は、大型で薄型軽量を実現することのできるもの
として注目されている。PDPは、大別して直流型(D
C型)と交流型(AC型)とに分けられるが、現在では
大型化に適したAC型が主流となっている。
【0003】また、近年実用化されつつあるハイビジョ
ンテレビでは、フルスペックで画素数が1920×10
80と高精細であるが、他のディスプレイと同様、PD
Pにおいても高精細に表示できる技術、並びに、高輝
度、小電力で安定した画像を表示できる技術が望まれて
いる。AC型PDPにおいて、各放電セルは元来、点灯
もしくは消灯の2階調しか表現できないので、1フレー
ム(1フィールド)を複数のサブフレーム(サブフィー
ルド)に分割し、各サブフレームにおける点灯/消灯を
組み合わせて中間階調を表現するフレーム内時分割階調
表示方式が用いられている。
【0004】この表示方式では、各サブフレームは、初
期化期間、書込期間、放電維持期間、消去期間という一
連のシーケンスで構成されており、書込期間には、点灯
すべき放電セルに壁電荷を蓄積して画像を書き込み、放
電維持期間においては、全体の放電セルに一括して極性
を交互に入れ替えながら維持パルスを印加する。このと
き壁電荷が蓄積された放電セルでは放電しそれ以外のセ
ルでは放電しないように、維持パルスの電圧は、通常1
50〜200Vの範囲内に設定されている。
【0005】ところで、放電維持期間に放電セルに印加
される各維持パルスの波形としては、図14に示されよ
うに矩形波が用いられている。矩形波は三角関数波のよ
うな波形と比べて立ち上がりがシャープであるため、維
持パルスとして矩形波を用いることによって、立ち上が
り開始から比較的短時間で放電を開始させることができ
るので、ある程度安定した画像を得ることが可能であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに維持パルスに矩形波を用いて駆動する場合にも、維
持パルスの立ち上がりからかなり遅れて放電開始される
「放電遅れ」が発生する確率が存在するため、数多くの
放電セルで一部に放電遅れが発生する現象が診られる。
特に放電維持期間において印加される先頭の維持パルス
においては放電遅れが発生しやすい。
【0007】このような「放電遅れ」は、点灯すべき放
電セルで点灯しないという点灯不良を発生させる原因と
なるので、表示画像の画質を低下させる要因である。ま
た、従来のように矩形波を維持パルスとして用いると、
維持パルスを印加する際に、放電が終了した後にも電流
が流れ続ける現象やリンギング(ringing)現象も見ら
れる。これらの現象は、無効電流を発生させ発光効率
(投入する電力量に対する発光量)を低下させる要因と
なるので、できるだけ抑制することが望まれる。
【0008】本発明は、PDPをはじめとするガス放電
パネルを駆動する際に、放電維持期間における放電遅れ
の発生を抑えて画質を向上させることを第1の目的と
し、無効電流の発生を抑えて発光効率を向上させること
を第2の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本発明では、ガス放電パネルの各放電セルに印
加される維持パルスを、その先縁(パルスの立ち上が
り)から一定期間において、それ以降に印加される電圧
より絶対値において高電圧が印加されるような波形に設
定した。
【0010】ここで、維持パルス先縁から一定期間にお
いて、それ以降に印加される電圧より絶対値において5
0V以上高い電圧が印加されるようにするのが好まし
い。上記のように各維持パルスの立ち上がりから一定期
間において、それ以降より電圧絶対値が高い電圧を印加
することによって、この一定期間に確実に放電開始(EV
OLUTION OF DISCHARGE)させることができ、これによ
って放電遅れが抑えられる。特に、この一定期間におい
て、放電セルの放電開始電圧以上の高電圧を印加すれば
その効果は顕著である。
【0011】ここで、一般的に高電圧を印加すると誘電
体層の絶縁破壊や消費電力の増大を引き起こしやすい
が、高電圧(放電セルの放電開始電圧以上の電圧)を印
加する時間を100ns以下もしくは10ns以下とい
った短期間に設定すれば、誘電体層の絶縁破壊や消費電
力の増大を回避することができる。また、上記第2の目
的を達成するため、本発明のガス放電パネル表示装置で
は、各維持パルスの後縁(パルス立ち下がり)直後にお
いて、これと反対極性の電圧パルスを短時間印加するよ
うにした。この反対極性の電圧パルスについても、電圧
絶対値の最高値を50V以上とすることが好ましい。
【0012】従来のように単純な矩形波からなる維持パ
ルスを放電セルに印加した時には、パルス立ち下がり後
にも放電セル内に残っている電子やイオンが電極に到達
することで放電に寄与しない無効的な電流が流れる傾向
があるが、上記のように反対極性の電圧を各放電セルに
短時間印加すれば、パルス立ち下がり時に放電セル内に
残っている電子やイオンが強制的に追い返されるので、
無効電流の発生を抑えることができる。この逆極性の電
圧を印加する時間は、100ns以下とすること、更に
10ns以下とすることが好ましい。
【0013】ところで、1つの放電維持期間において
は、通常、各放電セルに対して連続的に複数の維持パル
スが極性を切り替えながら印加される。そこで、十分な
効果を奏するために、その連続する維持パルスすべてに
対して上記のような波形の特徴を適用することが好まし
いが、一部の維持パルスに対してだけ上記波形の特徴を
適用してもよい。但し、その場合も、少なくとも放電維
持期間における先頭の維持パルスに対しては、上記波形
の特徴を適用すべきである。
【0014】
【発明の実施の形態】(表示装置について全体的な説
明)先ず、本実施形態にかかるPDP表示装置につい
て、全体的な構成を説明する。このPDP表示装置は、
交流面放電型(AC型)PDPとその駆動装置から構成
される。図1は、このPDPの見取図である。
【0015】このPDPにおいては、前面基板11と背
面基板12とが、互いに平行に間隙をおいて対峙して配
