JP3594475B2 - 錠剤供給装置における蓋体 - Google Patents
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Description
【産業の利用分野】
本発明は、処方された錠剤等の薬剤を1服用毎に手撒きした後、1包毎に包装する錠剤供給装置における蓋体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、錠剤供給装置は、薬剤包装機内に組み込まれており、薬剤包装機は散薬供給装置と、錠剤供給装置とを有しており、各供給装置から定量供給される薬剤をその下方に設けられたホッパで受け、このホッパの下部出口から間欠的に連続して排出される薬剤を包装装置によって包装するようにしている。
【0003】
図1は従来から知られている薬剤包装機を示す。図1及び図3に示す薬剤包装機においては、散薬供給装置10の後方に錠剤供給装置20が設けられ、散薬供給装置10は、散薬供給容器11内に秤量された散薬を投入し、その上面を均一にならしたのち、散薬供給容器11の開閉板12を開放し、下方に落下する散薬を散薬分割容器13で受けるようにしている。
【0004】
散薬分割容器13は複数の散薬収容部14を連設した構成とされ、散薬供給容器11から落下する散薬は、散薬収容部14と同数に容量分割される。
【0005】
散薬分割容器13が散薬を受けると、その散薬分割容器13は散薬収容部14の配列方向にピッチ送りされ、各散薬収容部14が定位置まで移送されると、その下部開口を閉じる蓋15が開放され、散薬が下方のホッパ16内に落下排出される。
【0006】
一方、錠剤供給装置20は、錠剤投薬容器21を有する。この錠剤投薬容器21は一方向に等間隔に並ぶ錠剤投入孔23を複列に設けた構成とされ、その錠剤投入孔23に1服用分の錠剤を投入すると、錠剤投薬容器21の下方に設けたシャッタ24が開放して各錠剤投入孔23内の錠剤をその下方で待機する錠剤払出容器22内に同時に落下させるようにしている。
【0007】
錠剤払出容器22は、多数の錠剤払出孔25を錠剤投薬容器21に形成された錠剤投入孔23と同様の配列でもって形成しており、錠剤投薬容器21から排出される錠剤が錠剤払出容器22で受けられると、その錠剤払出容器22は散薬分割容器13と同方向にピッチ送りされ、その移動時に、各錠剤払出孔25の下方の蓋26を先行側の一列目の蓋26から順に一つずつ開放させて下方のシュート27上に錠剤を落下させ、そのシュート27からホッパ16に錠剤を移動させるようにしている。
【0008】
なお、ホッパ16内に供給され、下端の出口から排出される散薬や錠剤は、分包装置50によって1服用分毎に包装される。
【0009】
上記のような薬剤包装機においては、散薬供給容器11、散薬分割容器13に散薬が付着により残っていると、次の異種の散薬を包装する場合に混るおそれが生じるため、薬剤の包装後に掃除するようにしている。
【0010】
掃除やメンテナンスの容易化を図るため、図1および図8に示す薬剤包装機においては、包装機本体1上にカバーパネル4を軸4aを中心として開閉自在に設け、そのカバーパネル4によって散薬供給容器11、錠剤投薬容器21、錠剤払出容器22および操作パネルを支持し、そのカバーパネル4上に上部カバー7を開閉自在に取付け、上記上部カバー7、およびカバーパネル4の開放によって薬剤包装機の掃除とメンテナンスとを行なうようにしている。
【0011】
又、その他の薬剤包装機として、プーリーに掛け渡されたベルトに錠剤払出容器が支持され、この錠剤払出容器と向かい合うように錠剤投薬容器を設けた構成として、例えば特開平7−61402に開示されており、このような装置でも本発明と同様の課題が生じる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような各種の薬剤包装機には以下のような問題点があった。
【0013】
錠剤供給装置20の錠剤投入孔23に、塵や埃等が混入し非衛生的であった、さらに、包装機に散薬を供給する際、大気中に舞った散薬が混入する恐れがあった、さらに、ごくまれに、錠剤投入孔23内に混入したクリップやボールペンのキャップ等が錠剤投薬容器内に落下してしまい、そのため、異物に気付かず包装してしまうことがあり非常に危険であった。
