JP3595192B2 - ポリウレタンフォーム成形体の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリウレタンフォーム成形体の製造法に関する。更に詳しくは、成形型の内面形状に忠実に対応した形状を有するポリウレタンフォーム成形体を製造しうるポリウレタンフォーム成形体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液状成形材料を成形型内に注入し、該液状成形材料を硬化させて成形体を製造する際に、成形型の内面には、製造された成形体を成形型から容易に離型させるために離型剤が塗布されている。
【0003】
しかしながら、離型剤を複雑な内面形状を有する成形型の内面に塗布して成形した場合、得られる成形体の表面にエア欠け〔複雑な内面形状に液状原料及び/又は発泡体が十分に充填しないために生じる表面欠陥〕等の成形体の表面性が低下することがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、成形体の表面にエア欠け等の成形体の表面性を低下させる欠陥を発生させずに、成形型の内面形状に忠実に対応した形状を有する成形体を製造しうるポリウレタンフォーム成形体の製造法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨は、
(A)(1) 測定雰囲気を無風状態で25℃、相対湿度55%にし、(2) 成形型と同一の材質からなる平滑板として、アルミニウム板〔平均粗さRa:0.2−0.4μm)を水平に設置した後、その表面にシリコーン離型剤を噴霧し、ウエスで十分に拭き取り、(3) 所定の表面処理剤を10g/m2 の量で均一に噴霧し(尚、25℃で固体のものは、予め融点以上に加熱して溶解させておいたものを噴霧する)、(4) 予め真空脱気させておいた液状成形材料をシリンジで採取し、該液状成形材料の液滴の重さが0.10±0.02gとなるようにして、液滴を平滑板の表面より10cmの高さから該平滑板に滴下し、(5) 液滴が平滑板の表面に接触した時を0秒とし、CCDカメラとしてマイクロスコープで液滴の経時変化を真横から観察し、60秒間経過後の液滴と平滑板との接触角を測定するという手順に従って求めた際に、液状成形材料と平滑板との接触角を30°以下にさせる接触角低減物質であって、沸点が常圧で50℃以上でかつ0.133kPaの圧力下で300℃以下であるエステルからなる接触角低減物質を含有する表面処理剤をイソシアネートプレポリマーに添加し、
(B)該イソシアネートプレポリマーと、ポリオール成分とを混合し、
(C)得られた液状成形材料を成形型内に注入し、該液状成形材料を硬化させて成形するポリウレタンフォーム成形体の製造法
に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
液状成形材料としては、ポリウレタンが挙げられる。
【0008】
本発明の製造法は、液状成形材料の中でも特に成形時に表面性が悪化しやすいポリウレタンに対して優れた効果を発現する。ポリウレタンの代表例としては、例えば、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン等が挙げられる。
【0009】
ポリウレタン原料としては、特に限定がなく、公知のものを用いることができる。ポリウレタン原料として、ポリオール溶液とイソシアネートプレポリマーを用いることが好ましい。ポリオール溶液は、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等のポリオール成分、鎖延長剤、水、整泡剤、及び必要に応じて触媒等を含有する。イソシアネートプレポリマーは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等のポリオール成分と、メチレンジフェニルジイソシアネートやその変性物等のポリイソシアネート成分とから得られる。これらポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、鎖延長剤、整泡剤、触媒、ポリイソシアネート成分、イソシアネートプレポリマー等は公知のものを用いることができる。接触角低減物質は、イソシアネートプレポリマー及び/又はポリオール溶液中に含有させることができるが、イソシアネートプレポリマー中に含有させることが好ましい。イソシアネートプレポリマー中における接触角低減物質の含有量は、好ましくは0.1〜7重量%であり、0.1〜5重量%がより好ましい。