置され、外周部が封止されている。前面基板11の対向
面上には、ストライプ状の走査電極群19a及び維持電
極群19bが互いに平行に形成され、当該電極群19
a、19bは、鉛ガラスなどからなる誘電体層17で覆
われて、誘電体層17の表面は、MgO膜からなる保護
層18で覆われている。背面基板12の対向面上には、
ストライプ状のデータ電極群14とその表面を覆う鉛ガ
ラスなどからなる誘電体層13が設けられ、その上に、
データ電極群14と平行に隔壁15が配設されている。
前面基板11と背面基板12との間隙は、隔壁15によ
って100〜200μm程度の間隔で仕切られ、放電ガ
スが封入されている。放電ガスの封入圧力は、パネル内
部が外部の圧力(大気圧)に対して負圧となるよう、通
常は100〜500Torr程度(1×104〜7×1
4Pa程度)の範囲に設定されるが、8×104Pa以
上の高い圧力に設定する方が高発光効率を得るのに有利
である。
【0016】図2は、このPDPの電極マトリックスを
示す図である。電極群19a、19bと、データ電極群
14とは、互いに直交して配設されており、前面基板1
1及び背面基板12間の空間において、電極が交差する
ところに放電セルが形成されている。隣り合う放電セル
の間は隔壁15で仕切られて、隣接する放電セルへの放
電拡散が遮断されるようになっているため、解像度の高
い表示を行うことができる。
【0017】単色表示用のPDPでは、放電ガスとし
て、ネオンを中心とした混合ガスが用いられ、放電の際
に可視域で発光することにより表示するが、図1のよう
なカラー表示用のPDPでは、放電セルの内壁に、三原
色である赤(R)、緑(G)、青(B)の蛍光体からな
る蛍光体層16を形成しておき、放電ガスとしてキセノ
ンを中心とした混合ガス(ネオン−キセノンやヘリウム
−キセノン)が用いられ、放電に伴って発生する紫外線
を蛍光体層16で各色の可視光に変換することによりカ
ラー表示を行う。
【0018】このPDPは、フレーム内時分割階調表示
方式を用いて駆動される。図3は、256階調を表現す
る場合における1フレームの分割方法を示す図であっ
て、横方向は時間、斜線部は放電維持期間を示してい
る。例えば、図3に示される分割方法の例では、1フレ
ームは、8個のサブフレームで構成され、各サブフレー
ムの放電維持期間の比は、1,2,4,8,16,3
2,64,128に設定されており、この8ビットバイ
ナリの組み合わせによって256階調を表現できる。な
お、NTSC方式のテレビ映像においては、1秒間あた
り60枚のフレームで映像が構成されているため、1フ
レームの時間は16.7msに設定されている。
【0019】各サブフレームは、初期化期間、書込期
間、放電維持期間、消去期間という一連のシーケンスで
構成されている。図4は、本実施形態において、1つの
サブフレームにおいて各電極にパルスを印加するときの
タイミングチャートである。初期化期間には、走査電極
群19aの全体に一括して初期化パルスを印加すること
により全ての放電セルの状態を初期化する。
【0020】書込期間には、走査電極群19aに走査パ
ルスを順次印加しながらデータ電極群14の中の選択さ
れた電極にデータパルスを印加することにより、点灯さ
せようとする放電セルに壁電荷を蓄積し、1画面分の画
素情報を書き込む。放電維持期間には、走査電極群19
aと維持電極群19b間に一括して、極性を入れ替えな
がら維持パルスを印加することによって、壁電荷が蓄積
された放電セルで放電を起こして所定の時間発光させ
る。
【0021】図4に示すように、各維持パルスは、単純
な矩形波ではなく、先縁直後(パルス立ち上がり直後)
及び後縁直後(パルス立ち下がり直後)に特徴を持った
波形が用いられているが、この点については後で詳述す
る。消去期間には、幅の狭い消去パルスを走査電極群1
9aに一括して印加することによって放電セルの壁電荷
を消去する。
【0022】(駆動装置及び駆動方法についての詳細な
説明)図5は、駆動装置100の構成を示すブロック図
である。この駆動装置100は、外部の映像出力器から
入力されてくる映像データを処理するプリプロセッサ1
01、処理された映像データを格納するフレームメモリ
102、フレーム毎及びサブフレーム毎に同期パルスを
生成する同期パルス生成部103、走査電極群19aに
パルスを印加するスキャンドライバ104、維持電極群
19bにパルスを印加するサステインドライバ105、
データ電極群14にパルスを印加するデータドライバ1
06から構成されている。
【0023】プリプロセッサ101は、入力されてくる
映像データからフレーム毎の映像データ(フレーム映像
データ)を抽出し、抽出したフレーム映像データから各
サブフレームの映像データ(サブフレーム映像データ)
を作成してフレームメモリ102に格納する。また、フ
レームメモリ102に格納されているカレントサブフレ
ーム映像データから1ラインづつデータドライバ106
にデータを出力したり、入力される映像データから水平
同期信号、垂直同期信号などの同期信号を検出し、同期
パルス生成部103にフレームごと及びサブフレームご
とに同期信号を送ることも行う。
【0024】フレームメモリ102は、フレーム毎に、
各サブフレーム映像データを分割して格納できるもので
ある。具体的には、フレームメモリ102は、1フレー
ム分のメモリ領域(8個のサブフレーム映像を記憶)を
2個備える2ポートフレームメモリであって、一方のメ
モリ領域にフレーム映像データを書き込みながら、他方
のメモリ領域から、これに書き込まれているフレーム映
像データを読み出す動作を交互に行うことができるよう
になっている。
【0025】同期パルス生成部103は、プリプロセッ
サ101からフレームごと及びサブフレームごとに送ら
れて来る同期信号を参照して、初期化パルス,走査パル
ス,維持パルス,消去パルスを立ち上がらせるタイミン
グを指示するトリガ信号を生成して、各ドライバ104
〜106に送る。スキャンドライバ104は、同期パル
ス生成部103から送られてくるトリガ信号に呼応し
