JP3595073B2 - 計算機システムおよびそのシステムで使用されるファイル管理方法 - Google Patents

計算機システムおよびそのシステムで使用されるファイル管理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、計算機システムおよびそのシステムで使用されるファイル管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、計算機システムにて永続的に所有するデータは、ファイルという論理的な単位でディスクのような不揮発性記憶媒体に格納される。物理的な不揮発性記憶媒体の各々の記憶部位にファイルという論理的なデータ単位を割り当てるソフトウェアをファイルシステムと呼ぶ。
【0003】
ファイルシステムは物理的な記憶媒体を活用してデータを格納しているため、記憶容量には限界がある。新たにファイルを作成したいが空き領域がなくなったときには、従来では、ユーザ自身が消去すべきファイルを明示的に指定してファイル消去のプログラムを実行することにより空き領域を作る必要があった。プログラムはオペレーティングシステムに対しファイルを指定して消去要求を出し、オペレーティングシステムはこれを受理すると、ファイルシステムに記憶されている該当ファイルを無効化し、空き領域を作っていた。つまり、ファイルシステムに格納するファイルのサイズが増え、空き領域がなくなったり少なくなったりした場合には、ユーザが消去すべきファイルを選び、プログラムを起動することにより明示的にオペレーティングシステムに対して消去要求を行いファイルを消すことにより空き領域を作らなければならなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来では、記憶媒体に十分な空き領域がないときに、ユーザ自身が明示的に消去要求を発生してファイルの消去を行わなければならなかった。
【0005】
このため、ユーザが消去すべきファイルを選択するという操作を行ったり、消去するためのプログラムの使用法を覚えなければならず、計算機の使い勝手を悪くする一因となっていた。
【0006】
また、ネットワークなどを介して外部からデータが転送されてくる場合には、空き領域がなくなったことに使用者が気がつかないと転送データをファイルシステムに格納することができず、結果としてデータの受信を失敗する原因となっていた。
【0007】
この発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、ユーザが明示的に消去要求などを発生しなくともファイルを格納する記憶媒体に自動的に必要な空き領域を確保できるようにし、限られた物理的な記憶媒体の記憶容量を効率良く利用することができる計算機システムおよびファイル管理方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、複数のファイルを保存することが可能な記録媒体に対するファイル入出力を管理する計算機システムにおいて、前記記録媒体に格納されているファイルの中で相互に変換可能な内容を持つ非圧縮のファイルとその圧縮ファイルとの関係を示すファイル内容対応情報を作成する手段と、前記記録媒体の空き領域に基づいて、前記記録媒体のファイルを消去する必要性があるか否かを判別する手段と、この判別手段によってファイル消去の必要性があることが判定されたとき、前記ファイル内容対応情報を参照して、前記記録媒体に格納されているファイルの中から他のファイルの内容から復元可能なファイルを優先的に消去対象ファイルとして選択する消去ファイル選択手段と、この消去ファイル選択手段によって選択されたファイルを消去するための手続きを行うファイル消去手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
この計算機システムにおいては、記録媒体の空き領域の大きさに応じてファイルの自動消去を行うか否かが判断される。この場合、例えば、記録媒体の空き領域が所定値以下になった時や、書き込み対象のファイルサイズよりも記録媒体の空き領域が少ない時などには、ファイル自動消去による空き領域確保処理の実行が必要であると判断される。ファイル自動消去による空き領域確保処理が必要であると判断されると、記録媒体に格納されているファイルの中で相互に変換可能な内容を持つ非圧縮のファイルと圧縮ファイルとの関係を示すファイル内容対応情報を用いて、記録媒体に格納されているファイルの中から他のファイルの内容から復元可能なファイルが優先的に消去対象ファイルとして選択され、その消去対象のファイルが自動的に削除される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施形態について説明する。
【0023】
図1には、この発明の第1実施形態に係る計算機システムで使用されるファイルシステムの構成が示されている。このファイルシステム2は、記録媒体の空き容量を自動的に確保するための機能として、ファイル自動消去およびファイル自動圧縮の何れか一方を実現するための機能を有している。このファイルシステム2は、オペレーティングシステムの一部として実現されている。このファイルシステム2が適用される計算機システムは、CPU、メモリ、補助記憶装置、および各種I/O装置などのハードウェア資源を持つ通常のコンピュータから構成されるものであるが、ファイルシステム2のファイル自動消去/圧縮機能は、例えば携帯型端末など、ファイル記憶のための補助記憶装置の容量が比較的少ない電子情報機器に好適であるので、以下では、計算機システムがPDAやサブノートパソコンなどの携帯型の電子情報機器である場合を例示して説明する。
【0024】
図1に示されているように、この実施形態1の電子情報機器は、その機器のCPUによって実行されるアプリケーションプログラムなどのユーザプログラム1と、そのプログラム1からファイル操作に関する要求を受けてファイルの入出力を管理するファイルシステム2と、ファイルを記憶するための補助記憶装置として使用されるハードディスクやフラッシュメモリカードなどの不揮発性の記憶媒体3とから構成される。
【0025】
ファイルに関する操作はユーザプログラム1からだけでなく、ユーザからのキー入力操作に応じて発行されるOSレベルのコマンドによって要求される場合もあるが、どちらの場合でもファイルシステム2から見ると他のプログラムから要求される事になる。したがって、ここでは、ユーザからの要求についてもプログラム1からの要求として扱うことにする。
【0026】
ファイルシステム2は、ファイル消去またはファイル圧縮による自動空き領域確保機能の実現のために、図示のように、要求受理部21、消去/圧縮条件判別部22、消去/圧縮ファイル選択部23、ファイル消去部24、およびファイル入出力部25を備えている。
【0027】
要求受理部21は、ユーザプログラム1からファイル読み出しや書き込みなどの通常のファイル操作要求を受け付ける。消去/圧縮条件判別部22は、記録媒体3の空き領域に基づいて、記録媒体3のファイルを消去または圧縮して空き領域を確保する必要性があるか否か、つまりファイル消去または圧縮によって空き領域確保処理を行う条件(消去/圧縮条件)が満たしているかどうかを判別するためのものであり、要求受理部21にファイル書き込みなどのファイル操作要求が発行される度、あるいはある一定の時間間隔で定期的に起動されて、消去/圧縮条件を満たすか否かの判別処理を行う。
【0028】
消去/圧縮ファイル選択部23は、消去/圧縮条件を満たすと判断された時に起動され、記憶媒体3に格納されているファイル(データファイル、プログラムファイルを含む)の中から、それらファイルそれぞれの優先度などに従って消去または圧縮処理の対象となるファイルを選択する。ここで、優先度とは、そのファイルに対して消去または圧縮の処理を施したときにユーザにどの程度の影響を及ぼすかを示す指標であり、及ぼす影響が大きいファイル程、優先度が高いファイルである。
【0029】
ファイル消去/圧縮部24は、選択されたファイルに対して消去または圧縮の何れか一方の処理を施すものであり、自動消去機能を有する場合には、選択された消去対象ファイルを記憶媒体3から消去する処理を行い、自動圧縮機能を有する場合には、選択された圧縮対象ファイルを圧縮する処理を行う。ここで、ファイルの消去とはファイル削除と同義であり、オペレーティングシステムによっては用語「ファイル消去」の代わりに「ファイル削除」を使用することもある。
【0030】
ファイル消去を行う場合には、消去対象ファイルの実体を記録媒体3から消去(削除)してもよいが、通常のファイルシステムにおけるファイル消去と同様に、そのファイルに関するディレクトリエントリなどの管理データだけを無効化して、ファイルの実体をそのまま残したり、いわゆる「ゴミ箱」と称される専用の記憶領域に移動させるなどの手法を用いてもよい。もちろん、バックアップ用の外部記憶装置を携帯型端末に接続して使用できる場合には、その消去対象ファイルを記録媒体3から消去して外部記憶装置にバックアップファイルとして移してもよい。