【0010】
接触角低減物質を含有したポリウレタンフォームは、接触角低減物質の存在下、ポリオール成分と、ポリイソシアネート成分、イソシアネートプレポリマー、及び必要に応じて、水、鎖延長剤、整泡剤、触媒等とを反応させることによって製造できる。
【0011】
本発明においては、接触角低減物質を含有する表面処理剤の存在下、液状成形材料と成形型の内面との接触角が30°以下となる条件で、液状成形材料を成形型内に注入し、該液状成形材料を硬化させて成形する点に、1つの大きな特徴がある。この条件で成形した場合には、得られる成形体にエア欠け等を発生させずに、成形型の内面形状に忠実に対応した形状を有する成形体を容易に製造できるという優れた効果が発現される。このように優れた効果が発現される理由は、定かではないが、液状成形材料と成形型の内面との接触角を30°以下とすることにより、液状成形材料と成形型との濡れ性が改善され、液状成形材料と成形型との摩擦が低減され、その結果、成形型の内面の複雑な形状に追随するように液状成形材料を流動させることができることに基づくものと考えられる。液状成形材料と成形型の内面との接触角は、23°以下であることが、エア欠けを低減させる観点から好ましく、特に21°以下が好ましい。
【0012】
前記表面処理剤としては、液状成形材料に含有させた後、これを成形型と同一の材質からなる平滑板に滴下させた際、又は該平滑板に付着させ、その面に液状成形材料を滴下させた際に、液状成形材料と平滑板との接触角を30°以下にさせる接触角低減物質を含有するものが好ましい。この表面処理剤を用いた場合、成形時のエア欠けを低減させることができる。より具体的には、該表面処理剤を用いた場合には、得られる成形体にエア欠け等を発生させずに、成形型の内面形状に忠実に対応した形状を有する成形体を容易に製造できるという優れた効果が発現される。このように優れた効果が発現される理由は、定かではないが、表面処理剤が液状成形材料と成形型との濡れ性を改善することにより、液状成形材料と成形型との摩擦が低減され、その結果、成形型の内面の複雑な形状に追随するように液状成形材料を流動させることができることに基づくものと考えられる。表面処理剤と成形型の内面との接触角は、23°以下、特に21°以下であることが好ましい。
【0013】
なお、接触角は、以下の手順に従って求めることができる。
▲1▼ 測定雰囲気を無風状態で25℃、相対湿度55%にしておく。
▲2▼ 成形型と同一の材質からなる平滑板として、アルミニウム板〔平均粗さRa:0.2−0.4μm)を水平に設置する。その後、その表面にシリコーン離型剤を噴霧し、ウエスで十分に拭き取る。
▲3▼ 所定の表面処理剤を10g/m2 の量で均一に噴霧する(尚、25℃で固体のものは、予め融点以上に加熱して溶解させておいたものを噴霧する)。
▲4▼ 予め真空脱気させておいた液状成形材料をシリンジで採取し、該液状成形材料の液滴の重さが0.10±0.02gとなるようにして、液滴を平滑板の表面より10cmの高さから該平滑板に滴下する。
▲5▼ 液滴が平滑板の表面に接触した時を0秒とし、CCDカメラとしてマイクロスコープで液滴の経時変化を真横から観察し、60秒間経過後の液滴と平滑板との接触角を測定する。
【0014】
接触角低減物質の例としては、沸点が常圧で50℃以上、好ましくは100℃以上、さらに好ましくは100℃以上でかつ0.133kPaの圧力下で300℃以下である、エステル、エーテル及びアミドからなる群より選ばれた1種以上が挙げられる。この接触角低減物質の中では、作業時間内では完全には揮発しない程度の蒸気圧を有するものが好ましい。
【0015】