て、初期化パルス、走査パルス、維持パルス、消去パル
スを生成して印加する。
【0026】図6は、スキャンドライバ104の構成を
示すブロック図である。初期化パルス,維持パルス,消
去パルスは、全ての走査電極19aに共通して印加され
るものである。そのため、図6に示すように、スキャン
ドライバ104には、各パルスを発生するために3つパ
ルス発生器(初期化パルス発生器111、維持パルス発
生器112a、消去パルス発生器113)が備えられて
いる。そして、これら3つのパルス発生器は、フローテ
ィンググラウンド方式で直列に接続され、同期パルス生
成部103からのトリガ信号に応じて作動することによ
って、初期化パルス,維持パルス,消去パルスが択一的
に、走査電極群19aに印加されるようになっている。
【0027】またスキャンドライバ104は、走査電極
19a1,19a2…19aNに順に走査パルスを印加す
るために、ここでは図6に示すように、走査パルス発生
器114と、これに接続されたマルチプレクサ115と
を備え、同期パルス生成部103からのトリガ信号に応
じて、走査パルス発生器114でパルスを発生すると共
にマルチプレクサ115で切り換えて出力する方式をと
っているが、各走査電極19a毎に個別に走査パルス発
生回路を設けた構成とすることも可能である。
【0028】そして、上記3つパルス発生器111〜1
13からの出力と、走査パルス発生器114からの出力
とを、択一的に走査電極群19aに印加するためにスイ
ッチSW1及びSW2が設けられている。サステインドラ
イバ105は、維持パルス発生器112bを備え、同期
パルス生成部103からのトリガ信号に呼応して維持パ
ルスを生成して維持電極群19bに印加する。
【0029】データドライバ106は、シリアルに入力
される1ラインに相当するサブフィールド情報に基づい
て、データパルスをデータ電極群141〜14Mにパラレ
ルに出力するものである。図7は、データドライバ10
6の構成を示すブロック図である。データドライバ10
6は、サブフレーム映像データを1走査ライン分づつ取
り込む第1ラッチ回路121、これを記憶する第2ラッ
チ回路122、データパルスを発生するデータパルス発
生器123、各データ電極141〜14Mの入口に設けら
れたANDゲート1241〜124Mから構成されてい
る。
【0030】第1ラッチ回路121では、プリプロセッ
サ101から順に送られてくるサブフレーム映像データ
をCLK信号に同期して数ビットづつ順に取り込み、1
走査ライン分のサブフレーム映像データ(データ電極1
41〜14Mの各々についてデータパルスを印加するか否
かを示す情報)がラッチされたら、それを第2ラッチ回
路122にまとめて移動する。第2ラッチ回路122
は、同期パルス生成部103から送られてくるトリガ信
号に呼応して、ANDゲート1241〜124Mの中でデ
ータパルスを印加するデータ電極に対応するものを開
く。そして、データパルス発生器123では、これと同
期してデータパルスを発生する。これによって、AND
ゲートが開かれたものに対応するデータ電極にデータパ
ルスが印加される。
【0031】このような駆動装置100において、以下
に示すように、初期化期間,書込期間,放電維持期間,
消去期間という一連のシーケンスによって構成される1
サブフレーム分の動作を8回繰返すことによって、1フ
レームの画像表示が行われる。初期化期間においては、
スキャンドライバ104のスイッチSW1はON、SW2
はOFFとし、初期化パルス発生器111で 全ての走
査電極19aに一括して初期化パルスを印加することに
よって、全ての放電セルで初期化放電を行い、各放電セ
ルに壁電荷を蓄積する。ここで、各放電セルにある程度
の壁電圧をかけることによって、次の書込期間における
書込放電の立ち上がりを早めることができる。
【0032】書込期間においては、スキャンドライバ1
04のスイッチSW2はON、SW1はOFFとし、走査
パルス発生器114で発生する負電圧の走査パルスを、
第1行目の走査電極19a1〜最終行の走査電極19aN
に対して順に印加する。そして、これにタイミングを合
わせて、データドライバ106は、データ電極141〜
14Mの中の点灯しようとする放電セルに対応するもの
に、正電圧のデータパルスを印加することによって書込
放電を行い、その放電セルに壁電荷を蓄積する。このよ
うにして、点灯しようとする放電セルの誘電体層の表面
に壁電荷を蓄積することによって、1画面分の潜像が書
き込まれることになる。
【0033】走査パルス及びデータパルスのパルス幅
(書込パルス幅)は、駆動を高速にするためにはできる
だけ短く設定するのが望ましいが、書込パルス幅が短か
過ぎると書き込み不良が生じやすくなる。また、回路上
の制約からも、パルス幅は通常1.25μsec程度以
上に設定する必要がある。放電維持期間においては、ス
キャンドライバ104のスイッチSW1はON、SW2は
OFFとし、維持パルス発生器112aで走査電極群1
9aに一括して一定の長さ(例えば1〜5μsec)の
維持パルスを印加する動作と、サステインドライバ10
5の維持パルス発生器112bで維持電極群19bに一
括して一定の長さの維持パルスを印加する動作を交互に
繰り返す。
【0034】これによって、書込期間に壁電荷が蓄積さ
れた放電セルにおいて、誘電体層表面の電位が放電開始
電圧を上回ることによって放電が生じ、当該放電セル内
では、この維持放電に伴って紫外線が発光され、これが
蛍光体層で可視光に変換されることによって蛍光体層の
色に対応する可視光の発光がなされる。消去期間におい
ては、スキャンドライバ104のスイッチSW1はO
N、SW2はOFFとし、消去パルス発生器113から
幅の狭い消去パルスを走査電極群19aに一括して印加
し、不完全な放電を発生することによって、各放電セル
における壁電荷を消去する。
【0035】(放電維持期間におけるパルス波形につい
て)放電維持期間において、走査電極群19aと維持電
極群19bとの間に印加される維持パルスの波形やその
効果などについて、以下の実施の形態1,2で詳細に説
