JP3594580B2 - 収納容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、短繊維状の合成高分子で成る人工毛対象物に振りかけるのに用いられる散布式の容器に係わり、特に内容物の残量に拘わらずこれを少しずつ定量的に吐出させ得るようにした収納容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、短繊維状の人工毛ほか、塩や胡椒といった粉粒体を収納する容器として図11に示すようなものが知られ、一般に広く普及している。図11において、Dは粉粒体を収容するための容器本体であり、この容器本体Dはガラスやプラスチック製にして上部に粉粒体を導入するための開口部dが形成される。Mは開口部dに装着される多孔状の目皿であり、この目皿Mには容器本体Dに詰められた粉粒体を吐出するための孔部hが所定の開口率で複数個穿設される。又、Cは容器本体Dの上部に取り付けられる着脱自在なキャップであり、このキャップCは容器本体Dの開口部dを覆って内容物の飛散や外部からの異物の混入を防止する働きをする。
【0003】
そして、以上のような収納容器によれば、キャップCを外して容器本体Dを逆さにしながら上下に振ることにより、粉粒体で成る内容物を対象物上に適量ずつ撒き散らすことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
然し乍ら、上記のような散布式の従来容器によれば、内容物の残量が減るにしたがって容器本体内での内容物の落差が大きくなるため、その内容物が勢い余って目皿の孔部から一度に過剰に吐出してしまうという難点があった。
【0005】
又、これに鑑み目皿の開口率や孔径を小さく設定すると、内容物の残量に拘わらずその吐出性が低下してしまい、特に残量の多い段階では目詰まりを生じて内容物が全く吐出されなくなるという問題があった。
【0006】
本発明は以上のような事情に鑑みて成されたものであり、その目的は粉粒体である短繊維状の人工毛を対象物上に散布するのに用いる容器にして、係る人工毛をその残量に拘わらず少しずつ定量的に吐出させ得るようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、短繊維状の合成高分子で成る人工毛が収容された容器本体と、該容器本体に収容された人工毛を吐出するための複数の孔部を有して前記容器本体の上端開口部に装着される多孔状の目皿と、前記容器本体の上端開口部を覆う着脱自在なキャップとを具備して成る収納容器において、前記目皿が所定の間隔をあけて対向する第一目皿と第二目皿との二重構造とされ、前記第一目皿は容器本体の上端開口部内側に嵌合されると共に、前記第二目皿は容器本体の上端開口部外側に嵌合され、更に前記第一目皿はその各孔部が第二目皿の各孔部よりも孔径が大きく設定され、前記第二目皿の上面部にはその外周に沿って環状の突条が形成され、その突条が前記キャップの内側上面部に密着するよう構成されることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の適用例を図面に基づいて詳細に説明する。先ず、図1に本発明の好適な態様として係る収納容器の側面図を示す。図1において、1は所定の容積を有する容器本体であり、その内部には短繊維状の人工毛が収容される。尚、容器本体1はガラスやプラスチックなど様々な材料から形成できるが、これをEVA、軟質PE、ポリブテンほか、基材に可塑剤を加えた弾性変形可能な軟質合成樹脂製にして、内容物をスクィーズ操作で吐出させることができる。
【0009】
又、2は容器本体1の上部に取り付けられる着脱自在なキャップであり、このキャップ2は非使用時に容器本体1の上部に取り付けて容器本体1内への異物の混入や内容物の飛散を防止する働きをする。
【0010】
次に、図2は容器本体を示す。この図で明らかなように、容器本体1の上部には外周に雄ネジ部S1をもつ円筒状のネック3が形成され、その内側が容器本体1内へ人工毛を導入するための上端開口部4とされている。
【0011】
次に、図3は同容器の斜視分解図を示す。図3において、5は容器本体1の上端開口部4に装着される多孔状の目皿であり、これは上下に相対向して組み合わされる第一目皿5Aと第二目皿5Bとで構成される。
【0012】
図4は第一目皿を示した平面図であり、図5には図4におけるX−X線断面を示す。ここに、第一目皿5Aはポリプロピレンやポリスチレンといったプラスチックから一体成形される円形体で成る。特に、この第一目皿5Aは円盤状を成す底面部6と、この底面部の周縁より直角に立ち上がる環状壁7と、この環状壁の上端より水平に張り出す鍔部8とを有し、このうち底面部6には方形状の孔部9が縦横に所定の間隔をあけて穿設される。尚、本例において、第一目皿の孔部9は一辺2mmの正方形にして全部で52個穿たれており、その開口度は上端開口部4に対して15〜25%に設定されている。
【0013】
図6は第二目皿を示した平面図であり、図7には図6におけるX−X線断面を示す。ここに、第二目皿5Bもポリプロピレンやポリスチレンといったプラスチックから一体成形される円形体で成る。特に、この第二目皿5Bは円盤状を成す上面部10と、この底面部の周縁より直角に垂下する環状壁11とを有し、その環状壁11の内面にその周方向に沿って環状を成す鉤部12が一連に形成されるほか、上面部10の表面にはその外周に沿って環状を成す突条13が一連に形成される。又、上面部10には突条13の内側で円形の孔部14が縦横に所定の間隔をあけて穿設される。尚、本例において、第二目皿5Bの孔部14は直径1.3mmの丸孔にして全部で176個穿たれており、その開口度は第一目皿5Aとほぼ同じく、容器本体1の上端開口部4に対して15〜25%に設定されている。