沸点が50℃以上のエステルの例としては、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル等のエステルのアルコール残基部分の炭素数が1〜22のステアリン酸アルキルエステル;酢酸デシル、酢酸オクタデシル等のエステルのアルコール残基部分の炭素数が4〜22の酢酸アルキルエステル;オレイン酸メチル、オレイン酸ブチル等のエステルのアルコール残基部分の炭素数が1〜22のオレイン酸アルキルエステル;及び上記以外のプロピオン酸ブチル、2−エチルヘキサン酸ブチル、デカン酸エチル、リノール酸メチル等のエステルの脂肪酸残基部分に炭素数2〜21のアルキル基を有し、エステルのアルコール残基部分の炭素数が1〜22である脂肪酸アルキルエステルが挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中では、エア欠け等の発生を抑制し、その外観(意匠性)を向上させる効果に優れることから、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、酢酸デシル、酢酸オクタデシル、オレイン酸メチル、オレイン酸ブチル等の脂肪酸と1価アルコールとのエステルに代表される脂肪酸アルキルエステルは、好適に使用しうるものである。更に、脂肪酸の炭素数は2〜22、好ましくは2〜18、1価アルコールの炭素数は1〜22、好ましくは1〜18が望ましい。又、脂肪酸と1価アルコールの合計炭素数は10〜40、好ましくは12〜36が望ましい。また、得られる成形体の耐黄変性の観点から、ステアリン酸ブチル、酢酸オクタデシル等の飽和脂肪酸アルキルエステルは、特に好適に使用しうるものである。
【0016】
沸点が50℃以上のエーテルとしては、対称エーテルでも非対称エーテルでもよく、例えば、ジオクチルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジデシルエーテル、ブチルヘキシルエーテル等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中では、エア欠け等の発生を抑制し、その外観(意匠性)を向上させる効果に優れることから、ジオクチルエーテル等は、好適に使用しうるものである。
【0017】
表面処理剤における接触角低減物質の含有量は、液状成形材料と平滑板との接触角が30°以下、好ましくは23°以下、特に好ましくは21°以下となるように適宜調整すればよい。なお、表面処理剤として接触角低減物質を単独使用した場合であっても、液状成形材料と平滑板との接触角を30°以下にさせることができるので、接触角低減物質を表面処理剤としてそのまま使用できる。
【0018】
表面処理剤には、接触角低減物質のほか、必要により、シリコーン化合物、ワックス等の離型剤を含有させることができる。接触角低減物質と離型剤とを含有した表面処理剤は、エア欠け等の発生を抑制し、その外観(意匠性)を向上させるために、種々の成形体を製造する際に成形型の内面に付着させることにより、好適に使用しうるものである。
【0019】
シリコーン化合物は、液状性が高く、離型性が高く、繰り返し使用に耐えるので、好適に使用できる。シリコーン化合物の代表例としては、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル等の変性シリコーンオイルあるいはこれらを溶剤で希釈したもの、水性エマルジョンにしたものが挙げられる。具体的には、25℃における粘度が30〜50000mm2 /sのジメチルシリコーンオイル等が挙げられ、これらは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0020】
ワックスは、安価であるので好適に使用できる。ワックスの例としては、鉱物油、オレフィンワックス、パラフィンワックス等が挙げられ、これらは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中では、分子量が300以上の鉱物油、パラフィンワックス等が好ましい。
【0021】
離型剤の中では、離型性の観点から、シリコーン化合物がより好ましい。
【0022】
離型剤の表面処理剤における含有量は、それらの種類によって異なるので一概には決定できないが、通常、十分な離型性を発現させる観点から、5重量%以上、好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上とすることが望ましく、また十分な表面性を発現させる観点から、95重量%以下、好ましくは90重量%以下とすることが望ましい。