明する。 〔実施の形態1〕図4に示されるように、本実施の形態
では、放電維持期間において、走査電極群19aと維持
電極群19bとに交互に正の維持パルスが印加される
が、各維持パルスの先縁直後の短時間に、通常より電圧
絶対値の高い電圧が印加され、且つ後縁直後の短時間に
逆極性の電圧が印加される。
【0036】以下、走査電極群19aに維持パルスが印
加される際について詳細に説明し、維持電極群19bに
維持パルスが印加される際は同様であるため、説明を省
略する。先ず、走査電極群19aに正の維持パルスを印
加する際に、立ち上がり開始直後の短い期間において通
常の維持電圧より高い電圧を短時間印加し、その後の期
間には通常の維持電圧で印加している。
【0037】ここで、「通常の維持電圧」というのは、
アドレス時に壁電荷が蓄積された放電セルでは放電がな
され、壁電荷が蓄積されなかった放電セルでは放電され
ないような範囲内で設定された電圧値である。この電圧
値は、PDPのパネル設計(放電セルのサイズや電極
幅、誘電体層の厚さなど)に依存し、一般的に放電セル
の放電開始電圧より少し低い電圧(放電開始電圧−50
V〜放電開始電圧の範囲)であって、例えば200V程
度である。
【0038】なお、PDPにおける放電開始電圧は、次
のようにして測定することができる。PDPを目で観察
しながら、パネル駆動装置からPDPに印加する電圧を
わずかづつ増加させ、PDPの放電セルの一つ或は規定
個数(例えば3個)以上が点灯し始めたときの印加電圧
を読み取ってこれを放電開始電圧として記録する。
【0039】(本実施形態の維持パルス波形による放電
遅れ抑制効果についての説明)通常の維持電圧で単純な
矩形波からなる維持パルスを印加する場合、立ち上がり
時における電圧降下によって放電遅れが生じることがあ
る。この放電遅れは、維持パルスの立ち上がり時に急激
に電流が流れ出すことにより電圧降下が起こり、再び電
位が上昇するまで時間がかかるために発生するものと考
えられる。これに対して、上記のように維持パルスの立
ち上がり開始直後に通常の維持電圧よりも高い電圧を短
時間印加すれば、上記電圧降下が抑制されるので、放電
開始遅れの発生を回避することができる。
【0040】また、このように立ち上がり開始直後の短
時間に高電圧を印加することによって、それ以降の電圧
(通常の維持電圧)を比較的低く設定しても確実に放電
が開始されるということもできる。図8(a)は、本実
施形態にかかる維持パルス波形の一例、図8(b)は、
矩形波維持パルスの一例であって、同一のPDPを駆動
するのに用いたものである。
【0041】図8(a)の波形は、図8(b)の波形と
比べて「通常の維持電圧」が若干低く設定されている
が、このような波形を用いてPDPを駆動しても放電遅
れは生じることなく、良好に画像表示を行うことが可能
である。このような効果を得るために、立ち上がり(図
8(a)中においてTaで示される期間)の開始直後に
印加される電圧値(図8(a)中においてVmaxで示さ
れる電圧最高値)は、放電開始電圧以上にすること、ま
た「通常の維持電圧」(図8(a)中においてVsで示
される電圧値)よりも50V以上高く設定することが好
ましい。
【0042】立ち上がり開始直後の高電圧を印加する期
間(図8(a)中においてTbで示される放電開始電圧
以上の電圧が印加される期間)については、これを長く
しすぎると、点灯させるべきでない放電セルにおいても
絶縁破壊が起きて放電が発生したり、この期間に流れる
電流によって消費電力が増大するという問題も生じ得る
が、これを短時間に設定することによって、誘電体の絶
縁破壊を回避でき、消費電力の増大も軽微に抑えられ
る。
【0043】このような観点から、立ち上がり開始直後
に印加する電圧値Vmaxを高く設定するほど、その印加
時間Tbを短くすることが必要と考えられる。また、一
般的には、この時間Tbを100ns以下に設定するこ
とが、当該期間に流れる電流を小さく抑える上で好まし
く、更にこの時間を10ns以下に設定すれば、当該期
間に流れる電流をほとんど0とすることができる点でよ
り好ましいということが言える。
【0044】なお、更に顕著な効果を得るために、立ち
上がり開始直後に印加する電圧値Vmaxをかなり高く4
00V程度に設定すればよいと考えられるが、この場
合、高電圧を印加する時間Tbをかなり短く(10〜2
0nsあるいはそれ以下に)設定する必要があるため、
高電圧までシャープに立ち上げることのできる回路性能
が要求されるものと考えられる。
【0045】また更に、走査電極群19aに正の維持パ
ルスを印加する際に、立ち下がり直後の短い期間におい
て、逆極性(負)の電圧を短時間印加している。一般的
に維持パルスを印加する際に、パルス印加に伴って荷電
粒子(電子やイオン)が一方の電極から放電空間内を相
手側電極へと移動するが、印加する電圧が立ち下がる時
点の後においても、放電空間内を相手側の電極に向かっ
て移動する荷電粒子が残っており、それが相手側電極に
到達することによって、発光に寄与しない無効電流が発
生する傾向がある。
【0046】これに対して、上記のように維持パルスの
立ち下がり(図8(a)中においてTcで示される時
点)直後に逆極性の電圧を短時間印加すれば、相手側電
極に向かって移動する放電空間内の荷電粒子が、強制的
に追い返されて相手側電極には到達しないので、無効電
流の発生は抑えられる。立ち下がり直後において逆極性
(負)を印加する際の電圧値(図8(a)中においてV
minで示される電圧値)についても絶対値が最高50V
以上になるようにし、且つその印加時間は100ns以
下に設定することが望ましく、更に短く10ns以下と
することが望ましい。
【0047】(維持パルスの波形を形成する回路につい
て)このように立上がり時及び立ち下がり時に特徴を持
った波形を維持パルスとして走査電極群19a及び維持
電極群19bに印加するためには、図5,6に示す維持
パルス発生器112a及び維持パルス発生器112bの
各々に、図9に示すようなパルス合成回路を用いればよ
い。