【0014】
図8は、以上のような目皿を容器本体の上端開口部に装着した状態を示す部分断面図である。この図で明らかなように、第一目皿5Aは容器本体1の上端開口部4の内側に嵌合され、その環状壁7が上端開口部4の内周面に密着しながら鍔部8が上端開口部4の開口縁上に着座するようになっている。
【0015】
一方、第二目皿5Bは、第一目皿5Aの上方で上端開口部4の外側に嵌合される。尚、図9に明示されるように、容器本体の上端開口部4を形成するネック3には、その上部外周に環状を成す突条15が形成され、この突条15に第二目皿5Bの鉤部12が係止するようにしてある。又、図9から明らかなように、第二目皿5Bの突条13はキャップ2の内側上面部に密着し、これによって容器本体1の上端開口部4が密封されるようにしてある。
【0016】
尚、図8及び図9のように、キャップ2の内周面にはネック3の雄ネジ部S1に対応する雌ネジ部S2が形成され、これによって容器本体1の上端開口部4を覆うキャップ2の着脱が可能とされるが、キャップ2をネジ式とすることに限らず、これを第二目皿5Bのように凹凸の噛み合わせによるワンタッチの着脱方式にしても良い。
【0017】
次に、以上のように構成される容器の作用を説明する。図10はその使用状態を示した概略図であり、Hは人工毛の散布対象として使用者の頭部を示す。尚、本例において、容器本体1には着色を施した短繊維状の合成高分子化合物で成る人工毛Pが収容される。ここに、その種の人工毛Pを頭部Hに振りかけるには、先ずキャップ2を外し、頭部H上で容器本体1を逆さまにしながらこれを上下に振るか、若しくはこれを適当な高さに保ったままスクィーズする。
【0018】
このとき、人工毛Pは最初に第一目皿5Aに当たり、その一部が第一目皿5Aの孔部9を透過して第二目皿5B上に落下し、次いで第二目皿5B上の人工毛Pがその孔部14を透過して外部に吐出し、これが頭部H上に少しずつ堆積するようになる。
【0019】
このように、係る容器によれば目皿5を二重構造にしたことから、人工毛の残量が減ってきた場合も、内側の第一目皿5Aが人工毛の落下速度を緩和するクッションの役割を果たすので、人工毛が一度に過剰に吐出してしまう事がなく、しかも第一目皿5Aと第二目皿5Bの孔径を異ならせ、内側の第一目皿5Aの各孔部9を第二目皿5Bの各孔部14より相対的に大きく設定しているため、粉粒体の残量が多い場合もこれを目詰まりさせず良好に吐出させる事ができる。
【0020】
以上、本発明の適用例を説明したが、係る容器において第一目皿5Aと第二目皿5Bにおける孔部9,14の形態は上記例に限らず、その穿設数も適宜変更可能であること勿論である。
【0021】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば容器本体の上端開口部に装着される多孔状の目皿を相対向する第一目皿と第二目皿との二重構造としていることから、容器本体内の人工毛の残量が少ない場合も、これが勢いよく一度に過剰に吐出するのを防止できる。又、第一目皿と第二目皿の孔部の大きさを異ならせているので、粉粒体の吐出量調整を細かく設定でき、しかも容器本体における上端開口部の内側に嵌合する第一目皿がその外側に嵌合する第二目皿より孔部を大きく設定されるため、人工毛の残量が多い場合でもこれを目詰まりさせる事なく良好に吐出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る粉粒体収納容器を示した側面図
【図2】キャップを取り外した容器本体の側面図
【図3】同容器の斜視分解図
【図4】第一目皿の平面図
【図5】図4におけるX−X線断面図
【図6】第二目皿の平面図
【図7】図6におけるX−X線断面図
【図8】本発明に係る容器の上部断面図
【図9】同容器の一部を部分的に拡大して示した断面図
【図10】同容器の使用例を示した説明図
【図11】従来容器の概略図
【符号の説明】
1 容器本体
2 キャップ
3 ネック
4 上端開口部
5 目皿
5A 第一目皿
5B 第二目皿
6 底面部
7 環状壁
8 鍔部
9 孔部
10 上面部
11 環状壁
12 鉤部
13 突条
14 孔部
15 突条

Claims (1)

  1. 短繊維状の合成高分子で成る人工毛が収容された容器本体と、該容器本体に収容された人工毛を吐出するための複数の孔部を有して前記容器本体の上端開口部に装着される多孔状の目皿と、前記容器本体の上端開口部を覆う着脱自在なキャップとを具備して成る収納容器において、前記目皿が所定の間隔をあけて対向する第一目皿と第二目皿との二重構造とされ、前記第一目皿は容器本体の上端開口部内側に嵌合されると共に、前記第二目皿は容器本体の上端開口部外側に嵌合され、更に前記第一目皿はその各孔部が第二目皿の各孔部よりも孔径が大きく設定され、前記第二目皿の上面部にはその外周に沿って環状の突条が形成され、その突条が前記キャップの内側上面部に密着するよう構成される収納容器。
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