JP3594321B2 - 燃焼器の点火装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は石油ファンヒータの点火制御を行う燃焼器の点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の燃焼器の点火装置の点火制御としては、例えば実開平4−82554号公報が知られている。これはコンデンサを並列接続した1次コイルを有する昇圧トランスと、該昇圧トランスの1次コイルに接続するスイッチング素子と、該スイッチング素子を開閉するゲート回路とを備え、ゲート回路を、昇圧トランスの励磁コイルにより1次電流が正の所定値に達したときスイッチング素子を遮断させ、昇圧トランスの1次電圧が直流電源電圧に達したときスイッチング素子を導通するイグナイタ回路の構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のようなイグナイタ回路ではゲート回路のONのタイミングは、1次コイル側に電圧が電源電圧に達した時としているが、これは制御回路に使用しているスイッチング素子のバラツキや励磁コイルのバラツキなどにより、レベル設定が困難であり、スイッチング素子が発熱し、連続動作状態でスイッチング素子が破壊する虞れがあった。
【0004】
本発明は上記実情に鑑み、ゲート回路を他励発振回路とし同期パルス幅を自由に設定し得るようにし、発熱することなしにスイッチング素子に可聴周波数を越える周波数を与えるようにし、上記課題を解決する燃焼器の点火装置を提供することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、交流電源を直流電源に整流する整流素子と、前記直流電源に直列に接続された昇圧トランスとスイッチング素子を有し、前記昇圧トランスに並列にコンデンサを接続し、前記スイッチング素子のON中に昇圧トランスにエネルギーを蓄積させるとともに、スイッチング素子のOFF中に昇圧トランスとコンデンサとで共振させ、この共振中に昇圧トランスのスイッチング素子側の電圧がスイッチング素子の電源側の電圧よりも低電圧になったときの低電圧期間内において、その低電圧の時間よりも短い時間だけ前記スイッチング素子をONさせるよう外部からスイッチング素子に信号を送るようにしたものであ
【0006】
【作用】
上記のように、コンデンサを並列接続した1次コイルを有する昇圧トランスには整流された電圧が、他励の発振回路で作動するスイッチング素子がONすることにより昇圧トランスに蓄積され、スイッチング素子のOFF時に昇圧トランスの2次コイル側に十数KVの電圧が出力され点火プラグの放電が開始される。この場合、スイッチング素子はこれに接続の発振回路の周波数により決定される。この場合、FETとなるスイッチング素子はゲートON時間を自由に設定できるため、昇圧トランス,コンデンサ,発振回路のバラツキを考慮しても、スイッチング素子の発熱することはなしに連続した放電が可能となる。
【0007】
【実施例】
以下、本発明を実施例の図面に基づいて説明すれば、次の通りである。
【0008】
図1は燃焼器の点火装置を示す回路図であり、交流電源1を平滑の直流電源に整流する整流用ダイオード2と整流用コンデンサ3よりなる整流素子と、前記直流電源側に直列に接続された昇圧トランスLとFETよりなるスイッチング素子5を有し、昇圧トランスLに並列に共振用コンデンサ6を接続し、該昇圧トランスLの2次コイルに点火プラグ7を接続する。また、前記スイッチング素子5のゲートにパルストランス8の駆動出力を導くようにしている。このパルストランス8には、他励で常時発振する発振回路となるコンパレータ9とマイコン等の制御部の作動トランジスタ10を接続し波形整形用コンパレータ11を接続し、これら全体として石油燃焼器の点火装置となる。
【0009】
次にこの作用を説明すると、先ず発振回路となるコンパレータ9で常時発振した波形を作動トランジスタ10のONでパルストランス8に導き、該パルストランス8にて電気絶縁された信号が100V側へ行きFETのスイッチング素子5のゲートを叩く。スイッチング素子5のゲートを叩くとコンデンサ6を通して電流が流れ昇圧トランスLを通し電流が流れる。この場合、スイッチング素子5がOFFするとスイッチング素子5がON中にLに蓄積されたエネルギーにより昇圧トランスLとコンデンサ6により電荷が環流する。
【0010】
ここで、逆起電力が上がってくるとLとCの減衰振動を始める。この減衰振動が始まる前に、又ゲート信号を入れてやるとまた充電が開始する。この場合、ダイオード12はL,Cの逆起電力が出たときに、逆方向からの電流を流すために付いているが、普通、FETのスイッチング素子5に並列にしている。
【0011】
いま、図2(A),(B)に示すように、スイッチング素子5のゲートにON信号を1回送った時のスイッチング素子のドレインーソース電圧(VDS)波形になる。このゲートON中に蓄積されたエネルギーが、スイッチング素子5のOFF時に昇圧トランスL,コンデンサ6の減衰振動電圧としてスイッチング素子5のドレイン側に出力され、電源電圧(E)に収束する。スイッチング素子5のドレイン電圧がソース電圧より低い間(T1 )にゲートをONさせることにより (図2( C) 参照)、スイッチングロスがないスイッチング素子5のON−OFFを行なわせ、スイッチング素子5を発熱させず連続した放電が可能となる。この場合、スイッチング素子5のON時間はT1 より短くしなければならない。
【0012】
即ち、この発振回路は他励発振回路としてなるため、同期,パルス幅が自由に設定できる。また、放電エネルギー密度が高すぎ、紙,埃等が燃え易くなるが、パルス幅を小さくしてコイル,コンデンサの蓄積エネルギーを少なくできる。
【0013】
【発明の効果】
上述のように、本発明の燃焼器の点火装置は可聴周波数を越える周波数でスイッチングするスイッチング素子のゲートON対しT1 時間を十分に長く設定できるため、スイッチング素子のバラツキを考慮しても、スイッチング素子が発熱することなしに連続した高電圧の放電が可能となり、スイッチング素子の破壊の虞れもない。また、発振周波数は広範囲に設定でき、放電開始から連続放電中でも耳ざわりのない静音運転ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す燃焼器の点火装置の回路図である。
【図2】同スイッチング素子のゲートにON信号を送った説明図であり、(A)は同ドレイン−ソース間電圧の動作図であり、(B)は同ゲート信号の説明図であり、(C)は同ゲートONのタイミングの説明図ある。
【符号の説明】
2 整流用ダイオード
3 整流用コンデンサ
5 スイッチング素子
6 コンデンサ
9 発振用コンパレータ
10 作動トランジスタ
L 昇圧トランス

Claims (1)

  1. 交流電源を直流電源に整流する整流素子と、前記直流電源に直列に接続された昇圧トランスとスイッチング素子を有し、前記昇圧トランスに並列にコンデンサを接続し、前記スイッチング素子のON中に昇圧トランスにエネルギーを蓄積させるとともに、スイッチング素子のOFF中に昇圧トランスとコンデンサとで共振させ、この共振中に昇圧トランスのスイッチング素子側の電圧がスイッチング素子の電源側の電圧よりも低電圧になったときの低電圧期間内において、その低電圧の時間よりも短い時間だけ前記スイッチング素子をONさせるよう外部からスイッチング素子に信号を送ることを特徴とする燃焼器の点火装置。
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