【0014】
上記問題は、錠剤供給装置20の上に布きれを被せたり、板状の蓋を置くことによって解決されるが、包装機のカバーパネル4を開閉する際、一々、蓋を外し再び戻すのが非常にわずらわしかった。外した蓋は衛生上から床などに置けないため、蓋を置くためスペースを確保する必要があった。
【0015】
又、錠剤を包装するため、処方箋に従って錠剤供給装置20に錠剤を投入する際、片手が処方箋でふさがるため非常に作業性が悪く、それを解消するために、薬剤包装機本体の傍らに処方箋を置きながらの錠剤投入作業は、錠剤投入孔23と処方箋を交互に見なければならず視認性が悪く誤薬の恐れがあった。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、複数の錠剤投入孔を有する錠剤投薬容器と、錠剤投薬容器の下方に配置されて側方に平行移動する錠剤払出容器と、錠剤払出容器から供給される錠剤を包装装置のホッパへと導くシュートとからなる錠剤供給装置において、前記錠剤投薬容器の上面に、板体からなる蓋体を蝶着し、その蝶着部近傍の錠剤投入孔と対応した位置に、一方向に並ぶ複数の突起片からなり処方箋を保持する保持部材を設けた構成としている。
【0017】
前記構成からなる発明では、錠剤投薬容器の上面に蓋体を蝶着し、蓋体に保持部材を設けたので、錠剤投薬容器への異物の混入が防止できるともに、蓋体裏面の保持部材に処方箋を立てかけて、処方箋の内容に従って作業する事が可能となる。
【0018】
前記蓋体と錠剤投薬容器との閉塞を保持する吸着部材を設けるのが好ましく、これにより、包装機のカバーパネルの解放時に蓋体が開くのを防止することができる。
【0019】
又、蓋体の上面に処方箋を立てかけるガイドを収納可能に設けるのが好ましく、これにより、長手方向に立てかけられた蓋体より大きな処方箋を折り曲げずに保持することができる。
【0020】
【実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。なお、その際、従来例で述べた部材については、同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0021】
錠剤供給装置20の上にかぶせられた、蓋体51はアクリル樹脂で形成されており長方形の板体で、図4に示すように、一端を支軸51bにより錠剤投薬容器21に蝶着されている。
【0022】
蓋体51は閉塞時に図5、図6に示すように錠剤投入孔23を覆い隠し、開放時は図4、図7に示すように、支軸51bの上側に設けられた、あたりが錠剤投薬容器21の上面と接触し、所定角度(本実施例では120度)で止まるよう位置決めされている。
【0023】
蓋体51下面の蝶着部近傍には保持部材51cが設けられており、これは図6に示すように、蓋体51の開放時に蓋体に置がれた処方箋Aを保持するためのものであり、保持部材51cは図4に示すように、一方向に等間隔に並ぶ突起片によって形成され、この突起片は蓋体51の閉塞時に錠剤投薬容器21と干渉しないよう錠剤投入孔23と、対応した位置に設けられている。
【0024】
吸着部材は蓋体51の下面に粘着された一対の鉄片51aと、錠剤投薬容器21の上面に設けられた磁性体21aによって構成され、図4に示すように、鉄片51aと磁性体21aはそれぞれ対応する位置に設けられており、閉塞時にそれぞれ吸着する。
【0025】
このため、図2に示すように、カバーパネル4を開放しても、蓋体51は閉塞状態を保持することが可能となる。
【0026】
尚、吸着部材の鉄片51aと磁性体21aの位置関係は逆にしてもよく、又、吸着部材はボールキャッチや係り止め式のロック機構を採用しても良い。
【0027】
蓋体51の上面には図5に示すようにガイド受け52が粘着されており、ガイド受け52の前面部の所定位置には切欠52cが設けられ、蓋体51を開放する際に、この切欠52cに指をかけて蓋体51を開放する。
【0028】
ガイド受け52の両側面には、図10に示すような切欠加工がそれぞれ施されており、切欠落とし面52aの略中央にガイド53を挿入すべく、丸穴52bが設けられている。(図9参照)