【0023】
表面処理剤は、成形型の内面に付着させてもよく、あるいは液状成形材料に含有させてもよい。
【0024】
表面処理剤を成形型の内面に付着させた場合には、特に、底面に複雑な形状を有する、ポリウレタンフォームからなる靴底のアウトソールを成形型どおりに、エア欠け等の成形体の表面性を低下させる欠陥を発生させずに成形することができる。
【0025】
表面処理剤を成形型の内面に付着させる方法としては、例えば、塗布、噴霧、浸漬等の方法が挙げられるが、本発明はかかる方法によって限定されるものではない。
【0026】
表面処理剤を成形型の内面に付着させた場合には、その後に、液状成形材料を成形型内に充填し、その液状成形材料の種類等に応じた所定の成形条件で成形することができる。なお、成形型の内面に付着される表面処理剤の量は、十分な表面性を発現させる観点、及び割れ、艶ひけ等を防ぐ観点から、3〜30g/m2 とすることが好ましい。
【0027】
また、表面処理剤を液状成形材料に含有させた場合には、特に、側面に複雑な形状を有する、ポリウレタンフォームからなる靴底のミッドソールを成形型どおりに、エア欠け等の成形体の表面性を低下させる欠陥を発生させずに成形することができる。
【0028】
表面処理剤を液状成形材料に含有させる場合、該液状成形材料における表面処理剤の含有量は、該液状成形材料の種類によって異なるが、該液状成形材料と、成形型と同一の材質からなる平滑板との接触角が30°以下となる量が選ばれる。例えば、液状成形材料における接触角低減物質の含有量は、0.05〜3.5重量%、好ましくは0.25〜1重量%であることが望ましい。
【0029】
表面処理剤を液状成形材料に含有させた場合には、該液状成形材料を成形型内に充填し、その液状成形材料の種類等に応じた所定の成形条件で成形を行なうことができる。
【0030】
本発明に用いられる成形型の材質には、特に限定がない。その例としては、鉄、ステンレス鋼、銅、アルミニウム、アルミニウム合金、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。また、成形型の内面形状にも特に限定がなく、目的とする成形体の形状に対応した形状を有するのであればよく、任意である。
【0031】
液状成形材料を成形型内で成形させる際には、その成形型の内面に、離型性を向上させるために、離型剤を予め成形型の内面に塗布、噴霧、浸漬等により、付着させておくことが好ましい。離型剤としては、ジメチルシリコーンオイル、鉱物油、パラフィンワックス等が挙げられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。
【0032】
かくして、成形した後、脱型することにより、所定形状を有する成形体が得られる。得られた成形体は、複雑な形状を有する場合であっても、エア欠け等の有害な欠陥等の発生が抑制されているので、表面性に優れたものである。
【0033】
中でも、成形体がポリウレタンフォームの成形体である場合には、前記効果がより一層優れる。特に、底面や側面に複雑な形状を有する靴底用ポリウレタンフォームにおいては、前記効果がより顕著に発現される。
【0034】
一般に、靴底は、サンダル、紳士靴等に使用されるアウトソールと、スポーツシューズ等に使用されるミッドソールに分類される。本発明による効果は、特に低密度領域で用いられるミッドソールにおいて顕著に発現される。
【0035】
ポリウレタンフォーム成形体の密度は、エア欠けを低減させる観点から0.15g/cm3 以上、0.30g/cm3 未満が好ましく、0.20g/cm3 以上、0.30g/cm3 未満が特に好ましい。
【0036】
【実施例】
製造例1〔ポリエーテル系ポリウレタンフォーム用液状成形材料の調製〕