【0031】
このファイルシステム2で管理されるファイル構造を図2に示す。
【0032】
この実施形態では、ファイルを木構造で管理するものとする。すなわち、あるノードの下に複数の子ノードを持ち、各ノードから見た親ノードは一意に定まる。子ノードを持たないノードがファイルでありデータを所有する。子ノードを持つノードはディレクトリと呼ばれる。木構造の最も上位のディレクトリはルートと呼ばれ、親ノードは自分自身である。
【0033】
図2においては、“news”ディレクトリの子ノードとしてファイル名「616.1」〜「616.4」の4個のファイルが存在し、“schedule”ディレクトリの子ノードとしてファイル名「95.1」〜「95.3」の3個のファイルが存在している様子が示されている。
【0034】
図3には、図2に対応する実際のファイル管理構造の一例が示されている。
【0035】
図3において、各ノードの第1フィールドは、ノードの種類を表す。Dはディレクトリ、Fはファイルである。第2フィールドは、ファイルまたはディレクトリの名前である。ディレクトリの場合、第3フィールド以降は子ノードへのポインタである。また、図中の斜線は終了を示し、通常はポインタとして使用されない値が登録される。例えばポインタとしてノードの番地を使用し、終了の記しとしてマイナス1を使えば良い。
【0036】
ファイルの場合、第3フィールドにそのファイルの重要度を示す値が格納される。この重要度の値は、前述したファイル優先度として用いられ、消去対象ファイルまたは圧縮対象ファイルを選択する時に参照される。図3では、重要度は1から10までの数値で表現され、数値が大きいほど重要度が大きい。この重要度の値は、そのファイルの作成/保存時にユーザによって指定されるものである。また、第4フィールドは実際のデータの大きさを示し、第5フィールドはデータへのポインタである。
【0037】
図4には、ファイルシステム2のファイル管理処理の手順を示すアルゴリズムが示されている。
【0038】
まず、ファイルシステム2の要求受理部1が、ユーザプログラム1からのファイル操作要求を受け付ける(ステップS11)。そのファイル操作要求がファイル書き込み要求でなければ(ステップS12)、そのファイル操作要求によって指定されたファイル操作(ファイル読み出し、ファイル消去、ディレクトリ参照など)が通常通り行われる(ステップS13)。
【0039】
一方、ユーザプログラム1からのファイル操作要求が書き込み要求であるならば(ステップS12)、消去/圧縮条件判別部22は記憶媒体3の空き容量に従って、所定の消去/圧縮条件が成立しているか否かを判断する(ステップS14)。この場合、書き込み要求されたファイルサイズと記憶媒体3の現在の空き容量とが比較され、空き領域のサイズが書き込み要求されたファイルサイズよりも小さい時に消去/圧縮条件が成立すると判別される。また、書き込み要求されたファイルサイズとは無関係に、記憶媒体3の現在の空き容量が規定値以下であれば消去/圧縮条件が成立すると判別してもよい。
【0040】
記憶媒体3の現在の空き容量の値はファイルシステム2内で保持されている。すなわち、ファイルシステム2は、そのファイルシステム2に割り当てられた記憶媒体3の全記憶容量の値をファイル書き込みを行う度にそのファイルサイズ分だけ減算して行き、その結果を記憶媒体3の現在の空き容量として保持している。
【0041】
十分な空き容量があって消去または圧縮の条件が成立しないならば(ステップS15)、要求されたファイルの書き込みが直ぐに実行される(ステップS16)。一方、十分な空き容量がなく消去/圧縮条件が成立したならば(ステップS15)、消去/圧縮ファイル選択部23によってファイル選択処理が実行される(ステップS17)。
【0042】
すなわち、消去/圧縮ファイル選択部23は、記憶媒体3に格納されているファイルの中で、それら各ファイルに与えられた優先度(図3の重要度)に従って、重要度の値が基準値以下のファイルを選択する。そして、その選択されたファイルは、ファイル消去/圧縮部24によって消去または圧縮される(ステップS18)。
【0043】
この後、消去/圧縮条件判別部22によって再び消去/圧縮の条件が成立しているかどうかの判別処理が行われ(ステップS14)、成立しなくなるまでステップS17、S18の処理が繰り返し実行される。そして、消去/圧縮の条件が成立しなくなった時点で、ステップS16のファイル書き込み処理が実行される。
【0044】
図5には、要求受理部21にファイル書き込み要求を行う場合のユーザプログラム1の例が示されている。
【0045】
まず、プログラム1にて新規ファイルの生成(ファイルクリエイト)が要求される。この場合、図5の(1)のようにファイル名(“/schedule/95.6”)が指定されて、新たなファイル生成のためのシステムコールがファイルシステム2に送られる。ファイル生成が成功すると、ファイルシステム2からプログラム1にファイル識別子(fd)が返される。つぎに、プログラム1によってファイルへの書き込み要求が行われる。(2)は、ファイル識別子により指定したファイルfdに対して、変数bufで特定されるプログラム中の位置から始まる256バイトを書き出す要求である。つまり、書き込み要求は、書き込み対象のファイルと書き込みバイト数を指定して行われる。要求受理部21はこの要求を受理し、書き込み対象のファイルと、書き込みバイト数を得る。
【0046】
次に、消去/圧縮条件判別部22があらかじめ定められた消去/圧縮条件が成立しているかどうかを判別する。この場合、前述したように、記憶媒体3の空き領域が書き込み要求されたファイルサイズを下回るとき、あるいは空き領域があらかじめ定められた大きさを下回っているときに消去/圧縮条件が成立したと判断される。
【0047】
図6には、消去/圧縮条件判別部22による後者の判別方式の具体例が示されている。
【0048】
この判別処理では、ファイルシステム2による記憶媒体3の使用率が一定値SU を越えている時に書き込み要求を受理した場合に別の一定値SL を下回るまでファイル消去または圧縮の空き容量確保処理が繰り返される。記憶媒体3の使用率はファイル書き込みを行えば増え、消去や部分的な削除、または圧縮を行えば減る。図6においては、時刻t1,t2にて、書き込み要求を受理した際にSU を越えているため、消去を行いSL まで減らした様子が示されている。
【0049】
図7に、図6の消去判別処理に対応するアルゴリズムを示す。
【0050】
消去/圧縮条件判別部22は、記憶媒体3の現在の使用率SR を計算し(ステップS21)、これがSU 以上であるか否かを調べる(ステップS22)。SR ≧SU であれば、消去/圧縮ファイル選択部23が実行されて、消去または圧縮すべきファイルが選択される(ステップS23)。次いで、その選択されたファイルがファイル消去/圧縮部24にて消去または圧縮された後、再び使用率SR が消去/圧縮条件判別部22によって計算される(ステップS24)。そして、SR ≧SL であるか否かが消去/圧縮条件判別部22によって調べられ、SR がSL を下回るまでステップS23,S24が繰り返えされる。一般にSL SU である。
【0051】
なお、消去/圧縮判別部22が消去/圧縮条件が成立していないと判別した場合には、書き込み要求は通常通りに処理される。すなわち、書き込み権限などをチェックの上、問題がなければ書き込みを行う。
【0052】
消去/圧縮判別部22が消去/圧縮条件が成立していると判別した場合、消去/圧縮ファイル選択部23が消去または圧縮すべきファイルを選択するが、この選択のためにはいくつものアルゴリズムが考えられる。
【0053】
例えばファイルシステムに存在するファイルのうち最も重要度の低いファイルから一つを選択する。重要度が最低のファイルが複数ある場合には、任意の一つを選んでも良いし、そのなかで最もファイルサイズの大きいファイルを選んでも良いし、ファイルサイズ最小のファイルを選んでも良い。あるいは書き込み要求されているファイルサイズを下回らない範囲内で、最小ファイルサイズのファイルを選んでも良い。
【0054】
特定のファイルについては消去または圧縮の対象にしたくない場合には、消去/圧縮ファイル選択部23はある値を越える重要度のファイルは消去または圧縮対象としないことにしておき、消去または圧縮対象にしたくないファイルには設定した値を越える重要度を与えればよい。例えば重要度9を越えるファイルは消去や圧縮の対象としないものとすれば、図3に示すファイルのうち、「95.1」、「95.2」、「95.3」は消去や圧縮の対象とされない。これにより、特定のファイルは消去または圧縮対象から除くことができる。なお、この値は固定的なものでなく、変更できることにしても良い。