【0048】図9は、このような波形のパルスを発生す
るパルス合成回路のブロック図である。このパルス合成
回路は、トリガ信号に呼応してパルスを発生する第1パ
ルス発生器131、第2パルス発生器132、第3パル
ス発生器133などから構成されている。
【0049】第1パルス発生器131と第2パルス発生
器132は、正電圧のパルスを発生するものであって、
第2パルスの電圧は「通常の維持電圧」に設定されてい
る。第1パルス発生器131で発生する第1パルスは比
較的幅狭のパルスである。一方、第2パルス発生器13
2で発生する第2パルスは比較的幅広の矩形波である。
【0050】第3パルス発生器133は、負電圧の幅狭
の第3パルスを発生するものであって、この第3パルス
の立ち上がりのタイミングは、第2パルスの立ち下がり
と一致するように設定されている。第1〜第3パルス発
生器131〜133は、フローティンググラウンド方式
で直列に接続され、第1〜第3パルスの出力電圧が加算
されるようになっている。
【0051】そして、このパルス合成回路では、同期パ
ルス生成部103から送られてくるトリガ信号に呼応し
て、以下のように各パルス発生器が動作してパルスを発
生すると共に発生したパルスを合成して出力する。図1
0は、上記パルス合成回路で第1パルス〜第3パルスが
合成される様子を示す図である。
【0052】先ず、同期パルス生成部103から第1パ
ルス発生器131及び第2パルス発生器132にトリガ
信号が送られて、第1パルス発生器131で第1パルス
が、第2パルス発生器132で第2パルスが、ほぼ同時
に立ち上げられる。従って、この立ち上がり開始直後に
おいては、第1パルスの電圧と第2パルスの電圧が加算
された高い電圧が出力される。
【0053】第1パルスは短時間で立ち下がるので、第
1パルスが立ち下がった後は、第2パルスの電圧だけが
出力される。そして、第2パルスが立ち下がる時に合わ
せて、同期パルス生成部103から第3パルス発生器1
33にトリガ信号が送られ、第3パルス発生器133で
負電圧の第3パルスが立ち上げられる。そして、この第
3パルスは短時間で立ち下げられる。従って、第2パル
スの立ち下がり直後には負電圧が短時間出力される。
【0054】この結果、立ち上がり開始直後の短時間に
おいては通常より高い正電圧が出力され、続いて通常の
維持電圧が出力され、更に立ち下がり直後の短時間にお
いて負電圧が出力されるような特徴を持った波形が合成
されることになる。なお、図9のパルス合成回路におい
ては、第1パルス発生器131〜第3パルス発生器13
3の各出力電圧が加算されるような合成を行ったが、こ
の合成回路の変形例として、第1パルス発生器131〜
第3パルス発生器133を並列的に接続して、第1パル
ス〜第3パルスをオーバーラップさせた波形が出力され
るようにパルス合成を行ってもよい。
【0055】但しこの場合、第1パルス発生器131で
発生させる第1パルスの電圧値を、第2パルスよりも5
0V程度以上高く設定する必要があるので、第1パルス
発生器131において、かなり高電圧で且つ時間幅の短
いパルスを発生させなければならない点で、より高度な
回路技術が必要と考えられる。 (維持パルスの立ち上がりの傾斜について)ところで、
本実施形態のように、維持パルスを印加する際に、立ち
上がり開始直後の短時間に通常の維持電圧よりも高い電
圧を短時間印加する場合、立ち上がり開始直後の短時間
に、通常の維持電圧よりも大きい電圧変化幅が生じるの
で、それに伴い大きな電流が流れて発光効率が低下する
傾向がある。
【0056】従って、高発光効率を確保するために、立
ち上がり部分の傾きをある程度緩やかに設定すればよい
と考えられる。ただし、立ち上がり部分の中で通常の維
持電圧を越えた高電圧の範囲で傾きを緩やかにすると、
放電遅れを抑制する効果が損なわれてしまうことにな
る。このような点を考慮すると、図8(a)に示される
パルス波形のように、立ち上がり部分の前半においては
傾きを緩やかに設定して電流を抑え、後半においては傾
きを大きくするのが好ましいということができる。
【0057】また、逆極性で印加されるパルスの立ち下
がり(図8(a)中においてTd)においても同様に、
大きな電流が流れないよう、その傾きをある程度緩やか
に設定することが好ましい。維持パルスの立ち上がり時
Taにおけるの傾きを調整するには、第1パルスの立ち
上がりの傾きを調整するか、第1パルス及び第2パルス
両方の立ち上がりの傾きを調整すればよく、第1パルス
及び第2パルスの立ち上がりの傾きは、第1パルス発生
器131及び第2パルス発生器132におけるRLC回
路の時定数を調整することによって調整することができ
る。
【0058】また、逆極性パルスの立ち下がり時Tdに
おける傾きを調整するには、第3パルス発生器における
RLC回路の時定数を調整することによって、第3パル
スの立ち下がりの傾きを調整すればよい。 (本実施形態の変形例について)なお、上記図8(a)
では、各維持パルスの立ち上がり時Taにおいて、放電
開始電圧以上の高電圧まで印加電圧が一気に上昇するよ
うな波形をを示したが、立ち上がり時に一旦通常の維持
電圧まで上昇し、少し遅れて高電圧まで上昇するような
波形を用いても同様の効果を得ることができる。
【0059】また、本実施の形態では、各維持パルスの
先縁直後に高電圧を印加すると共に後縁直後に逆極性の
電圧を印加することによって、放電遅れの抑制及び無効
電流の低減という2つの効果を奏する例を示したが、ど
ちらか一方だけでも、即ち各維持パルスの先縁直後に高
電圧を印加するだけ、或は、後縁直後に逆極性の電圧を
印加するだけでも、それぞれの効果を奏する。
【0060】〔実施の形態2〕本実施形態においても、
放電維持期間に走査電極群19aと維持電極群19bと
の間に印加される維持パルスの特徴については、実施の
形態1と同様である。ただし、実施の形態1では、放電
維持期間において、瞬間にはどちらか一方の電極群だけ
に電圧が印加される例、即ち走査電極群19aに維持パ
ルスを印加しているときには維持電極群19bは電圧を
印加せず、維持電極群19bに維持パルスを印加してい