ポリプロピレングリコール、鎖延長剤、水及び整泡剤からなるポリオール溶液〔花王(株)製、商品名:エディフォームAS−2045〕50重量部と、ポリプロピレングリコール及び4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートを主成分としたイソシアネートプレポリマー〔花王(株)製、商品名:エディフォームB−6009N〕50重量部とを、ミキサー〔特殊機化工業(株)製、型番:DH−2.5〕で予備攪拌し、デシケータ内で真空脱気した。
【0037】
次に、得られた混合液を用い、以下の接触角の測定法に従って接触角を測定した。その結果、接触角は43°であった。
【0038】
なお、この混合液は、緩慢ではあるが増粘するため、接触角の測定は、ポリオール溶液とイソシアネートプレポリマーとを予備攪拌した後、接触角を測定するまでの時間を4分間とした。
【0039】
製造例2〔ポリエステル系ポリウレタンフォーム用液状成形材料の調製〕
ポリエステルポリオール、鎖延長剤、水及び整泡剤からなるポリオール溶液〔花王(株)製、商品名:エディフォームAS−1210U〕50重量部と、ポリエステルポリオール及び4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートを主成分としたイソシアネートプレポリマー〔花王(株)製、商品名:エディフォームB−2009〕50重量部とを、ミキサー〔特殊機化工業(株)製、型番:DH−2.5〕で予備攪拌し、デシケータ内で真空脱気した。
【0040】
次に、得られた混合液を用い、以下の接触角の測定法に従って接触角を測定した。その結果、接触角は46°であった。
【0041】
なお、この混合液は、緩慢ではあるが増粘するため、接触角の測定は、ポリオール溶液とイソシアネートプレポリマーとを予備攪拌した後、接触角を測定するまでの時間を4分間とした。
【0042】
〔接触角の測定法〕
▲1▼ 測定雰囲気を無風状態で25℃、相対湿度55%にしておく。
▲2▼ 成形型と同一の材質からなる平滑板として、アルミニウム板〔平均粗さRa:0.2−0.4μm)を水平に設置する。その後、その表面にシリコーン離型剤〔花王(株)製、商品名:プラパワー2060〕を噴霧し、ウエスで十分に拭き取る。
▲3▼ 所定の表面処理剤を10g/m2 の量で均一に噴霧する(尚、25℃で固体のものは融点以上に加熱して溶解させておいたものを噴霧する)。
▲4▼ 予め真空脱気させておいた液状成形材料をシリンジ〔(株)テルモ製、型番:SS−02S)で採取し、該液状成形材料の液滴の重さが0.10±0.02gとなるようにして、液滴を平滑板の表面より10cmの高さから該平滑板に滴下する。
▲5▼ 液滴が平滑板の表面に接触した時を0秒とし、CCDカメラとしてマイクロスコープ〔キーエンス社製、品番:VH−6200〕で液滴の経時変化を真横から観察し、60秒間経過後の液滴と平滑板との接触角を測定する。
【0043】
参考例1〜4及び比較例1〜4〔ポリエーテル系ポリウレタンフォーム成形体の製造〕
試験用成形型〔滑り止めのための高さ約5mm、幅約5mm、長さ約5mmであり、縦断面が三角系状の滑り止め用突起がつまさき部分に127個配置されたソールパターンを形成させるための内面形状を有する成形用金型、材質:アルミニウム〕の温度を50±2℃に温度調節し、その内面に離型剤〔花王(株)製、商品名:プラパワー2060〕を噴霧し、ウエスで拭き取った。
【0044】
表面処理剤として、表1に示すものを用い、これを成形型の内面にスプレーガンで付着量が10g/m2 となるように噴霧した。なお、その表面処理剤を使用したときの液状成形材料の接触角を前記接触角の測定方法に準じて測定した。その結果を表1に示す。
【0045】
次に、イソシアネートプレポリマー〔花王(株)製、商品名:エディフォームB−6009N〕をポアリング型の低圧発泡機の一方のタンクに入れ、その液温を40℃に調整し、ポリオール配合液〔花王(株)製、商品名:エディフォームAS−2045〕100重量部及び触媒〔花王(株)製、商品名:エディフォームAS−651−60C〕2重量部を混合した混合液を他方のタンクに入れ、その液温を40℃に調整した。
【0046】
この低圧発泡機を用いてイソシアネートプレポリマーと混合液とをイソシアネートインデックスが98となるように混合攪拌し、前記成形型内に注入し、発泡させ、注入から5分間経過後に脱型し、ポリウレタンフォーム成形体を得た。得られた成形体は、いずれも、密度約0.65g/cm3 、硬度(Asker C)80±2を有していた。