【0055】
消去/圧縮条件判別部22により消去または圧縮が必要と判別された場合でも、消去/圧縮ファイル選択部23にて消去または圧縮対象ファイルが選択できないこともある。この場合には、例えば次のように対処することが好ましい。
【0056】
(1)消去/圧縮ファイル選択部23は、該当するファイルがないことをプログラム1に返したり使用者に通知し、ファイルの消去や圧縮はしない。
【0057】
(2)消去/圧縮ファイル選択部23が、あらかじめ設定した値を越える重要度のファイルは選択しないという方式をとっている場合に、ファイルが選択できないならば、その設定値を変更して低くする、あるいはあらかじめ設定した値を越える重要度のファイルの中から最も重要度の低いファイルを選ぶ。これらの場合には、ユーザにその旨を通知し、許諾を得てから行うことが好ましい。
【0058】
図8には、この発明の第2の実施形態に係る電子情報機器のシステム構成が示されている。
【0059】
ここでは、ファイルシステム2に消去/圧縮通知部26が追加されており、これによって消去または圧縮対象として選択されたファイルがユーザに通知されるように構成されている。
【0060】
すなわち、消去/圧縮ファイル選択部23にて選択されたファイルは消去/圧縮通知部26により消去/圧縮通知プログラム4に渡されて、ユーザに通知される。これにより、ユーザは、ファイルが自動消去または圧縮されること、及びどのファイルが消去または圧縮されたかを知ることができる。消去/圧縮通知部26による通知のタイミングは、ファイル消去/圧縮部24によるファイル消去または圧縮の前でも、後でも構わない。
【0061】
図9には、この発明の第3の実施形態に係る電子情報機器のシステム構成が示されている。
【0062】
ここでは、実施形態2の構成に加え、ファイルシステム2に諾否受理部27が設けられている。
【0063】
すなわち、消去/圧縮ファイル選択部23にて選択されたファイルは消去/圧縮通知部26により消去/圧縮通知プログラム4に渡され、使用者に通知される。使用者は消去/圧縮通知プログラム4に対して消去または圧縮を認めるか認めないかを入力する。この諾否は諾否受理部27により受理され、消去/圧縮ファイル選択部24に入力される。もし使用者がそのファイルの消去または圧縮による空き領域確保処理の実行を認めれば、このファイルは消去または圧縮される。認めなければ消去/圧縮ファイル選択部23は別のファイルを選択する。これにより、重要度の低いファイルといえども使用者の知らない間に消去や圧縮がなされることはなく、使用者の許可を受けた上で消去や圧縮が行われる。図10に図9に対応するフローチャートを示す。
【0064】
まず、ファイルシステム2の要求受理部1が、ユーザプログラム1からのファイル操作要求を受け付ける(ステップS31)。そのファイル操作要求がファイル書き込み要求でなければ(ステップS32)、そのファイル操作要求によって指定されたファイル操作(ファイル読み出し、ファイル消去、ディレクトリ参照など)が通常通り行われる(ステップS33)。
【0065】
一方、ユーザプログラム1からのファイル操作要求が書き込み要求であるならば(ステップS32)、消去/圧縮条件判別部22は記憶媒体3の空き容量に従って、所定の消去/圧縮条件が成立しているか否かを判断する(ステップS34)。この場合、前述したように、書き込み要求されたファイルサイズと記憶媒体3の現在の空き容量とが比較され、空き領域のサイズが書き込み要求されたファイルサイズよりも小さい時に消去/圧縮条件が成立すると判別される。また、書き込み要求されたファイルサイズとは無関係に、記憶媒体3の現在の空き容量が規定値以下であれば消去/圧縮条件が成立すると判別してもよい。空き領域としては、前述した使用率SR を利用することができる。
【0066】
十分な空き容量があって消去/圧縮条件が成立しないならば(ステップS35)、要求されたファイルの書き込みが直ぐに実行される(ステップS36)。一方、十分な空き容量がなく消去/圧縮条件が成立したならば(ステップS35)、消去/圧縮ファイル選択部23による消去または圧縮対象ファイルの選択処理が実行される(ステップS37)。すなわち、消去/圧縮ファイル選択部23は、記憶媒体3に格納されているファイルそれぞれについて順番に優先度(図3の重要度)を調べ、重要度の値が基準値以下のファイルを選択する。
【0067】
そして、その選択されたファイルは、消去/圧縮通知部26により消去/圧縮通知プログラム4に渡され、使用者に通知される(ステップS38,S39)。使用者は消去/圧縮通知プログラム4に対してそのファイルに消去または圧縮の処理を施すことを認めるか認めないかを入力する。この諾否は諾否受理部27により受理され(ステップS40)、消去/圧縮ファイル選択部24に入力される。もし使用者がファイル消去やファイル圧縮を認めれば(ステップS41)、このファイルはファイル消去/圧縮部42にて消去または圧縮される(ステップS42)。認めなければ、再び、ステップS37〜S41が行われ、消去/圧縮ファイル選択部23は別のファイルを選択する。
【0068】
図11には、各ファイルの優先度管理の他の例が示されている。
【0069】
すなわち、図3では各ファイルの中に重要度のフィールドを設け、その中にファイルの重要度を示す値を格納したが、ファイルの名前と重要度の対からなる表を図11のように作成し、それを別個のファイルなどとして格納してもよい。この表は、ファイルの生成、削除及び重要度の変更に伴って更新される。
【0070】
また、新規ファイルの作成/保存時にそのファイルにユーザが付与するファイル名そのものによって優先度を管理しても良い。また、ファイル拡張子を優先度として使用することも出来、この場合には、プログラムファイル、システムファイル、テキストファイル、圧縮ファイル、画像ファイルなどのファイルの種類や、そのファイルを扱うプログラムとの関係などに応じた優先度付けが可能となる。
【0071】
以上、ファイルシステム2がオペレーティングシステムにファイル管理部として組み込まれている場合を想定して実施形態1〜3を説明したが、ファイルシステム2のファイル自動消去/圧縮機能はオペレーティングシステムの外でユーザレベルで動くプログラムとして実現することもできる。図12にその場合の携帯型端末のシステム構成例を示す。
【0072】
すなわち、図12においては、実施形態1〜3で説明したファイルシステム2のファイル自動消去/圧縮機能がオペレーティングシステム外で動作するファイル管理プログラム6として実装されており、一般のユーザプログラム1と別個に動作し、直接一般のプログラム1からの要求を受理しない。オペレーティングシステム5から見ると、ファイル管理プログラム6は一般のプログラム1と同様のユーザプログラムに見える。
【0073】
図13に、ファイル管理プログラム6の機能構成を示す。
【0074】
図13における消去/圧縮条件判別部31、消去/圧縮ファイル選択部32、ファイル消去/圧縮部33は、それぞれ図1の消去/圧縮条件判別部22、消去/圧縮ファイル選択部23、ファイル消去/圧縮部24に相当するが、図13の入出力部34はオペレーティングシステム5とのインタフェースとして機能する。
【0075】
消去/圧縮条件判別部31により消去/圧縮条件が成立していると判別されると、消去/圧縮ファイル選択部32が実行されて、消去または圧縮すべきファイルが選択される。選択されたファイルを消去または圧縮すべく、ファイル消去/圧縮部33が消去要求と圧縮要求の何れかを発生する。これは入出力部34を介して、システムコールとしてオペレーティングシステム5に対して送られる。オペレーティングシステム5はこれを受理し、ファイルを消去あるいは圧縮する。消去/圧縮条件判別部31および消去/圧縮ファイル選択部32によって実行される具体的な処理内容は、図6、図7で説明した処理と同じである。
【0076】
以上説明したように、実施形態1〜3の電子情報機器で使用されるファイルシステム2(ファイル管理プログラム6を含む)によれば、それにファイル自動消去機能あるいはファイル自動圧縮機能の何れか一方を設けることにより、ユーザが明示的に消去要求や圧縮要求を発生しなくともファイルを格納する記憶媒体3に自動的に空き領域を生成できるようになり、物理的な記憶媒体3の限られた記憶容量を効率良く利用することが可能となる。よって、空き領域が少ない場合でも、ユーザが消去すべきファイルを選択したり、消去するためのプログラムの使用法を覚える必要がなく、使い勝手の良い計算機システムを実現できる。また、ネットワークや他の計算機からデータが転送されてくる場合に、ユーザが空き領域を作らなくても転送データを失わず保存することができる。