るときには走査電極群19aに電圧を印加しない例を示
したが、本実施形態においては、走査電極群19a及び
維持電極群19bの両方にパルスを印加し、その組み合
わせによって、走査電極群19aと維持電極群19bと
の間に印加される維持パルスの特徴が形成されている。
【0061】図11〜図13は、放電維持期間におい
て、維持パルス発生器112a及び維持パルス発生器1
12bによって、走査電極群19a及び維持電極群19
bの各々にパルスが印加され、その結果、走査電極群1
9aと維持電極群19bとの間に電位差が発生する様子
を示すタイミングチャートであって、いづれも、走査電
極群19aと維持電極群19bとの間に生じる電位差波
形(維持パルス)が、上記特徴を有するものとなってい
る。
【0062】図11の例では、走査電極群19aに正電
圧の矩形波パルス(V1)が印加されるタイミングに合
わせて、維持電極群19bには、この矩形波パルスの立
ち上がりとほぼ同時に立ち上がる短時間幅の負電圧パル
ス(−V2)と、この矩形波パルスの立ち下がりとほぼ
同時に立ち下がる短時間幅の正電圧パルス(V3)とが
印加されている。この結果、走査電極群19aと維持電
極群19bとの間には、立ち上がり直後の短時間に正の
高電圧(V1+V2)が印加され、その後、しばらく正の
電圧(通常の維持電圧)V1が印加され、その立ち下が
り直後には、負の電圧(−V3)が短時間印加されるこ
とになる。
【0063】一方、維持電極群19bに正電圧の矩形波
パルス(V1)が印加されるタイミングに合わせて、走
査電極群19aには、この矩形波パルスの立ち上がりと
ほぼ同時に立ち上がる短時間幅の負電圧パルス(−V
2)と、この矩形波パルスの立ち下がりとほぼ同時に立
ち下がる短時間幅の正電圧パルス(V3)とが印加され
ている。この結果、走査電極群19aと維持電極群19
bとの間には、立ち上がり直後の短時間に負の高電圧−
(V1+V2)が印加され、その後、しばらく負の電圧
(通常の維持電圧)V1が印加され、その立ち下がり直
後には、正の電圧(−V3)が短時間印加されることに
なる。
【0064】このように、本図の例では、各電極群19
a,19bに印加するパルスは共に矩形波であるので、
実施の形態1で用いたようなパルス合成回路を用いる必
要はない。図12の例では、走査電極群19aと維持電
極群19bに対して、時間幅がほぼ同等で電圧値の異な
る矩形波パルスが時間的に重なるように印加されてい
る。
【0065】走査電極群19aに対して高電圧V11のパ
ルスが印加される時には、維持電極群19bに対して
は、立ち上がり及び立ち下がりのタイミングを短時間遅
らせて低電圧V12のパルスが印加される。その結果、走
査電極群19aと維持電極群19bとの間には、立ち上
がり直後の短時間に正の高電圧(V11)が印加され、そ
の後、しばらく正の通常の維持電圧(V11−V12)が印
加され、その立ち下がり直後には、負の電圧(−V12)
が短時間印加されることになる。
【0066】一方、維持電極群19bに対して高電圧V
1のパルスが印加される時には、走査電極群19aに対
しては、立ち上がり及び立ち下がりのタイミングを短時
間遅らせて低電圧V2のパルスが印加される。その結
果、走査電極群19aと維持電極群19bとの間には、
立ち上がり直後の短時間に負の高電圧(−V11)が印加
され、その後、しばらく負の通常の維持電圧(V12−V
11)が印加され、その立ち下がり直後には、正の電圧
(V12)が短時間印加されることになる。
【0067】本図の例では、維持パルス発生器112a
及び維持パルス発生器112bにおいて、上記図11の
ように短い時間幅のパルスを印加する必要はなく、比較
的時間幅の長い矩形波パルスだけを発生すればよいの
で、高電圧までシャープに立ち上げるという回路性能は
あまり要求されない。図13の例では、走査電極群19
aに対して、t1時点〜t3時点の期間には正の高電圧V
21が印加され、t3時点において電圧が立ち下がって、
t3時点〜t4時点の期間には正の通常の維持電圧V22が
印加される。
【0068】一方、維持電極群19bに対して、上記t
1時点から少し遅れたt2時点から上記t3時点までの期
間は正電圧V23が印加される。ここで、V23=V21−V
22に設定されている。また、維持電極群19bに対し
て、t4時点〜t5時点の短い期間には正電圧V24が印加
される。この結果、電極19a−電極19b間の電位差
は、その立ち上がりの短時間(t1時点〜t2時点)にお
いては、正の高電圧V21が印加され、その後の期間(t
2時点〜t4時点)においては、正の通常の維持電圧V22
(=V21−V23)が印加され、立ち下がり後の短時間
(t4時点〜t5時点)においては負の電圧(−V24)が
短時間印加されるような波形となっている。
【0069】t6時点〜t10時点においては、走査電極
群19aと維持電極群19bとが入れ代わって、上記t
1時点〜t5時点と同様に印加される。そして、その結
果、電極19a−電極19b間に、逆極性で同様の波形
が形成される。本図の例では、各電極19a,19bに
高電圧V21を印加する期間が、短時間ではなく、且つ図
12のように長時間ではないので、維持パルス発生器1
12a及び維持パルス発生器112における負担が比較
的少ない。
【0070】なお、本図の例では、V21=V22+V23に
設定されているため、t3時点における電極19a−電
極19b間の電位差変化はないが、必らずしもこのよう
に設定する必要はなく、t3時点において電極19a−
電極19b間の電位差が多少変化しても同様の効果を奏
する。 (実施の形態に関する変形例など)上記実施の形態1、
2では、放電維持期間におけるすべての維持パルスに対
して、その先縁及び後縁付近に特徴を持つ波形を適用し
たが、発明では、必ずしも放電維持期間におけるすべて
の維持パルスに対してこのような波形を適用する必要は
なく、一部の維持パルスに対してだけ適用してもよい。
【0071】但し、一般的に、放電維持期間において複
数の維持パルスを連続的に印加する際、先頭の維持パル