【0047】
次に、得られたポリウレタンフォーム成形体の形状の転写率を以下の方法に従って調べた。その結果を表1に示す。
【0048】
〔形状の転写率〕
成形型の内面形状に忠実に対応した形状を有する成形体が得られているかどうかを判断するために、以下の方法に従って形状の転写率を求めた。
【0049】
成形体の滑り止め用突起の先端部分が50%以上欠けている場合を−3点、その個数をp個とし、30%以上50%未満欠けている場合を−2点、その個数をq個とし、30%未満欠けている場合を−1点、その個数をr個とし、欠けがまったく存在していない場合を0点、その個数をs個とし〔p+q+r+s=127 〕、式:
〔形状の転写率〕=〔381 +(−3)×p +(−2)×q+(−1)×r+0×s〕÷3.81
に基づいて求めた。
【0050】
参考例5〜8及び比較例5〜8〔ポリエステル系ポリウレタンフォーム成形体の製造〕
参考例1〜4で使用したイソシアネートプレポリマー、ポリオール混合液及び触媒の代わりに、イソシアネートプレポリマー〔花王(株)製、商品名:エディフォームB−2009〕、ポリオール配合液〔花王(株)製、商品名:エディフォームAS−1210〕100重量部及び触媒〔花王(株)製、商品名:エディフォームAS−651−60C〕1.5重量部を用いたほかは、参考例1〜4と同様にしてポリウレタンフォーム成形体を製造した。得られた成形体は、いずれも、密度約0.60g/cm3 、硬度(Asker C)80±2を有していた。
【0051】
得られたポリウレタンフォーム成形体の形状の転写率を前記と同様の方法で調べた。その結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
表1に示された結果から、各参考例で得られたポリウレタンフォーム成形体は、いずれも、接触角30°以下を有する接触角低減物質が用いられていることにより、形状の転写率が非常に高いことがわかる。
【0054】
参考例9〜20及び比較例9〜12〔ポリエーテル系ポリウレタンフォーム成形体の製造〕
参考例1〜4において、試験用成形型に離型剤の噴霧を行なわずに、表面処理剤として、表2に示す組成のものを25℃で混合して得られたものを用いたほかは、参考例1〜4と同様にしてポリウレタンフォーム成形体を得た。得られた成形体は、いずれも、密度約0.65g/cm3 、硬度(Asker C)80±2を有していた。
【0055】
次に、ポリウレタンフォーム成形体の製造時の離型性を以下の方法に従って調べ、又、形状の転写率を上記と同様の方法で調べた。その結果を表2に示す。
【0056】
〔製造時の離型性〕
得られた成形体を成形型から脱型する際の状況を以下の判断基準に基づいて判断した。
【0057】
〔判断基準〕
◎:成形体が成形型内に全く張りついていない
○:やや、成形体が成形型内に張りついているが、問題はない
×:成形体が成形型内に張りついており、正常な脱型ができない
【0058】
参考例21〜22〔ポリエステル系ポリウレタンフォーム成形体の製造〕
試験用成形型に離型剤の噴霧を行なわずに、表面処理剤として、表2に示す組成のものを25℃で混合して得られたものを用いたほかは、参考例5〜8と同様にしてポリウレタンフォーム成形体を得た。得られた成形体は、いずれも、密度約0.65g/cm3 、硬度(Asker C)80±2を有していた。
【0059】
次に、ポリウレタンフォーム成形体の製造時の離型性及び形状の転写率を上記と同様の方法に従って調べた。その結果を表2に示す。
【0060】
なお、表2中、離型剤Aは鉱物油〔日本油脂(株)製、商品名:スーパーオイルB〕、離型剤Bはジメチルシリコーンオイル〔東芝シリコーン(株)製、商品名:TSF−451−50〕、離型剤Cはジメチルシリコーンオイル〔東芝シリコーン(株)製、商品名:TSF−451−300 〕、離型剤Dはシリコーン化合物のブレンド物〔花王(株)製、商品名:プラパワー20conc 60 〕を示す。
【0061】
【表2】
【0062】
表2に示された結果から、各参考例で得られたポリウレタンフォーム成形体は、いずれも、接触角30°以下を有する接触角低減物質が用いられていることにより、形状の転写率が非常に高く、また成形後の離型性に優れていることがわかる。