【0077】
なお、以上の説明では、ユーザプログラム1からファイル書き込み要求が発行されたときに消去/圧縮条件の成立の有無を判定したが、この判定処理はある時間間隔で定期的に行ってもよい。これは、ユーザプログラム1と独立している図13の構成に好適である。
【0078】
次に、図14乃至図21を参照して、この発明の第4の実施形態を説明する。
【0079】
前述したように実施形態1〜3ではファイルごとに固定的に決められた重要度の値を消去/圧縮ファイル選定のための優先度として使用したが、実施形態4では、各ファイルの入出力に関する履歴、すなわちユーザによるファイルの使用状況を、消去/圧縮ファイル選定のための優先度として使用する構成である。このような優先度を使用するのは、以下の理由によるものである。
【0080】
すなわち、通常、計算機システムでは、頻繁に参照されるファイルとあまり頻繁に参照されないファイルとが存在する。頻繁に参照されるファイルを消してしまうと、ユーザが再びそのファイルを参照しようとしてもファイルが見つからない、という問題が生じる可能性が高い。同様に、頻繁に参照されるファイルを圧縮してしまうと、そのファイルの読み出しの度に伸張処理が必要とされ、ファイル読み出しに要する時間が長くなるという問題が発生する。
【0081】
また、これとは逆に、ネットワークなどからダウンロードしたニュースなどの文書ファイルについては一旦読み出されたことがあるものはユーザにとって重要度が低いファイルであると想定する事ができるので、ユーザがすでに一度参照したファイルは消してもよいが、まだ参照していないファイルは消してはならない、という用途もある。
【0082】
したがって、実施形態4では、このような状況に対応するために、ファイルの読み出しに関する履歴情報が優先度として使用される。以下、実施形態4の機能構成を説明する。
【0083】
この実施形態4の電子情報機器は、前述した実施形態1〜3のシステム構成と同様に、アプリケーションプログラムなどのユーザプログラム10と、そのプログラム10からファイル操作に関する要求を受けてファイルの入出力を管理するファイルシステム20と、ファイルを記憶するための補助記憶装置として使用されるハードディスクやフラッシュメモリカードなどの不揮発性の記憶媒体30とから構成される。
【0084】
ファイルシステム20は、ファイル入出力部201、ファイル読み出し部202、ファイル読み出し履歴作成部203、消去/圧縮ファイル選択部204、およびファイル消去/圧縮部205から構成されている。
【0085】
ファイルの読み出し時には、ファイル読み出し部202はファイル入出力部201を介して記憶媒体30のファイル記憶部31からファイルを読み出すほか、ファイル読み出し履歴作成部203に該当ファイルのファイル名とそのファイルの読み出しがあった旨を通知する。ファイル読み出し履歴作成部203は、ファイル読み出し部202からの通知に従って、ファイル読み出しの有無、読み出し回数、最終読み出し日時などをファイル毎に示すファイル読み出し履歴情報を作成する。このファイル読み出し履歴情報は、ファイル入出力部201を介して記憶媒体30のファイル読み出し履歴記憶部32に格納される。
【0086】
消去/圧縮ファイル選択部204は、ファイル入出力部201を介してファイル読み出し履歴記憶部32のファイル読み出し履歴情報を参照し、ファイル記憶部31に格納されているファイルの中からユーザにとって重要でないと想定されるファイルを消去または圧縮対象ファイルとして選択し、そのファイル名をファイル消去/圧縮部205に通知する。この消去/圧縮ファイル選択部204の消去/圧縮ファイル選択処理は、実施形態1〜3と同様に、プログラム10からファイル書き込みなどのファイル操作要求が発行された時、あるいは定期的に行われる。
【0087】
ファイル消去/圧縮部205は、選択されたファイルを消去または圧縮する。この場合、ファイルの消去や圧縮は、実施形態1〜3と同様の方式で行われる。
【0088】
次に、図15〜図17を参照して、ファイル読み出し履歴情報を具体的に説明する。
【0089】
図15の例では、ファイル読み出し履歴情報はディレクトリ内にファイル管理情報の1つとして保持されている。ファイル読み出し履歴情報は、“0”または“1”のフラグによって表され、フラグ“0”は読み出されたことがないファイルであることを示し、フラグ“1”は読み出されたことがあるファイルであることを示す。
【0090】
図16の例では、ファイル読み出し履歴情報として、ファイル読み出しの有無を示すフラグではなく、ファイル読み出し回数を示す値が利用されており、それが図15と同様に各対応するファイルのディレクトリエントリに保持されている。
【0091】
これら図15または図16のファイル読み出し履歴情報は、図17に示されているように、ディレクトリとは別個に、読み出し履歴ファイルとして保存することもできる。ファイルの最終読み出し日時についても、ファイル読み出しの有無や読み出し回数と同様にして管理することができる。また、オペレーティングシステムによってはそれ自体にファイル毎の最終読み出し日時を管理する機能を持つものがあるので、それを利用してもよい。
【0092】
次に、図18を参照して、ファイル読み出し履歴を利用したファイル自動消去/圧縮動作を説明する。ここでは、参照頻度の低いファイルを優先して削除あるいは圧縮する場合を想定する。
【0093】
まず、実施形態1〜3と同じ手法で記憶媒体30のファイル記憶部31に十分な空き領域があるか否か、すなわち消去/圧縮条件が成立しているか否かが調べられる(ステップS51)。消去/圧縮条件が成立したならば、消去/圧縮ファイル選択部204の処理が開始される。すなわち、まず、消去/圧縮ファイル選択部204は、ファイル読み出し履歴記憶部32から1つのファイルに関する読み出し履歴情報を読み出し(ステップS53)、そのファイルが読み出されたことがない、あるいは読み出し回数が所定値以下のファイルであるか否かを調べる(ステップS54)。読み出されたことがない、あるいは読み出し回数が所定値以下のファイルであれば、消去/圧縮ファイル選択部204は、そのファイル名をファイル消去/圧縮部205に伝えて消去または圧縮させる(ステップS55)。
【0094】
この後、再度、消去/圧縮条件が成立するか否かが調べられ(ステップS51)、消去/圧縮条件が成立しなくなるか、あるいは全てのファイルについての読み出し履歴情報の読み出しが終了するまで、ステップS53〜S55が繰り返される。
【0095】
このように、読み出し履歴を用いて消去や圧縮を行うファイルを決定することによって、頻繁に読み出され、これからも読み出されることが予想されるファイルをなるべく消去あるいは圧縮しないようにすることができる。よって、ファイル消去/圧縮によってユーザに与える影響を大幅に低減する事ができる。
【0096】
図19には、ファイル読み出し履歴情報の他の例が示されている。
【0097】
ここでは、ファイル読み出し履歴情報として各ファイルの最終読み出し日時情報が用いられている。この場合、ファイルの読み出し時には、ファイル読み出し部202はファイル記憶部31からファイルを読み出すほか、ファイル読み出し履歴作成部203に該当ファイルのファイル名を通知する。ファイル読み出し履歴作成部203は、通知されたファイル名と現在の日時とを対応させてファイル読み出し履歴記憶部32に記憶する。
【0098】
次に、図20を参照して、ファイル読み出し履歴を利用したファイル自動消去/圧縮動作を説明する。ここでは、基本的には、最終読み出し日時が古いファイル程優先して削除または圧縮される。
【0099】
まず、実施形態1〜3と同じ手法で記憶媒体30のファイル記憶部31に十分な空き領域があるか否か、すなわち消去/圧縮条件が成立しているか否かが調べられる(ステップS61)。消去/圧縮条件が成立したならば、消去/圧縮ファイル選択部204の処理が開始される。すなわち、まず、消去/圧縮ファイル選択部204は、ファイル読み出し履歴記憶部32から1つのファイルに関する読み出し履歴情報を読み出し(ステップS63)、最終読み出し日時が予め決められた所定の日時よりも古いファイルであるか否かを調べる(ステップS64)。最終読み出し日時が所定の日時よりも古いファイルであれば、消去/圧縮ファイル選択部204は、そのファイル名をファイル消去/圧縮部205に伝えて消去あるいは圧縮させる(ステップS65)。
【0100】
この後、再度、消去/圧縮条件が成立するか否かが調べられ(ステップS61)、消去/圧縮条件が成立しなくなるか、あるいは全てのファイルについての読み出し履歴情報の読み出しが終了するまで、ステップS63〜S65が繰り返される。
【0101】