ス印加時には特に放電遅れが発生しやすく、先頭の維持
パルスにおいて放電が開始されれば2番目以降の維持パ
ルスにおいても容易に放電が開始されるため、良好な画
像表示を行うためには、少なくとも先頭の維持パルスに
対しては、その立ち上がり時に上記特徴を有する電圧パ
ルスを印加すべきである。
【0072】具体的には、走査電極群19a側が正電圧
になるよう印加される維持パルスの先頭のものだけに対
して、その先縁及び後縁付近に上記特徴を有する波形を
適用して、他の維持パルスには、従来と同様の単純な矩
形波を用いてもよい。或は、走査電極群19a側が正電
圧になるよう印加される維持パルスに対しては、その立
ち上がり時及び立ち下がり時に上記特徴を有する波形を
適用するようにして、維持電極群19b側が正電圧にな
るよう印加される維持パルスに対しては従来と同様の単
純な矩形波を適用してもよい。
【0073】この場合、上記実施の形態1,2のように
すべての維持パルスに対して適用する場合と比べて、発
光効率を向上させる効果については劣るけれども、放電
遅れの抑制についてはほぼ同等の効果を奏するものと考
えられる。
【0074】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ガス放
電パネルの各放電セルに印加する維持パルスを、その先
縁から短期間(100ns以下)においてそれ以降に印
加される電圧より絶対値において高い電圧(特に放電セ
ルの放電開始電圧以上の高電圧)が印加されるような波
形とすることによって、放電遅れを抑えて確実に発光さ
せ、安定した動作を確保できるので、優れた画質を実現
することが可能である。
【0075】また、本発明では、各維持パルスの後縁直
後において、これと反対極性の電圧を短期間(100n
s以下)印加することによって、パルスの後縁付近にお
いて放電セル内を移動する電子やイオンが強制的に追い
返されるので、無効電流の発生を抑制し、これによって
ガス放電パネルの発光効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態にかかる交流面放電型PDPの見取
図である。
【図2】上記PDPの電極マトリックスを示す図であ
る。
【図3】上記PDPの駆動時におけるフレーム分割方法
を示す図である。
【図4】実施の形態1で、1つのサブフレームにおいて
各電極にパルスを印加するときのタイミングチャートで
ある。
【図5】実施の形態にかかるPDP駆動装置の構成を示
すブロック図である。
【図6】図5中のスキャンドライバの構成を示すブロッ
ク図である。
【図7】図5中のデータドライバの構成を示すブロック
図である。
【図8】実施の形態にかかる維持パルス波形の一例を示
す図、及び、従来から用いられている矩形波維持パルス
の一例である。
【図9】実施の形態1にかかる波形のパルスを発生する
パルス合成回路のブロック図である。
【図10】上記パルス合成回路で第1パルス〜第3パル
スが合成される様子を示す図である。
【図11】実施の形態2で放電維持期間において各電極
にパルスが印加される様子を示すタイミングチャートで
ある。
【図12】実施の形態2で放電維持期間において各電極
にパルスが印加される様子を示すタイミングチャートで
ある。
【図13】実施の形態2で放電維持期間において各電極
にパルスが印加される様子を示すタイミングチャートで
ある。
【図14】従来例で1つのサブフレームにおいて各電極
にパルスを印加するときのタイミングチャートである。
【符号の説明】
11 前面基板 12 背面基板 13 誘電体層 14 データ電極 15 隔壁 16 蛍光体層 17 誘電体層 18 保護層 19a 走査電極 19b 維持電極 100 駆動装置 104 スキャンドライバ 105 サステインドライバ 106 データドライバ 112a 維持パルス発生器 112b 維持パルス発生器 131 第1パルス発生器 132 第2パルス発生器 133 第3パルス発生器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高田 祐助 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5C058 AA11 BA02 BA35 BB25 5C080 AA05 BB05 CC03 DD09 EE29 FF12 GG08 GG12 HH02 HH04 HH05 JJ02 JJ04 JJ05 JJ06

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1対の基板間に複数の放電セルがマトリ
    ックス状に配列されたガス放電パネルと、 前記複数の放電セルに書込パルスを印加することによっ
    て画像を書き込み、前記複数の放電セルに維持パルスを
    印加することによって放電維持を行う駆動回路とを備
    え、放電維持期間において前記ガス放電パネルが画像を
    表示するパネル表示装置であって、 前記駆動回路によって放電セルに印加される維持パルス
    は、 当該維持パルスの先縁から一定期間における電圧が、当
    該一定期間経過後から維持パルスの後縁までの期間にお
    ける電圧より絶対値が高いことを特徴とするパネル表示
    装置。
  2. 【請求項2】 1対の基板間に複数の放電セルが配列さ
    れたガス放電パネルと、 前記複数の放電セルの中で選択されたものに書込パルス
    を印加することによって画像を書き込み、前記複数の放
    電セルに極性を切り替えながら複数の維持パルスを連続
    的に印加することによって書き込まれた画像に対応する
    放電セルで放電維持を行う駆動回路とを備えたパネル表
    示装置であって、 前記駆動回路によって放電セルに連続的に印加される維
    持パルスの少なくとも先頭のものについて、 当該維持パルスの先縁から一定期間における電圧が、当
    該一定期間経過後から維持パルスの後縁までの期間にお
    ける電圧より絶対値が高いことを特徴とするパネル表示