【0063】
実施例1〜4及び比較例13〜15
成形型(材質:アルミニウム、形状:側面意匠として縦及び横20mm、高さ2mmの突起部を20個有する、縦255mm、横90mm、高さ30mm、厚さ5mmの成形体に対応した形状)の温度を70±2℃に調節し、その内面に離型剤〔花王(株)製、商品名:プラパワー2060〕を噴霧し、ウエスで拭き取った。
【0064】
次に、イソシアネートプレポリマー〔花王(株)製、商品名:エディフォームB−3021〕に表3に示す接触角低減物質を添加してポアリング型の低圧発泡機の一方のタンクに入れ、その液温を35℃に調整し、ポリオール配合液(花王(株)製、商品名:エディフォームAS−6−52U〕100重量部、触媒〔花王(株)製、商品名:エディフォームAS−651−60C〕1.3重量部、架橋剤〔花王(株)製、商品名:エディフォームAS−60E)2重量部及び整泡剤〔花王(株)製、商品名:エディフォームAS−11S)0.5重量部を混合した混合液を他方のタンクに入れ、その液温を40℃に調整した。
【0065】
この低圧発泡機を用いてイソシアネートプレポリマーと混合液とをイソシアネートインデックスが100となるように混合攪拌し、前記成形型内に注入し、発泡させ、注入から5分間経過後に脱型してポリウレタンフォーム成形体を得た。得られた成形体は、いずれも密度約0.28g/cm3 、硬度(Asker C)60±2を有していた。
【0066】
次に、得られたポリウレタンフォーム成形体の形状転写率を以下の方法に従って調べた。その結果を表3に示す。
【0067】
成形体の側面意匠の成形時の突起部分の上辺が2mm以上欠けている場合、その長さを測定し、すべてのエア欠けの長さの総和(T)を求め、式:
〔形状の転写率〕=(400−T)÷400×100
に基づいて求め、以下の判定基準に基づいて判断した。
【0068】
〔判断基準〕
○:転写率95以上(外観が非常に良好)
△:転写率92.5以上95未満(外観が良好)
×:転写率92.5未満(外観が不良)
【0069】
【表3】
【0070】
表3に示された結果から、実施例1〜4で得られたポリウレタンフォーム成形体は、いずれも接触角低減物質が添加されていることにより、形状の転写率が高いことがわかる。
【0071】
【発明の効果】
本発明の製造法によれば、成形体の表面にエア欠け等の成形体の表面性を低下させる欠陥を発生させずに、成形型の内面形状に忠実に対応した形状を有する成形体を製造しうるという効果が奏される。
Claims (2)
- (A)(1) 測定雰囲気を無風状態で25℃、相対湿度55%にし、(2) 成形型と同一の材質からなる平滑板として、アルミニウム板〔平均粗さRa:0.2−0.4μm)を水平に設置した後、その表面にシリコーン離型剤を噴霧し、ウエスで十分に拭き取り、(3) 所定の表面処理剤を10g/m2 の量で均一に噴霧し(尚、25℃で固体のものは、予め融点以上に加熱して溶解させておいたものを噴霧する)、(4) 予め真空脱気させておいた液状成形材料をシリンジで採取し、該液状成形材料の液滴の重さが0.10±0.02gとなるようにして、液滴を平滑板の表面より10cmの高さから該平滑板に滴下し、(5) 液滴が平滑板の表面に接触した時を0秒とし、CCDカメラとしてマイクロスコープで液滴の経時変化を真横から観察し、60秒間経過後の液滴と平滑板との接触角を測定するという手順に従って求めた際に、液状成形材料と平滑板との接触角を30°以下にさせる接触角低減物質であって、沸点が常圧で50℃以上でかつ0.133kPaの圧力下で300℃以下であるエステルからなる接触角低減物質を含有する表面処理剤をイソシアネートプレポリマーに添加し、
(B)該イソシアネートプレポリマーと、ポリオール成分とを混合し、
(C)得られた液状成形材料を成形型内に注入し、該液状成形材料を硬化させて成形するポリウレタンフォーム成形体の製造法。 - 接触角低減物質が、脂肪酸と1価アルコールとのエステルである請求項1記載の製造法。
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