このように、最終の読み出し日時を記録することによって、より最近に参照されたファイルをなるべく消去あるいは圧縮しなくすることができるため、効率的な空き領域確保が行える。また、最終の読み出し日時を前述した読み出し回数と組み合わせて使用すれば、読み出し回数か少なくても最終の読み出し日時が新しいものについては消去/圧縮対象から除外することかできるようになり、さらに効率的な空き領域確保が可能になる。
【0102】
次に、図21を参照して、図15の読み出し履歴情報(読み出しの有無)を利用したファイル自動消去/圧縮動作の別の例を説明する。ここでは、読み出されたことがあるファイルを優先的に消去あるいは圧縮するようにしたものである。
【0103】
まず、実施形態1〜3と同じ手法で記憶媒体30のファイル記憶部31に十分な空き領域があるか否か、すなわち消去/圧縮条件が成立しているか否かが調べられる(ステップS71)。消去/圧縮条件が成立したならば、消去/圧縮ファイル選択部204の処理が開始される。すなわち、まず、消去/圧縮ファイル選択部204は、ファイル読み出し履歴記憶部32から1つのファイルに関する読み出し履歴情報を読み出し(ステップS73)、そのファイルが読み出されたことがあるファイルであるか否かを調べる(ステップS74)。読み出されたことがあるファイルであれば、消去/圧縮ファイル選択部204は、そのファイル名をファイル消去/圧縮部205に伝えて消去あるいは圧縮させる(ステップS75)。
【0104】
この後、再度、消去/圧縮条件が成立するか否かが調べられ(ステップS71)、消去/圧縮条件が成立しなくなるか、あるいは全てのファイルについての読み出し履歴情報の読み出しが終了するまで、ステップS73〜S75が繰り返される。
【0105】
このように、ユーザがすでに一度参照したことがあるファイルを優先的に消去または圧縮するというアルゴリズムは、電話回線やネットワーク、あるいは電波などの媒体を通じてニュースや天気予報などの文書ファイルを携帯型端末などの電子情報機器にダウンロードし、ユーザがそれらダウンロードしたファイルを必要に応じて参照するという用途において特に有効であり、記憶容量の少ない電子情報機器の記憶媒体を効率良く利用することが可能となる。
【0106】
図22には、この発明の第5の実施形態に係る電子情報機器のシステム構成が示されている。
【0107】
このシステムは、概略的には実施形態4のファイルシステム20に対して、ファイル書き込み時にファイル読み出し履歴記憶部32の対応する情報を消去する機能を追加したものである。すなわち、この実施形態5で使用されるファイルシステム20は、ファイル読み出し履歴情報を参照して消去または圧縮の対象となるファイルを選択するという点は実施形態4と同じであるが、そのファイル読み出し履歴情報の信頼性を高めるために、ファイル書き込み部206が追加されている。このファイル書き込み部206を利用したファイル読み出し履歴情報の消去動作を図23に示す。
【0108】
図23のフローチャートに示されているように、ファイル書き込み時においては、ファイル書き込み部206は、まず、ファイル記憶部31へファイルを書き込みと共に、ファイル読み出し履歴作成部203に該当ファイルのファイル名を通知する(ステップS81,S82)。ファイル読み出し履歴作成部203は、そのファイル名で指定されるファイルのファイル読み出し履歴情報を消去、あるいは初期値にリセットする(ステップS83)。
【0109】
例えば、図24に示されているように、読み出しの有無を示すファイル読み出し履歴情報を使用している場合においては、ファイル名f3のファイルについての書き込みが行われたとき、そのファイル名f3のファイルに対応する読み出し履歴情報が“0”にリセットされ、これによってそのファイルは読み出されたことがないファイルとして扱われる。
【0110】
このようにファイル書き込みに応じて該当するファイル読み出し履歴情報を初期化する事により、ユーザがすでに一度参照したデータは消してもよいが、まだ参照していないデータは消してはならない、という用途において、更新後のデータをユーザが読み出したかどうかまでを考慮して消去対象のファイルを選択できるようになる。
【0111】
図25には、この発明の第6の実施形態に係る電子情報機器のシステム構成が示されている。
【0112】
このシステムで使用されるファイルシステム20は、ファイル自動消去またはファイル自動圧縮による空き領域確保機能の実現のために、図示のように、ファイル入出力部301、ファイル書き込み部302、ファイルサイズ情報作成部303、消去/圧縮ファイル選択部304、およびファイル消去/圧縮部305を備えている。
【0113】
ファイルの書き込み時には、ファイル書き込み部302は、ファイル入出力部301を通じてファイル記憶部31にファイルを書き込むほか、該当ファイルのファイル名およびファイルサイズをファイルサイズ情報作成部303に通知する。ファイルサイズ情報作成部303は、ファイル名とファイルサイズとの対応を示す表を生成し、それをファイル入出力部301を通じてファイルサイズ情報記憶部33に記憶する。このファイルサイズ情報は、各ファイルのディレクトリエントリの一部に格納する事もできる。ファイル消去または圧縮の際には、消去/圧縮ファイル選択部304が、ファイルサイズ情報記憶部33を参照して、各ファイルのサイズを得る。そして、サイズがある決められた値を超えるファイルを選択し、それらのファイルのファイル名をファイル消去/圧縮部305に伝える。ファイル消去/圧縮部305は消去/圧縮ファイル選択部304から得たファイル名のファイルをファイル記憶部31から消去する。
【0114】
次に、図26を参照して、ファイルサイズ情報を利用したファイル自動消去/圧縮動作を説明する。ここでは、サイズの大きなファイルが優先的に消去または圧縮される。
【0115】
まず、実施形態1〜3と同じ手法で記憶媒体30のファイル記憶部31に十分な空き領域があるか否か、すなわち消去/圧縮条件が成立しているか否かが調べられる(ステップS91)。消去/圧縮条件が成立したならば、消去/圧縮ファイル選択部304の処理が開始される。すなわち、まず、消去/圧縮ファイル選択部304は、ファイルサイズ情報記憶部33から1つのファイルに関するサイズ情報を読み出し(ステップS93)、そのファイルサイズが予め決められた基準サイズを越えているか否かを調べる(ステップS94)。基準サイズよりもファイルサイズが大きいファイルであれば、消去/圧縮ファイル選択部304は、そのファイル名をファイル消去/圧縮部305に伝えて消去または圧縮させる(ステップS95)。
【0116】
この後、再度、消去/圧縮条件が成立するか否かが調べられ(ステップS91)、消去/圧縮条件が成立しなくなるか、あるいは全てのファイルについてのサイズ情報の読み出しが終了するまで、ステップS93〜S95が繰り返される。
【0117】
このように、サイズが大きなファイルを優先的に消去または圧縮することによって、ファイル記憶部31の容量を空けるために消去または圧縮するファイルの個数を抑えることができ、ユーザが読もうとしたファイルがすでに消去されている、あるいは圧縮されておりその読み出しに時間がかかる、という問題の発生確率を低減することができる。
【0118】
また、このようにサイズが大きなファイルを優先的に消去または圧縮するという処理は、実施形態4および5で説明したファイル読み出し履歴情報と組み合わせて使用することもできる。この場合には、まず、ファイル読み出し履歴情報を参照することによって複数の候補ファイルを選定し、その中でサイズが大きなファイルを優先的に消去または圧縮するという方法を採用することが好ましい。
【0119】
図27には、この発明の第7の実施形態に係る電子情報機器のシステム構成が示されている。
【0120】
このシステムで使用されるファイルシステム20は、ファイル自動消去または圧縮による空き領域確保機能の実現のために、図示のように、ファイル入出力部401、ファイル変換部402、ファイル内容対応関係部403、消去/圧縮ファイル選択部404、およびファイル消去/圧縮部405を備えている。
【0121】
ファイル変換部402は、ファイル記憶部31からあるファイルfaの内容を読み出し、その内容に変換(ファイルデータの圧縮/伸張、文書ファイル形式の変換など)を加えた上で変換後のファイルをファイル記憶部31中の別のファイルfbとして格納する。この場合、ファイル変換部402は、ファイルfaとfbが互いに変換可能な内容を持ちデータ形式だけが異なるファイルであることを、ファイル内容対応関係作成部403に通知する。
【0122】
ファイル内容対応関係作成部403は、ファイル変換部402からの通知に基づき、ファイル記憶部31に格納されているファイルの中で相互に変換可能な内容を持つファイル同士の関係を示すファイル内容対関係応情報を生成し、それをファイル内容対応関係記憶部34に格納する。
【0123】