【0029】
ガイド53は略コの字型の針金で形成されており図9に示すように、ガイド受け52を両側から挟み込むように、丸穴52bにガイド53の両端を差し込んで取り付けられている。
【0030】
図8、図9は図5に示すA方向(正面)からガイド受け52及びガイド53を見た図であり、図8に示す収納位置のガイド53を手前側に起立させると、ガイド受け52両端の切欠加工により、図9に示すように、ガイド53が押し広げられ、さらに回転させると手前側の切欠落とし面52aにはまり込んで、使用位置に位置決めされる。
【0031】
このように、ガイド53は収納位置と使用位置の位置決めさた2点間(本実施例では180度)を回動可能にそれぞれの点で保持できる構造を有する。
【0032】
本発明は以上のような構成であり、図4に示すように、蓋体51を開放状態にし、大きな処方箋を立てかける際は、必要に応じてガイド53を収納位置から使用位置に回転させ蓋体51の裏面の保持部材に処方箋を立てかけて、処方箋の内容に従って作業する。
【0033】
作業が終われば、再びガイド53を収納し蓋体51を閉塞する。
【0034】
尚、ガイド53は回動方式によって収納される例をあげたがこれに限らず、ガイド53をスライドさせて収納する方式や、着脱方式を採用してもよい。
【0035】
【効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、錠剤投薬容器に開閉可能に蝶着された蓋体を設けたため、異物の混入を防止でき、さらに、カバーパネル開放時も、蓋体を落下させることなく閉塞状態を保持することができる。又、開放した蓋体に置かれた処方箋を見ながら、錠剤の投薬作業を行うことができるため、作業者の負担を軽減させ、かつ誤薬を防止する等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の薬剤包装機の斜視図である。
【図2】カバーパネルの開放状態を示す側面図である。
【図3】従来の薬剤包装機の側面断面図である。
【図4】本発明に係る蓋体開放時の斜視図である。
【図5】本発明に係る蓋体閉塞時の斜視図である。
【図6】本発明に係る蓋体の部分側面図である。
【図7】本発明に係る蓋体の部分側面図である。
【図8】本発明に係る蓋体の部分正面図である。
【図9】本発明に係る蓋体の部分正面図である。
【図10】本発明に係る蓋体の部分斜視図である。
【符号の説明】
1 包装機本体
4 カバーパネル
4a 軸
20 錠剤供給装置
21 錠剤投薬容器
21a 磁性体
23 錠剤投入孔
51 蓋体
51a 鉄片
51b 支軸
51c 保持部材
52 ガイド受け
52a 切欠落とし面
52b 丸穴
52c 切欠
53 ガイド
Claims (3)
- 複数の錠剤投入孔を有する錠剤投薬容器と、錠剤投薬容器の下方に配置されて側方に平行移動する錠剤払出容器と、錠剤払出容器から供給される錠剤を包装装置のホッパへと導くシュートとからなる錠剤供給装置において、
前記錠剤投薬容器の上面に、板体からなる蓋体を蝶着し、その蝶着部近傍の錠剤投入孔と対応した位置に、一方向に並ぶ複数の突起片からなり処方箋を保持する保持部材を設けたことを特徴とする錠剤供給装置における蓋体。 - 前記蓋体と錠剤投薬容器との閉塞を保持する吸着部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の錠剤供給装置における蓋体。
- 前記蓋体の上面に処方箋を立てかけるガイドを収納可能に設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の錠剤供給装置における蓋体。
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- 1998-01-08 JP JP3534698A patent/JP3594475B2/ja not_active Expired - Fee Related
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