    装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動回路が前記一定期間において放
    電セルに印加する電圧の最高値は、絶対値において放電
    セルの放電開始電圧より高く、 前記駆動回路が前記一定期間経過後から維持パルスの後
    縁までの期間において放電セルに印加する電圧は、絶対
    値において放電セルの放電開始電圧より低いことを特徴
    とする請求項1または2記載のパネル表示装置。
  4. 【請求項4】 前記駆動回路が絶対値において放電セル
    の放電開始電圧より高い電圧を印加する時間は、100
    ns以下であることを特徴とする請求項3記載のパネル
    表示装置。
  5. 【請求項5】 前記駆動回路が絶対値において放電セル
    の放電開始電圧より高い電圧を印加する時間は、10n
    s以下であることを特徴とする請求項3記載のパネル表
    示装置。
  6. 【請求項6】 1対の基板間に複数の放電セルがマトリ
    ックス状に配列されたガス放電パネルと、 前記複数の放電セルに書込パルスを印加することによっ
    て画像を書き込み、前記複数の放電セルに維持パルスを
    印加することによって放電維持を行う駆動回路とを備
    え、放電維持期間において前記ガス放電パネルが画像を
    表示するパネル表示装置であって、 前記駆動回路は、 各維持パルスの後縁直後の一定期間において、当該維持
    パルスとは逆極性の電圧を前記放電セルに印加すること
    を特徴とするパネル表示装置。
  7. 【請求項7】 1対の基板間に複数の放電セルが配列さ
    れたガス放電パネルと、 前記複数の放電セルの中で選択されたものに書込パルス
    を印加することによって画像を書き込み、前記複数の放
    電セルに極性を切り替えながら複数の維持パルスを連続
    的に印加することによって書き込まれた画像に対応する
    放電セルで放電維持を行う駆動回路とを備えたパネル表
    示装置であって、 前記駆動回路は、 放電セルに連続的に印加される維持パルスの少なくとも
    先頭のものについて、 その後縁から一定期間において、当該維持パルスとは逆
    極性の電圧を前記放電セルに印加することを特徴とする
    パネル表示装置。
  8. 【請求項8】 前記駆動回路が放電セルに逆極性の電圧
    を印加する時間は、100ns以下であることを特徴と
    する請求項6または7記載のパネル表示装置。
  9. 【請求項9】 前記駆動回路が放電セルに逆極性の電圧
    を印加する時間は、 10ns以下であることを特徴とする請求項6または7
    記載のパネル表示装置。
  10. 【請求項10】 前記駆動回路は、 各維持パルスの後縁から一定期間において、当該維持パ
    ルスとは逆極性の電圧を前記放電セルに印加することを
    特徴とする請求項1または2記載のパネル表示装置。
  11. 【請求項11】 1対の基板の対向面に、誘電体で覆わ
    れた第1電極及び第2電極が、放電空間を介して配設さ
    れガス放電パネルと、 前記誘電体に壁電荷をためることにより画像の書き込み
    を行う書込部、及び前記第1電極及び第2電極間に、維
    持パルスを印加することによって壁電荷がためられた箇
    所で放電維持を行う放電維持部からなる駆動回路とを備
    えたパネル表示装置であって、 前記放電維持部は、 各維持パルスの先縁から一定期間において、前記第1電
    極及び第2電極間に第1電圧で印加し、 前記一定期間が経過してから維持パルスの後縁までの期
    間に、前記第1電極及び第2電極間に、前記第1の電圧
    よりも絶対値が低い第2電圧で印加することを特徴とす
    るパネル表示装置。
  12. 【請求項12】 1対の基板の対向面に、誘電体で覆わ
    れた第1電極及び第2電極が、放電空間を介して配設さ
    れガス放電パネルと、 前記誘電体に壁電荷をためることにより画像の書き込み
    を行う書込部、及び前記第1電極及び第2電極間に、維
    持パルスを印加することによって壁電荷がためられた箇
    所で放電維持を行う放電維持部からなる駆動回路とを備
    えたパネル表示装置であって、 前記放電維持部は、 各維持パルスの後縁から一定期間において、 前記第1電極及び第2電極間に当該維持パルスとは逆極
    性の電圧を印加することを特徴とするパネル表示装置。
  13. 【請求項13】 1対の基板間に複数の放電セルが配列
    されたガス放電パネルを、前記複数の放電セルに書込パ
    ルスを印加することにより画像を書き込む書き込みステ
    ップと、前記複数の放電セルに維持パルスを印加するこ
    とにより放電維持を行う放電維持ステップとを繰り返
    し、放電維持期間において前記ガス放電パネルに画像を
    発光表示させる駆動方法であって、 前記放電維持ステップにおいて放電セルに印加される維
    持パルスは、 当該維持パルスの先縁から一定期間における電圧が、当
    該一定期間経過後から維持パルスの後縁までの期間にお
    ける電圧より絶対値が高いことを特徴とするガス放電パ
    ネルの駆動方法。
  14. 【請求項14】 1対の基板間に複数の放電セルが配列
    されたガス放電パネルを、前記複数の放電セルに書込パ
    ルスを印加することにより画像を書き込む書き込みステ
    ップと、前記複数の放電セルに維持パルスを印加するこ
    とにより放電維持を行う放電維持ステップとを繰り返
    し、放電維持期間において前記ガス放電パネルに画像を
    発光表示させる駆動方法であって、 前記放電維持ステップでは、 各維持パルスの後縁から一定期間において、 当該維持パルスとは逆極性の電圧を前記放電セルに印加
    することを特徴とするガス放電パネルの駆動方法。
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