ファイル内容対関係応情報としては、各ファイルのディレクトリエントリに登録されるファイル拡張子などを利用する事もできる。すなわち、例えばあるファイルfaを圧縮する事によって得られた圧縮ファイルfbに対してファイルfaと同じファイル名を付与し、そのファイルタイプを示す拡張子としてデータ圧縮形式を示す情報を付与すれば、ファイルfa,fbそれぞれのファイル名と拡張子の関係から、ファイルfa,fbが相互に変換可能な内容を持つファイルであることを認識できる。したがって、この方式を採用すれば、ファイル内容対応関係記憶部34をディレクトリの一部として実現する事ができる。
【0124】
ファイル消去または圧縮の際には、まず、消去/圧縮ファイル選択部404がファイル内容対応関係記憶部34を参照して、他のファイルの内容から復元可能なファイルを選択し、そのファイルのファイル名をファイル消去/圧縮部405に伝える。ファイル消去/圧縮部405は消去/圧縮ファイル選択部404から得たファイル名のファイルをファイル記憶部31から消去または圧縮する。
【0125】
次に、図28を参照して、ファイル内容対応関係記憶情報を利用したファイル自動消去/圧縮動作を説明する。ここでは、他のファイルからの変換によって内容が復旧できるファイルが優先的に消去または圧縮される。
【0126】
まず、実施形態1〜3と同じ手法で記憶媒体30のファイル記憶部31に十分な空き領域があるか否か、すなわち消去/圧縮条件が成立しているか否かが調べられる(ステップS101)。消去/圧縮条件が成立したならば、消去/圧縮ファイル選択部404の処理が開始される。すなわち、まず、消去/圧縮ファイル選択部404は、ファイル内容対応関係記憶部34から1つのファイルに関する情報を読み出し(ステップS103)、そのファイルが他のファイル内容から復元可能なファイルであるか否かを調べる(ステップS104)。復元可能なファイルであれば、消去/圧縮ファイル選択部404は、そのファイル名をファイル消去/圧縮部405に伝えて消去または圧縮させる(ステップS105)。
【0127】
この後、再度、消去/圧縮条件が成立するか否かが調べられ(ステップS101)、消去/圧縮条件が成立しなくなるか、あるいは全てのファイルについての対応関係情報の読み出しが終了するまで、ステップS103〜S105が繰り返される。
【0128】
このように、他のファイルからの変換によって内容が復元できるようなファイルを優先的に消去または圧縮し、復元ができないファイルに対しては消去や圧縮の処理を行わないようにする制御は、空き領域確保のための自動ファイル消去を採用した場合に特に有効であり、ユーザが読もうとしたファイルがすでに消去されていて読めない、という問題の発生を減らすことができる。また、このように復旧可能なファイルを優先的に消去するという処理は、実施形態4および5で説明したファイル読み出し履歴情報と組み合わせて使用することもできる。この場合には、まず、ファイル読み出し履歴情報を参照することによって複数の消去対象候補を選定し、その中で復旧可能なファイルを優先的に消去するという方法を採用することが好ましい。
【0129】
図29には、この発明の第8の実施形態に係る電子情報機器のシステム構成が示されている。
【0130】
このシステムで使用されるファイルシステム20は、ハイパーテキストのように他のファイルとの間で参照関係を持つファイルに好適な空き領域自動確保機能の実現のために、図示のように、ファイル入出力部501、参照関係読み出し部502、消去/圧縮ファイル選択部503、およびファイル消去/圧縮部504を備えている。
【0131】
ファイル消去または圧縮の際には、まず、消去/圧縮ファイル選択部503からの指示により参照関係読み出し部502が動作を開始し、ファイル記憶部31の各ファイルについて他のファイルからの参照数が検出される。参照数は、他のファイルそれぞれの内容を解析して、該当ファイルへのポインタの数を調べる事によって検出される。消去/圧縮ファイル選択部503は、他のファイルからの参照数がある一定数よりも少ないファイルを選択し、そのファイルのファイル名をファイル消去/圧縮部504に伝える。ファイル消去/圧縮部504は消去/圧縮ファイル選択部503から得たファイル名のファイルをファイル記憶部31から消去する。
【0132】
次に、図30を参照して、ファイル参照数を利用したファイル自動消去/圧縮動作を説明する。ここでは、他のファイルからそのファイルへの参照の個数の少ないファイルが優先的に消去または圧縮される。
【0133】
まず、実施形態1〜3と同じ手法で記憶媒体30のファイル記憶部31に十分な空き領域があるか否か、すなわち消去/圧縮条件が成立しているか否かが調べられる(ステップS111)。消去/圧縮条件が成立したならば、消去/圧縮ファイル選択部503の処理が開始される。すなわち、まず、消去/圧縮ファイル選択部503は、ファイル記憶部31から1つのファイルを読み出し(ステップS113)、そのファイルについての他のファイルからの参照数を参照関係読み出し部502に調べさせる。参照関係読み出し部502は、他のファイルそれぞれの内容を解析して、該当ファイルへのポインタの数を調べる事によって参照数を検出し、その結果を消去/圧縮ファイル選択部503に渡す。消去/圧縮ファイル選択部503は、そのファイルに対応する参照数が予め定められた基準値よりも少ないか否かを調べる(ステップS114)。他のファイルからの参照数が基準値よりも少ないファイルであれば、消去/圧縮ファイル選択部503は、そのファイル名をファイル消去/圧縮部504に伝えて消去または圧縮させる(ステップS115)。
【0134】
この後、再度、消去/圧縮条件が成立するか否かが調べられ(ステップS111)、消去/圧縮条件が成立しなくなるか、あるいは全てのファイルについての他のファイルからの参照数が調べられるまで、ステップS113〜S115が繰り返される。
【0135】
このように、他のファイルからの参照が少ないファイルを優先的に消去または圧縮し、参照が多いファイルをそのままの形で保存することによって、特に空き領域確保機能のためにファイル消去を採用した場合には、ユーザが他のファイルからの参照経由で読もうとしたファイルがすでに消去されている、という問題の発生を減らすことができる。また、このように参照数の少ないファイルを優先的に消去するという処理は、実施形態4および5で説明したファイル読み出し履歴情報と組み合わせて使用することもできる。この場合には、まず、ファイル読み出し履歴情報を参照することによって複数の消去対象候補を選定し、その中で他のファイルからの参照数の少ないファイルを優先的に消去するという方法を採用することが好ましい。
【0136】
なお、実施形態4〜8のファイルシステム20のファイル自動消去/圧縮機能は、実施形態1〜3のファイルシステム2の場合と同様に、オペレーティングシステムの外でユーザレベルで動くプログラムとして実現することもできる。この場合、図14、図22、図25、図27、図29それぞれのファイル入出力部だけがオペレーティングシステムにファイル管理部として実装され、他の部分はオペレーティングシステム外で動作するファイル管理プログラムとして実装されることになる。
【0137】
以上説明したように、実施形態4〜8の電子情報機器によれば、ファイルの参照履歴・大きさ・内容の対応関係・参照の個数などが消去または圧縮ファイル選定のための優先度として使用されることにより、静的な優先度だけを使用する場合よりもユーザに与える影響の少ないファイル自動消去を行う事ができる。
【0138】
なお、実施形態4〜8の電子情報機器においても、実施形態2、3で説明したように、消去/圧縮ファイル選択部により選択されたファイルをユーザに通知し、消去/圧縮の許可を得た上でそのファイルを消去または圧縮するという機能を適宜組み合わせて使用することが好ましい。
【0139】
次に、この発明の第9の実施形態を説明する。
【0140】
この実施形態9の電子情報機器は、前述した実施形態1〜3のシステム構成と同様に、アプリケーションプログラムなどのユーザプログラム100と、そのプログラム100からファイル操作に関する要求を受けてファイルの入出力を管理するファイルシステム200と、ファイルを記憶するための補助記憶装置として使用されるハードディスクやフラッシュメモリカードなどの不揮発性の記憶媒体300とから構成される。
【0141】
ファイルシステム200は、記録媒体300の空き容量を自動的に確保するための機能として、ファイル自動消去機能とファイル自動圧縮機能の双方を有しており、それらファイル自動消去機能とファイル自動圧縮機能を選択的に使用する構成である。
【0142】
ファイルシステム200は、プログラム100からの要求を受理する要求受理部601と、消去すべきファイルを選択する消去ファイル選択部602と、ファイルを消去するファイル消去部603と、圧縮すべきファイルを選択する圧縮ファイル選択部604と、ファイルを圧縮するファイル圧縮部605と、記憶媒体300に記憶されるファイルを入出力するファイル入出力部606と、これらを司る制御部607とからなる。
【0143】
図32はファイルシステム200で管理されるファイル構造を示している。
【0144】
各々のノードの第1フィールドはノードの種類を表す。Dはディレクトリ、Fはファイルである。第2フィールドはファイルまたはディレクトリの名前である。ディレクトリの場合、第3フィールド以降は子ノードへのポインタである。斜め線は終了を示し、ポインタとして使用されない値を使えば良い。例えばポインタとしてノードの番地を格納し、終了の記しとしてマイナス1を使えば良い。ファイルの場合、第3フィールドに最終更新日時を、第4フィールドに最終参照日時を示す。/は参照されていないことを示す。第5フィールドはデータへのポインタである。
【0145】
図33はファイル管理方式のアルゴリズムを示すフローチャートである。本実施形態ではファイルの最終参照日時を圧縮や消去ファイルを選択するための属性として使用する。
【0146】
まず、ファイルシステム200の要求受理部601が、ユーザプログラム100からのファイル操作要求を受け付ける(ステップS201)。そのファイル操作要求がファイル書き込み要求でなければ(ステップS202)、そのファイル操作要求によって指定されたファイル操作(ファイル読み出し、ファイル消去、ディレクトリ参照など)が通常通り行われる(ステップS203)。
【0147】
一方、ユーザプログラム100からのファイル操作要求が書き込み要求であるならば(ステップS202)、制御部607は記憶媒体300の空き容量に従って、所定の消去/圧縮条件が成立しているか否かを判断する(ステップS204)。この場合、書き込み要求されたファイルサイズと記憶媒体300の現在の空き容量とが比較され、空き領域のサイズが書き込み要求されたファイルサイズよりも小さい時に消去/圧縮条件が成立すると判別される。また、書き込み要求されたファイルサイズとは無関係に、記憶媒体300の現在の空き容量が規定値以下であれば消去/圧縮条件が成立すると判別してもよい。
【0148】
十分な空き容量があって消去または圧縮の条件が成立しないならば(ステップS205)、要求されたファイルの書き込みが直ぐに実行される(ステップS206)。一方、十分な空き容量がなく消去/圧縮条件が成立したならば(ステップS205)、制御部607によって、記憶媒体300に圧縮してもよいと判断される圧縮可能ファイルが存在するか否かが判断される(ステップS207)。この判断は、例えば、全てのファイルが圧縮済みか否かを調べることなどによって行うことができる。この場合には、非圧縮ファイルが残っていれば圧縮可能ファイルが存在すると判断され、残っていなければ圧縮可能ファイルが存在しないと判断される。また、ディレクトリやファイル拡張子などによって予め圧縮してはいけないファイルと圧縮してもよいファイルをユーザによる明示的な指定などによって固定的に決めておき、それに基づいて圧縮可能ファイルが存在するか否かを判断する事もできる。
【0149】
記憶媒体300に圧縮してもよいと判断される圧縮可能ファイルが残っているならば、圧縮ファイル選択部604は、圧縮してもよいファイルの中で最終参照日時の最も古いもの(参照されたことのないファイルの最終参照時刻は最も古いと解釈される)を圧縮対象ファイルとして選択し、これがファイル圧縮部605によって圧縮される(ステップS208,S209)。この後、再び消去/圧縮の条件が成立しているかどうかの判別処理が行われ(ステップS204,S205)、成立しなくなるまでは、圧縮してもよいファイルが残っている限り、ステップS208,S209が繰り返し実行される。
【0150】
一方、圧縮してもよいファイルが無い場合には、今度は、空き領域確保のために行われる処理が、ファイル圧縮からファイル消去に切り替えられる。
【0151】
この場合、消去ファイル選択部602は、全てのファイルの中で最終参照日時の最も古いものを消去対象ファイルとして選択し、これがファイル消去部603によって消去される(ステップS210,S211)。
【0152】
この後、再び消去/圧縮の条件が成立しているかどうかの判別処理が行われ(ステップS204,S205)、成立しなくなるまで、ステップS210,S211が繰り返し実行される。
【0153】
このように、この実施形態では、ファイル自動圧縮処理がファイル自動消去処理もよりも優先して実行するように制御されるので、空き領域の自動確保機能の実行によってユーザに与える影響をより少なく抑えることができる。
【0154】
参照されたことのないファイルの最終参照時刻は最も古いと解釈すればよい。これを繰り返せば、書き込むファイルに同等以上の空き領域を作ることができる。
【0155】
なお、ここでは、圧縮と消去の対象ファイルを選択する際に、どちらも最終参照時刻という同一の属性を用いたが、必ずしもこの限りではない。圧縮は最終参照時刻の最も古いものを選択し、消去はファイルサイズの大きいものを選択する、というように異なる属性を使用しても良い。
【0156】
図34はファイル管理方式の別のアルゴリズムを示すフローチャートである。図33に示す例では、例えば全ての非圧縮ファイルを圧縮してから消去をするため、引き続いて使用される可能性の高いファイルも圧縮されてしまう恐れがある。ファイルの圧縮にはCPU時間や電力を消費すること、また空き領域がない状態にすぐに戻ってしまうことにより、すぐに使われるファイルを圧縮するのは得策ではない。これを改善するためには、すぐに使用される可能性が高いファイルは非圧縮状態であっても圧縮せずに、むしろ使用される可能性の低いファイルを消去した方がよい。一般に使用されるか否かの判定は困難であるため、時間的局所性を仮定し、最終参照日時が新しいものほど使用される可能性が高いと判定することが多い。本アルゴリズムでもこれを利用する。
【0157】
まず、ファイルシステム200の要求受理部601が、ユーザプログラム100からのファイル操作要求を受け付ける(ステップS301)。そのファイル操作要求がファイル書き込み要求でなければ(ステップS302)、そのファイル操作要求によって指定されたファイル操作(ファイル読み出し、ファイル消去、ディレクトリ参照など)が通常通り行われる(ステップS303)。
【0158】
一方、ユーザプログラム100からのファイル操作要求が書き込み要求であるならば(ステップS302)、制御部607は記憶媒体300の空き容量に従って、所定の消去/圧縮条件が成立しているか否かを判断する(ステップS304)。この場合、書き込み要求されたファイルサイズと記憶媒体300の現在の空き容量とが比較され、空き領域のサイズが書き込み要求されたファイルサイズよりも小さい時に消去/圧縮条件が成立すると判別される。また、書き込み要求されたファイルサイズとは無関係に、記憶媒体300の現在の空き容量が規定値以下であれば消去/圧縮条件が成立すると判別してもよい。
【0159】
十分な空き容量があって消去または圧縮の条件が成立しないならば(ステップS305)、要求されたファイルの書き込みが直ぐに実行される(ステップS306)。一方、十分な空き容量がなく消去/圧縮条件が成立したならば(ステップS305)、圧縮してもよいファイルである例えば非圧縮ファイルの中から最も最終参照日時の古いものを選びFcとし、そのFcの最終参照日時をt(Fc)とする(ステップS307)。次に、全ての管理対象ファイルの中から最も最終参照日時の古いものを選びFdとし、そのFdの最終参照日時をt(Fd)とする(ステップS307)。
【0160】
次に、現在の日時をtとするとき、|t(Fd)−t|と|t(Fc)−t|の比があらかじめ定めた定数pを越えるか否か、つまり
|t(Fd)−t| / |t(Fc)−t| > p
が成立するか否かが調べられる(ステップS309)、成立しているとき、つまり圧縮対象ファイルFcの最終参照日時よりもFdが著しく古いファイルであれば、Fdの消去が行われる(ステップS311)。一方、ステップS309の条件が成立していないときは、圧縮対象ファイルFcの圧縮が行われる(ステップS310)。
【0161】
最終変更日時を圧縮や消去の属性として使用する場合には、圧縮によりできたファイルの最終変更日時は非圧縮状態の最終変更日時を継承するものとすればよい。また、最終参照日時を圧縮や消去の属性として使用する場合には、圧縮や消去の対象とするために行ったファイルの属性へのアクセスは参照とはみなさず最終参照日時は変更されないものとする。
【0162】
なお、以上の実施形態1〜9では、ファイル管理の対象を特に記述しなかったが、管理の対象は限定されても良い。例えばあるドライブのファイルシステムだけが当該ファイルの管理対象になる、あるドライブ内の特定のファイルシステムだけが当該ファイルの管理対象になる、あるディレクトリの下だけが当該ファイルの管理対象になる、あるアプリケーションが使用するファイルだけが当該ファイルの管理対象になる、などの管理方法を使用して圧縮または削除対象となりうるファイルを制限してもよい。また、前述したようにファイル管理は必ずしもOSの一部である必要はない。別のモジュールとして実現されても良い。あるいは、あるアプリケーションの使用するファイルだけが当該ファイルの管理対象になる場合はそのアプリケーションが当該ファイル管理を行っても良い。
【0163】
また、実施形態1〜9のファイル管理方法はコンピュータによって実行可能なプログラムとして実現されているため、フロッピーディスクやCD−ROMなどの記録媒体にそのプログラムを格納して配布することにより、それら媒体からそのプログラムをコンピュータにインストールするだけで、簡単にディスクなどの2次記憶装置の空き領域を管理することが可能となる。
【0164】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、ファイルシステムが管理する記憶媒体の空き領域に応じてファイル消去あるいは圧縮による空き領域確保処理が自動的に行われるため、ユーザが消去すべきファイルを選択したり、消去するためのプログラムの使用法を覚える必要がなく、使い勝手の良い計算機システムを提供することができる。また、外部からデータが転送されてくる場合に、ユーザが空き領域を作らなくても転送データを失わずファイルシステムに格納することができる。さらに、ファイルの参照履歴、内容の対応関係、参照の個数を利用して消去を行うことにより、ユーザが参照する可能性が低いファイルを消去できるようになり、自動消去の利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態に係る計算機システムで使用されるファイルシステムの機能構成を示すブロック図。
【図2】同第1実施形態のシステムで扱われるファイルの階層構造を示す図。
【図3】同第1実施形態のシステムで扱われるファイルの内部構成を示す図。
【図4】同第1実施形態のシステムにおけるファイル自動消去処理の手順を示すフローチャート。
【図5】同第1実施形態のシステムに対して書き込み要求を行うプログラムの一例を示す図。
【図6】同第1実施形態のシステムにおけるファイル自動消去処理で用いられる消去条件判定処理を説明するための図。
【図7】同第1実施形態のシステムにおけるファイル自動消去処理で実行される消去条件判定処理および消去ファイル選択処理の手順を示すフローチャート。
【図8】この発明の第2実施形態に係る計算機システムで使用されるファイルシステムの機能構成を示すブロック図。
【図9】この発明の第3実施形態に係る計算機システムで使用されるファイルシステムの機能構成を示すブロック図。
【図10】同第3実施形態のシステムにおけるファイル自動消去処理の手順を示すフローチャート。
【図11】同第3実施形態のシステムにおいて消去対象ファイルを選択するための参照されるファイルの重要度の一例を示す図。
【図12】同第1実施形態のファイルシステムをオペレーティングシステムと独立したユーザプログラムとして実現した様子を示す図。
【図13】同第1実施形態のファイルシステムをユーザプログラムとして実現した場合におけるそのファイルシステムの機能構成を示すブロック図。
【図14】この発明の第4実施形態に係る計算機システムで使用されるファイルシステムの機能構成を示すブロック図。
【図15】同第4実施形態のシステムで管理されるファイル読み出し履歴情報の一例を示す図。
【図16】同第4実施形態のシステムで管理されるファイル読み出し履歴情報の他の例を示す図。
【図17】同第4実施形態のシステムで管理されるファイル読み出し履歴情報のさらに他の例を示す図。
【図18】同第4実施形態のシステムにおけるファイル自動消去処理の手順を示すフローチャート。
【図19】同第4実施形態のシステムで管理されるファイル読み出し履歴情報のさらに別の例を示す図。
【図20】同第4実施形態のシステムにおける他のファイル自動消去処理の手順を示すフローチャート。
【図21】同第4実施形態のシステムにおけるさらに他のファイル自動消去処理の手順を示すフローチャート。
【図22】この発明の第5実施形態に係る計算機システムで使用されるファイルシステムの機能構成を示すブロック図。
【図23】同第5実施形態のシステムにおけるファイル読み出し履歴情報の消去処理の手順を示すフローチャート。
【図24】同第5実施形態のシステムにおいてファイル読み出し履歴情報が消去される様子を示す図。
【図25】この発明の第6実施形態に係る計算機システムで使用されるファイルシステムの機能構成を示すブロック図。
【図26】同第6実施形態のシステムにおけるファイル自動消去処理の手順を示すフローチャート。
【図27】この発明の第7実施形態に係る計算機システムで使用されるファイルシステムの機能構成を示すブロック図。
【図28】同第7実施形態のシステムにおけるファイル自動消去処理の手順を示すフローチャート。
【図29】この発明の第8実施形態に係る計算機システムで使用されるファイルシステムの機能構成を示すブロック図。
【図30】同第8実施形態のシステムにおけるファイル自動消去処理の手順を示すフローチャート。
【図31】この発明の第9実施形態に係る計算機システムで使用されるファイルシステムの機能構成を示すブロック図。
【図32】同第9実施形態のシステムで使用されるファイル管理構造の一例を示す図。
【図33】同第9実施形態のシステムにおいてファイル自動消去処理とファイル自動圧縮処理とを選択的に使用した空き領域確保処理の手順を示すフローチャート。
【図34】同第9実施形態のシステムにおいてファイル自動消去処理とファイル自動圧縮処理とを選択的に使用した空き領域確保処理の別の手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1,10…ユーザプログラム、2,20…ファイルシステム、3,30…記憶媒体、4…許可通知プログラム、5…オペレーティングシステム、6…ファイル管理プログラム、21…要求受理部、22…消去/圧縮条件判別部、23…消去/圧縮ファイル選択部、24…ファイル消去/圧縮部、25…ファイル入出力部、26…消去/圧縮通知部、27…諾否受理部、32…ファイル読み出し履歴記憶部、33…ファイルサイズ情報記憶部、34…ファイル内容対応関係記憶部、201…ファイル入出力部、202…ファイル読み出し部、203…ファイル読み出し履歴作成部、204…消去/圧縮ファイル選択部、205…ファイル消去部、206…ファイル書き込み部、303…ファイルサイズ情報作成部、403…ファイル内容対応関係作成部、502…参照関係読み出し部。

Claims (2)

  1. 複数のファイルを保存することが可能な記録媒体に対するファイル入出力を管理する計算機システムにおいて、
    前記記録媒体に格納されているファイルの中で相互に変換可能な内容を持つ非圧縮のファイルとその圧縮ファイルとの関係を示すファイル内容対応情報を作成する手段と、
    前記記録媒体の空き領域に基づいて、前記記録媒体のファイルを消去する必要性があるか否かを判別する手段と、
    この判別手段によってファイル消去の必要性があることが判定されたとき、前記ファイル内容対応情報を参照して、前記記録媒体に格納されているファイルの中から他のファイルの内容から復元可能なファイルを優先的に消去対象ファイルとして選択する消去ファイル選択手段と、
    この消去ファイル選択手段によって選択されたファイルを消去するための手続きを行うファイル消去手段とを具備することを特徴とする計算機システム。
  2. 計算機システムの記録媒体の空き領域を管理するファイル管理方法であって、
    前記記録媒体に格納されているファイルの中で相互に変換可能な内容を持つ非圧縮のファイルとその圧縮ファイルとの関係を示すファイル内容対応情報を作成するステップと、
    前記記録媒体の空き領域に基づいて、前記記録媒体のファイルを消去する必要性があるか否かを判別するステップと、
    この判別ステップによってファイル消去の必要性があることが判定されたとき、前記ファイル内容対応情報を参照して、前記記録媒体に格納されているファイルの中から他のファイルの内容から復元可能なファイルを優先的に消去対象ファイルとして選択する消去ファイル選択ステップと、
    この消去ファイル選択ステップによって選択されたファイルを消去するための手続きを行うファイル消去ステップとを具備することを特徴とするファイル管理方法。
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